運動・スポーツガイドライン(仮称)策定に向けた作業部会(第4回) 議事要旨

1.日時

平成29年1月11日(水曜日)15時00分~16時30分

2.場所

文部科学省 科学技術・学術政策研究所会議室(16階)

3.議題

  1. (1)骨子(素案)について
  2. (2)意見交換
  3. (3)その他

4.議事要旨

【骨子(素案)について】

○ 事務局から資料に基づき説明があった。

【意見交換について】

内藤主査
○ まず,第1章・第2章を議論し,その後,第3章を重点的に議論したい。
○ はじめに第1章に記載のとおり,「運動・スポーツ」という言葉を「スポーツ」に統一することでよろしいかを伺いたい。
    (異議なし)
○ それでは,第2期スポーツ基本計画に沿って「運動・スポーツ」と表記していた部分については,「スポーツ」に統一したい。
○ 第1章は,「第2期スポーツ基本計画の策定について(中間報告)」を踏まえた記載となっているが,いかがか。

森丘委員
○ よく整理されていると思う。「文化的な生活」や「スポーツは文化である」など「文化」という言葉がよく使われているが,いわゆる文化論について触れる必要はないか。

内藤主査
○ 第2期スポーツ基本計画の中ではどのように表現されているのか。

事務局
○ スポーツ基本計画中間報告の第2章に記載がある。

森丘委員
○ 文化とは何かという点について少し追記した方がよいと思う。

内藤主査
○ この点については検討したい。
島田委員
○ 今回は「運動・」という言葉を外そうということになったが,基本計画の流れを知っていれば,わかると思うが,その議論を知らない人が読んだとき,なぜ「運動・」がないのか理解できない場合もあると考えられる。本ガイドラインがアウトプットされたとき,なぜ「運動・」という言葉がないのか,読み手の側(がわ)に立ったわかりやすい説明が必要ではないか。

森丘委員
○ 宮地委員が最初に示されたスポーツ定義の図などを示しながら説明すればわかりやすいのではないか。

内藤主査
○ より明確にわかりやすくするため,図表等を使うことについては,検討課題としたい。

岡委員
○ 第2章4.に記載がある座位時間については,スポーツをある程度実施していたとしても,座位時間が長ければ健康リスクが高まるということを示し,座りすぎの解消を奨励していく必要があるといったことを書いた方がよい。これから先考えていく必要があることは,スポーツへの参画の促進に加えて,スポーツをやっているからといって,座りすぎてはいけないということを発信していくことが重要。

内藤主査
○ この部分については,唐突な感じもするため,スポーツとの関わりの中で書き込んでいただきたい。
○ 第2章の3.本ガイドラインの「対象者」や「利用者」について,このような書きぶりでよいのかどうかなどについて御意見を頂きたい。ステークホルダーということで想定しているが,このような表現でよいか。
また,第2章3.のまとめとして,「以上の点を踏まえ,第3章においては,」と記載しているが,その後に4.今後の検討課題が出てくるが,この点についてはいかがか。

宮地委員
○ ステークホルダーは,「関係者・団体」とわかりやすく表現することでよいのではないか。
○ 構成の部分で,「第2章4.今後の検討課題」は,第3章の後がよいと思う。
○ 第2章4.今後の検討課題であるが,一つ目と二つ目の丸に「する」・「みる」・「ささえる」の関係性について記載されているが,二つの違いがわかりづらい。課題としては,もっと大枠で「する」スポーツ,「みる」スポーツ,「ささえる」スポーツがどのような関係性にあるかわかっていない。その関係性を明らかにし,その中で人々がどのように移行しているのか,どのように相互作用しているのかを科学的に明らかにしていく必要があることを大きな枠の中で課題を提案した方がまとまりがよいのではないか。

宮地委員
○ 第3章の三つの方向性についてであるが,三つ目のスポーツの安全性に向けた方向性が章立てするには小さい印象を受ける。スポーツ参画を図るための阻害要因をできるだけ解消するための取組について広く示すことができる章立てにするのはいかがか。

内藤主査
○ スポーツの安全については,例えば,「みる」「ささえる」でも重要だと思うが,特に「する」スポーツの拡大につながると考えられるので,「する」スポーツに組み込み,三つ目は別のものを立てる。例えば,スポーツに対する理解や認識が低いためにスポーツに参画しないのであれば,スポーツの価値について広く理解・認識を促すための章を立てるなど考えられると思うがいかがか。また,一つ目と二つ目の方向性についてはいかがか。

岡部専門委員
○ 「する」「みる」「ささえる」の相関がわからないのであれば,「みる」「ささえる」を分けて考えるというコンセプトもあると考えられるがいかがか。

宮地委員
○ 「する」「みる」「ささえる」で項立てをした場合,それぞれの項目に記載できる分量が心配である。「する」はエビデンスもあるため多くの記載ができると思うが,「みる」「ささえる」はどの程度書けるか,それぞれの項立てにおいて濃淡が出てしまう可能性もあるので,「みる」「ささえる」をまとめる事務局の案も一つかと思う。

岡部専門委員
○ 記載の分量を考えると難しいかもしれないが,二つの目標例をどのように伝えるのか,どのように伝えられるのか,メッセージ性を考えるとそれぞれ個別にした方がメッセージ性は強まると思う。

内藤主査
○ 一つ目の「する」スポーツの拡大については,このままの状況で組み立てていけばよいと思うが,セグメントはこの年代別の分け方でよいか。あるいは,ほかに共通する項目もあるのではないか。

森丘委員
○ インテグリティについては,世代を問わず必要な価値と考えられるため,総論として記載したのちに「するスポーツの拡大」という流れの方がしっくりくると思う。

内藤主査
○ 例えば,項立てというよりも三つの方向性を説明する前に,スポーツ参画を促進する上で「する」「みる」「ささえる」に関わらず,スポーツへの理解を高めることが重要であるなどと説明することも考えられる。

宮地委員
○ 現在,生物学的な年齢で分けているが,背景には社会的な役割の違いなども存在する。子供世代,若者世代,中高年世代では,それぞれ生活の時間が占める割合も場も違う。子供であれば学校,働く世代であれば職場,リタイア世代であれば地域であったりする。社会的な背景に応じてアプローチを考えていくと書きやすくなると思う。
○ もう一点は,マイノリティである女性などについて,今の構成だとそのような方々が埋没してしまっている。障害がある方や,女性のスポーツ実施率が低いといった課題があるので,そのようなスポーツの利益を享受しづらい人々にスポットを当てて,課題を解決できるような項立てにできるとよいと思う。

内藤主査
○ 課題がある部分について,触れることは重要であると考える。今後の検討課題に記載するなど,どこかで説明する必要がある。
○ 年代については,そのエビデンスとなる調査として,体力・運動能力調査等では20歳以上などとなっているので,データを示す際は,このような年代で区分した方が評価しやすいと思う。

岡部専門委員
○ スポーツ実施率では,20代・30代が30%弱,40代・50代は約40%弱,60代・70代は50%程度と20代区切りで分かれている。今後,スポーツ実施率65%を目指すという明確な目標があるため,そこを細分化することも一つの案だと考える。現在,若者と中高齢者の二つに分けているところを三つに分けることも考えられるがいかがか。

内藤主査
○ アプローチの仕方として,20代,30代,40代,50代は働いているという点では同じカテゴリーだと思う。中高年の「中」をどこからにするかなど用語の定義も必要となるがいかがか。

櫻井専門委員
○ 子供世代,若者世代,中高年層という区分に違和感があるのは,ステークホルダーの議論と関係すると思うが,働きかけをする対象が違うと思う。例えば,働いている中年層とリタイアした人へのアプローチでは,ステークホルダーが全く違うので,そこを一まとめにすると違和感がある。もう一つは,忙しく働いているビジネスパーソンと子育てに忙しい女性とでは働きかけの方法が全く違うので,働きかけをするための影響力の点から言うと,先ほど宮地委員がおっしゃったように社会的な役割や区分で分けなければ,ステークホルダーの整理がわかりづらくなると思う。

宮地委員
○ 中高齢者を一まとめにしている点に皆さん共通の違和感を持たれていると思う。高齢者と中年層,働き盛り,子供を分けて,そこに社会的背景や役割を書き込んでいく方が,読み手側は実感は湧くと思う。

内藤主査
○ ここについては,もう一度区分を整理する。
○ 今回は,女性のカテゴリーは特に設定していないが,例えば,「若い女性」などそれぞれのセグメントの中で触れるのか,もっとメッセージを強くするのであれば,項立てした方がよいか。

宮地委員
○ 女性について,スポーツの分野ではマイノリティであり,インクルーシブすべき対象であることは国際的な認識であるし,我が国のデータから見ても同じである。また,スポーツ参画率の向上を目指す点で,女性の層を底上げしなければ実現不可能であることは明らかであり,本ガイドラインのどこかに盛り込む必要があると思う。

内藤主査
○ 項立てするかどうかは別問題として,各世代の中で女性については,実施率の低さとその背景の論点を踏まえた取組を書き込んでいく必要がある。

事務局
○ 取組については,好事例を入れていきたいと考えているので,女性に特化した取組や,20代・30代の働く世代に特化した取組などについて,各委員より情報を頂きたい。

内藤主査
○ 書き方についてであるが,現状に関するデータを示し,エビデンスを書いた後に事例を記載することにしているが,エビデンスは巻末にまとめて掲載し,文章は簡潔に書く方式もあると考えられるがいかがか。

宮地委員
○ 論理的な説明が必要最低限できればよい。インパクトがある数字は書くべきと思うが,細かい数字を列挙すれば理解が深まるとは限らないため,データは別にまとめた方が読みやすいのではないか。

内藤主査
○ あとは,文章で書くか箇条書でエビデンスをまとめた方がよいか。読み手がわかりやすい書き方はないか。

島田委員
○ いろいろな考え方があると思うが,構成上,入れなければならないデータは入れるべきであるが,詳細については,まとめて巻末に付ける方が読み手としてはわかりやすいと思う。

森丘委員
○ ライフステージと年齢の議論があったが,例えば,縦軸に年齢やライフステージ,横軸にライフスタイルをとったマトリックスなどで整理されていると,実践事例との関連性も示しやすいと思うし,世代を超えた取組の位置づけなども見やすくなると思う。

内藤主査
○ オブザーバーから御意見はないか。

日本体育協会
○ アクティブ・チャイルド・プログラムを紹介した際に,スポーツの価値として「楽しさ」という点を強調させていただいた。第3章を見ると子供については強調されているが,世代を問わず強調すべきだと考えるため,この点を踏まえた上で,具体的な実践例等を掲載するような構成になるとよい。

日本レクリエーション協会
○ 第3章の目標例については,具体的なものを示していただきたい。
○ スポーツを通じた健康増進について,当協会でも取組を行っている。特にスポーツ未実施者の参加促進については,成果を上げているため,取り上げていただきたい。

笹川スポーツ財団
○ 第2章のステークホルダーについて,幅広く想定されるとは書かれているが,従来のステークホルダーのみになっていると思うので,医療や福祉関係,学校教育関係など幅広く示していくとよいのではないか。

内藤主査
○ 先ほど第2章の最後にあった今後の検討課題の部分であるが,これを最後におき,現時点でやれること,今後やるべきことを分けた方がよいと思うが,今後の検討課題としてあげておくべきことがほかにあるかどうか御意見いただきたい。
○ ステークホルダーや子供などいろいろな言葉が出てきているが,その中でもしっかり定義した方がよいと考えられる言葉があるか。「スポーツ」については文章中に記載するとして,ほかにあるか。

事務局
○ 目標例について,「みる」「ささえる」はどのような書きぶりが考えられるか御意見いただきたい。

内藤主査
○ 例えば,「みる」の目標例について,どのような書きぶりが考えられるか。

宮地委員
○ 「みる」スポーツに関して,笹川スポーツ財団のスポーツライフ・データのスポーツ観戦率の推移を見ると,20年ほど前から30%程度となっており,ほとんど変化していない。経年変化していないという事実から,そのパーセントの向上とそれに対してどのような取組を行っていくのかという点が書き込む課題になってくる。また,その事実をスポーツ庁が行っている調査で評価できるものであるべきだと思う。
○ 「ささえる」スポーツについては,今書いてある内容は,ボランティアとしての「ささえる」スポーツが中心となっているが,プロや資格を持って「ささえる」に関わっている方もいる。指導者などは有資格者の推移やそれが十分なのか,不十分なのかなどについても記載し,ボランティアではなく,プロとして,職業として「ささえる」スポーツに関わっている方々についても言及していただきたい。

事務局
○ 本日お示しした骨子(素案)について,追加で御意見等あれば,事務局までメールで御提出いただきたい。

以上


お問合せ先

スポーツ庁健康スポーツ課

電話番号:03-5253-4111

(スポーツ庁健康スポーツ課)

-- 登録:平成29年02月 --