日本ユネスコ国内委員会 第149回教育小委員会 議事録

1. 日時

令和4年11月15日(火曜日)13時00分~15時00分

2. 場所

オンライン開催

3. 出席者

(委員)
大濱委員、加治佐委員、萱島委員、杉村委員、鈴木委員、髙橋委員、竹村委員、田代委員、東川委員、見上委員、吉田委員

(事務局)
岡村国際統括官(日本ユネスコ国内委員会事務総長)、加藤国際統括官付国際交渉分析官(日本ユネスコ国内委員会副事務総長)、白井国際統括官付国際戦略企画官(日本ユネスコ国内委員会事務局次長)、堀尾国際統括官付国際統括官補佐(日本ユネスコ国内委員会事務総長補佐)、原国際統括官付国際統括官補佐(日本ユネスコ国内委員会事務総長補佐)、新免国際統括官付ユネスコ協力官(日本ユネスコ国内委員会事務総長補佐)、その他関係官

4. 議事

【杉村委員長】  皆様、こんにちは。本日は御多忙のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。定刻になりましたので、まず、事務局は定足数の確認等の事務連絡をお願いいたします。
【原国際統括官補佐】  本日は、出席の委員が11名で、委員15名の過半数ですので、定足数を満たしております。
 また、委員に加えて、議題3で御説明いただく予定の公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)の大安部長に御出席いただいているほか、外務省からオブザーバーとして御参加いただいております。
 なお、本日は報道関係者の取材を受け付けており、読売新聞社の方が取材をされますので、あらかじめお知らせいたします。
 また、一般からの傍聴につきましても、ユーチューブ配信にて御覧いただいております。
 なお、御出席の委員におかれましては、カメラをオンにしていただき、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。また、委員の皆様方には、お手数ですが、御発言いただく際にお名前を名のってから御発言いただきますよう、よろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  それでは、ただいまより第149回教育小委員会を開催いたします。
 本日の議事進行をさせていただきます教育小委員会委員長の杉村でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事のうち、議題5の「国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告」の改定について以降に関しましては、事前にお伝えしております通り非公開とさせていただきます。非公開の部分を除いて、御発言は議事録としてそのままホームページ等で公開されますので、御承知おきください。
 それでは、まず初めに、岡村国際統括官から一言御挨拶を頂戴できればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【岡村国際統括官】  岡村でございます。本日も先生方、御多忙のところ、第149回教育小委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本年の9月に、国連の事務総長の主導の下、国連教育変革サミット(Transforming Education Summit・TES)が開催されました。これに関しましては、この委員会の先生方に、大変御尽力いただきました。まずもって、お礼を申し上げたいと思います。
 新型コロナウイルスの感染症拡大によって生じました世界的な教育の危機を克服して、SDGsの4番目の目標である「質の高い教育をみんなに」の達成のために、国連の声がけで開かれたということは御案内のとおりでございますが、各国の首脳が教育変革について議論するという大変貴重な機会でございました。日本からは、この委員会の先生方に御尽力を賜りました結果を取りまとめた総理ステートメント、これを文書によって提出させていただきまして、加えて、総理が、残念ながら諸事情で出席はかないませんでしたけれども、ビデオメッセージで国連のこの議論の場に対してステートメントを発出いたしました。5月にこの教育小委員会において先生方に御議論をいただき、このように結実いたしましたので、本日は本件についての御報告をさせていただきます。
 また、先月でございますが、ユネスコの定例の執行委員会、第215回の執行委員会がパリで開催されました。本日は、教育を中心にこの委員会の御報告もさせていただきたいと思います。
 さらに御報告としましては、ユネスコスクールに関しましての国内の動きについても御説明させていただきたいと思います。
 さて、先生方御案内のように、ユネスコを取り巻く状況は大きく変動しております。現在、様々な地域で地域課題、地球規模の課題が生じているとともに、ロシアのウクライナ侵攻の案件も生じております。これまで国際社会が大切にしてきた価値観が揺らぎつつあるとともに、さらに、様々な社会事案によって、子供さん方の教育の機会、こういうものが非常に危うくなっているという、こういう時代でもございます。
 こちらは教育の話になりますが、ユネスコ全体としましても、日本のユネスコの活動をこれからどうしたらいいか、日本でいうと令和、世界でいうと2022年、この現代にユネスコに関してどういうふうに今後携わっていけばいいかというような御議論を是非今日もしっかりさせていただきたいと思います。先生方御案内のように、一部の先生方の任期がこの11月でおしまいになるということもございますので、運営小委員会のほうで今月末を目途に一定の論点整理、何か結論が出るということではないんですが、次期のメンバーの方々にバトンタッチをしていただく論点整理の御議論を今いただいているところです。この運営小委員会に対してこちらの教育小委員会のほうからインプットしていただくための議論を、これからの時代におけるユネスコ活動の推進として、本日、御議論いただきたいと思います。
 さらに、現在、来年の11月のユネスコ総会に向けまして、「国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告」、この改定作業が行われております。この委員会の委員長でいらっしゃいます杉村先生におかれましては、改定の検討を行う専門家委員会に参画されるのみならず、ワーキンググループの議長として議論をリードしてきていただき、今般、取りまとめをいただいております。現在、加盟国への意見照会が行われているところでございますが、本日、本委員会の皆様方からも御意見を賜りたく、御説明をいたしたいと思います。
 本日、盛りだくさんでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  岡村統括官、どうも御丁寧にありがとうございました。
 それでは、続きまして、本日の会議の配付資料について事務局より説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
【原国際統括官補佐】  資料表紙の議事次第を御覧ください。議題1の国連教育変革サミットについて資料1を、議題2の第215回ユネスコ執行委員会について資料2を、議題3のユネスコスクールに係る動き等について資料3-1及び3-2を、議題4のこれからの時代におけるユネスコ活動の推進について資料4を、非公開議題となりますが、議題5の国際理解教育等に関する1974年勧告の改定について資料5及び委員の皆様には机上資料を、併せて参考資料として1から5をお送りしております。不足等ございましたら、事務局にお申しつけ願います。
【杉村委員長】  ありがとうございました。
 それでは、議事に移らせていただきます。
 
<議題1>国連教育変革サミットについて
【杉村委員長】  まず、議題1、「国連教育変革サミットについて」です。
 本件につきましては、本年5月に開催いたしました前回の教育小委員会においての議論も反映されたものとなり、先ほど国際統括官からも御説明いただきましたとおりです。
 それでは、事務局から、まず御報告、御説明をお願いいたします。
【白井国際戦略企画官】  文部科学省の白井でございます。よろしくお願いします。
 資料1「国連教育変革サミットにおける成果について」という資料をまず御覧いただければと思います。
 この国連教育変革サミットですけれども、先ほど岡村統括官からも話がございましたが、今年の9月に国連本部で行われたものでございます。もともとの動機としましては、新型コロナ感染拡大によって世界中で教育の危機的な状況が生じており、それについて各国の政治的なコミットメントを結集していこうということで、グテーレス国連事務総長の主導によって始まったものでございます。
 2ポツ目ですが、日本の取組ということで、文書による総理ステートメントを提出するとともに、首脳級会合の場において、岸田総理よりビデオメッセージにてスピーチをしていただくということを実現することができました。各国の総理ステートメントというものですけれども、このステートメントこそが前回5月の教育小委員会でも議論いただいたものです。もともと国連側の要請としましては、多様なステークホルダーの御意見を踏まえたもの、もちろん、政府が中心となって作るものではございますけれども、多様な方々の意見を踏まえたステートメントを作成してほしいということがございまして、前回、御議論いただいたということになります。そのステートメントをベースにしながら、これは総理官邸とも相談をいたしまして総理のビデオメッセージというものを作り、それをビデオによって録画をして、当日、流すことができたということに至ってございます。後ほど、このビデオ本体、5分程度のものでございますので、流させていただきたいと考えてございます。
 内容でございますけれども、今、岸田政権が進めている「人への投資」を中核とした「新しい資本主義」に基づいて、教育変革やESD、これを全力で推進するということについても言明していただきました。また、特に教育に関して二つの柱、一つ目が誰一人取り残さない教育の実現、二つ目は教育の質の一層の向上ということで、この二つを軸にしながら、国内だけでなくて国際的な教育支援にも取り組んでいくということも盛り込んでございます。
 3番目の成果文書というところですけれども、国連事務総長のほうから、「ビジョン・ステートメント」というものが出されています。このステートメントの中で、「人への投資」ということについても、日本からもかなり働きかけをしまして言及をしていただくことができました。これは日本の政策にも沿ったものになりますし、また、各国において、特に教育への投資が必要という時宜にも沿ったものと考えてございます。
 この国連教育変革サミットですけれども、4番目のところを御覧いただきたいと思いますが、9月に実際に行われたわけなんですが、それに向けていろいろな準備の段階がございました。右側のほうから見ていただきますと、アジア太平洋教育大臣会合、APREMCと言われるものでありますけれども、こちらのほうでも当時の末松大臣からのビデオメッセージを送っていただいたり、また、6月にはパリのユネスコ本部のほうで、当時の義本事務次官が出席をして同じくプレ会合というものが行われました。当日、岸田総理は御都合がどうしてもつかなかったんですけれども、文部科学省からも簗副大臣がサミットのサイドイベントに御出席され、特にESDを中心にリマークスをいただいたというような状況でございます。
 ステートメントの内容について、二つ目の資料を御覧いただきたいと思います。
 基本的な考え方、一番上のところから御覧いただきたいと思いますけれども、今、政権が目指している「新しい資本主義」の実現というものが、今、国連が目指しているSDGsともオーバーラップしているものであるということをまず述べてございます。
 そして、資料の(2)番ですけれども、その中核にあるのが「人への投資」である。そして同時にESD、日本がリードしてきたものですけれども、ESDがこの「新しい資本主義」実現に向けても重要であるということについても明記をしてございます。
 中段の2.が具体的な教育の変革に向けた取組ということでありますけれども、左側のほう、誰一人取り残さない教育の実現では、具体的に、こども家庭庁の設置、教育のデジタル化、奨学金制度の拡充といったこと。右側の2番目のほうでは、教育の質の一層の向上として、学校の役割、特にコロナ禍で学校は多様な役割を果たしているということについて言及しています。また、STEAM教育であるとか、また、グローバル、デジタル化に対応したイノベーション人材の育成が大事であるということを書いてございます。
 3.のところで、「新しい資本主義」に基づいた国際的な教育変革への貢献ということで、これは外務省で行われている事業も含みますけれども、途上国への教育支援、それについても書かせいただいて、最終的に地球上の全ての子供たちのウェルビーイングの実現を目指していくんだということについて、ステートメントという形でまとめてございます。
 具体的な本文については3ページ目からなります。本文について細かく御案内する時間はございませんけれども、前回の5月の教育小委員会でいただきました御意見の中で、例えば吉田委員からいただきました民主主義の重要性であるとか、大濱委員からいただきました多様性の尊重であるとか、そういったことについては、最初の1の(1)のパラグラフのほうに述べられている部分になるかと存じます。
 また、3ページ目、2.の(1)誰一人取り残さない教育の実現ですけれども、この点についても竹村委員から特に格差の問題について御指摘をいただいたほか、大濱委員からいただいた多様性の問題についてもここに関わってくる問題かと存じます。
 また、4ページ目になりますけれども、(2)の丸2番、STEAM教育の推進、これついては杉村委員長のほうからも重要性について前回御指摘をいただいております。
 また、最後になりますけど、3.国際的な教育変革への貢献というところですけれども、これについても、特に国内だけでなくて国際貢献の部分について重要ではないかということで、吉田委員や萱島委員からも御指摘をいただいたところでございます。
 文章については、関係省庁等との調整の中で大きく変わっているところはございますけれども、委員からいただいた御指摘も踏まえながら、こういった形でまとめさせていただいたところでございます。
 これを基に作成しました総理のスピーチということになりますので、よろしければ、これからそちらを御覧いただきたいと存じます。
 

(映像上映)
国連教育変革サミットにおける岸田総理のビデオメッセージ

 

【白井国際戦略企画官】  こちらからは以上です。
【杉村委員長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいま白井企画官から御説明いただきました御報告、御説明につきまして、御意見、御質問がある委員の先生方がおられましたら、挙手ボタンを押していただきますようお願いします。御指名は事務局のほうからさせていただきます。いかがでございましょうか。
 竹村委員、お願いいたします。
【竹村委員】  こんにちは。竹村です。質問なんですけれども、非常にすばらしい内容のスピーチだなと思って拝聴させていただいていたんですけれども、「新しい資本主義」という提案に対しての御臨席されていた方々の反応、「新しい資本主義」を支える教育という考え方に対してどんな反応があったのかなというのがちょっと気になったので、もし一つか二つでも、諸外国の方からこんな御意見があったとかありましたら教えていただければと思います。
【杉村委員長】  白井企画官、いかがでしょうか。
【白井国際戦略企画官】  竹村委員、ありがとうございます。当日、残念ながらビデオメッセージという形でございましたので、ちょっと直接的な反応という形で伺うことは難しかったんですけれども、ただ、ステートメントの内容について意見交換を他の国の方とする機会がございました。「新しい資本主義」については、やはり今の資本主義が持っている内在的な課題といいますか、例えば格差がどうしても広がってしまうとか、そういったことに対する共感というのはかなり多くの方々が抱かれていると。これは本当に世の東西問わず、世界中の方が問題意識として持たれているのかなと。そこに日本としても何とか解決を見いだしていこうということでの共感は得られたのかなと感じております。
【竹村委員】  ありがとうございます。
【杉村委員長】  ありがとうございました。
 他に御意見や御質問はよろしいでしょうか。よろしゅうございましょうか。
 吉田委員、お願いします。
【吉田委員】  先ほどの竹村委員の御質問にも少し重なるかとは思いますけれども、総理のこのスピーチの内容が、日本から言いたいことを言ったということになっていなくて、国際的に共通する課題について日本の考え方を発信しているということで、非常に歓迎するべき点が幾つか見られると思います。
 特徴的なのは、他のところで、今まさに途上国をはじめいろいろな国で、コロナの対応の中で、例えば、緊急対応だったものと、中長期に影響が残るようなものへの対応ということを分けて考えていかないと出口戦略が見えないというようなことが少し議論されているんですけれども、そういうことも十分配慮してポイントが押さえられていると私は感じました。
 それから、Transforming Education Summitの中心になる教育変革といったときに、どういう方向に教育が変革していかなければいけないか、そういうことも「新しい資本主義」という言葉を冠にしたことによって説明しやすくしている、そういうふうに思います。つまり、今のままだと社会の中に様々なゆがみが生じてきてしまっているものを、どういうふうに、どういう方向に直していく必要があるのか、その中で教育がどういう役割を果たすべきなのか、そういうふうに解釈することが、我々、特に教育に携わる者たちとしてはできる。そういう意味で非常に喜ばしい点があったと思います。
 もっと踏み込んで具体的に議論していただければそれにこしたことはないんですけれども、総理のスピーチ時間も非常に限られている中のこととしては、まずは、そういった点がしっかり押さえられているという意味でのスピーチだったということ、そして、この後、本日も議論されていくような点と非常につながっていると思います。そういう意味で歓迎するべき点がしっかり入っていると感じた次第です。
 以上です。
【杉村委員長】  吉田委員、ありがとうございました。
 他の委員の先生方もよろしゅうございましょうか。本当に事務局におかれましては、大変複雑な議論を短期間の間に取りまとめていただいたと思います。5月の教育小委員会のときには委員の先生方にも本当に良い御意見をいただきましたが、事務局の御努力にもここで改めて感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 今の吉田先生のご発言にもありましたとおり、この後の議論にも総理のステートメントがつながっていくと思います。それではこの議題はここで終わりにさせていただきます。
 
<議題2>第215回ユネスコ執行委員会(教育分野)の結果等について
【杉村委員長】  続きまして、議題2のほうに移らせていただきます。「第215回ユネスコ執行委員会(教育分野)の結果等」に移ります。
 まずは、事務局から御報告、御説明をお願いいたします。
【白井国際戦略企画官】  それでは、資料2に基づきまして御報告をさせていただきたいと思います。
 第215回ユネスコ執行委員会(教育分野)の結果等についての御報告ということになります。
 今回のユネスコ執行委員会ですけれども、令和4年10月5日から10月19日までユネスコ本部において行われてございます。文部科学省からは岡村国際統括官が出席をし、その他ユネスコ代表部の方々が現地で対応いただいているという状況になっております。
 このユネスコ執行委員会について、もう既に先生方御案内と存じますけれども、加盟国193の国が参加をする総会に次ぐユネスコの意思決定機関であるということで、春と秋の2回行われているところです。日本としては、地域枠に応じて選ばれている執行委員国ということで、ずっと継続してこれを務めているということになります。
 今日御報告するのは教育分野ということになりますけれども、今回の執行委員会全体としては、必ずしも教育について多くの議論、特に今、クリティカルな論点ということではそれほど多くない状況でございまして、特に問題になりましたのは、例えばウクライナに対する緊急支援の決議、これについて賛成する国もあれば、一方でロシアは反対をしたりとか、そういったことにかなりの時間を費やしたというような全体的な状況でございます。その中で、もちろん教育についても多くの課題はあるのですけれども、今日は、資料に掲げております議題の6からについて、簡潔に御報告させていただきたいと存じます。
 資料2の中段になりますけれど、議題の6としてSDG4-グローバル・地域レベルの調整及び支援という項目が上がってございます。SDG4の実現に向けた進捗状況、取組についての報告をするものでございます。
 また、先ほどの国連教育変革サミット、またプレサミットが行われておりますけれども、国連の専門機関の中では、ユネスコが教育分野においては主導機関ということで、ユネスコの全面的な協力の下でこれらのサミットが行われてきたところがございました。日本を含む全ての国は、このユネスコのリーダーシップを歓迎したということについて述べてございます。
 またその他、例えばアフリカの諸国からは、アメリカにおける教員不足、プライオリティアフリカ、アフリカを優先的なグループとして、よりその施策を進めていくべきではないかという点についての強調されたこと。
 また、オランダ、アイスランド等から、事務総長のステートメント「ビジョン・ステートメント」が、この国連教育変革サミットの成果文書ということで出されておりますけれども、そこに性教育とかそういったことが足りなかったのではないかという御指摘がございました。
 また、今、ユネスコのほうで特にGreening、グリーン教育ということに注力をしておりますけれども、ケニア、フィリピン、エジプト、リトアニアなどがこういったことに関心を示されました。特に、今、COP27が行われておりますけれども、エジプトは、この関係でも重要であるという御発言があったということでございます。
 ちょっと事務的な話になりますけれど、スイスからは、このサミット開催時の各国への情報提供の遅さの指摘があったとか、こういったことについても議論が行われているという状況でございます。
 続きまして、議題の7です。国連大学に関するものです。
 国連大学に関しましては、このユネスコとの協力関係に関する活動についての報告がありました。御案内のとおり、国連大学の本部については日本がホストをしているということもありまして、日本からは、国連大学の活動への感謝と支持を表明しました。特に、「地球規模課題解決に資する国際協力プロジェクト」といったような取組を国連大学も絡んだ形でやっていただいていますので、そういったことについて歓迎するという発言をしてございます。
 議題の8番、職業教育機関ネットワークの構築に関するフィージビリティー調査についてです。
 この職業教育に関するネットワークについて、フィージビリティー調査の結果が報告されて、新たなネットワークを作るより、既存のネットワークというのは既にございますけれども、それによって対応したらどうかということの提案がございまして、これについて採択をされたという議論がございました。
 それから、議題の9番です。ユニツイン/ユネスコチェアの活動状況についての御報告というものになります。
 今年度の申請からユネスコは、このユニツイン/ユネスコチェアについて、各国2件の申請数制限というものを設けております。これについて一部の国からは、申請数を制限することについてもっと柔軟な対応はできないのかといったような議論もございましたが、結果的には、この制限については暫定措置であるということで決議案について合意・採択がされたということになってございます。
 それから、議題の34番です。こちらは、見直し作業に杉村先生にも御参画いただいた1974年の勧告というものになります。
 ただ、この議題34自体は、この勧告の今後の議論に向けて、一部の機関について、政府間委員会に招待する機関として加えるのかどうかということについての議論が行われました。具体的には、ロシアからの独立国家共同体(CIS)、上海協力機構(SCO)をオブザーバーリストに追加してはどうかという提案について、採択をされたということになってございます。この中身の部分については、また後ほど御議論いただければと存じます。
 執行委員会(教育関係)の報告については、こちらからは以上でございます。
【杉村委員長】  白井企画官、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からの御説明につきまして、御意見、御質問がおありになります方は、挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。指名はまた事務局のほうからさせていただきます。いかがでございましょうか。
【杉村委員長】  吉田委員、よろしくお願いいたします。
【吉田委員】  直接この執行委員会の話ではないんですが、今月の3日、4日とユニツイン/ユネスコチェアの30周年記念国際会議がございまして、私も広島大学でユニツインを一つホストしておりまして、参加してきました。先ほど企画官から御紹介いただいたような点が、まさにこの会議の中でも一つパネルセッションとして持たれまして議論されました。そこで議論されたときは二つ大きなポイントを設定していたと記憶しています。
 一つは、執行委員会のほうでも議論された運営管理についてなんですけども、ここには二つの側面があって、数が増えること自体は歓迎されていいのではないかということと、ただ、数が増えるということは運営管理・モニタリング等が非常に難しくなると。だから、そこのところはどうしたらいいのかということがポイントになったパネルでした。その管理運営についてどういう方向があり得るのかということ、そして各国の国内委員会の関わりというのももっと強化する必要があると。こういうことを含めた議論をする場、ユニツイン/ユネスコチェアについての国際的なオブザーバトリーを設置する必要があるというような最終的な結論になったところです。
 もう一つの点は、せっかくユニツイン/ユネスコチェアをこれだけ展開していて、専門性のある議論、そして研究活動がされているんですけども、そういうところをどういうふうに国内委員会を通じてもうちょっと活用していくのか、知のもっと有効活用をどうにかできないのか、そういう点についても議論されたところです。ですので、数をどう管理するかということだけではなくて、中身についてもユニツイン/ユネスコチェアの会議では議論されたところということを御紹介します。
 ありがとうございます。
【杉村委員長】  吉田委員、大変大事な、また今後につながる御報告、ありがとうございました。
 ただいまの御意見、是非また事務局におかれましても今後の御参考等としていただければと思います。ありがとうございました。
 議題2は、よろしいでしょうか。例えば、今お話に出ました国際理解等々の勧告のことにつきましては、今日この後また別途議題を設けさせていただいておりますので、そちらのほうでも御意見をいただければと思います。
 それでは、もし無いようでしたら、次の議題のほうに移らせていただきます。ありがとうございます。
 
<議題3>ユネスコスクールに係る最近の動き及び令和3年度ユネスコスクール活動調査結果について
【杉村委員長】  議題3、「ユネスコスクールに係る最近の動き及び令和3年度ユネスコスクール活動調査結果について」です。
 事務局及びユネスコ・アジア文化センターの大安部長から御説明、御報告をお願いしたいと思います。
 では、まず、事務局のほうから御説明をお願いいたします。
【白井国際戦略企画官】  それでは、資料3-1を御覧いただきたいと思います。ユネスコスクールに係る最近の動きについての御報告になります。
 ユネスコスクールの11月1日現在の状況でございますけれども、今、チャレンジ期間にある学校が全部で90校ございます。
 それから、審査に入っている審査対象校20校、キャンディデート校が168校ということになってございます。
 新規の加盟承認が、ちょうど10月にユネスコ本部のほうから伝達がございまして、ここに掲げております6校が新たにユネスコスクールとしての承認をユネスコのほうから受けたということでございます。また、ユネスコのほうで少し時間がかかっているところもございますけれども、新たに、ここには名前がまだ出ていないんですが、20校程度について承認がほぼ整っているということで御連絡ありましたので、そちらについても追って、ユネスコからの連絡があり次第、御連絡できるかと思っております。
 また、認定の解除を希望される学校も幾つかございまして、令和3年度の調査時には8校が解除を希望されるという状況でございました。
 一番下、2.を御覧いただきたいと思います。定期レビューについてです。
 この教育小委員会でこれまで御議論いただいたものを踏まえまして、ユネスコスクールの加盟校についてレビュー制度というものを導入してございます。このレビューについても随時始めているところでございます。
 次の資料を御覧いただきたいと思いますけれども、別紙1というものです。今、全部で1,200校近い加盟校がございますけれども、古い、加盟が早い段階からまずグループ分けをしまして、今年度、まず、220校程度についてレビューをしていくということで準備を進めております。自己評価、ピアレビュー、それからアドバイザーによる有識者レビューを踏まえて指導助言、そして中期活動改善計画をつくっていくというプロセスを今後進めてまいるということで計画をしてございます。
 また、情報提供だけさせていただければと思いますけれども、別紙の2を御覧ください。
 これまでも行ってきましたユネスコスクールの全国大会ですけれども、今年度は1月、年明け1月22日に、渋谷教育学園渋谷中学高等学校をお借りしまして開催するということで考えてございます。また、ユネスコスクールの地方ブロック大会も、現在、既に終わったところもありますし、これからのところもございますけれども、全国4ブロックで開催をしているということでございます。
 また、その次のスライドも、今、ユネスコスクールに関する情報共有についてなるべく強化をするということで取組を進めてございます。
 その他の資料も、またお手元の資料を御覧いただければと思います。
 こちらからは以上でございます。
【杉村委員長】  白井企画官、ありがとうございました。まず、今般、新たにまた承認校ができたとのこと、とてもうれしいお知らせをありがとうございます。これについては、事務局の御努力についても改めて感謝を申し上げます。
 また、ユネスコスクールのレビューが進んでいるということで、これについても御関係いただいている方々にきっといろいろ御尽力いただいていることと思いまして、改めてお礼申し上げます。
 それでは、続きまして、ユネスコ・アジア文化センターの大安部長のほうから御説明をお願いしたいと思います。部長、どうぞよろしくお願いいたします。いつもありがとうございます。
【大安部長】  ユネスコ・アジア文化センターの大安と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私のほうからは、2021年度のユネスコスクール活動調査の概要について御報告します。
 この調査は、文部科学省から委託を受けて、ユネスコスクールの事務局であるACCUによって2021年12月から今年の3月にかけて行われました。今後のユネスコスクールの活動の一層の振興に向けて、現状、課題、そして成果等を把握することを目的としております。この調査は、全ユネスコスクール加盟、その調査時は1,077校でしたが、それに対してウェブ回答による協力をお願いしました。最終的には493校、回答率は45.8%となっており、前年度よりは少し減っております。
 本日は、ここに画面共有していただいております概要について御報告します。詳細についてはその後の資料にありますので、そちらも御覧いただければと思います。
 まず、この1番目、今回の成果と課題について主にまとめております。
 まず、一つ目のこの成果、ここにありますように、SDGsの目標4、ターゲット4.7、このESDとか、それからGCEDが含まれている、人権とかそういったところが含まれている目標の認知度がもう9割近くということで、かなりユネスコスクールの間ではこのSDGs 4.7というのが浸透していると言えます。
 丸の2番ですが、SDGsの17の各目標に対する取組、この中でも目標の11とか、それから目標の12ですね、やはり学校教育の活動において身近な生活に関連する事柄、そういったものを取り上げて教育活動を行っていく、その中にSDGsを取り入れていくというような傾向があると思います。
 丸3番に行きまして、推進拠点として発信、これも努力したというところが8割近くということで、やはりこういう保護者向けの「学校だより」の発行という、割とそういう情報の共有、ウェブサイトも50%ありますが、そういった形が多く見られます。一方で、報告会、研修会という割合は少ないんですけれども、そうしたことによって意欲が高まったというような形も見えております。
 丸4番ですが、このESDを実践したことによってどういう変化があったかということは、これは過去の調査からでも見えてきているところですけれども、まず、カリキュラム・教授法の変化として、カリキュラムマネジメントを工夫するようになった。多くのユネスコスクールでESDカレンダーというような形で教科横断型のカリキュラム、そして実践を工夫していくというところが今回も見えています。そして丸ポツの二つ目、三つ目のところですね、こういった形で、持続可能性の価値観を基に授業を見直す。それから、教材、資料、発問を工夫する。これはやはり探究学習の中にも特にESDを取り入れるというような形の活動が、割と多くの学校でされているということが言えると思います。
 次に、学校運営の変化というところで、ESDを学校全体で取り組む、いわゆるホールスクールアプローチというところですが、昨年46%から今年は60%というところで、これも大分、ホールスクールアプローチという考え方も浸透していると思います。それから、次のページに行きまして二つの丸ポツも、やはり地域との交流というのは、探究学習というのは学校だけではなかなか全てのことができないというところで、地域へ出ていって、いろいろな活動を見て、そして自分の行動にどう結びつけるかというような形の学習が多く取り入れられてきたと。それも、特に総合学習とか教科横断型のところで、教員同士でそういうのを共有しながらやっていこうという動きが見られていると思います。
 次に、2番目の主な課題として、やはりコロナ禍というところがまだ影響が大きくあるというところで、海外の交流はまだまだ低いというところなんですが、一方で、オンラインを活用した交流というのも大分増えてきたと考えます。
 それから、丸2のところのユネスコ活動支援の活用が十分でないというところで、事務局の利用状況というのは43.4%、そしてASPUnivNet(ユネスコスクール支援大学間ネットワーク)からの協力支援「特になし」というのも高い割合になっています。ただ、一方で、公式ウェブサイトの利用率が65%、別の設問なんですが、ということで、情報を得るという形で活用はできているんですけども、実際に例えば向こうで何か研修会を行うとか、出前講座的にとかなると、やはり学校側にとってもそういう段取りをするのも大変なのかなと思いまして、情報提供という意味ではある程度活用されているところ、実際の対面とか対話という意味での活用というところはまだ十分ではないというところで、これはどういう形で今後強化していけるか、検討課題かなと考えます。
 それから、ユネスコスクールの教育活動に対する評価手法、これは昨年もそうだったんですが、特にESDとか評価がしにくいというところもあるんですが、先ほど白井企画官からありましたレビューというところで学校を評価していくというようなところの方向性も出てきていると考えます。
 以上、本日御報告しました形の調査というのは、私の知る限り、ユネスコの加盟国の中でもあまり行われていないと思います。今年9月にバンコク事務所と、ユネスコスクールとESDという会合を行いましたが、参加国から日本のこういった取組について教えてほしいという声もありました。
それから、レビューの御説明がありましたけれども、今年の8月に参加レビュー対象校の研修会を行っており、今、レビューのアドバイザーの方々にレビュー結果の取りまとめを行っていただいています。こういったところも日本のすごい先進的な取組だと考えます。こうした情報は、現状、課題、成果の把握という意味で大きな意味があり、我々事務局、それから文科省、そしてそれに関わっていただいているアドバイザーの方々にも、よい機会であったと考えます。また、参加校についても、このレビューとかこういう年次調査で、国際交流という、例えば国際デーを祝うということを今まで知らなかったというような声もありますので、こういう調査をやっていくということはすごく参加校にとっても有意義だと考えます。ただ、ユネスコスクールの発信とか国内外との交流という点は、こういった取組で内容・コンテンツが明らかになって深まっていくんじゃないかと思っております。
 私からは以上です。
【杉村委員長】  大安部長、本当にありがとうございます。毎年していただいている経年調査にもなりますが、今、最後のところで部長がおっしゃったとおり、この取り組みは、世界の加盟国の中でも大変ユニークで、とても意義のある調査であると思います。大変お手間をおかけしていると思いますが、心からお礼申し上げます。
 それでは、ただいまの事務局及び大安部長からの御報告、御説明につきまして、御意見、御質問ある先生方がいらっしゃいましたら、是非承りたいと思います。では、見上委員、よろしいでしょうか。
【見上委員】  御指名ありがとうございます。感想になってしまうんですが、もう大安さんから御説明いただいたとおりで十分なんですが、私は関わらせていただいた一端、一人ということで、感想を申し上げますと、非常にいいシステムを入れていただいたなと。レビューについては、教育小委員会でいろいろ御議論いただいたんですが、学校によっては、校長先生も交代してしまうし、頑張ってくださる先生が交代したりすることで、ちょっとどうしていいか分からないというような学校も一部にあるんですね。そういう学校に手を差し伸べることが要るのではないかと思います。しかも、これの評価で低い点を取ったからといって、それで落とすのではなくて、相談に応じますよ、サポートしますよという形がとてもよかったなと、そんなふうに思いました。
【杉村委員長】  見上委員、ありがとうございます。温かなお言葉、本当に感謝申し上げます。
 続きまして、大濱委員、お願いいたします。
【大濱委員】  ありがとうございます。箕面ユネスコ協会、大濱です。
 貴重な調査の結果報告ありがとうございました。説明の中に課題としても挙げられていましたけれども、データを読ませてもらったら、海外との交流校を見つけにくいとか、関われる人材が少ないといった数字が見えましたので、たくさんのいい成果を上げておられる学校に並んで、悩みを抱えている学校もあるのかなと思いました。
 私は、学校が元気になる答えは、地域の人や組織とどのように結びついていくかにかかっているように思いますので、少し現場の実例を紹介させてください。ユネスコスクールとの協働例ではなくて申し訳ないんですけれども、先週、地域の小学校とネパールの小学校をオンラインで結んでインタビューし合うという授業をしたときに、子供たちの生き生きしたやり取りの中で、「学校で困ったことありますか」と言った箕面の子の質問に、これは多分、「宿題が多くて困ります」とかそんな答えを予測していたと思うんですけれども、ネパールの子は「田舎では貧しくて学校に行きたくても行けない子がいます」というふうに生の率直な答えをくれて、子供たちがハッとする場面があったんですね。先生たちとは、「ゴールの4と重なる活動の方向が見えましたね」と。それで今、地域の他の団体さんも交えて今後の学習プランを作っているところなんです。言いたいのは、学校がカリキュラムを開き、協働で授業開発をすることで学習の可能性はぐんと広がっていく。地域に位置づく学校ともなる。そんなことを私は実感しています。
 それで、地域で活動する私たちも学校へのアプローチに努めないといけないんですけれども、今説明があった今年スタートした定期レビューとか指導助言の場で、これまで以上に、地域とのネットワークを生かすためにはとか、地域での存在感を高めるためにはとか、そういった具体的なアドバイスをしてもらえたとしたら、私たちと学校と双方が伸ばした手が結びついて、元気なユネスコスクールが増えていくんじゃないかなと思って、発言させていただきました。よろしくお願いします。
【杉村委員長】  大濱委員、子供さんたちのハッとした顔が目に浮かぶようなすてきなエピソードをありがとうございます。まさにESDの国際的な方針の中に、コミュニティを巻き込んだ、あるいはホールスクールアプローチというのがありますけれど、今おっしゃってくださったのはその好例だと思います。御指摘ありがとうございました。
 それでは、吉田委員、よろしくお願いします。
【吉田委員】  簡潔に申し上げさせていただきます。
 大安部長さんはじめ、このユネスコスクールの取組についての日本からの発信の材料が非常に豊富にそろっているわけですよね。これをどういうふうに使うかというところで、やはり対外的な発信というのはまだまだ強くできると思いました。例えば、こういう具体的な取組を紹介する際に、最初から個別論に入ってしまうと一気に間口がばっと広がってしまって、非常にいいんだけれど、どういうふうに解釈していいのかが分かりにくくなってしまうということが間々あるかと思います。
 一つ整理の仕方、これ、私の勝手な考えですけども、日本のもう長らくやっているESDに対してのユネスコスクールの取組というのは、その後起こってきたSDGsという時代になっても4.7の中核に入ってくるわけですよね。つまり、4のみならずSDGs全体の、どこを向いた教育をする、どこに向けた持続可能な開発なのかというところの方向性を指し示す非常に重要なものを既に実践しているのがユネスコスクール、そしてその中核にあるESDなんだというのが一つの言い方になり得ると思います。
 そして、今年議論が高まった教育変革というときも、グテーレス事務総長の「ビジョン・ステートメント」の中でも、今までの「ドロール・レポート」をちょっと変えて「learning to learn」にして、「learning to live together, learning to do, learning to be」、つまり、持続可能な開発のための行動変容というものはどういうものが必要になってくるのか。こういうのも、その四つの観点全てに鑑みて確認しても、日本のユネスコスクールを通じたESDの実践というのはそれらが全て内包されていると。いろいろ議論の焦点がSDGsになったり、その中でもTESになったりとあるんですけれども、一番大事なものというのは、日本の取組の中でESDを実践している学校活動の中に実は全部あるんですよと。そういうところのよさというのは、どのように評価されてもしっかり耐え得るものなんです。例えば「learning to learn」としてどういうところがすばらしいのかといったような、アピーリングしやすい形でこの手持ちの情報をもう一回整理して、そういうような発信をするというのが一つあると思います。
 それから、見上先生おっしゃったとおり、評価といっても、評価のための評価、よしあしをつけるための評価ではなくて、エンカレッジしてあげる。そして、戸惑っているかもしれない方に対して、「ほら、世の中こんなふうにキーメッセージ、SDGsとかTESって言っているけど、あなた方がやってきたのが一番本当に中核中の中核のすばらしいことなんですよ」というエンカレッジメントができると。そこで混乱されている学校があれば勇気づけられるし、あるいは必要なサポートもできるしと。そして、そのプロセスを助けてあげる、サポートする、ファシリテートする、そういう仕組みも整っていると。あとはASPUnivNetのような大学の支援を通じて、特にまた海外の学校とのお付き合いをもっと広げるとか、発展性の要素というのももう既にそのシステムの中にあるという、そういうところを上手に打ち出すことによって、これだけ日本の中にユネスコスクールがあるということは、さっきのユニツインの中での議論ともちょっと重なりますけど、数が多くなってきたことが負担とか意味が薄れることには全然なっていないと。非常によい方向に中身として動いている、こういうところを訴えるということは、それ自体、非常にすばらしい、日本にとってもすばらしいですし、それから受け手にとっても有用な情報になると思います。是非引き続きお願いしたいと思います。
【杉村委員長】  吉田委員、ありがとうございます。包括的にまとめていただきました。
 田代委員からもお手が挙がっています。よろしくお願いします。
【田代委員】  他の先生方と違いまして私は泥臭い証券会社に勤めておりますので、ちょっとレベル感が全く違うお話をさせていただくかもしれませんが、今御説明いただきました取組は本当にすばらしいなと思います。特に日本において積極的にやっていらっしゃるというのが、私、全く勉強不足で知らなかったものですから、本当にすばらしいと思っております。
 一方で、この中でどういったものが生まれてくるかというのは、それぞれの学校の先生方が考えて取り組んでいらっしゃることだと思ういますが、SDGsの中にもプラットフォームみたいなものに乗っかってくるというものがあると思うんですね。そのプラットフォームの一つがジェンダー平等だと思います。その上に全てのものが乗っかってくるということだと思うんですけども、拝見しますと、私がプラットフォームだと考えるジェンダー平等に取り組んでいる学校は比較的少ないなと思いました。それで、今、日本の競争力が落ちているとか、ジェンダーの平等も117位だとか、いろいろな競争力に関して持続可能ではない状況にあります。そういった意味で、ジェンダー平等については判断するのか、そういったものでもないのかもしれないんですけど、もうちょっとジェンダー平等についても何か積極的に学校レベルで取り組んだ上で、残りのSDGsが成り立つともうちょっと広がりがあるのかなと思いまして、ちょっとコメントさせていただきました。
【杉村委員長】  ありがとうございます。おっしゃるとおりで、17のゴールがありますので、どこに焦点を当てていくかというのは取組の一つのポイントになると思いました。ありがとうございます。
 そのほかはいかがでしょうか。日本には、今、世界で一番多くのユネスコスクールがあります。世界の10%以上、日本にあるかと思いますが、実質的にいろいろ機能していくことが大事かと思います。
【杉村委員長】  竹村委員、お願いいたします。
【竹村委員】  ありがとうございます。この活動調査、非常に興味深く拝聴させていただきました。ESDがあることで、先ほど、校長先生が例えば交代になられたとしても、こういった活動というものが脈々と学校で継続できるという仕組みとしてあるというのは、非常にすばらしい位置づけだなと改めて感じました。その中で、カリキュラム・教授法の変化というところで、56.6%の回答者の方が「教科を超えて横断的に取り組むなどカリキュラムマネジメントを工夫するようになった」と回答されていて、これ、かなり高い数字だなと思って拝見させていただきました。日本でもやはり全国的に今、こういった探究的な学びであるとか社会に根差した学びというものを目指していこうという学校さん、すごく増えていると思うんですけれども、その中でも56.6%、半分以上の学校さんがそういった成果を感じられているというところというのは非常に励まされるようなことだなと思いました。もっと積極的に発信であるとか、こういった知見をユネスコスクール外にも是非共有していただくことで、ユネスコスクールにまだ加盟できていないような学校さんとか、まだユネスコスクールについてよく知られていないという学校さんにとっても、ESDという非常に高いビジョンの目標とは別のレイヤーにはなってしまうかもしれないんですけれども、実際の日々の学校の教育活動の中でこんなメリットがあるんだみたいなところというのが、もちろんカリキュラムマネジメント以外にもあると思うんですが、感じられる活動のエビデンスというか、データがこの調査レポートにあるのかなと思いましたので、是非積極的に御活用いただければと思いました。
【杉村委員長】  竹村委員、ありがとうございます。今日では、ユネスコスクールだけではなくて、現行の学習指導要領の前文や総則にも持続可能な社会の創り手を育てるというのが盛り込まれていますので、いろいろな学校が取り組んでくださっていることと思います。
 萱島委員、お願いいたします。
【萱島委員】  ありがとうございます。貴重な調査の結果を共有いただきましてありがとうございます。既にもうここに書かれていることでもあるんですけれども、海外の学校との交流というのはやはり小学校にとってはハードルも高くて、なかなか難しいところもあるということで低い水準となっているんですが、一方で、オンラインの活用が増えているということも書いてあり、このコロナ禍が期せずしてというのか、オンラインの活用を本当に急速に高めたという点では、国際交流の在り方も大変変わっているのかなと思っています。ユネスコスクール事務局からのサポートについてもその次に言及されておりますけれども、ぜひこうしたオンラインを活用して国際交流のやり方の裾野を広げていくというようなこと、そのための知恵の共有ですとか事例の共有、そういったところが強化されていくと、ユネスコスクールの活動もさらに広がりやすくなり、取り組みやすくなるのかなというふうにお話を聞いていて感じました。
【杉村委員長】  萱島委員、ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。是非発信を強めていければと思います。
 そのほかは、よろしゅうございましょうか。またお気づきの点もあるかと思いますが、是非ユネスコスクール、これまでの実践の蓄積や経験を日本としても力強く発信していければと思います。先ほどの総理のメッセージにもありましたとおり、また吉田委員もおっしゃっていましたが、ESDをはじめ、ぜひ日本がこれからいろいろな形で、リードし、かつ世界が一緒になってやっていけるような取組にみんなで進んでいくことができればもっといいかと思います。持続可能的に活動が展開できればと思います。ありがとうございました。
 それでは、一応、議題3はここで終わらせていただきまして、議題4のほうに移らせていただきます。
 
<議題4>これからの時代におけるユネスコ活動の推進について
【杉村委員長】   議題4、「これからの時代におけるユネスコ活動の推進について」、御議論いただきます。
 冒頭、統括官からもありましたとおり、これからの時代におけるユネスコ活動の推進については、他の委員会でも御議論いただいており、教育小委員会でも、この議題については運営小委員会のほうにも御報告したいと思いますので、是非、忌憚のない御意見を頂戴できればと思います。
 それではまず、事務局から御説明をお願いいたします。
【白井国際戦略企画官】  それでは、資料4を御覧ください。「これからの時代におけるユネスコ活動の推進について(背景・論点)」と書いてあるものでございます。
 こちらについてですけれど、今、各小委員会におきましてそれぞれ御議論をいただき、運営小委員会のほうでそれを結集して総括いただくような形での議論・検討を進めているところでございます。
 まず、1ページ目が主に背景に関するところでございます。
 既に先生方御案内のとおりですけれども、新型コロナ、気候変動、さらに権威主義の台頭やウクライナ侵略、いろいろなことが生じる中で、改めて、民主主義であるとか基本的人権といった普遍的な価値が重要になっている。そして、全ての国がこうした課題を「自分ごと」として考え、行動変容していくということが求められる状況になっているのではないかということがございます。
 まさにこういった問題意識も踏まえて国連教育変革サミットも開催されたところでありますし、また、先ほど御覧いただきました岸田総理のスピーチであるとか、あるいはステートメントにおいても、「人への投資」やESDの重要性ということについて御発言をいただいたというものになると思います。また、もちろん、ESDの中心的な拠点としてユネスコスクールも日本としては位置づけているところでもございます。
 三つ目の丸のところにございますけれども、第41回ユネスコ総会において、この勧告の改定案について審議をされることが決定したというところでございます。これは、後ほどまた御審議をいただくところでございますけれども、これについても我が国としても積極的に関与しているところでございます。
 また、ユネスコにおいてですけれども、2022年から新しい中期戦略の期間に入ってございます。その中で、優先グループとして「ユース」が位置づけられています。次世代を担うパートナーとして、若者の意見のユネスコ活動への反映であるとか、多様なステークホルダーを巻き込みながらの活動の展開を目指していくということの重要性というのがいろいろなところで強調されているところでございます。国連教育変革サミットにおいても、ユースの出番というのがいろいろなところで設けられていたところでございます。
 こういった状況を踏まえて、今後、ユネスコ活動の在り方についても、国際的・国内的な取組両方の視点を踏まえて、ユネスコ憲章の理念を実現していくための展開について考えていく必要があるだろうということで、本日、特に次の2点について御検討いただければと思っております。
 資料の2ページ目になりますけれども、まず、(1)番です。現在の諸情勢を踏まえた上で、拠出金や人的貢献ということも、もちろん日本からユネスコへの貢献の仕方として大事なことではあるんですけれども、それだけでなくて、例えば新しい理念や考え方、ルール、技術あるいは実践事例といったことを通じてユネスコにおける国際的な議論をリードしていくなど、具体的にどのような活動が求められるのかというところが、一つ目、御議論いただきたいところでございます。
 実はこういった指摘につきましては、先般、国内委員会でおまとめいただきました「ユネスコ活動の活性化について(建議)」におきましても、これに関連する文言が入っているところでございます。我が国は、課題解決先進国としてユネスコにおける議論をリードする立場にある。さらに、例えば「知的リーダー」としての役割を果たしていくべきであるといったようなことが書かれているところでもございます。
 続いて2点目です。(2)番、現在の諸情勢を踏まえた上で、ユネスコが行う各種の事業等を、国内において地域の活性化や教育・観光等につなげるためには、どのような持続可能な活動が求められるかという点でございます。
 こちらも建議の中で御指摘されていますけれども、いろいろな登録事業等ございますが、それは登録だけで止まってしまっていて、その次に続いていかないのではないかとか、例えば一部の方だけがやっていて、例えば若者の参画がなくて、なかなか活動として先細りになってしまっているようなユネスコ活動もあるようにも伺ってございます。こういったものについてどのように発展させていって、持続可能な活動としていくことが考えられるのかといったことについて、御議論をいただきたいと考えてございます。
 こちらからの説明は以上でございます。
【杉村委員長】  白井企画官、ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明ありました点につきまして、御意見、御質問を含めまして賜れればと思います。髙橋委員、よろしくお願いします。
【髙橋委員】  津田塾大学学長の髙橋でございます。御説明ありがとうございました。
 1点、私が大学の関係者として思いますのは、日本は国際学会を誘致する機会が、例えばヨーロッパやアメリカや、あるいは中国と比べて少ないのではないかということです。大学教員がそこまで力を割けないというのと、それから、そういった資金を獲得する機会が少ないということも関係しているのかと思います。例えば私が関係している国際女性史研究連盟(International Federation for Research in Women’s History)も、初めてアジアで開催された場所は中国の済南というところでございました。あらゆる国々が入っている大きな学会を日本に持ってくるというようなことがもっと実行しやすくすることで日本のプレゼンスを上げ、また、それに参加することができる日本に住む大学教職員や学生が学ぶ機会を積極的に作っていくといったことも今後考えていくべきではないかなと思います。
【杉村委員長】  髙橋委員、ありがとうございます。非常に具体的なご提案をいただきました。
 そのほかにいかがでございましょうか。見上委員、お願いいたします。
【見上委員】  見上でございます。私は先週、ユネスコ協会の関係でキリバスという太平洋の真ん中にある島なんですが、行ってまいりました。行った目的は、海面上昇の問題で恐らく島がどんどん浸食されているという状況があって、地球温暖化の問題にどう取り組むかというような興味・関心から行ったわけなんですが、行って、前の大統領のトンさんとか、あるいは首都である南タラワの市長さんとかお話をいろいろさせていただくことができました。それで、私自身としては、海面上昇とか水、真水の問題が非常に深刻なんだろうと思って市長さんともいろいろお話ししたんですが、市長さんのお話は、「確かにそれも大きな問題だけども、我々にとっては何が大事かというと、若者の教育だ。とにかくそれが一番大事なんだ。そういうことを日本の学校の先生方とキリバスの先生方が交流できる機会があれば、きっと自分たちの教育レベルもより上がるに違いない」と。そういうことで、水の問題にしても、海面上昇の問題にしても、自分たちも考えながら、よくなるに違いないというようなお考えを持っておられました。ということで、ACCUのほうでも長年、インドあるいはタイ、中国、韓国等、先生方の交流をやっておられますが、太平洋の地域でも先生方の交流があったら希望される国々が多いのかなと、そんなような感想を持ちました。報告になってしまいますが、教育の観点では先生方の研修をお願いできるとありがたいなと思います。
【杉村委員長】  見上委員、ありがとうございました。キリバスまでおいでになられたんですね。
 他にも御意見いかがでございますか。先ほど企画官のほうから二つ論点を示していただいております。国際的な議論をリードしていくような活動として何かといったことと、もう一つは、ユネスコの各種の事業と国内の地域の活性化を教育や観光等につなげることということで、科学あるいは文化の委員会のほうでもそれぞれの立場から今議論が続いておりますけれども、教育小委員会のほうで何か気がつかれる点がありましたらと思いますが。
【杉村委員長】  鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  発言の機会ありがとうございます。それこそ今の時代、やはり我々教育に携わっているような者からいえば、児童生徒たちに考えてもらいたいのがやはり戦争と平和のことだと思っているんですね。そのためには、やはりユネスコ憲章に書いてある前文のところをもう一度、みんなで考えていくということ、これは勝手な思いですが、先ほど大安部長が出ていただきましたけども、ユネスコスクールでそういったテーマを掲げてユネスコスクール同士で話し合うとか、中学・高校生を抱えているユネスコスクールでは、例えば他の国々のユネスコスクールとそういったことについて、どうすれば我々は平和の社会をもっと築いていけるのかという話だとか、そういったことに取り組んでいただけることも大切なことじゃないかと考えております。
【杉村委員長】  鈴木委員、ありがとうございます。今の時期に特に大事な点を御指摘いただいたかと思います。
 他にもいかがでございましょうか。
 あまり委員長として発言するのはいかがかと思いますが、他の委員会の御意見に学ばせていただきながら思うことですが、国内のジオパーク・エコパークといった、これは教育小委員会ではないところが管轄しているユネスコの活動ですけど、ユネスコスクールや地域の学校の中には、そうした地域のジオパーク・エコパークの資源を活用してESDの活動をしたり、あるいは探究学習をしていらっしゃる学校があり、そうした実践例を最近少し勉強させていただく機会がありました。とても有効な、また、教育だけではなく、文化や科学それぞれの小委員会で議論が続いていることとも結びつく点ではないかと思いました。これは2点目の議論のほうになるかと思いますが、できれば教育活動においても、そうした地域の資源と結びつく活動をぜひお願いできるといいのではないかなと思います。
 もう一つ、ユネスコの創造都市ネットワークというのも、今、議論が起きているところですけども、そのことも地域の活動と学校をつなげることになるのではないでしょうか。先ほど大濱委員にもおっしゃっていただいたことともつながるかと思いますが、そういった点も大事ではないかと思います。
 いかがでございましょう。吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  今の杉村委員長の御意見に全く賛同で、そろそろどなたかが言ってくれないかなというところを言っていただいてありがとうございます。つまり、教育の中の課題を教育の中だけで議論していて前進できるかというところで、行き詰まっている部分というのが非常にあるわけですよね。ユネスコ憲章の一番きれいなところで、戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならないということがありますけども、どうしてそれがいまだ実現できないのかと。いまだというか、全然できないのかというときは、ユネスコ憲章の言葉ではありますけども、それを教育でやってくださいということでは必ずしもないはずなんですね。その中には、文化の活動をされている方であったり、ジオパーク、いろいろなものもあります。観光、地元の資源を使ってどのように地域を活性化していくのか、それが持続可能な社会とどうつながっていくのかということを実践しているところもありますし、それから、教育の中で、日本ではほぼ避けられていますけども、宗教というのは避けて通れないと考えている国は実際は非常に多いんですね。そういう世の中が本当にあるべき姿になっていく、そこを、人を育てるという一番重要な役割を担っているのが教育なんだという、その責任感を強く感じれば、必然的にそれに関係するいろいろな方たちの努力と力を合わせて相乗効果を持たせていくような取組というのが不可欠であって、それができない限り、やはりユネスコ憲章の目指すビジョン、平和、人権、民主的な社会、こういうものが実現できないということは実は分かっていることなのですよね。ただ、それがあまりにも大変だということと、目の前の課題があまりにも大き過ぎると、こういうところでそこまで至っていないというのがあるわけですけども、それを言い訳にして済んでいる時間はもう終わりになって、これからはもう猶予がないと。そういうところまで来ているときに、やはりその突破口を開いていく一番期待されるところが教育の分野ではないかとすれば、おのずと大変なところに踏み込むわけですけども、やはり手と手を携えて取り組む、そういう姿勢はこれまで以上に大切になっていくと思います。それがユネスコの活動の中にももっと入ってくるべきだとも感じております。
【杉村委員長】  吉田委員、ありがとうございました。強力にフォローアップしていただいた感じがいたします。今、お話も出ましたとおり、既に日本には、先ほどユネスコスクールの御報告にもありましたが、多くの実践や良い実例があります。先ほどの企画官からの御提案の一つ目の点にもありましたとおり、是非、今後は情報発信を強化し、日本のよい実践例を海外の学校や皆様と共有することで実践事例を通じて議論を高めていけるような、そんなリード役を務めることができるとよいのではないかと、今伺っていて思ったところです。ありがとうございます。
 それでは、よろしゅうございましょうか。また引き続き御意見等ありましたら、是非、事務局のほうにお寄せいただければと思います。本日の議論につきましては、11月29日に開催される運営小委員会のほうにも取りまとめて必ず報告させていただきますので、お気付きの点ありましたら、またお寄せいただければと思います。
 それでは、議題4も一応これで締めさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、議題5、「『国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告』の改定について」、御議論いただきます。
 冒頭お伝えしましたとおり、本議題につきましては非公開とさせていただきますので、傍聴の方へのユーチューブ配信はここで終了させていただきます。御協力ありがとうございます。
 それでは、事務局におかれましては、ユーチューブ配信の停止を御確認いただきますようお願いいたします。傍聴いただいていた方々、ありがとうございました。
 

(傍聴者退室)

 
<議題5>「国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告」の改定について(非公開)
「国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告」について、ユネスコから提案のあった改定案に関して議論した。

<議題6>その他
【杉村委員長】  それでは、最後、その他として事務局から何かございましたらと思いますが、いかがでございましょうか。
【原国際統括官補佐】  事務局より1点、御報告させていただきます。
 本年4月に、メール審議にて本小委員会で御審議いただき、本日の議題でも取り上げられましたユニツイン/ユネスコチェアの我が国の推薦案件ですが、ユニツインに申請した長岡技術科学大学、ユネスコチェアに申請した金沢大学の双方とも、採択及び契約締結に向けた手続に入る旨の連絡がユネスコからありましたので、御報告いたします。
【杉村委員長】  ありがとうございました。また二つ積極的な大学が増えてうれしいです。その他、特に御意見、御質問等ございますでしょうか。事務局のほう、よろしゅうございましょうか。
 吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  来年、SDGsの中間評価を行う国連での総会があると思います。そこに向けての準備がもう進む頃かと思うんですけども、SDG、特に4についてどのような議論がされ得るかとか、それから、その際、我々としても留意して臨まなければいけないような点、こういうことについて、もうちょっと今日は趣旨でないというのも存じておりますので、また機会を持って御共有いただければと思います。よろしくお願いします。
【杉村委員長】  吉田先生、ありがとうございました。事務局におかれましては、心に留めていただければと思います。
 それでは、それ以外に無いようでしたら、議事は一応ここで終了いたしました。
 最後になりますが、冒頭、国際統括官、事務局からもおっしゃっていただきましたとおり、実は今月末でユネスコ 国内委員会の任期が満了になられる先生がこの委員会に何人かおられます。御紹介させていただきますと、今日、まず欠席の先生方なのですが、漆委員、それから長谷川委員、さらに道傳委員がこの委員会から離れられます。道傳委員はまだ任期はおありなのですけども、文化・コミュニケーション小委員会のほうに御異動になって活躍をされるということで、教育小委員会から離れられますので、今日ここにおられませんが、私のほうからお礼を申し上げますとともに、御紹介させていただきます。
 それから、今こちらに御出席の先生に、是非、最後にお一言頂戴できればと思います。
 まず、加治佐委員、本当に御貢献いただきましてありがとうございました。御挨拶をお願いできますでしょうか。
【加治佐委員】
 何も貢献できなかったと思いますけれども、ユネスコ活動ですね、特に今日も御紹介があったユネスコスクールの今後の発展といいますか、影響力の拡大というのは本当に期待しています。どうも本当にありがとうございました。
【杉村委員長】
 本当にありがとうございました。
 それから、もうお一人は見上委員でいらっしゃいます。見上委員、お願いできますでしょうか 。
【見上委員】
 どうも皆様、長いことありがとうございました。お世話になりました。先ほど本日冒頭で、岸田首相のメッセージの中で、ESDの全力での推進とか、あるいは STEAM教育等も含めて、ここでいろいろ御議論いただいた皆様の努力がしっかりそういう形で反映されているなということで、非常にうれしく思いました。ますますここでの議論が世界に向けていろいろな形で良い形で発信されてほしいなと思います。
 あと最後、1点だけ細かなことなんですが、教育の中でESD、非常に順調に進んでいると思います。
 それで、皆さん頑張っておられるんですが、新たにSTEAM教育が出てきました。その中で誤解があるようで、もうESDではなくてSTEAM教育なんだというような教育現場の声がたまに聞こえたりしますので、そうではなくて、ESDの中でSTEAMをうまく活用した新たな展開というのは期待できると思いますので、その辺りをさらに次世代期待したいと思います。どうぞ皆様よろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  見上委員、本当にありがとうございました。
 それから、最後になりますが、実は私自身も、6年間務めさせていただきましたが、今月末をもって任期満了で退任をさせていただきます。本当に皆様にお世話になりまして、今日、何と申し上げていいか、感慨無量です。
 私自身は、大学で国際教育、比較教育というのをやってはいるのですけれども、なかなかいつも机上の空論ばかりで実践を伴いませんし、至らない点ばかりです。そうしたなかでユネスコの、今日も何度も出てきました憲章の前文にある「教育が平和をつくる」ということについては、本教育小委員会での活動を通じ、皆様に教えていただくことがたくさんありましたし、その意味で国内委員会の仕事をさせていただけたことは自分にとって本当に何よりの宝物です。一生忘れないと思いますし、これからもここで学ばせていただいたことを自分の教育研究活動に生かしていきたいと思います 。また、外からでありますが、精いっぱい応援させていただきますので、今後ともまた何か御縁がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
 いつも至らない司会で、その点もお詫び申し上げますとともに、皆様の御協力に心より感謝申し上げます。事務局の皆様におかれましても本当にありがとうございました。
 それでは、これで、第149 回教育小委員会を終了とさせていただきたいと思います。皆様、どうぞ引き続きお元気で御活躍くださいますようにお祈り申し上げます 。本日も本当にありがとうございました。

―― 了 ――

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