第200回執行委員会概要

1.期間

平成28年10月4日(火曜日)~10月15日(土曜日)

2.場所

フランス・パリ

3.議題

(1)MAB戦略(2015-25年)及び関連のリマMAB行動計画(2016-25年)の実施に関する進捗報告
1.MABナショナル・コミッティ及びMABネットワークではMAB戦略とリマ行動計画を参照し独自の戦略と行動計画を作成することが強く奨励されており、現在いくつかの国で国内計画を作成中である。なおコンゴでは既に国内計画が策定されている。
2.また、リマ世界大会のフォローアップとして、インドネシア政府とユネスコジャカルタ事務所の協働によりインドネシアのワカトビBRで会合(日本及びワカトビ地方自治体が財政支援)が開催された。その会合には我が国を含む9か国から60名の参加者があり、リマ行動計画の実施における地域の役割について議論するなど地域レベルでの計画の進捗が報告された。
3.生物多様性条約事務局はリマ行動計画を歓迎し、MAB事務局に対して、愛知目標に関する行動を報告することを勧めた。

決議としては、リマ行動計画を承認し、加盟国に対して、MABナショナル・コミッティ、ユネスコエコパーク、地域別・分野別MABネットワーク、公的・民間の関連ステークホルダーを通じてMAB事務局との連携によりリマ行動計画の効果的な実施を奨励し、また、事務局長に対し、第39回ユネスコ総会においてMAB戦略とリマ行動計画の進捗を報告することとされた。


(2)生物圏保存地域及びユネスコ世界遺産構成資産、並びにユネスコ世界ジオパークのブランド認知度の保持と強化のための戦略及び行動計画の提案
1.ユネスコ世界遺産、エコパーク、ラムサール条約湿地及びジオパークの4つの国際的登録地域(IDAs)は、現在および将来世代のための保存という全体的な目標と持続可能な開発目標(特にSDG11、13、15)を共有する一方で、ラムサール条約湿地は湿地の保全と賢明な利用、ジオパークは地質学的遺産の保護、世界遺産は顕著な普遍的価値のある地域の保護、生物圏保存地域は社会経済の発展と調和した生物多様性の保護管理をそれぞれ目的としている。
2.国際自然保護連合(IUCN)は、重複する国際的登録地域(MIDA)に関するガイダンス文書「Harmonizing the management of Multi-Internationally Designated Areas: Ramsar Sites、 World Heritage sites、 Biosphere Reserves and UNESCO Global Geoparks」を発行した(2016年8月)。本文書では、MIDA の登録主体間において連携と情報交換を推進し、それぞれの登録地域の運用に関するキャパシティビルディングを行うことが重要である旨が指摘されている。
3.既に世界遺産、エコパーク、ジオパークの管理主体は、その戦略やガイドラインにおいて、ブランディング戦略について留意してきた。また、2016年には、世界遺産、生物圏保存地域、ジオパークのシナジーと協力推進のため、専門家連絡グループ(small technical liaison group)が創設されている。

決議としては、事務局長に対して、第202回執行委員会にてユネスコのブランド認知の強化及びエコパーク・世界遺産・ジオパークのブランド認知の強化に向けた戦略及びアクションプランについての文書を提出するよう求めることとされた。


【参考・日本国内の重複するサイト】
・屋久島(世界自然遺産、生物圏保存地域、ラムサール条約湿地(屋久島永田浜))
・志賀高原(生物圏保存地域、ラムサール条約湿地(芳ヶ平湿地群))
・白山(生物圏保存地域、世界文化遺産(白川郷・五箇山の合掌造り集落))
・大台ヶ原・大峯山・大杉谷(生物圏保存地域、世界文化遺産(紀伊山地の霊場と参詣道))

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国際統括官付