【基本情報】
番号 |
2025-01 |
不正行為の種別 |
研究規範に反する行為(虚偽の記載) |
不正事案名 |
山口大学元教授による不正行為(研究規範に反する行為(虚偽の記載))の認定について |
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不正事案の研究分野 |
- |
調査委員会を設置した機関 |
山口大学 |
不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名 |
山口大学 元教授 |
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不正行為と認定された研究が行われた機関 |
山口大学 |
不正行為と認定された研究が行われた研究期間 |
- |
告発受理日 |
令和6年2月27日 |
本調査の期間 |
令和6年4月25日~令和6年10月29日 |
不服申立てに対する再調査の期間 |
令和6年12月27日~令和7年1月10日 |
報告受理日 |
令和7年2月7日 |
不正行為が行われた経費名称 |
「3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について」参照 |
【不正事案の概要等】
◆不正事案の概要 |
1.告発内容及び調査結果の概要 令和6年2月に告発があり、事案の内容が明示され、不正とする科学的な合理性のある理由が示されているため、告発を受理し、予備調査を経て調査委員会を設置した。 本調査の結果、論文3編において不正行為(研究規範に反する行為(虚偽の記載))が行われたと認定した。 2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について (1)調査委員会による調査体制 8名(内部委員4名、外部委員4名) (2)調査の方法等 1)調査対象 ア)調査対象者:山口大学 元教授 イ)調査対象論文:3編 2)調査方法 調査対象者に生データ等の提出を求めるとともに、ヒアリングを行った。また、調査対象者が試料等の提供を受けたと説明した関係機関に事実関係を確認した。提出された生データや実験ノート等及びヒアリング内容、並びに関係機関からの提出資料及び説明を踏まえて審議した。 (3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論 (結論) 1)認定した不正行為の種別 研究規範に反する行為(虚偽の記載) 2)「不正行為に関与した者」として認定した者 山口大学 元教授 (認定理由) 不正を認定した論文のうち2編は、山口大学で行った研究ではないにもかかわらず、山口大学で行った研究であると故意に記載した。また、3編は動物使用計画書の承認を受けていないのに山口大学においてこれを受けたとする事実と異なる記載を故意に行うとともに、これに併せて全く論文内容とは異なる動物を使用する動物使用計画書の番号を故意に記載した。これらは、研究の実施場所や動物使用計画書等の、研究データや成果以外の部分で虚偽の記載をしており、特定不正行為ではない不正行為である「研究規範に反する行為」(虚偽の記載)があると認定した。 (不服申立て手続) 故意に記載したかどうか等の判断について不服申し立てがあったが、調査対象者の明確な認識の下で行われたものであること、また内容が事実と相違すること(虚偽であること)について調査対象者において認識があることに何ら争いはないこと等の理由により、不服申し立てを却下した。 3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について 基盤的経費(運営費交付金)による研究活動であるとの説明が元教授からされたが、経費の特定はできず、不正行為を認定した論文に直接関係する経費の支出は認められなかった。 |
◆研究機関が行った措置 |
1.論文の取下げ 不正行為が認定された論文3編のうち2編の取下げを勧告した。(他1編は既に取下げ済) 2.被認定者に対する大学の対応(処分等) 元教授は既に退職しているため、5月13日付けで懲戒に相当する量定として停職(3か月)相当とすることを決定した。 |
◆発生要因及び再発防止策 |
1.発生要因 研究の実施機関や動物使用計画書の有無などに関する虚偽の記載については、研究者としての基本的な見識の欠如、コンプライアンス意識や規範意識の欠如によるものである。 またいずれも単著論文であり、元教授のみの研究室であることから、他の研究者のチェックも入りにくい環境であった。さらに生データの保管等の問題もあり、研究者の基本的な見識が欠如していた 。 2.再発防止策 動物を使用した研究を行う場合の手続きの要点をまとめたパンフレット等を作成する。また、毎年開催している動物使用に関する教育訓練において研究倫理について、より一層強調して説明する。今回の事態を厳粛に受け止め、今後このようなことが生じないよう、学内における研究倫理のより一層の徹底を図り、再発防止に努める。 |
◆配分機関が行った措置 |
特定不正行為が認定されていないため、研究者に対する措置は講じない。 |
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