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日本ユネスコ国内委員会

日本ユネスコ国内委員会 第137回教育小委員会 議事録

1. 日時

平成30年8月27日(月曜日)14時00分~16時00分

2. 場所

文部科学省国際課応接室(12階)

3. 出席者

(委員)
秋永名美、安西祐一郎、及川幸彦、萱島信子、古賀信行、杉村美紀、道傳愛子、野村浩子、日比谷潤子、吉田和浩〔敬称略〕

(事務局)
池原充洋日本ユネスコ国内委員会副事務総長(文部科学省文部科学戦略官)、小林洋介日本ユネスコ国内委員会事務次長(文部科学省国際統括官付国際戦略企画官)、その他関係官

4. 議事

【杉村委員長】  それでは、日本ユネスコ国内委員会第137回教育小委員会を開会させていただきます。本日は御多忙のところお集まりいただきまして、改めてお礼申し上げます。事務局の方から、まず定足数の確認をお願いいたします。
【徳留専門官】  本日出席の委員ですが、現在10名の御出席をいただいております。委員の過半数7名以上ですので、定足数を満たしているところです。
【杉村委員長】  ありがとうございます。それでは、ただいまより、改めまして第137回教育小委員会を開催いたします。本日の議事進行をさせていただきます、委員長の杉村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初に配付資料の説明をお願いしたいと思います。お手元の方を御覧いただきながら、事務局より説明をお願いいたします。
【徳留専門官】  本日お配りしている資料ですが、議事次第にございますとおり、配付資料として資料1から資料5と、参考として参考1から参考4をお配りしています。また、ESDの推進の手引の冊子と第5回ESD日本ユース・コンファレンスのチラシもお配りしているところです。もし、過不足等ございましたら、事務局に御連絡ください。
 以上です。
【杉村委員長】  ありがとうございます。それでは議題1、国内のESDの取り組み状況に移ります。事務局から、御報告をお願いいたします。
【徳留専門官】  では、議題1、国内のESDの取組状況について御説明いたします。資料1を御覧ください。前回の教育小委員会から現在までのESDの国内の取組について、簡単に御説明いたします。一つ目ですが、ESDの推進の手引の改訂版を平成30年5月に出しております。これは第136回教育小委員会の際に御案内いたしましたが、平成28年3月に初版を作成した手引に、この度、持続可能な開発目標(SDGs)、新しい学習指導要領、ユネスコにおけるユネスコスクールの申請手続の変更等の内容を踏まえて、一部改訂をしたものでございます。
 この中には昨年取りまとめました教育小委員会からのメッセージや、新学習指導要領についても新たに組み込まれております。本日、配付資料としてお配りしておりますので、是非御覧いただき、御意見等ありましたら、頂ければと思います。
 二つ目は、第3期教育振興基本計画の策定でございます。これは平成30年6月15日に閣議決定をされたもので、教育振興基本計画の詳細に当たる第2部「今後5年間の教育政策の目標と施策群」の目標に「豊かな心の育成」に係る施策として、持続可能な開発のための教育が位置付けられたところでございます。
 三つ目は、「環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の推進に関する基本的な方針」の変更です。これは環境教育等促進法第7条12項に基づき定められた基本方針で、平成30年の6月26日に閣議決定されました。こちらでは、環境教育等の取組を持続可能な開発のための教育(ESD)や、SDGsとの関連を踏まえたものにする必要性を明示しております。
 続きまして、ユネスコスクールの関連でございますが、主に三つございます。まず一つは、平成30年7月27日にユネスコ本部より御連絡を頂きまして、116校新たにユネスコスクールとして認定されたところでございます。平成30年8月現在が、国内のユネスコスクールの数は1,146校となっております。
 また、二つ目の日本国内のユネスコスクールの加盟申請についてですが、次の2点を変更し、7月30日付けで各教育委員会等へ通知したところです。一つは、「チャレンジ期間」で、今まで原則1年間としておりましたが、新たに、少なくとも1年、原則1年間以上ということにしております。こちらは「チャレンジ期間」を申請してから、実際に加盟の申請をするまで1年以内で、1年を満たない段階で申請する学校が比較的多かったということから、少し平等性を担保する意味も込めまして、少なくとも1年間は「チャレンジ期間」を設けるということにしております。
 それに伴いまして、二つ目ですが、文部科学省日本ユネスコ国内委員会の加盟申請時期について、今まで年度中1回でございましたが、これを新たに2回とし、来年度からは6月と3月、2020年度以降は9月と3月で申請をできるような形に進めているところでございます。
 三つ目ですが、第10回ユネスコスクール全国大会を、本年12月8日土曜日に横浜市にて開催予定でございます。こちらの詳細につきましては決まり次第、国内委員会の先生方にも情報をお送りしたいと思います。
 最後にグローバル人材の育成に向けたESDの推進事業の採択団体ですが、これも前回の教育小委員会で紹介しました、平成30年度の予算の概要の中の一つのコンソーシアムの補助事業でございます。こちらにつきまして、今年度は12団体を採択しておりますが、うち4団体、信州と横浜とESD・国際化ふじのくにと広島のコンソーシアムについては、昨年、前回からの継続として従来のコンソーシアムという形式で、残りの8団体につきましてはESDの深化によるSDGsコンソーシアム事業として、新たにESDの取組を深化するコンソーシアムに対して補助事業を行っているところでございます。詳細につきましては、文部科学省のウエブサイトにて掲載しておりますので、御覧いただければと思います。 以上でございます。
【杉村委員長】  ありがとうございました。ただいまの事務局からの御報告を受けまして、何か御意見、御質問等ございますか。特にないようでしたら、次の議題はポスト-グローバル・アクション・プログラムということで、こうした取組との関連性の非常に強いところでございます。この議題をしっかりと議論させていただきたいと思っておりますので、そちらの方に進ませていただきます。また現況のこの取組状況についても何かございましたら、後ほどコメント等頂戴できればと思います。
 それでは、議題2の「ポスト-グローバル・アクション・プログラム(post-GAP)に向けて」に進ませていただきます。資料がたくさんございますが、ESDと国際的な動き、それからGAP後のポジションペーパー、GAP後に向けての流れ、ESDの将来に関する加盟国協議の概要、そして日本として強調すべき意見について、今日は是非、委員の先生方から御意見を伺いたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 冒頭、事務局から説明をお願いいたします。
【小林国際戦略企画官】  この議題では、ESDの今後の動きについて御説明をさせていただくとともに、委員の方々から御意見を頂ければと考えております。
 まず、ESDと国際的な動きということで、資料2-1を御覧ください。そこに書かれておりますのは、「ESDとは」というところから、今までの流れを踏まえた資料となっております。ここでは3以降について御説明させていただきます。国連ESDの10年、2005年から2014年の10年間が過ぎ、今、この3のグローバル・アクション・プログラムの5年間を推進しているところでございます。3の一番下にございますとおり、2015年から2019年までグローバル・アクション・プログラム(GAP)に基づいて、ESDが世界的に推進されているということになっております。
 今後の動きを少しここで御紹介させていただきますと、4にございますとおり、GAPが終わった後のpost-GAP(ポスト-グローバル・アクション・プログラム)に向けて進められております。具体的には、まず本年春の第204回ユネスコ執行委員会におきまして、日本が2019年以降のESDに係る決議を提案いたしまして、全会一致で採択されております。
 次に、今年の7月にESDの将来に関する加盟国協議というものがバンコクでございまして後ほど御説明させていただきますpost-GAPの枠組の草案について議論がなされました。これを受けまして、来年の春の第206回のユネスコ執行委員会におきましてpost-GAPの枠組の草案が提出される予定です。また、来年秋に予定されております第40回のユネスコ総会、そして同じ年に開催を予定されます第74回国連総会にて採択を予定しているというような大きな流れがございます。
 続きまして、資料2-2を御覧ください。この資料はユネスコが作成いたしましたESDのためのグローバル・アクション・プログラムが終わった後のポジションペーパーをユネスコが草案を作成しております。このポジションペーパーは、GAP後のESDの在り方について、ユネスコとしての考え方を示したもので、正式なポジションペーパーの英文は、その次の資料2-3で、この概要を事務局で作成したものが、資料2-2ですので、こちらを基に御説明させていただきます。
 このユネスコのポジションペーパーによりますと、GAP後の期間としては2020年から2030年までの10年間を見据えたものとなっております。このポジションペーパーには、資料2-2の1にございますとおり、経緯と今後の予定について書かれており、まず、今年の春の執行委員会において決定案が決議され、GAPのキーパートナー会合が4月25日から27日まであり、それからESDの将来に関する加盟国協議が、7月9日から10日までございました。
 こういったプロセスを踏まえて、ポジションペーパーが順次改訂され、最終版がこの承認プロセスのためにユネスコの執行委員会、総会及び国連総会に付議の上、GAPの後継を示す文書となることとなっております。
 次にGAPの中間評価ですが、これは2015年から2019年までの中間年ということで、昨年2017年に実施されたものです。この中間評価において、以下のような点が課題として挙げられております。ネットワークメカニズムとして、資金調達と共同プロジェクトの開発が不十分であること。優先分野ごとのネットワーキングだけでなく、実際の事業活動や分野横断的な取組が必要であること。加盟国政府の取組としては、加盟国が実施したイニシアチブやリーダーシップの可視化や明文化が不十分であること。それからGAP後は政府によるリーダーシップについてモニタリング及び報告が必要といったような評価がなされております。
 これを受けまして、ユネスコとしては3にございますとおり、GAP後で重視されるべき改善点として、まずいかに学習者に持続性のための行動の変革をもたらすかがESDの主な優先事項であって、行動の変革をもたらすのに公教育だけでは不十分で、ノンフォーマル教育も必要だと指摘しております。
 次に構造的変更として、消費者社会に新たな選択肢を提供するために、ESDによる価値観の向上を優先しなければならない。また、学習者に最近の経済構造の知識や政治的関与に必要なスキルを提供しなければならないとしています。
 科学技術の進歩した未来では、次世代は課題解決のための技術の活用、新技術により生じる新しい課題への警戒、技術の課題解決力に対する批判的思考力を備えることが必要とされております。
 裏面に行きまして、これらの課題を実施するための枠組として、まず一つはSDGsへの支援。ESDによるSDGsへの支援として、新しいGAP後のプログラムの名称として、「持続可能な開発目標のための教育(ESDGsプログラム)」という名称とするとしています。その理由としては、全てのESD活動がSDGsの達成に貢献するということと、ESDが教育に係るSDG4のターゲット4.7の重要項目であって、ほかの全てのSDGs達成のための鍵となるという考えから、この新しい名称ESDGsプログラムというのがここで提案されております。
 それからGAP構造については、GAP後では主要構造は維持し、これまでの実施状況からの教訓を踏まえて一部調整するということで、現在五つのパートナーネットワークというのが、その下にございます分野1から分野5までの政策、教育訓練環境、教員、若者、コミュニティにございます。このパートナーネットワーク五つがそれぞれ独立していて、連携が不十分であったという指摘を踏まえて、この五つのパートナーネットワークのネットワーク間の協力を強化するということ。また各パートナーは、ほかのパートナーを含めた活動を行う。一つのネットワークの中で、ほかのパートナーと横断的に活動するという方針を打ち出しております。
 ユネスコ・日本ESD賞を今実施しておりますが、このESD賞はGAP後の重要なアドボカシー・ツールとして更に支援される価値があるとされております。
 それから加盟国の取組としては、今までの優先行動分野の五つの全ての活動分野で更なる努力が必要ということで、分野1の政策、分野2の教育訓練環境、分野3の教員、分野4の若者、分野5のコミュニティ、これらはいずれも現在のGAPの優先行動分野とされておりますが、引き続きこの五つの活動分野で努力をしていくということでございます。
 具体的には、分野1の政策の部分では教育や持続可能な開発に関連した国際及び国内政策の中にESDが統合されるべき。分野2の教育訓練環境においては、ホールスクールアプローチの推進の必要性、ともに活動するための学校及びコミュニティの重要性・必要性。公教育・ノンフォーマル教育・インフォーマル教育の環境の相互作用及び協力の強化のための戦略的政策及び方策。分野3の教員では、教育が学習者に権限を与える機会を増やすべき。また公教育及びノンフォーマル教育の学習者のための能力開発プログラムにおいて、どのように行動の変革が起こるかを理解され、反映されるべき。教員は学習のファシリテーターであるべき。分野4の若者、ユースの分野においては、若者は持続可能性の問題に取り組む鍵となるアクターである。分野5のコミュニティの分野においては、五つの活動分野の一つとしてだけではなく、節となる、より重要な分野であるということで、これらの五つの活動分野において更なる努力が必要とされております。
 次に、5にございますユネスコに求められる取組の提言案として、具体的に以下のようなことを実施していくとされております。まず、教育を通じたSDGs達成のための国家規模のイニシアチブを支援するプログラムを立ち上げるということ。グローバルレベルのキーパートナー間のネットワーキングの継続支援。エビデンスベースでのGAP後の実施。広報、アドボカシーに対する努力。ESD賞が継続されれば、ユネスコ広報・アドボカシー戦略において不可欠な役割を担うとされております。またESDコミュニティだけでなく、より広範な持続可能な開発及びSDGsに関するコミュニティとの更なるパートナーシップ開発。SDGsの運営に関わる国連機関、多国間金融機関、民間セクター等との協力や資金調達の仕組み作りが必要とされております。さらに3種類のモニタリング及び評価を行うということで、3種類というのが5活動分野における活動の規模拡大の状況。それからプログラムやプロジェクトの成果や効果の広がりの状況。定期的なテーマ別調査。この三つのモニタリング及び評価をするということにされております。
 実は、このポジションペーパーの作成が、今年の6月15日ということになっておりますので、このポジションペーパーは今年の6月15日現在のバージョンということになっております。
 次に、資料2-4を御覧いただければと思います。このGAP後に向けての流れということで、もう一度御説明させていただきますと、左側に国際的な動きということで、先ほど御説明したとおり、今年の春にESDに関する決議が採択されました後に、4月にGAPのキーパートナーの会合がコスタリカのサンホセで開催されました。今年の7月にESDの将来に関する加盟国協議が行われております。この加盟国協議の状況については、次の資料でまた御説明させていただきます。
 今後、国内の動きとして、本日この小委員会において、このポジションペーパーについて御意見を頂ければと考えております。その後に、9月10日に持続可能な開発のための教育円卓会議で御参加いただく様々なステークホルダーの皆様により、本件について多角的に議論いただければと考えております。
 続きまして、9月21日に日本ユネスコ国内委員会の総会が開催される予定でございますが、ここで本委員会及びESD円卓会議の議論を報告いただいた後に、これについて御議論いただければと思っております。
 また、これらの三つの委員会で頂いた御意見を踏まえまして、日本ユネスコ国内委員会事務局として、このポジションペーパーに対する意見というものをまとめた上で、ちょうどこの9月頃にユネスコ本部で一般を対象としたオンライン協議を実施する予定でございますので、このオンライン協議に対して、ユネスコ事務局に対して国内委員会の意見として提出することを考えております。
 続きまして、資料2-5を御覧いただければと思います。今年の7月9日から10日まで、ESDの将来に関する加盟国協議がタイのバンコクで開催されました。この目的としては、先ほど言及しましたGAPの後継枠組、ポジションペーパーが提示されたのを受けまして、これについての加盟国が世界から集まり意見交換をするというものです。大体総勢270名程度出席いたしまして、加盟国としては118か国、アフリカ33、アジア33、アラブ14、北米、欧州18、中南米20か国を含む出席がございました。
 その概要ですが、もともとユネスコ本部としては加盟国協議での議論を基にGAP後継枠組案を大幅に変えるということよりも、この会合を通じてユネスコ本部自身が気付いた不足箇所を加筆し、内容はそのままで更に読み手に分かりやすい構成へ変更するというものを意図しておりました。特に議論になったのが、先ほど御説明したGAPの後継枠組の名称についてでございます。これが当時のポジションペーパーでは先ほども御説明したとおり、ESDGs Programme(Education for Sustainable Development Goals Programme)というようになっておったのですが、この加盟国協議の場で、参加した加盟国より「ESD自体はGAP後になっても変わるものではない継続性があるものなので、ESDGsといったGAPと異なる名称にすべきではないのではないか。」「GAPから引き続きESDについて活動するため、新しい名を付ける必要はない。ようやくGAPが根付いた国には、新しい名称は混乱を招く」というコメントが多かったことから、この名称についてユネスコ本部としては、とりあえず現行のGAPという名称はそのまま残した上で、サブタイトルで補う方向で加筆修正を予定しているということでございまして、これについては現在のところペンディングという扱いになっております。GAP後継枠組案の今後の予定については、その時に発表がございましたが、先ほど説明したような動きになっております。
 その裏面以降では、この加盟国協議の場で各地域グループ、アジア、アフリカ、北米、中南米といった地域グループごとに集まってディスカッションいたしまして、その地域グループごとにいろいろな意見が出たものを項目ごとにまとめたものでございますので、御参考までに掲載しております。
 次に、本日御議論いただくたたき台として作成した資料2-6でございますけれども、先ほど御説明したESDのためのグローバル・アクション・プログラム後のポジションペーパーに対して、日本は意見出しする際に、日本として強調すべき意見として、例えば以下の点が考えられるのではないかということで、事務局の方で案を作成しております。これは現在の日本のESDの実施状況、推進状況を踏まえて、今後どうしていくべきかということを日本として発信するという観点から書いたものでございますけれども、一つは、地域コミュニティにおけるESDの役割の重要性ということで、地方自治体やNGO、ユース、民間セクター等と協力したESDを通じた地域の活性化などが重要ではないかということ。
 また、新たな指導方法や学習内容の革新と教員養成ということで、アクティブラーニングであるとか、問題解決型の学習、ICTやAIを活用した教育コンテンツの開発やプラットフォームの形成、STEM教育、革新的な指導が可能な教員養成、こういったものが重視されるべきではないか。
 対立する価値に関するESDの取組ということで、経済発展と持続可能な発展、生産と消費、貧困と格差、非暴力といじめ、ジェンダー、LGBTなど。
 ESDへの理解向上として、グッドプラクティスの収集、ネットワーキング及び日本/ユネスコESD賞の継続など。
 外部資金獲得への努力ということで、官民連携、世界銀行やアジア開発銀行など資金調達のための組織との連携。
 それからモニタリングとPDCAサイクル。GAPの反省を踏まえて、2030年にSDGターゲット4.7の目標を確実に達成すること。
 こういった意見を出していくことが考えられるかということで作成いたしましたが、これについて委員の皆様の御意見を頂ければ幸いに存じます。
 なお、資料2-7については、昨年、本小委員会から出されたESDの更なる推進に向けてのメッセージでございますが、ここにESDとSDGsの関係について、本小委員会として整理したものでございますので、御参考に付けさせていただきました。
 以上で御説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  小林国際戦略企画官から御丁寧に御説明いただきました。ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただきましたポスト-グローバル・アクション・プログラム、post-GAPに向けてということについて、日本として強調すべき意見案も、今事務局の方でお示しいただきましたけれども、是非委員の皆様からポジションペーパーの内容を踏まえ、御意見や御提案、あるいは御質問等、活発な議論をお願いできればと思います。どなたからでも結構でございますが、いかがでございますか。
 では、吉田委員、よろしくお願いいたします。
【吉田委員】  今、御紹介いただいたpost-GAPの、あとポジションペーパーからつながって、日本として強調すべき意見ということで御説明いただいたところに関してですけれども、幾つか瑣末なところもあるのですけれども、まず、GAP後のポジションペーパーとして、新しくアクションプランを作るときに、10年間という期間を一度に設定して、その活動計画にするというのは、あらかじめ見直しを前提とするというような設定がないと、やや先行き不透明な状況に対応が難しくなりかねないのではないかという印象を持ちました。
 それから、GAPの2017年に行われた中間評価で指摘されて、まとめていただいている二つのネットワークメカニズム、それから加盟国政府というところなのですけれども、資金調達とか共同プロジェクトの開発が不十分であるということで、これはいずれも非常に重要な指摘だと思います。それで、資金調達については、どのように対応するのかということは、新しい案の中で触れられてはいるのですけれども、弱いのではないかという気がいたします。
 具体的にどのような形での資金調達を誰が行うのかという、そのようなところが、グローバルにハーモナイズされたような資金調達の仕組みになっていないと、どこか一部が頑張っても、グローバル全体として資金調達を確保することにならない。そのようなグローバルでの動きの部分と、各加盟国政府レベルで行うものというところの整合性がどこかで担保される必要があるのではないかと思いました。
 それから、ここでうたわれている共同プロジェクトは、私は不案内で、その意図がよく分からないのですけれども、共同プロジェクトということは、教育分野でこれまでESDとして行われてきたときの関係者の中で共同という意味なのか、それと、これまでなかったような新しいプレーヤーとの共同のプロジェクト、その両方の意味があり得るように、ここだけからだと印象を持ちまして、実はその両方とも非常に重要ではないかと思った次第です。
 それを踏まえて、先ほど御提示いただいた、日本として強調すべき点ということになりますと、そのような私の印象にも対応いただけるような案になっているかとは思います。外部資金の獲得への努力ということで特記されています。
 ただ、あともう一つ、先ほどのポジションペーパーの説明の中で、ユネスコに求められる取組の提言案というものが5ポツ目にあるのですけれども、国家規模のイニシアチブを支援するためのプログラムの立ち上げは、日本の場合、特にどういったものを想定して、それをアピールしていくのか。先ほどの共同プロジェクトというものの性格の明確化ということとも関わってくるのかと思いました。
 あと、私もこの7月のバンコクでの会合に陪席させていただきましたけれども、新しくESDGsというような言葉を設けると、ようやく定着してきた実施環境が、また混乱を来しかねないということで、相当強調されて、そういった混乱は避けるべきであるということがありましたので、私もそれについては同感しているところです。
 以上です。
【杉村委員長】  ありがとうございました。今、吉田委員の方から4点挙げていただいたかと思います。ポジションペーパーに関する内容を踏まえて、どのような提言がよろしいかということで、ネットワークメカニズムのあたりにつき、資金調達の課題が少し脆弱ではないのか、日本の提言案にも盛り込んであるものの、どうやってフィージビリティを出していくかというところが非常に大事だという御指摘であったかと思います。
 あと、共同プロジェクトの意味等についても御指摘いただいたかと思いますけれども、他にもいかがでございますか。今のことに関連してでも結構ですし、あるいはまた違った視点からでもと思いますけれども、いかがでございますか。
 野村委員、お願いいたします。
【野村委員】  まず資料2-2で御説明いただいたポジションペーパーで、このようなことに取り組むといいのではないかと思ったことが、資料2-6の提言案でまとめられていて、すばらしいまとめだと思います。それに補足した方がいいと思うことが、資料2-6の日本として強調すべき意見のところです。2の教育を行う上での教員の養成というのは非常に重要だと思いまして、こちらに書かれているとおり、育成をする仕組みが必要で、更に育成をした後には、知のシェアリングといいますか、どのようにノウハウを共有して情報を共有していくかというところまで視野に入れた方がいいかと思いました。
 それと若干重なりますが、4番のESDへの理解向上について。これはグッドプラクティスを収集するだけではなくて、それをいかに発信するが大事だと思いますので、その発信方法まで少し具体的なイメージを持った方がよいのではないかと思います。日本ユネスコESD賞の認知度をさらに高めるということも含めて考えることが必要かと思いました。
 それから、吉田委員からもございましたように、GAPとESDGsの言葉の整理です。ESDの理解度、認知度を高めていくとなったときに、初めてこの言葉に触れる人は、1年前の議論にもあったと思うのですけれど、GAPとESDとSDGsが、どこが違うのか必ずここで引っ掛かってしまうところだと思います。長年GAPと取り組んでいらっしゃった方からは、変えない方がいいという御意見が出るのはごもっともだと思うのですが、初めて触れる人に対してどのように説明していくかというのは、これからも重要なポイントになるかと思っております。
 以上です。
【杉村委員長】  ありがとうございました。
 及川委員、どうぞ続けてお願いします。
【及川委員】  今の御発言に関連してなのですけれど、私も同じような文脈で考えているところなのですが、国連の10年が終わってGAPが出てきたときに、国連の10年の取組、国際の実施計画とGAPはかなりの転換があったような気がするのです。それは名称もがらっと変わったというのもありますし、GAPというのはあくまでESDを推進するための施策だったり、フレームワークだったり、ステークホルダーごとのミッションであったり、そのようなものを体系化した推進施策なのです。
 つまり私が言いたいのは、GAPというような枠組というのは、はっきり申し上げてESDでなくても、ほかのものであっても汎用できるようなものである。それはいい面もあるであろうし、ESDとGAPという二段構えになってしまったというところもあろうかと思うのです。
 今回SDGsが出てきて、現場、教育界も、あるいは地域の方でもESDとSDGsは一体どこが違うのかというような混乱であるとか、どのような関係性があるのかというようなことは、よく聞かれるところでありますし、だから我々、教育小委員会としてもメッセージを出したわけです。
 SDGsは、その中で皆さんおっしゃるように、SDの部分を国際的に整理した目標であると。今後のESDは、持続可能な開発目標の達成に資する、そのようなESDであり、教育であるというのが、多分一般に受け入れやすい一つの説明であろうというように思うのです。
 そのような意味で、GAPもそもそも5年ということで始めたプログラムですので、今回提案されたESDGsがただなじみがないとか、そのようなことでGAPを継続すべきというのは、論拠に余り説得力がないかと私は思いますし、SDGsという非常に国際的に整理されたグローバル目標としての持続可能な世界、持続可能な社会の一つの羅針盤が出てきた以上は、それに向けてESDが貢献していくという流れの方が、内容的にも、ESDの方向的にも、単なる推進的な施策ではなくて、方向的にも私は全世界で今までやってきた人にとっても、これからやる人にも受け入れやすいのかと思いますし、地域で推進している人にも勇気を与えるものであろうと思うのです。
 そのような観点で、私はむしろユネスコ本部の出された原案、すなわちESDGsプログラムの方が、個人的には賛成な部分で、その中でGAPの成果なり課題を、そこに溶かし込むというか、継承する形でそれを進めていくという形が、むしろいいのではないか。だからテーマとサブテーマが逆ではないかと思うのですが、いかがなものですか。
 以上です。
【杉村委員長】  ありがとうございました。ちょうど先ほど小林戦略企画官の方からも、資料2-7のところで、昨年教育小委員会にて、今言ったESDとSDGsの議論を、関係性を明確にしようということで発進したものとの御説明がありました。ただ今、野村委員、及川委員にそれぞれ言っていただいた二つの関係性は、そちらの紙の方にもきっちりと明示されています。昨年のこちらの委員会での議論は、SDGsを推進するためにESDというのは基盤になっているものなのだということをメッセージとして発信したわけですが、そのことを踏まえて、是非今の御意見に続けて、いかがでございますか。
 一つ確認ですが、先ほどの小林戦略企画官の資料の御説明によると、ユネスコ本部は現行のGAPはそのまま残して、サブタイトルで補う方向で、今加筆修正をする予定であると先ほど御説明がございましたけれども。
【小林国際戦略企画官】  それは、私もバンコクの協議に参加していて、その会議の場で、そのような説明があったということでございますので、それを受けて今、ユネスコ本部の方で検討しているところと理解しております。
【杉村委員長】  なるほど。分かりました。そうしますと、及川先生の御意見など、今のことをまとめますと。
【及川委員】  私が最後に言ったように、ユネスコ側の妥協案といいますか、折衷案の部分のタイトルの順番が逆ではないか。
【杉村委員長】  つまりESDの方を先に出す。
【及川委員】  ESDの次期のプログラムですから。だから多分10年という長いスパンを設けたのも、SDGsを意識してのことかと私は個人的には思っておりまして、そこで途中で見直しが当然入ったりすることはあり得るでしょうけれども、SDGsが2030年までですので、それに向けてのある程度のスパンを取りながら、ESDを通じたSDGs、ゴール4だけではなくて17全てにESDが貢献するというような一つの流れを世界中で、もちろん日本でも生み出せればいいなと思います。
【吉田委員】  今の関連で、バンコクでの会議の私の印象は、GAPを残すというよりは、ESDGsという新しい概念を旗印にするというのは混乱を招くという、そちらの方への懸念が大きかったことだと思います。
 したがって、GAPを残すというのが、まず議論の中にあったということではなくて、新しいコンセプトを標榜するよりは、今あるものを強化していくという枠組にするという、そのような趣旨が伝わるような表現にしたいという、そのようなことの中で触れられたことかと私は理解していますので、及川委員のおっしゃったような趣旨を日本として述べることは全く支障があるわけではない。
 それとESDのままだと、Education for Sustainable Developmentなのですけれど、ESDGsとすると、枠組化されたSDGsに対して教育が何をするべきかという、そのような議論になりますので、今後、もし、そのような議論を重ねてする機会があれば、それはどちらがよりふさわしいのかと。SDGsという方が明確であるといえる部分と、Sustainable Developmentというのは、それだけとも言い切れない、より広範なイシューも持っているのだということを表現したいのであればESDのままというのが一番すんなりいきますという、そのような意見もそれぞれ可能かとは思います。それをここで議論ということではないにしても、もし新しい表題を付けるのであればといった際に、SDGsのための教育というように名前を付けるとすると、その点、注意が必要かと思います。
【杉村委員長】  ありがとうございます。
【及川委員】  おっしゃる二つの考え方、もっともだと、そのとおりだと思います。そのように実際にESDをやる方々というのも、二つに分かれているというのも承知の上なのですが、ただ、ESDが国連の10年、それからGAPで5年、プラス5年で15年やられてきているわけですが、Educationの部分の教育の質の向上についてはいろいろと実践が積み重なり、議論が深まり、それが新学習指導要領のアクティブラーニングとかカリキュラム・マネジメントにもつながり、相乗効果で非常に高まってきていると思うのです。
 一方、SDの方はどうかといった場合に、SDが非常に広い概念でいろいろなアプローチがあり、多様であり、いろいろあり過ぎるがゆえにSDがぼやっとして、ESDそのものが全体がぼやけているというような、ここ15年の指摘もあるわけです。
 そのように考えたときに、より皆さんでシャープにフォーカスを当てて、優先順位をある程度決めて、そうしてESDを取り組んでいく、共通土俵をある程度作っていくというようなことに関しては、SDGsというものが非常にESDの焦点化、あるいは共通土俵、プラットフォームを作るのには非常に有効ではないのだろうか。
 むしろそれをばらばらにすることが、逆に今後のESDの先行きを危うくしたり、あるいはESDがSDGsに飲み込まれてしまったりして、結局存在意義を見失ってしまうということにならないかということもあるわけです。
 ですから、まずもって、このプログラムは永遠に続くということではありません。とするならば、10年、あるいは5年なり10年、まずこの17の目標をしっかり見据えて、それに向けてESDをやっていこうではないかと。それをしないと地球の存亡が危ういというようなことがSDGsには出てきているわけですから、喫緊の課題として、優先順位として、それ以外にもあるのだけれども、そこの部分をまずみんなで共通に取り組んでいくということを意識しましょうというようなことでよろしいのではないかと私は思います。
【杉村委員長】  他にはいかがですか。今、ちょうど焦点化されているのは、名称を巡ってというよりは、むしろESDとSDGsの関係性。あるいはGAPという一つの概念を巡っての、今後5年から10年をかけてのスパンの中で、どのように日本として考えていくべきかという点かと思いますけれども、いかがでございますか。
【日比谷委員】  一つよろしいですか。今、この資料2-3をざっと読んでみたのですが、まとめてくださった資料2-2の3番ですか、GAP後で重視されるべき改善点の最初のところ、行動の変革というところで、公教育だけでは不十分でノンフォーマル教育も必要とまとめられているところでございますが、この話は資料2-3、4ページの4.4のところに出てくるところをまとめてくださったのかと思います。その後、4.5、6、7などを読んでいきますと、コミュニティというのが非常に重要であって、そこで、学校を通した教育というようなことだけではなくて、様々なレベルのコミュニティで一生を通じて教育というよりはラーニングと書いてあるので、学習をしていくことが重要だというようなことも書かれているかと思うのですが、資料2-6を拝見しますと、1のところが割と地域コミュニティというような物理的なコミュニティにフォーカスが当たっていて、2番のところは割に公教育に着目した書きぶりになっていると思うのですけれども、バーチャルなコミュニティも大事だというようなことも書かれているので、その辺のことをもう少し日本としてノンフォーマルとかインフォーマルな教育を、これからどのように考え、例えば世代を超えたコミュニティをどのように作っていくかとか、そのあたりのことを少し考えてみるとよいのかと、今思ったところです。
【杉村委員長】  ありがとうございます。一つ大きなアイデアを頂いたような気がいたします。つまりESDとSDGsの関係性ということをいろいろな形で捉えていくときに、ポジションペーパーの原文に即した形でコミュニティということをどのように捉えるか、またノンフォーマルとフォーマルな、公教育と、そうではないコミュニティベースの教育。しかし、そのコミュニティも単なる地域コミュニティというような形だけではないのではないか、その点が大事なのではないかという日比谷委員の御指摘だったかと思います。
 ありがとうございます。是非その辺も踏まえて、あるいは御経験や御知見から御意見はいかがですか。
 では、秋永委員、是非お願いします。
【秋永委員】  資料2-6の5番に関してなのですけれども、よろしいですか。
【杉村委員長】  では、5番の方も御意見を頂きますが、後でまた戻りたいと思います。今のコミュニティに関して先に何か御意見ある方、他にいらっしゃいますか。
【池原文部科学戦略官】  私は4月のコスタリカでのGAPキーパートナー会合に参加をしたのですが、日比谷先生がおっしゃっているように、コミュニティとユースがこれからのESDや世界にとっての非常に重要であり鍵になるということは、盛んにいわれていまして、その点がこのポジションペーパーの中にも含まれております。
 もう一つは、先ほど吉田先生からもありましたが、特に印象深かったのは、マイクロソフト、グーグル、AI等のICT分野では、従来型の教育界を超えて民間セクターとさらに連携をし、ネットワーキングやビッグデータ等を使って教育をするべきだということを、特に先進国の出席者の方がかなりおっしゃっていました。そのようなことを念頭に置いて、資料2-6の1番と2番は書いたつもりなのですが、私どもも従来型の概念に洗脳されているものですからなかなかそこまで触れておりませんでした。
 問題意識としては、日比谷先生から御発言にありましたように、ポジションペーパーの中にはそのようなことが色濃く反映されたポジションペーパーになっているということは御紹介させていただきます。
【杉村委員長】  ありがとうございます。済みません、秋永委員、お待ちいただいていて。
 他にもコミュニティや、あるいは今の話は、どちらかというと今度は教育の中身そのもの、取組の舞台であるとか、あるいは取組の内容にも関わってくるのかという気がいたしますけれども、この点について、先に何か関連の御意見ある委員はいらっしゃいますか。
【古賀委員】  質問してもよろしいでしょうか。私は埒外なので、ESDにおけるEducationの意味を御教示いただけますか。特にESDというコンセプトを創られた時には、Educationは学校教育を指していたのでしょうか。
【杉村委員長】  この点についてはいかがですか。及川先生、何か御意見がありますか。
【及川委員】  別に公教育に限ったことではないと思います。ノンフォーマル、インフォーマル含めてESDの意義でありますし、ちなみに参考までに国連大学がRCEというESDの地域の拠点を作ったときにも、フォーマル、インフォーマル、ノンフォーマルの連携、縦横斜めの連携を構築するということで行っております。
 ただ、その中でも公教育という部分は非常に大きいので、公教育のナショナルカリキュラムの中に、このESDの理念、先ほどもそのようなことがGAPの1、政策的な支援のところで出ていましたけれど、教育とか国家の施策の中にESD的な概念も入れることということで、新学習指導要領の前文と総則に持続可能な社会の創り手というように入ったのは、日本としてはESDの理念が十数年掛かって入ってきたということだと評価できます。
 でも、あくまでもESDは教育の全ての部分も入ります。教育というより、人作り、人材育成というように捉えた方がよろしいかと思っています。
【古賀委員】  素人目で意見を言わせていただきます。ESDは日本発、日本で始まって、世界で取り入れられた事業です。ESDから10年、GAPから5年が経過しており、これからのESDの在り方を考えるにあたってはEducationをもう少し広い概念で捉える必要があるのではないでしょうか。地域を広げるというのも一案です。また、企業セクター含めた民の領域においても教育は行われておりますので、教育=学校教育だけではないという、概念が定着しないといけないと感じております。そのような意味において、ESDのSD部分が示す持続的成長が重要だと思います。当初は、持続的成長の意味を理解できておりませんでしたが、何年間携わるうちに理解が進んで参りました。
 国連で2015年から提唱されているSDGsは、もう少し大きな潮流として、これから10年以上に渡り世界で提唱される概念です。割り切って考えれば、表現はは異なりますが、SDGsが定めたゴールを達成するための広い意味の教育を、ESDの枠組で実行していくと整理する方が、世の中からも理解されやすいのではないでしょうか。
【杉村委員長】  包括的な御意見をありがとうございます。安西先生、今の御意見関連していかがでしょうか。
【安西委員】  今の古賀委員のおっしゃったことは、及川委員の言われるとおりで、学校教育に限っているということはないと思います。あと、私がユネスコ国内委員会に参加した当時、ESDの活動とは何かということを、相当議論をこのようなところでやっておられまして、そのときの議論はユネスコ活動、特にユネスコスクールの活動とESDの活動がどのように違うのかという議論が随分やられまして、それはパンフレットも作ったり、いろいろなことをやった経緯があります。
 それから、ESDはおっしゃるとおり日本発の事業でありますけれども、それに対して個人的な見方では、ある意味ESDが流れているにもかかわらず、ESDをどうしようかという議論と、ある意味別にSDGsの概念を国連がいろいろ議論して出してきたという感覚です。国連というのはいろいろなステークホルダーがいて、それほど簡単なところではないというように見ておりますけれども、そのような中でSDGsということが取り上げられるようになり、では、その日本発の事業を、SDGsというものが出てきた中で一体どのように続けていこうかという議論をやっているということなのです。
 ですから残っていく道としては、SDGs全体をにらんでESDを位置付けていくというのは、ある意味、常識的な方向ではないかと思います。
 ただ一方で、答えはないのですけれど、ESDを一生懸命やってこられた、特に学校関係者がたくさんおられるのです。そのような方から見ますと、いきなりSDGsに変わってしまったのかというように取られる面が以前結構ありまして、そこのところをうまく統合していくことは、教育小委員会として、マネジメントとしては大事なことではないかと思います。
 答えはなくて恐縮ですけれども。
【杉村委員長】  ありがとうございました。これまでの議論の経緯を踏まえるのも。
【安西委員】  SDGs、SDGsとおっしゃっている方々は、語弊があるかもしれませんが、日本国内でもESDのことを詳しく御存知ではない方が多いのです。そこは我々としては注意すべきことだと思います。
【杉村委員長】  今までの議論の経緯を踏まえての御発言、ありがとうございます。
【安西委員】  今までユネスコスクール等でも一生懸命やってこられた方々がESDを推進してこられてきたので、そのような方々がきちんとこれからもSDGsを含めて、ある意味、リードしていっていただきたいと思いますので、全体的には草の根活動ですから、みんなでやるものなので、そのようにうまいマネジメントをとっていただきたいということです。
【杉村委員長】  先生、ありがとうございました。これまでの御議論を踏まえての御発言でした。
 今のことに関連しまして、更に御意見や補足がある委員はいらっしゃいますか。
【及川委員】  いいですか。安西先生、非常にすばらしくまとめていただいたので、それを可視化するために、今日、資料として入れてもらった小委員会のメッセージの資料がありました。あそこに図が載っていますけれども。
【杉村委員長】  資料2-7の資料を御覧いただければと思います。
【及川委員】  ここに○○教育の真ん中にESDがあると、国連の10年の間はそのようなものを使って説明してたのです。ところが、その下の図に両矢印で、下にSDGsのゴール4が真ん中に入って、質の高い教育をみんなにという、この教育がSDGsの17の目標全ての達成に貢献するし、全て目標はこの教育に期待しているというような文面がよく紹介されますけれども、このゴール4の鉛筆と本のアイコンですけれど、ここに安西先生がおっしゃる今までESDを一生懸命やってきた方が、先生であったり、学校であったり、そのような方が入っている。中枢に入ってESDを進めることによって、周りの達成に貢献しているというような曼荼羅ではないですけれども、そのような意識で捉えて励ますということが、多分必要なのだと思います。全く別物ではなくて、今までの取組を更に価値付けしたり、世界の課題と結び付けてあげるということが多分非常に重要なポイントだと思いますし、学校を回ったり、全国の教育委員会を回ったときにも、そのようなことで一生懸命やっている先生方が納得されるということがあるかと思うのです。
【杉村委員長】  たしか、この図は去年も教育小委員会で皆さんが、この絵をどのように描こうかというので、いろいろ御議論いただいたのを思い出しております。
 また、先ほどの日比谷先生の御指摘につなげさせていただくと、鉛筆と本が書いてあるのですけれど、それが単に学校教育のフォーマルだけではなくて、ノンフォーマルとかインフォーマルとかを意味し、それから今ですと今日の日本のやっていく強調すべき意見の中にも盛り込んでいただいていますが、AIとか遠隔教育などを使った新しい場の空間とか学びの空間を演出していったりする話も、出てきています。これはESDの10年が始まった頃にはなかった新しい動きとして、学びのコミュニティをどのように作っていくかという部分になってくるのかという気がいたします。
 ありがとうございます。ということで、先ほど御発言を待っていただいた秋永先生の方に今度はお願いいたします。外部資金のところについて御意見あるように伺いました。果たしてそのような方向性を今度はどう担保していくかというフィージビリティの話ですが、資金と人はとても大事な問題になってまいります。きっとその御指摘かと思いますが、よろしければ御発言をお願いいたします。
【秋永委員】  ありがとうございます。今まで先生方のお話を伺って、多分コミュニティというのは確実に出来つつあるものだと思います。一部ユースの立場から、学校現場の立場から発言をさせていただきたいのですけれども、物理的にも、そしてバーチャルでも、SDGsに関して何かやりたい、若しくはやろうとしている先生方やユースのネットワーク、若しくはつながりというのは確実に出来つつある。
 ただ、なぜ5番について挙手したかといいますと、そこに対して資金を獲得した上で、どのように付けていくか、どのように使っていくかというところの議論もすごく大切なのではないかと思うのです。というのも、既にESD賞というのが日本で始まっていて、大きな取組に対する表彰というのは、多分日本として進んでいるので、日本として強調すべき点としては、その実績をアピールするとともに、先ほど安西先生もおっしゃったのですが、草の根的活動にもっと細かく、少額でもいいので、小さいところにもっと資金を出していくことが必要なのではないかと思いました。
 なぜならば、例えば学校現場でも実際SDGsが重要だといわれていると。ある理科や社会の先生が一緒になって学内で勉強会を開いたり、17のゴールについて自分の地域の課題を調べてもらって、生徒が実際これをやりたいとか作りたい、これについて調べたいと思ったときに、その試薬であったり教材を買う資金ですら学校にはない。仮にあったとしても、どのように使ったらいいか、若しくは企業と連携したいと思っても、どのような企業が一緒にそれをやってくれるのかが分からないといったことを現場ではよく聞くのです。
 ですから、こういったESDの取組から生まれてくるアイデアやグループ、若しくは人に対して研究開発であったり、そこから生まれる事業にしっかり小さく裾野広く投資してあげるということが、獲得する資金の先の使い道としてすごく重要なのではないかと思います。
 実際、私は最近は会議もすごく御無沙汰していたのですが、アジア、シンガポール、マレーシアと行き来する中で、シンガポールは結構国が限られた分野に大きな予算を付けて研究開発の、ある意味、幅を狭めて、そこに特化した教育や施策を打っている。
 ただ一方で、日本は昔からすぐ目の前の利益にならなくとも長い時間、20年、30年先の未来を見据えて幅広い分野で研究開発や教育を進めてきた、草の根的教育を積み上げてきたすばらしい国だと、アジアと比較しても思うので、そのような背景から、例えばESD賞をユースの視点でいえば、もっと子供たちや学校の取組に細かく細やかに、彼らが応募しやすいような仕組みというのを、例えば4や5のあたりで作っていけたらいいのではないかと思います。
 以上です。
【杉村委員長】  ありがとうございました。今後、それをどのように実行していくかという部分で裾野を広く、草の根的にサポートをというような御意見だったかと思いますが、いかがでございますか。
【安西委員】  この資料2-7で、少しだけ気になるのは、これはもう決まったものなのでしょうか。
【杉村委員長】  去年、これをメッセージとして教育小委員会から、前の見上先生のときに。
【小林国際戦略企画官】  作成し、決定いたしました。
【安西委員】  一応申し上げておくと、教育というのはSDGsの17項目ですか、それに貢献していくというのは、そのとおりなのですけれども、資料2-7の1、SDGsの達成に貢献するESDといわれると、SDGsの達成が目的のような。済みません、個人的な日本語の印象で、ESDがSDGsの達成に貢献するといわれれば、そうだろうなと思うのですけれど、達成に貢献するESDといわれると、どこが作った目標に対して、これから貢献していくのだというように、そのように映ってしまうと、教育活動をやっておられる方々は御自分たちが目標を持って、ESDにしても、ある意味、抽象的な目標で、ESDというのは自分たちそれぞれ何をやっていいか分からないわけなのです。その中で、自分たちで目標を見付けて学校ごとにとか、先生方それぞれこのようなことをやっていこうということを作りながらやってきたわけです。それは非常に貴重なことで、それに対して、むしろ国連側はこのような目標を打ち出しましたよと、だからESDはそれに貢献してくるのですと言われると、ずれるかという感じを持ちます。
【古賀委員】  多分安西先生の真逆で、余り関わっていない立場で言うと、ESDといったときのSustainable Developmentとは何だろうとずっと思うのですけれど、実は余り分解的にできない概念だと思うのです。だけれども教育現場では知恵を絞って何が一番必要なのだろうかとされてきたのが、多分今までの活動だと思うのです。
 国連はそれとは全く関係なく、人類にとってのSustainable Developmentのゴールは何だろうかと抽出したのが、この17のゴールだと思うのです。どのように考えても対立する概念ではない。むしろぶわっとしたのを総括的に全部まとめてくれたのがSDGsだと考えるのが普通の人の感覚だろうと思うのです。
 だから確かに先生がおっしゃるように、教育現場で今までしてきたことが、これだと言われてしまうと、そのように分かっているなら初めから教えてくれよというような話で、分からないけれどSustainable Developmentとして観念的に捉え、現場ではこうだとしてこられたのはそうでしょうが、だから余り違うことを言っているわけではないと思いますけれど、現場の方も、我々がしてきたことは国連も考えても、全部出してもこれなのだというぐらいの捉え方の方がいいのではないかという気もするのですけれど、全く素人目の考えですけれど。
【及川委員】  オリジン、すなわち起源は同じだと思うのです。ESDはもともとユネスコがいったものではなくて、国連で決めたものであり、それをリードエージェンシーとしてユネスコに預けたというか、推進を預けたというものです。もともとはSDとは何ぞやというところから始まって、ブルントラント委員会でいろいろ議論して、それで、その実現のためにはEducation、すなわち人材育成、人づくりが重要だということでアジェンダ21のドキュメントが明らかになり、2002年に日本から、世界でESDをやりましょうというようなアクションの経緯なので、もともとのSDの部分は、実は根っこは同じだと思うのです。それを包括的にESDでやってきた部分と、今回国連がそれをしっかりブレークダウンして17の目標に分けた部分なので、むしろその二つの流れが現場で混乱することが一番私は心配していることであって、それが実は一緒の根っこから来ているもので、皆さんもやっているESDというのは、実はグローバル目標としてもきちっとつながるものです。
 コミュニティの話をしましたけれど、地域の身近な取組をコミュニティで地域の課題に向き合いながら、いろいろな方々と手を携えながら、自然に寄り添いながらやってきた部分が、結果的にはSDGsのゴールに全てはまるとは言い切れませんが、このような目標のどれかにつながっていく。
 ですから、グローカルな取組として皆さんのやっていることは、非常に地域のことを見ながら地球課題のことを解決に貢献しているのですというような感じに見てもらうといいのかと思います。
【杉村委員長】  吉田先生、先ほど手を挙げてくださっていました。いかがですか。
【吉田委員】  恐らく集約し切れない議論があるのには理由があって、それは非常に妥当、かつ、注意しなければいけない状況なのだと思います。というのは、ESDは間違いなく日本が中心になって、国連で採択されて、それを受けてユネスコが国連ESDの10年と。ユネスコのではなくて、国連のということでやってきたという経緯があるわけです。
 この資料2-7のような、このような図は非常に分かりやすいですし、ESDに携わってきた方々に、今までやってきたことの重要さを再認識していただく上でも非常に分かりやすいですし、私が最近ここに更に付け加えたのは、この4の真ん中にESDの言葉をゴール4の中核にあるのですというようにすると、私がユネスコの委員として参画しているステアリングコミュニティの中の議論でもそうなのですけれど、4.7というのは教育の在り方の方向性を示しているだけではなくて、SDGs全体の北極星的な位置付け。南半球の人には通じないでしょうけれど、心の支えになる、あるべき姿を指し示している、そのような位置付けなのです。
 ですからESDのほかにグローバルシチズンシップとか、カルチャーとか、いろいろな言葉が入ってきてはいますけれども、その中でも一番しっくりとくる言葉として位置付けられる。
 したがって世がSDGs時代になっても、これまで地道な活動として現地に足の付いた活動をしてきた方々の取組というのは、正にそれが一番重要であって、そのようなことがSDGsの中核として国際的にも認識されているのですと、そのような位置付けを崩す必要は全くないと思うのです。
 ただ、それを例えばこのようなユネスコ小委員会からのメッセージであったり、また今回特に議論されています、事務局で作っていただいた日本として強調すべき意見もそうなのですけれど、これを誰に向けて使うのかによって、ややもすると日本が勝手にやっているのかまたというように取られてしまっては全く意味がなくなってしまうことなのです。
 ですから、一方でずっと実践に携わってこられた一番表彰すべき方々の努力は、全くそのままでいいのですというメッセージを送り続けて、そのようなことが国際的に評価されているあかしなのですという、そのようなメッセージの部分と、それを受けながら、では国際的にどのようなメッセージとして発信するのかというとき、全く同じだと、ESDだけやっていればいいと、あの人たちは思っているのだというようになってしまうのです。それは今日の議論にも出てきましたけれども、SDGそのものがSustainable Developmentという、みんなが共有すべき喫緊の課題をゴールとしてまとめましたという美しい部分だけではなくて、MDGs時代に冷や飯を食ってきた人たちが、何とか自分たちのゴール分を入れ込みたいという熾烈な戦いの中で、ようやく出てきた、あのようなポリティカルなプロセスを経たものですから、美しいものばかりだけではないというのも、十分皆さん承知しているわけです。
 そのような中で、その中核がESDなのだというようなメッセージを一生懸命訴えると、恐らく全く説得力を持たない、逆効果にさえなりかねないと思うのです。ただし、ESDがこれまでやってきたことの大切さと、それが国際社会でも認識されているということを、どのように伝えるかという意味では、最初に言ったように、ゴール4の真ん中にESDということを入れると一目瞭然で、分かりやすいことは分かりやすいのですが、それをどのように異なるオーディエンスに訴えるかというところは、十分に注意しなければいけないと思います。
 したがって、少し戻りますけれど、日本として強調すべき意見というのを、国内委員会の教育小委員会としてどこに発する前提のものなのかということによって、言葉は同じであっても、そのトーンの置き場所が変わってくるということだと思います。
 ですから、今日お聞きしていた議論も、実は全くコンフリクトしているわけではなくて、そのようなものが今の実態なのだという中で、この小委員会としてどのようなメッセージを発するべきなのかという、非常に時宜を得た議論になっているのだと思いました。
【杉村委員長】  とても包括的に、また上手にまとめていただき、ありがとうございました。今、吉田先生から最後に御発言いただきましたけれども、正に今日の議論というのは、これまでのMDGs、ESDの10年、さらにGAPが出て、その後の、今日の議論の一番根幹になる部分に委員の先生方から貴重な御意見を頂いたように思います。
 同時に、今、誰に向けて出すメッセージかというのを示すときに、一つは安西先生がおっしゃってくださったような、これまで実践をしてきた方々を励ましたり、そこをしっかりと捉え直してあげるという部分と、それから、そうではなくて国際社会の動向を受けながら、日本が発出していくべき部分と、うまくバランスを取るべきだというのが、今、吉田先生の御意見だったかと思います。実は、この後の議題がちょうどSDGs4にある教育ということで、SDGsのゴール4です。教育のところでゴール4.7の話が出てきましたけれども、吉田先生御指摘のとおり、4.7の中にはグローバルシチズンシップだとか、それからインクルージョンだとか、エクイティーといったような言葉がふんだんに盛り込まれていて、一つの大きな指針として出されているわけですが、多分そこで出されていることは、日本のESDがこれまで非常に地道にしっかりと取り組んできたことと直結している部分なのだとも思います。
 ということで、この後の議題3の方に、これから移らせていただきたいのですけれども、それを見ていく際に、国内委員会、教育小委員会としての発出メッセージを、一枚岩的に出すのではなくて、日本の実践をサポートし、また励ましつつ、それを土台に、一方でSDGsの国際的な潮流の中での意義も捉えなおしていく、そのようなことが大事なのかと感じました。
 さらに先ほど、あと二つ論点があったように思います。それはコミュニティということやユースということですけれども、日本として強調すべき意見のところには、地域コミュニティにおけるというように書いてくださっていましたけれど、もしかしたら、これはもう少し広く、例えば学びのコミュニティとか、日比谷先生、もし、いい御表現があったら教えていただきたいのですけれど、バーチャルなものも含めての、そういったことを入れていくのも一案なのかと思います。
 ESDに即せば、もちろん各学校での実践というのは非常に大きな基盤になるわけですから、地域性というのは抜かせないと思います。同時にもう一つ、忘れてならないのは、秋永先生の方から、資金の獲得はとても大事ですけれど、それをどのように分配していくかということについて、日本がこれまでやってきたESDの実践で見られた、本当に小さな細かな心配りや長期的視野に立って発出していくようなESDへの支援、それを今度次の新しいステップでもまた生かしていくべきではないかという御意見もありましたので、そのあたりのことも含めて、今後、考えていくべきかと思います。
 済みません、まだまだ御意見も尽きないところかと思いますが、ちょうど1時間弱御議論いただきました。本日は、そのような意味で大変実り多い御意見をたくさん頂いたように思います。まだ足りない部分もあったかと思いますが、事務局からも紹介させていただきますけれども、本意見案につきまして、追加でまた御意見、御質問等ありましたら、9月3日来週月曜日までに、是非事務局の方に更なる御意見や御質問や御修正案等、頂ければと思います。
 まとめも出来ておりませんで、大変至らない司会で恐縮でございますが、このあたりで、次の議題に移らせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
【池原文部科学戦略官】  最初に御説明したように、9月の終わりぐらいからユネスコで、このポジションペーパーについてのオンライン協議が開始予定ですが、これには政府だけではなくて、個人からも意見を出せることとなっております。まずは先生方から頂いた御意見を整理し、それでまた皆様にもメール等でお返しした上で、我々の意見をオンライン協議に出していく作業がございます。
 併せて、今日頂いた御議論は、来年の春の執行委員会でこのポジションペーパーの正式の議論が行われますので、日本としてはこのようなことを取り組むべきだという意見を出すときの素材にさせていただきたいということ、そして最終的には来年の秋のユネスコ総会と国連総会での採択の際に反映ができればと考えております。
 今日は国際的な場での議論を視野に入れて御議論いただきましたが、これは必ず国内に跳ね返ってきますので、そのような意味では注意して対応していきたいと思っております。
【杉村委員長】  どうもありがとうございます。それでは、9月3日、一応の期限は設けせていただきますけれども、今池原戦略官の方からも言っていただきましたとおり、オンライン協議に乗せられたり、来年の春の執行委員会の協議に向けてもいろいろな意見交換の場につなげていくことが出来るように、是非忌憚のない御意見を引き続きお寄せいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。ありがとうございます。
 皆様から出た意見は、またそれぞれメール等でシェアしていただきながらということでよろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、充実した、また実り多い議論をありがとうございました。次の議題3の方に入らせていただきます。実は、次の議題3は、先ほど話に出ましたSDGsの今度ゴール4、教育の2030についてということでございます。このSDG4教育2030のステアリングコミティの副議長を務めておられますのが吉田委員で、最初に吉田委員の方から、この概要と経緯、それからこのSDG4、教育2030の今後の予定、課題について御説明いただければと思います。
 吉田先生、よろしくお願いいたします。
【吉田委員】  今の御紹介のとおり、私SDG-教育2030ステアリングコミティの、現在アジア太平洋地域の代表国3か国、日中韓あるのですけれども、その3か国が地域代表の委員として参加しています。それとともに、このステアリングコミティの共同副議長を仰せつかっております。
 ということで、このステアリングコミティの役割としましては、もともとはEFAステアリングコミティの後継としてではあるのですけれども、その教育の国際的な開発の枠組がダカール行動枠組からEducation2030の行動枠組、それがすなわちそのままSDG4と同じ内容を持っているということから、SDG4のグローバルな調整機構としてスタートしております。2015年のSDG4の採択以降を、このグローバルな調整機構として活躍しているものです。年2回程度の全体会合を開くのですけれども、それだけでは対応できない議論の集約、推進のために、議長、副議長を中心とした執行部が形成されています。この議長というのは加盟国からの代表と、それからユネスコのADGが2名の共同議長ということになっています。それから副議長ポストは、現在地域からの代表と、それからCSOからの代表ということで3議席あります。そのほかに四つの作業委員会ということで、レビュー、モニター、報告ワーキンググループ、政策・政略ワーキンググループ、資金ワーキンググループ、アドボカシー&コミュニケーションワーキンググループ、こういったワーキンググループを通じた活動がされています。
 その次のスライドにステアリングコミティの活動内容の例ということがございますけれども、この教育2030ステアリングコミティがSDG4のステアリングコミティでもあるということと、それから教育分野がSDGs全体に対して非常に大きな役割を期待されているということの裏合わせでもあって、国連本部からも私どものステアリングコミティに非常にアプローチがありました。こちらからも働き掛けを当然していたわけですけれども、そのようなこともあって、国連本部との連携が非常に強まっています。
 それから、実施段階に入っているSDG4としましては、実際に各国加盟国レベルでSDG4がどのように進展をしているのか、あるいは何か問題になっているのか、そのような意味でも地域レベルの実践が非常に重要になってくる。地域の取りまとめ、そして地域から出てくるインプットをグローバルな議論に集約する。そして、またそれを地域を通じて各国にフィードバックしていく、そのような役割が全体のグローバルなコーディネーションとして期待されているわけです。
 そして各国政府のSDG4の取り組み状況をモニターして課題に対応していく。資金導入について、あるいは国内の教育予算についてモニターしていく、このようなことをこれまでもしてきました。
 その中で、次のスライドですけれども、大きな期待を寄せられながらネックになっているものが、どういった指標を通じて進捗をモニターしていくのかというときに、SDGの第4目標としてグローバルな指標、グローバルに見ていくべき指標群は、国連のスタティスティカルコミッションでも、もう既に正式に合意されているものが11あるのです。ところが、その11の指標の中の実際に運用可能というように評価されているのは、まだ今のところ二つだけなのです。それ以外の九つの指標については、まだ十分運用可能な状態になっていない。配付資料2のところで、そのことが専門的な言葉を使って示されていますけれども、Tier1、Tier2、Tier3となっていて、Tier1と評価されたものは、もう使えますと。ただ、それ以外のTier2、Tier3というのは、まだ運用可能状況になっていない。これはSDGs全体の指標群の中でも、そのような2、3にカテゴライズされているものが非常にたくさんあって、それはゆゆしきことではあるのですけれども、振り返ると、そもそも指標は今あるものの指標で全てが十分モニターできるような簡単なものを追いかけているわけではない。新しく状況を捕捉する上で必要な指標を開発していくこと自体がキャパシティ・ディベロップメントにもなっている。そのようなこともあって、より適切な指標を開発していくことの重要性は認識されています。それに加えて教育分野のテーマ別指標、これはスライドの右上にもありますFramework for Actionの中に示されている教育関連のそれ以外の指標です。
 ただ、これらのグローバル指標とテーマ指標のほかに、なるべくSDG4のターゲットに対応できる現存の指標を使って、どのようなことがモニターできるか、そのようなぎりぎりの線で努力してくれているのがGlobal Education Monitoring Reportの後半部分に示されている指標です。そこには従来からいわれている就学率であったり、留年率であったり、そのようなことから最近では学業の達成度を測るための数値であったり、非常に意欲的なものも取り入れられてはいますけれども、これらは今のところ、まだグローバル指標、テーマ別指標と全く同一のものではない。それもまだ開発状況下にありながら使われているという状況です。
 あと、今後の主な活動としまして、つい直近で9月12、13日に今年度の会合がパリで行われます。最初に説明し損ねましたけれど、現行のステアリングコミティの委員の任期が2年ごとになっていますので、今回の会合は、新しい任期を始めた新しい構成員による初めての会合となります。それが意味するところは、そこでまた新しい議長を選任し、副議長を選任しという手続がありますので、これまで副議長として務めてくると、おかげさまでいろいろな情報が入ってきて、日本政府の方々とも共有できて、日本としても貢献しやすいという、そのようなところはあったのですけれども、これがそのまま続くかどうかは今のところ不透明です。
 それから2019年は、御存じの方も多いと思いますけれども、国連で毎年行っているハイレベルポリティカルフォーラムの中で、特に教育分野をはじめとした人間関係のゴール、それに13であったり、16、17であったりも入ってくるのですけれども、ゴールは4、8、10、13、16、17でしたか、記憶違いがあったらお許しください。それらのゴールについて、中心的にレビューをするという対象になっているもので、今年度も既に相当力を入れてハイレベルポリティカルフォーラムへのインプットをしようとしています。
 その一環もありまして、12月にはGlobal Education Meetingがブリュッセルで開かれます。そこでもハイレベルポリティカルフォーラムに教育分野からどのようなことを報告していくのか、何をピックアップしていくのか、そのようなことを中心に議論を進めていきます。そして2019年にそのフォーラムが開かれますということです。
 以下、今日お付けしているのは、配付資料として今年開催されているハイレベルポリティカルフォーラムへの教育分野からのインプット部分で、最終文書に載せられたものだけ抜粋したものが示されています。あと、先ほどの指標関連のものです。もし御不明な点がありましたら、どうぞ御質問をお願いします。
【杉村委員長】  吉田委員、本当にありがとうございました。これまでの御貢献とともに、また的確に情報を共有していただき、大変ありがたく思います。
 今の御説明につきまして、何か御質問や御意見等ございますか。
【吉田委員】  舌足らずでしたけれども、現在までの任期を務めていたのですけれども、日中韓は次の2年間も引き続きアジア太平洋地域の代表として務めたいという立候補をしていたところ、そのほかの国も関心表明をして、この地域の代表が決まらないという状況が半年以上ずっと続いていて、ついに9月には、ステアリングコミティを開催するに当たって正式な代表国が決まっていないのはアジア太平洋地域とラテンアメリカ地域だけなのですということで、ユネスコである事務局の方から、当面そのようなスティルメイトを解決する策として、現在の3か国は正式会員として参加してくださいと。
 ただし、12月にあるGlobal Education Meetingまでに、新しい任期としての地域代表国を改めて通知してくださいと。実際には9月中にということだったと思いますけれども、そのようなリクエストを得ながら、9月のステアリングコミティには参加するという立場になっています。
【杉村委員長】  ありがとうございます。いろいろと御尽力いただいていることと思いまして、お礼申し上げます。ありがとうございました。
 では、ただいまのステアリングコミティについての御説明につきましては、御意見、御質問等よろしいですか。
 吉田先生、ありがとうございます。近々御出張もいただくと思います。どうぞ引き続きよろしくお願いをいたします。
 そうしましたら、最後の議題になりますが、日本ユネスコ国内委員会による教材の作成についてということで、最初に事務局の方から御説明を頂きたいと思います。それでは、徳留専門官の方からお願いできますか。ありがとうございます。
【徳留専門官】  それでは資料4を御覧いただければと思いますが、その前に、まず簡単に、今回このような御提案をする背景を御説明差し上げたいと思います。平成30年、本年の2月9日に開催されました運営小委員会の中で、委員の先生方から御提案をいただいたところですが、その背景としては二つありまして、一つは、ユネスコ国内委員会として、日本全国に何か国内委員会の活動として見せられるようなものがないかという広報的な観点ということと、あともう一つは、2020年からセンター入試も変わり、また学習指導要領が変わっていくなど、日本の教育が大きく変わっていく中で、国内委員会が副教材を作成して、全国で使われるようになるということは、教育に対して大きな意義を持つのではないかということから御提案を頂いたため、国内委員会として教材を作成することを、今検討しているところでございます。
 その中で、一つは英語に関する副教材を作ってはどうかというような話や、日本ユネスコ国内委員会ということで、SDGsで取り扱われている観点を入れるというような様々な御意見を頂いた上で、今回このような形で、とりあえず事務局の案としてまとめさせていただきました。
 目的といたしましては、SDGsの内容理解の促進を図るために、主に高校の総合的な探究の時間において使用できるSDGsに関する教材を開発するということで、例えば、生物多様性や気候変動、あるいは環境とエネルギー、情報通信等の幾つかSDGsの目標に関する科学的観点を理解する。それで、なおかつそのような課題を深掘りできる教材としてはどうかと。
 また、併せてそれを英語で学ぶ。例えば英語と日本語の両文を書くとか、あるいは英語の文章を掲載して、それを読めるような形にするとか、様々な方法はあるかと思いますけれども、英語を使った教材を作成することによって、英語力の向上にも資するようなものを今検討しているところでございます。
 作成のスケジュールにつきましては、事務局としては前の教育小委員会の委員長でございました、見上一幸前宮城教育大学長を中心にESD及びSDGsの専門家、あるいは文部科学省の視学官、学校の教員等の有識者に意見を聴取した上で、教材の試作品を作成した上で、来年度以降でパイロット的に教材を使用していただく。また、教員向けの指導案を作成するような形で、実際にどのような形で教材が活用できるかということを検討した上で、最終的に教材を改良いたしまして、日本ユネスコ国内委員会の名義で各学校、特に今ユネスコスクールが、高校のユネスコスクールだけで中高一貫と高校合わせて200校近くございますので、その学校を中心に教材を配付いたしまして、そこで実際に使っていただくというような形で進めさせていただければと思っております。
 こちらはまだ案という段階でございますので、皆さんの御意見も伺いつつ、また、関係者の方の意見を踏まえまして進めていきたいと考えているところです。
 以上です。
【杉村委員長】  ありがとうございました。新しい教材の作成についてということで、案を御説明いただきました。運営小委員会の方で議事をいつも担ってくださる安西先生に、よろしかったら一言、是非御発言を頂戴できればと思いますが、よろしくお願いいたします。
【安西委員】  私が申すまでもないと思いますけれど、この件は運営小委員会の方で議論になりまして始まったものでございます。私の理解としては、3匹ぐらいウサギを一遍に追う方法がないかと思って考えた結果が、これでありまして、一つは、先ほどからありますSDGs、非常に広範な、でも、これから重要な、そのようなテーマを一体どうやってこれからの時代の人たちが自分で考えるようになっていくのか、非常に大きなテーマが一つであります。
 それからもう一つは、その中でユネスコとは別ですけれども、中央教育審議会とか、そのようなところで、特に高等学校の学習指導要領が2022年度から変わりますけれども、小学校は再来年変わりますけれども、社会に開かれた教育課程というキャッチフレーズになっておりまして、例えば総合的な学習の時間が総合的な探究の時間というように名前は一応変わっていくとか、科目も変わっていく、入試も変わっていくということが起こっていきます。特に英語の4技能の教育が、もう既に来年の高等学校での学びの基礎診断といいますけれども、そこに来年度から入ってくることになっております。そのような流れが一方である。
 それから、もう一つのウサギというのは、ユネスコ国内委員会の活動はなかなか世の中全般に知られにくい。これは皆様に御尽力いただいている中で恐縮ですけれども、客観的に見ると、どうしてもそのようなところがございまして、これを何とか乗り越えられないかというのが、もう一つのウサギであります。
 先ほども申し上げました教育の問題とSDGsの問題と、それから国内委員会の一種の広報の問題と、三つぐらいウサギがいると捉えていただければと思いますけれども、それで、やるのであれば電子版も含めてですけれど、学習指導要領がちょうど変わるところでもって、教材として全国の高校生、中学生でもいいのですけれど、そのような子供たちが使ってくれる教材で、欲を言えば英語と日本語が両方パラレルに書いてあるような、そのような教材があれば、恐らくこれからの時代の学習指導要領が変わっていく中での先生方には役に立っていくのではないか。
 これは今から始めないと間に合わないのです。教育課程の仕込みというのは、相当早くからやっておりますので、早くやらないと間に合わなくなります。長くなりましたけれど、そのような経緯がございました。
 一方で、ユネスコ国内委員会の事務局は本当に大変で、いろいろなことをやっておられますので、手に余るとなかなか無理になってきますので、その辺はよく考えられてやっていただければということで、一応議論していただくということにしたわけでございます。
 見上先生は御存じのとおりで、ずっとユネスコスクール等々のリーダーでやってこられた方でありますし、特に理科教育の専門家でありますので、見上先生がやっておられるというのは大変人を得た、そのように思われます。ただ、これは理系に限ったことでは全くございませんので、一方で今、文部科学大臣の大臣懇談会の報告などを拝見しますと、文理の分断からの脱却ということが言われています。AI人材の育成とか、そのようなこともいわれておりますけれども、AI人材というのは理系だけの問題ではないので、そのようなこともいろいろ話題にはなっていくと思います。そのような中でのことですので、文系と理系と分けて考えてほしいと申し上げたことは一度もないのです。たまたまこのようなテーマが出てきているということだと思います。
 以上、いろいろ御意見を出していただければありがたいと思っております。
【杉村委員長】  ありがとうございました。ただいま安西先生からも御発言いただきました。これについて御意見、御質問はいかがですか。
【及川委員】  情報共有並びに要望なのですが、実は私、外務省の方のESDの副教材作成の委員をさせられていまして、その方は昨年から取り掛かって完成しまして、9月の頭に公表し、10月頭に全学校に配付するというようなことになっているのです。そこの部分は外務省とユニセフと一緒になって作っている部分ですが、一つの総論部分との兼ね合いというのは、現場に行くとSDGsの教材というのは両方から来ますので、一つは差別化という。対象学年はこれを見ると、あちらは主に中学生を対象にしているようですが、しかも社会科をターゲットにしているようですけれども、こちらは高校ということで、その辺の差別化はできるのでしょうけれど、内容的な部分とか差別化と関連という部分を意識していただいて、国内委員会で作るのであれば、今、安西先生がおっしゃったような様々なアイデアを入れ込んでいただいた形でのもの。別に競合するとかではないですけれども、現場とすれば両方から来るわけですから、そのような部分で、そこの部分の情報をもう少し勉強しながら、よりよいものというか、よりユネスコ国内委員会らしいものを作られることを希望いたします。
 あと、それに関してもう一つ。最後に安西先生が言われたように非常に重要で、SDGsは何も理科系とか文化系という話ではなくて、17のゴールそのものが相互に関連して、地域であれ、世界であれ、複合的な部分で課題が表出しているわけです。外務省が作ったのもクロスカッティングで、三つのテーマで作ったのですが、不平等と暴力だったか、あと環境で三つで分けて作って、その中にどのようなゴールが絡んでいるのかというようなことを総合的にホリスティックとかインターディシプリナリーに資料が載っているのですけれども、そのようなことで、とかく文部科学省が出したこれまで資料を見ると何か環境編は環境、文化系は文化編のように分けたり、トピックも分けてやったりするようなところが見られます。多分古賀委員などは、SDG特別部会をやられたからよくお分かりと思いますが、それは全部複合的なものであり、地域では相対的な貧困が出たり、ジェンダー含めた不平等が出たりします。そのようなことがあると思うので、そのようなSDGらしさというものを二つ目に考えていただいて、ユネスコらしさ、SDGらしさ、そして先に出した外務省との関連資料と差別化のようなところを是非御考慮いただきながら、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
【杉村委員長】  ありがとうございました。貴重な御意見をありがとうございます。
 野村先生。
【野村委員】  今、安西先生から御説明いただいて、趣旨がよく理解できました。まず、この17のテーマがありますので、まず第1弾、見上先生も御専門である科学系から作るということは、それはよいと思います。しかしながら、この17のテーマの中で、日本が国際的にも著しく後れていると思うのが人権またジェンダーイクオリティに関する意識かと思います。先進国の中でも非常に恥ずかしいレベルにあると思っていまして、それが今、企業においてダイバーシティ精神を進める上でも根底にある課題でありますし、いろいろなところで起きているセクハラの問題も、根っこには人権意識の欠如があると思っております。これはかなり喫緊の課題かと思います。外務省の教材に入ってくるのかもしれませんが、高校生ぐらいのレベルで、是非この教育には早めに着手をしていただきたいと思っています。
【杉村委員長】  ありがとうございます。
【日比谷委員】  質問と要望といえば要望ですが、今、これは案となっていますので、ある程度意見を言うと何か変えていただけるのかという期待を持って申し上げますが、本教材はといって、三つトピックが挙がっていますが、その後に「等」というのが付いているので、この三つは、それほどまだ固定しているとは考えなくてよろしいのですか。
【池原文部科学戦略官】  全然固定していません。
【日比谷委員】  そうすると、見上先生にお願いするということは大変に有意と思うのですけれど、もちろん見上先生は理科教育の御専門ではありますけれども、ここでもずっと委員長をなさっていましたし、「幾つかの目標に関する科学的観点を理解するとともに」と書いてありますが、これがいかにも文理を分ける発想のキーワードになっているような気がするので、高校生対象なので、例えば人文科学、社会科学、自然科学的というような言い方がいいのかどうか分からないのですが、ここの言い方を少し変えて、トピックベースで文理を超えた観点を理解するとか何かというような盛り込み方をすると、今いろいろ御要望が出たものを組み込めるのかとは思いました。
【杉村委員長】  ありがとうございます。
【安西委員】  また、雑談で済みません。資料4の1.目的の1行目、これは個人的な見解なので申し訳ありません。SDGsの内容理解の促進を図るためと書いてあります。どうも日本の教育だと、まず勉強しようねと、まずSDGs国連は何をやっているのか勉強してからというような感じが、どうしてもしてしまうのですけれど、多分そうではなくて、例えばこの教材を使う人たちがそれぞれ自分で何を考えるかということが大事になると思うので、細かいことに引っ掛かって申し訳ないのですけれど。
 17項目があって、まず、それぞれ1時間目は1項目めを勉強しましょうというのになると、何か違うと。先ほどから申し上げたように、SDGsにESDが入っていくということは、もちろん常識的だし、非常に結構だと思うのですけれど、SDGsは非常に広い大きな概念なので、そこだけは気になる。まず、どなたかが言っていることを勉強してから、それをまず覚えてからにしましょうというようになると、違うかと。
 しつこくて申し訳ありません。
【杉村委員長】  とんでもありません。では、だんだん時間も押しておりますが、道傳先生、是非。
【道傳委員】  ただいまの教材の作成について御参考になるかと思って申し上げるのですけれども、2010年でしたか、生物多様性年のときに、NHKでは環境についてでしたけれどもキャンペーンをやりましたときに、学校教育の中での教材としての役に立てていただこうという趣旨で、映像を中心にしたインタラクティブな教材を作成して、それはネットで公開をしたのです。ですから教材作りということの中に、当然、今の時代ですから、紙媒体だけでないものの作成というのは是非これは必須だと思っております。
 全く御参考までに、例えば今、安西先生からもお話しありましたような、お勉強というよりは、例えばゲーム方式で環境問題だったり、テーマごとにそこに入っていくと、自然にいろいろなことが発見できるというようなことであったり、あるいは、アーカイブス的に貴重な映像とか、あるいは主要な人物のスピーチが、そのまま日本語でも英語でも聞けるといったことであったり、あと、クイズがあったり、そのような教材なのだけれども、楽しみながら様々なことが身に付くという、そのような工夫がとても必要なのではないかと思います。
【安西委員】  そのとおりです。
【杉村委員長】  お時間がちょうど来ておりますが、及川先生、手を挙げてくださっていますので、どうぞ。
【及川委員】  申し訳ありません。手短に申し上げます。先ほど安西先生がおっしゃったことは、そのとおりで、全く同じことを外務省の協力者会議で申し上げたのですけれども、教材作成というのは、SDGsを理解するための教材というようになりがちなのです。つまり教材・of・SDGs、ではなく、教材・for・SDGsでなくてはいけない。SDGsを推進するためのツールとなる教材、その中に道傳委員がおっしゃったような様々なメディアも駆使した、映像も駆使した、バーチャルも駆使したものがあり得ると思うのですけれど、まずそこが一つあって、二つ目は、例えば先の話なのですけれども、外務省のものを作っても、ほかのいろいろなガイドブックを作っても感じるのですが、作ってある程度満足してしまうのですが、実際にそれが使われるかどうかというのは、実はその後のフォローアップが非常に重要で、特に教員に対する活用の手引までいきませんけれど、例えば活用の研修会をやるとか、活用についてのガイドラインを作るとか、まずは、そのようなものがないと、ただでさえいっぱいいろいろな教材や資料がある中で、なかなか教員は使いません。そして、それをやってみることで、その教材のよしあしとか、足りない点とか改善点が見えてくることがあるのです。
 ですから、この教材を作成したと同時に、国内委員会あるいは文部科学省は、様々な研修システム、あるいはフォーラム等をお持ちですから、そのようなところでこれを使ってみるというような試行はあってしかるべきかと思います。
 あと最後に、非常に些末なことで申し訳ありませんが、高校で使うのであれば、総合的な学習の時間ではなくて、総合的な探究の時間になるのではないかと思います。先ほど説明では、そのようにおっしゃっていましたが、新学習指導要領に則せば、そのような表現が適切かと思います。よろしくお願いいたします。
【杉村委員長】  本当にありがとうございました。議論を切るのはもったいないぐらい、たくさんの建設的な良い御意見を頂きました。しかしながら、予定の時間が来ておりますので、この最後の議題は、これで一応終了にしたいと思いますが、引き続き、見上前委員長の下でいろいろな作成が進んでいくと思いますので、御意見、アイデアを頂戴出来ればと思います。ありがとうございます。
 それでは、その他の議題として、事務局の方から今後のユネスコの教育関連会議・事業等の今後の予定について、御説明をお願いできればと思います。
【徳留専門官】  それでは最後、資料5を簡単に説明させていただきたいと思います。今後の会議等の関係ですけれども、先ほど御案内さしあげたとおり、9月10日に持続可能な開発のための教育の円卓会議として、各ESDに関するステークホルダーを集めた会議がございます。また、9月12日からは、先ほど吉田先生から御説明いただきましたSDGsのステアリングコミティ会議がパリで、9月21日にユネスコ国内委員会の総会を開催する予定でございますので、こちらの方も出席方お願いいたします。
 また、10月13日と14日ですけれども、今回資料としてチラシをお配りいたしましたけれども、ESDのユース・コンファレンスが開催される予定でございます。こちらの参加者の方は既に締め切っておりますけれども、40名ほどのユースを集めた会議となっております。また、10月3日から17日ですけれども、第205回のユネスコの執行委員会が開催される予定です。その中でユネスコと日本ESD賞の授賞式を開催する予定となっております。
 また、11月30日にESD推進ネットワークの全国フォーラム、12月8日ユネスコスクールの全国大会がございます。こちらの御案内については、また追って御連絡をさしあげたいと思っております。
 以上でございます。
【杉村委員長】  ありがとうございました。今後の予定を御確認いただければと思います。
 本日、御用意させていただきました議事は以上でございますが、その他、特に御報告や御審議いただきたい案件はございますか。
 無いようでしたら、これで本日の第137回教育小委員会を閉会とさせていただきます。本日は御多忙の中、またお暑い中、御出席いただきましてありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成30年10月 --