研究活動上の不正行為(盗用)の認定について(2017-10)

【基本情報】

番号

2017-10

不正行為の種別

盗用

不正事案名

研究活動上の不正行為(盗用)の認定について

不正事案の研究分野

文学

調査委員会を設置した機関

大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

元教授

不正行為と認定された研究が行われた機関

大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

平成9年~平成14年

告発受理日

平成29年7月12日

本調査の期間

平成29年8月31日~平成30年1月18日

不服申立てに対する再調査の期間

なし

報告受理日

平成30年3月5日

不正行為が行われた経費名称

該当なし

 

 

【不正事案の概要等】

◆不正事案の概要

1 告発内容及び調査結果の概要
 平成29年7月12日、他大学関係者から「『大学紀要に掲載されている、元教授(平成24年3月退職、故人)の論文は、他者の論文とほぼ同一内容であり、盗用ではないか。』と教員から指摘があった」との連絡があった。(当該他者も故人である。)
 研究活動における不正行為の防止及び対応に関する規程に基づき、予備調査の後、学外及び学内委員で構成される調査委員会を設置し、告発対象の論文と盗用されたとする論文について、照合・比較により調査を実施した。
 調査の結果、研究活動における特定不正行為である「盗用」が行われたものと認定した。

 

 【告発者から告発のあった不正の態様及び特定不正行為であるとする理由】
(1)不正の態様
  元教授が他者の論文を盗用した疑い
(2)研究活動における特定不正行為であるとする理由
  元教授が紀要に掲載した論文は、一部の句読点、文字使いを除き、他者の論文をそのまま流用している。

 

2 本調査の体制、調査方法、調査結果について
(1)調査委員会における調査体制
  6名(内部委員3名、外部委員3名)

 

(2)調査の方法等
 1)調査対象
  ア)対象者:元教授
  イ)対象論文
   告発者から不正行為(盗用)の疑いがあると指摘のあった論文1報及び元教授が大学紀要に掲載した他の論文5報 計6報(いずれも大学紀要に掲載)

 

2)調査方法
  調査対象論文6報と、盗用されたとされる論文について照合・比較を行った。
  (対象者は既に故人であり、本人への聞き取り調査は行っていない。)

 

(3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論
  告発者から不正行為(盗用)の疑いがあると指摘のあった論文1報及び元教授が大学紀要に掲載した他の論文5報(計6報)に関し、調査委員会による調査結果を踏まえた大学の結論は以下のとおりである。

 

 (結論)
  調査対象論文と盗用元とされる論文の比較を行い、研究活動における不正行為の防止及び対応に関する規程及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」で定義する特定不正行為である「盗用」が行われたものと認定した。

 

(認定理由)
  調査対象論文と盗用元とされる論文の比較により、一部の句読点、文字使いを除き、原文をそのまま流用していることを確認した。

 

3  認定した不正行為に直接関連する経費の支出について
特定不正行為(盗用)と認定された論文の作成過程において、直接因果関係が認められる経費の支出はなかった。

 

◆研究機関が行った措置

 元教授の論文が掲載された大学紀要の送付先に対して、盗用が認定された論文を削除するためのシールを配付し、紀要の訂正を依頼した。
 元教授が既に故人であることから、懲戒処分は実施しない。

◆発生要因及び再発防止策

1)発生要因
 当時助教授であった元教授は、業績を積み上げることにより教授昇任も可能となる立場であり、教授昇任のための業績の充実に対する焦燥があったと考えられる。そのため、ひろく配布される出版物ではない大学紀要を発表媒体として利用し、従来からの研究対象についての評論を、他者の論文から盗用してしまったと推察される。
 また、本件は元教授の倫理観の欠如が要因で生じた事案であるものの、大学では、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成26年8月26日 文部科学大臣決定)等を踏まえ、不正行為の疑惑が生じた際の調査手順や研究倫理教育の実施体制の整備等を行ってきたが、盗用が認定された論文が投稿された平成9年~14年当時は、大学の管理・不正防止体制が十分であったとは言えない。

 

2)再発防止策
 ア ひろく配布される出版物ではない大学紀要において盗用が認定されたことから、より広く研究成果を公表することにより、不正行為の未然防止や早期発見につながるよう、平成30年度から大学紀要を従来の印刷物の発行から、WEBへの公開に移行することを決定した。
 イ 盗用が認定された論文が投稿された平成9年~14年当時は研究者に対して研究倫理教育の実施等、不正防止体制が十分であったとは言えないことから、平成27年度から公的研究費等を正当に管理する旨の「誓約書」への署名を求めるとともに、研究倫理教材『科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-』の通読及び「通読確認書」の提出を必須化した。
 ウ イに加え、平成30年度からコンプライアンス研修及び研究倫理研修の受講を義務化するとともに、未受講者に対しては個人研究費の配分を停止することとする。

 

 

 

 

◆配分機関が行った措置

 本件は競争的資金による経費の支出がなく、かつ平成9年~平成14年に不正が行われた事案であることから、研究機関及び研究者に対する競争的資金の返還は求めない。

 

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科学技術・学術政策局人材政策課

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874

(科学技術・学術政策局人材政策課研究公正推進室)