資料2 第202回執行委員会及び第39回ユネスコ総会の結果の結果について

期間

平成29年10月4日(水曜日)~10月18日(水曜日)第202回ユネスコ執行委員会
平成29年10月30日(月曜日)~11月14日(火曜日)第39回ユネスコ総会

場所

フランス・パリ

議題

第202回ユネスコ執行委員会


生物圏保存地域及びユネスコ世界遺産構成資産、並びにユネスコ世界ジオパークのブランド認知度の保持と強化のための戦略及び行動計画の提案
1.ユネスコ世界遺産、エコパーク、ラムサール条約湿地及びジオパークの4つの国際的登録地域(IDAs)は、現在および将来世代のための保存という全体的な目標と持続可能な開発目標(特にSDG11、13、15)を共有する一方で、ラムサール条約湿地は湿地の保全と賢明な利用、ジオパークは地質学的遺産の保護、世界遺産は顕著な普遍的価値のある地域の保護、生物圏保存地域は社会経済の発展と調和した生物多様性の保護管理をそれぞれ目的としている。

2.ユネスコ自体のブランド(知名度)並びにユネスコエコパーク及び世界遺産登録サイト、ユネスコ世界ジオパークなどのユネスコ主要事業の各ブランド認知度を強化するための戦略と行動計画について、第200回執行委員会の決議として、202回執行委員会に、事務局長から提出することを求めていた。

3.これに対し、関連事業委員会が情報交換を行い、事務局で構成される技術的調整グループを設置して検討を行った際の報告書に留意すると決議された。同報告書概要は次のとおり。
・それぞれの事業におけるブランド保持と広報ガイドラインは十分に構築されているものの、ユネスコ内部のキャパシティ不足が強調され、現時点では、追加的予算と人的資源なしでは、共同ブランド戦略をたてることは難しいという結論に至った。
・また、ユネスコエコパーク、世界遺産、ユネスコ世界ジオパークのそれぞれの登録サイトの入口に掲示するための統一のユネスコメッセージを作成することが合意された。なお、この統一メッセージは、それぞれの事業の作業指針に組み込まれることが推奨される予定であり、ブランド認知度を高めるグラフィックデザインに組みこむことが企図される。
・共同ブランド戦略策定のためには、外部資金を集めるという点において、加盟国と事務局のコミットメントが不可欠であると考える。

4. また、別途行われた外部評価において前述ブランド等のこれまでの管理・運用に関し、ユネスコの名を冠すことやロゴの使用が十分に管理されていないことに伴うリスクや潜在的利益の多大な損失が指摘されており、当該外部評価の勧告を事務局業務へ取り込んでいくことが検討されているところ。ユネスコ事務局対外関係・広報局(ERI)の大幅な人員削減により,ユネスコ及びユネスコ関連事業の知名度やイメージに係る政策の効果的な実施が困難であることも技術的調整グループの報告書同様に指摘されている。

【参考・日本国内の重複するサイト】
・屋久島
(世界自然遺産、生物圏保存地域、ラムサール条約湿地(屋久島永田浜))
・志賀高原
(生物圏保存地域、ラムサール条約湿地(芳ヶ平湿地群))
・白山
(生物圏保存地域、世界文化遺産(白川郷・五箇山の合掌造り集落))
・大台ヶ原・大峯山・大杉谷
(生物圏保存地域、世界文化遺産(紀伊山地の霊場と参詣道))


第39回ユネスコ総会 

次期事業予算案修正に係る決議案:アフリカ生物圏保存地域ネットワーク基金の設立の提案
1.アフリカにおける生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)の保全状況の現状に鑑み、保全の支援と管理者の能力開発のための財政的な支援を行うため、ユネスコに「アフリカ生物圏保存地域ネットワーク基金(AfricaBioFund)」を設立することを勧告し、予算外資金を集めることを企図。

2.決議案は修正なく採択された。

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