大学横断的かつ競技横断的統括組織(大学スポーツ協会(UNIVAS))設立準備委員会作業部会(第5回) 議事要旨

1.日時

平成30年10月25日(木曜日)10時~12時

2.場所

東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル7階

デロイトトーマツグループ セミナールーム

3.議題

  1. 開会
  2. 入学前からの動機付けプログラム(案)について(テーマ1)
  3. 学業機会の確保にかかる方針(案)について(テーマ2)
  4. 安全安心のガイドライン(案)について(テーマ6)
  5. 広報戦略の策定・展開(案)について(テーマ13)
  6. 閉会

4.出席者

委員

伊坂主査、小林(勝)主査、友添主査、藤本主査、三宅主査、阿保主査代理、佐藤主査、池田(純)主査、境田主査、佐野主査、尾崎主査、池田(敦)主査、木藤主査

スポーツ庁

齋藤総括官、増井参事官、福本企画官、小塩弁護士

5.議事要旨

【開会】
〇事務局より、本日の作業部会の進め方について説明があった。

【入学前からの動機付けプログラム(案)について】(資料1)
〇伊坂主査より、テーマ1「入学前からの動機付けプログラム(案)」について説明があった。
〇質疑応答後、第3回設立準備委員会において付議することについて主査に諮り、了承された。

【学修機会の確保にかかる方針(案)について】(資料1)
〇小林勝法主査より、テーマ2「学修機会の確保にかかる方針(案)」について説明があった。
〇質疑応答後、第3回設立準備委員会において付議することについて主査に諮り、了承された。

【安全安心のガイドライン(案)について】(資料1、2、3)
〇三宅主査より、テーマ6「安全安心のガイドライン(案)」について説明があった。
〇質疑応答後、第3回設立準備委員会において付議することについて主査に諮り、了承された。

【広報戦略の策定・展開(案)について】(資料1)
〇尾崎主査より、テーマ13「広報戦略の策定・展開(案)」について説明があった。
〇質疑応答後、第3回設立準備委員会において付議することについて主査に諮り、了承された。

(質疑応答)
〇(境田主査)テーマ6について、安全安心のガイドラインを作った時に、インカレ主催の大会は学連がルールを作ってやってきたわけだが、そこで更にルールを作っていくということはわかるが、学生の立場からすると、例えばある東大生の場合で、NFが主催する日本選手権、学連が主催するインカレ大会、学連が主催していない旧七帝戦など、、様々な主管団体のもとで活動しているわけであるが、そういったところに全て共通して今回のルールを適用していくことを考えているのか。

〇(境田主査)重大事故にならない、あるいは起きた時の対処は、各大学の運動部の監督や部長も遵守しなければならないし、旧七帝が主催の大会であれば、この事務局がそのような体制を整備しなければならないということか。要は、学連主催でない大会、例えばNFが主催の天皇杯などはNFがそれを守らなくてはならないのか。(例えば親睦のための大会、学連主催でない大会はどうなのか。)
〇(境田主査)今回色々なルールメイキングをする時に、NFがきちんと責任を持つべきということもある。また、大学が責任を持つなど、色々なカテゴリーで学生は活動している。更にきちんと実効性をあらしめようと思うと、制裁、ペナルティを課さなくてはならなくなる。それをどこが課していくのかという問題もある。学連に加盟している場合、NFに加盟していることがほとんどであるが、NFは本来NFとしての何等かのサンクションも課さなければならないという責務もある。今後そういった調整も横串で考えていかないといけない。色々なところでルールメイキングをしていった時に、必ずルールを決めたらサンクションをどう課すのかといったところを横串で考えていかないといけないところがたくさん出てくると思う。
⇒(三宅主査)その点は我々の部会でも懸念しているところで、いわゆる守らなかったら罰則など、ルールメイキングをはっきりしすぎると今度はUNIVASへの加盟に後ろ向きな考え方が出てくるのも困る。これを含めながら、どの程度まで強制力を持たせるのか、ということは非常に悩ましいところ。我々の部会としては、これまでの当たり前のこと、安全安心の中で特に重大事故、重篤事故に関してはしっかりと遵守してもらいたいというところ。
⇒(三宅主査)部会の中での意見で、スポーツ臨床医学会でも熱中症などもガイドラインを出しているが、特段それを守らなかったら罰則があるなどは至っていない。いずれにしても色々な意見を頂戴しながらルールメイキングについての位置付けについて意見を頂戴したい。

〇(事務局)境田主査、三宅主査から指摘があった点が正に問題になると思っている。例えばテーマ6の三宅主査の部会ではラグビーの渡辺委員にも協力いただきながら進めているが、ラグビーの日本協会主催の場合は、脳震盪対策でドクターが派遣されレギュレーションも踏まえてしっかりとやっている。一方、例えば早稲田と慶応の試合でAチーム同士の試合だと関東協会が主催になるが、Bチーム以下だと各大学にまかせっきりになっている為、仮に脳震盪が起こっても何もケアがされにくいというところが実情。ラグビー一つとっても色々なレベルの試合があるので、そこも含めて検討を進めていかなくてはならない。

〇(友添主査)日本のスポーツ団体の構造の複雑性が一番根本に大きな問題があるということで、日本学連でNFに加盟していないところはないが、実際には非加盟の大学と対抗戦をやったり、非加盟の大学と試合をしたりした時に、相手は拘束性が全くないという現実が起こっている。ところが、彼らはNFには参加団体としては入っている、NFに入り学連にも入っているが単体で加盟しないという場合は、どのようなサンクションが可能か、ということも含めて、日本の組織の複雑性は、こういった問題に行き着いてくる。もう少し大きなレベルで検討していかなくてはならないと思っている。

〇(池田敦司主査)今の議論の続きになるが、小塩氏のおっしゃったBチームの試合は、UNIVASだとVarsity(代表チーム)ではないのではないか。その場合UNIVASに加盟していないことになる。我々UNIVASはそれをどう捉えるのか、現実的に同じラグビー部でA~Cチームがあるとすると、その大学が加盟したことイコールBチームCチームまでもUNIVASの対象になるということで良いか。
⇒(友添主査)Bチーム、Cチームというのは部内の中で単位を区分けしているだけであるので、すべて含めてVarsityである。早稲田大学で言えば、BチームもCチームも含めて一つのラグビー部の部員である。

〇(池田敦司主査)そうだとすると、ガイドラインの対象に学生アスリートが入っていない。書かれていないだけかもしれないが、あくまでも学連と大学、イコール指導者ということだと思うが、学生アスリートにも送るべきものではないかと気がしている。守らされる側でもあるし、守らされる側がルールを知らないということはおかしいのではないかとも思う。範囲を広げても良いのではと思う。
〇(池田敦司主査)三宅主査がおっしゃった、当たり前のことはやるという話に則っていけば、AランクBランクCランクとあるが、どこまでAランクが良くわからないが、もう少し強く遵守するように指示を出しても良いのではと思う。
⇒(三宅主査)大学が加盟するということは、学生もそれに適用される、いわゆるこのガイドラインを守ることだが、大学のAD局などがしっかりと通達をして指導者からも選手にしっかりと伝達していくこともUNIVASの一つの役割、安全安心で、ここは外せないところなので、少しでも認識をしてもらうことで、強制という言葉は良くないかもしれないが、してもらうということでその点は周知していきたいと思っている。
⇒(三宅主査)A、B、Cランクについて、特に絶対守っていただくものについては生命に関わるもので、我々の部会では重大事故を取り上げてきたが、そういったところにはしっかり遵守してもらうという考え方でいる。

〇(池田敦司主査)例えば資料2に安心安全ガイドラインの目次があるが、この中でA、B、Cに分かれるということか。
⇒(三宅主査)それは違う。資料2は単にA、B、Cの羅列であるだけで、この中からそれぞれ全般事項、個別事項等々あるが、このA、B、Cはただの順番の羅列である。UNIVASがこういった形で作っている為、その中で早急に最低限作り上げなければならないものをこの中からピックアップしてそこで強弱をつけたいと考えている。

〇(友添主査)実際に学生にとっては大学に入学するに当たり学んでいかなくてはならない内容だが、テーマ2の小林(勝)主査のテーマの中で扱ってもらわなければと思っているがいかがか。

〇(小林勝法主査)資料P17指導者セミナーの指導者倫理・コーチング哲学に関して、①の真ん中に学生指導、危険防止教育の重要性を入れている。安全教育を学生にもする重要性を伝えたい。安心安全ガイドラインにも安全教育をすることということを入れたらよろしいのではないか。

〇(友添主査)実際のところ、入学前教育でも扱う必要があるし、入口と出口の間の真ん中(在学中)のところでこれを扱っていく機会を設けていかなければならない。学業基準を作ってきたが、その中でどういう教育をやっていくのかということも少し検討していかなければならないと感じている。

〇(伊坂主査)テーマ2の指導者のところが話題になったが、日本スポーツ協会(JSPO)の指導者資格を取って重ねてUNIVASとしてセミナーをやるということは非常に良い関係だと思う。同時に、先にあった脳震盪など現場で常にドクターが帯同していればベストだが、中々そういう状況は難しい為、大学によってはJSPOのアスレチックトレーナーの資格を持った方が張り付ける場合もあるし、中々そこまでいかないこともある。一方で、米国版NCAAでやっているように、ATC‐アスレチックトレーナーの資格を米国で取ってきた人が当大学にも複数おり、資格制度で可能であれば有資格でかなり実行力があるところはこの指導者資格の中でとりわけ現場での研究サポートのような指導者になれるように加えてもらえるとありがたいと思っている。できるだけ多くの方を巻き込んでいくといった時に、現状で一定水準は現場目線で判断できると思うが、ATCも半分以上大学で雇用されているところがあるので、その辺りも含め、但しUNIVASとしてのセミナーはきちんと受けてもらい、指導者になってもらうという形も検討いただきたい。

〇(阿保主査代理)共通ルールということがポイントかと思う。違反したら当然ペナルティを課さなくてはならない。しかし、そうなった場合にはその方を救うための上訴なども必要になってくると思う。
〇(阿保主査代理)前回も申し上げたが、この3つのランクの方向性は良いが、中身について考えてほしい。というのは、以前友添主査がおっしゃった、海外にも紹介するであろうといった場合に、今のこれをどうやって英語で表記するかということ。“shall”はとてもきつく、〇〇ものとする。といった具合。定款にもそういった形で表現がされているかと思う。考えるまでもなくやらなくてはならない。2番目に同じように、〇〇ねばならない。“must”や“have to”などが出てくる。次にあなたたちの条件が合ったらやって欲しい、今できなければしょうがない、というレベルが”should”〇〇すべきというもの。もうひとつは、こちらの理念にあってそれに近いといった場合には、推奨する、できるといった形で使って、将来5年後10年後に行われるようになったら、〇〇すべきである、や〇〇ものとする、という形に変化させていくということになるのかと思う。日本語だけでなく、英語表記も一緒に考えてあげるということと、ルールなのでダメだったら当然ペナルティを課す、しかし相手にも弁明の余地を与えていくという手順が必要になってくるかと思う。

〇(友添主査)池田(敦)主査の提案を整理したい。学生も学ぶ内容を整理して記載される必要があること。学ぶ場所を確保する必要があること。という提案かと思うが、テーマ6の三宅主査のところで全てを扱うことは無理なので、場所の設定や方法は学業で検討していくということで、引き取らせてもらうかと思う。
〇(友添主査)阿保主査からの意見について、表記もさることながら内実を意識して三宅主査の部会で検討を重ねていただければと思う。

〇(木藤主査)テーマ6について、UNIVASに関しては初年度20億円を考えているが、本来はこのテーマに大きなコストをかけるということが考えられる。団体ごとに要求事項が異なると思うが、このテーマに関連して、お金をどのように付ければどういう課題が解決するのかというところを優先順位も考えながら検討いただきたい。24団体手を挙げているので、各団体と相談いただきながら、コスト、使い方のようなところも意識して検討いただきたい。
〇(木藤主査)テーマ1について、決議事項に関わるが、P7で推奨事項となっているが、学生アスリートプログラムとアドバンスドプログラムに関しては、インテグリティやフェアプレーが入っており、これは推奨事項というより少し格上げしないとまずいのではという意識があったが、そこまでいけないハードルが何かあれば教えて欲しい。
⇒(三宅主査)コストのところで、まだこの部分まで議論が行き着いていないが、成果物として冊子代を考えている。時間的な制約があるので、例えばホームページ上でアップする、加盟団体、大学しか見られないといったものであれば、はっきりした額はつめていないが、コスト時にそれほどかからないのではないか。そういったところに多少のコストがかかるイメージでいる。

〇(木藤主査)私が申し上げているイメージと少し違う。AランクBランクCランクと推奨事項になっているところはむしろ罰則というより、その取組を促進していくようにやらなくてはならないと思っている。例えば小塩氏の説明にあったように、医師を派遣するためにコストがかかりそれができないというのであれば、例えばラグビーで、どの試合まで対象とするかの議論は必要だが、もし医師派遣の要望がある場合には、むしろ積極的に何試合まではお金をかけましょうという検討や、AD局の設置で費用がハードルになって中々ガイドラインを守れないというような安全に関わる要求があるのであれば、それらの優先順位をつけておくとよいのではないか。来年スタートした時に柱になる事業でお金をたくさんかけないといけないところなので、この辺りの整理をお願いできればという意味で申し上げた。
⇒(三宅主査)部会で検討する。

〇(友添主査)具体的にUNIVASが何を保障できるのかということを示していかないと、単にこれだけ示しても中々マストだと言っても納得してもらえないと思う。
⇒(伊坂主査)わざわざ推奨にしている理由は、あくまでも入学前であり、入学前にそこまでやれるのか、それを格上げして必ずやりなさいと言うと中々つらいと思い、できればこの内容そのものは入学後でもやらなければいけないことも含んでいるので、そういう意味では入学後の学業の中での授業でどう組み込むとか、あるいは佐野主査が担当のAD局としての手引きの中に必ずインテグリティが入ってくると思うので、その中でマストでやるというほうが良いように思っている。入学前に必ずここまでやらないといけないと言うと、かなり加入に二の足を踏まれるのではと懸念している。決してやるなということではなく、こういうことがありますという提示をしながら、実際に学生アスリートとなったら学ぶことなのだ、ということを事前に示すという程度に入学前教育としては考えている。

〇(木藤主査)それであればまた世話役の主査と話したい。このインテグリティに関わる取組がどこにも入っていないということはまずいと思うので、相談したい。

〇最終的に大学には手順書やマニュアル、学習キットなどどのようなもので供給されるのか。(池田敦司主査)
⇒(伊坂主査)まずは在宅型で資料送付できるようなものを作っている。紙ベースのものができると思う。
⇒(伊坂主査)セミナーやブートキャンプ型は中々それぞれの大学でカスタマイズしないとすぐ使えないと思うので、そこは逆に言うとUNIVASの事務局がサポートしながらという形になるのではと思っている。
⇒(伊坂主査)講師は誰がするのかという話にもなる。もちろんAD局があればAD局に担ってもらうが、ない大学に対してはコンサルテーションをしてあげてこういうふうにしたらどうですか、や、場合によっては講師を派遣するなどして進めないと進まないのではと思っている。

〇(池田敦司主査)テーマ2について、カレンダーの件はどのくらいのイメージを考えているのか、もう少し具体的に聞かせて欲しい。聞いた限りでは、加盟した競技団体の情報は入れなくてはいけないと思うし、その中で公式戦と定義されるものが全国もあれば地方もあるので、今のルートだと大学から情報を吸い上げるとのことで、大学の部活の競技の種類が多々あるので、全部を入れ込むとなるとものすごく莫大な量になるのではとイメージしているが、いかがか。
⇒(小林勝法主査)web版に関しては、地方学連の地区大会の日程まで盛り込めると思う。紙媒体に関しては、各大学の各クラブには渡るように、各学連、地区学連まで渡るように印刷したいと思っている。
⇒(小林勝法主査)競技種目で言うと、加盟学連の種目全て、今のところ20数団体。紙媒体に関しては、加盟学連の全国大会までと考えている。普通のカレンダーのイメージで、月めくりの12枚で、その月のコマの中に色々な情報を入れるというイメージである。

〇(木藤主査)テーマ2について、まずカレンダーから始めようということかと思うが、学事日程と大会日程の調整ということで、いわゆる平日開催の問題やそれに伴う学修機会の確保という課題があると思う。今後その辺りに補助していこうということも考えなくてはならないと思うが、せめて学連に推奨事項で学事日程と大会日程への配慮をどこかに入れておいたほうが良いかと思うが、いかがか。
⇒(小林勝法主査)大会日程の提出だけになっているので、フローチャートの③を明文化するということで承知した。
⇒(小林勝法主査)大会日程の提出だけになっているので、フローチャートの③を明文化するということで承知した。

〇(佐野主査)AD局の役割という視点からの質問だが、安全安心のガイドライン遵守を求めるということがP21の加盟に伴う依頼事項に書かれているが、これを遵守しているかどうかをチェックするような機能やそういった役割がAD局に求められるということか。遵守しているかどうかはどのようにわかるようにしていくのか。
⇒(三宅主査)現状そこまで議論には行き着いていないのが実情。そこも含めて今日頂いた意見をテーマ部会で議論して別の機会に示したい。

〇(友添主査)ガイドラインという名称をとっている限りは、拘束性は担保できない。ガイドラインはあくまでも指針なり方向性で、守る守らないは任意だということが前提なので、もし拘束力を持たせるのであれば、このガイドラインという名称をもう少し強めのものに変えていく必要があるのかもしれない。この辺りも部会で検討いただければと思う。

〇(阿保主査代理)P14(1)日程調整について。学生連合が全国大会を開くには2~3年程度先を見ている。数年前までは東京の国立競技場で大会を開きました、しかし、今後はできない。そうなると全国のあちらこちらで、例えば今回は東海地区で、次は関東地区で、といった具合になる。1年前の日程調整はとても無理であると思う。

〇(藤本主査)プロモーションの中でUNIVAS自体の会員、組織内に入っているわけではないが、高校や高校生に対するプロモーションを検討したことがあるか。大学スポーツが変わると高校スポーツも変わる動きを起こす可能性が非常に大きいと期待するところではあるが、大学スポーツは変わっていったということを高校に理解してもらうことによって、高校自体の運動部活動の在り方などについて考える良いきっかけになると思うが、いかがか。
⇒(尾崎主査)正直今まで高校生を対象に考えていなかった。今の意見を元にこれから考えていきたい。

〇(小林勝法主査)同じことを申し上げようと思っていたが、生徒、保護者、指導者を対象にして運動部の生徒に関しては、スポーツを大学でやるのであれば、環境が整っているUNIVAS加盟大学でしましょうと、一般の生徒に関しても、UNIVAS加盟大学に行けば、運動部の応援で楽しむことができる、などの形で幅広く広報活動していただきたいと思う。

〇(佐藤主査)全体に通して言えることだが、おそらく三宅主査も小林(勝)主査も時間がない中で色々と検討いただいているし、現在で確定できないこともたくさんあると思う。先程ガイドラインの件も例えば参加証明書を学連から発行してもらうなどそういったことも強制力がないと実際には形骸化していってしまうということが実情だと思う。強制力を持たせるためには、学連にどういう権利と義務を提供するのかという根っこが決まらないと中々強制力の発動ができない。但し、そういった中でUNIVASが立ち上がるわけなので、おそらくUNIVASの1年目の姿と、5年後の姿で大分変わってくるという前提で、1年目はここまでやろう、というスタンスを主査で認識を合わせないと、それどうなるのですか、と聞かれる側も厳しいものがある。ちなみに筑波大学のAD局でさえ4年計画でAD局の形を作ると学長と取り組んでいるので、今までの構造と入れ替えていくということは、時間がかかるという前提のもとで互いに認識を合わせて、やがて強制力を持たせて形を作っていくという合意のもとで議論していったほうが良いと思う。

〇(藤本主査)今の意見に賛同する。冒頭で増井参事官から依頼事項と推奨事項という言葉をいただき、三宅主査はA、B、Cとマストがそこに加わった、これがはっきりすると次私たちというのはやりやすい。3段階を基本的に目指していきましょう、レベル軸と時間軸で、先日学業充実の主査と話して2022年という3年間を軸に、目安にしてステップを踏むということを話した。全体である程度時間軸がひとつ出来ると私たちのテーマとしても3年なのか4年なのか、あとはレベル3つからスタートして3年後にいくのか、というフォーマットで出していけるので、ありがたいと思う。また議論いただきたい。

〇(友添主査)参加証明書、いわゆる公欠書は学連が発行するということか。学連によっては人数の少ないところで、年間何回にも渡って証明書を毎週毎週送らなくてはならない、極端に言うと毎日毎日送らなくてはならないという事務作業量は現実的に可能なのかどうか。
⇒(小林勝法主査)実際にそういったことをやっている学連もあるので、どの程度の負担の可能性があるかは一堂に会して話を伺いたい。

〇(友添主査)目に見えるのは、偽造公欠書としてUNIVASの何かをコピーして出してくる、学生は想像外に色々なことをやってくる。それから本当に試合に出たかどうか、応援に行ったか、あるいは準備に行ったか、この境目も実はわからない。結構核になってくる。スポーツ関係、体育関係、先生方の信用そのものに関わってくるわけで、UNIVASそのものが何をやっているのだということがすぐに出てくると、この試みがアウトになってくるので、小さなことだがキーになってくることだと思う。

〇(木藤主査)以前学生登録の話があったが、おそらく最終的に学生は登録をしてIDが発行されるという形になろうかと思う。その時に例えば学連は試合に出場していた選手一覧をそこにアップし、学生がそのIDを使ってログインすると証明書がダウンロードできる、ということも設計的には可能だと思う。コストがどれくらいかということはあるが、こういうアイディアがよろしければそういうところに投げて検討ということになるかと思う。

〇(事務局)指導者セミナーについて、今大学回りをしていて、先日の準備委員会の際の資料を使って各大学の学長に働きかけを個別にやったりブロック説明会をやったりしている。その中で大学の学長のニーズ、期待は指導者セミナーや指導者研修、コンプライアンスのガバナンスの話なども絡んでくるが、UNIVASに入ってこういった研修をいち早くやってほしいという声が大学から出ている。そのため、ここを立ち上げ以降スムーズに提供できることが大学の勧誘という点でかなり売りになってくるかと思う。特にこれまで準備委員会に入っていない大学や、加入をためらっている大学の学長からそういう声が出てきている。

〇(事務局)先日の準備委員会の後に鈴木長官が記者の囲み取材を受けたが、質問の大半がUNIVASができることによってこれまで出てきているような大学の体育会の色々な問題にどう貢献するのですかという内容であった。大学の学長にはああいった問題が起こると、うちは関係ありません、課外活動ですからと言った瞬間に袋叩きにあって、大学がボロボロになりますと、他の色々な大学の例でも示されているので、経営リスクですよと、もっと大学としてしっかりコミットしていかないと、非常に問題になってきますということを申し上げている。その裏返しなのかもしれないが、逆にこういったことをやってほしいという声も出てきているが、P18資料の中で指導者ライセンス制度、公認のような資格制度も早くやってほしいという声もあるが、中長期課題に位置付けられているが、この辺りはすぐにはいかないというところだろうか。研修自体はセミナーを開催、短期ということなので、来年4月以降徐々にやっていけるのかもしれないが、こういった公認制度のようなものは時間がかかっていくものなのか。
⇒(小林勝法主査)現状で言うと、大学が雇用している指導者、あるいは専任教員などは資格取得者がほとんどのようである。だが、そうでない指導者に関しては、把握していないという状況なので、このあたりの具合を見させてほしいということと、資格取得に関しては時間がかかるものなので、何年までに全員資格を目指すという目標値を定めてから実現するまでに時間がかかると思うが、数年後にはUNIVASの大学は全てが有資格者であるということは目指したい。

〇(友添主査)いずれにしてもサービス関連は早急に提供していくということと、AD局の設置の時期とも指導者研修は密に絡んでくるので、重要な内容だと思うので、その担当者は早急にできること、できないことの仕分けと実証期間がどれ程必要で、行程表をつめて提出してもらわなければいけないところもある。

〇(事務局)今の点に補足すると、新しいものをゼロベースで作るとなると、時間がかかるが、日本スポーツ協会で素晴らしいプログラムをやっているので、そこと密に連携しながら進めていくことが第一に可能かと思う。
〇(事務局)増井参事官から説明したことと重複するが、ここ2週間で学連・競技団体16団体を回った。極めてポジティブにUNIVASの取り組みを捉えてもらえているが、期待することとしては大きく分けて2つある。
〇(事務局)ひとつは競技の周知。映像配信について非常に興味を持っていただいている。特に地方の大会については、今まで中々親御さんもOBも見る機会がなかったが、そういったことをやってくれるなら喜んで協力したいという話が多くのところからある。
〇(事務局)もう1点は池田(敦)主査、三宅主査が議論していた医師の派遣、安全性のところで中央では医師の派遣をしている競技団体もいくつかあるが、地方に関してはほぼしていない。医師の派遣はランクが色々あるようだが、例えば日当で5万円ないし10万円支払うとなると、とても支払えない。そこに対して地方の国立大学の研修医や若手の先生と連携しながら、地方の大会に医師を派遣してもらえるようなプログラムを作ってもらえるのであれば、極めてありがたい話といただいている。

〇(友添主査)各県必ず医学部が1つあるので、それをどう活用するかということ。
〇(友添主査)事務局からの提案については、各テーマ部会でぜひ検討いただきたい。

(これまでの議論全体の質疑応答)
〇(作業部会員)来年以降大学が参加表明をした際に、どのスポーツを大学スポーツと位置付けるかというのは大学によると、つまりA大学は1つのスポーツを本学のUNIVASの大学スポーツとする、B大学は10、ということで、各大学によってスポーツの数は異なるという理解でよろしいか。
⇒(友添主査)私の理解では学連に加盟しているその大学を代表する1つの部が基本単位で、大学によって参加する部の数は違うというふうに考えている。

〇(作業部会員)そうすると今UNIVASに参加表明をしている約20の学連のスポーツのみということか。
⇒(友添主査)それ以外でも可。あくまでも学連としてUNIVASに参加しているわけであって、大学が参加する場合は大学の中でその代表権を持つ部1つが全て実際に参加する。但し、部が参加するわけでなく、あくまでも大学が参加するということが前提。サークル・同好会は含まない。
⇒(友添主査)(どこまで広げるのか、例えばガイドラインでABCチームへなどとあったが)その辺りは過去に随分議論してきたので、過去の議事録を熟読いただきたい。

〇(事務局)友添主査が説明した通りだが、大学の中で体育会と認識している部に関しては全部入っていただく、例えば陸上部は入るがサッカー部は入れませんといった線引きは大学の中では基本的にはできないという認識。但し、サークルに関しては当初この範囲外で整理しているので、今は検討から外れる認識。
〇(事務局)将来的に例えばeスポーツなどスポーツの形態が変わってきているので、今後の検討課題である。

〇(友添主査)参加大学の公認された部に関しては、学業基準もかかってくるし、表彰のサービスも受けることができる、ガイドラインなどUNIVASの全てのサービスを受けることができるということでもある。

〇(作業部会員)現在レスリング部の監督をやっていて現場の目線から申し上げるが、このガイドラインがあってもどうしても重大事故はなくならないかと言えば起こってしまうものである。その時にその後の対応、起きてしまった後の保険の請求やリハビリの機関、学業の保障などは現場の指導者としてどのように対応したら良いのか、こういった新しい大学スポーツ協会というものができるにあたってそういった保険の制度設計、加入している大学のスポーツの学生全てが加入できる等も含めて、ガイドラインから一歩先も考えていただけると助かる。
⇒(三宅主査)保険については、テーマ5で検討している。事故が起こった後の対応だが、今後検討を重ねてある程度指針といったものが示せればと思っている。但し、現状は今のガイドラインをしっかりしたものを作成するという段階ということを理解いただき、今後の検討材料としたい。
⇒(事務局)保険の請求等どこまで学校で対応しなければということは、基本的に個人が被保険者になって、重大事故の場合被保険者が代理人をつけるということはあるかと思うが、そこを大学がこうすべきああすべきといったところまで踏み込んでの議論には至っていない状況。仮に、部活動中で、重篤な事故が発生した場合には、大学が主体的に対応すべき問題である。
⇒(三宅主査)自動車と同じで自賠責のような形で入った人についてはということで最初は議論していた。但し、これについても費用の負担をどうするか、それに伴う事務手続きをどう扱うかということも含めてまだ検討を重ねているということである。

〇(作業部会員)先程のガイドラインの話だが、日本版NCAAの出発点はガバナンス組織を設立すべきということが大きな問題意識だったのではないかと思う。増井参事官がメディアの反応ということもおっしゃったが、国民の反応も同様だと思う。命と健康、安全と安心に関わらないスポーツはない。そういう観点に立てば、そのためにどういう資源(ルールのためのヒト・モノ・カネ・情報)を整えなければいけないということになる。その際、「アスリートへ求めること」「競技団体へ求めること」「大学に求めること」というカテゴリーで整理したほうが、UNIVASの意義の理解が深まると思う。対象に対して何を求めているのかということを明記するようなガイドラインにしていただくと学長などに説明する時は一番わかりやすいのではと思うので、ぜひお願いしたい。
〇(作業部会員)入学前教育の問題は、いわゆる早期合格者の教育と理解した。自大学ではeラーニングを課しているが、スポーツ推薦学生の実施率や達成度が最も低い。このことについては学会発表も行った。問題のひとつは、大学がそこまでやるべきなのか、卒業までは高校の責任ではないかということである。また、スポーツ推薦は高校の指導者の判断や基準が大きな力として働いており、高校側の大学入学前教育も重要に思う。いずれにしても、入学前教育は形だけのものになってはならないと感じる。入学前教育については現状を精査するとともに、高校や文科省の考え方との関係に気遣いしながらやっていただきたい。

〇(作業部会員)学修機会の確保で、自大学の現状を申し上げると、スポーツ科学部の学生に関して公欠は認めていないが先生方も柔軟に対応してもらっている。他学部に関しては、そこでは学問が優先だろうという考え方で、欠席としてカウントしている。学生からは文句が出ているという状況。欠席した場合に補習するなどという方法もあると思うが、これを実質化する時に果たして可能なのかというところが不安材料としてあり、いかに大学のガバナンスを利かせるかだと思うが、個人的にはどのようにすればいいのかという感じがしている。

〇(佐藤主査)筑波大学も同じで、体育学部で体育の学生は体育の先生たちには大体配慮してもらい、平日開催のインカレから帰ってきても補講が受けられる。但し、他の学部だとそれが認められないので、筑波大でやったのは、AD局を作ってADは学長組織、大学の組織として作っているので、ADが学部長と向き合うというシステムに変えている。筑波の場合は会計もいくつかの部は統合して、課外活動でなくしているので、学部長と話をして調整をするという動きが始まっている。但し、完成するまで時間がかかるが、おそらくそれも大学のAD局のガバナンスに大学部長との協議というシステムをどう組み込むかという大学の一種の持ち方で、UNIVAS依存というよりは、大学の取り組みになっていくのではということで、筑波の件はまた報告したいと思う。

(決議後の質疑応答)
〇(作業部会員)このUNIVASの中で重要なワードとしてフェアプレー、スポーツマンシップが出ているが、パーソンにしたほうが良いのではなど様々な議論がされているわけだが、このUNIVASの中では、このような概念をスポーツマンシップという言葉で今後も表現していくのかという確認をしたのかどうか、今後どうすべきかを確認したほうが良いのでは。
⇒(友添主査)1990年代辺りから、ジェンダーの視点からスポーツパーソンシップという用語が使われているが、現状を考えるとスポーツパーソンシップという言葉が市民権を得られていないだろうと考えてきたこともあり、今のところはスポーツマンシップという名称を取るが、まだこれから時間があるので、頂いた意見を斟酌させてもらいながら最終的にどういう用語でいくかもう一度部会の中で検討頂きながら進めていく。

〇(小林勝法主査)テーマ12のAD局で項目に挙がっているか確認していないが、ダイバーシティに対する配慮、特に学生だけでなく指導者も含めて男女共同参画の問題、障がい者の問題をダイバーシティの配慮ということを入れておく必要があるのではと思っている。他の部会にも関わることだと思うので、全般的にそのような方針を決めていたか確認したい。
⇒(佐野主査)現状としてそういった内容を項目立てて用意しているということはない。可能性があるとしたら、指導者の人事に関する項目があり、そういったところで触れるという可能性があるが、検討したい。

【今後のスケジュールについて】
〇増井参事官より、今後のスケジュールについて説明があった。

お問合せ先

スポーツ庁 参事官(地域振興担当)付

企画係
電話番号:03-5253-4111(内線:3932)
ファクシミリ番号:03-6734-3790

(スポーツ庁 参事官(地域振興担当)付)