兵庫教育大学大学院学校教育研究科所属教員による研究活動上の不正行為(盗用)の認定について

【基本情報】

番号

2017-04

不正行為の種別

盗用、自己盗用

不正事案名

兵庫教育大学大学院学校教育研究科所属教員による研究活動上の不正行為(盗用)の認定について

不正事案の研究分野

教育学

調査委員会を設置した機関

兵庫教育大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

兵庫教育大学大学院学校教育研究科 准教授

不正行為と認定された研究が行われた機関

兵庫教育大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

平成25年4月23日、平成26年4月21日(いずれも、論文受理日)

告発受理日

平成29年3月16日

本調査の期間

平成29年4月6日~9月1日

不服申立てに対する再調査の期間

報告受理日

平成29年12月4日

不正行為が行われた経費名称

該当なし

 

 

【不正事案の概要等】

◆不正事案の概要

1.告発内容及び調査結果の概要
 本件は、兵庫教育大学学校教育研究科准教授が平成25年及び26年に発表した論文2報について他者の論文及びWebページの文章を無断で引用している疑いがある旨の匿名の告発を受け、「国立大学法人兵庫教育大学における研究活動の不正行為への対応等に関する規程」(以下、「規程」という)に基づき、調査委員会を設置し、調査委員会において、指摘があった同准教授の論文と引用されたとする論文について照合し、対比表を作成するとともに、同准教授への聴き取り調査を行ったものである。
 調査の結果、研究活動における特定不正行為である「盗用」が行われたものと認定した。

 

 【告発者から告発のあった不正の態様及び特定不正行為であるとする理由】
 (1)不正の態様
   同准教授が他者の論文を適切な出典等の明示なく流用した疑い(盗用)

 

 (2)研究活動における特定不正行為であるとする理由
   同准教授が発表した論文のうち1報に、他者の論文とほぼ同じ文章が出典の明示なく記載されていること。

 

2.兵庫教育大学における本調査の体制、調査方法、調査結果等について
 (1)調査委員会における調査体制
  6名(内部委員3名、外部委員3名)

 

 (2)調査の方法等
  1)調査対象
   ア)対象者:学校教育研究科 准教授
   イ)対象論文:告発者から不正行為の疑いがあるとの指摘があった論文2報
  2)調査対象論文
   告発者から不正行為(盗用)の疑いがあると指摘のあった調査対象論文とその論文の基になったとされる論文について比較照合調査を行うとともに、作成した対比表に基づき、同准教授に聴き取り調査が行われた。

 

 (3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論
告発者から研究活動における不正行為の疑いがあると指摘があった同准教授が発表した2報に関し、調査委員会による調査結果を踏まえた兵庫教育大学の結論は以下のとおりである。

 

 (結論)
  告発のあった論文2報のうち1報において、比較照合調査及び同准教授の弁明を総合的に検証した結果、規程及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」で定義する研究活動における特定不正行為である「盗用」(他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研究者の了解又は適切な表示なく流用すること)が行われたものと認定した。

 

 (認定理由)
  2報の論文のうち1報の論文の結論部分に、他の研究者の論文の一節と同じ文章が、ほぼそのまま出典の明示なく記載されていたこと。

 

 (規程上の不正行為以外の不適切な行為)
  1)告発のあった論文2報において、地方自治体のWebページ等から、出典の明示なくほぼ同じ文章を記載した箇所が10箇所認められ、いずれも著作権を侵害する不適切な行為であると認定した。

  2)自身の過去の論文(1991年)から1ページ半(論文の四分の一に該当)に渡り、ほぼそのまま再掲等の明示なく記載しており、また孫引きも見受けられ、研究倫理上不適切な行為であると認定した。

 

3.認定した特定不正行為に直接関連する経費の支払について
 学内個人研究費による研究であり、「盗用」を認定した論文の作成過程において、直接因果関係が認められる経費の支出はなかった。

 

◆研究機関が行った措置

 調査委員会は、調査報告書を取りまとめ、学長に報告するとともに、准教授への通知を行った。准教授からの不服申立てはなかったため、学長は処分の検討に入り、学内の手続を踏まえた上で、准教授に停職1月の懲戒処分を決定し、本人に通知した。
 同時に、本学学術情報リポジトリに登録している、本事案で不正認定の対象となった2報について、リポジトリから削除した。
 なお、告発者については、匿名の第三者であったことから、報告等は行っていない。

 

◆発生要因及び再発防止策

1)発生要因
 今回の研究不正行為については、准教授の研究倫理の欠如がもたらしたものであると考える。
 本学は本事案の発生当時の平成25、26年度には、研究者に対する研究倫理教育は行っていたものの受講管理等は行われておらず、准教授が確実に受講していたかは不明である。研究倫理の意識向上が全学的な取り組みとして位置づけられていなかったことが背景として挙げられる。
 また、准教授が論文を投稿した本学研究紀要は、当時、掲載に当たり審査を行っていたが、このような不正及び不適切な行為を見つけることはできなかった。

 

2)再発防止策
 全学的に研究倫理意識を向上させるため、文部科学省の「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」及びそれに基づく本学規程に従って、教員の採用時及び定期的に研究不正防止に関する講習会を実施すること、その際の受講管理を徹底すること、講習会の欠席者にはe-learningを受講させること等により、教職員全員の受講を目指す体制を整えたほか、学生には研究倫理向上を啓発するリーフレットを配付し、研究に関わる者全てが何らかの形で研究倫理教育を受けられるよう整備するとともに、研究に関わる教職員からは誓約書の提出を義務づけ、平成30年度からは学生には不正行為をしないことを確認させる「確認書」の提出を義務づける等の措置をとった。
 また、本事案が本学研究紀要への投稿論文において起こったことに鑑み、現行の投稿論文の審査について、より厳密にクロスチェックを行うこととした。更に今後、審査方法等を含む編集体制の再構築を図ることを検討する。

 

 

 

 

 

◆配分機関が行った措置

 本件は競争的資金による経費の支出がなく、かつ平成25、26年度に不正が行われた事案であることから、研究機関及び研究者に対する競争的資金の返還並びに研究者に対する競争的資金への申請及び参加資格の制限は行わない。

 

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874

(科学技術・学術政策局人材政策課研究公正推進室)