【基本情報】
番号 |
2023-08 |
不正行為の種別 |
盗用 |
不正事案名 |
常葉大学教授による研究活動上の不正行為(盗用)の認定について |
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不正事案の研究分野 |
文学 |
調査委員会を設置した機関 |
常葉大学 |
不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名 |
常葉大学 外国語学部 教授 |
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不正行為と認定された研究が行われた機関 |
常葉大学 |
不正行為と認定された研究が行われた研究期間 |
- |
告発受理日 |
令和5年2月7日 |
本調査の期間 |
令和5年3月30日~令和5年9月26日 |
不服申立てに対する再調査の期間 |
- |
報告受理日 |
令和6年1月15日 |
不正行為が行われた経費名称 |
基盤的経費(私学助成を含む) |
【不正事案の概要等】
◆不正事案の概要 |
1.告発内容及び調査結果の概要 令和5年2月7日、教授が執筆した論文2編に盗用の疑いがある旨の告発があった。予備調査の結果を受けて本調査を行うこととし、調査委員会を設置した。調査の結果、論文1編について盗用(特定不正行為)が行われたと認定した。 2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について (1)調査委員会による調査体制 5名(内部委員2名、外部委員3名) (2)調査の方法等 1)調査対象 ア)調査対象者:常葉大学 外国語学部 教授 イ)調査対象論文:2編(学内の紀要論文:2020年、2022年) 2)調査方法 ・告発内容の確認、予備調査結果の確認 ・調査対象論文(被告発論文・先行研究)の確認及び比較分析 ・調査対象者からの事情聴取(書面・対面) (3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論 (結論) 調査対象論文2編の内、1編(2020年)を不正行為と認定した。 1)認定した不正行為の種別 盗用 2)「不正行為に関与した者」として認定した者 常葉大学 外国語学部 教授 (認定理由) 調査対象論文1編の該当箇所3 段落において、最後に出典元は記載されているものの、どこまでが引用箇所であるのかを明確に示す工夫がなされておらず、教授自身の考えが述べられている箇所が混在していることもあいまって、出典元からの引用であると読むことはできない。 よって、故意性は認められなかったものの、研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことにより、他者の論文を「適切な表示なく流用する行為」に該当すると判断し、盗用を認定した。 (不服申立て手続) 教授に本調査結果を通知したところ不服申立てがなされたが、認定に対するものではなかったため、再調査は行わなかった。 3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について 基盤的経費(私学助成を含む)による研究成果であるが、不正行為を認定した論文の作成過程において、直接関係する経費の支出は認められなかった。 |
◆研究機関が行った措置 |
1.論文の訂正 教授に対し、不正行為を認定した論文の調査対象箇所の訂正を勧告する。 2.被認定者に対する大学の対応(処分等) 教授への処分については、就業規則に基づき今後検討する。 |
◆発生要因及び再発防止策 |
1.発生要因 これまで大学では、教職員に対して全学的に研究不正の防止及び研究倫理教育に関する研修を実施してきており、調査対象者においてもすべての研修を受講しているが、レファレンス等の「好ましくない研究行為(QRP)」「特定不正行為(FFP)」における具体的な例示の周知徹底が不十分であったこと、査読体制が整備されていなかったことが要因と考えられる。 2.再発防止策 ・盗用について具体的な例示を取り上げている学会等のガイドラインを参考にしたものを整理し、教職員には全学連絡用グループウェア(全教職員に対する情報共有システム)、大学院生には「ポータルサイト」(大学からの情報提供システム)にて、再発防止への周知徹底を図る。 ・剽窃ツールの積極的な活用など査読体制の再検討を行うとともに、毎年度全学的に実施している研究倫理研修の継続的な実施(参加者・参加率の把握・管理含む)に加え、特に人文・社会科学系論文における適切な引用等に関する研修を強化し、研究倫理教育に関する風土の構築を推進する。 |
◆配分機関が行った措置 |
資金配分機関である文部科学省において、不正行為が認定された研究者に対して、競争的研究費の資格制限の措置(令和6年度~令和8年度(3年間))を講じた。 |
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