研究活動上の不適切行為(二重投稿)の認定について(2017-16)

【基本情報】

番号

2017-16

不正行為の種別

二重投稿

不正事案名

研究活動上の不適切行為(二重投稿)の認定について

不正事案の研究分野

人間工学

調査委員会を設置した機関

A大学、B大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

A大学 教授、博士後期課程学生

B大学 講師

不正行為と認定された研究が行われた機関

A大学

B大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

告発受理日

A大学:平成29年4月24日
B大学:平成29年5月8日

本調査の期間

A大学:平成29年7月14日~平成29年12月7日
B大学:平成29年6月5日~平成29年11月9日

不服申立てに対する再調査の期間

報告受理日

平成30年3月28日

不正行為が行われた経費名称

該当なし

 

 

【不正事案の概要等】

◆不正事案の概要

1.告発内容及び調査結果の概要
 本件は、A大学繊維学系教授、同博士後期課程学生及びB大学講師の3名が、国際学会で発表した論文とほとんど同一の論文を日本の工学系学会誌に投稿し、掲載されたが、後日、学会は当該論文が二重投稿に当たるため掲載取消しとすることを公表されたことを受け、A大学における研究活動の不正行為等の取扱いに関する規則に基づく予備調査並びに本調査を実施したものである。
 また、B大学においても、A大学からの通報を受け、B大学研究活動に係る不正行為防止に関する規程に基づき、予備調査並びに本調査を実施した。
 調査の結果、両大学とも、研究活動における不適切行為である「二重投稿」が行われたものと認定した。

 

2.本調査の体制、調査方法、調査結果。不正行為と認定した理由
(1)調査委員会による調査体制
 ・A大学 7名(内部委員3名、外部委員4名)
 ・B大学 6名(内部委員3名、外部委員3名)

 

(2)調査の方法等
 1)調査対象
  ア)対象者:A大学教授、博士後期課程学生、B大学講師
  イ)対象論文:学会により掲載取消しとなった論文及び国際学会で発表した論文2報

 

 2)調査方法
  関係資料による書面調査、対象者への書面及び面談による聞き取り調査を行った。

 

(3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論

 (結論)
 研究活動における不適切行為である「二重投稿」が行われたものと認定した。

 

 (不正の態様)
 国際学会で発表した論文とほとんど同一の論文を、オリジナル論文として日本の工学系学会に投稿した。

 

 (認定理由)
 学会で取り消された論文及び国際学会で発表した論文を調査委員会で比較、並びに対象者への聞き取り調査を行った結果、二編の論文は文章並びに図表とも、同一のものであると認定した。

 

3.不正行為に直接関連する経費の支出
取り消された論文の投稿費用は、学生が、個人負担しており、公費の支出はなかった。

 

◆研究機関が行った措置

 A大学は教授に対し平成30年3月29日付けで懲戒処分(停職14日)とし、B大学は講師に対し訓戒処分とした。

 

◆発生要因及び再発防止策

1.発生要因
 教授は、聞き取り調査に際し、国際学会で発表したプロシーディング論文は、口頭発表の概要と同じ程度であり、人間工学会での論文が正規の論文と考えていたことから、同じ内容で投稿しても問題ないと理解していたと回答された。このことは、研究倫理意識の低さからくるものである。
 教授の研究教育指導を受けていた学生、並びに教授のもとで学位を取得した講師が同様の研究倫理意識であったと容易に推測でき、かつ、問題があるのではないかと思っていても、研究指導を受けている立場と教え子の立場からは、二重投稿の問合せをなかなか言い出せない状況であったことが推測でき、このことも、要因の一つである。
 論文作成に対する貢献度は、学生、講師、教授の順に高かったと判断する。責任の割合については、教授は事情聴取において、自ら認めたように、教授が最も重いと判断する。論文作成の経験からすれば、講師の責任も大きいが、学生の論文作成への貢献度を考えれば、学生と講師の責任割合はほぼ同程度と判断する。

 

2.再発防止策
 ・A大学
 (研究不正防止に向けた研究倫理遵守意識の向上)
  研究活動等不正防止対策室が中心となり、研究不正防止に関する関係規則、行動規範、ガイドラインの周知徹底を図る。
  研究倫理教育について、全教職員を対象とした研究倫理セミナーの開催、日本学術振興会又はCITI-Japanが提供する教材を使ったe-learning受講等による研究不正防止研修の受講を義務付ける。

 (大学院生に対する研究倫理教育の強化)
  学生に対しても、研究倫理セミナーを開催するとともに、入学時に研究倫理パンフレットを配布し、啓蒙活動を行う。
  大学院生を主対象とした、修士・博士論文執筆前における論文執筆教育を行う。

 

 ・B大学
  不正行為に対する委員会及び公益通報の窓口の設置などについて、従来の規程を平成28年5月9日に大幅に改正(同年9月28日には微修正)し、ホームページに掲載するとともに、教職員への周知を図ってきた。
  また、研究倫理教育については、全教職員に対してCITI-Japanのe-learning受講を平成27年度に完全実施を行ったが、本年度平成29年度も全教職員が再度e-learningの受講を義務付けた。学生については、4年生及び大学院の学生に対して、卒業研究、修士論文、博士論文を作成するに当たって、ねつ造、改ざん、盗用などの不正行為の内容を中心として、指導教員が書籍に基づいて講義を行うことを義務付けた。

  今後は、二重投稿、自己盗用などについても定期的に、上記のようなe-learningの受講、教員からの学生への教育を実施して、不正行為の防止を図る。

 

 

 

 

◆配分機関が行った措置

 特定不正行為は認定されていないため、研究機関及び研究者に対する競争的資金の返還並びに研究者に対する競争的資金への申請及び参加資格の制限は行わない。

 

 

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874

(科学技術・学術政策局人材政策課研究公正推進室)