運動・スポーツガイドライン(仮称)策定に向けた有識者会議(平成29年度)(第1回) 議事録

1.日時

平成29年10月10日(火曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省15階 15F1会議室(東京都千代田区霞が関3丁目2番地2号)

3.議題

  1. (1)座長の選任等
  2. (2)本年度における検討の進め方について
  3. (3)事例等の選任について
  4. (4)その他

4.議事録

【松崎健康スポーツ課課長補佐】  それでは,間もなく2時になりますが,もう皆さんおそろいのようですので,会議を始めたいと思います。
 ただいまから運動・スポーツガイドライン(仮称)策定に向けた有識者会議の第1回会議を開催いたします。皆様方におかれましては,御多忙の中,御出席いただきまして,誠にありがとうございます。
 なお,会議の進行につきましては後ほど決めさせていただきます座長にお願いしたいと思いますが,それまでの間,事務局の方で進行させていただきます。
 また,本会議の運営規則については後ほど決定していただきますが,それまで暫定的な取扱いとして本会議を公開で開催し,撮影は冒頭のみ許可したいと思いますので,よろしくお願いします。
 議事に入る前に,委員の方とスポーツ庁関係者の御紹介をさせていただきます。五十音順で,お名前のみ御紹介させていただきます。
 まず,昨年度より引き続き委員に御就任いただきました方々を御紹介させていただきます。
 内藤久士委員です。
【内藤委員】  よろしくお願いします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  中西純司委員です。
【中西委員】  よろしくお願いします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】 福永哲夫委員です。
【福永委員】  こんにちは。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  宮地元彦委員です。
【宮地委員】  よろしくお願いします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  そして,今年度新たに委員に御就任いただきました,藤田紀昭委員です。
【藤田委員】  藤田でございます。よろしくお願いします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  また,近藤克則委員は遅れて御出席されます。
 なお,本日は御欠席されていますが,萩裕美子委員にも引き続き委員に御就任いただいております。
 続きまして,本ガイドラインの策定に当たってはガイドラインの活用主体でもある民間企業からの御意見も取り入れていく必要があると考えており,2名の方に専門委員をお願いしております。
 後山礼専門委員です。
【後山専門委員】  よろしくお願いします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  また,本日御欠席ですが,岡部智洋専門委員も昨年度に引き続き専門委員に御就任いただいております。
 次に,オブザーバーの紹介をいたします。
 厚生労働省の,知念希和健康局健康課女性の健康推進室長に御出席いただいております。
【知念厚生労働省健康局健康課女性の健康推進室長】  知念でございます。よろしくお願いいたします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  そのほか,昨年度から引き続き,スポーツ団体の方々にもオブザーバーとして御出席いただいております。御出席の団体については,座席表を御確認ください。
 また,今年度より日本障がい者スポーツ協会にもご参加いただくことになりました。
 最後に,スポーツ庁からの出席者です。
 スポーツ庁審議官の藤江です。
【藤江スポーツ庁審議官】  藤江でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  健康スポーツ課長の安達です。
【安達健康スポーツ課長】  安達です。よろしくお願いします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  健康スポーツ課障害者スポーツ振興室長の田中です。
【田中障害者スポーツ振興室長】  田中です。よろしくお願いします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  健康スポーツ課課長補佐の川田です。
【川田健康スポーツ課課長補佐】  川田です。よろしくお願いします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  最後に,改めまして私は,健康スポーツ課課長補佐の松崎と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは,会議の開催に当たりまして,藤江スポーツ庁審議官より御挨拶させていただきます。よろしくお願いします。
【藤江スポーツ庁審議官】  改めまして,スポーツ庁審議官をしております藤江でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 この,運動スポーツガイドライン,まだ仮称ということでございますけれども,この策定に向けた有識者会議の第1回会議の開催に当たりまして,一言御挨拶を申し上げます。
 皆様方におかれましては,昨年度に引き続きまして本会議への御協力を快くお引き受けいただきまして,改めて厚くお礼申し上げます。また本日は,非常に御多忙の中,御出席いただき誠にありがとうございます。
 御案内のように,文部科学省におきまして本年3月に第2期スポーツ基本計画を策定いたしまして,この計画を踏まえて4月より様々な施策に取り組んでおるところでございますが,この中には本ガイドラインに対する記載も盛り込まれておりまして,スポーツ参画人口拡大のための重要なツールの一つというふうに考えております。
 今年度は,昨年度末に公表させていただきましたスポーツガイドライン(仮称)骨子を肉付けし,グッドプラクティスなども盛り込み,本ガイドラインの対象者であるスポーツ関係者等の取組を促進し,ひいては国民のスポーツ参画人口の一層の拡大を目指していきたいと考えております。
 本会議には,昨年度から引き続き研究者の方々,そして民間企業,オブザーバーとして厚生労働省や各スポーツ団体の方々にも御参画いただくなど,様々なお立場で御見識を有する,第一線で活躍されている方々にお集まりいただきました。
 また,先ほど松崎からも紹介させていただきましたけれども,今年度から障害者スポーツについての御知見をお持ちの藤田委員にも御参画いただくということと,オブザーバーとして日本障がい者スポーツ協会にも加わっていただいております。皆様方には,これまでの御経験あるいは研究成果を踏まえて,我が国におけるスポーツガイドライン策定に向けて積極的かつ率直な御議論を頂きますようお願いいたします。
 簡単ではございますが,私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  それでは,撮影はここまでにさせていただきたいと思います。
 会議の進行に当たりまして,初めに座長を選任したいと思います。本会議は昨年度からの継続開催でもありますので,昨年度に座長を務めていただきました福永委員に引き続き座長を務めていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
                            (「異議なし」の声あり)
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  それでは福永先生に座長をお願いし,以後の進行は座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【福永座長】  福永でございます。よろしくお願いします。
 今,藤江審議官から御説明ありましたように,このスポーツガイドラインはこれからの日本のスポーツの振興に大変重要な役割を果たすガイドラインでございますので,どうぞ皆様,活発な御意見と慎重な審議をよろしくお願いしたいと思います。
 私が出席できない場合もございますので,事前に座長代理を決めさせていただきたいと思います。内藤委員にお願いしたいと思いますが,よろしゅうございますか。
【内藤委員】  はい。
【福永座長】  それではそのようなことで,これから議事を進めさせていただきます。
 まず,本日配布されております資料につきまして,事務局から確認をお願いします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  それでは,議事次第に沿いまして,配布資料の確認をさせていただきます。
 まず資料1,運動・スポーツガイドライン(仮称)策定に向けた有識者会議設置要綱でございます。資料2,運動・スポーツガイドライン(仮称)策定に向けた有識者会議運営規則(案)でございます。資料3,本年度の検討内容についてでございます。資料4-1,株式会社日本総合研究所からの説明資料1でございます。資料4-2,株式会社日本総合研究所からの説明資料2でございます。資料5,本年度のスケジュール(予定)でございます。参考資料1,スポーツガイドライン(骨子)でございます。
 なお,委員の方々には,このほかに机上配布資料として数点の配布資料がございます。不足等ございましたら,事務局までお知らせください。
【福永座長】  よろしゅうございますか。
 それでは,本会議の運営規則を決定したいと思いますので,事務局からお願いします。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  資料2,運動・スポーツガイドライン(仮称)策定に向けた有識者会議運営規則(案)をごらんください。要点のみの説明とさせていただきます。
 全部で7条と附則からなりますけれども,まず3条で有識者会議の公開を定めております。「次に掲げる場合を除き,公開して行う」となっておりますが,「人事に関する事項を議決する場合」,また,「前号に掲げる場合のほか,座長が有識者会議を公開することにより公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認める場合その他正当な理由があると認める場合」は,公開しないことができるとなっております。
 また,第5条では有識者会議資料の公開について定めておりまして,配布した資料については原則として公開することになっております。必要に応じて,「全部又は一部を非公開とすることができる」となっております。
 裏面にまいりまして,第6条に議事録の公開とございます。会議の議事録についてはこれを作成して公開しなければならない。「ただし,座長は,公開することにより公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認める場合その他正当な理由があると認める場合には,当該議事録の全部又は一部を非公開とすることができる」ということになっております。
 以上でございます。
【福永座長】  ありがとうございます。いかがでしょうか。ただいまの運営規則につきまして,御質問,御意見等ございませんでしょうか。
 よろしゅうございますか。それでは,この案のとおりに進めさせていただきます。
 それでは議題に入りたいと思いますが,本日,大変多くの議題がございます。というか,審議していただきたいことがございますので,4時までには確実に終わりたいと思いますので,よろしく御協力のほどお願いします。
 それでは,本年度の検討内容について事務局から御説明をお願いします。
【安達健康スポーツ課長】  はい。それでは,資料3をごらんになってください。こちらで本年度の検討内容について御説明したいと思います。表紙を1枚めくっていただきまして,第2期スポーツ基本計画のポイントとございます。
 昨年度,スポーツガイドラインについての骨子をまとめていただきました。その後,本年3月にこのスポーツ基本計画が取りまとめられました。図の左の部分をごらんになってください。1,2,3,4とございますけれども,1のところで「する」「みる」「ささえる」スポーツ参画人口の拡大について記載されております。この中で,例えばスポーツ実施率週1回以上,現行42%を65%程度を目指すなど,数値目標を含む成果指標がこの計画の中に盛り込まれたところでございます。
 1枚めくっていただきまして,スポーツ審議会の下に設置されました健康スポーツ部会でございます。このスポーツ基本計画の中では,今申し上げましたとおり成人のスポーツ実施率週1回以上を65%程度に引き上げる。また,そのために新たに2,000万人程度のスポーツ参画機会の増加が必要とされております。そのため,中央にございますけれども,この部会におきましては第1弾としまして,行動計画を策定することにしております。スポーツ参加促進に向けた新たなアプローチ,国民全体に対する普及・啓発策ですとかを検討することとしております。ここで御検討いただくスポーツガイドラインにつきましても,こういった普及・啓発策等に活用が大いに期待されると考えております。
 この部会におきましては,右にありますとおり,第2弾として政策パッケージとございますけれども,制度改正や地方公共団体の体制整備等の中長期的な対応策についても検討することとしております。重点対象としましては,ビジネスパーソン,女性,子供(特に幼児期),高齢者となっておりまして,今回御検討いただくスポーツガイドラインの対象とも重なるところでございます。
 1枚めくっていただきまして,3ページでございます。こちらはスポーツ実施率の飛躍的な向上についてということで,現行のスポーツ庁の取組を記載しております。それぞれの重点対象ごとの取組が書いてございますので,御参照いただきたいと思います。
 1点,「ビジネスパーソン向け」の二つ目のポツをごらんになってください。「官民連携プロジェクト(ビジネスパーソン向け国民運動)」とございます。こちらは,忙しいビジネスパーソンについて,「歩く」習慣の定着によりスポーツ人口の拡大を図るような取組でございます。「FUN+WALK PROJECT」として10月2日に公表させていただいたものでございます。
 下の「全体・無関心層向け」というところをごらんください。二つ目のポツに,「スポーツガイドライン(仮称)の検討」とございまして,こういったガイドラインの策定と普及,活用により,実施率の向上を図っていくという形で考えております。
 1枚めくっていただきまして,4ページでございます。スポーツガイドライン(仮称)骨子の概要とございます。
 骨子の枠組みのところをごらんください。昨年度,骨子を策定いただきましたが,第1章ではスポーツ施策の方向性,第2章ではガイドライン(仮称)が目指すところを記載するということになります。
 第3章のところで,具体的に「スポーツへの参画を促すための3つの方向性」を記載することとしております。一つ目のポツにございますけれども,スポーツ参画人口の拡大を一体的に推進するため,「する」「みる」「ささえる」のそれぞれの観点におけるスポーツ関係者等におけるアクション例や具体的な実践例をまとめることとしております。本日は,このような観点から具体的な事例等について御議論を頂くこととしております。
 1枚めくっていただきまして,5ページのところでございます。スポーツガイドライン(仮称)策定に向けた今後の進め方とございます。
 全体的なスケジュールとしましては,本日,事例の収集等とございますけれども,各委員の皆様に,それぞれの対象に対する先進的な取組ですとかヒアリング調査を行う事例などを選定していただくこととしております。その後,選定事例に対して実際にヒアリング等を順次行いまして,本文の作成・ガイドライン策定のため2月から3月にかけて案をお示しし,御議論を頂くという形にしております。年度内にガイドラインの案が取りまとめられました際には,スポーツ庁から地方公共団体ですとかスポーツ関係団体等へ周知,普及を図っていくということで考えております。
 「2.今後の具体的な検討事項」とございます。これは第2回以降の主な課題になると考えておりますけれども,まずは第3章における各目標の設定とございます。こちらは,スポーツ基本計画におきましても目標が設定されておりますので,そういったものとの整合性を取りながら検討していくこととなるかと思います。あと,本「ガイドライン(仮称)」の名称についてどう考えるかということもございます,使う方が分かりやすい,内容にマッチしたものを改めて御議論いただくこととしております。あと,ここで制定するガイドラインの普及方法ですとかフォローアップの方法についても御検討いただくことを予定しております。
 「3.健康スポーツ部会との関わり」とございます。先ほどスポーツ審議会の下で設置されたこの部会につきましては,スポーツ実施率の向上を図るための対策を検討しておりますので,こちらでスポーツガイドラインが取りまとめられた際には,その成果も部会の議論に活用していきたいと考えてございます。
 以上でございます。
【福永座長】  ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして,御意見や御質問はございますでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 それでは,今も御説明ありましたけれども,ガイドラインの第3章で,施策の方向等について文章で示すとなっているわけですが,その取組の参考となるような事例も併せて示すことになります。事例の収集につきましてはスポーツ庁から調査研究事業として日本総合研究所に委託されていると伺っております。きょうの議題は,そのガイドラインの中の参考資料として掲載する事例ですね。日本総研から約40件提案されていますが,その中で特にヒアリング調査をする事例,約20件。これにつきまして選定していただきたいと考えております。非常に数が多いものでございますので,できるだけ要領よくヒアリングする事例につきまして御説明いただいて審議していただくということにしたいと思います。日本総研の資料4-1に事例について挙がっておりますが,全体を「する」スポーツと,「みる」「ささえる」スポーツという大きく二つに分けて議論していきたいと思います。
 まず,配布資料に従いまして,日本総研さんからこの委託調査の概要と事例の選定について,「する」スポーツの部分から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  御紹介にあずかりました,日本総合研究所の春山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。お手元の資料4-1に基づいて説明させていただきたいと思います。
 一緒に資料4-2をお付けしているんですけれども,こちらは今回取り上げた事例を一覧表化したものでして,御参考でお示しさせていただきます。具体的な説明は資料4-1のパワーポイントに沿ってさせていただきたいと思います。
 資料をめくっていただいて,まず1ページ。弊社が今回スポーツ庁からの委託でどのような形で調査を進めているか,その辺について簡単に説明させていただきたいと思います。今回の調査では1次調査として文献調査を行って,ここで昨年度のガイドラインの骨子の中で決めていただいた事例収集項目ごとに約5件から10件程度の事例を公開情報ベースで収集しています。その中から特に優れた事例について,今,福永座長からも御紹介いただきましたようにヒアリング調査をさせていただいて,ガイドラインに盛り込んでいくと伺っておりまして,今回,先ほど申し上げた文献調査の中でピックアップした全部で100件以上にのぼる中から,事務局の中で特にこれはいいだろうという事例を40件ほどピックアップしてこのパワーポイントの資料の中にも示していますので,その中からヒアリング対象となるような事例を20件程度選んでいただいて,その事例を元に弊社でヒアリング調査を進めて取りまとめるといったプロセスで進めさせていただければと思っております。下に簡単にスケジュールをお示ししておりますけれども,8月,9月の段階でほぼ文献調査は完了しておりまして,本日のこの会議の場でヒアリングの候補を決めていただいて,決めていただいたものに基づいて暮れ頃までにかけてヒアリングをさせていただき,それを取りまとめて次の会議,2月頃になるとお伺いしているんですけれども,そこで御提示させていただくといった流れを想定しております。
 では,具体的な調査の内容について説明させていただきたいと思います。
 2ページをごらんください。ここは事例収集項目についてということで書かせていただいております。事例収集項目については,基本的には昨年度御議論いただいたガイドラインの骨子で示されている項目に沿って収集しているんですけれども,弊社から幾つか御提案をさせていただいて,少し項目数を増やしています。具体的には,この図表の中の青字で示している部分でして,1-4,2-3,3-3になります。
 1-4は多世代にまたがるスポーツ参加促進に向けた方策という項目を立てさせていただいているんですけれども,昨年度のガイドライン骨子の中では,子供とかビジネスパーソンとか高齢者といった世代ごとに取組が項目立てされていて,恐らく多世代という取組はそれぞれの項目の中での広がりとして捉えられていたのかなとは思いながら,あえて多世代にまたがる取組ということで,例えば家族で楽しめるスポーツとか,そういったものを分かりやすく項目立てしてもいいのかなと思いまして,追加させていただいております。
 2-3,3-3については,「みる」スポーツとか「ささえる」スポーツ,それぞれの参画人口拡大に向けた取組というのが一つ重要なテーマになるのかなと思う一方で,「みる」スポーツとか「ささえる」スポーツをきっかけに,「する」スポーツを促していくような取組も別立てで調査できたらよりよい調査になるかと思いまして,ここは追加させていただいております。以下にお示ししている合計21の事例収集項目について,事例調査を実施しているところになります。
 めくっていただいて,3ページと4ページでヒアリング対象事例の選定方法について。本日,事務局案をお示しさせていただこうと思うんですけれども,そのステップについて簡単にまとめさせていただいております。3ページが事例選定のステップをお示ししたものです。具体的には三つのステップで進めておりまして,まずは求められる取組の方向性の整理ということで,要は,事例収集項目ごとにどういった取組が必要なのか,そういった方向性の整理を昨年度のガイドラインでいろいろ御議論されている経緯ですとか,あるいは今回,9月までに弊社で実施した文献調査の1次調査からエッセンスを抽出して,そういった取組の方向性に特にマッチした事例を,この真ん中に書いてある選定事例案の提示というところで,幾つか事務局でピックアップしてお示ししているという状況になっております。特に取組ポイントに適切にアプローチしていると想定されるような事例について,項目ごとに2,3件ずつ今回はお持ちしておりますので,それについては後ほど説明させていただき,御意見を頂ければと思います。
 1点,今回お示ししている事務局案は公開情報を取りまとめて作成したものですので,ヒアリングの可否については,今後,各取組主体に改めて依頼して承諾を取る必要があります。ここでお示ししているものが必ず行けるかどうか分からないということについては御理解いただければと思います。
 一番右にヒアリング対象事例の選定とございまして,ここを本日の会議の場で是非御議論いただきたいと思っているところです。先ほど申し上げましたように事例収集項目ごとにヒアリング対象事例案をお示ししておりますので,そこからヒアリングして,ガイドラインに盛り込む事例について,本日の会議の中で是非御意見を頂きたいと思っております。
 事例についてはこれから説明させていただくんですけれども,今回お示ししているのは飽くまでも事務局案にすぎないので,この会議の場で,もっとこういう事例の方がいいというものがありましたら是非御意見を頂ければ,事務局案ではなくてこの会議の場で御意見いただいたものについてヒアリングさせていただいてガイドラインに盛り込むことも可能ですので,ざっくばらんに御意見を頂ければと思っております。
 4ページには,ヒアリング対象事例の選定方法についてということで,以下の資料の大まかな構成についてお示ししています。具体的には今申し上げたようなプロセスを図示したものなんですけれども,まず,事例収集項目ごとに取組のポイントを整理,この右上の青の破線で囲っている部分ですけれども,取組のポイントを整理して,その取組のポイントに対して適切にアプローチしていると想定される事例を事例収集項目ごとに2,3挙げて事務局案としてお示しして,具体的な取組のポイントをまとめさせていただいております。
 この事務局案の中で,事務局としてどちらの方がよりガイドラインに盛り込むべき事例としてすぐれているかということを,一旦事務局案として,丸と二重丸で優先度付けをさせていただいております。
 基本的に,今回取り上げさせていただいた事例というのはどれも非常に効果が上がっている優れた事例だと思っているので,そういった意味での差は余りないのかなと思っているんですけれども,ガイドラインに盛り込むということで,普及・啓発効果と再現性という二つの軸で整理しています。具体的に申しますと,普及・啓発効果というのはまねしたくなるといいますか,参考にしたくなるといいますか,そういった効果があるかどうかというところでして,再現性というのは,では実際にまねしやすいものなのか,あるいは特殊なリソースに基づいていてなかなかほかの地域には展開しにくいものなのか,そういった観点で少し優先度を付けさせていただいています。
 今回の事例の御説明では,概要については皆さんもよく御存じのような著名な事例が並んでいると思いますので,優先度のところを中心に説明させていただきたいと思います。
 それでは,先ほど座長がおっしゃいましたけれども,「する」スポーツに関わる部分の事例の選定案について,引き続いて私から説明させていただきたいと思います。
 まず,5ページ,6ページをごらんいただければと思います。ここでは1-1子供世代のスポーツ参加促進に向けた方策について取りまとめております。
 具体的な事例収集,ヒアリング対象事例案については6ページに,1-1-1,場所の確保と1-1-2,地域での取組ごとに取りまとめております。
 場所の確保については,二つ事例を挙げております。一つは,浦和スポーツクラブの星空スポーツ広場です。もう一つが,ソシオ成岩スポーツクラブの,中学校の体育施設を使った地域での取組となります。この二つの事例とも,地域の総合型スポーツクラブが,地域の自治体,学校と連携しながら学校の施設をうまく活用して,地域の住民,特に子供たちに向けてスポーツする場を提供するといった取組になります。
 浦和スポーツクラブの取組は,割とシンプルに県立高校の既存の空き施設を活用して,そこを地域住民の方に使っていただけるような形で運営するという取組で,非常に取組としてもすぐれていると思いますし,また,ほかの地域でも割とまねしやすい取組かなということで,優先度が高いとさせていただいております。
 成岩スポーツクラブの取組は,中学校の体育館の改修に合わせて,スポーツクラブの意見も入れながら地域で使えるような形で施設をブラッシュアップして,なおかつ中学校の部活動とスポーツクラブでのスポーツ活動を連携させながら,地域の子供たちにスポーツ参加を促進させていくような取組なんですけれども,取組としては非常に広がりが大きくて面白い事例かなと思っています。ただ,この場合は中学校の施設の改修のタイミングにうまく合わせたとか,そこからうまく行政がバックアップして連携をつなげているとか,そういったところで少し参考にしていただくには難しいところがあるかなと考えて,少し再現性の評価を下げて,優先度がやや低いとさせていただいております。
 続いて,1-1-2,地域での取組の説明をさせていただきたいと思います。ここでは三つほど事例を挙げておりまして,一つ目が愛知の朝日丘スポーツクラブが大学と連携して中学校の部活を指導している例,それから日本体育協会のアクティブ・チャイルド・プログラム,三つ目がスポーツ科学を活用した取組で,スポーツクラブの運営をしているアローズジャパンの取組,この三つを挙げております。
 この三つの取組は,先ほど申し上げた二つとは違って,それぞれ異なるレベル感の取組と言いますか,それぞれ異なる特性を持った取組かと思い,いずれも甲乙付け難いということで優先度を高く評価させていただいております。
 ここでは日体協のアクティブ・チャイルド・プログラムだけ,普及・啓発効果を丸にさせていただいているんですけれども,これは,スポーツ団体が既に実施されている取組でして,要は関係団体には既にある程度周知が進んでいる取組なのかなと判断して,丸とさせていただいています。ただ,ここは正に本日御相談させていただきたいところではあるんですけれども,いやいや,まだ全然広まってないので,むしろガイドラインに盛り込んでこういった取組を広げていくことが重要だという議論がありましたら,もちろんそちらを優先させていただくこともあると思っています。事務局としては,一旦,ある程度関連している人は知っているだろうということで少し優先度を下げて評価させていただいているところです。
 続きまして,7ページと8ページでは,ビジネスパーソン・子育て世代のスポーツ参加促進に向けた方策。特にビジネスパーソン向けに期待される取組について取りまとめております。
 8ページの1-2-1,早朝や仕事帰りの時間帯の有効活用では,横浜DeNAベイスターズのDREAM GATE CATCH{BALLと,丸の内朝大学の事例を挙げています。
 横浜DeNAベイスターズのDREAM GATE CATCHBALLは,横浜スタジアムを早朝開放して,地域の,それこそベイスターズファンを中心とした地域の住民の方々に自由にキャッチボールしていただくといった取組です。
 丸の内朝大学というのは,丸の内近隣で働く人たちを対象に,要は朝活の様々なメニューを提供しているような取組でして,その中にスポーツに関するような講義も設けられているという取組になります。
 これもどちらも非常に面白い取組で,普及・啓発効果が非常に高いのかなと思って二重丸としております。再現性に関して言うと,ベイスターズはある程度施設があって,それを有効活用する取組なので,取組のハードルが若干低いかなと思うんですけれども,丸の内朝大学は非常に面白くて先進的な取組だけに,やはり丸の内という立地条件ですとか,運営ノウハウとかそういうものも必要になってくる可能性があるかなということで,少し優先度は下げさせていただいているところです。
 続いて1-2-2,通勤時間,休憩時間等を活用した取組について説明させていただきます。
 これは三つ挙げておりまして,一つがデンソーの健康系に関する取組,二つ目がイトーキのWorkciseの取組,三つ目が東京都や新潟県のような地方公共団体による,スポーツ推進企業の表彰制度に関する取組。この三つを挙げております。
 これも,どれも非常に優れた事例かなということで挙げているんですけれども,イトーキのWorkciseに関して言うと,やはり今はイトーキがある程度ノウハウを持っていてサービス化して進めているので,これを再現しようとするとイトーキのサービスを購入する形が必要になって,そういう意味では誰でも再現できるかというと少し難しいところもあるのかなということで,少し優先度を下げさせていただいているのと,あとは東京都とか新潟の表彰制度に関して言うと,これも先ほどのスポーツ団体の事例と同様に,自治体単位である程度の普及・啓発がされているのかなというところで,少しそこの評価を下げて,デンソーの取組は割と分かりやすくて,ほかの企業でも参考にしやすいのかなというところで二重丸としております。
 続きまして,9ページと10ページでは,ビジネスパーソン・子育て世代のスポーツ参加促進に向けた方策の中でも,地域住民向けに期待される取組と,女性向けに期待される取組についてお示ししています。1-2-3が,地域住民向けに期待されるスポーツへの興味・関心を喚起する取組ということで,ここでは三つ事例を挙げております。
 一つ目が,名桜大学が離島である伊平屋村向けに健康プログラムを提供しているような事例,二つ目が,笹川スポーツ財団のチャレンジデー,三つ目が,よこはまウォーキングポイントになります。
 一番上の伊平屋村と名桜大学の事例については,離島というかなり環境的に厳しいところに対して近隣の大学がうまく学生のリソースを使いながら健康プログラムを提供している事例として,非常に面白い事例かなというところで,優先度を二重丸にしています。
 笹川スポーツ財団のチャレンジデーについては,これも非常に面白い取組で,簡易な取組かなと思っているんですけれども,これは既に一定程度の自治体が参加されているというような状況もありますので,これから新しく普及・啓発という効果は低いのかなということで,丸にしています。
 よこはまウォーキングポイントについても,これも非常にインセンティブを活用した面白い取組なのかなということで挙げております。
 それで,これは後ほど説明させていただくんですけれども,見附市の健康ポイントの事例を後段で取り上げさせていただこうと思っていまして,比較検討で,そちらを今回は優先させていただいて,よこはまウォーキングポイントは丸にしたという位置付けになっております。
 1-2-4が,女性のスポーツ参加に向けた取組の推進ということで,ここではスイーツマラソンと,あとは東京都日野市とイオンモール株式会社が連携している,ふらっと健康運動体験教室の二つを挙げております。
 スイーツマラソンは,文字通りスイーツを途中で楽しみながらマラソンするという取組で,取組自体は非常に面白いですし,こういった取組がどんどん増えてくれば女性の参画も促進できるかなと思う一方で,やはりこれもなかなかノウハウは必要なところなのかなと思いまして,このスイーツマラソン自体を横展開することは委員会と連携してやっていくことができるのかなと思うので,同じような取組,仕組みを作り上げていくのは少しハードルが高いのかなということで,再現性を少し低く評価しています。
 一方で日野市とイオンの取組は,自治体と商業施設がうまく連携して商業施設内での活動量を増やしていくという取組で,いろんなところに展開が可能かなと考えて,優先度を二重丸としております。
 続きまして,11ページ,12ページでは,高齢者世代のスポーツ参加促進に向けた方策についてお示ししています。
 12ページの1-3-1,スポーツを通じた健康増進に向けた取組ということで,ここでは荒川区の荒川ころばん体操と,スマートウェルネスみつけの取組をお示ししております。
 荒川ころばん体操は,御当地体操の中でもかなり有名なものだと思うんですけれども,特に荒川区では住民が積極的に,自分たちが主導して,こういった荒川ころばん体操の教室といいますか,そういう取組を運営していくことを促すような形で体操を推進しているところがございます。荒川区さんは元々そういう住民参画に関しては非常に積極的な自治体なので,そういった住民特性がかなり反映されている取組なのかなと思います。
 一方で,スマートウェルネスみつけの取組については,先ほどのよこはまウォーキングポイントと同様に,ポイント制度を活用したインセンティブをうまく活用したり,あとは,つくばウエルネスリサーチとICT技術をうまく活用して,健康運動教室なんかを開催しているということで,非常に先進的な取組かと思いまして,より取り組みやすいという観点では,スマートウェルネスみつけの取組の方が優先度が高いのかなということで,こちらを二重丸としています。
 1-3-2が,グループで行うスポーツ活動の推進でございます。これについては日本レクリエーション協会の健康スポレクひろばと,あとは今いらっしゃった近藤先生も参画されているJAGESが実施されている,武豊町の憩いのサロンの事例を取り上げております。
 これについても先ほどのスポーツ団体の事例と同じで,日レクの事例はある程度参加されている方も多いのかなということで,少し普及・啓発効果を低めにしておりまして,JAGESの取組については,武豊は今,例として一応挙げているんですけれども,ここは本当にこれでいいのかというところも含めて,近藤先生もいらっしゃったので御意見もいただきながら決めさせていただければと思います。やはり自治体の健康の取組をうまく,そもそも効果があるかどうかを科学的に検証しながら進めているというところでは非常に優れた取組かなと思いまして,優先度を高くしております。
 続きまして,13ページ,14ページでは,多世代にまたがるスポーツ参加促進に向けた方策の取組をお示ししています。
 まず1-4-1,一緒にスポーツを楽しめる仲間づくりということで,これは割と,会社であったり地域であったり,そういったグループの中でどれだけスポーツを促進していけるかという取組を取り上げております。そういった観点で凸版印刷のTOPPAN SPORTS FESTIVAL,社内運動会の事業ですね。それと,きゅぽらスポーツコミュニティの,スポーツを活用して地域でうまくつながりを作っていくような事業の二つを挙げています。
 この二つも,種類が違う事例なので,どちらがいいという話ではないんですけれども,社内運動会については,今,取り組み始めている会社さんも結構多いかなと感じているところがありますので少し普及・啓発効果は優先度を下げて,スポーツによる社会的起業をして地域のつながりを生かしたようなスポーツを実施しているきゅぽらの事例を二重丸としています。
 1-4-2では,家族で楽しめるスポーツをお示ししています。ここでは西武ライオンズさんがやっているAFTER THE GAME。サラリーマンナイトとか,やきゅウーマンナイトとか,要は試合の観戦後にフィールドに入っていただいて,いろいろ楽しんでいただく。これを家族向けにやっているような取組を取り上げたのと,あとは全国スポーツ推進委員連合のファミリー健康体力向上事業,これは家族や3世代での参加を推奨するという体力測定会ですけれども,こういったものを取り上げています。これも全国スポーツ推進委員連合の取組はある程度関係者に周知されているのかなということで,西武ライオンズの事例を二重丸としております。
 続いて,15ページ,16ページでは,障害者のスポーツ参加促進に向けた方策についてお示ししています。
 16ページに三つほど事例を挙げていまして,一つが大分の,大分国際車いすマラソン大会です。二つ目がかわさきパラムーブメント。川崎市でパラスポーツをうまくまちづくりに取り入れて進めている事例と,三つ目は福島県障がい者スポーツ協会が取り組まれている障害者スポーツ促進の事例と,この三つを挙げています。
 この三つも非常に違った特徴を持った事例ということで優劣を付けづらいところなんですけれども,やはり大分国際車いすマラソン大会は,本当に世界初の取組ということで,なかなかまねするのは難しい。普及・啓発効果は抜群だと思うんですけれども,ちょっと再現性が難しいかなというところで評価を下げさせていただいたのと,あとは川崎市の事例と福島の事例を比べた場合,これも取組主体が違うのでなかなか優劣が付けづらいところですけれども,川崎市の場合は,やはり行政を中心にまちづくりの広がりを作りながらパラスポーツに取り組んでいるというところで,非常に行政と様々な団体が関連しながら取組を作り上げているいい事例だなというところで,優先度を高くしています。
 続いて,17ページ,18ページでは,共通して取り組むべき方策ということで,1-1から1-5に入らなかったけれども重要な取組について挙げております。
 18ページにはスポーツを安全に実施するための方策ということで,日本陸連の安全対策ガイドライン作成の事例と,あとは公益財団法人健康・体力づくり事業財団の健康運動指導士・健康運動実践指導者資格の取得の支援。この二つの事例を挙げています。
 上の方がガイドラインを作成していろんな人に見てもらおうという事例で,下の方はどちらかというとそこから更に一歩進んで,人づくりをして,その人をうまく使ってもらうことで安全性を確保していこうという取組かなと理解していまして,そういった意味では,人づくりをして,その人をうまく組織の中で活用していただくことによって安全性を高めていくという,少し踏み込んだ取組かなということで,そちらの方の優先度を高くしています。
 メディアを活用した方策については,日テレのカラダWEEKと,西会津町のケーブルテレビを活用した保健・福祉・医療の統合システムについて挙げています。カラダWEEKは,本当にいろんな方々に向けて体について考えてもらう,スポーツについて考えてもらうようなメッセージを発信していく取組です。それに対して西会津町の取組は,どちらかというと狭いエリアに対して,特に中山間地域みたいな,なかなかいろんなサービスが受けづらい地域でケーブルテレビを活用しながらスポーツサービスを効率的に受けていただく,そういうような取組です。これも取組の質がかなり違うので,どちらがいいというようなものではないのかなと思うんですけれども,今回のガイドラインの普及・啓発を特に促していくというような観点から,日テレの取組の方を二重丸としています。
 続きまして,19ページ,20ページは,共通して取り組むべき方策として,スポーツツーリズム(スポーツを目的とした旅行)の推進と,新しいスポーツの普及・開発(多様なスポーツへの関わり),この二つを取り上げています。
 スポーツツーリズムの推進については,R・projectの,遊休施設をスポーツ用合宿施設として再生させた事例と,あとは,瀬戸内のしまなみ海道ですね。この二つを事例として取り上げています。これもどちらも非常に優れた事例かなと思っているんですけれども,しまなみ海道は,しまなみ海道に限らずスポーツツーリズムは割と地域資源といいますか,地域固有の資源をうまく活用してツーリズムに結び付けているような傾向があるのかなと思いまして,割と,そういう地域固有の資源によって取るべき一手も変わっていく側面があるのかなと思っています。
 それに対してR・projectは,余り有名な資源がないようなところでも,遊休施設をうまく活用してスポーツ合宿を中心にツーリズムを作り上げていくという動きが面白いのかなというところで,優先度を二重丸とさせていただいています。
 新しいスポーツの普及・開発については,ゆるスポーツとスポーツ雪合戦,どちらも非常に有名な事例かと思うんですけれども,取り上げています。
 ゆるスポーツは,正にゆるスポーツというコンセプトで,誰でも楽しめるようなスポーツを新しく作っていくところから普及していくところまでのコンセプトというか,そういうものをうまくマネジメントしながら,いろんな新しいゆるスポーツを次々に生み出していく事例ということで,非常に面白い事例かなということで優先度を二重丸にしております。
 スポーツ雪合戦も非常に面白い事例かなと思うんですけれども,やはりこれも先ほどの例と一緒で,雪合戦というテーマに応じた固有のノウハウみたいなものが蓄積されている一方で,新しいものを作り上げていくというノウハウがよりあるのはゆるスポーツなのかなということで,一応,優先度をこう付けています。
 すみません,ちょっと駆け足になってしまって,分かりにくいところもあったかと思うんですけれども,まず,「する」スポーツについては以上になります。
【福永座長】  ありがとうございました。以上,1-1から1-6まで御説明いただきましたけれども,御質問,御意見等,是非お願いいたします。いかがでしょうか。どなたからでも結構でございます。
【近藤委員】  では,よろしいでしょうか。
【福永座長】  どうぞ。
【近藤委員】  遅れてきて申し訳ありませんでした。先ほど武豊町のところで名前を出していただきました,千葉大学の近藤といいます。
 武豊町に,私はもう10年前から関わっていて,いろいろやってきて,それが健康,要介護認定度をおよそ半分に抑えますよとか,そういう学術的な裏付けを付けてきたというので,一つ参考にしていただけるかなと思います。
 その一方で,昨年,全国の39の市町村を対象に,高齢者の代表サンプルでスポーツの会に参加していますかというアンケートをとりました。そうしましたら,少ない自治体は14%なんですけれども,多い自治体だと40%の高齢者が月に1回以上スポーツの会に参加していることが分かっています。小さい自治体で参加率が高いというのだったら余り波及効果はないと思うんですけれども,参加率が高かった自治体が柏,船橋,あと大府なんかで,高齢者だけでも10万人規模のところで,参加率が平均から見ると十何%も多いと考えますと,その町の中でスポーツをやっている高齢者が何万人単位で多い町があるということになりますので,そういうところはいろんな施策というか,いろんなものの複合わざなので,論文なんかにまとめにくいといいますか,報じられていない。でも,実際に高齢者の1割,2割がスポーツをやっているという意味では,そういうところの秘密を解き明かす方が波及効果が大きいんじゃないかなという思いがあって。
 といいますのは,このプロットの中に武豊町を落としてみたら,平均的なんです。だから,武豊なんかよりもよっぽどすごいところがいっぱいあるやと。でも,それは複合的で規模が大きいので,かえってなぜなのか誰も研究していないみたいなところがありまして,軽いヒアリングをしてみたら,もう10年以上前から保健師さんとかいろんな人たちが地道な活動をやっているのがひょっとしたらヒントかなみたいなのがちょっと見え隠れし始めていますので,そんなところは論文とか文献にはなっていないけれども,実はすごいという,そういうところを是非対象に加えていただきたいなと思います。
【福永座長】  いかがでしょうか。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  今御指摘いただいたように,大府とか船橋とか柏とか,是非調査させていただければと思います。具体的な調査方法については,もしかすると個別に御相談させていただくかもしれないんですけれども,是非よろしくお願いいたします。
【福永座長】  ほか,いかがでしょう。オブザーバーの方も,御意見ございましたら。
 どうぞ。
【日本レクリエーション協会】  日本レクリエーション協会,河原塚と申します。どうぞよろしくお願いいたします。高齢者のヒアリング対象事例ということでお取り上げいただいております。
 優先度として丸ということで,ある程度知名度があるとおっしゃっていただいているんですが,我々,まだまだ全国的には,それこそ小学校区で2万か所ということを,壮大な夢ではありますけれども,描いておりますので,是非,優先度を上げていただいてお取り上げいただけると大変有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
【福永座長】  ありがとうございました。ほか,ございませんか。よろしいですか。
 どうぞ。
【田中障害者スポーツ振興室長】  障害者スポーツ振興室です。
 障害者スポーツの関係のところで一つ,きょう委員にもなっていただいている藤田先生の下で有識者会議を設置いたしまして,その報告書を基にスポーツ基本計画の中で障害者スポーツに関する課題を整理しております。
 その流れを踏まえますと,一つは学校の活用ということを入れていくことが今後の方向として必要ではないかなと考えておりまして,一つは障害のある子供たちのスポーツ実施率が,障害のない子供たちに対して大人以上に差がついているということと,それから,障害者スポーツの所管が厚生労働省から文科省に移る中で,文科省の一番の資産である学校を活用していくということを我々としてもしたいと考えております。
 そうした中で,特別支援学校に障害者スポーツの専門家を派遣して,障害のある子供たちの指導を充実させるとともに,地域の障害者のスポーツの拠点にするという取組をやっておりまして,先ほどから説明がある横展開という観点からいくと,全国47都道府県に1,000以上の特別支援学校がございますので,それはかなり横展開という意味でも展開することができます。
 実際2年前から,我々の方で,国で支援をして特別支援学校を地域の障害者の拠点にするという事業をしておりますので,そうした事業もヒアリング対象,あるいはこういった事例に入れていくことができると思っています。
 もう一方で,特に,これは健常者も一緒ですが,スポーツ実施率を上げる上では,今スポーツをしていない人の実施を上げることが必要でございまして,そうした中,障害者に特有なのは子供ということと,あと中途障害者,あるいは重度障害者ということがよく言われております。中途障害者,重度障害者に対するスポーツの機会の提供ということは,来年度の新規の予算要求で,地方自治体に新たな取組をしてもらうということを,今,予算要求しておりますが,そうした方向もありますので,もし中途障害,重度障害に対する取組でいい事例があれば,そういったものもピックアップしていただけると有り難いと思っております。
 以上です。
【福永座長】  ありがとうございました。何か修正……。
【日本総合研究所春山様】  もし取り上げるのに何か適した事例があれば,是非御紹介いただければ,今回は飽くまでも事務局案ですので,これに代えてそちらの方をヒアリングさせていただくことも全然可能ですので,それは本当に会議の場で決めていただければなと思います。
【福永座長】  よろしいですか。
【藤田委員】  関連で。
【福永座長】  どうぞ。
【藤田委員】  同じく障害者スポーツのところなんですけれども,その有識者会議とかでも出たんですが,肝になるのが,地域でいろんな団体が連携しているというところが非常に重要になってくるんですね。そうしないと,障害者スポーツをやりたいと思っている人をすくっていけないところがありますので,この事例の中ででも結構ですが,いろんな,できるだけたくさんの組織が連携をして上手にやっているというところを選定の一つのポイントにしていただきたいなというのと,もう一つは,障害のある人とない人が交流するようなプログラムになっている,そういうものが取り入れられているかというところです。
 大分車いすマラソンも本当にトップレベルの選手から始めた人までいろいろなんです。選手と町の人たちがかなり交流をしていて,町全体がバリアフリーになっていくというところがありますので,大分車いすマラソンのようなものをほかの地域でやるのは難しいけれども,障害者スポーツのそういった大会を起点にして市民が交流していくというポイントはあるかと思いますので,そのあたりも少し選定のときの視点として入れていただければと思います。
 以上でございます。
【福永座長】  ありがとうございます。ほか,よろしゅうございますでしょうか。
 今の話,何か質疑はありますか。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  どうですかね,例えば,今は事例,優先度はこうなっていますけれども,大分の事例に優先度を上げさせていただいて,そちらを取り上げさせていただくということももちろんあるかなと思っているんですけれども,いかがでしょうか。
 おっしゃるとおりで,いろいろ文献で調べていても,アスリートの方が小学校とか児童とかとも連携しながらやられているというお話も,ちょっとここにも書かせていただいていますけれども,そういうのは,確かに取り上げると非常にいいのかなと思っているところでありました。
【藤田委員】  何ですか,いろんな手法があって,どれがいいというのはなかなか申し上げるのが難しいところがありますので,最終,どこといったときは,先ほど言った障害がある人とない人の交流と,それから,多くの組織が関わって地域全体でそういう連携をしてやっていこうというところ,あと,田中室長がおっしゃったような,学校もその中の一つとして関わっているところの方がよろしいかなと思います。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  はい。
【福永座長】  どうもありがとうございます。ほか,ございますか。
 どうぞ。
【内藤委員】  まず2点,同じ事例でも,どの角度から見るかで,ここにも分類できるし,こちらでも分類できるという,1対1の対応ではないことはよく分かるんですが,中を,今,一つ一つの視点からではなくて全体から見たときに,例えば取組としてはベイスターズと西武球場とあるんですが,どちらも野球,野球。プロ野球という切り口で一つの事業になっちゃって,できればどこか,一つはプロ野球というプロスポーツであればもっと,例えばバスケットボールなんかでもやっているところもあるし,サッカーでもやっているところがあるし,ラグビーでもあるしという,全体から見たときに,この辺をちょっと修正を図る必要があるのかなというのは一つ感じました。
 それから,共通したところで,安全という観点と普及というところで,メディアを活用したというところなんですけれども,ガイドラインの骨子(案)を作ったときに,一つの例として安全に実施するための方策という形だったんですけれども,例としてこういうふうに挙げていましたけれども,健康運動指導士の資格というのはとても,これはここだけに関わる問題ではなくて,非常に重要なんですけれども,ここで事例として,方策として健康運動指導士等々の資格として取り組んでいるものをヒアリングしてガイドラインに盛り込んでも,その資格を取ることが大切,そういう人たちを増やそうということでは多分なくて,その仕組みを広げていかなければいけないので,どうなんでしょうか。
 健康運動指導士のこの仕組み,健康・体力づくり事業財団の仕組みが,ほかもみんなこういう仕組みをいっぱい作りなさいとなっちゃうと,逆に何か話が。いろいろな資格をいろいろなところで出してしまうようになっていって,これはとても大切な資格,あるいは安全にするための指導者の養成ということでは大切で,そのための取組という取り上げ方よりも,もっとどうしたら一般の人たちがスポーツをするときに安全に取り組めるかという事例でどういうことをしているかという,何というんですか,スポーツを安全に実施するための方策という観点だと,資格制度をしっかりやっているというところは,ちょっとここには,想定したときはそういう感じで想定したのではなかった気がするので,必要であれば,安全にするための資格認定の制度はこういうものがありますというところでは例として挙げていいと思うんですけれども,スポーツを安全に実施するための方策としてこの資格を作るというのが,ヒアリングをして一生懸命出しても,ほかはまねできないというんですか,ちょっと視点が違うかなと感じました。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  分かりました。
【福永座長】  いかがでしょうか。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  確かにおっしゃるとおりで,この事例については,例えばこうやって育成された人たちをどういうところで活用されて,それがどういうふうに役立っているかみたいな視点で取り上げても面白いかなと思ってはいたんですけれども,特に今おっしゃっていただいたように,一般の人に向けて安全に実施していただくための方策ということでは,もう少し分かりやすく,ここで挙げている事例だと,ガイドラインを作成して,うまくいろんな人向けにPRといいますか,知っていただくといった取組の方がふさわしいのかなという気もしますので,ここはそういう形で少し優先度を変えさせていただいて,優先度というか,取り上げる事例を変えさせていただくのもいいのではないのかなと認識しています。
【内藤委員】  むしろ,そういう指導者の資格を持った人たちを必ず配置しているとか,そういう人たちをすごくスポーツの普及に活用しているという,そういう事例として何か。もちろんそのためには,健康・体力づくり事業財団の方がノウハウが,こういうところでこの資格の人たちを活用してもらっていますよという情報はヒアリングしてもらって,どういうところでどういう指導にこういう人たちを必ず付けていますという例があるといいのかなと。ほかにもたくさん資格があると思いますので。
【福永座長】  よろしいですか。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  はい。今おっしゃっていただいたように,活用事例というか,配置している事例とか,そういうのを少し,御相談させていただきながら,調べて盛り込む形にさせていただきたいと思います。
【福永座長】  ほかはいかがでしょうか。
 予定していた時間が来ましたので,この「する」スポーツにつきましては,今いただいた貴重な御意見を参考に調整するということでよろしゅうございますでしょうか。
 それじゃ,今,優先度二重丸のところを対象に,ヒアリングの案として,先ほどの皆さん方の御意見を参考に再度調整していただくことにしたいと思います。
 今ちょうど3時でございます。あと1時間ございますので,次,「みる」「ささえる」スポーツに関わる部分の説明をお願いします。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  では,また引き続き私の方から,「みる」スポーツと「する」スポーツの事務局案について説明させていただきたいと思います。
 まず「みる」スポーツの事例について,21ページ,22ページからごらんいただければと思います。ここでは,項目どおりに2-1,スポーツファンを増やす取組と「みる」スポーツの魅力向上に向けた取組,それから,「みる」スポーツから「する」スポーツに促していくという3つの項目で整理させていただいております。
 まず22ページ,スポーツファンを増やす取組として,ここではプロスポーツチームと行政がうまく連携しながら「みる」スポーツの人口を増やしていく取組を取り上げさせていただいています。一つが,川崎市が川崎市内にあるフロンターレとか,そのほかにもアメフトとかいろんなプロスポーツチームがありますけれども,そういったところとパートナーシップを組んで「みる」スポーツの普及をしている事例と,それからもう一つは,先ほどバスケットというお話がありましたけれども,バスケットのBリーグの琉球ゴールデンキングスが,沖縄の那覇市を中心に地域と連携しながらファンを増やしていく取組です。その二つを挙げさせていただいています。
 一応,これは先ほど御指摘いただいたバランスみたいな話もあるかなと思いつつ,バスケットリーグの方に優先度を二重丸とさせていただいているんですけれども,川崎市は非常にいろんなプロスポーツチームが点在していて,そういったものの連携の力をうまく使っているという意味で非常に優れた事例かなと思うんですけれども,なかなか複数のスポーツチームを束ねてみたいなことができる自治体も少ないのかなというところもありまして,琉球は今非常にバスケットボールが盛り上がっていますので,そういった取組を取り上げてもいいのかなということで,琉球の方を二重丸にさせていただいています。
 2-2の「みる」スポーツの魅力向上に向けた取組については,これは「みる」スポーツの楽しみを増やすという意味で,どちらかというと施設といいますか,うまく施設を整備して,それを活用して楽しみが増しているような取組を取り上げさせていただいております。
 具体的にはゼビオアリーナ仙台とオガール紫波の事例を取り上げさせていただいておりまして,ゼビオアリーナ仙台については,本当に分かりやすく最新鋭の映像とか音響の機器を入れて,本当に「みる」スポーツとしての魅力を高めていくような工夫を施設全般に施している事例ということで,非常にいい事例ということで取り上げさせていただいています。オガール紫波の場合は,施設そのものを工夫しているというよりは,施設を中心に様々な商業施設とか町の機能を集めて,そのエリアに長く滞在していただいて,「みる」に加えていろいろ地域を楽しんでもらうといった形で魅力を挙げている事例として取り上げさせていただいております。
 続いて,23ページでは,「みる」から「する」につなげている事例ということで,鹿島アントラーズの事例とパ・リーグウォークの事例を取り上げています。ちょっとここでもまた野球が二重丸になっているので,どうしようというのもあるんですけれども,パ・リーグウォークはスマートフォンのアプリをダウンロードして自動で歩数を計測してくれて,それをチーム同士で競い合うみたいな非常に取り組みやすい事例ということで,一応優先度を二重丸にしています。
 一方で,鹿島アントラーズのカシマウェルネスプラザの事例も非常に面白い事例だなと思っていまして,これは鹿島アントラーズがカシマスタジアムの指定管理を受けたことをきっかけに,スタジアムの中でカシマウェルネスプラザという,いわゆるスポーツクラブみたいなものを運営して,鹿島のファンですとか地域の住民向けにスポーツを「する」機会自体も提供していくといった取組で,Jリーグのクラブとしての知名度を生かしながらうまく地域に普及している事例ということで,一応入れさせていただきました。この辺の優先度については,また後ほど御相談させていただければと思います。
 続きまして,「ささえる」スポーツに関する取組について,25ページと26ページに具体的な事例をお示しさせていただいております。
 まず3-1,「ささえる」スポーツの見える化ということでは,コンサドーレのボランティアスタッフ,コンサドーレの事例とJAPANサッカーカレッジの事例をお示ししています。
 「ささえる」スポーツはいろんな形の「ささえる」があると思うんですけれども,一つ,一番重要なものとしてボランティアの事例があるのかなと思っています。コンサドーレはボランティアをうまく組織化して,チームへのロイヤルティーとか地域への密着とか,そういったことも促しつつ,うまくボランティアの方々に楽しんでいただいている事例ということで,優先度二重丸として取り上げさせていただいています。
 JAPANサッカーカレッジは,サッカーカレッジという名前のとおり,「ささえる」の中でもトレーナーとか審判とか,そういった専門的な知見を持ちつつ支えるような人たちを育成するような学校でして,これも「ささえる」スポーツという意味では非常に重要な視点かなと思ってはいるんですけれども,やはり学校運営のノウハウとかが必要になってくるので,なかなか再現は難しい部分もあるかなということで,少し優先度を下げさせていただいています。
 続いて,3-2がスポーツ大会・イベント等の開催・誘致ということで,具体的には,いわゆるスポーツコミッションみたいなものを想定して,二つ事例を挙げさせていただいています。
 さいたまスポーツコミッションは,これはスポーツコミッションの先駆け的な事例かなと思うんですけれども,スポーツコミッションを作ってイベントの誘致ですとか,あとはイベントだけではなくて普通に使っていただくような人たち向けの情報発信とかを様々にやられていて,非常に優れた先進的な事例かなということで,優先度を上げさせていただいています。
 スポーツランドみやざき推進協議会についても,これもコミッション的な機能を果たしている事例として非常に有名な事例なのかなと思っています。ただ,一方で,もともとコミッションとして作られてコミッションとして運営されているというよりは,宮崎はもともとプロ野球のキャンプ地とかとしても非常に有名な地域だったので,そういう取組の積み重ねが組み合わさって,うまくコミッション的な機能を果たしながらスポーツ大会のイベント等の誘致につなげている事例ということで,少し取組としての見やすさといいますか,コミッションという目的に限ったときに非常に分かりやすい事例ということで,さいたまの事例の方を二重丸にさせていただいているというところです。
 最後に,「ささえる」スポーツから「する」スポーツにつなげるような事例として,十日町市のスポーツコミッションと福島のうつくしまスポーツルーターズの事例を取り上げさせていただいています。
 十日町市は,もともとサッカーのワールドカップでクロアチアのキャンプ地として誘致したことをきっかけに,地域でスポーツの盛り上がりを作って地域住民のスポーツ参画を促していくといった取組を進めたところで非常に優秀な事例かなということで,優先度を二重丸にしています。
 うつくしまスポーツルーターズは,もう少し地域的な取組といいますか,NPO主体の取組で,ここにも書いていますけれども,「自らスポーツを楽しむとともに,スポーツシーンを支えるスポーツボランティアのベース,基地になる」ということで,要は「する」と「ささえる」両方を目指すよというコンセプトでやっている事例ということで,非常に面白いかなと思って取り上げさせていただいています。ただ,具体的に,NPO主体なのでどこまでやり切れているかどうかというところも少しあったので,優先度を下げさせていただいたところになります。
 説明は以上になります。
【福永座長】  ありがとうございます。いかがでしょうか。どうぞ御発言をお願いします。御意見いかがでしょうか。
 御意見ございませんか。オブザーバーの方でも結構です。あるいは,これ以外にも何かアイデアがあればいただきたいんですが。ございませんか。よろしいですか。
 どうぞ。
【藤田委員】  「ささえる」スポーツに関してなんですが,先ほど事例が出た,例えば大分国際車いすマラソンというのは,そういう視点から見ても物すごくいい事例ではないのかなという気が少ししています。障害のある方の大会ということで,支える側(がわ)も非常にたくさんの人が必要になってくる。そういった中,毎年継続的にそういうものが続いているというところで,何かそういう魅力的なものがあるのではないかなと思いました。
 「ささえる」スポーツのところで,是非ボランティアをすごく大事にしているのが見えるような事例があるといいのかなと。何となくボランティアというと,やってくれて,「はい,おしまい」みたいなところが若干なきにしもあらずなんですね。そうじゃなくて,ボランティアもウイン・ウインの関係を持てているんだというところが事例の中で見えてくると,よりいいのかなと思いました。
 以上でございます。
【福永座長】  ありがとうございます。よろしゅうございますか。
 それでは,御意見等ございませんようですので,これまで全体,先ほどありました「する」「みる」「ささえる」スポーツ全体を通して,先ほどのやつも結構でございますので,御質問とか御意見とかございませんでしょうか。
 どうぞ。
【田中障害者スポーツ振興室長】  今の藤田先生の,大分の国際車いすマラソンがボランティアにも通じるという御意見を聞いて感じたんですが,今後ヒアリングを対象団体に頼むときに,事例についてヒアリングをするとなりますと,事例を受けた方は,例えば大分であれば車いすマラソンだけを発表すればいいんだなということになると思いますので,一つは事例と,その事例をすることができた取組の背景といいますか,基盤といいますか,そういったものも含めて対象団体にお願いをするのがいいのではないかなと感じました。
 例えば大分でいうと,先ほど藤田先生から話のあった,いろんな団体が連携しているということについては,我々は今,スポーツ庁で,障害者スポーツとスポーツ団体が地方自治体の体制が別々の中で連携して取り組むということに対して,過去3年間,財政支援をして自治体の取組を進めてまいりました。大分県はその委託事業も受けて,いわゆる福祉部局とスポーツ部局の連携に取り組んで,その一つの表れがあの大分国際マラソンであって,事象だけを拾うんではなくて,その事象ができた背景,あるいは事象を生み出す要因と申しますか,例えば藤田先生が言われましたようないろんな関係団体の連携,あるいは私から申し上げました中途障害とか,そういった医療・福祉も含めた連携,あるいは先ほど申しました特別支援学校を核とした取組,そういった観点でいくと,例えば大分であれば,そういったものを幾つかのポイントで受けられることもできると思いますので,そうしたやり方がやれたら,ヒアリングの幅も広がるのではないかなと感じました。
 以上です。
【福永座長】  ありがとうございます。春山さん,いかがでしょうか。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  ヒアリングの内容についても,一応27ページ以降で少し書かせていただいているんですけれども,これも説明させていただきながら御回答した方がいいですか。
【福永座長】  これは次の議題にしますので。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  分かりました。承知しました。
【福永座長】  ほかに。
 どうぞ。
【中西委員】  よろしいでしょうか。全体を通して取組事例をお伺いしながら,スポーツをしたり見たり支えたりする環境作りというか,そういうことについてはよく理解できたんですけれども,このガイドラインのネーミングが何になるか分かりませんけれども,一番大事なガイドラインの要点は,人々にスポーツの魅力というか,あるいは価値,例えばスポーツをするにしてもそうですし,見るにしてもそうですし,支えるにしてもそうですし,各主体がそれぞれスポーツの価値や魅力を決めて行動を起こすわけなんですね。そうしたときに,こういう取組を示したとしても,各主体がそこにスポーツの魅力を見いだせなければ,幾ら環境整備をしてもスポーツ参画人口は増えないわけなんです。
 お伺いしたいのは,この取組事例の中でそれぞれ二重丸が付いていますけれども,具体的にどういうスポーツの価値をこの事例の中で主体に伝えていったのかまで調べていただきたいんですね。例えば,日本体育協会のスポーツ医・科学研究プロジェクトで,スポーツの価値の多様性について研究をしましたが,やはり「する」スポーツの価値,「みる」スポーツの価値,「ささえる」スポーツの価値はそれぞれ違うわけなんです。
 こういう取組事例の中で,実際,例えば「ゆるスポーツ」の事例がありましたけれども,「ゆるスポーツ」をやっていることによって何かスポーツのイメージが変わって,自分でもハンドボールができそうな気がするとか,そういう欲求充足というか,どういうことが満たされたのかが重要です。そういうことまで,文献では分からないと思うんですけれども,ヒアリングの中で確認していただきたい。これを読んだ人たちが,こういう取組をやって,自分の地域,あるいは自分のところでもこういう取組をやれば,人々はこういうことが満たされるんだと,そういうことまで記述していただかないと,スポーツへいざなうガイドラインにはならないと,私は思っています。
 日本のスポーツ政策も,これまで環境整備はかなり行ってきましたが,なかなかスポーツ人口が増えていないのは,やはりスポーツのイメージやスポーツの楽しみ方や行い方,何かきっちりと競技を求めないとスポーツではないんじゃないかとか,そういうイメージを与えてきたことによって,スポーツに関わる人口は増えていないわけなんですね。だから,一体この取組事例でどんなスポーツの魅力や価値を伝えるかということを記述していただかないと,各主体はスポーツ行動を起こさないような気がしてならないので,是非2次のヒアリングの中では,この各二重丸の取組事例が,一体相手に対して,例えば「する」スポーツの価値や「みる」スポーツの価値や「ささえる」スポーツの価値,どういうものをもたらしていたのかまでヒアリングをしていただければ有り難いです。
 ちょっと長くなりましたが,以上です。
【福永座長】  どうもありがとうございました。今,ヒアリングの内容,あるいはガイドライン全体の方針にも関わる貴重な御意見だと思うんですが,それでは,次のヒアリングの調査項目について御説明いただいてディスカッションしたいと思いますが,よろしゅうございますでしょうか。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  それでは,引き続き私の方から,ヒアリングの項目について27ページ,28ページにお示ししています。
 一応,まず事務局案としてこの資料の中で記述させていただいていることを説明させていただきますと,今回のヒアリングの取りまとめに当たっては,もちろん取組の概要とか打ち手とかを整理させていただくとともに,具体的にどんな効果が見られたか,これは多分,先ほど先生がおっしゃったように,効果だけではなくて,どんな価値が地域にもたらされたかとか,そういった,それこそ単純なスポーツ参画人口の拡大だけではなくて,より幅広い効果とか価値を拾い上げていく必要があるのかなと,今お話をお伺いして考えたところですけれども,そういった効果ですとか,あとは取組主体の役割分担とか,取組メリット,これも先生がおっしゃっていただきましたけれども,実際に取組主体がやりたいと思うような事例になっていなきゃいけないのかなというのは弊社でも考えているところでして,具体的にどういう取組主体にとってのメリットが生じているからやりたいと感じているのかとか,そういうのも価値と併せて把握していきたいなと思っています。
 あとは,取組のポイントということで,要は,例えば補助事業を使って1年きりで終わってしまうのではなくて,やはり継続的な仕組みが構築されていることも重要なのかなと思います。そういう意味では,どういうふうにマネジメントの仕組みが作られているかとか,どういうふうにリソースを確保しているかとか,あとは,先ほど藤田先生もおっしゃっていただきましたけれども,どういうふうに地域内で連携して具体的な継続性を生み出しているのかといったことも,できるだけ,せっかくヒアリングに行かせていただくので,具体的に明らかにしていきたいなと思っています。
 それに加えて,今後どういう課題が見えているのかとか,あとは,それに対してスポーツ庁を中心とした行政の方でどういう支援が期待されているのかとか,そういったことについて取りまとめさせていただきたいなと思います。先ほどいろいろ御指摘いただいた点については,このヒアリング項目の中に含めてヒアリングを進めさせていただきたいと思っています。
 28ページが成果の取りまとめの例ということで挙げさせていただいています。ガイドラインに盛り込んでいくということで,どこまで,どういう内容でというのはあるんですけれども,今のイメージとしては,どちらかというと普及・啓発資料ということなので,ビジュアルに伝わりやすいものをイメージしていまして,関係者間の関係図ですとか,取組の様子を収めた写真ですとか,あとは,先ほど申し上げたヒアリングで聞いてきた内容について簡単にポイントを取りまとめさせていただくといった形で取りまとめをしようかなと考えております。
 以上です。
【福永座長】  ありがとうございます。これは非常に重要な部分だと思うので,是非いろいろ御意見いただきたいんですが,いかがでしょうか。どうぞ。
【後山専門委員】  好事例収集って,よく私どももほかの事業でやらせていただくんですけれども,結構紹介したときに言われるのが,具体的にまず何をやったかみたいなことを教えてほしいと言われることが多くて,課題とか,いわゆるきっかけみたいなのは,よくあるんですけれども,例えば補助金を取るためにどこに電話したかとか,そういうのも含めて,まず私は何に取り組めばいいんですかというところを聞かれますので,そういった一番初めの第一歩に何をやったかというのを,ここも教えていただきたいなと思います。
【福永座長】  ほか,どうかどんどん御意見お願いします。いかがでしょう。
 この成果の取りまとめのイメージ図も含めてアイデアを出していただければ有り難いですが。オブザーバーの方,御意見ございませんか。
【健康・体力づくり事業財団】  よろしいでしょうか。
【福永座長】  どうぞ。
【健康・体力づくり事業財団】  健康・体力づくり事業財団の事務局長をしております岡山といいます。よろしくお願いいたします。先ほど,内藤先生から御紹介いただきましたが,スポーツを安全に実施するための方策の事例として「健康運動指導士・健康運動実践指導者資格」を取り上げていただいております。当財団で養成しているこの資格は,もともと厚生労働省が昭和63年の国民健康づくり施策の中で健康づくり運動の指導者として事業認定を始めており,医学的基礎知識や生活習慣病等を修めていることから,運動やスポーツを安全に行っていただくためには適任の指導者といえると思います。よって,内藤先生がおっしゃってくださったように,健康運動指導士や健康運動実践指導者を活用することで,安全な運動・スポーツ実践環境を保証している事例がふさわしいように思います。例えばその一つとして,現在,当財団では,総合型地域スポーツクラブと健康運動指導士をタイアップさせた貯筋運動ステーションを開設しております。超高齢社会である我が国において,いつまでも動ける体でいられることは,御本人ばかりか社会のためにも非常に重要な要素となります。貯筋運動は道具を使わず,どこでも実践できる自重負荷の筋力トレーニングで,かつ,福永先生方が多くのデータを集めて検証された,効果的な運動プログラムです。高齢者の方は,服薬されているなどハイリスクな方も多いのですが,健康運動指導士であれば,高齢者の特徴に配慮し安全に効果的な指導を行うことができます。クラブと指導者のタイアップによりクラブがスポーツだけでなく健康・体力づくりの拠点にもなりえ,全国3,000ある総合型地域スポーツクラブへも横展開していただける事例と考えます。また,この貯筋運動の事例は,高齢者世代の「スポーツを通じた健康増進」の切り口でも十分有用な事例と考えております。
 以上です。
【福永座長】  ありがとうございます。ほか,いかがでしょうか。ヒアリングの内容はこんな感じでよろしいでしょうか。
【近藤委員】  じゃ,1点よろしいですか。
【福永座長】  どうぞ。
【近藤委員】  既にここに,行間には書かれているようには思うんですけれども,団体とかNPOとか企業とか,そのレベルにフォーカスしてヒアリングに行くというイメージがあって,実際にうまくいっているところは環境要因みたいなものがすごく効いている気がするんです。
 例えばある地域で,田舎って一般に運動実施率が低いのにすごく高い地域があって,ここ,どういう地域なんですかとヒアリングしたことがあるんですけれども,実はオリンピック選手と甲子園球児を何人も輩出した地域で,その地域はスポーツはいいことだという暗黙の了解がある地域なんですみたいな話を聞いて,へえーとか思ったことがあるんですけれども,そういうのは,1団体を聞きに行っても多分見えない話で,このまとめ方の絵でいうと,枠の囲んである,今,関係図という見出しになっているんですけれども,環境みたいな要因で何かないですかという投げ掛けをすると,そんな話がぽろぽろ出てきて,先ほど柏がと言ったら,お隣から順天堂が30年前から入っているんですなんていう話を聞いたり,そういうのも,柏市に聞きに行くと順天堂の話は出てこないかもしれないんですけれども,どういう環境とか,有利な資源があったんですかみたいに振り向けると,実は昔からやっていただいているんですみたいな話がぽろっと出てきたりしないかなという,1団体だけで社会を動かせるほど社会は腰が軽くないんじゃないかなという気がするものですから,環境要因,先ほどの連携が大事だというお話もそういうことかなと思ったんですけれども,その辺を意図的に聞きに行かないと,こぼれてしまうんじゃないかなというのはちょっと思いました。
【福永座長】  ありがとうございます。いかがでしょうか。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  おっしゃるとおりで,取組の中心になった主体だけではなくて,例えば連携してやっているのであれば,連携している業者に聞くとか,そういった形で,できるだけいろんな人に話を聞きながら進めたいと思います。
【近藤委員】  連携しているところというよりは,土壌というんですか,しみ込んでいて,連携しているという意識もないんだけれども,それがあったからこそ芽が出たみたいなものが実は結構あるんじゃないかなというので,連携という言葉じゃない,環境というか,土壌というか,そんなもわっとした感じ……。
【日本総合研究所近藤部長】  具体的には,例えば戦前のプロ野球選手を輩出したとか,陸上でインターハイに出たとかという地域の小僧が名士になったりしたケースは,言い伝えという形で,結構学校の中でも生きた教育の中に入っているケースがあって,それがいつの間にか体育とかスポーツに反映されて,盛り上げようとか,それを中心にマラソンをやって大会を開こうとか,何かそういう地域文化に根付いたというのがいろんな地域で聞かれるケースは多々ありますので,先生がおっしゃっているのはなまじっか間違ってはいないんですが,掘り下げていくと,それは昔々という話がいっぱい出てくるのかなという気はします。
 これ,非常に土壌という意味では精神文化の中に入っていますので,結構大きいかなという気もしますので,それも少し押さえさせていただければと思います。
【福永座長】  ほか,いかがでしょうか。どうぞ。
【中西委員】  すいません,ちょっと戻って申し訳ないんですけれども,今思い出したもので,「みる」スポーツのところの22ページですか,是非,取組事例として考えていただきたいのは,広島カープの事例です。なぜ広島カープがカープ女子を始め,あれだけのファンがホームゲームを見に行ったり,あるいはアウェ-のゲームを見に行くかというと,それは学校教育の中で「総合的な学習の時間」というものがございますけれども,広島市は,教育委員会が小学校5・6年生などを対象に,教材として,「総合的な学習の時間」でカープの歴史から,カープのいろんな自分たちの市民球団になった歴史,あと,野球の観戦の仕方,そういうことを学習内容にして構成し,授業実践しています。
 たしか4~5時間の授業だったと思いますけれども,指導案があって,それに基づいて教師が各小学校,中学校で指導案を書いて子供たちへ授業を展開するということです。それによって,子供たちは,いわゆるスポーツの観戦教育というか,野球に限定されていますけれども,そういうことを受けています。なので,やはり自分たちの地元のチームを応援しようとか,あるいはカープファンになって赤いユニフォームやウェアなどを着て応援しにいこう,ペイントをしていこうとか,いわゆる「同一感」というか,自分は野球が下手なんだけれども,あの選手のファンで,あたかも自分がやっているかのように応援してみよう。そういう価値を得て子供たちは野球観戦をしにいくと思います。これこそ,スポーツファンというよりも,「みる」スポーツを本当に増やしていく取組だと思うんです。
 やはり,日本の場合は「鑑賞教育」が足りなくて,芸術とかにしても,美術館に行く人たちは本当に芸術鑑賞の見方が分かっていて行く人は行くんですけれども,スポーツもそれぞれの見方がありまして,例えばバレーボールの見方,野球の見方,そういう観戦教育につながる取組事例も取り上げる必要があるんではないかなと思い出しましたので,今,併せて言わせていただきました。是非,広島市教育委員会に行っていただいて,そういったところも調べていただくと,なぜあれだけ広島カープは地元ファンが観客席に埋まって熱狂的な応援をしているかという理由がわかると思います。3~4年ぐらい前から始まった取組ですけれども,広島の子供たちが広島カープの歴史的な発展経緯などを学ぶことが観戦教育にかなりの影響を及ぼしていますので,是非,御検討していただければなと思います。
 すいません,前後しました。
【福永座長】  初めて聞きましたけれども,面白い話ですね。ほかにはもうないんですか,そういうの。
【中西委員】  いや,広島だけです。
【福永座長】  広島だけですか。
【中西委員】  市民球団としての発祥の地ですから。
【日本総合研究所近藤部長】  先生の御指摘,実は,カープは広島がこれまで非常につらいときに球団が励ましてくれたということで,元気,勇気を与えてくれたことが地域のすごいシンボルになって,赤ヘルという言葉が共通項になった,それを教育に展開しようという,地域の苦しみをはね返してくれるのがスポーツだったというストーリーが教科書の中に入っていまして,それが先生がおっしゃった指摘で,赤ヘル軍団が,今どきカープ女子に変わっているという話になっています。
【福永座長】  この中には,どういう形で取り込めますか。
【日本総合研究所近藤部長】  女性というキーワードも面白いかもしれませんけれども,今の「みる」スポーツの,先生の言う「みる」と教育とか……。
【中西委員】  是非,観戦教育だとか,鑑賞能力を高めるという視点で出していただければ,例えば,ラグビーのワールドカップでも,皆さん勝っていくから見るのもありましたけれども,テレビの横にルールの説明が出ており,ノックオンというのはこういうときですと説明していました。それによって,視聴者は,ああ,そうなんだと,なるほど,面白いという,それが大事だと思うんです。スポーツの見方を教えるということです。それが余りにも日本には足りないので,自分が行っていた種目のルールなどは分かるんだけれども,他種目は分からないということです。なので,観戦能力だとか鑑賞教育をどうやってやるかという取組事例としては,広島の事例は適していると思います。ただ,教材上,「総合的な学習の時間」の中でしかできないので,「保健体育理論」だとかでは扱えていないので,この点が大きな課題です。「総合的な学習の時間」の中の,いわゆる「スポーツ」というキーワードに該当させて教材を作り上げているので,是非,「みる」スポーツの参画人口で観戦能力を高めるとか,鑑賞教育を行うという取組事例で扱っていただければ面白いかなと思います。
 それと派生して,カープ女子の発生原因はいろいろあるんですけれども,若い女性たちがなぜカープ女子とか,オリ姫とかになっていくかはまた別問題だと思いますけれども,是非,よろしくお願いいたします。
【福永座長】  ありがとうございます。ここは地域と密着と言ったら,サッカーとか,そういうのもあるんじゃないでしょうか。
【日本総合研究所近藤部長】  今回挙げさせていただきましたサッカー,野球はもとよりバスケット,それから,今後バレーも出てくるかと思いますが,メジャースポーツは,やっぱり地域との関わりは,先生がおっしゃったように広島カープは一つの大きなヒントになるかなと思います。それと,「みる」と「ささえる」が一連になっているのも,これは非常に継続性というか,展開力をもたらす大きな要因になっていますので,そこへのメッセージが少し入り込めればいいのかなと思っています。
【福永座長】  そうですね。ありがとうございます。ほか,ございませんか。全体を通して。
【日本スポーツ振興センター】  日本スポーツ振興センターの本間と申します。今,女性のお話が出て,それでちょっと思い出したことがあるんですけれども,今挙げられている事例は国内の事例ということで,女性のスポーツ参加促進について2件挙げられておりますが,日頃海外の情報を分析していますと,やはり海外では女性の心理的な側面を深く深く分析して,その部分にアプローチして成功している事例が幾つかあるんです。国内ですと,私もカーブスぐらいしかちょっと思い浮かばないんですけれども,もし海外の事例も取り上げることができるのであれば,そういった事例も成功事例が幾つかありますので,参考にしていただけたらいいかなと思いました。
 それから,もう1点,国内に関してなんですけれども,今年自転車活用推進法というものができまして,行動計画が今年度できて,来年度以降動くと思うんですが,その辺と絡めたりとか,それから,経産省の健康銘柄といったアプローチ,そこに乗っかっていただくとか,そういったアプローチもあるのかなと思いました。こちらも参考までにということです。
 ありがとうございます。
【福永座長】  ありがとうございます。いかがですか,海外の件。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  海外は,正直に申し上げますと,ヒアリングを想定していたので,基本的には,今回の事業ではできれば国内を中心に調査させていただきたいなと考えています。
 健康経営銘柄とかにつきましては,例えばデンソーとかもそういったところにいろいろ積極的かなと思いますので,そういった健康経営の事例として拾い上げていければなと思っています。
【福永座長】  ありがとうございます。
【宮地委員】  このガイドラインの一つのキーワードに多様性というのがあると思うんです。先ほどから障害者の問題,ただいまは女性の問題が出てきたと思いますけれども,恐らく,余り多くの事例を取り上げることはできないと思います。今も二重丸になっているのは23とか4とかぐらいの数だと思うんですけれども,そのときにもう一つ考えてほしい多様性の側面として,地域の問題があります。今見ると,やはり関東圏がすごく多くて,たまに北海道とか沖縄とか出てきますけれども,今,広島の話が出てよかったなと思うんですけれども,中四国は結構ここの中に事例として非常に少なかったんです。やはり,地域もすごく重要な,いわゆる参考になるポイントだと思って,選ぶ際に,あるいは考慮して選定していく際に,その点もひとつ考慮していただければと思いました。
【福永座長】  ありがとうございます。今の話,いかがですか。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  そうですね,確かに多少地域的な偏りも出てきてしまっている部分もあるので,それは少し見直しつつ,また座長の先生に相談させていただきながらバランスをとらせていただければと思います。
【日本総合研究所近藤部長】  あえて付けさせていただきますと,こういう事例の中で意外と隠れているのが,今回資料3で御提示いただきました総合型地域スポーツクラブの中間的組織,支援組織の活動の中核,キーマンの熱心さといいますか,非常に献身的な活動は,やはり先ほどの歴史等の背景とは別の次元ですけれども,意外と大きく影響しているのかなというのは,私も全国いろいろ回っていても声を聞くところでして,それが背景にあって,老若男女が参加率が高いとか,大きい町なのにより大きく出ているとか,いろいろネットワーク組織がここに関わっているケースがありますので,それを地域という切り口で見るかは別にしても,そこを少し押さえながら,人と組織と地域の関わり,そしてスポーツがどういう展開をしたかというソフトウエアを事例として整理していくのが一番分かりやすいのかなという気はします。
 先生の御示唆は非常に有り難いかなと思います。ありがとうございました。
【福永座長】  なるほど。どうぞ。
【藤田委員】  2点申し上げたいと思います。1点目はヒアリングの中身なんですけれども,うまくいっているすばらしい事例にもかかわらず,多分いろんな問題があって大変だった部分はあったはずなんです。それを,同じことをしようとすると,そういう課題というか,壁が立ちはだかってくることが考えられますので,これを乗り越えるのが大変だった,それをどういうふうに乗り越えてここに来たというものがあるといいのかなというのが1点。
 あと,見せ方なんですけれども,28ページのポンチ絵的なもの,1事例につき1枚ということなんですよね。何か絵に描いた餅ではないですけれども,ああ,すばらしい事例だなで終わってしまうのはもったいないなという気がするんですけれども,スポーツ庁の出した仕様書の中に入っていなかったかもしれないんですけれども,例えばQRコードであれすると,もう少し詳しい資料が見られるようにするであるとか,どこか,関心ある方は連絡先ではないですけれども,問合せをこういう形ですればというものがあった方が,ガイドラインですので,これを見て次につなげる仕掛けが何かあるといいのかなと思いました。
 以上でございます。
【福永座長】  そうですよね,確かに。
【日本総合研究所春山コンサルタント】  調査結果自体はもう少しきちんと,我々,ガイドラインに盛り込むポンチ絵とは別に報告書としても御提出させていただこうと思いますので,より詳しい内容をもちろんお示ししたものをお納めさせていただくことは想定していまして,あとは,それをどんな形で盛り込むかというのは,正に御相談のところかなと思います。
【福永座長】  ほか,いかがでしょうか。
 今,3時40分でございます。あと20分になりましたが,御意見等ございませんでしたら,今後のスケジュール等について事務局の方から御説明いただきたいと思いますが。
【安達健康スポーツ課長】  それでは,資料5をごらんください。1枚紙でございます。運動・スポーツガイドライン(仮称)策定に向けた本年度のスケジュールでございます。
 本日10月10日,第1回,事例等の選定を中心に御議論いただきました。ありがとうございます。本日の御議論を踏まえまして,最終的に事例を選定しまして,右にございますけれども,事例収集等調査を順次進めてまいります。できれば年内をめどに結果を,中間報告などを取りまとめたいと考えています。こちらの事例ですとか,ヒアリングの結果を含めてガイドラインに盛り込みまして,左側にございますけれども,第2回を2月中旬に開催したいと考えております。こちらでガイドラインの案を御検討いただくという形に考えています。3月下旬に第3回,こちらでガイドラインの案を取りまとめたいと考えてございます。
 こちらは案でございますので,ヒアリングの状況等によっては若干前後するかもしれませんけれども,このような予定で考えております。
 以上でございます。
【福永座長】  ヒアリングの調査は10月中旬からやって,その結果の取りまとめが12月中に終わるということですよね。
【安達健康スポーツ課長】  はい。
【福永座長】  その中間報告は,そのための会議はやらないんですね。
【安達健康スポーツ課長】  結果をまとめたものを,ガイドラインの中に盛り込みまして,それの全体として案をお示しして第2回を開催したいと思っております。
【福永座長】  それまでは,きょうの結果を踏まえた報告はないんですね,2月中旬の第2回の委員会まで。それはあるんですか,何か報告は。ない?
【安達健康スポーツ課長】  一つございますのは,きょう御議論いただきまして,最終的にどこをヒアリング対象にするかというのはまた座長と御相談ですけれども,その結果については,委員の皆様には展開したいと。
【福永座長】  そうですね。このようなスケジュールでございますけれども,よろしいですか。日本総研さんには大変御苦労……。僕なんか考えてみても,いや,大変なことをやられるなという気がしているんですけれども,もうちょっと頑張ってください。
【日本総合研究所近藤部長】  ありがとうございます。
【福永座長】  一応これで,こちらで予定した議題等は終わりになりますけれども,一言申し上げたいことはございませんか。内藤先生,ないですか。
【内藤委員】  というか,じゃ,一つだけ。これで少し今年度中にこのガイドラインがまとまっていく方向が見えてきていると思うんですけれども,できた後,最初のガイドラインの取り組んだときだと,ガイドラインは常に時代とともに変わっていくだろうという前提で,常に見直しがあって,新しいものがどんどん入っていくという考え方だったと思うんですけれども,今回の事例なんかも定期的に,これが出たら何年間,基本計画の2次が終わるまで5年間見直さないというのか,定期的に見直していくのか,その辺もある程度見直しがあって,2年に1度ぐらいは見直していくよとあれば,今回網羅できなくても,その都度入れていきましょう,新たに海外の視点は次のときには入れていきましょうみたいな,そんなとこら辺も少し先を見た形で今年度まとめられると,次がまたいいのかなと思いました。
【福永座長】  そうですね。事例はまだ見直した方がいいんじゃないですか。いかがですか。
【安達健康スポーツ課長】  先ほど資料3のところでもございましたけれども,次回本文の御検討を頂くときには,正に今おっしゃっていただいたフォローアップの方法ですとか,その時期に応じた事例の見直しも入ってくるかと思いますので,また御議論いただきたいと思います。
【福永座長】  そうですよね。それでは,時間はまだちょっと残っていますけれども,早く終わる分はいいと思いますが,もっとやった方がいいという方,いらっしゃいますか。
 それでは,私の司会の仕事はこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
 これで会議終わっていいんですか。
【松崎健康スポーツ課課長補佐】  最後に,次回の会議の日程について,先ほど課長,安達の方から説明させていただきましたけれども,それまでいろいろとメールでのやりとり等はさせていただくことになるかもしれませんが,会議そのものとしては年明けの2月頃を予定しております。また開催日程等は委員の皆様方と日程調整させていただければと思いますので,引き続き,どうぞよろしくお願いいたします。
【福永座長】  どうもありがとうございました。

                                                                  ―― 了 ――

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