第14回生物圏保存地域東アジア・ネットワーク会議(EABRN)について(概要報告)

開催日

2015年10月6日(火曜日)~9日(金曜日)

場所

長野県下高井郡山ノ内町(志賀高原プリンスホテル)

主催

ユネスコ北京事務所、日本ユネスコ国内委員会、日本ユネスコ国内委員会MAB計画分科会、志賀高原ユネスコエコパーク協議会

テーマ

Activities in transition area and the role of local communities in managing BRs

参加者

日本、中国、カザフスタン、モンゴル、韓国、ロシアのMAB関係者(約40名)

(日本の参加者)
・礒田博子 MAB計画分科会主査(筑波大学生命環境系教授、筑波大学北アフリカ研究センター長)
・岩熊敏夫 MAB計画分科会委員(北海道大学名誉教授)
・佐藤 哲 MAB計画分科会委員(大学共同利用機関法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所教授)
・野田孝夫 文部科学省国際統括官付(日本ユネスコ国内委員会事務局)
※なお、10月8日、9日のセッションは、日本ユネスコエコパークネットワーク大会との合同セッションで行われた。

概要

<1日目>10月6日

Session 1
(1)主催者からの開会挨拶が行われた。
Session 2
(2)テーマに関する発表が各国から行われた。我が国からは、佐藤哲教授が、「Knowledge Base, Residential Researchers and Knowledge Translators Supporting Collaborative Actions for Adaptive Governance in the Transition Area」のタイトルのもと発表を行った。
Session 3.1
(3)翌日の現地調査に向けて、志賀高原BR関係者から、同BRの概要について説明が行われた。

<2日目>10月7日

Session 3.2
(1)志賀高原BRの現地調査として、午前中は、核心地域の視察が行われた。視察は10名程度のグループに分けて行われ、それぞれ現地ガイドによる説明が加えられた。
(2)午後は、移行地域で活動する果樹園等への視察が行われた。

<3日目>10月8日

Session 3.4
(1)前日の現地調査に基づく評価として、各参加者からのコメントや質疑応答が行われた。主なコメントとして以下の点が挙げられた。
・核心地域の面積(約700ha)を広げるべきではないか。
・核心地域が干渉地域や移行地域に囲まれていない部分について、国立公園として保護されていることは理解しているが、何らかの対応が望ましい。
・案内標識・解説標識の数が少ない。(国立公園の制約があることを説明。)
・トイレが故障中であり修理して使用できるようにすべきではないか。
・志賀高原は人間と自然のための生物圏保全地域のよい例である。
Session 4
(2)日本の生物圏保全地域の紹介が各地域担当者から行われ、引き続き、生物圏保存地域日本ネットワーク(JBRN)の活動について紹介が行われた。
Session 5
(3)各国からカントリーレポートの発表が行われた。(中国は4日目の午前)日本については、岩熊名誉教授が発表を行った。

<4日目>10月9日

Session 6
(1)EABRNの規約について一部修正が承認された。主な修正点は以下のとおり。
・会合を少なくとも2年に1回開催することを規定。
・予算についてユネスコの通常予算のほか、各メンバーの任意の拠出によるものと規定。
・機動的な意思決定のため、Steering Committeeを設置することを規定。(Steering Committeeに議長、副議長を置き、当該会合において選出され、次の会合の開始のときまで務める。)
(2)Steering Committeeの議長は開催国が、副議長は次の開催国が、次の会合の開始のときまで務めることが決定された。従って、日本が2017年の会合の開始のときまで議長を務める。
(3)EABRNの活動に関する評価について意見交換が行われ、主に次のような意見が出された。
・EABRNは、メンバー間の良いコミュニケーションの場となっており、友好を深める機会となっている。
・現地調査のための良い機会。
・メンバー間の交流や、地域レベルの交流を拡大すべき。
・共同研究を促進させる工夫が必要。
・民間資金の獲得も目指すべき。
・ウェブサイトの発信を強めるべき。
Session 7
(4)次期開催地として、first priorityは北朝鮮、second priorityはカザフスタンとされた。今年中に北朝鮮から承諾がない場合は、カザフスタンとなる。カザフスタン開催の場合は、周辺国のオブザーバー参加が見込まれる。
(5)韓国のチョ教授より、リマでの世界大会では、各地域ネットワークから2BRが事例紹介を行うこと、ユネスコにおいて旅費の補助もあり得ること、トレーニングコースについては期間を長くしBRの管理に焦点を当てたものが計画されていること、が報告された。
(6)最後に、開催国を代表し、岩熊教授が挨拶を行った。
以上

お問合せ先

国際統括官付