日本ユネスコ国内委員会 第146回教育小委員会 議事録

1. 日時

令和4年2月24日(木曜日)13時00分~15時00分

2. 場所

オンライン開催

3. 出席者

(委員)
大濱委員、加治佐委員、萱島委員、杉村委員、鈴木委員、髙橋委員、竹村委員、東川委員、見上委員、山口委員、吉田委員

(事務局)
田口事務総長(文部科学省国際統括官)、町田副事務総長(文部科学戦略官)、河村事務局次長(国際統括官付国際戦略企画官)、堀尾事務総長補佐(国際統括官付国際統括官補佐)、原事務総長補佐(国際統括官付国際統括官補佐)、新免事務総長補佐(国際統括官付ユネスコ協力官)、その他関係官

4. 議事

【杉村委員長】  それでは、ちょうど定刻1時になりましたので、日本ユネスコ国内委員会第146回教育小委員会をそろそろ始めさせていただきます。
 本日は、御多忙のところをお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。定刻になりましたので、これから始めさせていただきます。
 まず初めに、事務局は定足数の確認をお願いいたします。
【原国際統括官補佐】  本日は、出席の委員が11名で委員の過半数ですので定足数を満たしております。
 本日の教育小委員会のうち、議題2については、第141回教育小委員会決定に基づき、SDGs推進円卓会議の分科会としての機能を有する議題として位置づけた上で開催いたします。そのため、議題2については、SDGs推進円卓会議の構成員である三輪敦子構成員と鈴木千花構成員にも御出席いただいております。また、議題2で御説明いただく予定の環境省大臣官房総合政策課環境教育推進室の浅原企画官に御出席いただいているほか、外務省からもオブザーバーとして御参加いただいております。
 なお、本日は、報道関係者の取材も受け付けており、共同通信社、読売新聞社の方が取材をされますので、あらかじめお知らせいたします。
 また、一般からの傍聴につきましても、ユーチューブ配信にて御覧いただいております。
 なお、御出席の委員におかれましては、カメラをオンにしていただき、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願い申し上げます。
 また、委員の皆様方にはお手数ですが、御発言いただく際には、お名前を名乗ってから御発言いただきますようよろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  ありがとうございました。
 それでは、改めまして、ただいまより第146回教育小委員会を開催いたします。
 本日の議事進行をさせていただきます、教育小委員会委員長の杉村と申します。至らないこともあるかと思いますが、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事につきましては、全て公開とさせていただきます。御発言は議事録として、そのままホームページで公開されますので、あらかじめ御承知おきくださいませ。
 それでは、議事に先立ちまして、委員及び事務局の異動がございましたので、事務局から御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【原国際統括官補佐】  まず、委員の異動について御報告いたします。昨年12月1日付で新たに御就任された5名の委員について御紹介いたします。配付資料の参考1の委員名簿を御覧ください。昨年12月1日付で、大濱淳子委員、鈴木昌徳委員、髙橋裕子委員、竹村詠美委員が就任されております。また、本日御欠席ですが、田代桂子委員にも御就任いただております。
 新たに本小委員会に着任されました委員におかれましては、一言御挨拶をお願いできれば幸いです。
 大濱委員、お願いいたします。
【大濱委員】  皆さん、こんにちは。箕面ユネスコ協会の大濱淳子です。大阪府ユネスコ連絡協議会の監事としても活動させていただいています。公立小学校の教員を長らく務めておりまして、退職してからは研修会の講師を務めたり、先生方と授業づくりを楽しんだりして過ごしております。非力ですが、何とか皆さんと一緒にお役に立ちたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【原国際統括官補佐】  ありがとうございました。
 続きまして、鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  皆さん、こんにちは。中国ブロックの代表ということで選出されました。ユネスコに本格的に関わったのが1996年ぐらいからの国際交流で、そこからユネスコ活動を始めてきたというような次第でございます。高等学校で長いこと英語の教員をしておりましたが、高等学校で英語ユネスコ部というのを立ち上げまして、それでずっと地域の皆様と関わってきてユネスコ活動に取り組んできたということでございます。津山ユネスコ協会の会長、それから岡山県のユネスコ連絡協議会の会長もさせていただいております。非力ですが、どうぞ御指導賜りますようによろしくお願いいたします。
【原国際統括官補佐】  ありがとうございました。
 髙橋委員、お願いいたします。
【髙橋委員】  皆様、こんにちは。津田塾大学学長の髙橋でございます。ユネスコ関連の委員会には、今回が初めてでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【原国際統括官補佐】  ありがとうございます。
 竹村委員、お願いいたします。
【竹村委員】  こんにちは。竹村詠美です。Peatix Inc.というITスタートアップの共同創設者・アドバイザーをやりながら、一般社団法人を通じて未来の教育を考える活動や教員研修もさせていただいております。ユネスコの教育提案については、非常にレポートとかでいつも勉強させていただいているんですが、まだまだ知らないことだらけですので、少しでもお力になれるように頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。
【原国際統括官補佐】  ありがとうございました。
 続きまして、事務局の異動について御報告いたします。昨年10月1日付で河村裕美国際統括官付国際戦略企画官、日本ユネスコ国内委員会事務局次長が着任しております。
【河村国際戦略企画官】  皆様、河村でございます。よろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  以上、御紹介等々ありがとうございました。新しい委員の皆様におかれましては、どうぞよろしくお願いいたします。河村企画官もありがとうございます。
 それでは、続きまして、田口国際統括官から一言御挨拶を頂戴できればと思います。国際統括官、どうぞよろしくお願いいたします。
【田口国際統括官】  どうも、皆さん、こんにちは。文部科学省国際統括官、このユネスコ国内委員会の事務総長を務めさせていただいております田口でございます。本日は、御多忙のところ、この小委員会の御出席、どうもありがとうございます。
 前回の小委員会、昨年9月でございましたが、ユネスコの総会の前ということで総会の答申も含めて御議論を頂いております。委員の皆様におかれましては、日頃からの御協力、それから貴重な御意見を頂戴いたしまして、本当にありがとうございます。
 昨年11月に2年に1度のユネスコ総会がありましたが、コロナ禍ではありましたが、私も向こうに行きました。ちょうど日本としての加盟70周年というのもあったんですが、ユネスコの設立75周年ということがありまして、我が国からさすがに首脳は行けなかったんですが、各国の首脳を集めたような特別な式典もあったり、盛大に開催をされました。
 その中で、日本がスポンサーをして、ユネスコ/日本ESD賞というのを出しているんですが、その表彰式を、このユネスコの総会に合わせてやっていて、そちらの表彰式のほうも、ちょうどメインの会場を使って、かなりの参加者、各国の方がいらっしゃって開催をさせていただきました。これの国際審査委員会が作られており、委員長にはブルキナファソの王女様になっていただいて、大変すばらしい方なんですが、彼女から講評を頂いたり、あるいはパネルディスカッションのようなことをやったりということで、大変いい表彰式ができたと思ってございます。後ほど報告があると思います。
 それからユネスコスクールの関係といたしましては、11月にユネスコスクールの全国大会ですね、これも一昨年に引き続きオンラインということにはなりました。また、ユネスコスクール認定校を対象としたレビュープロセスを新たに開始するという方向で御議論をしていただく予定でございます。
 本日は、ユネスコのこのような総会に関する報告と質疑のほかに、国内でのESDの活動あるいはユネスコスクールの活動について御議論を賜りたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【杉村委員長】  田口国際統括官、ありがとうございました。
 それでは、続きまして、本日の会議の配付資料について、事務局より説明をお願いしたく思います。どうぞよろしくお願いたします。
【原国際統括官補佐】  資料表紙の議事次第を御覧ください。議題1のユネスコ総会の結果について、資料1を、議題2のESD国内実施計画の進捗について、資料2-1、2-2及び附属資料1を、議題3のユネスコスクールの新たな展開に関して、資料3及び附属資料2を、併せて参考資料として1から4をお送りしております。不足等ございましたら事務局へ御連絡をお願いいたします。

<議題1.第41回ユネスコ総会の結果について(教育分野)>
【杉村委員長】  ありがとうございました。
 それでは、早速、議事に移らせていただきます。まず議題1、第41回ユネスコ総会の結果について、まずは事務局から御報告、御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【河村国際戦略企画官】  皆様、初めまして。文部科学省国際統括官付国際戦略企画官の河村です。私のほうから議題1、資料1の第41回ユネスコ総会教育抜粋版の結果報告をさせていただきます。私のほうから10分程度御説明させていただきました後、質疑応答に入らせていただきます。よろしくお願いいたします。
 第41回ユネスコ総会でございますが、2年に1回開催されるものでございまして、昨年の11月9日から24日までユネスコ本部で行われました。先ほど国際統括官の田口のほうから報告がありましたとおり、パリのほうの感染状況が、この直前まではどうなるか分からなかったんですけれども、ちょうど狭間で落ち着いていたときでして、この直後からオミクロン株が猛威を奮ってきたということで、ユネスコ総会が対面、それからオンラインのハイブリッド形式で開催されました。
 ユネスコ総会の間なんですけれども、各委員会が開催されます。例えば、事業予算の計画、中期戦略案等々が話し合われる合同委員会、それから教育関係の教育委員会、自然科学委員会、人文・社会科学委員会、情報・コミュニケーション委員会、文化委員会でございます。このように、各委員会で、事前に行われました執行委員会で固まりました素案を加盟国の代表が参加して話し合われるものでございます。
 次に、主要議題の結果概要について御報告させていただきます。中期戦略案としまして、2022年から2029年の次期中期戦略が採択されております。
 教育の分野では、ユネスコのESD for 2030フレームワークの立ち上げが報告されました。もともと日本がESDについて提唱したものでございますが、各国に広がっております。今次の第41回ユネスコ総会では、ドイツと日本が共同で決議案を提案させていただきました。決議案の中には、加盟国に対して、ESDが2030年に向かって各国でどのような取組を行うのか、さらに推進を求めるとともに、ユネスコ事務局長に次の2023年のユネスコ総会でESD for 2030の実施状況について進捗報告を求めるものでございます。
 この決議案に対して、多くの国からESDの重要性が指摘されて、スウェーデン、オーストリア、アイスランドからは、ESDの主流化の重要性を指摘いただきました。また、2021年G20のホスト国として、G20への言及を追記するようイタリアから意見がありまして、G20の首脳宣言におけるESDに係る文言の追記がなされ、修正の上、採択されたものでございます。
 その次に、SDG4-教育2030でございます。ESDに加えまして、SDG4-教育の達成状況について、SDG4-教育2030の調整及び支援に関する進捗について報告するものがございました。
 23か国及び2つのオブザーバーが発言を致しまして、新たに2030年を目指して、SDG4がどのように達成されていくのかについて、教育協力メカニズムというものの話合いが行われました。パリ宣言としてまとめられたものがございますけれども、SDG4-教育2030のステアリングコミッティの前共同議長国として日本は、新たにこういった各国が2030年に向けてSDG4に取り組むという国際協力体制に賛成をさせていただきました。このパリ宣言の中には、各国に対して教育の投資の割合を義務づけるような文言もあったものでございます。こうしたことから、ロシアから、事前に加盟国の協議がなくパリ宣言の採択が行われたことについて少し異議があるという発言がございまして、オーラルレポートにその旨が書かれました。しかしながら、基本的にはSDG4を各国が協力して進めていくという趣旨に対しては、非常に前向きな各国の反応がございましたので、義務的履行を想起させるurgesをinvitesに変更するということで決議案が修正・採択されたものでございます。
 また、引き続きパリ宣言の内容、SDG4を2030年に向けて各国がどのように取り組んでいくのかについて意見を交わすというコミッティとして、ハイレベルステアリングコミッティが設立されております。アジア圏からは、中国が入っております。
 その次、(4)でございます。国際理解に関する1974年勧告でございます。1974年勧告とは、ユネスコ総会で採択された「国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告」のことでございます。これにつきましては46年間、全く改定をしておりませんで、時代も変わりましたものでございますので、この勧告に関して、現代のほうでいろいろと各国から提唱されているESD、それからグローバルシティズンシップ教育、GCEDでございます、平和教育やTVETのコンセプトを加えるということについて発言がございました。韓国が非常に推しておりますグローバルシティズンシップ教育なんですけれども、韓国からは、このGCEDの重要性について言及されたものでございます。各国から、1974年勧告は、今なお新しいコンセプトが導入されても非常に重要なものであるというような発言がございまして、我が国からももちろんでございますが、ESDなどの新たな流れを組み入れつつも、1974年勧告が持ち合わせる普遍的な理念や価値とのバランスを考慮して、新しい改定に進むべきという発言を致しました。この結果、今後、協議のプロセスを経ていきますが、各国と協議をしながら1974年勧告が新しいものへと改定に進んでまいります。ロシアからは、今後の協議プロセスにおいて、メールベースではなく対面での実施を確保できるように修正意見がございまして、対面での改定の作業実施ということを確保するということを明記の上、決議案が採択されました。
 その次でございます。総会では、委員会のほかに様々なサイドイベントが行われております。今回は、「教育の未来」のグローバルレポートの公表が行われました。令和元年の国連総会における国連事務総長の要望を受けまして、ユネスコが実施したグローバルイニシアチブでございます。「教育の未来」は、複雑であり矛盾に満ちており、不確実な世界における教育を再考し、教育の未来を議論するといったものでございます。こちらにつきまして、この「教育の未来」のグローバルレポートが公表されました。
 その次でございます。先ほど申し上げましたパリ宣言でございます。ユネスコにおきましては、今回の総会を機にユネスコ・グローバル教育会合ハイレベル会合が開催されました。今後、このSDG4-教育2030のハイレベルステアリングコミッティのメンバー国の教育大臣によるいろいろな議論が行われてまいります。
 先ほど大変失礼しました。アジアからは中国とバングラデシュがメンバー国として参加しております。アジア太平洋地域の代表は、この2か国でございます。
 その次に、先ほど国際統括官の田口のほうから話がございました2021年ユネスコ日本ESD賞表彰式も行われました。今回、受賞しましたのは、ガーナ、パレスチナ、ペルーの3か国でございます。多くの国から申請がございまして、厳正なる審査の結果、この3か国が受賞されまして、非常に盛大に受賞式が行われ、それから喜びの声が上がったと報告を受けております。
 その他の参考資料といたしまして、ユネスコの「教育の未来」グローバルレポートの概要について、参考資料としてつけさせていただいております。このグローバルレポートが152ページにわたる長い長い論文でございまして、どういったものなのかというのは、今後、我々のほうも研究しながら、グローバルレポートを参考に各国が様々な施策を進めていくものでございます。
 私のほうからの説明は以上でございます。ありがとうございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  河村企画官、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からの御報告、御説明につきまして、御意見、御質問があります方は、挙手ボタンを押していただきますようにお願いいたします。指名のほうは事務局からさせていただきます。いかがでございましょうか。どなたからでも結構でございます。
 特に御質問等、大丈夫でございましょうか。もし挙手ボタンが押しにくいようでしたら、手を挙げていただいてもと思いますが、大丈夫でしょうか。
【杉村委員長】  それでは、この後の議事もございますので、特にここは御質問、御意見がなかったということで進めさせていただきたいと思います。ユネスコ総会については、充実した会議になられましたことをお慶び申し上げますとともに、日本のESD賞についても大変大きなプレゼンスになったかと思います。改めてお礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。

<議題2.第2期ESD国内実施計画の進捗について>
【杉村委員長】  それでは、次に、議題の2に移らせていただきます。議題の2は、第2期ESD国内実施計画の進捗についてでございます。この議題ですけれども、昨年5月に公表されました国内実施計画の取りまとめに際して、中心となって対応されました文部科学省並びに環境省のほうから、それぞれの取組について進捗を御報告いただきます。
 まずは、文部科学省の取組について、事務局から御報告、御説明をお願いいたします。
【河村国際戦略企画官】  続きまして、国際戦略企画官の河村でございます。環境省様の前に、ESDの推進に係る文部科学省の取組について御説明させていただきたいと思います。
 ESDでございますが、文部科学省のほうでは、幼稚園から高等学校に至るまで、全ての教育段階において推進されているところでございますが、2020年の新学習指導要領の改訂におきまして、このESDが幼児教育要領から高校の学習指導要領に至るまで全てに入りました。例えば小中学校の新学習指導要領でございますが、前文に赤い文字で書かせていただいております。前文のほうに、「持続可能な社会の創り手となることができるようにする」ということを書かせていただいております。また小学校、中学校の総則におきましても、同じく「持続可能な社会の創り手となることが期待される」ということで、全ての教育段階に含まれております。
 また第3期教育振興基本計画におきましても、国の教育をどのように進めていくのかという基本的な計画の中にも、ESDの推進拠点として位置付けているユネスコスクール等々、ESDに関する教育について言及が多くされております。ESDの推進拠点であるユネスコスクールの取組につきましても、後ほど御紹介させていただきたいと思っております。
 次のページに行きましょう。ESD推進のための手引でございます。昨年5月に改訂を致しました。この手引書ですけれども、学校現場のほうに御紹介いたしまして、各学校で実際に教員の先生方や教務の担当者が具体的なカリキュラムの組立てをするときに参考となるような手引を配付させていただきました。ESDの理念を盛り込んだ学習指導要領がどのように学校の現場で具体的なカリキュラムに入っていくのかということを、具体的な取組事例を記載いたしまして、各学校においてカリキュラムの組立て、地域との関係づくりをしていただくように手引を配っております。
 次のページでございます。先ほど、教育振興基本計画にも書かれているというESD推進拠点としてのユネスコスクールでございます。今、世界182か国で11,000校以上ございます、ユネスコが承認する、ユネスコの理想を実現するための平和や国際的な連携を実践する学校がユネスコスクールでございます。その10%強が日本にございます。日本国内の加盟校数は1,120校で、世界最多となっております。特に愛知及び岡山で教育サミットが行われて以降、かなり数が増えております。全国的な分布につきましては、表のとおりでございます。
 次のページに行きましょう。文部科学省では、ESDを推進する様々な取組に対して補助金を出しております。カリキュラムの開発をしていただいたり、教師に対する教育を推進していただいたり、教育効果の評価と普及、それからユースの世代の活動の推進について、昨年度は14のプロジェクトを補助させていただきました。来年度の令和4年度の予算は4,400万円を確保させていただいていまして、今、国会で審議中でございます。来年度も同じくSDGs達成の担い手育成推進事業、ESDに資する教育カリキュラムの開発等々についての事業をしていただける教育委員会、それから大学、NPO、それから民間企業の皆様の取組を支援するものでございます。こちらの事業につきましても、来年度も引き続き新しく募集をしまして実施していきたいと思っております。
 次のページでございます。ユネスコ未来共創プラットフォームです。ユネスコに関しまして様々なステークホルダーがおるところでございまして、それぞれの取組を非常に盛んにやっていただいているところでございますが、1つ1つの団体が発信していてはなかなか情報が1か所に集まりませんので、ユネスコ未来共創プラットフォームとして、1つに情報が集まるようプラットフォームのポータルサイトを立ち上げているところでございます。こちらのほうにつきましても、昨年度、初めて全国セミナーを開催したり、ユースの取組等々、積極的な事業を展開しているところでございます。こちらにつきましても、来年度の事業として予算を確保させていただいているところでございます。
 その次でございます。ユネスコスクール全国大会です。先ほど国際統括官の田口からも紹介がありましたとおり、11月27日、ユネスコスクール全国大会を開催させていただきました。オンラインで開催したものでございますが、全国から300名を超える教職員、教育委員会の関係者、ユネスコ活動関係者の皆様に参加していただきまして、特に昨年2021年は東日本大震災発生から10年、また日本のユネスコ加盟70周年という趣旨も入れさせていただきました。ユネスコスクールは防災教育についても先進的な取組をしておりまして、その中でもユネスコスクールでは、小中学生が防災教育に関して自ら一市民として地域の中にあって防災に関する取組、例えば市役所のほうに行きまして防災関係の訓練に参加したりとか、自分ごととして地域に溶け込むような取組をしております。この防災に関する先進的な取組をユネスコスクールのほうから発表していただきまして、全国様々、地震だけではございません、大火災や、それから水害等々、災害が起こっている地域がありますので、そこの取組を共有させていただいた次第です。ユネスコスクールの発展と課題についても議論を行ったところでございます。
 その次に行きます。ESD大賞でございます。先ほど御紹介したユネスコ/日本ESD賞とは別に、日本国内でESD大賞という顕彰を行っております。こちらのほうにつきましても、第12回ESD大賞というものを顕彰させていただきまして、文部科学大臣賞、ユネスコスクール最優秀賞等々、表彰させていただきました。
 次でございます。ユネスコ未来共創プラットフォーム事業の一環として、特に若者を対象として、全国セミナーをオンラインで開催させていただきました。全国から集まっていただきまして、どちらかというと親しみやすい、自分たちが身近でやっている活動を共有していただきました。ユネスコ活動をやっている人たちが、このコロナでなかなかつながることができませんので、ハードルを低く下げて、より身近で何かユネスコ関係の活動ができるものがないかということで、ネットワーキングのようなことを主として全国セミナーを開催させていただいたものでございます。こちらの模様につきましては、ユネスコ未来共創プラットフォームのほうで公開させていただきまして、参加してくださった皆様方は、引き続きネットワークが維持できるように、ユネスコ未来共創プラットフォーム事務局のほうでフォローアップをしているところでございます。
 このように、様々なユネスコ関係の事業を文部科学省ではさせていただいております。
 私のほうからは以上でございます。
 次に、環境省様のほうにバトンをお渡ししまして、環境省様の取組を拝聴させていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
【杉村委員長】  河村企画官、ありがとうございました。
 それでは続きまして、環境省大臣官房総合政策課環境教育推進室の浅原企画官のほうから、今度は環境省様の取組についてお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【浅原企画官】  皆様よろしくお願いいたします。環境省環境教育推進室企画官の浅原と申します。
 それでは、環境省のESD、つまりはSDGsの実現に向けた人づくりについての取組について簡単に御紹介させていただきます。
 予算ごとに説明させていただくこととして、1つ目の予算は、「地域脱炭素に資するESD推進費」です。ESDを推進する場合に、学校は当然大きな役割をもった主体ですが、それ以外にもNPOや企業等、様々な主体がESDに取り組んでくださっています。そのような地域のESDを進めている各主体をネットワークでつなげていくものです。
 具体的には、東京に全国センターを、環境省の地方環境事務所が置かれているブロックごとに8か所の地方センターを置くことで、そこをハブとして、NPOや自治体、企業等のESDを推進している主体と連携して情報交換をしつつ、ネットワーク一体として情報発信等をしております。
 また、センターを立ち上げて5年が過ぎ、ネットワークとしての価値をアピールしていくため、今年度からはESD学び合いプロジェクトを行っております。地域毎の課題もあり、また強みもあることを踏まえ、地域ごとに企画をしていただき、コロナ禍でなかなか現地で会いづらい状況ですが、一方でオンライン活用により、さらには全国ネットワークということも活かして、地域外の主体ともつながりながら、ESD推進のノウハウや情報の共有を進める取組を始めたところです。
 次に説明する予算は「環境教育強化総合対策事業」です。環境省と文科省の他、農林水産省、国土交通省、経済産業省とも共管の環境教育等促進法があります。この中で学校、家庭、職場、地域等あらゆる場面での環境教育の推進を定めており、その実施のための予算です。様々な取組を行っていますが、学校教育に関連した取組として、教職員等の環境教育学習推進リーダー育成研修を紹介させていただきます。
 資料に記載のとおり2つのコースがあり、1つは、実際、学校でどのように教えるのか、どのようにカリキュラムを組んで環境教育を教育現場に取り込んでいくのか、実践していくのか等を学んでいただく、小中高等学校の教職員の能力向上を目的としたものになります。
 もう一つのプログラムデザインコースは、教職員の方も御参加いただいておりますが、より広く、企業やNPOの方々も対象としております。法律に基づいて認定している体験の機会の場、具体的には、自然活動の体験ができたり、社会科見学のような形であったり、企業のSDGsへの取組を体験できる施設になりますが、そのような場を活用した教育プログラムを実践的に学んでいただくものになっています。また、環境教育を環境省の制度と連携させるという観点から、国立公園等の自然公園での自然体験プログラムを学んでいただくことも行っております。今年は既に終わっておりますが、具体的な研修の内容は資料のとおりです。
 また、先ほども話がありましたが、学習指導要領の中にも環境の要素をしっかりと盛り込んでいただいており、脱炭素社会の構築に関する内容も学校教育の中でも取り組んでいただくことになっております。
 一方で、脱炭素の分野は社会の動きが非常に早く、学校教育の現場で取り組んでいただく際に、コンテンツに苦労されているところもありましたので、今年度、学校における環境教育の充実のための教師向けの参考資料として、授業の導入として使っていただくための動画の作成を文部科学省の協力も得ながら行っております。
 最後の予算の説明になります。学校での教育ではなく社会人向けに、地域でSDGsの達成へ向けた取組をしていただく方々を育成するためのセミナー、研修を実施しております。まず1つが、ローカルSDGsリーダー研修になります。今年は北海道、秋田、茨城、広島、愛媛の5か所で開催しております。地域で既に持続可能な地域づくりの取組をされている企業、団体の方に講師となっていただき、現地研修とオンライン研修を併せてトータル3か月、若手の社会人の方に現場でのノウハウや地域資源の活用方法等を学んでいただきつつ、新規事業を考えていただくことで、地域でSDGsに向け取り組む考え方を学んでいただくものになります。
 また、大学生や高校生向けに、地域でSDGsを達成するという視点をまず養っていただく取組として、ローカルSDGsユースダイアログも実施しております。具体の事業化を考えるというよりは、地域課題を環境課題と併せて解決するとはどういったことかを学んでいただくものになります。
 事業の紹介は以上になりますが、環境や脱炭素の取組推進において、ESDは非常に重要な要素であり、昨年、環境や脱炭素関係でまとめられた計画やロードマップの中でもしっかりと位置づけられておりますので、資料の最後に参考として御紹介させていただいております。
 環境省からの取組の説明は以上です。
【杉村委員長】  企画官、浅原様、本当にありがとうございました。
 それでは、ただいまの文部科学省並びに環境省様からの報告、説明に対しまして、御意見や御質問がある方、また挙手ボタンを押してお知らせいただければと思います。
 それでは、吉田先生、お願いいたします。
【吉田委員】  ありがとうございます。
 文部科学省様から、そして環境省様からの御発表で、共通してESDの推進に向けた非常に心強い活躍について御報告いただきましてありがとうございます。
 ちょっと次の議題のユネスコスクールの新たな展開に向けてというのを先取りすることにもなってしまうんですけれども、両省の活動で、学校教育も特に含めてですね、ユネスコスクールの活動を強化する、そしてそれはすなわちESDの活動を強化するという、そういうところが共通している部分だと思うんですが、次に触れることになるユネスコスクールの活動として、よりネットワーク的な活動を強化する、学校の外の関係者との活動を強化する、こういう部分に関して、これまで十分ではなかったのではないか。こういう指摘がこれまでの議論でも、この国内委員会でもされていたところです。そうしますと、それぞれの省でこれだけされているESDの推進、そしてユネスコスクールの活動強化というものをもうちょっと上手に、学校が取り組む、特に学校の外で取り組むような、ネットワークの強化と結びつけられるような工夫というのをもうちょっとできるんじゃないか、意識的にですね、もう少しできるんではないかという気がいたしました。特にその点について、両省からのお考えがございましたら教えていただければと思います。
 以上です。
【杉村委員長】  ありがとうございます。
 まずは、御質問、御意見を先に幾つか伺ってから、両省からまた御返事を頂ければと思います。
 事務局から御指名いただいてよろしいでしょうか。
【原国際統括官補佐】  順番に、山口委員、それからSDGs推進会議の構成員の鈴木様、それから見上委員の順で手が挙がっております。
 それでは、山口委員、お願いいたします。
【山口委員】  どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 ユネスコ未来共創プラットフォームの構築と強化というのは、大変重要な方向性であると感じております。
 このようなプラットフォームは、それぞれの学校で、ユニークで質の高い取組を実施していても、それがプラットフォーム化されていないと、ビジビリティの向上にもつながらないと思います。このようなプラットフォームは、各地域のユネスコスクールで実施されている活動と、更には、学校間のネットワークを強化することに貢献する重要なツールになると思いますので、委員としてもサポートさせていただきたいと思っております。
 また、全国セミナーのテーマであった「自分たちごとになる明日」という概念は、大変重要であると感じております。昨年11月にグラスゴーで開催されたCOP26に出席した際に、様々なSDGsの促進の計画・実施へのユースの参画という展を実感いたしました。ローカルSDGsの達成には、どのゴールに関しても多様な参画が必要であるという点が再認識されています。各国の若者たちが実際に、COP26のような国際的な政策界に参加し、セッションのスピーカーやオーディエンスとして質疑応答に関わっていました。日本のユースも、例えばユネスコ未来共創プラットフォームを通じて、若い世代の意見を、世界的なフレームワークをつくっている会合で発言していただければと考えています。日本の学校では、そのような大きな会議というのは少し雲の上的な存在になっている感がありますが、ほかの国の若者を見ているとそうではないというのが現状です。ユネスコ未来共創プラットフォームを通じて、世界の若者たちがどのよう議論をしているのかというのを情報共有し、実際に経験してもらいたいというのが私の感想です。
【杉村委員長】  ありがとうございました。
 続きまして、鈴木様にお願いします。
【鈴木構成員】  皆様、初めまして。SDGs推進円卓会議の構成員として参加させていただいております、ユースの鈴木千花と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、このたび、こちらの国内ユネスコ国内委員会にもSDGs推進円卓会議の教育分科会としても参加させていただいており、非常にありがたいなと思っております。
 先ほどの山口委員の御発言、本当にまさにそのとおりだなと思っておりまして、現在、Z世代といった言葉がありますように、私も一ユースとしての発言になるんですけれども、現在ユース世代、SDGs含め様々な地球規模課題に興味・関心があり、また親しみがあり、同時に危機感を抱いていることによって活動がすごく活発化しているのかなと思っております。
 ただ、その中で、その活動が、それこそ課外でのつながりがまだまだ希薄であったりですとか、国際的なユース、かなり活動が活発だと思うんですけれども、そういった海外のユースの方々とのつながりというところがまだまだ希薄であることから、国際会議、私も参加させていただくこととかあるのですが、まだまだほかの国に比べて日本のユースの参加というのは少し少ないかなという印象を受けておりますので、そういった海外とのつながり、特に海外の同世代、ユース世代とのつながり等を通じてユース世代を更にエンパワーメントしていただけたらなと思っております。
 また、先ほど申し上げましたとおり、現在ユース、すごくサステナビリティーに関して興味・関心が非常に高いと思っているんですけれども、そういった点を踏まえまして、ESDの推進プロセスだったりですとか、推進過程における実施評価のプロセスにおきましても、被教育者であるユースの視点が非常に重要であると思っておりまして、そういった点に関しましても今回、参加させていただいていること、非常にありがたいと感じておりますが、さらに引き続き、こういった場にユースとして参加させていただきたいと思うと同時に、より多くのユース世代が、こういった場に実際に参加して意見を言っていただくですとか、何かしらの形でユースの意思が、こういった仕組みづくりから反映していただくことが非常に重要なのではないかなと聞いておりました。
 まだまだ勉強不足でいろいろ至らない点もあると思いますが、以上とさせていただきます。ありがとうございます。
【杉村委員長】  ありがとうございました。
 それでは、見上先生、お願いいたします。
【見上委員】  ありがとうございます。
 私の質問というかお願いは、吉田先生の御指摘にも通じるものがあるかと思うんですが、ネットワークの接続ということで御検討いただければと思います。それは、今、文部科学省さんと環境省さんのほうから丁寧な御説明があって、そして文部科学省さんのほうの中には、ユネスコ未来共創プラットフォーム事業の御説明がありました。この事業は大変活発に進んでおり、とてもいいなと思っております。また、環境省さんのほうは、これは文部科学省さんとの共同でつくられたものですが、ESD活動支援センターの活躍、これも随分歴史が、年数がたちましたが、すばらしい活動をしておられると思うんです。ただ、両方がいい成果を上げていらっしゃるんですが、その間のネットワークの接続が幾つかあるといいなと思うことを感じます。具体的には、ESD活動支援センターには、推進拠点というのが全国に、この御報告ですと156か所もあるんですね。そうすると、未来共創プラットフォームでは、ユネスコスクールが全国にたくさん散らばっているんです。同じ地域に互いに重なっている部分があるんではないか。さらには、ユネスコ協会連盟のメンバー協会が、全国に280か所ぐらいあると思いますので、それも重なるんじゃないか。そういったところが地域で連携が持てると、さらに日本のESDあるいはユネスコ活動が、ダイナミックな力強いものにならないかなと思ったものですから発言させていただきました。
【杉村委員長】  見上先生、ありがとうございました。
【原国際統括官補佐】  竹村委員の手が挙がっております。
【杉村委員長】  そうですね。それでは竹村委員にお願いしてから、その後は環境省様、文部科学省様から、またコメントをお返しいただけると思います。
 竹村委員、お願いします。
【竹村委員】  文部科学省さんと環境省さん、素敵な取組をいろいろお伺いして、非常にユネスコ活動というのは日本で大変充実して、点が面になってきているなという広がりを感じさせていただいたんですけれども、一方で今、探求型学習であるとか、課題解決とか、問題解決をする学習とか、STEAM教育とか、学校の先生方も本当にいろいろなキーワードで新しい教育をつくっていこうということで、非常に御苦労されていらっしゃるというのをちょっと私もいろいろな接点で感じるところがあるんですが、恐らく横の連携というのはいろいろあるのかなと思うんですが、何かそのユネスコの環境教育みたいなところと、教員研修のところにプロジェクト型学習みたいなお話が書いてあったと思うんですけれども、そういった経産省さんとかも推進されているSTEAM教育みたいなところと探求型教育みたいなものの接点みたいなものが、学校の先生方にとっても見えやすくなるような発信活動みたいなものもしていただくと、より多くの学校の先生方や教員の方にとって、どういうふうに取り入れていっていいのかというのが見えやすくなるんじゃないかなと感じさせていただいたのと。
 あとユースの取組というのは非常にすばらしいなと思っていまして、私が活動で関わっています、長野県さんでやっています、未来の教育を考えるという活動でも、意外と若者の人たちって横のつながりっていうのが高校生とかだとまだ少なかったりするんですけれども、実際につながってみると、本当に大人顔負けのいろいろな経験に基づいたお話とかをしてくれたりして、大人が学ぶことというのもすごくたくさんあります。先ほどZ世代というお話もありましたが、我々とはまた全然異なる視点で若者の人たちというのは社会を見ているなというのを感じるところがあるので、若者だけのパート、大人の場という別々の感じではなくて、よりミックスした場みたいなのが増えていくと、互いに学び合うことというのもすごく多くなるのではないかなと感じております。
 以上でございます。
【杉村委員長】  竹村委員、ありがとうございました。
 それでは一度ここで、文部科学省様、環境省様、なにか今の御意見を伺われてコメント等ありますでしょうか。特にネットワークのつながりや、あるいはユースの取り込み、あるいはユースの方々の活動とか学校との連携ということについて言及がありましたが、いかがでございましょうか。
 文部科学省様のほうからお願いしてよろしいですか。
【河村国際戦略企画官】  貴重な御意見を多く頂きましてありがとうございます。
 まず吉田委員から頂きましたユネスコのネットワーク強化でございます。本当に貴重な御意見をありがとうございます。次の議題に入ってくるんですけれども、ユネスコスクールのレビューにおきまして、自己評価等々を行っていく予定となっております。ユネスコスクールの中でも、かなりいい取組をしているところ、我々が把握できていない取組も多々ございます。予算もついてレビューができるということになっておりますので、今回を機に、我々、ここぞと思ういい取組をしている学校に現地調査に行ければと思っております。百聞は一見にしかずでございますので、悪いところを見るよりも、良いところをぜひとも現地のほうに出向いて拝見して、そのいいネットワークをつくっている学校を積極的に取り上げて文部科学省として広報させていただければと思っております。
 山口委員から御指摘いただきました、ユネスコ未来共創プラットフォームが良い方向性に行っているということについては、ありがとうございます。ユースがこのプラットフォームを使って、もっと発信していけたらいいのではないかという御意見でございました。おっしゃるとおりでございまして、我々今、このユネスコ未来共創プラットフォーム、3年目に差しかかりますけれども、今ちょうどホームページ、それからいろいろな方々の連絡先が分かり、取組を乗せられる土壌ができたという状況でございます。次の年度は、是非このプラットフォームをユースが活用して、使っていただけるよう活用できるように考えていきたいと思っております。
 ユースの巻き込みにつきましても、先ほどSDGs円卓会議の委員でもいらっしゃいます鈴木構成員からも、いろいろな国際会議の場でもユースが積極的に出ていっているという話もお伺いして勇気づけられました。文部科学省のほうでは、日本ユネスコ国内員会の次世代委員として、10代から30歳までのユースの方々から成る次世代日本ユネスコ国内委員会の委員において提言書をまとめていただいております。こういったユースの方々が、自分発信でアクションプランをつくっていただく場を設けさせていただいておりますので、このユースが中心となってやっていくアクションプランを、我々としては後押ししていければと思っております。
 それから国際会議になかなかユースが参加していないという現状でございます。我々、やはり経験というものが大事だと思っていますので、まず最初の一歩を踏み出していただくために、文部科学省のほうがお手伝いさせていただきまして、この次世代日本ユネスコ国内委員会の委員の方々によるユネスコユースフォーラムを、ユースフォーラム・フォー・ユネスコといった形で3月に国際会議を開き、ほかの諸外国のユースと一緒にユネスコ活動について議論をする場を設けさせていただく予定でございます。まず文部科学省のほうからユースにお声がけさせていただきまして、各国のユースの方々と議論をする、ユース中心の会議というものの経験を踏まえて、なかなかほかの国にいきなり参加するというのは難しいと思いますので、まずそういうふうにステップアップしながら、我が国発信の国際会議にユースの方々中心に参加していただいて、様々な会に参加していただく足がかりとなるようなものにしたいと思っております。
 それから見上委員から御紹介がありましたが、環境省の取組としてESD拠点が全国に156か所ある、それからユネスコスクールも全国に展開している、おっしゃるとおりでございます。これを面的にネットワークを築いていくということは、我々の使命だと思っております。東北ではUnivNetである宮城教育大学が中心となりまして、ユネスコ協会やESD活動支援センターの関係者を巻き込んで、様々な活動を面的にやっていると認識しております。これがほかの地域におきましても活発に展開されるように、文部科学省としては後押ししていきたいと思っております。
 それから竹村委員からも貴重な御意見を頂きました。探究学習でございます。Project Based Learning等々も民間の企業と一緒になって、学校が様々な取組に進んでいるというところでございますが、なかなか一から立ち上げるということは難しいというのはよく分かっております。ユネスコスクールでは、地域の課題というものを自分たちで見つけて、それを解決していくために、どうしたら地域のステークホルダーの方々を巻き込んで解決できるかというのを、自分たちの学校の中だけではなくて、まず課題を設定して、それを解決するために地域の企業の方、地元企業の方、市役所の人、それからユネスコ活動をしている方のところに行って、まずは自分たちの問題を見つけてから活動を広げていく探究学習をしているところでございます。こういった活動の例も、ユネスコスクールのレビューにおきまして、グッドプラクティスとして見つけていき、積極的に広報していきたいと思っております。
 ユースが大人顔負けの活動をしているという御発言もございました。我々も先ほどの次世代日本ユネスコ国内委員会のユースのメンバーから、観光資源をどのように地元で活用していくのかということにつきまして、市役所のほうに若者が行って、若者目線で、ここが非常に魅力的な観光資源であり、自然保護の観点からも環境教育の観点からもSDGsを学びながらユネスコの理念に沿って観光していくというような活動をしていると聞き、目からうろこでございました。地域のほうでは、大学生それから高校生もかなり活発に活動しているところでございますが、我々としては、それがおっと耳目を引くような広報活動、それからネットワークの強化に次年度も取り組んでまいりたいと思っております。
 様々な貴重な御意見、ありがとうございます。引き続き御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  河村企画官、本当にありがとうございました。非常に具体的に、実際の次の計画等も含めてコメントをお返しいただきました。
 環境省様からもいかがでございましょうか。浅原企画官、お願いいたします。
【浅原企画官】  本当に貴重な御意見をありがとうございました。やはり、文部科学省、環境省それぞれネットワークをつくっている中で接続は大事というご意見はおっしゃるとおりと思っております。それぞれの活動拠点がある中で、それを束ねるネットワークの意義というのは、全国での大きな連携の傘をかぶせ、それに基づいて地域での連携をしやすく調整していくことにあるのかなと感じております。最後は地域での連携が大事ということになりますが、そこへつなげていくための全国でのネットワーキングと思っております。まさに、ユネスコに関するネットワークがありますし、環境教育・ESDの分野でも他にも様々なネットワークがありますので、しっかり連携をし、次の動きをつくっていくことが大事だと思っております。実際には、なかなかつながっていないのはご指摘のとおりでもあり、注力していきたいと思っております。
 また、現地での実践という話につながるものですが、やはり、未来をつくるのは、これからの世代と一緒にやっていくのは間違いないことですので、ユースとの関わりは重要だと考えております。会議や実践の場において、地域の多様性のある主体が混ざりあうことで、新しい社会、新しい価値が創造されうると思っております。そのようなブレークスルーを生み出すためにも、新たな主体を加えた連携の場をつくることが大事であり、また、課題を見つけて解決を実践していく大切さを、これからの世代はもちろん、今の社会人にも伝えていくことが重要だと思っております。そのような実践を伴った人材の育成をしっかり環境省としても取り組んでいきたいと考えているところです。
【杉村委員長】  ありがとうございます。力強い応援のメッセージを頂いたように思います。
 ちょうど手を挙げていただいていますが、ここでSDGs推進円卓会議の構成員として参加された三輪構成員も、よろしかったら御意見いかがでございましょうか。
【三輪構成員】  ちょうど手を挙げたところで御指名くださって大変恐縮です。ありがとうございます。
 ESDについての文部科学省と環境省からの実践の御報告、大変ありがとうございました。
 私のほうからは、SDGsジャパンとして、国際協力の視点も踏まえてお願いしたいことがございます。
 今年の6月に、モロッコで国際成人教育会議が開かれます。これは今回で第7回目になると思いますが、今回のテーマは、「SDGs達成のための成人教育」というテーマだと理解しています。既にアジア地域の準備会合は開催済みとも伺っています。これに関して2点、御提案をさせていただきたいと思います。
 1点目としましては、公民館のような場所をベースにした日本の社会教育政策と実践については、途上国のコミュニティ・ラーニング・センターのモデルとして、非常に高く評価されてきているところです。ですので、このモロッコでの会議には、是非閣僚級の方に参加していただいて、SDGsのための成人教育の推進について日本のコミットメントを表明していただけないかと考えています。
 2点目として、この会議には、日本のNGOからも参加を予定している団体があります。具体的には、SDGsジャパンでSDG4に向けて活動している開発教育協会や、教育協力NGOネットワークといった団体になります。会議に先立つタイミングで発表されることになる成果文書案への対応、あるいは日本政府代表団の対処方針について、この問題に取り組んできたNGOと意見交換の機会を設けていただくことができるなら大変ありがたいと思っております。
 先ほどからの御意見を伺っていても、こうした日本の社会教育政策と実践の再評価あるいは再認識というのは、日本における学校の外での実践とのネットワークの接続や強化にもつながるのではないかと思いながら聞いていたところです。是非御検討いただけましたらありがたいです。よろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  三輪構成員、ありがとうございました。また新しい良い御提案を頂けたかと思います。
 河村企画官、手を挙げていらっしゃいましたか。
【河村国際戦略企画官】  先ほど三輪構成員のほうから頂きました国際成人教育会議でございますね。確か12年に1回ということで、久しぶりの開催ということを認識しております。国際統括官付のほうでは直接携わってはいないんですけれども、生涯教育ということで、担当局と少し相談をさせていただきまして、対応のほうを検討させていただければと思っております。ありがとうございます。
【杉村委員長】  ありがとうございました。
 本当にいろいろな御意見を、充実した議論や質疑をしていただきまして感謝申し上げます。
 議題2について、ほかに御意見ないようでしたら、今出ていた議題は、次の議題3とも既に先ほどからお話がありましたとおり関連しておりますので、議題3のほうに移らせていただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。

<議題3.「ユネスコスクールの新たな展開に向けて」進捗状況について>
【杉村委員長】 それでは、議題3のほうに移らせていただきます。議題3は、「ユネスコスクールの新たな展開に向けて」ということで、その進捗状況について議論してまいります。
 まずは、事務局のほうから御報告と御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【河村国際戦略企画官】  
 議題3でございます。私のほうから10分程度、御説明をさせていただきます。
 今日は報告が2件と、それから審議案件が1件でございます。
 まず報告案件の1件目でございます。昨年2月に本小委員会でまとめていただきましたユネスコスクールの新たな展開に向けて、その進捗状況についてでございます。新たな展開におきましては、主に国際的視野に立ったユネスコスクールの方向性、それから活動活性化のための方策、それからユネスコスクールの審査体制・基準の見直し。審査につきましては、日本における基準とユネスコの審査の基準が合っていないんじゃないかという御指摘も頂きまして、それの改善を求められたところでございます。それから登録申請期間の長期化に伴う仕組みの導入ということで御指摘を頂きました。
 まず1番目、ユネスコスクールの申請/加盟承認/認定解除希望状況の報告でございます。キャンディデート校として承認されております学校が97校ございます。それからユネスコスクールの申請の手続中でございますが、表のとおり、2021年9月申請には28校の国内手続中でございます。チャレンジ期間終了判定をこれから行っていくことになります。それから認定解除希望状況でございますが、令和2年度の調査時の継続解除希望校は15校でございます。ここの理由なんですけれども、1つは学校がそもそも休園や休校、統廃合になったということで継続の解除の申入れがあります。それからほかの教育活動に重点を変えたいですとか、活動の継続が困難であるというところからの申出もございます。
 それから活動活性化のための方策について報告させていただきます。先生方に御議論していただきました新たな展開におきましてはネットワークの機能強化、それからユネスコスクールのビジビリティの向上が挙げられておりました。日本ユネスコ国内委員会事務局ですとかユネスコスクール事務局、ユネスコスクール大学支援ネットワーク、ESDコンソーシアムにおける取組といたしまして、例えば先ほどお話しさせていただきました、11月27日に行われましたユネスコスクール全国大会、それからユネスコスクール公式ウェブサイトを通じた情報共有の強化、ユネスコスクール事務局によりますオンライン意見交換会の実施、UnivNetとESDコンソーシアムによるユネスコスクールの事例の共有や研修会の開催をやったところでございます。さらにこのガイドブックでございますが、今ガイドブックを全面的に改訂しております。今までいわゆるオレンジガイドブックとして関係者方々が持っているんですけれども、ユネスコスクールガイドブックにつきましては、先ほど御指摘がありました、いい事例というものを多く盛り込んだガイドブックを作成しているところでございます。それからユネスコスクールとは何ぞやとか、ユネスコスクールのネットワークの現状ですとか、様々な情報を盛り込んで分かりやすく示したガイドブックとして改訂しているところでございます。これがユネスコスクール活動活性化のための方策2点でございます。なお、このガイドブックにつきましては、年度内に発行できるべく、今、準備を進めているところでございます。
 3点目でございます。新規加盟審査体制、それから基準の見直しでございます。まず新規加盟審査体制を変更させていただければと思います。別紙1でございます。これまで審査のチャレンジ期間終了判定はUnivNetで行ってきていただいたところでございますが、UnivNetの支援業務がかなり煩雑、多くなってきておりますので、今後はユネスコスクール事務局の下に審査委員会を設けさせていただきまして、文部科学省と審査委員のほうで審査をさせていただければと思っております。
 それから審査基準の見直しでございます。国内での基準と、それからユネスコの事務局が定める国際的な基準で、ユネスコスクールとして加盟前に必須なものと、加盟後に求められるものはオプションとして扱うものがまとまっていなかったので、必須項目と努力項目というものを分けて、この必須項目の1-1、1-2、1-3でございますが、これはユネスコから加盟前に求められることとして必須項目に集めさせていただきました。
 ユネスコのほうで加盟後に求められ、日本のほうでも求めているものを努力項目として2の努力項目として2-1、2、3、4、5、6、7ということで、分かりやすく、ユネスコの基準と合わせさせていただきたいと思っております。こちらのほうに関しましては、チャレンジ期間終了に当たっては、必ず必須項目を満たすようにやっていただくということでございます。この努力目標につきましては、加盟した後で求められるものですので、チャレンジ期間終了までは、必ず必須項目を満たしていただき、加盟後には、この1から7を求められますので、努力項目を満たしていただくようお願いするという形に見直しを行っているものでございます。
 杉村先生、よろしければこのまま審議のほうの御説明をさせていただいてもよろしいでしょうか。
【杉村委員長】  是非よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
【河村国際戦略企画官】  そうしましたら、本日の議題の質の担保という観点で、登録後の質の担保に関して、審議に入らせていただきたいと思います。
 ユネスコスクールが登録された後でございますが、今、日本においては年次報告書の提出を求めさせていただいております。その際に認定継続や解除希望調査を行っているところでございます。認定解除を希望する学校及び2年連続して年次報告書の提出がない学校は認定解除を行っておりますが、それ以外の学校は、そのまま認定が継続される扱いになっております。日本では、1,120校ございますので、こういった形で運用してきているところでございますが、ユネスコの制度におきまして、メンバーシップ期間というものが導入されてございます。メンバーシップ期間は、3年から5年が導入されまして、さらに必要な条件が満たされれば、さらに3年から5年の更新が可能とされていまして、大体5年に1回、メンバーシップというものを導入していくというものでございます。
 来年度から、我々としましては、ユネスコスクールの加盟校のレビューを通じて活動を振り返り、今後の活動の参考となるような助言を行うということで、積極的にユネスコスクールの活性化に向けて乗り出していこうと考えております。レビューの対象なんですけれども、原則5年ごとに実施させていただきたいと思っております。この4月から開始する最初の5年間ですけれども、いかんせん1,100校以上ありますので、年度ごとに加盟年の古い学校から220校程度対象校を指定して実施していければと思っております。5年間で一巡することになります。
 まず、この実施方法ですが、まだなかなか我々としても初めて行う取組でございますので、手探りという部分がございます。まずは、今、御紹介するような方法で実施していきますけれども、状況により、少し学校の負担が大きいとか、事務局の負担が大きいとなった場合には、柔軟に実施方法というのを改善していきたいと思っております。必ずこの方法でやらなければならないというものではなくて、お互いに最も負担が少なく、なおかつ効果的なレビュー、それからいい方向に持っていければと思っております。
 最初に、活動チェックシートを基に自己評価を学校に行っていただきます。評価シートとこれまでに提出いただいている年次報告書を参考に、有識者による書面レビューを5段階で行っていきたいと思っております。5が一番よくできている、それから1が改善が必要のスケールでございます。有識者によるレビューを行った後、改善点がある、改善が必要というふうになっている学校と、非常にいい取組をやっている学校とで相互レビューを行って、お互いにアドバイスをする、悩みを共有していただくようなことを、相互レビューを通じて行ったらどうかと思っております。また我々は、相互レビューではなくて書面レビュー、自己評価を通じて国内の優良事例の収集を行わせていただけたらと思っております。先ほど多くの委員の先生方から御指摘がございましたように、ほかのユネスコスクールの活動の参考となるものに関しましては、積極的に現地調査を行いまして、ユネスコスクールの活動成果として広報・普及をしていまいりたいと思っております。なお、有識者により書面レビューにおいて改善が必要であるとなった学校には、活動改善計画の提出を御依頼させていただきまして、活動計画が適切かどうか、有識者のレビューを行わせていただき、適正な質の担保というものを図ってまいりたいと思います。
 私の説明は以上でございます。審議のほどよろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  ありがとうございました。
 ユネスコスクールについては、先生方あるいは学校の御努力によって本当に多くのユネスコスクールが日本にあるわけですけれども、これまでの量的な拡大から、今後は質の拡充というところへ進んでいくことができればよい。その一方で、レビューや評価ということになるとどうしても厳しく聞こえますが、決して淘汰するという意味ではなく、できれば全体でより良いものにしていくことができる、そうした評価に進んでいくことができればよいのではないかと伺っていて思いました。
 ぜひ御忌憚のない御質問や御意見を頂きたいと思いますが、また、どなたからでも結構でございます。御意見のおありになる先生方、いかがでしょうか。
【原国際統括官補佐】  大濱委員の手が挙がっております。
【杉村委員長】  それでは、早速、お願いいたします。大濱委員からお願いしてよろしいでしょうか。
【大濱委員】  数年前にユネスコスクールへの申請のお手伝いをしたことがあるのですが、結局うまくいかなくて諦めた経験や、ユネスコスクールとしてせっかく認められていたけれども、活動が停滞して、その看板を下ろしてしまった学校とかの関わりを持ってきました。
 先ほどの議題と重なってしまうのですけれども、研修会とかをしていましたら、SDGsへの思いは、皆さん高まっているのですが、ESDの話をすると、現場の先生たちにとっては、何かちょっとしんどいとか、分かりにくいというような雰囲気が流れることがあります。
 私、パイロット校であるユネスコスクールへの応援の方向、それは本当にいいなと思って、それがどんどん形になるといいなと思うのですけれども、そうではない一般の学校のESDの元気も高まらないと、みんなのものになっていきにくいのではないかと思います。そのためには、先ほど説明がありましたユネスコ未来共創プラットフォーム等の活動が一般校にもひろく伝わって、地道な取組の中で全体の学校の思いが熱くなっていくことが、結局パイロット校であるユネスコスクールの質もどんどん上がってくることにつながるのかなと思います。私たちのような地域のユネスコ協会であるとか、いろいろな方々と一緒に、一般校への手当てにも頑張っていけたらいいのかなと思っています。
 また、いい報告がこの会でもできたらうれしいなと思って聞かせてもらいました。ありがとうございます。
【杉村委員長】  大濱先生、ありがとうございます。現場の大事な視点を伝えていただきました。
【原国際統括官補佐】  東川委員、吉田委員の順で手が挙がっております。
【杉村委員長】  ありがとうございます。
 まずは東川委員からお願いいたします。
【東川委員】  日本PTA東川でございます。丁寧な御説明、ありがとうございました。
 私からは意見というよりも質問に近い形になるかなと思うんですが、ユネスコスクールの申請もあれば、加盟もあれば、認定解除ということもあるということにおいて、先ほども大濱先生のほうからもありましたように、残念ながらといったところもあると。また現場の先生方の御負担といいますか、そういった部分も感じられるところもあって、長らく働き方改革というところも議論された中で、様々なものがこの現場に落ちてくるところの御負担感もある方もいらっしゃるのかなと。
 そこで、このユネスコスクールの登録についても、やっぱりある地域に偏りといいますか、があったりとかいう中において、今スクールつながりで言いますと、今、コミュニティ・スクールというのが盛んに推進されている中において、例えばコミュニティ・スクールの設置がうまくいっているエリアと、何かコミュニティ・スクールの設置といいますか申請、あるいは継続といったものがうまくいっている、何かそのような相関関係のようなものがあったり、何か好事例のようなものがあれば教えていただきたいなと思って手を挙げさせていただきました。
 以上でございます。
【杉村委員長】  ありがとうございます。
 それでは、先に吉田先生の御発言を伺ってから、もし先ほどの好事例について何か文部科学省様、事務局からあればと思いますが。
 まず吉田先生、先にお願いしてよろしいでしょうか。
【吉田委員】  ありがとうございます。
 幾つか質問ないしコメントなんですけれども、まずチャレンジ期間というのを導入した際の議論で、そもそもちょっと詰まっちゃっているぐらいに日本からの申請が多くて加盟数が多いという状態について、ユネスコ本部と日本の取組について理解していただいて、追加的な認定に向かうという何らかの事前の、もちろん約束にはならないと思いますが、そういう話があったという前提でここまで議論がされていると思いますので、そこについて先方からの感触ですね、そういうものがどういう状況なのかについて、1つ教えていただきたいなと思いました。それが1つです。
 それと審査シートをちょっと改めて見てみますと、1-2ですかね、ユネスコスクールの使命や目的を理解した上で、ユネスコが特に重視している3つの分野云々に沿った活動をしているというのは、3つともやっていないと駄目なんでしょうか。それともそのうちの1つなんでしょうかと。全体として、あんまり入り口のバリアを高くするのは気の毒だなと思いつつ、1つ目の質問とも重なるんですけれども、日本がやっていることというのはユネスコにとってどれぐらいアピールするのかということを考えると、あまり緩くすると、また認めてもらいにくくなるかなという、ちょっとその辺の板挟み感覚があります。
 それと、ついでで申し訳ありません。3つ目は、チェックシートですかね、審査シートにも入っていてもいいと思うんですけれども、やはり最初に私が質問させていただいた、学校の外とのネットワークというのをどういうふうに強化するのかというときに、これだけ文部科学省さん、環境省さんの取組をお聞きしただけでも、ここでダブルカウントできるような活動の機会というのが多々あって、それは私、全然ダブルカウントでも悪くないと思うんです。もちろんそこで無駄な予算が使われているということになれば問題でしょうけれども、そういうことでなくて純粋に国内におけるESDの活動をより推進したいという試みの中で、どこで確認作業をするかというだけのことであれば、それはこっちにも出てきて、こっちにも出てきてということはいいと思うんですが、そういう、もうちょっとネットワークの活動を強化するために工夫が凝らされているということを分かりやすくする工夫というのが審査の段階、そしてチェックの段階でできないかなと。特に日本の取組の中であまり活発でないという国外のパートナー、学校を中心とするですね、そういうところの取組については、先ほど文部科学省様から、いい取組については現地を訪問して、それからまた文部科学省さんが発信をしていただける、そういうところもあったんですけれども、その前の段階で、もう少しサポートをしてあげられるような、そのためにASPのUnivNetというのもあるので、大学も大変だとは思いますが、外とのつながり、特に海外とのつながりも想定したときの、そういうサポートシステムについての周知といいますか、その利用といいますか、そういうところも含めて情報提供しつつ、またこの審査及びチェックシートのところでも確認していく、そういう入り口とプロセスと出口、それぞれの段階において確認・支援していく、そういうふうな形が取れればいいのではないかと思った次第です。
【杉村委員長】  ありがとうございます。
 どういたしましょうか。あるいは、他にもお手が挙がっている方がおられるのですけれども。一度、文部科学省様のほうから、あるいは事務局から何か今の御質問等々、特に東川委員、吉田委員の御質問に御回答があればと思いますけれども、いかがでしょうか。
【河村国際戦略企画官】  ありがとうございます。
 まず大濱委員のほうから、ESDとなると、なかなかハードルが高いということの御言葉も頂きまして、我々、努力していかなければならないなと思っています。SDGsはゴールであり、何となく持続可能なことをやっていけばいいなということではあると思うんですけれども、ESDとなったら具体的にカリキュラムに落とし込まないといけないので、カリキュラムとして、本当にESDとして成り立っているかどうかというのは、先生方にとってみれば、初めての試みになればなるほど非常にハードルが高いものだと思っています。なので、我々としては、ESDの教育は、こういったものの事例がありますよといった手引を既に昨年度からお配りさせていただいておりますので、もちろんそこを活用していただいて、障壁を低くしていただくということもあると思いますし、またユネスコスクールで、例えば1つ水資源というものを学校全体でテーマとした学校があったとしたら、一、二年生で行う水の教育、三、四年生で行う水の教育、五、六年生で行う水の教育といったように、学校全体の運営教育方針でもESDの方針が連ねて教育をやっているという事例もございますので、そういった具体的な事例を先生方に分かっていただくように、教員研修ですとか、それからガイドブック等々の発行に向けて、より手に取っていただいて分かりやすい、学校全体で取り組んでいただけるというようなものにしていきたいと思っています。
 繰り返しになるんですけれども、一担当教員が自分でESDをつくろうと思ってもなかなか難しくて、学校全体が学年ごとにずっと段階的・発展的に1つのテーマでESDでやったほうが先生方の負担も少ないし、それからほかの先生方の協力を得やすいという事例がございますので、そういったことを積極的に文部科学省のほうから教育現場のほうに情報提供させていただければと思っております。
 また一般の学校で、ユネスコスクール以外でもESDを非常に盛んにやってくださっている学校は、是非ともユネスコスクールに入っていただきたいと思います。我々としてはESDを積極的にやっている学校は是非ともユネスコスクールのほうにスカウトできたらなと思います。
 それから東川委員から頂きました申請、認定解除等々、負担も感じられるところではございますが、我々といたしましてはユネスコスクールに入る価値があるということを是非とも宣伝していきたいと思っておりますし、ユネスコスクールについて地域の隔たりというものがあるという御指摘でございますが、より面的に日本全国でもっと地域の隔たりなく発展できるように、我々としてはいろいろな施策を打っていきたいと思います。
 コミュニティ・スクールであり、かつユネスコスクールであるというところに関しましては、茨城県の牛久市の、おくの義務教育学校がコミュニティ・スクールとしてやっている、かつユネスコスクールとして積極的に活動している事例もあります。また北海道の北広島市のほうの北広島市立西部中学校に関しましても、ここもコミュニティ・スクールとして9年目、それからユネスコスクールとして10年目を迎える学校としてあります。こういうふうに、様々なコミュニティの人たちを巻き込みながら学校を運営するというのは、まさにユネスコスクールとしても正しい姿といいますか、理想となる姿ですので、こういったものが増えていくように、我々としてもユネスコを軸として活性化させていただければと思っております。
 それから吉田委員に御質問いただきました、全部できないといけないのかというお話なんですけれども、ユネスコスクールとして認定されるためには、必須項目の3つをやっていただかないといけないんですが、ユネスコの事務局と文部科学省の中で話をしておりまして、我々として日本の中で申請前にきちんとチェック体制が整っているということで、ユネスコ本部の事務局の理解を得て、今後、登録を日本としても推進していくと。数が多いから行き詰まっているというのではなくて、やはりこういうものは広げていくことが価値があるということで、ユネスコ事務局と話をしているところでございます。
 様々なユネスコスクールのサポート情報としまして、ユネスコスクールですとかUnivNet、コンソーシアムの情報を、我々としてもより使いやすいガイドブック、それから何か別の変化とかいい事例があったらホームページでどんどん更新していきたいと思っております。また、Q&Aを今回設けようと思っております。ガイドブックの中にQ&Aを設けて、ホームページでも最新のQ&Aをつけながら、各学校がユネスコスクールに関して、より身近に感じていただけるようにやっていきたいと思っております。
 私からの説明は以上でございます。御指摘ありがとうございます。
【杉村委員長】  河村様、ありがとうございました。
【吉田委員】  すみません、ちょっとだけ質問、clarificationを続けてよろしいですか。
【杉村委員長】  はい。それでは先生、どうぞ。ちょっと後の方がおありになりますので短めにお願いいたします。
【吉田委員】  ありがとうございます。
 御説明いただいたところの審査のフォームの私が聞いたのは1-2です。1-2に、3つの分野として地球市民、持続可能な開発、そして異文化学習、3つ書いてあるんです。その3つとも、それぞれ取り組んでいないと必須項目の1-2を満たしたことにならないんでしょうかという趣旨だったんですけれども、今の答えでよろしいんでしょうか。
【河村国際戦略企画官】  大変失礼しました。その3つのテーマのうち、どれか1つで大丈夫です。1-2の3つの分野が、3つともその分野を網羅しないといけないわけではなくて、そのうちの1つでもできていれば大丈夫でございます。
【杉村委員長】  吉田先生、ありがとうございました。
 それでは、今また御質問が出ておりますが、1つだけ、先ほど申し忘れましたが、既に御説明がありました加盟校定期レビューの実施について、今日の資料では別紙4のところに入っています。これは最終的には教育小委員会決定の文書ということになりますので、もし御意見ございましたら忌憚のない御意見をこの点についてもお願いできればと思います。こちらは、この教育小委員会の名前で後に発出されるものです。もちろん今日、議論を尽くしたいと思いますが、どうしても議論が続きそうな場合には、また事務局宛てに後でメールで送付いただく形も考えておりますので、併せて先に申し添えます。
 そうしましたら、どういたしましょう。先ほどの御指名を続けていただけますでしょうか。
【原国際統括官補佐】  国内委員の先生が先に御発言だと思いますので、まず鈴木委員、それから萱島委員の順でお願いいたします。
 鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  先ほどからずっと拝聴させていただきましてありがとうございました。大変勉強になっております。
 ユネスコスクールの新たな展開についてということについて、私の思いやら意見を発表させていただけたらと思っています。私、20年間ユネスコ活動をしてきまして、いつも感じていますのが、先ほどもどなたか言われましたが、失礼な言い方ですが、全部水を上から流して縦割りで全部行くわけですね。学校関係は学校関係だけで終わっているところがたくさん存在しています。しかも上から下ろしてくるから、現場の先生方はまたかという思いやカリキュラムに入れないといけない、それに過重労働だ、ブラックだということで、疲労感を持っている学校もあります。私は今、SDGsの未来都市の真庭市に住んでおり、市長とも親しくさせていただいていますが、SDGsについて非常にご理解いただいています。結局、学校の先生方の先ほどの事例のことも言えますが、まず地域の民間団体の我々、例えば民間ユネスコ協会と、地方自治体、そういった地域全体を巻き込んで、各学校にカリキュラムで年間通して学年全体でやっていく形を考えて取り組んでいったほうが、もっと普及していくのではないかと感じている次第です。
 私は、ESDの10年の最終年である2014年に岡山と名古屋で行われたESD世界会議、ここのところでちょうど中国ブロックのユネスコ大会がございまして、ここでESDからSDGsに変わるんだという話になって、私たちは、教育現場だとかユネスコが関わっているのであれば、このESDを、それこそ皆様がずっとここ数年論議されてきましたように、ESDこそがSDGsの目的を達成する人材づくりで一番大切なのだと考えました。中国ブロックでは各県連会長さんにお願いして、広島、山口、鳥取、島根、岡山県、それぞれ毎年ESD活動をしている学校を表彰しましょうと。その県連の会長が学校へ出向いていって、どういう活動をしているかを学んで、ここだったら推薦できるという事例、例えば年によっては2つも3つも出るところがあるんですが、それを全部各県連の会長が調べて、この学校を今年度は表彰しようというふうな形で取り組んでいます。最初は、失礼ですけれども、山陰地方の方々は、ESDそのものも知らなかった。それが毎年顕彰をつづけ今年で8年目を迎えているのですが、もうずっとこれでいこうと今中国ブロックのユネスコ協会も取り組んできています。
 したがって、ちょっと話が広く成り過ぎたのですが、私は、学校なら学校だけで落とし込むというのではなく、学校が地域社会と関わっているところもあるのですが、先ほどのいろいろな円卓会議の方もおっしゃったように、真庭市なんかは円卓会議に学校の人も企業の方も入ってきています。地域社会はどうやってこれから発展していくか、伸びていくか、持続可能になっていくかということをずっと取り組んでおります。
 ある学校の校長先生は、これからこうやって報告をしないといけないのであれば、もうユネスコスクールをやめようかというような発言をされています。そういうふうな、学校長のユネスコスクールへの認識が低いという学校もあります。おいおいそういう学校も私たちは継続支援をしていかないといけないと思っている次第です。
 できましたら文部科学省のほうから教育委員会だとか各自治体のほうにも協力をお願いしたいとか、一緒になってこのESDやSDGsの取組をしましょうというような何か文書を送っていただければ、我々もユネスコや日本ユネスコ国内委員の一員としても出向いていって、一緒に普及のお手伝いができるのではないかと考えております。
【杉村委員長】  鈴木委員、ありがとうございます。力強い、しかも現場目線の大事な御指摘を頂きました。
 それでは、萱島委員のほうにお願いしたいと思います。
【萱島委員】  ありがとうございます。手短に一言コメントさせていただきます。
 先ほど文部科学省それから環境省のほうからESDの大変良い取組の御発表を頂きまして、大変関心いたしました。あれらにもユネスコスクールの多くが参加していると思うんですけれども、これだけ多いユネスコスクールの中で、どちらかというと先端的な学校、活発な学校がああいう良い取組に積極的に関わっておられるんだと思います。
 今、議題に移っております、議論されております定期レビューのほうなんですけれども、これはどちらかというとこれだけ多いユネスコスクールの、比較的、活動が活発でない、どちらかというと下のというのか遅れている学校をどう活性化していくかということのための取組のように思いました。
 それで、チェックシートがあって、1年間に220校ほどを評価すると、定期レビューすると理解したんですけれども、それを5段階で評価する。220校についてきちんとした評価をするのは結構大変だろうなと。かつ5段階評価というのは、やっぱり資料等を相当きちっと見る必要もあるでしょうし、審査基準がどれぐらい明確になっているかというようなところもあるのかなと思って拝見いたしました。
 さらに評点が2以下のところは改善計画を出してもらうということで、どちらかというと活動が比較的活発でない学校にとっては相当な負担もあり、全体での評価活動、定期レビューもきちんとやるにはそれなりに大変なところがあって、非常に過重労働が指摘されている学校現場で、全体を活性化する方向にうまく機能するのかなというのが、私の懸念としてありました。むしろ大変だなと。遅れているところはどちらかというと、比較的十分でないということを指摘されて、改善計画が求められるということで、これがユネスコスクール全体の活性化にうまくつながることになるといいんですけれども、進んでいるところをさらに引き上げる、盛り立てていく、更に手を差し伸べるという活動と遅れているところをどう押し上げていくかというところが、やや対称的であったように私には今日の御発表を聞いていて思いまして、うまく機能するといいけれども、やや現場でのより疲弊感だとかが出てしまわないといいなと思ったところです。
 よろしくお願いします。
【杉村委員長】  萱島委員、ありがとうございます。大変忌憚ない、でも大事な御指摘を頂きました。
【原国際統括官補佐】  加治佐委員、竹村委員から手が挙がっております。
【杉村委員長】  では、まずは加治佐委員、よろしくお願いいたします。
【加治佐委員】  今、萱島委員ですかね、おっしゃったことを私も全く感じました。同じことを述べることになると思うんですけれども、220校を、これ、第三者評価ですね。すごいなという感じですね。相当数の評価を有識者が行う、外部の専門家が行うということなので、具体的にはどうするのかなというふうに思います。まさか現地を訪問するということはできないので、本当にこれはできるのかなということがまず1点です。
 それからやはり3の実施方法の(2)と(4)が気になります。優良校の事例を集めるのは大変結構だと思うんですが、ただ、先ほど、もうやめたいというようなところも15校ほどあるということが出ておりましたけれども、何かうまくいっているところとうまくいっていないところを相互レビューさせるというのが、うまくいっていないところをさらに敬遠させるという気がしてならないです。
 それから活動改善計画を提出されるということですけれども、結局うまくいっていないところは、それなりの理由があって、かつ、それを再生するというのはかなりエネルギーが要るわけです。そのエネルギーを支援してくれる形になればいいんでしょうけれども、その点について具体的にどうされるのかということをお伺いしたいかなというところでしょうか。正直言ってちょっとうまくいっていないところを、より意欲をなくならせるというふうにならないようにお願いしたいと思います。
【杉村委員長】  ありがとうございます。大事な御意見です。
 そうしましたら、竹村委員お願いします。
【竹村委員】  非常に意欲的なお取組だなと思ってお伺いはしていたんですが、ちょっとお話が続くことにはなるかもしれないんですが、220校の評価みたいなところを、何かもう少し、これはジャストアイデアかもしれないんですけれども、1,100校ぐらいある皆さんの学び合いの機会みたいな形にうまく、横のつながりで学び合い、高め合うみたいな機会をうまく作れないのかなというのを伺っていて思ったところです。例えばそのアカデミックペーパーだと、ピアレビューみたいな仕組みで、ペーパーの質の担保をするような仕組みがアカデミアではあったりすると思うんですが、プロジェクト型学習なんかであると、生徒さんがピアレビューするみたいなのも世界の学校だと結構増えていたりします。先生方や学校間での何らかのピアレビューがしやすいようなネットワークといいますか、例えば年に1回のイベントなのか、何か交流の仕組みみたいなものというのを考えられる中で、その220校の学校の発表みたいなものが、うまく評価とか発表される先生方の意欲にもつながるし、もしかしたらチャレンジを抱えていらっしゃる学校の先生にとってはサポートを得る機会になるのではないかと思います。また、日本はコミュニティ・スクールも大変進んでいると思うので、そういった場にコミュニティ・スクールの関係者の方も参加できるような形にする。やっぱりプロジェクト型学習でよく日本の先生からお伺いするのは、なかなか学校内でも協力を得るのが難しかったりとか、一緒にカリキュラムを回していくのが大変だったりというような声を伺ったりするので、そういった協力関係とかサポートが得やすいようなことをこのネットワークでサポートをしていかれると、何か駄目だから点数が低くて怖気づいちゃうみたいなことにならない、よりポジティブな、盛り上がっていくような雰囲気づくりができるんじゃないかと思いました。
【杉村委員長】  大変大事な御指摘を頂いたと思います。
 ほかの先生からまた御意見があるかと思いますが、実は私自身も、この案については、議長をしながら大変僭越ですが、決して振り落とすとか、点数が低い学校を排除するという意味では全くなくて、むしろ高め合っていくためのものであり、まさに今、委員の先生方におっしゃっていただいたとおりだと思います。ですから、できれば今出た御意見、例えば220校の第三者評価、確かにすごく大変なことなのですけれども、御意見が出たように、お互いのいい事例を交換し合うとか、あるいはピアレビューというような形をとるなど、そうした方法の部分については、もう少し検討していく必要があると感じております。これまでユネスコスクールの数がどんどん増えてきた中で、量的な拡大だけではなく、よりより実践を高め合っていくというところで、大事な提案になっていると思いますので、この点をうまく融合する形で、小委員会としては1つの案をまとめていければいいのではないかと伺っていて思いました。
 議論がまだ尽くせていないように思い、多分まだ御意見がある方もいらっしゃると思います。もしよろしければ、大変短い期間ではありますが、来週28日の月曜日ぐらいまでに事務局宛てに、御議論の続きとして、御意見があればメールで御送付いただくような形で承りたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 髙橋委員、是非お願いいたします。先ほどは大変失礼いたしました。
【髙橋委員】  杉村委員長、1つだけよろしいですか。
【杉村委員長】  はい、どうぞ。
【髙橋委員】  文書の中で「我が国」という言葉が何度も出ています。それは日本という言葉に置き換えたほうがよろしいのではないかと思いました。学校教育の関係者の中には、日本国籍を持っている方ばかりではないので、我が国といったときに排除される方が出てしまいます。「我が国」が何度も出ていますので、今日、小委員会で決定する文書について、その辺り、SDGsの考え方から言えば配慮する必要があると思います。
【杉村委員長】  ありがとうございます。大事な点を御指摘いただきました。ありがとうございました。
 あと、ほかに、今のような形でも、どうしても今この場でお伝えになりたいことをお持ちの方はいらっしゃいますでしょうか。
 それでは、まだおありかもしれませんけれども、とりあえずないようでしたら、まずは月曜日ぐらいまでに、もし御意見がある先生方がおられましたら、メールで事務局のほうに御意見をお寄せください。
 それから、大変僭越ではございますが、ユネスコスクールの新たな方向性については、今、大変大事な時期を迎えていると認識しております。どこかでやはりこうしたことを進めていく必要があるかと思いますので、最終的な文言等については、職責上、委員長として責任を持って、一度まとめの案を考えてみたいと思います。大変僭越ですが、お任せいただくような形でもよろしゅうございましょうか。
 ありがとうございます。何か上手なまとめ方ではないかもしれませんが、責任を持ってユネスコスクールをはじめ全国の一般的な学校も含めてのメッセージを力強く出していければと思っていますので、この点、引き続き御意見を頂ければと思います。私としても全力を尽くしてまとめのほうに頑張っていきたいと思います。
 ありがとうございます。
 それでは、貴重な御意見を本当にありがとうございました。特に資料4の定期レビューの実施につきましては、今申し上げたとおり、御意見ある先生は28日月曜日までに、事務局宛てにメールを送っていただくということ、そして最終的な文言につきましては、慎重を期して職責を持って、私のほうで責任を持ってまとめをつくらせていただきたいと思います。一任いただきますが、どうぞよろしく御理解いただければと思います。
 ありがとうございます。

<議題4.その他>
【杉村委員長】 それでは、最後、議題4、その他になります。その他として事務局から何かございますでしょうか。
 事務局のほうはよろしいですか。今、吉田委員、山口委員が手を挙げていらっしゃるようですけれども。
 では、吉田委員のほうから、まずお願いしてよろしいですか。
【吉田委員】  最初のユネスコ総会の報告に関連することとして、そのときに申し上げたほうがよかったと思うんですが、今般、私がそれまで共同議長をしていたSDG4-教育2030のステアリングコミッティがハイレベルになったと。またそれの時期と合わせて、アジアからの参加はバングラデシュと中国になったと。大臣級の参加になるに当たって、これまでのやり方から想像すると、定期的に会合が開催されるわけではないんです。それと会合と会合の間の情報共有ですとか協議の場があまりなかったと。パリベースでのASPACという組織はあったんですけれども、なかなかコンサルテーションの場が十分でなかったという、そういう反省点がございますので、ぜひそこについては日本からも引き続き強く申し入れて、十分な議論を尽くした形でのハイレベルの会合になるように、引き続き奮闘いただきたいと思います。
【杉村委員長】  これまでの吉田委員の共同議長としての御活躍にも心からお礼申し上げるとともに、また事務局のほうにもその旨、よろしくお願いをいたします。
 山口先生、何かございますか。
【山口委員】  吉田委員の今の情報に付随する形になります。先ほどユネスコ総会の一環としてユネスコ・グローバル教育会合のハイレベル会合の報告がございましたが、今年の国連総会と同時期に開催される国連SDGサミットは、教育に焦点を当てたTransforming Education Summitがテーマとなる予定です。ユネスコと国連本部が中心となり、9月下旬に開催される予定となっております。
 吉田先生が議長をお務めになっていたSDGコーディネーションステアリングコミッティのハイレベル会合が、6月にパリで開催されると聞いておりますが、その直後に本国連SDGサミットの事前ミーティングが開催される計画が進んでおり、現在、コンセプトノートの最終案が国際機関の間で議論されています。ESDは重要項目としてあげられておりますので、本会議の進捗に関しても情報共有させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  山口先生、貴重な情報をありがとうございました。
 それでは、ほかにございませんでしたら、事務局のほうからその他、最後ございますでしょうか。
【原国際統括官補佐】  事務局からご連絡させていただきます。
 次回の国内委員会の総会ですけれども、3月11日金曜日の13時から15時半で開催されます。委員の先生方には御出席、よろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  ありがとうございました。
 3月11日の総会の御案内でした。どうぞよろしくお願いいたします。
 その他、御意見、御質問等ございますか。大丈夫でしょうか。
 そうしましたら、私の不手際で数分過ぎてしましましたが、当初の終了予定時間3時を過ぎておりますので、こちらで本日の教育小委員会は閉会とさせていただきます。
 本日も御多忙の中、御出席いただきましてありがとうございました。いつも私伺っていて思いますことは、国際的な動きから学校現場のお話まで、この委員会は、日本の教育のミクロからマクロまでをつなぐ委員会だとつくづく思います。引き続きどうぞ御指導賜れればと思います。
 本日も本当にありがとうございました。それでは、これで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

―― 了 ――

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国際統括官付