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日本ユネスコ国内委員会

第199回ユネスコ執行委員会の結果について

1.日程

平成28年4月4日(月曜日)~4月15日(金曜日)

2.出席者

佐藤 地     ユネスコ日本政府代表部特命全権大使
山脇 良雄   文部科学省国際統括官
下川 眞樹太  外務省国際文化交流審議官

3.会議の主な内容

1)我が国代表演説

各国代表演説に際し、佐藤ユネスコ日本政府代表部大使から要旨以下のとおり発言した。

【冒頭】
・本執行委員会は38C/5の下で初めてのガバニングボディーであり、ユネスコの今期二カ年の事業の戦略的方向性について、加盟国間でしっかり議論を行うことが重要である。
・ユネスコの伝統的なプライオリティーであるアフリカ開発においては、日本が主導し、国連、世界銀行、AUC(アフリカ連合委員会)と共催するTICAD(アフリカ開発会議)が初めてアフリカ、ナイロビで開催される。また、女子のエンパワーメントに関しても、今次執行委で米国が主導する「STEAM for Girls Education」に関して、日本が共同提案国となった。

【教育】
・2030行動枠組みの策定に向けたユネスコの取組を評価。以下、持続可能な開発のための教育(以下、ESDという。)の推進は、地球規模的課題に対応する極めて重要なアプローチである。グローバル・アクション・プログラムの着実な実施に向け、事務局や関係国とともに取り組んでいきたい。
・日本も、シリア難民、イラクの国内女子避難民への中等教育を含め、紛争地域や女性への教育の促進のための様々なユネスコ事業を支援している。

【科学】
・サステイナビリティ・サイエンスの推進、防災、海洋、人間と生物圏(MAB)計画、ジオパーク等を重視。
・先日、サステイナビリティ・サイエンスのアプローチの応用拡大に関するシンポジウムが開催されたところであり、各加盟国において、その議論を踏まえ、更なる取組が実践されることを期待。
・東日本大震災から5年を迎え、この機会に改めて世界各国からの支援に感謝したい。日本の多岐にわたる防災に関する専門知識を活用するため、パキスタンでの洪水予測システムや情報ネットワーク構築などの事業を通じ、ユネスコと緊密に協力を行っている。

【文化】
・世界遺産条約について、一覧表の代表性の向上のため、新規案件に関する適切な審査体制を維持しつつ保全の取組を促進することが重要である。
・「世界の記憶」事業について、透明性の向上を含めた作業方法の改善につき専門家が既に着手している検討を歓迎する。

【結びに】
・「人々の心に平和の砦を築く」との創立精神は、これら全ての事業の礎であるべきと強く信じる。
・ユネスコの長きに亘るパートナーとして,引き続きユネスコが国際社会の中で確固たる役割を果たせるよう貢献を続けていきたい。

2)総会採択事業の実施に関する事務局長報告(議題4パート1)

・ユネスコ事務局より、各局で2014年及び2015年に行われた事業の実施状況に関する報告が行われた。
・我が国からは、ESDが明確に事業計画に位置付けられ実施されたことを評価するとともに、2019年のESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)最終年に向けたユネスコのリーダーシップに期待することや、政府間海洋学委員会(IOC)、国際水文学計画(IHP)など持続可能な開発目標(以下、SDGsという。)に呼応し、ユネスコの科学分野のビジビリティを更に高めていくことが重要である旨を発言した。
・各国からは、教育分野に関して、過激な暴力主義への対応を教育を通じて行っていくことが重要である旨の発言がなされた。また、教育・科学分野ともに、国連におけるSDGsの策定を踏まえ、これに対応した施策を実施していくことが重要であるとの見解が示された。

3)オープンエデュケーションリソース(OER)の規範設定機能の確立支援

(議題24)
・学習教材を無料で利用可能にすることによる質の高い教育機会の提供(オープンエデュケーショナルリソース(OER))に関する規範設定文書の作成に係る予備的研究の実施を求める決議について審議が行われた。
・多くの加盟国が、本提案については、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実施に向けても貢献するものとして重要であり、強く支持したい旨発言。
・本決議については、OERに関する技術的・法的事項に関する包括的な研究を行うことをユネスコ事務局長に求め、満場一致で採択。

4) MOST(社会変容マネジメント)プログラムの包括戦略(議題7)

・MOSTプログラムの包括戦略についての審議が行われた。
・我が国からは、MOSTが持続可能な開発のための2030アジェンダに貢献するものとして本提案を支持する旨、また、我が国が取り組んでいるサステイナビリティ・サイエンスは、本提案の趣旨にも沿っている旨を説明するとともに、4月5日及び6日に、ユネスコ本部においてシンポジウムが開催された旨を言及した。
・各国からは、本提案を支持する発言に加え、来年3月に第1回閣僚級MOSTフォーラムをホストする予定がある(マレーシア)、ラテンアメリカ地域でMOSTネットワークを設立する予定がある(アルゼンチン)等の取組についての発言があった。
・本決議については、本包括戦略を承認し、事務局長に対して第201回執行委員会
での進捗状況の報告を求め、採択。

5)技術及び職業教育・訓練(TVET)の戦略案(議題6)


・職業技術教育・訓練(TVET)に関する2016年から2021年までの新たな戦略について審議が行われた。
・各国からは、TVETはグリーンエコノミーの推進に向けて重要であること、TVET戦略は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の推進に貢献等、多くの加盟国が本戦略について賛同と発言。


6)科学、技術、工学、アートデザイン及び数学分野の少女及び女性の権利拡大におけるユネスコの役割(議題26)

・米国より提案のあった、科学、技術、工学、アートデザイン及び数学分野(STEAM)に関する決議について審議。
・ユネスコ事務局より、本提案の実施にあたっては教育局・科学局が連携し、分野横断的に対応していきたい説明があった後、議長より、本議題については、時間的制約も踏まえ、討論を行うことなく採択することが提案された。
・本決議については、事務局長に対し第202回執行委員会において、同分野での男女平等を促進するためのユネスコの取り組みの進捗状況を提供することを招請することを各加盟国が賛同し、採択。

7)世界の記憶事業の更なる改善(議題29)

・以下の内容に関する決議が、全会一致で採択された。
・専門家による制度見直し作業を歓迎。
・事務局長に、IAC(国際諮問委員会)の最終報告書を加盟国に配布することを要請。
・事務局長に、IACの見直し作業を執行委員会に適切に共有するよう要請。

4.山脇国際統括官とボコバ事務局長のバイ会談 (4月13日)

・山脇国際統括官から、5月に倉敷で開催されるG7教育大臣会合への参加に対する感謝の意をボコバ事務局長に伝えたところ、同事務局長より、本会合への出席は日・ユネスコ関係からも大変重要である旨の発言があったほか、日本が気候変動やESDにおいて重要な役割を果たしている等、今般の日本のイニシアティブを祝福したいとの発言があった。

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国際統括官付

-- 登録:平成28年09月 --