スポーツ審議会スポーツ・インテグリティ部会(第1回) 議事録

1.日時

平成31年2月13日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省13階1~3会議室

3.議題

  1. (1)部会長等の選任について
  2. (2)スポーツ審議会スポーツ・インテグリティ部会運営規則について
  3. (3)スポーツ団体ガバナンスコードの策定に当たっての検討方針について
  4. (4)スポーツ団体ガバナンスコードの策定に係る論点について
  5. (5)その他

4.議事録


【川合参事官】
 それでは、ただいまから第1回スポーツ審議会スポーツ・インテグリティ部会を開催いたします。皆様、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は本部会の最初の会議に当たりますので、部会長が選任されるまでの間、便宜的に私、川合が議事を進めさせていただきます。
(非公開で部会長及び部会長代理の選任が行われ、部会長に友添委員、部会長代理に境田委員が選任された。また、スポーツ・インテグリティ部会運営規則についても承認された。) 

【友添部会長】  
 それでは、議事を再開します。
 今、部会長に選任されました友添でございます。このスポーツのインテグリティを巡りましては、昨年来、日本体操協会あるいは日本ボクシング連盟等を含めまして、様々なスポーツ団体の中で、インテグリティそのものが問われるような事案が多く出てまいりました。
 また、過去、遡りますと、スポーツ団体の強化費の不正受給等、国民目線から見ても、スポーツ団体、何をしているのだという御批判、あるいは社会的な叱正をいただいておるところでもあります。
 そういう意味では、スポーツ・インテグリティに関して、特にスポーツ団体のコードをどう作っていくのか、ガバナンスコードをどう作成するのかということは、極めて喫緊かつ重要な課題で、国民の皆様方からも、非常に熱い眼差しを注がれていると思います。
 短期間ではありますけれども、集中的に議論をして、誰もが納得し、そして、これから円滑にスポーツ団体が、国民の皆様方の理解を得られるような存在になるべく、頑張って、是非いいコードを作成してまいりたいと思います。微力ですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、境田部会長代理からも一言お願いいたします。

【境田部会長代理】  
 境田でございます。昨年の10月から超党派のスポーツ議員連盟の中に、このスポーツ・インテグリティに関する検討会が設けられまして、友添委員とともに、スポーツ・インテグリティの在り方について検討をさせていただきました。
 今、友添先生がおっしゃったように、スポーツ団体のインテグリティというものを確立していくということが、日本のスポーツ界の一番の課題だと考えております。微力ではございますが、精一杯努めたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

【友添部会長】  
 なお、本日は、スポーツ審議会の山脇会長にも御出席をいただいております。
 山脇会長からも、一言いただけるでしょうか。

【山脇スポーツ審議会会長】  
 皆さん、おはようございます。スポーツ審議会の山脇でございます。
 先月の1月31日に、鈴木長官から、スポーツ審議会に対して、スポーツ・インテグリティの確保に向けて、スポーツ団体が遵守すべき原則や行動規範を定めたコードを策定するようにという諮問をいただきました。
 審議会でもお話をしましたが、これは、そもそもスポーツ基本法の理念や第2期スポーツ基本計画の目標を達成するためにも、大変重要な事項でございますし、先ほど、部会長からもお話がありましたけど、特にスポーツ関係者にとって、非常に緊急度の高いミッションであると。これをなくしては、国民の理解が得られないという大変な危機感を抱いておりますので、このガバナンスコードの内容等につきまして、本部会でしっかり御議論、御審議をいただければと思います。
 短期間で、非常にかなり忙しい日程でございますけれども、友添部会長、境田部会長代理をはじめ委員の皆様には、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 それでは、インテグリティ部会の委員の御紹介を事務局からお願いいたします。
(委員及びスポーツ庁出席者の紹介)

【友添部会長】  
 それでは、スポーツ・インテグリティ部会の発足に当たりまして、鈴木長官から御挨拶をお願いいたします。

【鈴木スポーツ庁長官】  
 皆さん、おはようございます。
 まずは友添部会長、そして境田部会長代理をはじめ、有識者の皆様、スポーツ・インテグリティ部会に御就任いただきまして、誠にありがとうございます。
 スポーツ界、一昨年の秋からいろいろなことがありました。主に不祥事が相次いで生じ、本来持つスポーツの力が、そうした不祥事において、力を損なわれるという事態が続いておりまして、我々も大変危機感を抱いております。
 我々スポーツ庁は、昨年の12月に、スポーツ・インテグリティ確保に向けたアクションプランというものを作成いたしました。その中で、スポーツ団体ガバナンスコードを定めて、スポーツ団体にそれを遵守していただくということをお願いするということで、スポーツ界のインテグリティ確保に向けて、取り組んでいくというところを確認したところです。
 委員の皆様には、このスポーツ団体ガバナンスコードの内容につきまして、御審議をいただきたいと思っております。この春までに、一定の成案を得られるように、非常に短期間でありますが、御協力を頂きたいと思っております。
 山脇会長の方の諮問文の話もございましたけれども、諮問文の中にもありますように、最近の不祥事の背景とか原因をよく考慮し、そして、我が国のスポーツ団体の在り方といいますか、実情を踏まえた実効性のあるガバナンスコード作成をお願いしたいというところであります。
 早速ですけれども、本日も活発な御議論をいただきまして、このガバナンスコードを作成していただきますように、御協力をお願いいたします。
 以上でございます。ありがとうございます。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 それでは、次の議題に移ります。スポーツ団体ガバナンスコードの策定に当たっての検討方針につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

【川合参事官】  
 資料6-1をご覧いただければと思います。
 まず1ページ目でございますが、ガバナンスコードによるガバナンス確保ということで、コーポレートガバナンス・コードですとか、監査法人のガバナンス・コードを紹介して、スポーツ団体が遵守すべき原則規範をガバナンスコードで明らかにした上で、各スポーツ団体が、その状況を自ら説明して、公表することにより、ガバナンス確保を図っていくという考え方を示しております。
 2ページ目をご覧いただければと思います。ガバナンス強化のための新たな仕組みということで、先ほど長官からもございましたアクションプランにおきまして、ここで図示しておりますような仕組みを作ることになりました。
 左側をご覧いただければと思いますが、スポーツ庁でございますが、円卓会議を主宰する、ガバナンスコードを策定する、コードに基づく自己説明・公表を促進する。
 その下、JSCでございますが、中央競技団体に対するモニタリング、スポーツ団体ガバナンス調査支援パネルの設置という役割を負うということになっています。
 下と右側の統括団体、3つ並んでおりまして、これらが、4年ごとにコード適合性に関する審査を行いつつ、加盟団体に対する指導助言と審査結果の公表、加盟団体の指導、処分を行うという機能を果たしていただきたいと思います。
 真ん中にスポーツ政策の円卓会議ということで、スポーツ庁がコード策定主体として、審査の実施状況や不祥事案に対する対応を確認して、必要に応じ、改善を求める。
 このような仕組みを作って、今回、この左側にありますガバナンスコードの策定に着手するということでございます。
 続きまして、3ページをご覧いただければと思います。
 今回、ガバナンスコードを策定するに当たっての検討方針ということで、今回、諮問文にも3つの留意事項がございまして、それに沿った形で整理しております。
 1番目の留意事項は、既存の参考指針等を参考としつつ、最近のスポーツ界における問題事案の内容や要因等を踏まえ、実効性のあるものとすること。
 参考指針としましては、ここに掲げておりますように、フェアプレーガイドラインですとか、コンプライアンス強化ガイドライン、UKコード、オーストラリア原則、カナダガイドと、諸外国の前例がございますので、こういうものを参考にしてはどうかと考えております。
 最近のスポーツ界における問題事案の内容・要因等を踏まえるということについては、関連する第三者委員会の報告書を参照してはどうかと考えております。
 2番目の留意事項でありますスポーツ団体の性質・規模、人的・財政的基盤等に係る多様性を踏まえ、コードの適用について、一定の柔軟性を有したものとすること。これにつきましては、続きまして、4ページで御説明させていただきます。
 3番目の留意事項、スポーツ団体がコードに基づく具体的な取組を検討・実施するに当たって、参考となる情報を含むものというものは、少しめくって、10ページ目をご覧いただければと思いますが、これはUKコードの構成を示しております。
 端的に申しますと、原則、要件、解説というような構成で、解説があることによって、分かりやすく整理されているということがありますので、今回、我々もこういう解説的な情報も含んだものとして作りたいと考えております。
 それで、またページを戻っていただいて、恐縮ですが、4ページ目でございます。コードの検討手順とスポーツ団体の類型に応じた柔軟な適用についてです。
 まず1番目でございますが、2層構造のコードを策定している英国の例も参考に、中央競技団体を対象とするコードとその他のスポーツ団体を対象とする、より簡素なコードの2層構造にしてはどうかと考えております。
 英国がどうなっておりますのかということが、5ページ目でございます。
 UKコードは、Tier1、Tier2、Tier3とありますが、コード自体は、Tier1用のものと、Tier3用のものが定められております。
 Tier1用のものは、義務的要件として、7要件がございまして、UKコードの原則としては、5原則がございます。Tier3は、構造、人材、コミュニケーション、基準及び行動、規程及び手続ということで、合計58の要件がございます。ですから、この7要件のものと58の要件のものの2層構造になっているということで、このようなものも参考にしてはどうかと考えております。
 ちなみにですが、Tier1の5番目で、委員の任期が9年を超えないということが、Tier1ですら書いてあるということが、なかなか興味深いところかなと思っております。
 戻っていただきまして、4ページにまた戻りますが、この図で示しておりますことは、公共性が高いものと低いものが縦軸になっておりまして、規模が大きいものと小さいものが横軸になっております。
 中央競技団体は、この次元で整理いたしますと、上の方に整理されまして、中央競技団体の中には、脆弱なものもあるという概念整理ができると思います。今回、この上の中央競技団体向けのものを、まず当面の検討課題としてはどうかと考えております。
 その下のその他のスポーツ団体、これは公的助成を受給する団体を想定しておりますけれども、このような団体向けコードを、次の段階に検討させていただければと思っております。このような2段階をとっているということでございます。
 その他のスポーツ団体の下のところに、なお書きで、少し小さい字で恐縮ですけれども、「その他スポーツ団体」の中には、社会的な影響が大きいスポーツ大会を開催する団体のように、中央競技団体と同じような公共性を有しているとも言えなくはないという団体もありますので、このような団体には2層構造にした場合に、どちらを適用すべきかということも、1つ論点として、今後、議論をさせていただければと思っております。
 資料6は、その後、参考資料ですので、きょう、説明は、時間の関係上、割愛させていただきまして、資料6-2をご覧いただければと思います。今回、中央競技団体という言葉が出てまいりましたので、中央競技団体の現状について、整理いたしました。
 1ページ目、ご覧いただければと思います。これは、フェアプレーガイドラインで、中央競技団体たるものがどういうものかというものを、端的に整理してあります。永続性や公共性があるということが整理されております。
 資料の2ページをご覧いただければと思います。中央競技団体が実際どういうことをやっているのかということを記載しており、、選手強化ですとか、大会運営、指導者の育成、教育・普及、傘下団体への指導助言、審判、国際交流、コンプライアンス、安全対策ということを行っているというものでございます。
 資料の3ページが、統括団体の加盟状況を整理したものでございます。これは、JSPOとJOCでございます。
 資料の4ページが、障がい者スポーツ協会の加盟団体を整備したものでございます。
 資料の5ページ目でございますが、中央競技団体が中期事業計画を策定しているかということですが、これは、ここにありますように、JOCによる調査です。これによりますと、中期計画を策定している団体は、全体の3分の1にとどまるという状況でございます。
 資料の6ページは、役職員の状況でございます。20人以上29人以下の団体が最も多いのですが、正規雇用数は1人から4人の団体が最も多い。正規雇用ゼロの団体が、全体の17.7%を占めるという状況です。
 7ページ目が、障害者スポーツの競技団体の状況でございます。こちらは、2人以下の団体が半数以上と、ほぼ全てが10人以下のスタッフだと。
 また、11団体は、専用の事務所を保有せず、個人宅が事務所となっているという状況でございます。
 8ページ目が、中央競技団体の財務状況でございます。総収入1億円未満のNFが最も多い。全体の8割が10億円未満の収入にとどまっている。
 9ページ目が障害者スポーツの競技団体の財務状況でございます。総収入5,000万円以下の団体が半数以上、全体の7割が1億円未満の収入にとどまっております。
 10ページが、コンプライアンスに関する規定の整備状況でございまして、規定を整備している割合は高いのですが、100%ではないという状況です。
 11ページが、倫理委員会の設置状況でございます。JSPOJSPO、JOCですと、8割以上、障がい者協会の方になりますと、約半分程度という状況でございます。
 12ページが、倫理・コンプライアンスに関する教育啓発活動の状況ということで、教育啓発活動を実施している割合は、4、50%にとどまっているということでございます。
 13ページ目が、コンプライアンスに関する相談窓口の設置状況ということで、4割から6割という状況でございます。
 14ページ目が、スポーツ仲裁自動応諾条項の採択状況ということで、小計で見ますと、約8割という状況でございます。
 大変手短な説明で恐縮ですけれども、以上でございます。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 今、御説明をいただいたわけでありますけれども、この検討方針(案)につきましては、中央競技団体を対象とするコードとその他のスポーツ団体を対象とするコードという2層の構造をとりつつ、まずは中央競技団体を対象とするコードについて検討するということが、重要なポイントではないかと考えています。
 短期間で効率的に審議を進めていく必要がございますので、またスポーツ団体側から見た分かりやすさという点からも、今、御説明いただいた中の内容につきましては、妥当な整理かと思っております。
 この方針案につきまして、事務局への質問や、又は御意見等がございましたら、御発言をいただきたいと思います。
 また、本日欠席をされております大日方委員から、御意見を頂いております。これは、後で事務局から御紹介をいただきたい思っております。
 いかがでしょうか。今、御説明いただいた内容につきまして、御質問、御意見はございますでしょうか。
 スポーツ団体と一口に言っても、多様ですのでNFとその他の団体、ということで、2層構造の形で、コードを作成し、ガバナンスを徹底していくということの御提案が、大きな趣旨であったかというふうに思います。
 いかがでしょうか。
 森岡委員、どうぞ。

【森岡専門委員】  
 ありがとうございます。
 最初、総論の部分を、3点ばかりお願いします。
 1点目は、今、御説明いただきましたように、2層構造になるということで、中央競技団体に適用するコード、それを参考に、その他のスポーツ団体に適用する、簡素なコードを検討するということでした。確かにその方が、団体として遵守しやすくなると考えております。
 一方、先ほど、部会長あるいは長官からもありましたが、今般のスポーツ団体の不祥事ということを考えれば、より高いレベルでのコードが求められているとも思っております。
 しかしながら、大多数の団体が遵守することが難しいコードとなると、これは絵に描いた餅になってしまう。先ほどもありましたが、実効性があり、かつ一定の柔軟性のあるコードということですが、達成しやすいと、団体のガバナンスが強化されないためその程度や項目の見極めが、まずは大事になるだろう、ということが、1点目。
 2点目は、我々統括3団体といたしましては、コードの適用性審査導入時には実態に合わせた水準として、適合性の審査を行い、中長期的に考えて2期目以降に、中身をバージョンアップさせていくという方法も考えられるのではないかと思っています。また準備期間、いわゆる中央競技団体が準備する期間を考える必要もあるのではないかということが、2点目。
 最後、3点目は、コードの内容について、諸外国の例を見ても、余りにもコード自体が概念的なものになると、達成状況の自己評価と、公表が困難になるので、より具体的なものが求められると思います。、そのためには、チェック項目あるいはリストが必要になると考えています。
 冒頭ですので、3点ばかりお話しさせていただきました。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 ガバナンスコードの高さ、低さ、この辺りをどうするのか、余りにも高いと、これはなかなか守りにくい。低いと、国民の皆さんからの言わば御批判に耐え得るものになるのかという御懸念の御意見。
 2つ目は、コードを時期的に徐々に見直しながら、具体的な適用を確認しながら、上げていくという方法も、1つあるのではないかということ。
 また、3つ目でありますけれども、これはもっともな御意見かと思うのですが、言わば、余りにも抽象的で概念的なコードの内容であれば、これは、なかなか具体的に、それを守るということの行為に結び付かない可能性があるのではないか。具体的で分かりやすいものという御意見であったかと思います。
 事務局の方、いかがでしょうか。

【川合参事官】  
 御指摘を踏まえて、今後、議論していきたいと考えております。
 最初の点はおっしゃるとおりだと思いますし、バージョンアップも、今回、4年ごとに、統括団体の審査を行うということで、また4年後、8年後、そこでバージョンアップするという御趣旨だと思います。今回、作るコードを、将来的に、また更にバージョンアップしていくということも、当然考慮した上で、今回、御議論いただくことが適切ではないかと考えております。
 チェック項目につきましても、先ほど解説を作ると申し上げましたけど、解説の様式として、チェック項目みたいなものまで作れれば、より分かりやすくなって、好ましいと考えております。

【友添部会長】  
 ありがとうございます。
 ほかに御質問。
 山田委員、どうぞ。

【山田専門委員】  
 山田です。
 今の森岡委員の意見については、全く私どもも同じ意見でございまして、特に先ほど説明の中にありましたように、障害者スポーツの競技団体の職員数が2名以下のところが、半数以上というのは、本当に小さな規模の団体が多いわけですので、例えば規程を作るとか、いろいろな準備をするのに、相当時間が掛かるということが予想されます。先ほど森岡委員から言われました、特に準備期間については、十分配慮していただきたいなと考えております。
 以上です。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問。
 山口委員、どうぞ。

【山口専門委員】  
 中央競技団体と特に脆弱な団体との2層構造にする。ただ、私は、この脆弱ということが、何を意味するのかが分かりません。中央競技団体であっても、先ほどのグラフで見ると、人も含めて、財政的には、脆弱と言わざるを得ない。それも中央競技団体だから、高い方に入れるのかとか、脆弱ということが、何をもって、脆弱とするのかというところが、1点です。
 幾つかあるのですけれども、私はJOCですし、ここにJOCとJSPOが並んでいるのですけれども、JOCやJSPO、そしてJPSAは、コードの対象になるのか。つまり、審査する側のガバナンスというようなものを、やはり問われる可能性があると思います。
 やはり、その辺りが、きちんと審査する側と指導助言する側のガバナンスが、きちっと担保されているということは前提だと思うので、それは、中央競技団体と同じガバナンスコードを用いるのかということも検討する必要があると思っています。
 ここは、もっと議論が進んでいく過程で検討するのだとは思うのですが、そういった意味で、審査する側がどういう役割分担、構造的に見ても、JSPOとJOCとにまたがって加盟しているところ、そして、そうではないところとありますので、そういったようなところの役割分担をどうするのかとか、各論に入っていく前に、まず論点整理のところが必要かと思います。
 そういった意味で、コーポレートガバナンス・コードの場合は、上場企業を対象にしていますので、目的が分かりやすいと思います。株主に対しての説明責任、そして、利益の継続的な推計などのいろいろなもので、分かりやすいですけど、スポーツ団体、組織となったときに、何を目的ですか、そこが目指すものは何ですかと言われたときに、やはり、上場企業を対象にしたものとは、一律で同じと言えないと思います。
 ですから、株主といった人が誰に当たるのかとかといった前提の議論があって、説明をしていかないと、なぜこのガバナンスコードというものが……。もちろん、不祥事があったということは当然ですけど、それだけで、説明が足るものなのかどうかというところを、ちゃんと私たちが共有しておかないと、一歩前に進めないかなと思っています。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 コードを作成していく上で、非常に重要な観点かと思っています。
 まず、1つ目の脆弱とは何かという問題は、逆な言い方をすると、2層構造をとる根拠は何かということと、パラレルな問題だと思います。この点については、また、お答えを、今からいただきたいと思います。
 2点目の審査する側の問題。つまり、JSC、JSPO、JOC、JPSA、そのものの審査は、今後、どうなるのか、言わばその手続は、どのように作られていくのかということに関する御質問だと理解をしています。
 3つ目の中身でいえば、具体的にこれを運用していくときに、統括団体そのものの手続の中で、JSPOとJOCが共同でやるということだけれども、その具体的な中身まで、実はこの委員会で検討すべき対象なのか、どうかも含めての御質問だったと理解しております。
 この点、いかがでしょうか。

【川合参事官】  
 まず、脆弱性につきましては、資料6-1の4ページの図をご覧いただければと思いますが2層構造にするということとは、我々は、考え方として切り離していまして、2層構造にする理由は、中央競技団体向けとそれ以外と。中央競技団体の中に、脆弱なところがある。
 脆弱の中身というのは、端的に申しますと、人的、財政的なところが大きいと、我々は見ております。要するに、一言で言うと、事務局体制が弱いと、組織運営を適切に行うという、ある種、原則をより高い水準まで求めると、団体にとって、それが実行困難になり得る場合があり得るかもしれないということで、その場合には、一部の規定の適用を猶予するということも検討する必要があるかと。この辺、まだ概念的な話なので、具体的な事例に即して、また今後、御議論いただければと考えております。
 2番目の統括団体のところは、今回の先ほどの2ページ目の図で申しますと、統括団体が、きちんと中央競技団体の審査を行っているのかをチェックするのは、この円卓会議でチェックするということで、これは、スポーツ庁やJSCも入って、しかも、ここの議論を公開することによって、一般国民の皆様の目から見ても、きちんと統括団体が行っているということをチェックしていく。それぞれの統括団体によるガバナンスコードへの適合していることの自己説明、公表は、当然、我々は促しますので、自己説明はやっていただく。
 ただ、それを誰かが客観的に審査するという仕組みは、今回入れておりませんで、やはり、それは、スポーツの団体の自主性、自立性を尊重するということも、重要だということを考えた上で、こういう円卓会議という仕組みを導入していると、御理解いただければと思います。
 3点目の統括団体の審査です。この2ページ目の図でもありますけど、共通の加盟団体は共同で行うと、我々は聞いております。統括団体の今の検討状況で申しますと、共通ではないところも含めて、共同でできないかということも、一部検討しているという話、情報は、我々のところの耳に届いています。
 ただ、そこは、統括団体のお話なので、我々が関知するところではないのですけど、そこは中央競技団体にとって、不利益、要するに、非常に手間が掛かるとか、そういうことにならないようにしていただきたいということが、我々の希望でございます。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 最後の問題は、特に国と民間団体との自主性と主体性との関係とも絡んでくるところでありますが、山口委員、どうでしょう。今の御説明で、基本的には了解をいただいたということで。
 ほかに御質問はございますでしょうか。
 國井委員、どうぞ。

【國井専門委員】  
 國井です。
 まず最初に、頂いた資料のガバナンスコードの1ページ目のところのコーポレートガバナンス・コードの仕組みと特徴のところの2番のところの考え方を、やはり、我々、きちんと共通認識として持っていないといけないのかなと思っていて、いわゆる法令とは異なり、法的拘束力を有する規範ではないので、いわゆる「コンプライ・オア・エクスプレイン」、実証するのか、実証しない場合は、その理由を説明するということなので、正直言って、日本人には余りなじみがなくて、先ほどから適用猶予という話になると、法律的にも、拘束力があるけど、適用が猶予という話になっているので、コードの考え方は、そうではなくて、自らが適用しない場合には、適用しない理由を述べようという考え方から来ているので、この考え方を導入するというふうに、我々の方で考えるとすれば、やはり、その辺をきちんと前提に入れて、議論をしていかないと、ちょっと話が違ってくるのかと考えています。
 なぜかというと、最初にフェアプレーガイドラインを作った後に、実は、私は、JOCも、JSPOも、JPSAも、お仕事を一緒にしているのですけれども、その後に何が起きたかというと、ひな形をくれ、ひな形をくれと、皆さんおっしゃるのです。
 とにかく適用するにはどうするかという考え方になっていて、もう本当に思考停止に陥ってしまう感じになるので、ここのところをしっかり考えて、我々の組織としたら、この原則を適用できるのかも含めて、きちんと外部に説明するという認識が、多分、必要だと思う。
 その上で、先ほどの山口委員からあった、いわゆる2層……。最初に私も見たときに、実は3層構造なのかなと思ったんです。この議論をするときには、NFでも、どのラインのところを中心に考えるかということは、いつも議論になっていて、大体中央値かなというものもあれば、陸連とかサッカーJFAみたいな立派な団体もあれば、それこそ小さい団体も、JOCレベルでも有るというところがあるのです。
 先ほど言ったことの繰り返しになってしまいますけど、そのときに、コーポレートガバナンス・コード、ガバナンスコードというものをきちんと理解して、このことを進めていくと、3層構造でなくても、2層構造でも、十分適用できるのかなと、私自身は考えたところです。

【友添部会長】  
 ありがとうございます。
 言わば立法の趣旨をちゃんと徹底しておく必要があるということかと思います。これは、もちろん、委員の中でもそうですし、これができた段階で、具体的なNF、あるいは、スポーツ団体への説明の手続をどうするかという問題も含められていると思います。
 川合参事官、いかがでしょうか。

【川合参事官】  
 御指摘の点、本当にそのとおりだと思います。やはり、ガバナンスコードを作ると、全て適用しないといけない、非常に真面目に考えることになってしまって、「オア・エクスプレイン」は認められないと考えてしまいがちになります。適用しない場合には、自己責任にするというところの許容度を、どの程度認めるのかということも併せて、今後の個別の規定を議論するときに、是非そこも御議論いただく必要があると思います。
 最初の議論ですけれども、どの程度だと、実効性があるのかというところの議論と絡めて、強調すべきところと、ここは「オア・エクスプレイン」の余地を十分認めるのかというところも併せて、是非、議論いただくといいのではないかなと思っております。

【友添部会長】  
 ここにいらっしゃる委員の共通理解が、まず何よりも必要だと思っております。特に「エクスプレイン」のところについては、なかなか、日本の団体ではなじまないところがあって、実はそういう習慣がないところで、やはり、これを作っていかない限りは、スポーツ団体の自主性や自立性が担保できないと思います。
 まだまだ御意見があるかと思うのですが、取りあえず、今、出ました御意見を踏まえながら、資料6-1のとおり、これから検討を進めていくということで……。
 どうぞ。

【川合参事官】  
 大日方委員から意見をいただいているので、資料9をご覧いただければと思います。
 このコードの適用については、2点ございまして、1つは、日本パラリンピック委員会と日本障がい者スポーツ協会団体の加盟団体の関係、2つ目は、先ほど山口委員からもございましたけれども、統括団体が自己説明、公表を行うことの必要性という御意見を頂いております。
 以上でございます。

【友添部会長】  
 ありがとうございます。
 今、出てきた御意見とかなりの部分が重なるということで、今ここで議論をしていただきましたことを踏まえながら、実はこれからゼロベースで、また議論を始めていくということで、そのたたき台という形で、資料6-1のとおり、まずは検討を進めていくと。
 3層構造、UKコードのようなTier3まで含めての御意見も、もちろん踏まえながら、検討をするということも含めて、6-1のとおり、検討を進めていくということでよろしいでしょうか。御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)

【友添部会長】  
 ありがとうございます。
 それでは、早速でありますけど、次の議題に移りたいと思います。
 続きましては、スポーツ団体ガバナンスコードの策定に係る論点につきまして、事務局から説明をお願いします。

【柿澤企画官】  
 それでは、資料7のスポーツ団体ガバナンスコードの策定に係る論点(案)という資料をご覧いただければと思います。
 資料7を1枚めくっていただきますと、1ページ目と2ページ目で、論点目次ということで、合計で16の論点の方を提示させていただいております。
 こちらを見ていただきますと、論点の書き方は2つございまして、例えば、1、組織運営等に関する基本計画の策定を盛り込むべきではないかというところ、2については、理事の任期や再任回数の制限、定年制について、どのように考えるかというところ。「盛り込むべきではないか」というところと、「どのように考えるか」というところで、少し書き分けをさせていただいております。
 3ページ、4ページ目は、後ほど触れますので、早速、論点1の方からご覧いただければと思います。
 6ページをご覧いただければと思います。まず、論点1、組織運営等に関する基本計画の策定を盛り込むべきではないかということで、その小論点として、組織運営に関する基本計画、組織運営の強化に関するスタッフの採用・育成に関する計画及び財務の健全性確保に関する計画の策定を求めるべきではないかという論点でございます。
 この各論点の下に、それぞれ、この参考となる情報を入れさせていただいております。スペースの都合上、必ずしも網羅的ではございませんけれども、例えば、この公益認定法においては、公益法人は、当該事業年度の事業計画書を作成するというような形ですとか、フェアプレーガイドラインにおいても、NF運営の基本計画(長期、短期双方を含む)が明確に策定されているといったことが定められているということでございます。
 ただ、先ほど川合の方から御説明がございましたとおり、中長期の事業計画を策定している段階は、3分の1にとどまるという状況もございます。
 この点、UKコードにおきましては、4年間の財務予測に照らし、積極的に計画といったところが入っている。
 また、オーストラリア原則においても、この3か年戦略的計画を採用するといった形で書いてございます。
 UKコード、オーストラリア原則をここに入れさせていただいておりますが、諸外国の部分も、この先も同じですけれども、記載がある部分を全て網羅的に入れているというよりは、幾つか参考になるところをピックアップしている状況でございます。
 次に、論点2をご覧いただければと思います。論点2、理事の任期や再任回数の制限、定年制について、どのように考えるかというところでございます。
 この点、一般法人法におきましては、「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会又は定時評議員の終結の時まで」とされております。任期制が採用された趣旨として、理事が定期的に社員総会、財団の場合は、この評議員会によるチェックを受けることにより、法人運営の民主制を確保するところにあるとされております。
 この点につきましては、UKコードにおきましては、任期は9年を超えないことを目標としているということで、これは、先ほどの58項目のTier3でも、7項目のTier1でも、同じように9年ということになっている。
 Tier3の義務的要件ということで、2年間の任期を4期、4年間の任期を2期、3年間の任期を3期としているというところで、例外的に国際競技連盟で上級職に指名された場合には、最長で12年となっています。
 また、最長任期を全うした場合でも、4年以上経過すれば、再度、役員になることができるという規定になっております。
 この点、オーストラリアについては、役員の最大任期を10年以内という形にしてございます。
 なお、レスリングに係る第三者委員会報告書におきましても、理事の任期について、一般に、余りにも長期間にわたることは弊害もあることから、一定の限度を設けることも検討されるべきという指摘がされているところでございます。
 次に、論点3でございます。意思決定における多様な意見の反映や組織運営における専門性の確保等の観点から、理事の構成における多様性の確保について、どのように考えるかというところでございます。
 ここは、小論点としまして、いわゆる外部理事の定義は、次のページで触れますが、「外部理事」の目標設定について、どのように考えるか。
 理事の構成における様々な属性(性別、選手代表、指導者代表、弁護士や公認会計士等の専門家、学識経験者等)に係る多様性の確保について、どのように考えるか。
 アスリートの意見を組織運営に反映させるため、アスリート委員会の設置を求めることについて、どのように考えるかという論点でございます。
 この点につきましては、UKコードにおいては、役員会の25%の独立役員が必要。各性別を30%以上、つまり女性も30%以上ということを目標としております。
 また、オーストラリア原則においては、役員会における女性代表の割合を40%以上とする目標の達成を求めるということで、また、指名委員会制が採用され、委員は、ビジネス及びガバナンスにおける相当な専門知識を有することが求められているというところでございます。
 また、こういった外部理事といったところにつきましては、第三者委員会の報告書でも、様々な指摘がされておりまして、ここでは2つ紹介しておりますけれども、レスリングの報告書でも、現在の協会の理事は、学識経験者が3名いるものの、レスリングに長期間に関わってきたレスリング関係者がほとんど。
 そのため、理事会議事録を見る限り、執行部の提案内容や強化委員会の検討結果について、理事会で理事から意見が述べられることがないまま承認されることがほとんどという問題を指摘して、組織を活性化させるためには、協会の運営に関与する理事、監事等の役員について、外部から、レスリングとは異なる分野の有識者の数を増員し、理事会を含む協会での議論を活発化させることが望ましいといった提言がされております。
 また、柔道の第三者委員会報告書においても、こちらについても、外部理事についての指摘がなされている。ここは、法曹関係者あるいは国際感覚、対外的折衝能力を身に付けた人物といったところが御指摘をされているところでございます。
 次に、9ページをご覧いただければと思います。先ほど、UKコードにおいて、「独立役員」が25%以上とございましたが、この独立の意味というところでございます。
 UKコードにおきましては、これは団体と「緊密な関係」があるかどうかという観点で見ておりまして、団体といかなる「緊密な関係」も持たず、客観的な外部者の視点で、その者が独立しているように見える場合、その者は独立の状態にある。その者が団体のメンバーである場合、及び、又はその者が競技をする場合であっても、依然として、「独立」であるとみなされる場合がある。
 「緊密な関係」の例には、下記が含まれるということで、A、現在又は過去4年間の間に、団体の業務に積極的に参加している。(例えば、競技種目、地域又は英国内のいずれかの国など、団体内の特定の利害を持つグループの代表者として参加する。)
 これは、英文を訳しているので、少し分かりにくい表現になっておりますが、例えば、我が国に置き換えて言えば、この地域の代表ということであれば、NFの傘下にある都道府県の協会の会長は、ここに入ってくるのだろうと思います。
 また、B、現在又は過去4年間の間に、団体の従業員であった。
 C、団体の役員又は上級の従業員のいずれかと親密な家族的なつながりを有しているというところでございます。
 こういったUKコードの独立につきましては、当該競技に競技歴・指導者歴の有無を問わず、役員就任時点において、団体と「緊密な関係」があるか否かに着目した定義が、採用されているというところでございます。
 ただ、一方で、先ほどレスリングや柔道の第三者報告書も触れましたけれども、我が国において、近年の様々な不祥事案の背景といたしましては、競技者又は指導者として、当該競技に知悉した者のみによって、団体運営が行われることによって、閉鎖性やガバナンス・コンプライアンスに係る専門的な知見の欠如等が指摘されていることが多いことに鑑みれば、「外部理事」の定義としては、例えば以下のような内容が考えられるのではないかというところで、3点挙げております。
 就任及び再任の時点で、以下1から3のいずれにも該当しない者を外部理事とするということで、1つは、当該団体と「密接な関係」ある者。これは、上記のUKコードの整理が参考になろうかと思います。
 また2点目として、当該競技における我が国の代表選手としての国際大会への出場経験がある、又は強化指定を受けたことがある者。
 3点目として、指導するチーム又は個人が全国レベルの大会で入賞するなど、当該競技の指導者として、高い指導実績を有している者。
 こういったものに該当しない者が「外部理事」という形で整理ができるのではないかという試案でございます。
 次に、論点4といたしまして、優秀な人材の登用や多様性の確保等の観点から、役員等の選出方法、適正な報酬の在り方について、どのように考えるかというところでございます。
 この点、UKコードにおいては、理事長及び独立役員の指名は、公開の広告による募集手続がとられているといったところが、参考としてはございます。
 次に、論点の5、11ページでございますけれども、組織運営等に必要な規程等の整備を盛り込むべきではないかということで、組織運営に必要な規程が整備されていることは、ある意味、当たり前のことにはなりますけれども、団体の役職員、その他の構成員が、適用対象となる法令を遵守するために、必要な規程の整備。
 また、代表選手の公平かつ合理的な選考に関する規程やその他の選手の権利利益の保護に関する規程等の整備を求めるべきではないかという論点でございます。
 この点につきましては、例えば、体操の第三者委員会報告書におきましては、選手選考の透明化につきまして、「国際大会に出場して、経験を積み、よい成績を収めるというのは、およそ全ての選手と指導者の希望であることから、選考過程を透明化して、その信頼を取り戻す必要があると考える。派遣選考の理由とその審議の経過を議事録に残すことで、事後検証が可能になり、恣意的な選考を防ぐことができると考えられる。候補者となったが、選考に漏れた選手に対しては、要望があれば、所属の指導者等の立ち会いの下で、選考されなかった理由を説明する機会を設けていることも検討するべきであろう」といった提言もされているところでございます。
 次に、12ページ、論点6、コンプライアンス委員会の設置を盛り込むべきではないかという論点でございまして、これは小論点として、コンプライアンス委員会を常設とし、弁護士、会計士、学識経験者等の有識者の参画を得ることを求めるべきではないかというところでございます。
 この点につきましては、コンプライアンス強化ガイドライン、こちらはスポーツ庁の委託事業で作成をした報告になりますが、こちらの中でも、常設での実施ですとか、弁護士、会計士、学識経験者などの選出というところが収められているところでございます。
 次に、論点7、13ページでございます。コンプライアンス強化のための教育の実施を盛り込むべきではないかということで、これについては、役職員向けのコンプライアンス教育の実施と、選手及び指導者向けのコンプライアンス教育の実施を求めるべきではないかということでございます。
 この点については、コンプライアンス強化ガイドラインにおいて、役職員向けには、組織マネジメントに係る教育など、また、選手・指導者向けについては、アンチ・ドーピングや暴力、セクハラ、パワハラ、違法行為等々、あるいは、SNS等も含めて、こういった形で、コンプライアンス教育の項目を例示しているところでございます。
 次に、論点8でございますが、法務、会計に係る事務を適切に実施できる体制の構築を盛り込むべきではないか。
 小論点としまして、法律、税務、会計等の専門家からのサポートを、日常的に受けることができる体制の構築が必要ではないか。
 経理の処理を適切に行い、会計原則を遵守するよう求めるべきではないか。
 国庫補助金の利用に関し、適正な使用のためのガイドライン等を遵守すべきではないかという形になってございます。
 この点、法令の仕組みを少し御紹介しますと、公益法人においては、監事の設置が必須になってございまして、監事の職務及び権限として、理事の職務の執行を監査するということがございます。
 また、公益認定法の認定基準の解釈・運用ガイドラインの中で、「経理的基礎及び技術的能力」を有しているということが定められております。
 ここで、幾つか、丸1として、財政基盤の明確化、経理処理及び財産管理の適正化及び情報開示の適正性が必要とされているところでございます。
 こちらは、公益認定法に基づいて、公益認定をされているところは、この公益認定等のガイドラインを一応満たしているということにはなりますけれども、ここでは紹介しておりませんけれども、例えば、フェンシングにおいて、経理の不正が明らかになったときには、第三者委員会の報告書の中では、公益法人であるけれども、経理的基礎及び技術的能力を満たしていないという厳しい評価も、第三者委員会の報告書の中であったということです。
 先ほど、そういった団体の規模等の現状も御紹介しましたけれども、果たして、実態として、そういう体制が構築されているかどうかというところが、課題になってこようかと考えております。
 次に、論点の9といたしまして、適切な情報開示を盛り込むべきではないか。財務情報等について、法令に基づく開示を行うとともに、法令に基づく開示以外の情報の開示を行うよう求めるべきではないか。
 役職員の選任又は選手選考に関する情報、その他コードの遵守状況に関する情報の開示を求めるべきではないかという論点でございます。
 この点、一般法人法では、計算書類(貸借対照表及び損益計算書)及びその附属明細書の作成が義務付けられておりまして、公益法人法では、財産目録、役員等名簿、報酬等の支給の基準を記載した書類及び内閣府令で定めるキャッシュフロー計算書等の作成が必要という形になってございます。
 また、この点、フェアプレーガイドラインでも、財務に係る書類等、承認手続等が、ウエブサイトで公開されていることとございますし、ここに例示させていただいておりますが、JOC加盟団体規程におきましても、こちら、様々の書類について、公表を求められている。
 特にこちらのJOC規程の中では、第9条の第5項ですが、代表選手選考の判断基準を客観し、代表選手選考の透明性を高めることといったことも定められているというところでございます。
 また、選手選考等の部分につきましては、レスリングの第三者委員会報告書でも、「万人に納得感のある、明瞭な方法であることに大きな意味があるというべきであり、より透明性を確保すべく、この点を改善すべきである」といった指摘がなされているところでございます。
 次に、論点の10といたしまして、役職員、選手・指導者等とスポーツ団体との間に生じる得る利益相反の適切な管理を盛り込むべきではないか。
 利益相反ポリシーを作成し、利益相反検討委員会の設置を求めるべきではないかというところでございます。
 この点、法令上は、利益相反取引の規制は、理事の関与方法により、直接取引(例えば、理事が法人から借り入れをすること)の規制及び間接取引(例えば、法人が理事の債務を保証すること等)の規制がございます。
 利益相反取引の規制をされるのは、理事が法人の利益の犠牲において、自己又は第三者の利益を図ることを防止する趣旨によるものであるということでございます。
 また、公益法人法の中では、特定の者に対してのみ、特別の利益を供与するということが禁止されております。
 この点、利益相反というところでいいますと、体操の第三者委員会報告書におきましては、強化本部長とクラブの監督を重任するということについて、「いわゆる利益相反的な立場にあると言えようということで、不信感の原因になっていた面がある」という指摘をしております。
 一方で、「オリンピックでの入賞を目指して、選手の強化指導ができる指導者の選択肢に乏しい状況に鑑みれば、利益相反的地位にある指導者を強化本部長等の要職に就かせないわけにはいかない実情にあることも理解できる」としまして、「基準が明確な場合を除き、強化本部での裁量で決まるような場合は、利害関係のある選手の選考時に、席を外すとか、審議に加わらない仕組みを作ることが考えられる。しかし、これも現実的でない場合も考えられ、実効性を欠くおそれもあるので、選考理由と審議の経過を議事録に残し、これを常務理事会で手続面と実質面において検証し、決定することが必要であろう」といった指摘もなされているところでございます。
 次に、論点11、通報制度の構築を盛り込むべきではないかということです。
 弁護士、会計士、学識経験者等の外部有識者の参画を得て、制度を運用するように求めるべきではないか。
 また、通報窓口についての周知、守秘義務、相談内容についての守秘義務。
 また、相談者に対する不利益の取り扱いを行うことの禁止ということでございます。
 この点、フェアプレーガイドラインまたコンプライアンス強化ガイドラインの方にも定められているところでございます。
 次に、論点12としまして、懲罰制度の構築を盛り込むべきではないかということで、懲罰制度における禁止行為及び処分の内容、並びに処分に至るまでの手続を定め、周知すること。
 懲罰制度の対象者及び処分内容を明示するように求めるべきではないか。
 処分審査を行う者は、中立性及び専門性を有するべきではないかということです。
 この点につきましても、フェアプレーガイドライン、またコンプライアンス強化ガイドラインの中で、懲罰制度の構築について解説をしているところでございます。
 次に、論点の13といたしまして、紛争解決制度の構築を求めるべきではないか。
 団体における全ての懲罰や紛争について、日本スポーツ仲裁機構を利用できるよう自動応諾条項を定めること、又はスポーツ団体内において、不服申し立てが可能な制度を設けることを求めるべきではないか、処分等に対する不服申し立てが可能であることを、処分等の対象者に通知するよう求めるべきではないかというところでございます。
 この点は、JOCの加盟団体規程におきましても、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構の定める規則に基づく仲裁申し立てについて応じる旨の決定をし、公表をすることといったこと、あるいは、JSPOの方でも、スポーツに関する紛争について、公平で透明性のある手続によって解決するものとし、解決に向けて適切に対応しなければならないといった定めが置かれているところでございます。
 次に、論点14としまして、危機管理及び不祥事対応体制を構築するべきではないかということで、危機管理マニュアルを策定し、これに基づき対応と。不祥事が発生した場合に弁護士、会計士、学識経験者等の有識者の参画も得て、事実調査、原因究明及び再発防止策の提言について検討できる体制を構築するよう求めるべきではないかというところでございます。
 この点、柔道の第三者委員会報告書でも、組織が本来の活動で、どんなに成果を上げたとしても、組織内で不祥事などの危機が発覚したときの対応を失敗すれば、組織の本来の目的は阻害され、むしろ損失に変わってしまうおそれがある。それを防ぐためにも、組織としての社会的責任を果たすためにも、リスクマネジメント体制の構築及び整備が望まれるということで、リスクマネジメント体制の整備を提言しております。
 論点15につきましては、地方組織や傘下の団体に対する指導助言、支援又は連携強化について盛り込むべきではないか。
 競技を統括する団体として、地方組織、傘下の団体等に対して、組織の適正な運営のための指導助言、指導者等の育成に係る支援やコンプライアンス強化に係る普及啓発等を行うよう求めるべきではないかというところでございます。
 この点は、現状、中央競技団体においても、様々な取組やバリエーションがあると思っておりまして、例えば、柔道の中でいえば、暴力やパワハラの防止といったところで、普及啓発の活動をされているとか、あるいは、ガバナンスという観点でいえば、バスケットボール協会におきましては、都道府県協会の法人格の取得というところについて、アドバイスといったところだけでなく、支援金も出しているというような面もございます。
 最後、論点16が、上記論点1から15のほか、盛り込むべき論点はないかというところでございます。
 こちらの論点の資料の最後3ページと4ページをご覧いただければと思います。
 この3ページと4ページを見開きでご覧いただきますと、これがスポーツ界で問題となった主な事案の分類とそれに対応する論点ということでございまして、左側で、類型と内容・具体例を入れておりますが、内容・具体例のところは、必ずしも網羅的なものではございませんけれども、おおむね、今、御紹介した論点で、この昨今の不祥事事案が何がしかカバーされているのではないかという観点での資料でございます。
 例えば、丸1、役員による強権的・独善的運営により不祥事が生じた場合というところについては、ボクシング連盟の事案が記憶に新しいところですが、それについては、役員等の任期、理事構成の多様性や選出方法といった論点が関連しています。
 また、NFの会議体運営に問題があったということで、例えば、理事会決議で制定された規則で、社員の資格停止処分を受けてしまった社員は、社員総会での議決権の行使ができない。また、法人法違反の状態が生じているみたいな事案がございまして、そういったところは、組織運営等の規程を適切に整備すれば、こういう事案は防げるのではないかというところ。
 また、丸3、NF等の具体的業務運営に問題があったというところで、具体的業務運営について、運営規程がない、又は、その運営規程に違反しているというような事案についても、これは組織運営の規程を整備し、実行することによって、対応可能ではないか。
 また、組織内犯罪という点については、コンプライアンス委員会ですとか、会計法務の体制が対応しています。
 また、丸5で、パワハラ、コンプライアンス上の問題については、コンプライアンス委員会へ、コンプライアンス教育といった論点でございます。
 また、下へ行きまして、丸8で、会計処理に問題があった場合というところにつきましては、これも会計処理の問題は、様々な団体でございましたが、論点8の方も会計の体制とういところが関連してます。
 また、NF等の情報公開に問題があった事案としまして、野球の統一球の問題ですとか、あるいは、不祥事が起きたときに、適切に公表や説明をしなかったという事案については、情報開示というところがあります。
 また丸10の通報制度の不備、運用上の問題というところでは、これは個別の事案ということに限らず、昨今、第三者委員会による調査が必要になった不祥事事案では、選手によるマスコミ等への告発、SNSを通じた告発が行われるなど、NF等の通報制度が有効に機能していたとは考えにくい事案が多く見られたということで、この点、通報制度の構築に係る論点が対応しています。
 また、丸11、懲罰、紛争解決に問題があった事案といたしましては、例えば、日本プロサッカーリーグにおけるアンチ・ドーピングに係る懲戒処分の内容の見直し、この紛争事案というところが、関係しているというところでございます。
 また、丸12で、危機管理に問題があった事案ということで、これも、危機管理に問題があった事案は多数ございますけれども、例えば、事件が発覚して3か月たった後に、独自調査を行わないと表明して、社会的な批判を受けたとか、問題が発覚した後も、その問題を起こした者を続投させて、3か月以上公表しなかったというような形で、危機管理体制に問題があり、大きな批判を受けた事案というところがございますので、論点14の危機管理体制というところが、こういった事案に対応しているということでございます。
 以上でございます。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 これからガバナンスコードを作成していく上で、重要な論点をお示しをいただいたわけであります。
 全体的な構成についての御意見だとか、あるいは、まだこの論点があるのではないか等も含めまして、皆様のお考えだとか、あるいは御質問、御意見等をお伺いしたいと思います。時間の関係で、申し訳ないのですが、2分から3分程度で、おまとめをいただければと思います。
 まずは、井口委員。井口委員から大山委員へ、こうずっと回ってきて、山田委員まで行きたいと思います。
 きょう御欠席の大日方委員から御意見を預かっておりますので、まず御意見を御紹介いただいた後、井口委員にお願いしたいとと思います。

【柿澤企画官】  
 それでは、大日方委員からの御意見について紹介をさせていただきます。
 資料9の1枚物の紙でございますが、まず論点の2につきまして、理事の任期については、短くし過ぎることにより、人材が回らなくなるなどの弊害もある。コードを策定するからには、一定の基準は示すべきだが、UKコードやオーストラリア原則に掲げるような10年程度の基準がよいのではないかという御意見。
 また、論点の3、理事の構成の部分ですが、理事の構成には、アスリート出身者も一定割合必要ではないか。パラリンピック競技団体の場合、特にパラアスリート(パラリンピアン)が必要という御意見をいただいております。

【友添部会長】  
 ありがとうございます。
 皆様から頂いた御質問については、後で一括して、事務局の方から御回答をお願いしたいと思っています。
 井口委員からお願いします。

【井口専門委員】  
 たくさん論点がありますけれども、私が感じていることは、専門の人、例えば弁護士とか公認会計士とか、いろいろな方たちが各所に登場してくるわけです。実際に経済的に脆弱な団体、先ほど何をもってとありましたけれども、どういう形で、専門家を依頼できるのか、現実的なところが見出せるのかどうかを非常に疑問に思っております。
 例えば、私はフェンシング協会の理事ですけれども、無報酬でやれることには、かなり限界もありますし、実際、専門家に対して、無報酬でどこまで頼めるのかというところも、非常に大きな問題であろうかと思っています。
 具体的に、私がこの論点の中で、やはり一番注目したいものは、先ほど大日向委員からもご意見がありましたけれども、理事の任期、論点2です。団体の方から、自ら進んで進めるということは非常に難しくて、理事の任期、再任回数、あるいは生涯トータル何年など、いろいろなことを定めようとしても、それを決めるべき会議体で、なかなか承認を得られないということもかなりあって、その辺、うまくこういうガバナンスコードで、調整できるようなことがあれば、各団体、実はやりたいところはたくさんあるのではないかなと思っていますので、その辺も議論をいただけたらなと思っています。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 それでは、大山委員、お願いします。

【大山専門委員】  
 元アスリートの立場からですけれども、やはり、通報窓口、相談窓口というところですが、もし何かあったときに、勇気を持って、通報できるかなと考えたときに、やはり、誰がそういう相談をしたのか、通報をしたのかということが分かってしまうような形であると、やはり、アスリートとしては、なかなか言い出せないと思いますので、その辺の守秘義務であったりとか、どういった方が相談に乗ってくれるのかというところまで、やはり明確でないと、なかなか相談はできないのかなと思いますので、元アスリートとしては、その辺りを入れ込んでもらいたいなと思います。

【友添部会長】  
 ありがとうございます。
 長田委員、お願いします。

【長田専門委員】  
 先ほど伺っていて、やはり分からないなと思っていることがあるので、ひとつ申し上げたいです。
 4ページにあります下のところに、「なお」という四角が一番下にあって、「その他のスポーツ団体」の中には、国民的な人気が高く、社会的な影響が大きいスポーツ大会を開催する団体、どこのこと? と思ってしまうんです。
 みんなそれぞれの団体は、人気が高いと思っているし、社会的影響は高いと、自分たちで思っていると思うんです。ですから、なるべく具体的に、ここだけにしてください、どこどこですと言ってもらえると、ふうんと分かるのです。
 これが中央競技団体の中に入らないということは、人材的、事務的能力が余りないということなのですけれども、主に今まで問題の起きたこと、去年などのことを考えても、脆弱な団体も、かなり問題があったと思うし、いろいろ事務的な方が入っている、一見しっかりしているように見えるところでも、問題がたくさんあったんですよね。だから、これを1層、2層にして、取りあえず、中央競技団体のことでやるのだと言われても、何となくしっくりこないというか。
 それから、先ほど言っていただいたスポーツ界で問題となった事案の分類は、1、2、こういうことが非常に起きやすいという意味では、大変に大きな参考になるので、スポーツに携わっている人が分かりやすく、なるべく具体的に、これはこういうことがパワハラだとか、こういうことが問題になるのだよねということを気付かないでいることが物すごく多いので、そういう指摘が、いま一つなされていないことが、大層、気掛かりです。
 ここで何かを決めても、該当しないと思ってしまう人が、実はたくさんいるのではないかなと思ったりしております。

【友添部会長】  
 1つ、最初に言うと、大相撲がそうです。国民の人気がある割には、いろいろな問題があるということで、あとプロの団体。これはどこにも属さないという形になっています。この後、事務局から説明をいただければと思います。
 國井委員、どうぞ。

【國井専門委員】  
 最初に質問というか、事務局の方で、この厚いところにUKコードなどの翻訳が入っているのですけれども、これは全文なのかどうかということを、後で教えていただきたいのです。これのボリューム感を見ると、そこまでないのかなということが、非常に直観的で、日本のフェアプレーガイドラインとかコンプライアンスはものすごく多いのです。
 だから、先ほどのコードの話をすると、コードというのは、非常にシンプルなものなのかなということは直観的に思っていて、そこに対して、どう考えるかということが、発想的には、いわゆるプリンシプル・ベースではなくて、ルール・ベースの細かい細則の論点に入りそうだなということは、今、危惧しているところです。
 ただ、それは、我々、今後議論が進んでいけば、変わってくるのかもしれませんけど、先ほどから出ている理事の任期の話で、入れるか、入れないか、どのようにここで考えるかと書いてあるものが、恐らく、議論の幅があるのかなと。どちらかというと、「べき」ではないかというものは、当然ながら、これはもう本来あるべきでしょうという議論なのかなということだと思うんです。
 一つ、理事の話では、英国であるインターバルみたいなところの議論があると思うので、その辺りは、今後、考えてみたいなということ。
 コードを、組織として、どのように開示というか、説明してくるかということは、この中の論点に入れるべきなのかどうかは分からないのですが、先ほどから私が申し上げているコードとしての基本的な考え方にすると、どのように説明していくかということは、一つ、思考のところに入れてほしいなというところなので、どこかに入れないのかなというところは考えているところです。
 以上です。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 栗山委員、お願いします。

【栗山専門委員】  
 栗山です。
 先ほど、長田委員の方からお話もあったとおりで、大相撲というお話もありましたし、先ほどのガバナンスコード論点の事例の御紹介のところでも、Jリーグということがありましたけれども、これは中央競技団体の下に入っていないというところだと思います。
 そういったところには、ガバナンスコードは及ばないという形になるということ、そもそも、それで、ガバナンスコードとしていいのかというところは、気になりました。すみません、先ほど、説明すればよかったんですけれども、失念してしまったので、その点。
 個別の論点に関しては、論点2の理事の任期や再任とともに、定年制を設けるということもいいのではないかなと、個人的には思いました。
 論点3のところの外部理事といったところで、外部の方が、スポーツ競技団体において、どの程度必要であって、必要だとしても、本当に純粋な外部の方がいいのか、それとも、やはり、アスリート的知見を持った方、アスリートというか、競技にお詳しい方がいた方が、逆に、いいのではないかというところもあるのではないかなと思いました。
 論点4のところに関しては、公募手続導入化というよりも、選出の問題ももちろんあるのですけど、先ほどあった報酬のお話、結局、きちんと報酬さえ払えば、それなりにいい人材が来るというようなところになると思うので、その選出方法の問題というよりは、報酬の在り方をどのように考えるかというところで、実際、専門職を持っている方も、手弁当でやっているケースも結構ございます。そこら辺も、どのようにしていくかということも、論点になるのかなとは思っております。
 その論点6のところで、コンプライアンス委員会というところで、先ほどとかぶりますけれども、親方からのパワハラはどうなのだとか、あとは、そういったところで、どこまでコードで網羅していくべきなのかというところも気になります。
 論点13のところですけれども、こういった、どういった解決制度がいいのかというところについては、各団体、それぞれIFのルール等もございますので、そういったIFのルールも配慮しつつ、NFは、どうしてもIFのルールにも従わなければいけないというところもありますので、そういったところも検討すべきではないかと思っております。
 取り急ぎ、以上です。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 境田代理、お願いします。

【境田部会長代理】  
 まず、中央競技団体(NF)には、公益財団法人であったり、公益社団法人であったり、一般社団法人もありますね。それぞれ法人には、適用される法律があるものですから、その法律はきちんと守らなければいけない。
 それに上乗せして、なぜNFに、他の団体に上乗せして特別に義務や責務なりを課さなければいけないと申しますと、やはり、NFというのは、当該競技に関わる様々なステークホルダー全体をマネジメントする最高意思決定機関・執行機関だからです。私は日本バスケットボール協会の理事をしていますけれども、バスケットボール協会には、62万人の競技者と指導者や審判などの登録者が存在しており、NFである日本バスケットボール協会は、その方々全体を代表して運営をしていかなければならないのです。
 そのような立場にあるNFが、何か間違えたルールを作ったり、もしくは適用するなど、誤った運営をしてしまうと、ステークホルダー全体に迷惑を掛けるわけです。だからこそ、NFはしっかりガバナンスをしなければいけないということです。
 ただ、実際は、NFというのは、株式会社に例えれば、持株会社、つまりホールディングカンパニーのような存在で、実際の競技の普及だとか、強化・育成を担っているのは、NF加盟団体である都道府県協会だったりするわけです。実は、そこで、いろいろな問題が起きているわけです。
 したがって、先ほど柿澤さんから、バスケットボール協会で、都道府県は法人化したという話を紹介をいただきましたけれども、やはり、地方の実際の現場で、選手と向き合っているところが、しっかりガバナンスをしてもらわないと、NFも本来の責務を果たせない、役割を果たせないということだと思います。
 ですから、NFをきちんとガバナンスをするということは、下部団体の都道府県協会、大学連盟とか高体連とかもあると思います。そういったところも含めて、改革をしていくということを、まず考えなければいけないと思っております。
 今回、NFのこういったガバナンスの基準を作りますけれども、やはり、高いハードルを課してしまいますと、結局、付いていけないという小規模団体も出てくる可能性もありますので、そのような団体への支援策のような仕組みも、同時に考えていく必要があると思います。
 日本パラリンピックサポートセンターでは、30近い競技団体が同じオフィスに入って、財務、法務、税務、会計、国際連盟との通訳といった業務を、共通のスタッフがやってくれているわけです。そういうことによって、事務コストを下げ、効率化し、適正な運用をしようということをしるわけです。このような取組も参考にしながらガバナンス改革をする必要があると思います。
 日本スポーツ協会の森岡さんがいらっしゃいますけれども、実は各都道府県のスポーツ協会では、同じオフィス、同じフロアに、バスケットや、バレーボールや卓球の体協がいいるケースは結構ありますよ。ですから、各競技の都道府県協会が、それぞれガバナンス体制を構築することは難しいという事情もありますので、例えば、地方体協がそういった各競技団体をうまく取り纏めてマネジメントサポートしていただく、そのような工夫をする余地があると思います。
 そういったことをセットで考えながら、スポーツ界全体として、ガバナンス改革をしていくということが、重要だろうと思っています。
 済みません、長くなりました。

【友添部会長】  
 高田委員、お願いします。

【高田専門委員】  
 今回、論点には含まれていない点として、昨今、理事会が問題になっている中で、その影が薄いといいますか、本来的には評議委員会がガバナンスを効かせなければいけないというところがあると思います。そこの意見の構成の多様性であるとか、そこが機動的に意思決定をするということが、現状では見えていないというところについて、我々で何かしらの方向性を示すのか、どうなのかというところを検討させていただきたいと思います。
 理事会もそうですし、評議委員会もそうだと思いますけど、意外と、そうそうたるメンバーの方々が入っていらっしゃるケースが多いと思います。理事の構成における多様性の確保というところで、人数を増やせばいいのかというところは、問題なのではなかろうかと思います。
 昨今、上場企業においては、取締役の人数を絞るべきなのではないかという議論がされているかと思いますけれども、その中で、先ほどの財務が脆弱であるという中でも、理事が、なぜか常勤の従業員の方よりもいる。そういった中で、理事がきちんと一人一人が責任を持って、業務を行っているのかどうなのかというところが、私も不勉強で申し訳ないですけれども、ちょっとまだ、現状の資料からは明らかではない。
 大体どのぐらいの人数がいらっしゃって、常勤、非常勤が何名ぐらいいらっしゃって、開催状況はどうで、書面決議ではなくて、フィジカルにどれぐらいの頻度で開催されて、どれぐらいの議論が活発に行われているのかということが踏まえられて、初めて問題点が、どこにあるのかというところが、議論になってくるのかなとは考えております。なので、そこについて、もし何か資料があれば、事務局の方で御用意いただければとは思っております。
 以上です。

【友添部会長】  
達脇委員、お願いします。

【達脇専門委員】  
 まず、1つ質問があるのですけれども、こちらの論点に並んでいるものは、コードの中身として、こういうことを盛り込むべきということが並んでいると思います。先ほど、「コンプライ・オア・エクスプレイン」のお話があったように、コードの使い方や適用の仕方というところに論点があるのだろうと思うのですが、それは、どのタイミングで議論をするのでしょうかということが、1つ質問です。
 やはり、「コンプライ・オア・エクスプレイン」は、「エクスプレイン」の方が、むしろチャレンジというか、大変なぐらいで、余り考えていないところは、むしろ、みんな、「コンプライ」してしまうみたいなことが、コーポレートガバナンス・コードでは、起きたりしているということもありますので、その辺をどういう意味で使うかということは、先ほども部会長からもありましたけれども、非常に重要だと思っています。
 論点の中でいきますと、1つだけ、理事の多様性のところで、外部理事というお話がありました。やはり、外部の目をこういう層に入れていくということは、非常に大事なことだと思っております。
 実は、コーポレートガバナンス・コードができたときに、日本の上場会社が、外部取締役を入れるということに、非常に抵抗感を持ったんです。なのですが、実際に入れてみると、実は、よい緊張感ができたりとか、中からは出てこない、いい意見を頂けたりということで、今は積極的に、いい外部取締役を取り入れていこうという会社が増えているということがございます。
 そういう意味で、ここも外部の目をどうやって入れていくか、それはただ入れるだけではなくて、そういう人たちがちゃんと機能するようにしていくということが、非常に重要だと思っています。
 それに伴って、実は外部役員と独立役員は全くイコールではなくて、独立というのは、ここにあるように、本当に利害関係が一切ない役員です。例えば、その分野で活躍して、今は組織の外にいるという知見を持った外部の役員、独立ではないけれども、外部の役員はいらっしゃるかと思いますので、その辺は少し注意をして、切り分けて考えてもいいのかなとは思います。
 以上です。

【友添部会長】  
 日比野委員、お願いします。

【日比野専門委員】  
 先ほど境田委員の方からもおっしゃられたんですけど、今、我々は、中央団体、私どももそうですけれども、ほとんどが公益財団若しくは公益社団ということで、認定制度の移行に伴い、共通のルールに基づいて運営をしておりもう既に、そういう意味では、3年に1回の立ち入り検査も、今、2回目が入っているような状況だと思います。
 この資料の中にも出てきますけれども、公益認定法ですとか、一般法人法で、今、既に、ある意味、縛られている。例えば、役員の構成に関するルールでは、その中では、同族というんでしょうか、我々でいえば、ある特定の競技団体の役員が、3割以上にならないようにしてくださいというような制限がある。
 先ほど、それに、このコードを上乗せするとおっしゃられたんですけれども、現行の制度にさらに厳しくするという方法もあるのかなというふうに思いますが、厳しくするか、どうかということは、これからの論点になるかと思います。
 そこでも、ある意味、組織のガバナンスですとか、理事会の運営だとかということで、今、既にチェックを受けているわけです。ですから、ここにいろいろ出てくるように、そういう法律なり、制限と今回できるものとの整合性をうまくとっていただきたいということがお願いです。
 また、例えばJOCでいえば、IOC憲章があって、つい最近も、そちらの方の制限というか、指導もあって、アスリート委員会も、構成員の半分は、選手の選挙によって選ばなければいけないということで、より組織に対して、アスリートの意見を反映させるという試みも、今やっております。
 全体を通して、そういう現行の法人法等とこれからできるコードとの整合性をとっていただきたいと思っております。

【友添部会長】  
 森岡委員、お願いします。

【森岡専門委員】  
 今、説明していただきました15の論点の各論について気付いた点や、意見を、6点お話しさせていただきます。
 まず、論点2、先ほどからもお話が出ておりますが、理事の定年制を導入しているNFは、比較的多いのではないか。全てのデータを調べたわけではないのですが、比較的多いと思います。
 ただし、理事の任期や再任回数の制限については、組織バランス上、必要性を一部認識しているものの、実効性を考えると、先ほど意見がありましたが、NFの方では大日方委員からも意見がありましたが、担い手がなかなか不足している現状もあり、一律にこれに制限を設けることは厳しいと考えております。
 次、論点3です。外部理事の考え方における「緊密な関係」は定義がありますが、どう定義するかということは難しいと思います。明確に定めない限り、適合性審査でのチェックが困難になると予想しています。
 例えば、これまで「緊密な関係」になかった外部の方が理事に就任した場合、数年間、理事を務めてしまうと、いわゆる「緊密な関係」になったとして、外部理事ではなくなってしまうケースが出てくるのではないかということです。UKコードにも見られるように、就任時において、外部理事であるという定義が必要になるのではないかと思います。
 次、論点4、役員の公募手続の導入ですけれども、NFで実施しているということは、これも調べたわけではないのですが、余り聞かれません。
 井口さんがいらっしゃいますが、日本フェンシング協会や日本ハンドボール協会なり、全日本スキー連盟で、外部の民間企業関係者を公募によって、事務局長あるいは事務局スタッフ、常勤、兼業、雇用形態はいろいろありますが採用しているケースは見られます。しかしながら役員の公募は余り聞かないと思います。
 論点9です。情報の開示です。公益法人法の規程によれば、ホームページでの公開までは要求されていないということではありますが情報開示は必須だと思いますので、NFはホームページは、持っていますので、そこに組織運営のルールあるいは総会、理事会の議事録、事業計画、予算、報告、決算は掲載しても、上乗せしてよいのではないかと考えます。
 ただし、法律には、そこまでは要求されていないので、そこは、コードにオンさせるのか、させないかという議論はあると思います。
 論点10、利益相反というのは、どのようなことが利益相反になるかという定義付けや例示が必要になると思います。
 例えば、考えられることは、理事が関連している業者への発注とか、知人・友人の業者への発注、選手選考への想定ということがありえると思いますが、例示するべきではないかと思います。
 最後、論点15です。境田部会長代理からも御指摘がありましたが、地方組織や傘下の団体に対する指導助言あるいは支援の機能強化を求めていくのであれば、それに対応するNFや、都道府県体育・スポーツ協会において、少なからず、経費負担が生じます。
 日本バスケットボール協会の支援金のように、何らかの経費負担が伴いますので、そこら辺を考えるべきではないかと思います。

【友添部会長】  
 山口委員、お願いします。

【山口専門委員】 
 一般法に上乗せして、もう少し厳しくというところからいうと、先ほど長田委員が言われたように、結局、なぜ、そうしなければいけないかといったら、気付いていない人に気付かせる。こういう論点で、団体や組織をマネジメントしなければいけないのだという、そもそもそういう観念のない人たちが意外と多いので、そこには、やはり、こういうことをきちんとケアしてくださいよということに気付かせるという意味では、すごく重要なことなのではないかなと思っています。
 ただ、やはり、実効性の高さや柔軟性ということを考えると、先ほど井口委員もおっしゃられましたけど、ここの論点を見ていると、弁護士、公認会計士、専門家、学識経験者が、どれだけ出てくるのだというぐらい出てきます。ですから、ここのところを考えると、やはり、ある程度シンプルにといいますか、國井さんもおっしゃられましたけど、これを細かくしていったら、すごい量になると思います。
 ですから、例えば、コンプライアンス教育といったところだったら、JOCやJSPOができますよね。それをちゃんと受諾して、受けていますということで、受けているということにする。あるいは、弁護士さんといったところについては、どういう方法があるのですよということを、やはり提示していくということをしなければいけないなという印象を持っています。
 ですから、全体で、JOCやJSPOやJPCもそうですけれども、賄えるところは、なるべく賄かってあげて、最低でも、ここだけは、各競技団体で、しっかりやってほしい、見直してほしいというところが、多分、必要になると思います。
 そして、定年制など、いろいろなことがありますけど、これも、どなたからお話がありましたけれども、ここもすごく重要なのですが、つまり、スポーツ競技団体は、私も全柔連にいますけど、みんな手弁当です。何かそれで利益を得ているとか、そこに入っていただく弁護士さんや会計士の方でも、本当にそれでやってもらえるのかという。だから、本当の外部ではありません。昔、柔道をやっていた人を無理やり、有無を言わさず、引き込んで、義理と人情でみたいな感じで、強制みたいところもあるのですけど、本当にそれで、やれるのかという。
 それが、先ほど言ったように、県レベルになっていったら、中央以上に、もっと深刻です。そこに本当にガバナンスを効かせていく。
 先ほど高田委員もおっしゃられましたけど、非常勤と常勤は、どのぐらいの割合か。私の聞いた話では、理事ですけど、お金を払って、理事をしているという団体があります。NFを存続させるために、理事報酬ではなくて、理事支払いみたいな。ですから、そうなってくると、やってもらっているだけでも、有り難いと。それの上にという。
 つまり、やり手がいなくて、私、やりたいですという人がやってきたので、村社会になってきてしまったという背景も鑑みながら、これからスポーツ界を、このガバナンスコードを用いながら、どうやっていくということは、ここでの議論かどうか分かりませんが、是非考えていただきたいと思います。
 済みません、長くなりました。

【友添部会長】  
 山田委員、お願いします。

【山田専門委員】  
 もうほとんど出し尽くされましたので、繰り返しになりますけれども、全体的に論点はこれでいいのではないかと、私は思っております。
 先ほどの繰り返しになりますけれども、役員についても、一つ、我々のパラの方の世界では、歴史が浅くて、特に人がいない、特に女性のアスリートが、なかなかまだ年配の人がいない。
 そういった状況がございますので、役員に任期を付けるということは大事ですけれども、先ほど言われたように、なり手がいない。何とかお願いして、なってもらっているということが現状ですので、そこをどのように弾力的にするか、あるいは、もうそこでやめなければいけないのかなど、そこをどうやってするかということが、論点の1つにあると思います。
 先ほどから出ています弁護士等の専門家ですけれども、パラの方は、今、全体の中で、強化費も入れて、2,000万円以下の団体が半分以上あるような状況です。人材も2人以下というようなところが多い。
 こういった状況の中で、だから、お金も、強化費を入れて、2,000万円以下ですので、ほとんど自前の財力がないというところで、いろいろな専門家を雇うとなると、なかなか耐えられないところも出てくるのではないかと思います。
 そういったところで、全体的にはこれでいいのですけれども、運用面で、先ほども説明がありましたが、原則と、先ほどこの下に要件緩和を、作るという方向がありましたけれども、その中で、十分、実効性のあるような運用の仕方ができるように、解説をしてもらいたいと思います。
 パラサポも、東京大会が終わりますと、原則はなくなるというようなことなので、彼らも、次の事務所を見付けたりして、その財源も出さなければいけないとか、いろいろなことで、これからまた四苦八苦するわけです。また更に専門家を雇えとか、そういうことになると、本当に苦しいなと思います。
 以上です。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 事務局から回答できることがございましたら、お願いします。

【川合参事官】  
 栗山先生や長田先生からの適用範囲のところについて、資料6-1の議論について、御質問があったので、それについてお答えできる範囲でお答えしたいと思います。資料6-1の4ページでございます。
 まず、「その他のスポーツ団体」のなお書きの小さい字のところの御指摘でございます。先ほど友添部会長からもお答えいただきましたように、ここで意識しているものは、相撲協会を主に意識しております。やはり、最近、暴力問題なども起こっている。今回、スポーツ団体ガバナンスコードを促す対象として、そういうプロスポーツ団体もちゃんと視野に入れて、我々はやるべきだと考えております。
 ですから、プロスポーツ団体をガバナンスコードの適用範囲から外すということではなくて、適用範囲にはなる。我々とすると、自己説明、公表は是非やっていただきたいということを、広くプロスポーツ団体にも求めていきたいと考えております。
 そのときに、また、中央競技団体向けの後の議論になりますけれども、簡素な方のものを求めるべきなのか、それとも、中央競技団体向けに作る項目数の多い、内容の濃い方を求めるべきなのかということも、また、その際、御議論をいただければと思います。
 要するに、こういう対象範囲の話と、そもそもコードの運用方法というのでしょうか、適用手法というのでしょうか、そういうもの、「コンプライ・オア・エクスプレイン」の原則などというところの説明が足りないという御指摘を、きょう受けましたので、次回以降、そういうコード適用に当たっての基本的考え方みたいなものを、一回、文章化して、また、皆さんに御議論をいただければと考えております。

【友添部会長】  
 ありがとうございます。
 どうぞ、お願いします。

【柿澤企画官】  
 あと1点、高田委員から、現状というところで、例えば、理事の構成ですとか、あるいは、開催状況等々というところ、また、森岡委員からの御発言でも、定年制を導入している団体が、どれくらいあるかというところは、数字ではないけれどもというお話もございました。
 この辺りは、先ほど、そういった現状を踏まえて、事務局で資料を用意してということでございましたので、特に本日論点になったような辺りについては、今後、統括団体の方とも相談をいたしまして、現状については、実態の把握をさせていただいて、それをスポーツ団体等の方の作業の時間等も、集計の時間もございますので、次回会議というところで、間に合うか分かりませんけれども、次々回くらいまでには、その結果も取りまとめて、それをベースにまた御議論をいただけるように、準備をしたいと考えております。

【友添部会長】  
 ありがとうございます。

【小塩法務支援スタッフ】  
 國井先生から御質問をいただきました、UKコード、オーストラリアコードは、こちらが全文になります。先生方にも作成いただいて、それは26年のもの、私も作成させていただいた29年のものと比べると、やはり、かなり簡潔にまとまって、要点、要点を記載しているものなので、そこの開きはあります。
 コーポレートガバナンス・コードも、監査法人のガバナンスコードも非常に簡潔で、「コンプライ・オア・エクスプレイン」の原則にのっとってやっていますので、どちらかというと、そちらに寄せて、作成した方がよろしいかなと思っております。
 達脇先生から御指摘をいただきました、やはり、ひな形とか、「エクスプレイン」をどういうふうにさせるか。ひな形を作成させることが、我々の目的ではなくて、実際、自分たちのNFで、こういったことを考えています。こういうふうにやっています。正に基本計画は、ひな形を作ってもしようがなくて、こういう将来像を考えていますというNFが考える契機にしなければならないと思います。そういった「エクスプレイン」も、どんどんしていただけるような内容にしていきたいなと思っています。
 以上です。

【友添部会長】  
 本体をできるだけ短くして、あと解説を付けるか、また、ボリュームについては、これからの議論で、余りにも長文で、長いものは、多分、具体的には使ってもらえないということかと思います。
 明治以降、継続してきた日本のスポーツ風土を、抜本的に、合理的に、合目的的に、改革・改善していこうという試みに、今、我々は立ち向かう歴史的な立場にいるというふうに、少し大げさかも分かりませんけれども、オリパラを前にしてのそれぐらい大きな覚悟が必要かと思っています。
 具体的には、コードが作られても、神棚に上げられてしまったんでは困るし、またひたすら「コンプライ」するだけで、あと、「エクスプレイン」を全くしないということでも困るわけで、魂をどう込めていくのかということが、実は、この委員会の議論が左右することになるかと思っています。
 どうでしょうか、会長の方から、最後、何かおまとめをいただければと思います。

【山脇スポーツ審議会会長】  
 まとめではないのですけれども、なぜこのコードをやるかということで、きょう余り触れられなかった部分があります。
 特にUKスポーツとUKイングランドのところをよく見てみますと、彼らは投資ということを言っているのです。これだけ多くの公的な資金が、スポーツに対して、投資ということで入っているので、その投資に対しての価値、バリュー・フォー・マネーを、リターンとして、しっかり返さなければいけない。そのためのコードなのだということを、非常に強く言っています。
 この観点は、我々が返すべきバリューというのは、スポーツの価値ということになるのですが、スポーツの価値を高めて、返さなければいけない。そのためにやっているのコードなのです。これだけ、公的資金が投入され、そして民間企業がなぜ協賛しているかというと、CSRという側面はありますけれども、やはり、投資をしているので、投資を受ける団体には、しっかりリターンを返してほしい。ここのところ、投資に対してリターンをしっかり返せる体制を作るというところをよく理解をしてもらわないと、コードの議論が単にこれを守りなさい、いやでも無理と言ったような、非常に細かな議論になってしまう。
 なぜ、コーポレートガバナンス・コードが簡単なのか、又はUKコードがこうなのかということの根幹には、投資に対するリターンをしっかりしなければいけないという原則があり、もし、しなければ、投資がなくなるという理解があるのだとおもいます。
 この点、日本では、公的資金の助成というと、もらっても、何も返さなくていいというような感じが、今までのスポーツ界にはあるのではないかと思います。
 そこのところは、やはり、頭をしっかり切り替えて、これだけ国から公的資金の助成を受けている、これだけ民間から投資がなされていることに対するリターンの考えや、自らの説明責任透明性、公正さを担保する等、ガバナンスをしっかりやらないと、投資というものがなくなってしまうというところを、認識しないと、コードを作っても、単に守らなければいけないコードになってしまう。そこの意識改革を、もう少ししっかりやった方がいいのではないかと思いました。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 実は、きょうはウオーミングアップ程度かなと思ったのですけど、初回から、かなり突っ込んだ議論をいただきまして、きょう御検討をいただいた内容だとか、御議論をいただいたことは、今後の取りまとめと議論にまた反映させてまいりたいと思っています。
 次に、今後の日程等について、事務局から説明の方をお願いいたします。

【川合参事官】  
 資料8をご覧いただければと思います。春を目途に成案を得るということの目標がありますので、3月までにパブリックコメントの案を作るということで、日程を設定させていただいております。
 次回につきましては、中央競技団体に対するヒアリングを検討しておりまして、具体的な団体につきましては、部会長と事務局と相談の上、大変恐縮ですけど、決めさせていただければと思います。非常にタイトなスケジュールですけれども、このようなスケジュールに、是非、御協力をいただければと存じます。
 以上でございます。

【友添部会長】  
 ありがとうございました。
 今、事務局の方から、スケジュールの御提案をいただきました。このスケジュール、少しタイトだということで、川合参事官の方からお話がありました。よろしいでしょうか。進めさせていただくということで、御了解をいただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【友添部会長】  
 ありがとうございます。
 それでは、このスケジュールで進めさせていただこうと思います。
 きょうの会議、無事に終了させていただくということになりました。きょうは御協力をありがとうございました。
 これにて散会いたします。


―― 了 ――

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スポーツ庁参事官(民間スポーツ担当)

(スポーツ庁参事官(民間スポーツ担当))