令和8年2月27日(金曜日)10時00分~12時00分
文部科学省16F 16F4会議室
(1)令和7年度「女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援事業」について(最終報告)
(2)令和8年度予算額(案)について
(3)その他
委員
大槻座長、乾委員、小山内委員、島委員、矢島委員
文部科学省
中園男女共同参画共生社会学習・安全課長、星川男女共同参画学習室長、山本女性政策調整官、與儀男女共同参画推進係長
(1)令和7年度「女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援事業」について、委託事業者より最終報告が行われた。委員からの主な質問や意見は以下のとおり。
【京都女子大学】
(委員)
受講生の振り返りのアンケートについて、昇進志向で役職に就いている修了生と就いていない修了生に分かれているが、役職に就いているというのはアンケート段階で就いている方々という意味か。
また、アンケートで役職に就いている方が、課長相当、部長相当、役員とあるのは、現時点でその役職に就いているということで、既に就いている役職からこの役職を目指すという意味ではなく、この3つは現在の役職を答えているという理解で良いか。
(回答)
アンケートを行った2025年12月から2026年1月の回答時点で役職についている方にお答えいただいている。また、今後役職に就きたいかということについて、将来的に就きたいという志向を尋ねている。現在の役職ではなく、それ以上を目指しているということを聞いている。
(委員)
リカレントで学んでよかったことという質問に対する回答が、複数回答となっているが、選択肢はこの5つから選ぶという形か。
(回答)
そのとおり。この5つから選んでいただいた。
(委員)
もともとの教育意図と比べてかなり期待どおりの結果が得られたのか、それとも意外な評価だったのか、結果を見て感じたことを教えてほしい。
(回答)
「受講生ネットワークがひろがった」というところは、よく受講生本人からも聞く声で、期待どおりだった。意外な点は、「マネジメント力もしくは人生の岐路における決断力が向上した」というところの件数が一番多かった点である。
(委員)
選択肢がかなり広い意味合いなので、マネジメント力を選んだ人もいれば決断力を選んだ人もいるということかと思う。
2点目に、学びを継続しているかというところで、次のページの定義を見ると、「自分で読書やインターネットで学んだ(学んでいる)」というところも学んだということに含まれていることになっている。そうすると、学びの実施率が6割、7割にすぎない、3分の1は継続していないというのは非常に継続率が低い状態になっており、修了後はかなり学んでいない率が高いと思うが、どう考えているか。
(回答)
恐らくリカレントを終了した直後は学びの習慣がまだ残っているので継続しているのではないかと思う。また、「修了後も学んでいる」と答えている66%の中身を分析すると、コースごとに傾向が出ており、女性リーダーコースは8割以上が学んでいるが、それ以外の例えばブラッシュアップコースは3割ぐらいにとどまっているなど、コースによってばらつきがあり、仕事につながる学びについては継続されている方が比較的多いと考えている。
また、修了して数年後、恐らくだんだん学ばなくなってくる層がいて、現時点では学んでいないという回答の34%につながったのではないかと推測している。
(委員)
本来は、完全に学習習慣がついたということであれば、経年でダウンしていくことというのは非常に問題と思うので、その点は指摘したい。
(委員)
講座自体の評価も高いし、受講後の満足度とか成果はとても高く、修了生が351人にもなっている。せっかく効果の高いものを受けた後、続かないという印象がある。例えば、修了後も修了生同士が会う交流の機会など、継続していく仕掛けなどは考えているか。
(回答)
今年から修了生対象の講座を始めている。またシンポジウムの後などにこれまでの同窓生を集めた交流会も行った。交流会は大変好評で、これをきっかけにまた学ぶ意欲が芽生えているというような意見もいただいたので、継続して、開催回数の頻度のほうを上げていきたい。
また、修了後も学び続けている受講生で、ポイントが高いコースの方を見ると、オンラインで自主的な学習会を持ち回りでしているところもあるが、自主任せにすると不安定になって、いつの間にか消えていたということもあるので、この辺は大学として組織的な機会を設けていきたいと思っている。リカレントのアルムナイネットワーク形成を、来年度実施するため、予算も大学に申請して計画している。学びの継続を担保するようにしたい。
(委員)
女性の人材育成で一番大事なことは終了した後のフォローアップ支援なのではないか。学んでいる途中は、モチベーションも高く一生懸命だが、一旦終わった後ちょっとモチベーションが下がるという場合がある。そういう観点からもアルムナイ事業の充実を今後図っていくことは重要である。
それとともに、外部評価の委員からの評価も、今後のネットワーク形成という部分で、ほかの2つと比べると少し評価が低くなっている。自分は1人ではない、同じような目標を持っている仲間がいるというような意識を持つことが、研修修了後の頑張る意欲につながっていくと思うので、学びの場の継続やネットワークの充実を図っていっていただきたい。
プログラムについては、今回マネジメント力養成という部分では3年目で、内容も充実しており、今後も継続して取り組んでほしい。
また、リカレントで学んでよかったことの回答があるが、その中の一番回答数が多かった「マネジメント力もしくは人生の岐路における決断力が向上した」になっているが、女性の人材育成の場合、ジェンダーの問題とかいろんな問題を考えるとこれが一番大事なところである。学んだことによって、今後また様々な壁であったり、行き詰まることもあるが、そのときに自分がどういう生き方をしたいかという決断力が向上したというのはとても大事なことあり、これが成果として上がったというのはとてもすばらしい事業だったと思う。
質問として、属性3で、受講生の所属企業の業種に製造業が多いのは、京都だからというような説明があったが、地域の特性として、製造業で働く女性が多いのか。
(回答)
京都は、村田製作所やオムロンなどの有名な製造業が集積しており、それに連なる中小企業とか子会社が集まっている。そういった企業から企業派遣で学ばれたり、たまたま学んでいる方がその企業に所属していたりしており、製造業の方が多いという結果になっている。これは、京都の特性を示しているのではないかと考えている。
(委員)
リカレント修了後の学びについて、確かに修了後学び続けることは大事だが、ここに書いてあるような学びだけではなく、修了後に仕事を通じてよく学べて成長できているのではないかと考える。いわゆるOJTと呼ばれるが、ただ仕事をしていれば成長するのではなく、仕事を通じて自分の成長に結びつける力というのが大事だと思うので、リカレントで学ぶことでそれがうまくできていることを把握できるよう、今後アンケートで取っていくとよい。そうすることで、企業に対しても、企業のOJTの効果を高めることができると言えるので、企業に対するアピールポイントにもなると思う。
女性たちも、修了後のいろんなライフイベントで時間が取れない中で、ここに書いてあるような学びはできていないけれども、仕事への向き合い方が変わってOJT効果が高まることや、企業では自立的なキャリアと呼ばれているが、与えられた仕事から成長するだけではなくて、自分で自分の成長のために仕事を選ぶということが求められている中で、積極的なキャリアを追求する人が増えているということを今後の修了生の追及調査で明らかにしていくと企業に対する訴求力もまた高まると思う。
(委員)
この事業はまだ来年も引き続き実施され、先ほどあった学びをどう深めていくのかや、ネットワークをどうつくっていくのかということが課題になると思うが、来年度から国立女性教育会館が男女共同参画機構になって、全国津々浦々における男女共同参画を目指すことになるので、来年度もしもブラッシュアップしていくのであれば、ぜひ国立女性教育会館(来年度から男女共同参画機構)の委員との連携も深めていければよいのではないか。検討いただきたい。
【ユーミックス】
(委員)
保育者向けと保護者向けの資料のタイトル、最初の投げかけが、男女共同参画社会の形成に向けてというよりは、子供の伸び伸びとした育ちのためにのような投げかけのほうがよいのではないか。固定的な性別役割分担意識とかアンコンシャス・バイアスにとらわれないで伸び伸び育てるためにというような投げかけをしたほうが、保育者にも保護者にも伝わると思う。
(回答)
そのような視点でタイトル、キャッチコピーも変えていくことを考えている。
(委員)
啓発資料の表紙のデザインはあるか。
(回答)
一応タイトルがあるページが表紙と考えている。
(委員)
これが1ページだとすると、先ほど指摘があったように、子供の育ちのためにというタイトルがあるべき。「男女共同参画の現状と課題」と言われると、保育者にとっては自分のこととしてなかなか考えづらいと思う。
質問だが、漫画のシチュエーションを示されているのはよいと思った一方で、アンコンシャス・バイアスの内容は、言葉で明示されているものが多く、例えば、女の子だから、男の子だからといったケースになっており、非常に分かりやすい入り口レベルのものが多いと感じたが、あえてこの入り口にした理由はあるか。
例えば保護者向けがこのシチュエーションということであれば入り口レベルでも理解できるが、保育士向けということであれば、例えば、知らないうちに、自分でも気づかず男の子にリーダーの役を任せているとか、先に男の子のほうから呼んでいるといった、意識しない、言葉にできないようなアンコンシャス・バイアスのような内容もあるかと思う。
(回答)
御指摘のように、知らず知らずのうちにということであればもっと違うテーマもあったかと思うが、保育者が日常の子供たちに接する中でよくありがちなシーンということでテーマを決めたため、このような形になっている。
(委員)
意識的に使われるのであれば非常にいいと思う。そういう意味では分かりやすい、男の子、女の子の指摘の後に、漫画の最後のコマにおいて、子供たちが非常に戸惑いを見せていたりする表情となっており、読者にとっては、自分の発言について、日常気づかないことを気付かせるいい構成になっていると思う。
(委員)
特に保育者向けについて、配って終わりではなく、例えばグループディスカッションで活用できるように簡単な手引や手順などを示したものが1枚入らないか。例えば、まずは1について皆さん10分ぐらいで意見交換してみましょうとか、ふだんの自分たちの発言でこんなことをしてしまっているなというようなことがあったらお互い例を出し合ってみましょうといった、これをどう使ったら保育の現場や職場、保育園や幼稚園が少しでも変わるかという使い方のところまであるといいと思う。
(回答)
御指摘のように、現場で使っていただくためには、このように活用してくださいとか、それから小学校以降で検討されているような指導案的なところや注意ポイントなどを示すことで、保育者同士が話し合うということで気づきが生まれてくると思うので、簡単な使い方マニュアルを作ることを検討したい。
(委員)
この資料は、印刷物ではなくデータのみか確認したい。漫画の後に解説としてコメントが書いてあるが、その解説の部分がとても重要だと思う。そこにスペースを取れないという部分は仕方がないが、解説がないとこのイラストの意味が、全然効果につながらないので、解説の内容で、例えばこれを見た保育士がちゃんと理解できるのかという部分をもう一回検証することが必要。併せて、これを使ってグループワークとか、職場で何かワークをすることも重要である。
(委員)
レイアウトイメージのところには解説が出ているが、ほかのところには出ていない。解説は全部のケース1個ずつにつくということでよいか。
(回答)
全ページについて、レイアウトイメージに示したような形になる。また、データで納品し、保育士が保育園や幼稚園等でデータをダウンロードして、コピーをして使っていただく形になると思う。冊子みたいに製本ではなく、個々にプリントしていただくという使い方になる。
(委員)
そうすると、先ほどお二人からもあったように、表紙というか、トップページをもう少し工夫が必要。
(委員)
ケース5で終わりか。まだあるのか。
(回答)
ケース5で終わりである。
(委員)
これはあくまで入り口なので、これを基にもっとほかにそういうことがないかを現場で考えてみましょうという形にしないと、特に若い保育士はもっと学校で学んできているので、初歩的と思うのではないか。私も、保育所などで、例えばお子さんに熱が出たときに、父親、母親の順に書いてあるのに母親のほうにあえて連絡するみたいなことも問題になっていると聞いている。ここを出発点として、あくまできっかけでこれが全てではないとわかるようにしていただきたい。
(回答)
マニュアルなど使い方のところは新たに検討したい。そのときに、ほかのケースもあるので身近なケースについても考えてみる部分を少し追加していきたい。
【リベルタス・コンサルティング】
(委員)
インタビュー調査をした学校は、教職課程の中に科目があるところではないところにヒアリングされているが、なぜこのヒアリング先を選んだのか。
(回答)
ヒアリング先については、アンケートで回答いただき、大学内で教員養成課程において男女共同参画学習に関連した科目を設定していて、さらに特色のある授業を実施している大学から8大学を設定した。
(委員)
この科目は、教員養成課程にあるということでよいか。
(回答)
教員養成課程に在籍する学生が受けられる科目ということで実施されている。
(委員)
選択科目か必修科目かというところで、例えばこちらの大学は必修科目だけれども、対象が2から4年生で受講者数が28というのはあまり考えられない。受講者数について後で教えていただきたい。(当日保留、3月11日に別途回答:必修科目ではなく、選択科目であったため)
(委員)
科目の効果が幾つか挙げられているが、大量に抜粋されたフリーコメントについては、非常にいい内容も多いので、これはまとめてしっかりと表現いただきたい。ヒアリング結果をそのまま列挙ではなく、どう読めばいいのかについてまとめていただきたい。
その中で、必修化の要求について、科目として独立しているところを調査しているが、教育原理や教育心理の中で、カリキュラム内でジェンダーについて扱われているというのがどれぐらいに達しているのか。
ヒアリング対象で道徳が入っていたが、これは恐らく理科や国語などの中に項目が入っているケースもあるのではないかと思う。
それから、また改めて別の点で、学生が「戸惑っている」と言われていたが、どのコメントに「戸惑っている」というのが挙げられていたのか。
また、全体の1割程度とのまとめが入っていますが、これはかなり低いということか。
それから、必修科目かどうかも含めて、教員志望者の中でヒアリング調査をされているが、全体の志望者の中で一体どれぐらいの割合の方がアンコンシャス・バイアス等の内容について授業を受けて、卒業して教職に就かれているのか。調査結果がないということであれば、調査された当事者として抱いた感触を教えてほしい。
(回答)
まず、ヒアリングの抜粋の記載についてはもう少し分かりやすく記載する。また、不同意性交等罪の制定に対して、男子学生から単純に理解できないというような意見もあったため、自覚されたという意味で「戸惑った」という表現でコメントした。教員になっていく学生の中で、どれぐらいがアンコンシャス・バイアスやジェンダーギャップについてのことを受講して卒業しているかということについては、今回の調査ではそこまでは把握できていない。
(委員)
この事業は教員養成課程でどうなっているのかということを明らかにするために実施されたものなので、最初のアンケート調査で、教員養成課程で男女共同参画関連科目が開設されているのは1割しかいないという結果は発見だと思う。ただ、インタビュー調査は教員養成課程の中にある科目ではなく、一応選択科目として取れる科目を選んで調査が行われていることは残念である。
(委員)
未開設の理由と今後の予定が書いてあるが、一般教養科目や教員養成課程で講義を実施しているから特別授業を開設していないという回答が58%だが、例えば一般教養科目などでどの程度こういった授業を実施しているのか。数ある中の1コマなのか、それとも前期で5コマぐらいあるのかでも全然違ってくる。ここの中身がはっきり分からないと、まだ実施していない大学に対してのアプローチがなかなかできないのではないかと思う。その辺をもう少し数値化してほしい。
(委員)
これは学校にアンケートを配付して、学部から回答を得ているので、最初のページでは599校から回収となっているが、nは1,390学部になる。学部から回答を得ているけれども、学校数が把握できているということは、学校ごとの取りまとめもできるということなので、全体の実施割合などは、学部における割合というよりも学校ベースの割合も参考として出しておいたほうがいいのではないか。
また、「男女共同参画やジェンダーに関する知識と意識の醸成は、教科を超えてすべての教員に必要」、「教員養成課程においてはもちろんのこと、現職教員においてもリカレント教育を定期的に行うことが求められる」と書いてあるが、ここのところを文部科学省には受け止めていただきたい。先生方がおっしゃるようにほかの教員課程以外でも受けている学生がいると思うので、今回はまだ全体像は分からないが、教員課程において、これだけ科目が入っていないということは、大学独自の努力では入れるのが難しいという状況が分かったのだから、ここは動いていただきたい。
(委員)
それに追加して、学習指導要領の件が出ているが、学習指導要領の中にジェンダーやセクシャリティなど、男女共同参画を学ぶということを入れていただかないと、現場の教員としてはどうすることもできないと思う。
(委員)
現場の教員も時間が取れない中でも、この単元は男女共同参画について話題にしましょうといったコメントが1つ入っているだけで現場は非常に動きやすくなる。
(以上)
男女共同参画推進係
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