11.新学習指導要領の円滑な実施のための教材整備事業(新規)【達成目標2-1-1】

平成21年度要求額:15,481百万円
  (平成20年度予算額:‐百万円)
  事業開始年度:平成21年度
  事業達成年度:平成24年度
 中間評価実施年度:平成25年度

主管課(課長名)

  • 初等中等教育局教育課程課(高橋 道和)

関係課(課長名)

  • 初等中等教育局児童生徒課(磯谷 圭介)、同国際教育課(大森 摂生)
  • スポーツ・青少年局企画・体育課(鬼澤 佳弘)

事業の概要等

1.事業目的

  全国の小・中学校において、新学習指導要領に基づいた指導が行われるよう、市町村を補助事業者とする補助金を創設し、小・中学校の教材の緊急的な整備を図る。

2.事業に至る経緯・今までの実績

  教育基本法や学校教育法の改正を受け、子どもたちに「生きる力」をはぐくむことをねらいとし、平成20年3月に小学校・中学校の新学習指導要領を改訂した。
  新学習指導要領においては、授業時数の増加とともに理科及び算数・数学では指導内容が増加し、また、小学校の外国語活動や中学校保健体育における武道の必修化が図られた。
  このため、全国の小学校・中学校において、新学習指導要領に基づいた指導が確実かつ適切になされるよう、必要な教材を早急に準備する必要がある。このため、市町村が緊急的に教材を整備できるよう補助事業を創設する。

3.事業概要

  公立の小・中学校の設置者に対し、新学習指導要領の実施に際し必要となる教材の整備に要する経費の一部を補助する。

  補助対象

  • (1)理科教材(少額設備)・・・対象:小・中学校
  • ※ 少額設備:小学校一式1万円未満、中学校一式2万円未満の設備
  • (2)図書教材・・・対象:小・中学校
  • (3)小学校外国語活動・・・対象:小学校
  • (4)和楽器・・・対象:中学校
  • (5)武道防具・・・対象:中学校

  補助率
  1/2
  補助事業者
  市町村

スキーム図

4.指標と目標

指標

  各学校において、教材の整備を進めた市町村の割合

目標

  新学習指導要領の移行期間中(小学校:平成21~22年度、中学校:平成21~23年)の3年間で緊急的に教材の整備を進め、全国の小・中学校において、新学習指導要領の内容に沿った授業が十分にできるように教材が整備されること目指す。

効果の把握手法

  各学校において新学習指導要領に沿った授業が行われたかどうかを、各県の指導主事が集まる会議等を通じて把握する。

事業の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  特になし

B.必要性の観点

1.事業の必要性

  新学習指導要領においては、授業時数の増加とともに、理科及び算数・数学等の教科では、指導内容が増加し、また、小学校の外国語活動や中学校保健体育における武道の必修化が図られた。このため、教科等によっては、新学習指導要領に基づいた指導を実施するために新たに教材の整備が必要となる。もし、教材が十分に整備されないと、各学校において新学習指導要領に基づいた授業を行うことができず、新学習指導要領の円滑な実施が困難になる。よって、教材を整備する補助金を創設することで、各市町村での教材整備事業を促進し、全国の小・中学校で円滑に新学習指導要領に基づいた指導ができるようにする必要がある。

2.行政・国の関与の必要性(官民、国と地方の役割分担等)

  学習指導要領は、学校教育法及び学校教育法施行規則に基づき、国が定める教育課程の基準であり、その内容については、すべての児童生徒に指導しなければならないとされている。全国の小・中学校で新学習指導要領に基づいた授業が行えるように国が補助事業を創設し、公立の小中学校の設置者である市町村が設備整備に要する経費の1/2の負担することで、教材整備を図る。

3.関連施策との関係

1.主な関連施策 施策目標2‐1

  ○理科教育設備整備費等補助金(教育課程課)
  学校教育における理科教育の振興を図るため、理科教育振興法に基づき、公・私立の小・中・高等学校等の設置者に対して理科教育設備の整備に要する経費の一部を補助する。
  (平成20年度予算額 1,320百万円)

  ○新学習指導要領移行措置に対応する算数・数学、理科の補助教材の作成・配付事業(教育課程課)
  平成21年度から新学習指導要領の一部を先行して実施される算数・数学、理科について当該部分の指導に必要になる教科書に準拠した補助教材を作成し、すべての児童生徒へ配付する。
  (平成21年度要求額 2,512百万円)

2.関連施策との関係(役割分担・連携状況)

  本事業においては、整備される理科教育設備は、一式の価格が小学校1万円未満、中学校2万円未満の少額設備であり、関連事業である、理科教育設備整備費補助金は、小学校1万円以上、中学校2万円以上の設備を補助対象としており、総合的に理科教育教材の整備を図ることとしている。
  算数・数学、理科の補助教材は、教科書に準拠した教材であり、教科書と同様にすべての児童・生徒へ配付するものである。教材整備事業は各学校の設備を整備するものであり、双方を利用して新学習指導要領にそった授業を行うようにするものである。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

(教育振興基本計画(平成20年7月1日閣議決定)における提言)

  基本的方向2 個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として、社会の一員として生きる基盤を育てる

  1 知識・技能や思考力・判断力・表現力、学習意欲等の「確かな学力」を確立する

  ◇学習指導要領の改訂と着実な実施
  授業時数や指導内容を増加する新学習指導要領の円滑な実施を図るために、教職員定数の在り方、算数・数学、理科に係る先行実施のための補助教材の作成・配付などの教育を支える条件整備について検討する。特に、小学校の外国語活動に関しては、平成21年4月に小学校5,6年生に英語ノート、各学校に音声教材等を配付し、平成22年度までに教員研修を計画的に実施するとともに、ALT等の外部人材の積極的な活用を支援する。中学校保健体育の武道必修化に伴う施設整備や教員研修、理科の観察・実験等の活動を充実させるための理科支援員等の配置や設備整備を支援する。

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

  新学習指導要領においては、基礎的な知識・技能の定着と、思考力、判断力などの育成を目指している。
  新学習指導要領教材整備の補助により、全国の小・中学校において必要となる設備の整備が促進されることにより新学習指導要領の内容に沿った授業が十分に行われると見込まれる。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  本事業の実施により新学習指導要領の指導内容に基づく教材の整備が促進され、新学習指導要領が円滑かつ効果的に実施され、その下での確かな学力の向上が図られることを目指している。したがって、上位目標である2‐1‐1にある「学習指導要領の目標・内容に照らした児童生徒の学習状況の改善を図り、知識・技能はもとより、意欲、思考力、判断力、表現力等まで含めた「確かな学力」を育成する」という成果に結びつくものと考えられる。

D.効率性の観点

1.インプット

  本事業の予算規模は15,481百万円である。

  (内訳)

  • 理数教材(少額設備) 3,247百万円
  • 図書教材 2,190百万円
  • 小学校外国語教材 2,388百万円
  • 和楽器 1,198百万円
  • 武道防具等 6,459百万円

2.アウトプット

  全国の学校において、必要となる教材が整備され、新学習指導要領に基づく授業が行われることを目指している。本事業により新学習指導要領の指導内容に基づく教材の整備が促進され、新学習指導要領が円滑かつ効果的に実施されることで、確かな学力の向上が図られるという波及効果が期待されることを考えると、本事業は効率的・効果的に実施されると判断される。

3.事業スキームの効率性

  本事業の予算規模(15,481百万円)に対して、アウトプットとして、全国の学校において各地域の実態に応じた教材が整備され、新学習指導要領に基づく授業が行われることを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。

4.代替手段との比較

  新学習指導要領の移行期間中に緊急的に教材を整備する必要があるため、移行期間中に限定して、国の補助事業を創設し、市町村の教材整備事業を補助した方が、完全に地方の裁量に任せた場合より教材の整備が促進されると考えられる。

E.公平性の観点

  本事業については、各補助事業者からの交付申請に基づき、申請のあったすべての補助事業者には予算の範囲内で、各事業規模に応じて交付決定を行うため、公平性は担保できると考えられる。

F.優先性の観点

  小学校は平成23年度から、中学校は平成24年度から新学習指導要領が完全実施される。これまでの期間に全国の小・中学校で必要となる教材を整備する必要があるため、新学習指導要領教材整備の補助を平成21年度より開始する必要がある。

G.総括評価と反映方針

  21年度概算要求に反映

指摘事項と対応方針

指摘事項

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --