日本ユネスコ国内委員会第517回運営小委員会議事録

1.日時

令和5年9月21日(木曜日)13時40分~14時40分

2.場所

文部科学省12階国際課応接室

3.出席者

〔委員〕
濵口会長、大枝副会長、道傳副会長、井上委員、沖委員、佐藤委員、吉田委員
〔事務局〕
渡辺事務総長(文部科学省国際統括官)、匂坂副事務総長(同省国際統括官付国際交渉分析官)、本村事務局次長(同省国際統括官付国際戦略企画官)、原事務総長補佐(同省国際統括官付国際統括官補佐)、その他関係官

4.議事録

【濵口委員長】  それではお時間になりましたので、日本ユネスコ国内委員会第517回運営小委員会を開始させていただきます。
 まず、議題に先立ちまして定足数の確認をお願いいたします。
【原補佐】  本日は委員の皆様全員が御出席でございますので、定足数を満たしております。
【濵口委員長】  ありがとうございます。それでは、ただいまから日本ユネスコ国内委員会第517回運営小委員会を開会いたします。
 傍聴及び取材を希望されている方におかれましては、国内委員会の規定に基づき、YouTubeを通じて公開いたします。また、会議中の御発言は議事録に掲載され、ホームページ等で公開されます。
 議事に入る前に、本年11月末をもって任期を満了される委員の皆様のうち道傳副会長が本日途中退席予定となっておりますので、大変恐縮ではありますが、ここで皆様からお一言ずつ御挨拶を頂きたいと思います。まず、大枝副会長、お願いいたします。
【大枝委員】  大枝でございます。私は副会長としまして運営小委員会の委員を3年間務めさせていただきました。私の記憶によりますと、最初の頃、3年前は総会の議事の確認だけで10分くらいで終わっていたんですけれども、最近、濵口委員長と事務局がよく御相談されて実質的な議論がされるような形に進化をしてきたなということを非常にすばらしいと思っておりますし、是非お続けいただければと思っています。よろしくお願いします。
 3年間でしたが、大変皆さんにお世話になりました。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
【濵口委員長】  それでは続きまして道傳副会長、お願いいたします。
【道傳委員】  道傳でございます。お時間を頂きまして恐縮でございます。濵口委員長、委員の皆様、そして文科省のユネスコ国内委員会御担当の皆様、大変にお世話様になりましてありがとうございました。
 教育や科学、文化遺産といったユネスコの活動については、私はパリの本部ですとか、インド、カンボジア、ミャンマーなどの活動の現場を取材する機会がありました。そして委員としても皆様に御指導いただいて、この国内委員会でユネスコの活動というのが国内の運動とも世界の動きとも密接に関わって縦断的・横断的に活動しているということを実感しながら学びを深めることができました。そして今、コロナや紛争などがある中でユネスコの知見が一層これからも求められていくというときを迎えていると感じております。私自身、引き続き何かの形でまたお役に立てればとも思いますし、また自分の持ち場から、そうした視点から発想して発信することを今後も続けていきたいと思っております。皆様には御指導いただきまして、ありがとうございました。
【濵口委員長】  それでは、吉田教育小委員会委員長、お願いいたします。
【吉田委員】  吉田でございます。私は教育小委員会のほうには2期6年務めさせていただきましたが、この運営小委員会には本年1年お世話になりました。SDG4の策定に関わっていたこともあり、また、その前の自分の業務経験から国際協力や国際的な視野に立った教育の在り方、そしてそれを踏まえて日本の中でどういうことが行われているのか、そういう点を私自身も非常に興味深く思って国内委員会の議論に参画させていただきました。非常に拙い教育小委員会の委員長を、1年間でしたけれども、皆様の御支援、御指導のおかげで1年間務めさせていただきましたこと、本当にお礼申し上げます。
 そのような意味から、今後ともずっと日本の中の教育、そして国際的な移動における教育の役割、そういうものには引き続き関心を持って臨みたいと思います。どうもお世話になりました。
【濵口委員長】  どうもありがとうございます。
 お三方の運営小委員会への配属は11月末までとなっております。この場をお借りしてこれまでの本小委員会での御貢献、御活躍に深く感謝を申し上げたいと思います。それではよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは、本日の会議の配付資料について、事務局より説明をお願いいたします。
【原補佐】  議事次第を御覧ください。議題1、第153回日本ユネスコ国内委員会議事次第(案)については資料1を、議題2、国際情勢を踏まえたユネスコ活動等の推進については資料2を、そのほか参考資料として第42回ユネスコ総会についての答申案及び運営小委員会の委員名簿をつけさせていただいております。以上です。
【濵口委員長】  ありがとうございます。
 それでは、議題に入ります。本小委員会においては、国内委員会総会の前に進行や議論の方向性等について確認をさせていただいております。
 議題1、第153回日本ユネスコ国内委員会議事次第(案)について事務局から説明をお願いいたします。
【原補佐】  資料1を御覧ください。本日15時から開催されます第153回日本ユネスコ国内委員会の議題でございますが、議題1として最近のユネスコ関係の動きについて、こちらを文部科学省及び外務省から報告させていただきます。
 議題2、我が国におけるユネスコ活動の現状と今後の取組について、こちらは専門小委員会の各委員長から御報告いただくとともに、次世代ユネスコ国内委員会からも御報告いただきます。
 議題3、第42回ユネスコ総会について(答申案)、議題4、国際情勢を踏まえたユネスコ活動等の推進について、議題5、その他、非公開議題の議題6、日本ユネスコ国内委員会の構成についてを予定しております。
 以上です。
【濵口委員長】  ありがとうございます。
 本日の議事次第(案)について、委員の皆様から御意見、御質問等ございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。御確認いただいたこととさせていただきます。
 続きまして議題2、国際情勢を踏まえたユネスコ活動等の推進についてをお諮りします。本件については昨年度の論点整理に関わる国内委員会での議論を経て、本年7月と8月の運営小委員会で頂いた御意見を踏まえ、今月上旬に各専門小委員会でも御議論いただきました。本日はその議論の概要について教育、科学、文化・コミュニケーションの順で各委員長から御報告を頂いた後、議論に移りたいと思います。
 それではまず、吉田委員長から御報告をお願いいたします。
【吉田委員】  教育小委員会の委員長を務めさせていただいております吉田です。
 本年9月7日に開催されました第152回教育小委員会においてこの議題について御議論いただきましたので、概要を御報告いたします。
 委員の皆様からは、例えば、日本のプレゼンスの強化やユネスコ活動の認知度の向上のための方法や手段としては広報活動だけでなく、企業や海外のユネスコ活動に取り組んでいる人たちとの連携、そういう観点も考えられるのではないかと。国内のユネスコ活動に携わっている人へのメッセージという意味では、ローカルあるいは世界的、学び合う姿勢や学び合う場づくりという視点も盛り込むとよいのではないか、国際平和が揺るがされる状況が続いている中、ユネスコの普遍的な使命について学校教育全体が理解することが重要であり、そのようなメッセージを本国内委員会から出せないか、等々の意見を頂きました。
 このようにユネスコの理念や本骨子案を実際の実践につなげるということも重要であるとの観点から多くの御提案を頂きました。骨子案の最後の項目に、「国内外の多様な主体との交流・連携・協働・学び合いによるユネスコの理念の更なる普及」を追加させていただきました。
 また、この小委員会ではそのほかにAI等に関する国際的な規範設定について、日本は中立的立場でリーダーシップを発揮することができるのではないかと。それから、貧困といった場合、日本でも相対的貧困が昨今問題になっているといったような御意見もありました。これらにつきましては、本文に書き下す際に事務局において参考にしていただければと思います。
 教育小委員会の御報告は以上です。
【濵口委員長】  ありがとうございます。それでは、続きまして科学小委員会沖委員長から報告をお願いいたします。
【沖委員】  9月4日から7日までメール審議にて第8回科学小委員会を開催し、国際情勢を踏まえたユネスコ活動等の推進について(骨子案)につきまして議論いたしました結果を御報告申し上げます。
 小委員会での議論では様々な意見がございましたけれども、骨子案には主に3か所反映がございます。1点目は2ページ目の2ポツ、ユネスコにおける日本のリーダーシップの発揮の1つ目の丸、ユネスコにおける規範設定に関する議論の主導について、日本のことのみ考えているように読み取れるが、日本が主導する立場であるならば、他国の価値や他国とのバランス等にも配慮すべきで、それらが分かるような表現にすべきという御意見を頂戴しましたので、「他国にも配慮しつつ」という文言を追記していただいております。
 2点目は3ポツの国内活動における留意点の1つ目の丸、ユネスコ活動のネットワークの更なる活性化の5つ目の矢羽根につきまして、各地の民間ユネスコ活動が対象であることを明示すべきという御意見を頂きましたので、民間ユネスコ活動の前に「各地の」を追加していただいております。
 3点目は同じく3ページ目の3ポツ、国内活動における留意点の3つ目の丸、日本のユネスコ活動の認知度の向上及び多様な主体との連携強化のための戦略的な広報の強化の2つ目の矢羽根につきまして、メディアの記載は、現在はウェブやソーシャルメディアなどのネットワークメディアの影響が大変大きいため、マスメディアやネットワークメディアをはじめとする多様なメディアなどと明記したほうがよいという御意見を頂戴しましたので、骨子の段階では柔軟性を持って読めるように「多様なメディア」と修正していただいております。
 また、その他の主な意見といたしまして、高校・大学の授業でESDに親しんだ生徒、学生らのユースが例えば、小学生や未就学児童向けのESD教育を既にユネスコ教育活動に取り組んでいる大人と一緒に企画できると、ユネスコが目指す教育が実践できるのではないかという御意見を頂戴しました。この御意見はユースとユネスコスクールとの連携という観点から今後骨子を文章化する際に参考にできればというふうに思っております。
 科学小委員会からの報告は以上でございます。
【濵口委員長】  ありがとうございます。
 それでは続きまして、文化・コミュニケーション小委員会の井上委員長から御報告をお願いいたします。
【井上委員】  9月4日に開催いたしました第9回文化・コミュニケーション小委員会における国際情勢を踏まえたユネスコ活動等の推進について(骨子案)の議論の内容を御報告させていただきたいと思います。
 文化・コミュニケーション小委員会では、委員から直近の国際情勢の変化のうち、G7、G20、EU及びOECD等の枠組みと異なり、世界の国のほとんど全ての国による合意という説明と米国の再加盟により、より実効性のある合意が実現という説明には論理的なそごがあるのではないかと、また、重要なのは組織や機関の目的であるため、ユネスコとその他の組織や機関をあえて区別して記載する必要はないのではないかといった議論がございました。このため、これを受けた修正を骨子案にも反映してございます。
 また、このほかにも各委員から頂いた御意見を御紹介いたします。まずは、戦略的な広報の強化のうち、産業界との連携とあるが、ビジネスとの関係性や関連性が相対的に低いSDGsのゴールについては、その実施や広報が至って難しいわけであります。例えば、民間企業の取組を見える化するような制度を整備して、そして民間企業にとってSDGsに取り組んでいることを対外的にアピールしやすい仕掛けを作ってはどうかといった意見がございました。また、直近の国際情勢の変化といたしまして、ロシアのウクライナ侵略に係る記載がありますが、もう少し具体的にここは記載したほうがよいのではないか、そしてユネスコに対する知的・人的貢献の強化のうち、ユネスコ事務局への研修生派遣及び関係会議等へのユース、若者の派遣でございますけれども、国際的に派遣する場合にはユースの年齢を少し引き下げるべきではないか、こういった意見がございました。
 最後に、本提言を発信する対象といたしまして、ユネスコ活動に関わっている国内の関係者やこれからユネスコ活動に関わる国内の関係者だけでなく、ユネスコ活動を社会化していくためにも対象を広げていくべきではないか、こういった意見がございました。
 以上でございます。
【濵口委員長】  ありがとうございます。委員長の皆様、本当にありがとうございます。長時間御議論いただきましておまとめいただきました。
 それでは、本骨子案について御意見、御質問等がございましたら、挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
【道傳委員】  2のユネスコにおける日本のリーダーシップの発揮のところで御説明いただきました点、他国にも配慮しつつという文言が、もしかすると政治力学的な配慮、アメリカであったり中国であったりという、そういうふうに聞こえてしまうと多分違って聞こえてしまって、恐らくこれは他国の立場とか多様な価値にも配慮するということだと思うので、例えば、他国の多様性にも配慮しつつとかとしてはどうでしょう。
【濵口委員長】  政治力学からちょっと外れたところでということですね。
【道傳委員】  そうですね。そう思いました。以上でございます。
【濵口委員長】  ほか、いかがでしょうか。
【大枝委員】  2ページの一番最初、直近の国際情勢の変化の冒頭に、ロシアのウクライナ侵略等と書いてありますね。これでもいいと思うんですが、やはりロシアのウクライナ侵略は非難されるべきですとか、抗議をするとかという、そういうような雰囲気を少しでも出せないかなとか思ったんですけれども、今、世界各国も各団体も支援疲れみたいな感じでなっていますので、例えば、ロシアのウクライナの侵略等の前に、「非難されるべき」とか、そういうような少し強い表現というか、けしからん、やめてくれというか、そういうものがもし入れば御検討いただければと思いました。
【濵口委員長】  少し事務局で適切な言葉を検討していただければと思います。
【本村企画官】  頂いた御意見を踏まえて検討したいと思います。
【濵口委員長】  ほか、いかがでしょうか。
【佐藤委員】  文言の修正とか、そういう意味ではないんですけれども、2ページ目のユネスコの普遍的な使命のところで、具体的な項目についてはこれでよろしいかと思います。けれども、私がちょっと気になっているのは、ユネスコ憲章に書いてありますと言った時には、最初の前文の1行だけを取り上げ、「平和のとりでを築く」と引用されています。それでよく総会でも「とりでなんか築かなくていいんだ」とか、少し揶揄したような意見もあったりします。全文1行目は象徴的な表現で、それはそれでよろしいんですが、1行目以降を読んでいくと、どれもすごく含みのある表現、文章になっています。最初に戦争の原因とは何かというようなことが書いてあり、次に第二次大戦はなぜ起こったのか、それから、文化・教育の重要性とはどういうことなのか、平和の条件とは何なのか、このユネスコ憲章の目的は何なのかというようなことが順序立ってロジックで表現されているのです。それらが、一番上の文章に隠れてしまって、皆がそこまで読まないような感じになっているのは、あまりにも残念です。ものすごく良く出来ている文章なので、全体を読むべきといったことがどこかに盛り込められたら、又は、運用で、そういうことを言っていただけたらすごく良いのではないかなと思います。
 なぜ「平和」なのか、なぜ科学が「平和」につながるのかとか、そういうことが、前文を全部読まないと理解できないのです。
【濵口委員長】  分からないですね。なぜ教育が大切なのか、それは平和を進めるために必要であるというロジックがずっと広がっていますね。
【濵口委員長】  前文はやはり添付しておいたほうがいいかもしれないですね。
【本村企画官】  別添という形でお付けするのか、そこは検討させていただいて工夫したいと思います。
【濵口委員長】  なぜユネスコなのかというのがすごくよく分かるようにずっと書いてありますね、戦争の反省から始めて。あと、ジェノサイド等の問題もやはり教育が必要であることがよく分かります。そこは事務局と少し相談させていただきたいと思います。
 ほか、よろしいでしょうか。
【吉田委員】  いくつか今日のお話、各小委員会のお話も聞いていて感じたところもあるんですが、1ポツの2つ目の丸のところに「及びアフリカ等への支援の必要性」という文言があるんですけれども、この10年ぐらいの間に今まで貧困の象徴だったサブサハラアフリカも低所得国から中所得国に、定義ですけれども、格上げされている国が相当数あるんですね。ほかの、中国もそうですけれども、欧米がアフリカを見る見方も支援する対象というよりも、もう対等、ときにはそれ以上のパートナーとして戦略的に関与していく、そういう形に付き合い方の基本姿勢が大分変わってきていると思うんです。ですので、支援ということだけこのアフリカという言葉に対して係るよりは、そういうものをもうちょっと一般的な言葉として協力ですとか、戦略的な関与ですとか、何かしらもう少し、支援するされるという関係よりもポジティブな関係であるということが伝わるような表現にしたほうがこの項目の趣旨にも合うのではないかと思いました。
 あと、科学小委員会の沖委員長から御報告があった中に、実際にユネスコ活動と気づかないけれども、日本の中で相当行われているということは、やはりそれもユネスコの普遍的な価値観、あるいはそれを実践しているということと、実施している人がまず感じてもらえるということがユネスコ活動の普及にとっては非常に重要なことで、いいことをやっているんだと、それで終わっているという段階よりも、やはりどういう意味でどういうところがユネスコ活動と符合しているのか、そういうところをもう少し一般の方々にも分かるような形が取れないかなということを感じました。これは、この骨子案についてのどこかを変えたほうがいいとか、そういうことには必ずしもつながりませんけれども、そのことを一つ感じました。
 あともう一つ、ESDに象徴されると思いますけれども、ユネスコ活動といったとき、学校、教育段階でいうと、小中高校ぐらいの段階ではユネスコのことを相当やっています。一方で大学があまり積極的に関与しているという話が出てこないんですね。ただ、実際にはTimes Higher Educationのインパクトランキング等でも、日本の大学は相当頑張っていますし、SDGs全般の中において大学が関与していると大学自身が感じている部分というのは相当あって、そこが今のところ紐付けだけで終わっているのか、本気で何かを変革する、そこに向けての活動を主体的にやっているのか、そこのところはまだ必ずしも検証が十分ではないとは思いますけれども、そういう意味ではやはり教育全体として取り組んでいるという、そういう日本の関わり方も何らかの機会で打ち出していって、そこをもう少し深めていく必要があるというところも、この推進していく上での議論の一つに何らかの形で関わっていけばと思いました。
 以上です。
【濵口委員長】  ありがとうございます。今の点、本当にこういう短文で表現すると、どうしても国際情勢のポイント、ポイントを挙げる形になっているとは思うんですけれども、実際には国内のいろいろ文化的な活動、例えば、こども食堂なんていうのも実はすごくユネスコ的で、それから小1の壁って俗にいわれるのをNGOが結構カバーして保育所をやったりというところ、日本の文化の中でニーズから生まれた活動がすごくあるし、それを民間の本当の、普通のというといけないですけれども、この人はどういうモチベーションでやっているのかなと思うぐらい、すごく感動的な活動をやっておられる方が結構お見えになって、時々ニュースを見ていたりすると、じんとくることがあるんですけれども、あのような活動というのは本当はユネスコ的な活動だと思うんです。子供がぐれるのをそっとサポートしていくようなお母さんたちの活動とか、とにかく何もうるさいことを言わないで御飯を食べさせるとか、そういう考えってすごくいいなと思ったりして見ているんですけれども、そういうことがもう少し厚みを持ってユネスコ活動の中へ本当は反映されると、もっと活動全体が生き生きしてくるような気がしてならないんですけれども、どうしたらいいのかなと思って、今おっしゃっているいろいろな厚みの問題、文化的な問題では感じるところが多いんですけれども。
 あとは、アフリカはひょっとすると資源国で、政治さえしっかりしていれば、どんどん日本を抜いていくようなポテンシャルを持っている国が多くありますし。
【吉田委員】  勢いとしてはもうそういうモードに入っていると。
【濵口委員長】  大学でアジアの人材育成もやっていたことがあるんですけれども、昨日は実はウズベキスタンの独立記念32周年のパーティーがあって行ったり、この夏、タシケントにも大統領選挙の監視のために呼ばれて行ってたりしたのですがまで。すごく発展しているんです。何といったらいいんでしょう、戦後日本が70年ぐらいかけて到達しているところを10年ぐらいで到達していて。バックグラウンドとしては資源があって、資源外交でロシア、中国に挟まれていますけれども、それをまた非常に巧みにその中で自立性を確保して紛争にならないようにしている、そういう活動を見ていると、いろいろな問題はあるんですけれども、日本を超えてきている活力というんですか、30代の人たちが国のために必死で動いているその姿を見ていると、日本は置いていかれるんじゃないかなと思うときがあるんです。少しこの「支援」という言葉も私は確かにひっかかるんですね。上目線で見ているけれども、いや、実際は向こうのほうが先を走っているかもしれないなと。どうしたらいいんでしょうね。この言葉はちょっと検討していただけますか。
【本村企画官】  御指摘はごもっともだと思いますので、この骨子案、短い文章の中でなかなか表現しにくいところもありますので、どういう書き方がよいか少なくとも文章化のときにちょっと工夫できるように考えたいと思います。
【濵口委員長】  よろしくお願いします。あとはお任せいただければと思います。
 ほか、よろしいでしょうか。
 いろいろ御意見を頂きましてありがとうございます。本件については頂きました御意見に加えてこの後、総会での議論も踏まえ、今年度末に向けて議論を取りまとめていきたいと思いますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、次に議題3をお諮りします。その他審議すべき案件がありますでしょうか。よろしいでしょうか。基本はやはりこの文章をしっかり吟味するということに尽きるかなとは思いますが。
 もしなければ、これで本日準備した議題は以上となりますので、これで第517回運営小委員会を閉会させていただきます。今日はどうもありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

 

 

お問合せ先

国際統括官付