令和4年度女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援に関する有識者会議(第1回)議事要旨

1.日時

令和4年11月11日(金曜日)13時30分~15時30分

2.場所

オンライン開催
 

3.議題

(1)令和4年度「女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援事業」(①多様なチャレンジに寄り添う学び・社会参画支援モデルを構築するための実証事業の実施、②学校教育分野における女性の意思決定過程への参加(普及啓発事業))について(中間報告)
(2)その他

 

4.出席者

委員
大槻座長、乾委員、小山内委員、島委員、矢島委員

文部科学省
安里男女共同参画共生社会学習・安全課長、鈴木男女共同参画学習室長、髙木女性政策調整官、星野男女共同参画推進係

 

5.議事要旨

(1)令和4年度「女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援事業」について委託事業者より中間報告が行われた。委員からの主な質問や意見は以下のとおり。
 
〇京都女子大学
(委員)
・追跡調査での要望を受けて今年度のプログラムで改善した点について、具体的に教えてほしい。
(回答)
・昨年度はオンデマンド中心に毎週授業を行っていたが、子育て中の受講生が多く、毎週では時間を確保するのが大変だという意見や、オンデマンドより対面で交流したいという要望があり、今年度は月2回の開講で対面型中心のプログラムにして、ディスカッションも増やした。受講生の成長実感も高い。
 
(委員)
・新しい取組となるサーバントリーダーシップについて、具体的にはどのプログラムで、どのように指導しているのか。
(回答)
・チームのメンバーの良いところを引き出し、意見を聞きながら組織の目標を達成していくサーバントリーダーシップについて、組織マネジメントと人的資源管理の授業の中で関連付けて話している。また、コーチングやアンガーマネジメントの授業の中でも、管理職に必要なスキルとしてサーバントリーダーシップの要素を盛り込んでいる。いろいろなプログラムで学べるようにしている。
 
(委員)
・女性リーダー・管理職育成コースの卒業生や、他コース(キャンパス平日通学コース、文系女子のためのDX入門コース)の受講生等とのネットワークを構築についても考えてほしい。また、京都府と連携してリカレント教育を進める計画などあるか。
(回答)
・京都府より依頼があり、全6回のDX入門コースを開講している。
(委員)
・自治体がリカレント教育を進めることは良いことであるが、その中に男女共同参画の視点が入っていることが重要。京都女子大学には、京都府のリカレント教育プログラムにそのような視点が入っているかを確認し、助言してほしい。
 
〇山梨大学
(委員)
・女性メンターのフィードバックの観点と、この事業を地域課題である人口減少の解決にどのようにつなげていくかについて教えてほしい。
(回答)
・インターンシップを上手に自分のキャリアアップにつなげるために、メンターから適切な指導、助言があることを期待している。人口減少については、なぜ企業に女性が定着しないのか、昇進が難しいのかを、インターンを通してそれぞれの会社の状況を共有することで、働きやすさや魅力的な職場づくりをともに考えていくことを目指している。企業懇談会を重ねることで、企業の意識改革等につなげていきたい。

(委員)
・フォローアップ調査では、受講生の肩書はあまり変化なしとのことだが、企業内での立ち位置や周囲の環境など質的な変化はあったのか。
(回答)
・企業のアンケートから、受講生の仕事に対する向き合い方が変わった等の好評価を得ている。

(委員)
・前回の報告では、受講者の負担や、受入れ企業の手間・コスト等の観点から、インターンシップの意図や良さが通じにくいとのことであったが、今回の発表では、インターンシップの成果が出ているとのこと。成果を出すための具体的な工夫について教えてほしい。
(回答)
・昨年から企業への説明に力を入れており、受講生たちが企業から期待されて本プログラムに送り出されていることが非常に大きい。

〇福岡女子大学
(委員)
・受講者数が減っていることについて、社会の変化によるものが大きいかと思うが、その背景について教えてほしい。また、受講生の家庭責任の意識が非常に根強い点について、情報提供等があっても変わりにくいものなのか。
(回答)
・受講者数減少の理由として、対象となる女性たちが、コロナ禍で再就職を躊躇っていることや、早く収入を得る必要がある場合は、講座の期間(5ヶ月間)が長いことなどが考えられる。
・家庭責任については、育児のため一旦仕事を辞めた人はなおさら、家庭責任の意識が根強いと感じる。ただし、家事や育児は家族みんなで行うものという講義等を通して、受講生からの最後の感想では、家族はチームだということがよく分かったというものもあるので、根気強く啓発をしていく。

(委員)
・受講者数が定員に満たなかったことについて、広報手段での課題はないか。
(回答)
・SNSでの広報において、言葉選びに苦労した。受講者が集まらず、福岡市男女共同参画センターで行われている(再就職関係の)講座の参加者に広報したところ、そちらから応募があったので、今後は就職を目指している人が参加しているようなところにアプローチするのが良いと考えている。

(委員)
・企業との意見交換を密に行う中で、ドラフト会議に参加するような企業の職種について、今まで経験がなかったりブランクがあったりする女性でも、採用の候補となり得る学びやスキルの程度が見えてきていたら、明らかにしてほしい。北欧等では企業と労働者との間に、企業が提示する一定のスキルを学んでいれば企業側は雇うというお互いの理解があり、フレキシキュリティ政策を進めているが、日本にはこの共通理解がなく、具体的な必要スキルが明らかになっていないので、採用の候補となり得る学びやスキルの程度を普及することには大きな意味がある。
 
〇国立女性教育会館
(委員)
・おそらく最もアンコンシャス・バイアスを持っていると思われる男性中高年層や、管理職、人事担当者が主な対象であろうが、そのような対象者がどの程度参加申し込みしているか。また、参加者が自らの持つアンコンシャス・バイアスに気づくことができるように、どのような工夫をしているか。
(回答)
・参加者についてはちょうど参加申し込みを締め切ったところであり、今後分析する。
・アンコンシャス・バイアスについては、希望者のみではあるが、2年前の文科省の委託事業で作成したアンコンシャス・バイアスに気付くための動画を見て、気付いた点について話し合うワークショップを実施する。研修の講師にもアンコンシャス・バイアスに触れるように打合せをしている。
(委員)
・教育長等、人事権を持っている人は参加必須にしたほうが良いのではないか。
・リアルタイムの参加は難しくても、プログラムの録画を全国の校長が視聴するくらいのことをアプローチしたほうが良いのではないか。
 
〇全体について
(委員)
・女性のリカレント教育について、潮目が変わっている。この事業についても、以前は再就職支援がメインで、働いている人が受講するのは難しいという状況であったが、昨今は、働いている女性たちがチャレンジすることが多くなってきている。これは、一種のコストパフォーマンスの問題であり、働いている女性は、かつてはこのような学びを得ても、あまりメリットがなかったけれども、最近はキャリアアップというメリットが出てきたので、ある程度まとまった講座を受ける価値が出てきているということだろう。
・京都女子大学や山梨大学での事業が対象としている女性たちについては、実際に会社の中で昇格のチャンスが出てくるのは、1年後、2年後と思われる。研修終了後も受講生同士が刺激し合うことで、昇格に積極的になるということがどの程度起こってきたかということも、ぜひフォローしてほしい。
 
(2)その他
事務局より、令和5年度予算案について報告した。委員からの主な意見は以下のとおり。
・中高生と保護者のライフプランニング支援に取り組む中で、女子高生が、「出産したら1回仕事を辞めないといけない」と親世代が持っているイメージと同じことを思っていることが分かった。そのような中で学生向け、保護者向けに講義をしたところ、将来に希望が持てたとの反応があった。来年度のウィミンズカレッジの中でも、自分が就職やキャリアアップするための学びだけではなく、親として今の社会を知る学びのような内容も取り入れてほしい。また、大学からも高校等にアプローチしてほしい。

(以上)

お問合せ先

総合教育政策局男女共同参画学習・安全課

男女共同参画推進係
電話番号:03-5253-4111(2654)
メールアドレス:danjo@mext.go.jp

(総合教育政策局男女共同参画学習・安全課)