大学横断的かつ競技横断的統括組織(大学スポーツ協会(UNIVAS))設立準備委員会作業部会(第2回) 議事要旨

1.日時

2018年8月31日(金曜日)10時~13時

2.場所

東京都千代田区霞が関3-2-2

文部科学省3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 開会
  2. 日本版NCAAの定款(案)と定款の目的(案)について
  3. 日本版 NCAAの組織図(案)と事業計画(案)について
  4. 各テーマの作業前提について
  5. 各テーマの進捗報告
  6. 今後のスケジュールについて
  7. 閉会

4.出席者

委員

伊坂主査、小林(勝)主査、友添主査、浦久保主査(代理)、川原主査、三宅主査、戸田主査、佐藤主査、境田主査、小林(至)主査、金田主査(代理)、尾崎主査、池田(敦)主査、木藤主査

スポーツ庁

齋藤総括官、増井参事官、川合参事官、福本企画官

(文部科学省)
塩崎高等教育局学生・留学生課長、平野高等教育局大学振興課大学改革推進室長

5.議事要旨

【開会】
〇事務局より、配布資料等の確認があった。また、配布資料ついて補足説明された。

【日本版NCAAの定款(案)と定款の目的(案)について】(資料1、2、3)
〇木藤参与より、日本版NCAAの定款(案)と定款の目的(案)について説明があった。

【日本版NCAAの組織図(案)と事業計画(案)について】(資料1、4、5)
〇木藤参与より、日本版NCAAの組織図(案)と事業計画(案)について説明があった。

【各テーマの作業前提について】(資料1)
〇福本企画官より、各テーマの作業を進めていく上で、前提となる定量情報について説明があった。

(質疑応答)
〇(小林至主査)「日本版NCAA将来像」の資料について、大学スポーツを推進・進行することは学生にとってはもちろん喜ばしいことだが、もうひとつのステークホルダーとして大学にとってこれを推進する目的はコミュニティづくり、アイデンティティ・帰属意識の醸成という整理であったと思うが、その点について当該資料で反映されているのか。あるいは、それは大学個々の話なので資料上ではあえてうたわないということか。
⇒(事務局)資料では細かいところまでは精査していないが、勉強だけでなくスポーツを通じて様々なチームワーク、目標設定などスポーツが持つ特性といったものを学んで文武両道な学生を大学が輩出していけば、地域や企業で活躍してありがたがられる。そういった人材を輩出していくメリットが大学にはあり、大学も学生数が減ってきているので、大学の魅力を高めていくことは大命題である。
⇒(事務局)人材輩出を加速化するために大学が何をやらなければならないかについては、日本版NCAAが司令塔的な役割を果たしたり、インフラ、必要なサービスを大学に提供したりすることで大学がそういった人材を輩出するのを手伝うということを大学にPRしていく必要があると思う。

〇(小林至主査)学内、OB、地域といったコミュニティをつくることがスポーツに期待をするものであって、まずそこからスタートするという話をずっと聞いており、私たちもこれまで議論する中でそういう前提のもと進めてきた。資料自体は素晴らしいと思うが、その部分が資料上からはニュアンスとして見えにくいと感じた。

〇(小林勝法主査)同意見。大学スポーツ振興ということで2年前から議論が始まっているが、はじめはボヤっとしたものが、学産官連携協議会、また設立準備委員会ができ段々イメージが固まってくるにつれ多くの人が関心を失っている。
〇(小林勝法主査)
大学や学会でお会いする人の話を聞いても、競技スポーツに特化していて一般の大学には関係ないことだという捉え方になっている。この形だと大学や地域があまり関心を持てないのではないかと心配をしている。
〇(小林勝法主査)
例えば、米国NCAAも国際大学スポーツ連盟も、リーダーを作るということを掲げている。9月20日はUNESCOが設定している大学スポーツの国際デー、4月6日は国連が設定している「開発と平和のためのスポーツの国際デー(International Day of Sport for Development and Peace :IDSDP)」と、年に2回スポーツデーがあるが、ユネスコが設定しているのは大学スポーツによって地域の生涯スポーツを振興させる、そのために大学スポーツに頑張ってほしいという趣旨で、世界で取り組みが始まっている。大学のコミュニティ、地域のコミュニティ、コミュニティづくり、地域振興というところを全面に出していただきたいと思う。

〇(友添主査)上述の意見は今までの議論の中で一番大事なところだと確認しておきたい。学生数が減少し、社会が衰退する社会に入っているというのは現実の問題である。その中で体育会学生を想定した時に、今回の資料を持っていった時に素晴らしいとするか、本当に賛同するかという点に関しては少し厳しいと感じる。もちろん理想はこういう理念を持たなければいけないが、これでスタートしてしまうと少し厳しいのではないかという感想を持った。
〇(友添主査)大学スポーツの定義がされているが、大学の定義は必要ないのか。短大を含めなくて良いのか、高専の4、5年生はどうするのか。これまで検討してこなかったので、確認しなければと思った。
〇(友添主査)資料2の定款について、正会員と準会員を設けるとあるが、準会員の定義について具体的に正会員との違いを持たさないと準会員を作ることの意味がわからない。
〇(友添主査)資料3の案1の定款に記載する目的案について、大学スポーツを「通して」となっているが、これだと大学スポーツが手段という話になってしまう。大学スポーツは手段でなくて目的であり、これ自体が重要な活動をしていると、大学スポーツの振興・推進ということを最初に掲げなくてはいけないのではと感じた。
〇(友添主査)世界に貢献する人材ということがあるが、世界という文言が本当に必要かということを検討する必要がある。国際社会、社会という言葉の目的の設定を少しでも間違ってしまうと誤解を生じてしまうので、できれば避けたほうが賢明だろう。定款は後でいくらでも変えられるのであまり大上段に構えずにもう少し現実に根ざした文言に整理して分かりやすさを第一に、簡単でシンプルに、現実的で読んで楽しい定款を目指すべきでないかと思う。

〇(池田敦司主査)シンプルにしたほうが良いと思う。定款と日本版NCAAの将来像の資料について、位置付け・整合性をどうするかということが良くわからない。本来は理念であれば定款に入るべき内容だと思うが、どのように扱われるのかという点が疑問である。
〇(池田敦司主査)よく大学でも教育理念があって建学の精神があって、教育目的があってと色々なことがあるが、盛り込みすぎると結果理解されないということがあると思う。バリュースタンダードも重要だが、作るのであれば定款の中に組み込むべきだと思うし、出てくる単語を定款と連携させていくべきと感じる。
〇(池田敦司主査)将来像の資料内にある、大学・競技団体にとってのメリットについて、これを提言していくことはすごく大事だと思うが、もう一歩踏み込み、具体的に各大学にとって何が良くなるのか、というところまで提示したほうが理解度は上がると思う。
⇒(事務局)各大学において何が良くなるのか、建設的な議論をいただけると大変ありがたい。

〇(小林勝法主査)一般学生を巻き込まないといけないと思う。大学の運動部学生のためだけではなく、一般学生も含めたスポーツ振興を考えないといけないし、一般学生が関心を持ってくれて観戦者が増えないとスポンサーもつきにくいと思う。定款の中に競技スポーツと定められていて、これは仕方がないと思うが、一般学生も含めたスポーツ振興も考えていただきたいと思う。韓国では米国NCAAに倣って大学スポーツ協会を作って8年目になるが、一般の観客を増やす仕組みを色々と考えており、学生記者を作ったり、一人1スポーツ運動を行ったり様々な取り組みを行っている。

〇(伊坂主査)組織図案に関して、各カンファレンスを置くということだが、準会員に地区競技団体を入れることになっているためそのような見え方になっているが、そうすると日本版NCAAができた時に、最初からカンファレンスごとに試合を考えなさいとか、そこでやりなさいということでは非常に大きな負荷が生じる。
〇(伊坂主査)試合を横断的にやることはなかなか進まないということがあるので、このあたりは丁寧に作った方が良いと思う。支部あるいはカンファレンスの位置付けや文言を検討いただければと思う。

〇(作業部会員)大学スポーツの主役は学生だと言っているが、18歳以上が成人になり、大学生が事務所の手伝い程度しか参画しない組織で良いのだろうか、と思う。スタートの時からこういう準備を含めて大学生を参画させるようなそういった視点が必要だったかと思う。

〇(作業部会員)先ほど話が出た地区の話については、現場を見ると大学生の競技スポーツは8~9割は地区で行っている。たまたま勝ったチーム・選手が全国で戦っているだけで、活動自体は地区別の連盟等で行っているということが実態である。そのため、地区がしっかりしない限りは、全国の組織として確立することはありえない。

〇(作業部会員)スポーツ庁が日本版NCAAがどう関わるのかという点は定款の中で示すのか、理念で示すのかあるいはリーフレットやパンフレット、スポーツ憲章のようなものを作るなどどういう形で示すのか。一般国民の方は、(今回の日本版NCAA設置議論は)スポーツ庁手動でやっていることと思っている。一方、任意団体からも、スポーツ庁はパートナーなのか、それとも支援者なのか関係図が良く見えないとの声がある。

〇(作業部会員)「日本版NCAAの将来像」の資料は非常に良くできていると思うが、主要な競技団体の中にはもうすべて実施済みの団体もあるかもしれない。大学にとってメリットということについては効力があるかもしれないが、競技団体には何のメリットがあるのか。資料を作るのであれば大学用と競技団体用と2つ作らないと説得力がないような印象を抱いた。

〇(伊坂主査)カンファレンスという言葉にすると、米国であれば全ての競技を加盟大学でやると捉えられるので、言葉としては適切でないのではと思った。

〇(友添主査)来年度スタートするのであれば、学連とNFとの関係が大事で、作業部会だけで議論するのではなく早急に学連及びNFと綿密な擦り合わせをやっていく必要がある。そうしなければ、スタートをしたものの現実には何も変わらないようになってしまう。
〇(友添主査)上部の統括団体として各種目には日本学連があり、こことの連携をどうするかを早急に詰めていく必要があると思う。日本学連は大会を主幹している数はそれほど多くないが、学連とNFの代表の方たちと同席しながら意見を聞いていくような状況を作っていく必要があり、早い段階で行わないと間に合わなくなるということを懸念している。

〇(戸田主査)大学や関連する学連、大学の立地している地域の活性化にも寄与するようにしたいという流れがあったように思うが、定款の目的などに示していく必要があると思う。総合大学・単科大学など色々あると思うが、夜間では含まれないのかなど、定款の中で明確にしておく必要があると思った。
〇(戸田主査)定款の目的の中で「競技スポーツ」という言葉が出ているが、競技スポーツではない大学の運動部活動は結構あるので、競技スポーツとしてしまうと誤解が生じると思う。大学のメリットとしては、大学のスポーツ活動が盛んになることによって部活動だけでないスポーツに関心を持つことによって、「する」だけでなく「観る」ことで大学の活性化が図れ、それが大学の帰属意識の向上などに繋がると思う。その大学の力が地域に貢献発展でき、社会に役に立つということも含めたらよいのではないかと思う。
〇(戸田主査)定款の会費について、正会員は会費を出しなさいとあるが、どうするのか。
〇(戸田主査)大学スポーツも含んだスポーツ界でコンプライアンスなど様々な問題が起こっていて評判が悪くなっているが、そういった中で日本版NCAAが立ち上がることによって大学の健全な運動部活動、スポーツが発展する良さがあるということもメリットだと思うが、そういうことも考えると目的のところにもう少し幅を持たせて書いても良いかと思う。大学スポーツにおいて、大学を、日本を、地域を、より良くしていきましょうという組織であることがわかる理念でも良いのではと思う。

〇(友添主査)サークルは対象外だという議論を長く行ってきたが、当該の大学の代表権を持った1部だけを対象にした組織であり、定款案には幅広く書かれていて、大学スポーツ、適切な運営体制のもとでと書かれているのは、例えば柔道で言うとA大学から柔道部を2つ認めるということではなく、代表権を持った1つしか認めないという組織で議論をしてきて、今もそれを言明しているという理解でよろしいか。サークルなどは対象外で体育会運動部に所属している当該大学の代表権を持って学連に加盟している一つの部を対象にしているということでよろしいか。
⇒(木藤主査)その通りで想定している。

〇(友添主査)もしそうでないのであれば学連、NFは必要ないし、今までの議論の前提を確認しておかなければ、サークルやあるいは競技をしないようなスポーツクラブを含むという話ではないということは一度皆さんと確認、共有をしておいたほうが良いと思い発言した。

〇(小林勝法主査)米国でもアスレチックデパートメントとレクリエーショナルスポーツセンターの2本立てである。アスレチックデパートメントについてはNCAAが行っているし、レクリエーショナルスポーツについては別の団体がある。今目指そうとしているのはNCAAであるが、日本版NCAAの中に一つの部門としてそのような学生スポーツの振興に関する部門を作っても良いのではと思う。日本でも2本立てにするというのは、規模的に非常に厳しいと思う。数万人を抱えているような米国の大学であれば学内の教職員のレクリエーション活動を含めてレクリエーショナルスポーツとなるが、そのあたりを考慮していただきたい。

〇(小林至主査)上述の件だが、今後組織ができて次の横展開の段階の話ではないか。
〇(小林至主査)様々な代理店機能を有することになるから、そのノウハウを蓄積して、別の団体のバックオフィスの機能や動画配信機能であったり、会員組織化する機能であったりなど、応用・横展開するという意味では、それもありだと思うが、これまでの議論を踏まえると、まず対象とするのは、いわゆる体育会であり、学連にも協力いただきながら進めていくという方向性であったかと思う。

【各主査からの進捗報告】
〇各主査より、各テーマの進捗について説明があった。

【スポーツ庁からの報告】
〇増井参事官より、「日本版NCAAについて(案)」について説明があった。

(質疑応答)
〇(小林勝法主査)テーマ9の大会レギュレーションの整備で、私がイメージしていたのは、対象に短大や高専、大学校を含めるかどうか、大会の主催権をどうするか、地区大会の主催権をどうするか、学生の肖像権の問題などを整備していくことかと思ったが、そういった点はどのような取扱いになっているのか。
⇒(事務局)地域の学連がやっている競技の扱いは大きな課題であると議論している。肖像権については今のところ議論していないので確認する。大学の範囲については、ここでは議論していないが、定款と整合させるのが良いと思っている。

〇(小林至主査)肖像権に関して、昨年度のマネジメントWGで議論したが、今興行している団体から権利を取り上げるということは決して考えない、一方で新たに作るものに関しては、むしろまとめて高く売れること、あるいは代理店機能として高く売れるのであればそれはそれで考えましょうという議論であり、そのような方向でないかと想像している。

〇(小林勝法主査)色々な学連が様々に行っており、現状は認めるとしても将来的には日本版NCAAに権利を取られるということを、将来像のところで段々誘導していかなくてはいけないのではないか。

〇(小林至主査)米国でもアメフトの権利をNCAAは一つも持っていない。アメフトは決して譲らない。そのため、同じように日本で伝統と歴史のあるスポーツにいつか譲ってもらおうということは前提としてはあまり考えないほうが良いのではないか。もしもいつか代理店機能が洗練される中で、共同でやってみるかというようなことは出るかもしれないが、それを前提としてしまうとお互い警戒のもとに協力体制が築けないのではないかという話が昨年度のWGの際の基本路線であった。このテーマ9でもそれが引き継がれているのではないかと思う。新たな大会が作られた場合には日本版NCAAが興行権を持つといった方向性で良いのではないか。

〇(小林勝法主査)今後色々な大会ができたり、色々な学連が加盟したりする中で、日本版NCAAに加盟している以上は、こういうことを守ってくださいという原則を作る必要があると考える。

〇(小林至主査)それをやると最初から議論にならなくなるということがマネジメントWGで出た意見であった。そこは既存の団体の努力を認めていくという前提でないと、議論はできないという話であった。例えば共催で新たな大会を作りましょうとそういった議論であった。

〇(小林勝法主査)学習機会確保の立場からすると、試合ばかり増えて学生が益々勉強できなくなってしまうということは避けてほしいと思う。そういう意味では、試合や大会を整理するということも考えなくてはいけないと思う。

〇(友添主査)詳細については作業部会の中では議論できない。絞り込んで議論していかないと難しい。NFの方もいらっしゃると思うが、NFが肖像権を持っていて学連には肖像権がないというパターンが多いと思う。その調査もしてほしいと言っているが、データがあるかないかわからない。今言ったように肖像権の管理チェックはどうなっているのか、知らないといけない。同時に、新しい試合を設定する、あるいはジョイントしていく、ではどういった工程表で行うのかもう少し密に検討していく必要があり、主査会の中で議論したほうが生産的で効率的だと思う。落としどころをどうするかというのは別のところで時間をかけてやっていかなくてはならないと思う。

〇(境田主査)既存のNFの利権のようなものをこちらに渡してもらうということはしないということです。むしろ新しく利権をシェアードサービスなどの形で上手く作り出し、うまくマネタイズする、もしくは既に学連が有する利権を一緒に協同して大きくしましょうと。そういうスタンスでお互い協力する方法を目指すということが今まで議論した方向性であった。

〇(伊坂主査)大学に伝えていく時に、設立理念の中に落とし込んでいただくとありがたい。卓越した人材をこの場で作るということが前提にあった上で、それを回すために今それが必要であるということを常に意識したほうが、大学にとっては理解しやすいと思う。

〇(作業部会員)現状の定款だと、国立大学法人では概ね厳しいのではと思う。大学の適切な運営体制のもとで教育の一環として行われる学生の競技スポーツということが定義されている大学は国立大学法人の場合、極わずかだと思う。国立大学法人のミッションには教育、研究、社会連携の三つの柱があるが、部活動は課外活動であるためその位置づけが明確に定義されていない。私どもは学友会という任意団体を組織して行っている。そのため中期計画・中期目標に明記できない。そうなると国立大学法人のアスレチックデパートメントは慈善事業としてやるしかなくなる。補助金がなくなったら終了だということになる。そのと後は別法人を立てるなど知恵を絞ることになるが、いずれにせよ課外活動のままでは国立大学法人のミッションの中に新たに定義することは困難である。

〇(作業部会員)今回の日本版NCAAの事業の対象が大学を代表する学生アスリートとするのはわかる。たとえば学生スポーツを教育の一環として教育活動に位置づけるとなると幅広い学生を対象にしていただかないと教育の中に定義できないのではないかと思う。人材育成の観点からすると、スポーツをするだけではなく支える人材も育てることとも関係してくる。

〇(作業部会員)本学では学生スポーツをどう位置付けるか見直す動きを始めている。ただし、各国立大学法人が一斉に行っているわけではない。現在準備委員会に登録している国立大学法人は20弱だと思うが、さらに減ってしまう可能性がある。少なくとも参加している全国立大学法人にとって価値が生まれるようにするためにも「部活の学生」だけではないことを示すような表現の仕方をしないと例えば「教育」の一環として位置付けることが難しくなると思う。体育会も一般学生から入ってくる学生が少なくない。もちろんセレクションを受けてスポーツ自体を目的として進学する学生がいる大学もあると思いますが、それはマジョリティではない。

〇(作業部会員)先程短期大学の扱いについて発言がいくつかあったが、短期大学は学校教育法で定められている大学の一部であるため、日本版NCAAが大学というものを名乗るのであれば、法的な根拠をきちんと踏まえて定款への取り扱いを考えていただきたい。実際に私立の短期大学ではスポーツ大会を開催していた歴史があるし、いくつかの短期大学では学連に登録して四年制大学と互角に戦っているので、そういった状況も踏まえて定款に考え方を記載していただきたいと思う。

〇(作業部会員)国立大学としてどういう形でこれが進んでいくのであったら参加できるかということで話を進めているが、教育なのか、研究なのか、社会貢献・社会連携なのか、その立場がはっきりして、大阪大学は特に研究の立場で貢献できることがあれば参加していこうという趣旨で今回参加させていただいている。したがって、競技スポーツを目的とするということについては設立の時から理解しているし、米国ではそうであるということも理解しているが、日本でそれをどう位置付けるかということは、できれば私立、国立色々な大学が参加できる形の定款に落とし込んでいただきたい。

〇(作業部会員)定義の話を早く詰めていただき、どこに位置付けるかは筑波大学・永田学長からも問題提起があったので、中期計画・目標の中でどう扱うのかということを明確に示せば、国立大学でも解決できると思う。

〇(作業部会員)最後は各大学でどのように対応できるかであり、日本版NCAAが何か決めたとしても、最後は現場でどういうふうになるのかということが重要だと思う。特に安全安心は重要なテーマであり、これが大きなメリットになろうかと思うが、安全安心の基準や人づくりについてルールを決めても、どうやって実施を担保するのか、試合に張り付けたりするには、お金の問題もあると思うし、人材のプールも必要になると思う。

〇(作業部会員)人材の部分は大学の方にもないので、日本版NCAAで人材の派遣ということも考えるとか、そこまでシステムを整えないと現場が動かない可能性もあると思う。

【今後のスケジュールについて】(資料1)
〇福本企画官より、今後のスケジュールについて説明があった。

お問合せ先

スポーツ庁 参事官(地域振興担当)付

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(スポーツ庁 参事官(地域振興担当)付)