千葉大学元特任研究員による不正行為(改ざん)の認定について

【基本情報】

番号

2025-06

不正行為の種別

改ざん

不正事案名

千葉大学元特任研究員による不正行為(改ざん)の認定について

不正事案の研究分野

泌尿器科学

調査委員会を設置した機関

千葉大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

千葉大学大学院医学研究院 元特任研究員、准教授、元教授

不正行為と認定された研究が行われた機関

千葉大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

平成25年度~令和2年度

告発受理日

令和6年5月2日

本調査の期間

令和6年7月2日~令和7年4月14日

不服申立てに対する再調査の期間

報告受理日

令和7年6月9日

不正行為が行われた経費名称

科学研究費助成事業

 

【不正事案の概要等】

◆不正事案の概要

1.告発内容及び調査結果の概要
 令和6年4月に告発の回付があり、事案の内容が明示され、不正とする科学的合理的理由が示されているため、顕名の告発に準じて回付の告発を受け付けた。
 本調査の結果、論文2編において不正行為(改ざん)が行われたと認定した。

2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について
(1)調査委員会による調査体制
  11名(内部委員5名、外部委員6名)

(2)調査の方法等
 1)調査対象
  ア)調査対象者:千葉大学大学院医学研究院 元特任研究員(※)、准教授、元教授
       ※調査対象論文のうち1編においては、大学院医学薬学府大学院生。
  イ)調査対象論文:2編(海外の学術誌:2020年、2021年)

 2)調査方法
           ・調査対象論文の実験・観察ノート等の確認
           ・調査対象者及びその他著者からの聞き取り(書面/ヒアリング)調査
           ・画像解析専門会社への解析依頼
 
(3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論
 (結論)
   1)認定した不正行為の種別
    改ざん
   2)「不正行為に関与した者」として認定した者
    千葉大学大学院医学研究院 元特任研究員
   3)「不正行為に関与していないものの、不正行為のあった研究に係る論文等の責任を負う著者」として認定した者
    千葉大学大学院医学研究院 准教授、元教授

 (認定理由)
  元特任研究員については、反転した図(写真)、真正でない図(写真)を論文に掲載して発表したことは、研究者として論文公表時における正確性を欠いており、「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠った者」と認定した。
  准教授については、当該論文の責任著者であり、研究室の大学院生の指導的立場であり、生データや実験ノート等を精査した上で、論文に引用されたデータや図の正確性を確認すべきであったのにこれを怠ったため、「不正行為に関与していないものの、不正行為のあった研究に係る論文等の責任を負う著者」と認定した。
  元教授については、論文の最終著者であること、研究室の主宰であり、生データや実験ノート等の記載内容を精査した上で、論文に引用されたデータや図の正確性を確認すべきであったのにこれを怠ったため、「不正行為に関与していないものの、不正行為のあった研究に係る論文等の責任を負う著者」と認定した。
 
 (不服申立て手続き、再調査結果)
  調査結果を通知したところ、准教授から不服申立てが提出されたが、後日取り下げられた。

3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について
 科学研究費助成事業による研究成果であるが、不正行為を認定した論文の作成過程において、直接関係する経費の支出は認められなかった。

◆研究機関が行った措置

1.論文の取下げ
   被認定者に対し、論文の取下げを勧告した。
 
2.被認定者に対する大学の対応(処分等)
   不正行為を認定した論文のうち1編が元特任研究員の学位論文であり、学位授与の取消しに相当するとの結論に達した。准教授については、就業規則に基づき今後処分を検討する予定。元教授は、退官しており、就業規則が適用されない。

◆発生要因及び再発防止策

1.発生要因
 研究データを十分に確認しなかったことは、研究・調査データの厳正な取扱いへの認識が不十分であった。
 画像において通常上下反転することがないことは、元特任研究員、准教授とも認識しており、研究成果の発表において、確認が不十分であった。元教授は適切な指導を行う認識が不十分であった。
 研究資料の保存期間は当該研究成果の発表後10年間と定められているにもかかわらず、紛失しており、適切な管理がなされていなかった。
 
2.再発防止策
 研究者の行動規範や関係規程等の遵守及び研究倫理教育の継続的な実施により再発防止の徹底を図る。
 規程を改正し、研究者等の責務として「日々の研究活動を適切に記録・保管し、研究発表時にその内容を一次記録に遡り確認すること」を明記する。
 研究資料及び試料等の保存・管理について、改正規程を全学に通知するとともに全学会議において説明を行い、周知徹底を図る。

 

◆配分機関が行った措置

 資金配分機関である日本学術振興会において、不正行為が認定された研究者に対して、競争的研究費の資格制限の措置を講じる予定。

お問合せ先

科学技術・学術政策局参事官(研究環境担当)付

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874
メールアドレス:jinken@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局参事官(研究環境担当)付研究公正推進室)