令和3年度女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援に関する有識者会議(第2回)議事要旨

1.日時

令和4年3月3日(木曜日)13時~16時

2.場所

オンライン開催

3.議題

(1)令和3年度「女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援事業」(多様なチャレンジに寄り添う学び・社会参画支援モデルを構築するための実証事業の実施、女性の学びサポートフォーラムによる普及啓発事業について(最終報告)
(2)その他

 

4.出席者

委員
大槻座長、乾委員、小山内委員、島委員、矢島委員

文部科学省
清重男女共同参画学習室長、高野女性政策調整官、黒田男女共同参画推進係専門職

 

5.議事要旨

(1)令和3年度「女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援事業」について委託事業者より最終報告が行われた。委員からの主な質問や意見は以下のとおり。

 〇せんだい男女共同参画財団
・学び以前に心身の不調、経済的問題、子育ての困難など色々な課題を抱えている方に対して、男女センターが核となり今後地域の中で支援団体、医療機関などと連携してフォローしていけると良い。
(回答)
コロナ禍で様々な女性が困難にある状況の中で、どのような支援をしていったら良いか事業に関わる団体と情報交換をしながら事業を展開していきたい。
 
・本事業を成功させるための一番のポイントや工夫は何か。
(回答)
実行委員会として学識経験者、仙台市職員、企業などメンバーに入っていただき、支援者へのアドバイスなどをいただいた。また、個別にカスタマイズした学習支援が大事である。
 
〇京都女子大学
・「管理職を目指すにあたり必要な研修機会が女性に不足しているだけで、管理職を目指す女性は少なくない」という仮説はどのような経緯によるものか。
(回答)
リーダーシップ論などの講座を入れることでマネジメントの視点が得られ、受講者の社内でのキャリア志向が高まった事例をもとに立てた仮説である。
 
・受講生として学歴が高い方や正社員の方が増えた理由について、管理職に向けて期待されている方がキャリアップのために参加しているのか。または、企業の求めるものが変化しているからか。
(回答)
実行委員である企業のイントラを見て興味をもった方が応募してくれた。また、銀行で事務職の方が営業に回るなど、社内でキャリアチェンジが求められていることも背景としてあると思われる。
 
〇山梨大学
・ガイダンスやメンタリングの充実度が非常にアップしているが、今回成功したポイントについて。
(回答)
初期段階で受講生が受講することに対する意識づけを行うことができた。また、徐々に中小企業にもプログラムの取組が知られるようになってきて、来年は当社の社員を送りたいという声もいただいている。
 
・本プログラムを通して大学がリカレントをやる意義や役割はどのようなものか。
(回答)
県内には中小企業が多く女性管理職のロールモデルが少ないため、大学での取組を通して仲間をつくっていくことは心強いと思われる。一方、社員研修のやり方が分からない企業にとって、女性社員の交流をきっかけにネットワークが構築されることが大切。
 
〇福岡女子大学
・リカレントが家庭と仕事の両立のクッションのようなメリットがあるとのことだが、多くの人がそう感じているのであればアピールする材料にもなるのではないか。
(回答)
そういった意見をたくさんいただく。特にまだ保育園にも入れられない子をもつ親は、家事、子育て、仕事の両立を心配している。まずはプログラムを受講して今後を考えていくこともできる。
 
・プログラムの中で受講生と学生との交流も大切だと思うがどう考えているか。
(回答)
受講生と在学生との交流は非常に重視しているが、学生側の意識としてまだまだ十分に想像ができていない部分もある。ドラフト会議に参加してもらい、相互にコメントするなど、来年度は講義の中でうまく学生たちとの交流を高めていきたい。
 
 〇日本女子大学
・3つのプログラムの中で企業参加が一番難しいと思うが、どんな工夫が必要か。また、どういう企業、人をターゲットにしたいと考えているか。
(回答)
中小企業を中心にリカレントについて知ってもらう機会を設けアプローチをしていくことが重要である。リカレント教育に興味を持っていただいても、会社全体がそれを理解することが必要で、あらゆる機会で企業や団体へアプローチすることが必要であると考える。また、大学だけではなく企業側も発信の場を求めていることもあり、双方向で発信の場をつくることが大事である。また、企業をリカレントプログラムに対する評価者になっていただくことで、理解を深めていただくこともできる。
 
・大学がリカレント教育を始める際、どんなことをやり、何に気を付けていけばよいか。
(回答)
女性活躍のためのリカレント教育はどこの大学でもやれるわけではないので、それぞれの大学の利点を生かせるようなリカレント教育、社会人教育を大学全体で考えていくことが重要である。また、始めるときには教員がひとりひとりでやっていくのではなく、リカレント教育委員会をつくり、各学部の先生にも協力いただくことが必要である。大学がリカレント教育を行うにあたり、私学であれば建学の精神、国公立であれば地域的な意義などを確認しておく必要がある。

(2)その他
事務局より、令和4年度予算案について報告した。委員からの主な意見は以下の通り。
・多様なチャレンジに寄り添う学ぶ・社会参画支援モデルでは、経済的、子育ての悩みなど困難に直面している人たちをつなげるうえで、自治体における情報との連携や支援が重要であるため、自治体を巻き込む工夫も必要である。
・先生の業務量が増える中、地域の男女共同参画など外部の専門的知識を持った外部機関と連携していくことも必要である。アンコンシャス・バイアスをまだまだ持っている先生もいるため、学校教育で外部の力を借りるということは大事である。

(以上)

お問合せ先

総合教育政策局男女共同参画学習・安全課

男女共同参画推進係
電話番号:03-5253-4111(2654)
メールアドレス:danjo@mext.go.jp

(総合教育政策局男女共同参画学習・安全課)