日本ユネスコ国内委員会第507回運営小委員会議事録

1.日時

令和2年8月20日(木曜日)15時00分~16時30分

2.場所

オンラインでの開催

3.出席者(敬称略)

〔委員〕礒田委員、古賀委員、小長谷委員、杉村委員、立川委員、羽田委員、濵口委員、日比谷委員、細谷委員、見上委員
〔事務局〕田口事務総長(文部科学省国際統括官)、亀岡副事務総長(同省文部科学戦略官)、石田事務局次長(同省国際統括官付国際戦略企画官)、堀尾事務総長補佐(同省国際統括官付国際統括官補佐)、植村事務総長補佐(同省国際統括官付国際統括官補佐)、その他関係官

4.議事録

【濵口委員長】 本日は御多忙中のところお集まりいただきまして,ありがとうございます。定刻ですので,まず事務局から定足数の確認をお願いいたします。
【堀尾補佐】 本日は出席の委員が10名で,委員の過半数ですので,定足数を満たしております。
【濵口委員長】 ありがとうございます。それではただいまより第507回運営小委員会を開催いたします。本日の議事のうち,議題3及び議題4に関しましては非公開とさせていただきます。非公開の部分を除き,本日の議論は議事録としてそのままホームページ等で公開されますので,御承知おきください。よろしくお願いします。
それでは議事に先立ちまして,運営小委員会の構成員の変更及び事務局の異動がございましたので,変更内容,異動について事務局から報告をお願いいたします。
【堀尾補佐】 それでは配付資料の参考1を御覧ください。先般,見上一幸委員が普及小委員会の委員長に就任されましたので,これに伴い,専門小委員会委員長の運営小委員会委員への就任を定める「ユネスコ活動に関する法律施行令」の第6条に基づき,運営小委員会委員に御就任いただいております。
続きまして,事務局の異動を御報告いたします。本年8月1日付で田口康国際統括官・日本ユネスコ国内委員会事務総長,また本年7月28日付で石田善顕国際戦略企画官・日本ユネスコ国内委員会事務局次長が着任しております。
以上でございます。
【濵口委員長】 ありがとうございます。それでは,田口国際統括官から一言御挨拶いただければ幸いです。それでは田口さん,お願いします。
【田口統括官】 このたび,8月1日付で大山の後任として国際統括官に着任いたしました田口と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。小委員会の委員に皆様におかれては御多忙のところ,本日お時間を頂き,どうもありがとうございます。
私,ユネスコの仕事に直接関わるのは今回が初めてでございますが,この半月間でいろいろ勉強させていただきますと,これまで認識していた以上にユネスコの活動自体はすばらしい,将来の発展の可能性が更に期待できるものであると実感してございます。どういうことかと申しますと,我が国のユネスコ活動ですが,戦後すぐに始まった,ある意味では伝統ある古いものなのですが,しかしながら民間団体のボランティア活動に支えられ,かつ女性の参加も多いなど,これからの社会で重要とされる要素を既に持ち合わせていると感じております。これらを生かしていくことによって,我が国の教育・科学・文化の発展のみならず,我が国の社会システムの改革にも大きく貢献することができると考えてございます。来年は加盟70周年を迎えます我が国のユネスコ活動を一層有意義なものにしていく所存でございますので,御指導,御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
本日の第507回の運営小委員会では,COVID-19の影響も踏まえた,新しい時代におけるユネスコ活動の可能性や期待について御議論いただくとともに,国内委員会をより機動的・効果的にするための小委員会の体制見直しなどにつきまして,9月の総会での承認に向けて御審議をお願いしたいと思っております。
また,本日は新型コロナウイルス感染予防のため,オンラインの開催とさせていただいてございまして,事務局もまだ不慣れで御不便をおかけすることもあろうかと思いますが,委員の皆様の出席率の向上,あるいは会議中にチャット機能を活用いたしますと事務局にメッセージを伝えることもできるなどのメリットもございます。新しいウィズコロナあるいはアフターコロナ時代の会議運営を心がけてまいりますので,御協力をよろしくお願いするとともに,更に活発な御議論を頂ければ幸いでございます。
最後になりますが,委員の皆様方には,ユネスコ活動の一層の推進に向け,大所高所からの御意見を賜りますよう改めてお願い申し上げて,私の御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
【濵口委員長】 どうもありがとうございます。
それでは本日の会議の配付資料について,事務局より説明をお願いいたします。
【堀尾補佐】 それでは配付資料でございますが,資料の1から4となってございます。それと参考資料1から5でございます。資料の2,3,4につきましては現在非公開資料となっておりますので,よろしくお願いいたします。
【濵口委員長】 ありがとうございました。
それでは続きまして,議事に移ります。議題1は「第147回日本ユネスコ国内委員会議事次第(案)について」であります。これにつきまして,事務局から報告,説明をお願いいたします。本議題は,9月2日開催の国内委員会総会に向けて,進行や議論の方向性等についての確認をお願いいたすものであります。お願いいたします。
【石田企画官】 失礼いたします。国際統括官付の石田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは総会の議題につきまして御説明をいたします。資料の1を御覧いただければと思います。
9月2日の総会におきましては,まず議題でございますが,議題1におきまして最近のユネスコ関係の動きについて御報告を行います。その中で,新型コロナウイルスの流行に係るユネスコの動き,これは活発に活動をしておりますけれども,こういったユネスコの動き。それから,6月に行われました第209回ユネスコ執行委員会の結果。そして,昨年10月に御建議を頂きました内容についてのフォローアップと今後の取組の在り方について御意見を頂きたいと考えております。またその際,教育それから科学など各分野において日本の代表としてユネスコの場で議論に参加されておられる方にできればお願いをして,国際的にどういった議論がなされているのかという最前線の状況を御紹介いただいて,国内委員会の議論のベースとさせていただければと考えております。
その次,議題2,それから1つ飛ばして議題4についてでございます。これはこの後,運営小委員会の議題としても御議論いただいて,総会に諮ることについて問題ないということであれば,総会で御議論いただく内容となります。
それではまず議題2につきましてです。今後のユネスコ活動の充実とありますけれども,現在コロナ禍というような未曽有の事態が進行する中で,グローバルなレベルで分断が危惧されている状況になっております。また,国内に目を向けますと,来年は日本のユネスコ加盟70周年という節目の年となっておりますので,こういった状況を踏まえて,ユネスコに向けたメッセージを出してはどうかということを考えているものです。
次の議題3でございますけれども,これはユネスコスクールのさらなる活性化についてであります。ユネスコスクールについては現在教育小委員会で活性化に向けた議論を行っていただいております。そしてまた,教育小委員会は明日も開催されるということでございます。そういった議論の途中経過について御報告を考えているものでございます。ユネスコ活動の基盤として期待される今後のユネスコスクールの在り方について御意見を頂きたいと思っております。
その次の議題4でございます。小委員会の再編につきましては,これまで総会において機動的で効果的な議論が可能となるように,国内委員会,特に小委員会の在り方について検討すべきといった御意見を頂いておりました。ですので,小委員会の再編を今,検討しているわけですけれども,本日,運営委員会で方向性をお認めいただければ,その内容を総会において御了解いただくことになっております。
次の議題5でございます。これも国内委員会の議論の活性化のための方策として,委員の選考サイクルの在り方について検討するように御意見を頂いておりました。こういった中で,選考小委員会で御議論いただいた結果を御報告し,お認めいただくことを考えております。
最後,議題6でございます。日本ユネスコ国内委員会の構成ということで,国内委員会の委員人事について御議論いただく予定になっております。
以上が9月2日に予定しております国内委員会の議題についてでございます。
最後に運営についてでございます。こういったコロナ禍の現状でもございますし,特に遠方から御出席される委員の方に関しては移動時のリスクもございますので,Webexを使ったオンラインでの参加を可能としつつ,直接参加をされる場合には,感染防止など十分に対応しつつ,ここにありますようなルポール麹町で参加いただくやり方を組み合わせた,ハイブリッド形式で開催する予定でございます。
事務局からは以上でございます。
【濵口委員長】 ありがとうございます。それでは議題1につきまして,何か御意見,御質問はございますでしょうか。いかがでしょうか。議題1につきまして,147回委員会の議事次第でありますが,こういうことをやったほうがいいとかということがございましたら。あるいは議題1から7に関して御意見がございましたら。
それでは細谷先生,どうぞ。
【細谷委員】 ありがとうございます。今回の総会は議題1が非常に大事かなと思います。その意味で,この議題1の関連の資料は事前に委員に何か配付していただけるものでしょうか。それを伺いたいと思います。
【濵口委員長】 石田さん,いかがでしょうか。
【石田企画官】 ありがとうございます。正に今,委員におっしゃっていただいたとおり,できるだけ早く委員の方には資料をお送りさせていただくようにしたいと思います。
【濵口委員長】 特に(1)の新型コロナウイルスの流行に係るユネスコの動きというのは,かなり国際的にいろいろなことが起きているようにも思いますので,情報を頂けると議論が活発になるかもしれません。よろしくお願いします。
【細谷委員】 よろしくお願いします。
【濵口委員長】 ほかの方,いかがですか。よろしいですか。御意見はございませんか。
杉村先生,いかがですか。御意見ないですか。
【杉村委員】 大丈夫でございます。教育小委員会といたしましては,ちょうど明日,教育小委員会を開催いたします。ユネスコスクールの在り方等につきまして議論させていただく準備をしておりますので,またまとめましたものを御報告させていただきます。ありがとうございます。
【濵口委員長】 よろしくお願いいたします。
ほかいかがでしょうか。御意見はございますでしょうか。人事の件では古賀さんに随分御指導いただいていますが,御意見はございますでしょうか。古賀さん,よろしいでしょうか。
【古賀委員】 結構でございます。
【濵口委員長】 ありがとうございます。
もし御意見がないようでしたら,議題1につきましては御了承いただいたということでよろしいでしょうか。
はい,ありがとうございます。
それでは議題2に移らせていただきます。「今後のユネスコ活動の充実について」をお諮りします。資料2につきまして,事務局から説明をお願いいたします。
【石田企画官】 議題2でございます。資料2を御覧いただきながらと思います。議題2につきましては,先ほど少しお話をさせていただきましたように,日本のユネスコ加盟70周年と,それからコロナ禍の最中という,ユネスコ活動と社会活動全体に関わるこういった動きの中でこの時期に総会を開催する意味を考えたときに,何らかのメッセージ,例えば会長メッセージといったような形でそういったメッセージを出すというようなことがあるのではないかということから,濵口会長とも御相談させていただいて,準備をいたしたものでございます。そのイメージが資料2という形で,今,配付させていただいているものです。
まず,最初の70周年に関する件につきましては,もともと2021年は日本にとってユネスコ加盟70周年という節目の年になります。国連に先駆けて日本はユネスコに加盟したわけですけれども,我が国にとってユネスコあるいはユネスコ活動の重要性は論をまたないところでありますが,その歩みを振り返る機会かと思います。
それに加えて,ユネスコ加盟70周年以外でも,科学の分野であれば国連海洋科学の10年が来年スタートいたします。また,教育の分野では,日本が提唱してきましたESDについて,2030年までの新たな計画,ESD for 2030のキックオフ会合が予定されていることなど,ユネスコ活動の各分野においても節目の年でありますので,それに向けた決意を新たにするタイミングとして考えられるのではないかということでございます。
それに加えて,2つ目のパートでございます。コロナ禍という正にこういう未曽有の事態が発生したことによりまして,昨年までは想像もできなかったような社会的・経済的な変化が起こっている状況かと思います。例えば,こういった変化はICT技術が社会的に実装されるというようなポジティブと捉えられる側面がある一方で,分断をもたらすというようなおそれもあり得ると思います。これはコロナそのものがもたらした場合もあれば,コロナによって分断が顕在化されるような場合も含まれると思いますけれども,いずれにしてもそういった状況にある中で,人々が連帯あるいは協調していく意識を持ち続ける,人の心の中に平和のとりでを築くという,正にユネスコのミッションはより重要な意味を持つ状況になっていると考えております。ですので,こういった中,ユネスコとしてはかなり活発にコロナ禍においても活動を行っておりますので,そういった動きを支持するとともに,今進めている改革を更に進めてもらいたいという,ユネスコへの期待を込めたメッセージとしてはどうかといった内容でございます。
まずは,こういったメッセージを出す趣旨について御賛同を頂けるようであれば,例えば今後の段取りとしては各国内委員の方々にもお送りした上で,御意見を頂き,それを踏まえて会長とも御相談して案文を練り直して総会にお出しすることを考えてはどうかと思っております。また,何分事務局作成の案文でちょっと粗削りな部分もございますので,本日,大所高所から盛り込むべき観点あるいは切り口といったものを頂けると幸いでございます。
事務局から以上でございます。
【濵口委員長】 ありがとうございます。この件に関しまして御意見,御質問いただければと存じますが,いかがでしょうか。
まず,こういうメッセージを出すことに関してはいかがでしょうか。出したほうがいいか,いや,もうちょっと見ましょうというのがいいか,率直な御意見を頂ければと思いますが。いろいろな面で今,コロナによって経済あるいは社会活動,大学の教育もすさまじい影響を受けておりますし,この委員会の活動も半身不随のような状態がいろいろ起きておりますけれども,これを超えていかないといけないと思うんですね。
そして今,ワクチンが世界で15ほど実装されつつあります。第3相にアメリカとイギリスのものが入ってきておりますけれども,準備状態を見ていますと,核酸ワクチンですので,なかなかこれはまだ効果検証が難しい状況があります。今,準備されているのは,実は人間で試したことのないような手法のワクチンなんです。ですから,これがどれぐらいの技術的な効果があるかがまだしっかり検証できていない。第3相の結果を待たなければいけませんし,大量に数千万の単位で準備をしなければいけない。それが来年の春には日本に入ってくるとは思われますけれども,どれぐらい行き渡るかというのはまだこれからいろいろなハードルを越えていかなければいけない作業が目の前にもっとあります。
その中で,特に私が心配していますのは,若い人たちがひきこもり状態になったり,ちょっと鬱状態になったりというようなことが散見されますし,大学の新入生が同級生にまだ会ったことがないとかみんなが言ったり。ちょっとかわいそうなことがいっぱい起きております。何とかユネスコの活動によって少しでもみんなを元気づけられるようになるといいなという思いがございます。
ちょっと長々しゃべりましたが,いかがでしょうか。何か御意見はございますでしょうか。
どうぞ。では細谷先生,お願いします。
【細谷委員】 ありがとうございます。
こういったメッセージを会長から出されるというのは,私はサポートさせていただきます。賛成です。
【濵口委員長】 ありがとうございます。
【細谷委員】 2点,この対応について今,コメントする機会ではないかと思います。もちろん意見はあるのですけれども,それは別途委員に連絡させていただける機会があると伺いましたので,もちろん総会の場でも議論できたらと思いますが。
一つはこのメッセージというのは当然対外的に出されることになるかと思います。それなりの公表を国内ではされるのだと思うのですけれども,同時にネットの世界ですから世界中にもちろん発信されることにはなると思うのですが,やはり特にユネスコ本部の事務局に対してできるだけこのメッセージは伝えていただくことが大事かなと思います。それが一点です。
それから,今度の総会,9月2日はオンラインと対面とハイブリッドでなさるということで,それは非常によかったと思うのですけれども,オンラインの部分があるということで,ある意味で世界中のどこからでも参加してもらえる形が今回初めて取れるのではないかと思うのです。その意味で,かつてのこの委員会の総会で時々ゲストのような方も出られていたことがあって,たまたま松浦元事務局長なんかも時々お出になりますし,それからたまたまそのとき東京にユネスコ本部から来られていた幹部の方,前の事務局長が総会にちょうど訪日の時期が重なって出たことがあるような記憶もあるのですけれども。
申し上げたいのは,オンラインですので,これは時差的にパリが朝早くにはなりますけれども,こういう非常に大事なメッセージを出していただくと,特にコロナ時代にユネスコの役割をどう探求するかというものすごく大きな大事なメッセージだと思いますので,事務局のどなたか代表的な方にちょっとゲストでオンラインで出ていただいて,このメッセージについてやり取りさせていただくというのは,一つ,ちょっと思いつきなのですけれども,いかがかなと思います。
以上です。
【濵口委員長】 名案ですね。石田さん,可能でしょうかね。パリの本部に交渉していただくのは。どうぞ石田さん,お願いします。
【石田企画官】 大変すばらしいアイデアを頂いたと思っております。私,今まで全く考えついたことのないようなアイデアでしたので,できるかどうか,よく検討させていただきたいと思います。正にユネスコに出すということであれば,これは外交の一端ということでありますので,外務省とも御相談しながら決めていかなければいけないということがございますし,今,メッセージの道行きの部分についてはできるだけ事務局に伝えることが御趣旨だと理解いたしましたので,そういった工夫ができるかどうか,少し追求させていただければと思います。
【濵口委員長】 是非よろしくお願いします。
ほか,御意見はございますでしょうか。いかがでしょうか。
日比谷先生,どうですか。御意見ないですか。大学現場で大変苦労されていると思いますけれども。
【日比谷委員】 メッセージを出していただくことは,私も大変に結構だと思います。どこもすごく苦労していると思うんです。例えば,オンライン授業のいろいろなやり方について,喜連川先生のところで出してくださって本当に多くの人が見ていることはいい例だと思うのですけれども,どこかで何かを発信すると,ばーっと世界中の人がフォローするという状況になっていると思いますので,何かみんなが従ってくるといいますか,ここを見ればいろいろなことが分かるとか,新しい知見が得られるようなことをユネスコで率先してできればと思っております。
以上です。
【濵口委員長】 ありがとうございます。
70周年に向けてアイデアをいろいろ出していただこうかなと思っていますので,よろしくお願いします。ほか,いかがでしょうか。
羽田先生,どうぞ。
【羽田委員】 メッセージを出すこと自体は私も大賛成です。ただし,メッセージを出す以上,会長のクリアな考え方がきちっと定まって誰にでも分かっていただけるようにしないといけないと思います。
その点で,今出されている文章自体がやはり,どこをどういうふうに強調したいのか,やや分かりにくいようになっているように感じていまして,もし可能であれば,少し改訂していただきたいと思います。
具体的には,最初のほうで非常に世界情勢が変わっていて国際機関すら存在意義が問われているとなっていて,その中でユネスコについては「人の心の中に平和のとりでを築く」というここの部分は多分最初からあったことだと思いますけれども,「持続可能な社会の構築」というのは恐らく随分後になってから出てきた考え方なので,それが本当にユネスコに入っているのだったらそれで結構だと思いますけれども,そこを確認していただくこと。
それから,そういうふうに様々に世界が変わっていく中で,国際機関のミッション自体が変わっていくわけだから,今ユネスコが取り組もうとしているような新しい取組を強化する,その中でいろいろ取捨選択しながら様々な取組を強化して,新しくユネスコのミッションを再構築するというのでしょうか,新しいユネスコの具体的なモデルをつくっていただきたいというような形にしていただくのがいいのではないかと考えます。
以上です。
【濵口委員長】 ありがとうございます。
私,最近よく引用しているのですけれども,イスラエルの哲学者のハラリが3月ぐらいに言っていたのですが,世界は今,コロナウイルスで2つの選択を迫られていると。一つは監視社会か民主主義かという問題。もう一つは孤立かグローバリゼーションか。この2つの選択があるという。特に後者の選択の問題はユネスコそのものに直接関係してくる問題だと思うのですけれども,全体的にWHOの問題にしてもアメリカは脱退すると言っていますし,かなり自国主義の流れが強くなっているように思います。
一方で,コロナが恐らく起こすことは,開発途上国にワクチンが行き渡らない,それから重症化が激しくなるだろうし,死亡者もたくさん出てくるだろうという,その非常にミゼラブルな近未来が見えてくるものがあるんです。その中で「本当にユネスコどうするの」というのがすごく大きな役割があるように見えるのですけれども,なかなか理想主義だけでこの問題が解決できない。そこへどう切り込んでいくのか。もっと深い議論が恐らく必要なのだろうなと思います。
是非,先生,もっと意見を頂ければそれも盛り込んだ形で文案を石田さんと調整させていただいて,準備させていただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございます。
【羽田委員】 ありがとうございます。いずれにしても,やはり,今までと同じことをやっているのでは駄目だと思うんです。
【濵口委員長】 駄目です。そうですね。
【羽田委員】 ですから,何をやるかということをやはりきちっとこちらから提案してでもやっていただくようにしたほうがいいと思います。
【濵口委員長】 恐らく教育に関して,我々がどう考えるかというのはすごく大きな課題だと思います。戦後の理想が今どういう形で再構築できるか。これは本当に大きな課題だと思って実感しております。よろしくお願いします。
ほかの先生方,いかがですか。御意見ございますか。よろしいですか。
見上先生,どうぞ。
【見上委員】
私,普及活動という観点から,会長にこういったものを出していただくのは非常に心強いと思います。ありがとうございます。
【濵口委員長】 ありがとうございます。
【見上委員】 それで,この文章の中にもありますように,「持続可能な開発のための教育(ESD)」が述べられておりますが,ここでの非常に大事なキーワードで,人と人とがつながるというのが非常に大事なキーワードだったんです。ところが,このコロナ禍によって,今,対面が非常に難しいということで,このつながりが切れてしまっている。そういう中にあって,それではそのつながりをどうするかといったときに,やはりこういったオンラインのテレビ会議のような形でコミュニケートできることは,一つの大きな救いのような気がいたします。
それで,まだ具体的に中身をどうするかは別なのですが,地域と地域がもうちょっとお互いに連携を取れるといいということで,仙台のユネスコ協会では,イタリアの非常にコロナに被害に遭われたベルガモのほうと,ちょっと芸術的な面で交流できないかというような働きかけを今,やっているんです。通常だったら行わないようなことがこのコロナの後はできるのかなという気がしております。どうぞ,こういうものを出していただくと大変有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
【濵口委員長】 いや,すごく面白い,すばらしい活動です。ベルガモとつながるとかいうのは。
【見上委員】 たまたま日本人の方がいらしていて,その方を御縁に。
【濵口委員長】 そうですか。意外とオンラインでやることによって,私も真夜中とか早朝に実は会議をすることが増えてはいるのですけれども,いきなりアメリカとやったりとかいうことも結構多くて。世界がぐっと逆に身近になってきたような感じもします。
【見上委員】 そうですね。
【濵口委員長】 これはやはりユネスコの理念にも合っているのかもしれないですね,こういうつながりというのは。先生のやっておられることをもう少しいろいろ,ベルガモとこういうことができたとかいうのを,石田さんのほうにでも教えていただくと刺激になりますし,我々もそれを文案の中に入れることもできるかもしれませんので。お願いいたします。
【見上委員】 ありがとうございます。まずは,ユネスコの協会の中でそれがうまくいかなければいけないので,2週間に1回ずつZoomを使ってオンラインをやっております。
【濵口委員長】 すごいですね。頻繁にやっていますね。
【見上委員】 はい。
【濵口委員長】 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
ほか,いかがでしょうか。よろしいですか。
杉村先生,よろしくお願いします。
【杉村委員】 恐れ入ります。では一言。
私もこうしたメッセージを世界に向けて発信していただくことはすばらしいことだと思います。一つですけれども,今回,文面を拝見しまして,70周年,日本にとってのユネスコ加盟70周年のことと,それからコロナ禍でのユネスコの役割が大きく2つ柱があるように拝見しました。それで今の書き方ですと70周年が先に来て,その後にユネスコ全体の話と構成してくださっているのですけれども。先ほどから委員の先生方の御意見も伺いながら思うことは,今回もしかしたら,やはりストレートにまずコロナ禍のユネスコの役割を先に出して,実は日本は70周年なので,更にバックアップして応援していきますよという流れが,よりメッセージ的には強いのかなと,強くなっていけるのかなという気がいたします。もしからしたら,ちょっと前後を入れ替えるような形で考えていただけるといいのかなと,全くの個人的な意見ではございますが思いました。
【濵口委員長】 ありがとうございます。同感です。石田さん,そこら辺のことを相談させてください。確かにコロナ禍の話を先へ持ってきたときのほうが,例えば英字に直したときもインパクトが高いだろうなと感じます。
【杉村委員】 1つ加えますと,たまたま教育分野で恐縮ですけれども,この間の6月に最後,公式発表になっていますが,ユネスコの今,教育の未来という文書を,ユネスコがEducation 2030のほかに2050年までの中長期計画を今,準備しているところです。その国際委員会がこの前,正にポストコロナということで9つのアイデアを,これは教育に関してですけれども,出していて,恐らくそのメッセージなんかも受けた形で日本から発信できると,すごく更にインパクトが強まっていいような気がいたします。
【濵口委員長】 いいですね。
【杉村委員】 ただそれは教育だけですので,ユネスコ全体とはまた少し違うかもしれませんけれども。
【濵口委員長】 いや,大事だと思います,今。
【杉村委員】 教育小委員会も責任を重く感じておりますので,頑張りたいと思います。ありがとうございます。
【濵口委員長】 ありがとうございます。
細谷先生,お願いいたします。
【細谷委員】 よろしいでしょうか。すいません,2度目の発言で。せっかくですので,内容についても簡単にコメントさせていただきます。
コロナ時代にどういう役割をユネスコとして見いだしていくか,これは大変大きな問題で,もちろん具体的・分野別にもいろいろなことが出てくると思います。教育・文化・情報・SDGs,その他ですね。
他方で,先ほど羽田先生ほかもおっしゃいましたけれども,もっともっと大きな全世界的課題で,例えば国際機関の存在意義そのものの新しいモデルを見いだすとか,しかもそれ以上に新しい世界文明の在り方みたいな大風呂敷な議論もあると思うんです。ただ,それで具体的にユネスコが何ができるか。これは同時に,ユネスコの限界も十分踏まえて考える必要があると思うんです。
事務局の原案の中に「国際社会におけるつながりを再構築する役割」と書いていらっしゃって,これは大変いい言い方だとは思うのですが,ユネスコがそれをできたら大変すばらしいと思うのですけれども,他方恐らく,私のユネスコでの経験から申し上げますと,つながりを再構築する在り方を考えるのがユネスコの役割かなと思います。これは本当に難しい問題で,今世界中誰もこのコロナ時代がどうなるかはっきり分かる人はいないところですけれども。ユネスコの役割というのは昔からそういった大きな変化の時に新しい規範づくりですとか,あるいはそれをやるための環境づくりというのですか,触媒,カタリストの役割ということを前から言うのですけれども,正にそういった新しい社会文明の在り方の方向性を示す,そこがせいぜい。要するに知恵を出すということです。それを実際に自分の力で再構築に関わるというところまでいきますと,ユネスコは御承知のとおり大変規模の小さい国際機関ですので,そこはよく踏まえて考える必要があると思います。
以上です。
【濵口委員長】 すばらしい御意見,ありがとうございます。重要なポイントだと思います。つながりを再構築することを考えるということですね。考える役割ということですね。是非石田さん,これを入れましょう。
よろしいでしょうか。ほか,御意見ございませんでしょうか。文案をもう一回よく読んでいただいて,御意見がございます場合は石田さんに連絡をしていただければと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。なるべく早いほうがいいですね。8月中には頂けるといいのかなと思いますので,よろしくお願いします。よろしいですか。
よければ議題3に移りたいと思います。「国内委員会の機動的・効果的な運営について」,ここからは非公開で行わせていただきます。総会に報告する際には公開とさせていただきますので,取材の方及びオブザーバー機関の方は御退席をお願いいたします。

(以下非公開)

―― 了 ――

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