平成21年度要求額:4,658百万円
(平成20年度予算額:40百万円)
事業開始年度:平成19年度
事業達成年度:平成30年度
中間評価実施年度:平成26年度
平成21年度から導入される教員免許更新制において、全国各地域で質的にも量的にも十分な免許状更新講習を確保することで、教員の資質能力の向上を図る。
平成19年6月20日に「教育職員免許法及び教育職員公務員特例法の一部を改正する法律」が可決・成立し、平成21年4月より、教員免許更新制が実施される。これにより、平成21年3月までに授与された免許状を有する現職教員については、今後10年間のいずれかを期限として30時間以上の免許状更新講習を受講・修了し、免許管理者による確認を受けることの義務が課され、確認を得られなければ、その免許状は失効することとされている。
平成21年度からの教員免許更新制の導入に向けて、平成19、20年度において、
1 全国的な教員免許管理システム開発等
2 教員免許更新講習の試行の実施
3 教員免許更新制の広報事業
の3つからなる教員養成・免許制度改革推進事業を実施しているところである。
法律により全国の国公私立の現職教員に対して免許状更新講習の受講、修了を義務づけたことから、全国各地域において各教員の免許状、担当教科等に応じた講習を円滑に受講できる環境を確認することが必要である。
更新講習の開設者は大学等が期待されているが、大学等の自主的な取組に委ねることは、多種多様な免許状所持現職教員が義務を履行できるだけの十分な更新講習を確保することは困難である。さらに、山間へき地離島などにおいて勤務する現職教員や、特別支援教育をはじめとした対象人数が少数の教科・科目を担当する教員が必要な講習を円滑に受講できるようにすることが必要である。
そのため、国が大学等に対して、更新講習の開設を補助することにより、質的にも量的にも十分な更新講習を確保するものである。
あわせて、教員養成関係大学における教員の実践的な指導力の向上に資する教育研究機能を高め、現職教員の全国各地域での教員のリカレント教育の場を提供することも実現するものとなる。
平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | |
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受入受講人数 (単位:千人) |
100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
予算額の推移 (単位:千円) |
465 | 465 | 465 | 465 | 465 | 465 | 465 | 465 | 465 | 465 |
(概念図)
免許状更新講習の開設状況、免許状更新講習の終了後に実施される受講者による評価結果
免許状更新が必要なすべての教員に対して免許状更新講習が開設される(量的確保)とともに、受講者が満足のゆく講習内容となる(質的確保)こと。
免許状更新講習の開設認定数、免許状更新講習の終了後に実施される受講者による評価結果
「講習開設者である大学等及び免許管理者である教育委員会の体制が概ね順調に整備されたところであり、本目標は想定通り達成された。」と評価しているところであり、評価結果により、講習開設者である大学等及び免許管理者である教育委員会の体制が概ね順調に整備されたことより、平成20年度は免許状更新講習の内容等の充実や免許管理システムの円滑な稼働のための取組を進めていく予定。平成21年度については、免許更新制の円滑な実施に向けて、大学等、教育委員会、更新対象者に対する取組を検討することとしている。
教員免許更新制は、教員が、社会構造の急激な変化等に対応して、最新の知識・技能を身に付け、自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得られるようにする必要があることから導入が決定されたものであり、教員の資質向上に多大な寄与をするものである。そのため、教員免許更新制の実施の円滑な実施のための取組や多様で優れた免許状更新講習の開設も当然に、教員の資質向上に多大な寄与をすることから、事業の成果が上位目標の実現に直結するものである。また、下記4.に記載の通り本事業を実施する上で数多くの言及がなされている。
制度は安倍内閣の重要施策として国の主導で創設されたものであり、その円滑な運用は国の責務として実施する必要がある。また、改正法成立時の附帯決議において、「免許状更新講習の受講負担を軽減するため、講習受講の費用負担も含めて国による支援策を検討すること」に言及されており、国による関与が求められているところである。他方、地方の役割としては、授与権者として、免許状の更新作業や、教員免許管理システムの運用を実施することとされており、国と地方は適切に役割分担されているものである。また、国公私すべての教員が対象であるため、地方に任せることができず、国の事業として行う必要がある。
また、免許状更新講習は大学等において講習受講料収入により実施されるものであるが、へき地や離島、障害者へ対応した講習を含む多様で優れた講習をより多く開設するためには、さらに国の補助が必要である。国が、教員免許更新制を円滑に実施する責務を有することや、教員の資質向上という使命を有することからも、大学等と国とで適切に役割分担をされているものである。
特に関連する施策はない。
教員免許更新制の円滑な実施や、指導が不適切な教員に対する人事管理システムの厳格な運用に取り組むとともに、教員評価や現職研修の推進、ICT指導力の向上のための取組などを通じて、教えるプロとしての教師の資質向上に取り組みます。
(教師の資質向上)
教育基本法第9条は教員の使命や職責、待遇の適正等に加え、教員の養成と研修の充実等について新たに規定している。意欲をもった優秀な人材が、教師という職業に魅力を感じ、教職に就くようになるためには、教員の勤務の実態を踏まえた適切な処遇とメリハリのある給与体系の実現や教員評価の処遇への反映などの教育条件の整備とともに、教員の養成や研修の改善が求められる。
この点、平成19年6月に成立した教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律において、教員免許更新制が導入された。教員免許更新制により、教師に必要な最新の知識・技能を習得し、教師として自信をもって教壇に立つことが期待される。
(教育再生)
…教員の質が教育再生の鍵を握っています。教員免許の更新制を導入し、適正な評価を行います。…
(教育再生を具体化する)
…良き教師を確保するため、メリハリのある教員給与体系を実現するとともに、教員免許更新制の円滑な実施に取り組みます。…
第5章 安心できる社会保障制度、質の高い国民生活の構築
2.未来を切り拓く教育
教育基本法の理念の実現に向け、新たに策定する「教育振興基本計画」に基づき、我が国の未来を切り拓く教育を推進する。その際、新学習指導要領の円滑な実施、特別支援教育・徳育の推進、体験活動の機会の提供、教員が一人一人の子どもに向き合う環境作り、学校のICT化や事務負担の軽減、教育的観点からの学校の適正配置、定数の適正化、学校支援地域本部、高等教育の教育研究の強化、競争的資金の拡充など、新たな時代に対応した教育上の諸施策に積極的に取り組む。
◇ 教員免許更新制の円滑な実施
(1)講習の費用費負担の在り方
講習受講者の受講料及び受講に係る交通費等経費については、教員免許が個人の資格であることをかんがみれば、本人負担を原則とするべきである。しかしながら、免許更新制の導入にかかる国会審議において、受講費用の負担を軽減するための措置を講ずることとの指摘があったことを踏まえ、国は、平成21年度以降において必要な予算の確保に努めるべきである。
政府及び関係者は、本法の施行に当たって、次の事項について特段の配慮をすべきである。
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
免許状更新講習の開設だけでなく、開設講座数や科目、受入人数等も、講習開設者の任意とされているが、量的・質的に十分な免許状更新講習を確保するため、更新講習開設者に対して財政的支援を行うことで、各開設者に十分量の講習開設を促進できるとともに、大学の所在地や講習受講者等の地域偏在によらない、多様で質の高い更新講習開設されることが見込まれる。
教員免許更新制の実施は、教員の資質向上を目的として実施されるものであり、その円滑な実施の取組や多様で優れた免許状更新講習が開設されることにより、教員免許状の質の確保を図るとともに、教員の資質向上に多大な寄与をする。
※ 講習数は、年間の開設数。
更新講習開設者に対する補助を行うことにより、更新講習開設者は、採算性や大学の所在する地域偏在によることなく、多様で質の高い免許状更新講習が開設され、教員免許更新制の質的な担保が図られることから、インプットにより、効率よくアウトプットへ導き出される。
教員個人への費用補助が考えられるが、改正法成立時の附帯決議において指摘されている「免許状更新講習の受講に伴う費用負担を軽減」については一定の効果が見込める一方、「多様な講習内容、講習方法の中から受講者が選択できるような工夫」すること等へは効果が見込めないことから、大学等への講習開設への費用補助と比して、非効率と判断する。
本施策実施により、免許状更新講習を実施する全国各地の大学等において、講習開設に係る費用負担が低減されるとともに、さらに多様で優れた講習の開設が促進される。その結果、全国各地の開設補助を受けた大学等の開講する免許状更新講習を受講する受講者すべてで、受講費用が低減されるとともに、多様で優れた講習を受講でき、公平性の観点から問題ないものと考える。
改正法成立時の附帯決議において、「免許状更新講習の受講に伴う費用負担を軽減するため、受講者の講習受講の費用負担も含めて、国による支援策を検討」すること、「多様な講習内容、講習方法の中から受講者が選択できるような工夫」すること、「へき地等に勤務する教員や障害を有する教員が、多様な免許状更新講習を受講」できるようにすること、等指摘に対応する必要があり、平成21年4月から、円滑に免許更新制が実施されるために、本施策は優先されるべき。
21年度概算要求に反映する。
評価結果は妥当。
大臣官房政策課評価室
-- 登録:平成21年以前 --