【基本情報】
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番号 |
2025-04 |
不正行為の種別 |
盗用、不適切なオーサーシップ |
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不正事案名 |
麻布大学教授による不正行為(盗用、不適切なオーサーシップ)の認定について |
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不正事案の研究分野 |
獣医学 |
調査委員会を設置した機関 |
麻布大学 |
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不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名 |
麻布大学 獣医学部 教授 |
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不正行為と認定された研究が行われた機関 |
麻布大学 |
不正行為と認定された研究が行われた研究期間 |
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告発受理日 |
令和6年12月2日 |
本調査の期間 |
令和7年2月27日~令和7年7月8日 |
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不服申立てに対する再調査の期間 |
- |
報告受理日 |
令和7年7月30日 |
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不正行為が行われた経費名称 |
基盤的経費(基盤的経費への補助として大学に配分されている私学助成の一部を含む) |
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【不正事案の概要等】
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◆不正事案の概要 |
1.告発内容及び調査結果の概要 令和6年11月に研究者本人から自身が関与する研究において、不正行為があったとする報告があり、不正とする科学的な合理性のある理由が示されているため、これを受理し、予備調査を経て調査委員会を設置した。 本調査の結果、論文1編において不正行為(盗用、不適切なオーサーシップ)が行われたと認定した。 2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について (1)調査委員会による調査体制 5名(内部委員2名、外部委員3名) (2)調査の方法等 1)調査対象 ア)調査対象者:麻布大学 獣医学部 教授、講師、助教 イ)調査対象論文:1編(海外の学術誌:2022年) 2)調査方法 調査対象論文とカルテ等の臨床データとの比較調査、調査対象者及び関係者へのヒアリング調査を行った。 (3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論 (結論) 1)認定した不正行為の種別 盗用、不適切なオーサーシップ 2)「不正行為に関与した者」として認定した者 麻布大学 獣医学部 教授 (認定理由) 不正行為を認定した論文における対象患畜の性別、症状、診断、治療方法及び予後観察経過に関する記述が、カルテを作成、診療した主治医から指摘された内容とほぼ一致することから、同一の患畜のカルテ情報を元にした臨床報告論文であると判断した。本人は患畜の診断、治療及び予後観察には関与しておらず、カルテ情報を元に論文を作成しており、その際に主治医及びその指導学生が作成した写真や記録を意図的に論文に用いていること、さらに本人もこのことに関して自認していることから、盗用を認定した。 主に診断、治療、予後観察を行い、カルテ情報を作成した主治医は共著者の権利を有するものの、本人は意図的に主治医を著者から除外し、連絡も取らなかったため、不適切なオーサーシップを認定した。 3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について 不正行為を認定した論文について以下の支出があった。 ・基盤的経費(基盤的経費への補助として大学に配分されている私学助成の一部を含む) 87,558円(和英翻訳料、投稿料) |
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◆研究機関が行った措置 |
1.論文の取下げ等 すでに被告発者が当該論文の取り下げを行っている。 2.被認定者に対する大学の対応(処分等) 「学校法人麻布獣医学園就業規則」に基づき、停職3か月の懲戒処分を行った。 |
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◆発生要因及び再発防止策 |
1.発生要因 被認定者は、研究科指導教員再評価の論文数が不足していたため、論文を早急に出版する必要がある中で、本来なら共著者の権利を有する主治医との連絡を対人関係の不和から意図的に回避し、主治医ならびのその指導学生が作成した写真などを盗用するに至った。 本人はこれらの行為が盗用に当たること、不適切なオーサーシップに当たることを自認していたものの、前述の背景、動機によってその行為に至った点は、倫理観の欠如と言わざるを得ない。 カルテデータの帰属や管理運営方法、論文化の際の著者としての権利など、本来は文書化され教員間で共有されて然るべきものであるが、そのような体制が整っておらず、これらの不備も今回の不正発生の要因の一つと考えられる。 投稿前の共著者の確認及びデータの帰属先に関して、他の共著者からの意見があったものの、最終的に本人一人で判断していた。 指導的立場であり、また責任著者の立場であるものが、本来担当する指導・マネジメントを怠ったことは、責任者としての自覚が希薄であったと言わざるを得ない。 2.再発防止策 学長より、公正かつ責任ある研究活動及び研究不正防止に関するメッセージを発信し、大学において研究不正は決して許されないことであり、懲戒処分の対象となることを周知徹底する。 研究倫理教育の受講を継続することに加え、受講管理のより一層の徹底を図る。 大学、学部、研究科単位での研究データの一元的記録・保存・管理を行うためのデータ管理体制を整備すべく、昨今のオープンサイエンスの考え方とセキュリティについて検討及びセミナー開催を行う。 学術論文作成に関するオーサーシップ・ポリシーを徹底させる。学術論文の作成時には、共著者間で研究データの検証とその評価を必ず行うことをルールとする。研究不正が起こりにくい環境を醸成することを目的とし、大学内各所の掲示板でポスターを貼付し、研究不正告発の受付窓口が置かれていることを改めて周知徹底する。 |
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◆配分機関が行った措置 |
資金配分機関である文部科学省において、不正行為が認定された研究者に対して、競争的研究費の資格制限の措置を講じる予定。 |
研究公正推進室
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