スポーツを通じた女性の活躍促進会議(第2回) 議事要旨

1.日時

平成29年8月30日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館3階2特別会議室

3.出席者

委員

伊藤委員、太田委員、後山委員、岡部委員、工藤委員、鯉川委員(代理:桜間氏)、小坂委員、能瀬委員、久武委員、増本委員、水原委員、和久委員、山口香委員、山口理委員、和田委員

スポーツ庁

藤江スポーツ庁審議官、由良参事官(民間スポーツ担当)、安達健康スポーツ課長

オブザーバー

田村参与

4.議事要旨

(開会)
○事務局より、配布資料等の確認があった。

【前回概要の確認、会議の公開について】
○第1回会議概要について事務局より説明があった。
○本会議は原則非公開としていたが、第1回会議において、会議の内容を積極的に世の中に発信し、広く知っていただいてはどうかとの御意見があり、今後も異議がない限りは原則公開とすることを委員に諮り、了承された。

【スポーツイングランドによる女性スポーツの取組について】
○独立行政法人日本スポーツ振興センター情報・国際部情報戦略課より、スポーツイングランドによる女性スポーツの取組について説明があった。

(質疑応答)
●スポーツイングランドの取組からJSCでは詳細な分析や調査方法を得たわけだが、今後日本においてどのように応用していくのか。また、「This Girl Can」のような具体的な方策をどのように展開していくのか。
○JSCでは都道府県市町村併せて約500の自治体と覚書を交わして勉強させていただいている。女性スポーツに限らずインサイトの仕組み自体を自治体の方々にも取り入れてもらいたい。すぐにインサイトの手続を踏むのは難しいが、隣接行政エリアと横串をさす、今持っているデータをフル活用するなど、考え方自体(マインド)は少しずつ参考にしていただけるのではないだろうか。
○ニュースレターを発出すると同時に、セミナーを行う、共催事業として御応募いただいた自治体にパイロットプログラムのようなことを行っている。
○具体的なインサイトを含めていくことについては資源に限りがあるので、次年度以降、JSCだけではなくいろいろな方々と連携しながら進めていきたい。

●イギリスに長く出向していた発表者の肌感覚から、この取組(This girl can)の中で日本でも同じように取り入れられるのではないかと感じるものはあるか。
○恐らく既に日本でも同様な取組を行っている自治体や民間団体等もあると思うので、バラバラなパーツではなく具体的にセクター間の連携をうまく取っていくことが重要。スポーツイングランドでは連携を促進するCSPという組織があるので参考になるのではないか。
○「This Girl Can」の初代のテレビCMが流れたすぐ後に、ロンドンの地下鉄にダイエット飲料のCM(スタイルの良い女性が「あなたのボディーはこの夏に向けてOK?」という内容)が出たが、失礼ではないか等、女性に限らず多くの人から反論のメッセージが出た。女性の体型を変えるということに抵抗感があり、「This Girl Can」のメッセージが受け入れられやすいマインドがイギリスにはあったのではと思う。

【一般社団法人スポーツ能力発見協会の取組について】
○一般社団法人スポーツ能力発見協会より、スポーツ能力発見協会の概要について説明があった。

【ユネスコスポーツ・体育担当大臣等国際会議報告等について】
○スポーツ庁国際課より、ユネスコスポーツ・体育担当大臣等国際会議報告等について説明があった。

【全体を通してのコメント及び質疑応答】
●フィットネスクラブの運営をする中で日本の女性には実際にどのようなニーズがあるのか教えていただきたい。
○運動を始めるに当たり、自分は上手にできない、運動経験がないので挑戦できないのでは、恥をかくのではと思いながら、来店する人が多い。
○新規会員の大半は既存のお客様からの紹介やクチコミで入る人が多く、人との結びつきが強いと感じる。
○運動を始めるに当たり、自分もできた、意外に自分の体も動くんだ、という経験を積んでいただくことが大切。
○スポーツイングランドやアメリカのマーケティングを見ていると、欧米では女性が「もっと強くありたい」というようなメッセージがあるように思うが、日本ではそれは拒否される、余り響かない。運動を始めようと思う動機や興味、きっかけにおいて日本独自の部分があると思う。

●女性スポーツに対するプロモーションの観点でアイディアや感想を頂きたい。
○「This Girl Can」のプロモーションは、映像メディアとしてわかりやすく、多様性(多国籍、年代等)にアプローチしていてすばらしい。2020年までに日本でもどこかでやっていかなければと感じた。
○女性のプロスポーツのすばらしさ(トップの部分)、アマチュアスポーツ(トップの少し下の部分)、一番重要な裾野の部分を日常の情報番組(ニュース)等で運動、健康を訴えて広げていく。
○日本テレビでは毎年11月に「カラダWEEK」を展開し、体と健康をテーマにしている。インサイトの話の中で知識を持つことが重要だとあったが、メディアを通して何かを知っていただき、近くに民間フィットネスクラブや、自治体の体育館等があれば行くなどして、運動に触れるきっかけを作る。
○24時間テレビのマラソンでブルゾンちえみさんのメイクが崩れないことに関する問合せが多かった。女性がスポーツをする上でメイクを直すのに抵抗があると改めて感じた。
○運動を始めるきっかけを作ることはできるが継続が難しいので、今後の会議で議論していきたい。
○広告に関してはモデルのような見た目の良い人を使うということもあるが、いかに共感できる人を使うかという観点が重要。契約の際にどういった人にスポンサーがつくかつかないかといったところは、勉強していく必要がある。

○学校(一般校に通学している障害児や支援学級にいる障害児)の体育では障害児は見学というようなイメージをもたれているので、スポーツの楽しさをどう体験できるかと言われても、恐らくそのような意識を高めるのは難しいと感じている。
○知的障害者が特別支援学校等を卒業後、各地域に戻ったときに受皿がない。総合型地域スポーツクラブやその他クラブ等の受皿の検討が必要だが、なかなか距離感が埋まらない。動機づけがあってもそれを継続する環境がないことが課題。
○競技者の更衣室やトイレ等の競技をする場所に付随する施設環境を考えていかなければならない。障害者の場合は、おむつ交換等が必要なケースもある。
○人の手を借りないと移動ができないという点で、荷物等のサポートもしていかないと継続していくのが難しい。

○引退後、働きながらスポーツをやろうとすると、仕事で疲れてしまうなど、家事など他のことに時間を割いてしまうため、なかなか時間が取れない。
○スポーツをする環境や周囲の誘いがないとなかなかスポーツを始めづらいので、自分自身も考えていかないといけないと感じた。

○日本においては10代の思春期の女性が痩せたい意識が高く、痩せ問題(月経が止まる、骨粗しょう症)が深刻。10代の骨密度のデータが日本には全くないことも問題。10代のうちから骨密度の検診や健康を意識した取組、学校での健康に関する教育をもっと取り入れていく必要があるのではないか。
○若い痩せた女性は骨がもろい人が多く、特徴としては食べないで、動かない、筋肉量が少ないエネルギーの低回転型の人が多い。楽しく運動することと合わせて、病気の予防という視点をもっと強調する必要があるのではないか。
○運動をやめたら数値がどうなった等、体に感じづらい変化がわかりやすいようなデータを数値化できるとよいと思う。

【今後の日程】
○本日の内容を事務局で整理し、第3回以降の議題等について調整することとする。
(閉会)

お問合せ先

スポーツ庁健康スポーツ課