スポーツ審議会健康スポーツ部会(第25回) 議事録

1.日時

2024年2月6日(火曜日)13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省15F1会議室 及び WEB会議(Zoomを使用)

3.議題

  1. 令和5年度 スポーツ実施率調査の結果について
  2. Sport in Life ガイドブック(案)について
  3. ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進について
  4. その他

4.議事録

スポーツ審議会 健康スポーツ部会(第25回)
2024年3月27日


【渡邉部会長】  皆さん、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから第25回スポーツ審議会健康スポーツ部会を開催いたします。
 まず、本年1月1日に令和6年能登半島地震が発生いたしました。亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
 改めまして、皆様、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、9名の委員に御出席いただいております。遠藤委員、勝目委員、塩野委員、藤田委員におかれましては、都合により欠席と伺っております。また、佐々木委員の代理といたしまして、公益社団法人スポーツ健康産業団体連合会理事、樋口様に、そして豊岡委員の代理といたしまして、三島市健康推進部長、佐野様に御出席を賜っております。
 スポーツ審議会令第6条第1項及び第3項におきまして、本部会の開催及び議決に当たりましては、委員の過半数の出席が求められております。本日は定足数を満たしており、開催とさせていただきます。
 なお、本日はスポーツ庁から、茂里次長、橋場審議官、和田健康スポーツ課長、佐々木障害者スポーツ振興室長に御出席いただいております。室伏長官におかれましては、遅れての御出席と伺っています。
 さらに、オブザーバーといたしまして、厚生労働省健康・生活衛生局健康課からもオンラインにて御出席をいただいております。ありがとうございます。
 なお、傍聴に関しましては、一般の方についてはYouTubeでのライブ配信での傍聴とさせていただいております。御承知おきいただければと思います。
 それでは、開催に当たりまして、事務局より諸連絡及び配付資料の確認をお願いいたします。
【和田健康スポーツ課長】  事務局でございます。開催に当たりまして、諸連絡になります。
 本部会は前回と同様に、対面とZoomによるウェブのハイブリッド形式の会議とさせていただいております。本日、対面の御出席は、渡邉部会長、佐々木委員の代理の樋口様の2名になります。その他の委員はオンラインにて御出席いただいております。なお、近藤委員におかれましては、オンラインで途中からの御出席という連絡をいただいております。
 もし、オンライン参加の委員より資料共有等の御希望がございましたら、Zoomの共有機能にてお願いいたします。御不明な場合には事務局に御連絡願います。
 また、もし途中で御退席される場合には、Zoomのチャットにその旨をお知らせいただき、適宜、御退室いただきますようお願いいたします。
 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第を御覧ください。本日の配付資料につきましては、事前にメールで送付させていただいておりますので、もし何か不備等がございましたら、事務局まで御連絡をお願いいたします。
 資料1、現場視察・ヒアリング及びガイドブックについて、資料2、ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツを推進するための周知啓発について、資料3、令和6年能登半島地震の被災者の健康保持に係る運動・スポーツの観点からの支援について。参考資料といたしまして、1から3までをお付けしております。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、議事に移りたいと思います。議題(1)現場視察・ヒアリング及びガイドブックについては、実施いたしました3件の視察・ヒアリングの御報告となります。1件目が福島県福島市、2件目が徳島県美馬市、3件目が障害者スポーツ文化センター横浜ラポールについての報告でございます。
 本日、御出席の委員の中で、岩田委員、松永委員におかれましては御視察いただきましたので、感想などを含めて御発言をお願いしたいと思います。また、そのほかの委員からも御質問、御意見など、ぜひ御発言いただきたいと思います。
 その後、ガイドブックについては、事務局より改めて御説明いただき、委員の皆様から御意見をいただきたいと思います。
 それでは、まずは事務局より、現場視察・ヒアリングについて御報告をお願いいたします。
【和田健康スポーツ課長】  
 資料1を御覧ください。前回に引き続き、ガイドブックの作成に当たりましては委員の御協力を賜り、現場視察・ヒアリングを進めさせていただいているところでございます。今回は、資料1の3ページ目に記載の3件について、現場視察・ヒアリングを実施しましたので御報告させていただきます。
 1件目は、遠藤委員に御推薦いただきました福島県福島市でございます。
 取組の概要といたしましては、東京オリパラ大会を契機にバリアフリーニーズを掘り起こし、官民一体となったハード・ソフト両面のバリアフリーを実践することにより、「誰にでもやさしいまち ふくしま」の実現を目指すとともに、官民一体となった行動をレガシーの一つとして次世代へつなぐための取組を推進していること。
 また、パラスポーツの振興を事業の大きな柱の一つとする「福島市スポーツコミッション」を中心に、ボッチャ交流大会の開催等によるパラスポーツの市民への普及や、パラスポーツ競技団体の合宿の受入れ、パラアスリートの小学校への派遣、障がい者スポーツ団体のスポーツ施設優先予約などに取り組み、共生社会の実現を推進していることになります。
 2件目が岩田委員に御推薦いただきまして、岩田委員、松永委員に御視察いただきました徳島県美馬市でございます。
 先ず、成果連動型民間委託契約方式で行っておりますヴォルティス元気っずプログラムですが、これは文字どおり、子供を対象としたものでございます。
 取組の概要といたしましては、Jリーグの徳島ヴォルティス及び大塚製薬と市が連携をし、市内の認定こども園や幼稚園に通う5歳児を対象に、アクティブ・チャイルド・プログラムとボールを使った運動遊びを、徳島ヴォルティスコーチが指導する運動プログラムを実施していること。
 また、幼児期に必要とされる多様な動きの獲得や体力・運動能力の向上を目的とした「運動遊び」とともに、体の成長に不可欠な「栄養等の学習」なども通じて、活動的で健康的な生活習慣を習得し、生涯にわたり豊かな人生を送るための基礎づくりにつなげていることになります。
 次に、美馬市版SIBヴォルティスコンディショニングプログラムですが、これは全世代を対象としたコンディショニングに関する取組になります。
 取組の概要としては、姿勢の悪さや腰痛等の慢性的な痛みを感じる20歳以上の市民を対象に、コンディショニングメソッドを習得した徳島ヴォルティスのコーチの指導により、1クール9週間にわたって運動プログラムを実施するとともに、栄養補給やICTの活用による活動量の見える化を実施。また、運動機能の改善を通じて運動習慣の定着化を図り、将来的な医療費や介護給付費の適正化につなげることを目指していることになります。
 3件目が藤田委員に御推薦いただきました障害者スポーツ文化センター横浜ラポールでございます。
 取組の概要といたしましては、「リハビリテーションサービスの向上」、「豊かな人生への支援」、「共生社会実現への取組」を基軸としながら、横浜市内の障害者スポーツ・文化活動の中核拠点施設として、障害者の多様化するニーズに即した事業や、障害者のスポーツ・文化活動に関する積極的な情報発信をしていることでございます。
 スポーツ振興事業としては、ここに掲げるリハビリテーション・スポーツや、スポーツ・レクリエーション教室、スポーツ大会等の開催、また、障害者スポーツを支える人材の育成、地域支援などを行っております。
 事務局からの御報告は以上になります。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 報告内容への御質問、御意見は、推薦及び視察された委員のコメントの後に、まとめて時間を取るようにいたします。
 初めに、福島県福島市を御推選された遠藤委員でございますが、本日は欠席ということでございます。所見をいただいておりますので、事務局より補足をお願いいたします。
【和田健康スポーツ課長】  事務局でございます。遠藤委員からいただいた所見の概要について御報告させていただきます。
 福島県福島市に関する所見になります。県と市で連携している運動導入教室では、自治体と連携し、優先団体登録により会場の確保がされるなど、市内の特別支援学級や普通学級に通学する障害児者が放課後活動の位置づけで参加している。
 福島県のパラアスリートのほとんどは、誰と出会うかで先々が決まってくる現状がある。誰と出会うかではなく、拠点施設に行けば専門の人材により、自身の可能性を探る情報と機会を提供され、自分の意志で選択できる環境があることが理想である。
 各県に障害者スポーツセンター等の中核的な拠点を設けるほか、福島市のように各自治体の公共スポーツ施設の専門知識を持った人材にサポートを受けながら、誰もが利用できるスポーツ環境があることが望ましい。となっております。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 続きまして、岩田委員から御推薦のありました徳島県美馬市の視察につきまして、岩田委員、松永委員の順で所見をお願いいたします。
【岩田委員】  岩田です。徳島県美馬市を視察させていただきました。この美馬市の取組は、資料記載のとおり、PFS方式による子供たちに向けたヴォルティス元気っずプログラムと、SIB方式による20歳以上の市民に向けたヴォルティスコンディショニングプログラムの2種類であり、今回の視察では、1つ目の元気っずプログラムの取組を行っているこども園を2カ所視察いたしました。
 手前みそになってしまうのですが、JSPOで開発・普及しているアクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)は、運動遊びを取り入れて、楽しく子供が身体を動かすというようなプログラムでございます。このACPを利用して、大塚製薬さん、徳島ヴォルティスさん、美馬市さんがタッグを組んで市内の認定こども園または幼稚園に通う5歳児を対象に年12回のプログラムを行うという内容です。
 Jリーグのチームが関わるプログラムですので、私はサッカーに特化したプログラムなのかなと思っていましたが、そうではなく、子供たちに大事な運動遊びを身につけさせることに主眼がおかれており、参加した子供たちは生き生きと動かれておりました。ただ、上手にサッカーボールに似せた柔らかいボールを使ってのサッカーの動きも取り入れる等、サッカー人口や、ファンを増やしていくための取組も少しだけかいま見られたので、上手にやっているなという印象でございました。
 簡単でございますが、以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 松永委員、お願いします。
【松永委員】  今、岩田委員からも御報告がありましたとおり、私も同日、視察をさせていただきました。まず、美馬市さんの前市長、現市長の強いリーダーシップというのは非常に大きいと感じました。
 といいますのも、先ほどお話があったJクラブの徳島ヴォルティスさんと大塚製薬さんが連携協定を結ばれているというところから始まるからです。そして、美馬市さんの現状や取り巻く課題を解決するためには、幼児期の子供たちをターゲットにするというところが非常に明確で、美馬市在住の全5歳児は全員がこのPFSのヴォルティス元気っずプログラムを受けることができるというところは非常に魅力的です。市として、全員を対象にすることはなかなか難しいため、他の市町村でもこの事例をぜひ参考にしていただきたいと思いました。
 また、エビデンスに基づいて、5~6歳児は運動神経だけではなく、様々な神経系の形成に大きく影響があるというところで5歳児をターゲットにされているという点など参考にすべき点が多々ありました。
 今後の課題としましては、継続性です。市内在住の全5歳児が、年12回のこのプログラムを受けられるというところについては非常に魅力的ではありますが、家に持ち帰ってその遊びや運動・スポーツ活動を自主的に実施するというところについては課題があります。例えば、JSPOさんも協力して作成・配布した冊子の活用法の充実や、保護者の方が一緒に活動できるプログラムを年数回でも開催するなどの継続性の仕掛けなどは重要であり、美馬市さんもその必要性は認識されていたので、今後の展開にも期待をしているところでございます。
さらに、このプログラムを体験した子供たちの行動変容を縦断的に確認していく仕組み作りも重要です。具体的には、小学生以降の運動・スポーツ実施率や体力及び体力テストの結果等がどう変化していくのかということを継続的に追跡され、さらにエビデンスを蓄積されていくことも非常に重要だと感じました。
 SIBのヴォルティスコンディショニングプログラムも、非常に有意義なプログラムではあったのですけれども、この5年で事業が一旦終了して、また新たな形でスタートするということでした。こちらのプログラムについても介護予防、あるいは医療費削減の観点から、実施の効果測定などを今後、実施されていくといいですねというお話をさせていただいたところであり、こちらも今後の展開に期待しております。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 最後になりますが、障害者スポーツ文化センター横浜ラポールを御推薦されました藤田委員、本日は欠席ということでございます。事務局より説明をお願いできますでしょうか。
【和田健康スポーツ課長】  事務局でございます。藤田委員からいただいた所見の概要について御報告させていただきます。
 障害者がスポーツを始めるには、情報提供、そしてスポーツへのファーストアクセスが何らかの形で行われることが挙げられる。その点、リハビリテーション関連組織や特別支援学校と連携できることは、障害者の生活におけるスポーツ導入という点において大きな利点であり、他地域においても参考になる事例である。
 スポーツを学んだ障害者が身近な地域で継続的なスポーツ実施ができる連携体制の構築が次の課題ではないだろうか。今後は、こうした施設や地域において障害者が継続的にスポーツに参加できるように、地域支援事業のノウハウの継承と蓄積が次の課題である。となっております。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 続いて、委員の皆様から感想を含めた御発言、御質問をいただきたいと思います。いつもどおりでありますが、画面上のリアクションボタンから手を挙げるボタンを押していただきますようにお願い申し上げます。また、発言が終わりましたら、同じくリアクションボタンから手を下ろすボタンを押していただきますようにお願いいたします。
 それでは、御意見のほういかがでしょうか。御質問も含めてということになります。
 津下委員、お願いします。
【津下委員】  ありがとうございます。今のそれぞれの取組、大変興味深く伺いました。美馬市のPFSとかSIBなんですけれども、自治体がこのように契約を結ぶときの成果指標をどう設定するのが妥当か、というのがかなり重要なポイントなのかなと思います。生活習慣病とかいろいろな分野でも実施されているんですけれども、例えば、今回、美馬市では運動遊びが好きでなかった園児のうち、改善した園児の割合を支払い基準として設定されたということなんですけど、その根拠とか妥当性、評価指標についてどのような議論がなされてこう決まったとか、が知りたいと思いました。今、松永委員から長期的な視点も必要じゃないかということはおっしゃったんですけど、それすごく重要だなと思いましたけれども、支払いということになると短期的に動く指標じゃないといけないというのもあって、こういうことを進めていく中で、指標の設定についてどのような議論があったかとか、もしお話があったら教えていただきたいなと思いました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。事務局もしくは御推薦、御視察された委員からお答えいただけますでしょうか。
 まずは課長、いかがでしょう。
【和田健康スポーツ課長】  特に今、御説明できるようなものは手元に持ち合わせてございません。
【渡邉部会長】  岩田委員、もし情報をお持ちでしたら、御提供いただけますでしょうか。
【岩田委員】  私でもいいのですが、松永委員のほうがお詳しいかと思いますので、松永委員から、現地で議論されました点に言及いただければと思います。
【松永委員】  ありがとうございます。大学の研究室および教員が調査のところは連携をしていただいているというところで、短期的な評価指標も設定されていました。今、津下委員から御指摘があったように調査はされているのですけれども、調査項目については、5歳児対象ということで難しい面もあるかと思いますが、もう少し踏み込んだ設問でもいいのかなという点と、私たちが共有された情報以外にもデータがあるようで、クロス集計などの分析を深めることも可能であるというような意見交換はさせていただきました。
その流れで、今回の契約では難しいのですが、長期的なところで言いますと、小学校5年生、中学校2年生のところで全国比較ができたりもしますし、徳島県下の同じような環境の他の地域との比較なども可能であるということをお伝えしました。市内では、このプログラムに参加していなかった年代の子供たちと、ここ数年にプログラムに参加した子供たちの比較などは、可能な範囲で検証していただきたいことなどもお話しております。
 短期的なところについては、難しい面もありますが、エビデンス自体はとても重要なので、評価指標を含め、今後、検討を重ねて深めていくというようなディスカッションを、短い時間でしたけれどもさせていただきました。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。津下委員、いかがでしょうか。
【津下委員】  ありがとうございます。第三者というか、大学、アカデミアが入ってきちんと評価の指標を組んでいるということは非常に重要ですし、それから美馬市の今回の取組だけではなく、標準化して安心して使える指標ができてくれば、横展開も可能になるかなということを期待して思いました。
 それから、この遊びがずっとうまくいくと、運動遊びが好きでなかった子供たちが減ってきたときに、この評価指標が使えなくなるんじゃないかなと思ったりしたので、よりこの事業をより正しく見ていけるような評価指標づくりというのも重要かなと思って伺いました。ありがとうございました。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、近藤委員、もし参加できるようでしたらお願いします。
【近藤委員】   私もPFSのところに関心がありまして、今、成果指標の話でしたが、成果報酬のほうをどうやって決められたんだろうかという御質問です。今までも似たような業務を委託していた、言うなら実績予算みたいなものが目安としてあって、それを参考に、より多くの人が好きになったら、より多くの額という形で決められたのか。もし今までそういう事業をやってなかったとされた場合、どうやって報酬額を論議されたのかなというのがもしお分かりでしたら教えていただきたいと思いました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 松永委員、承知しているところはございますでしょうか。
【松永委員】  すみません。PFSの評価指標および成果指標の件には触れさせていただきましたが、成果報酬のところまでは議論する時間はありませんでした。 質問からはずれますが、SIBのほうは、先ほど一旦ここで事業が終了するという発言をさせていただいたのは、予算の確保というところで、なかなか事業の維持をしていくのが大変だというような印象は受けました。
 PFSについて、岩田委員、いかがでしょうか。
【岩田委員】  そうですね。大塚製薬という徳島県随一の企業が参画している取組にはなりますが、PFSの成果報酬について事前にどのように決めているかについてもそこまで突っ込んで話はしなかったです。
【松永委員】  これもご質問からずれてしまいますが、活動中の水分補給として、大塚製薬さんのイオンウォーターを一人一本、子どもたちに提供していました。そのドリンクに関しては、大塚製薬さんからの無償提供なのかなと思ったら、無償提供ではなくて、安価に購入しているというようなこともお話しされていたので、お話に出た大塚製薬さんなどがどこまでバックアップされているのかというようなところも関心はあります。まずは成果報酬などの詳細については、事務局にて確認をして報告していただいたほうが正確かと思いますので、よろしくお願いします。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 事務局のほうで何か補足ございますでしょうか。特にありませんか。
【和田健康スポーツ課長】  はい。
【渡邉部会長】  大事な視点かなと思います。成果指標、評価指標のところと、今の成果報酬のところですね。もしこの後、再度細かなところのヒアリングができるようでしたら、事務局の皆さんにお願いできればと思います。よろしくお願いします。
 それでは、久野委員、お願いします。
【久野部会長代理】  すいません、今日そちらに行く予定が、雪で急遽ウェブ参加させていただきました。
 今の美馬の件も、当初立ち上がりもちょっとサポートしたことがあり、よく知っているのですが、その内容に関しては、今、委員の皆さんのコメントもありましたが、成果型支払いという部分に関して、このガイドラインを含め、どういう形でこの健康スポーツの関係で考えていくのか、位置づけていくのかというのは非常に大事な視点だなと思って議論を聞いていました。
 特に、私自身長年いろいろな自治体の健康事業をやっていますが、通常は契約し、役務が達成されると、自治体は民間事業者に全額払うのが今も主流の契約形態だと思うんです。
 このライフパフォーマンス、長官が進めようとしている目的を持った運動を進めていく中では、やればいいということではなくて、どう成果が出てくるかが非常に大事で、成果型支払いという考え方は、今後、自治体にどんどん広げていくべき方向性と思います。今回のガイドラインを含め、スポーツ庁としてどう打ち出していくのかは非常に大事と思いました。
 私自身、今10自治体ぐらいと、SIB、PFSをやっていて、我々が評価手法を出しているんですがどうしても関わる分、コストが増えるんですね。これを今後広げていくときに、こういうものを導入していただく自治体というのは、首長さんが非常に理解されて、そういうことをやろうという自治体に下手すると閉じちゃうリスクがあって、指標とか、やり方のガイドや基準にできるデータベースが出来ると、色々な自治体が、そういう方向性を今後検討していけると思います。一方、我々は今日、町長の宮脇委員も参加されていますが、湯梨浜町もPFSで、御一緒させていただいているんですけど、今、湯梨浜町でもやらせていただいている考え方は、従来のPFSとは少し違います。従来は必ず役務的に、必ずやる以上、民間に払う部分を例えば7割とか設定して、3割部分を成果連動にしています。
 結局100%、例えば1,000万円という事業で、残り300万円のところが成果連動になり、300万円を払うだけの基準なんですね。それに対して、湯梨浜町では、KPIに達成しないと、民間は減らされるだけじゃなくて、KPI以上に頑張ってやるということもあり得るので、逆に言うと、ボーナスも出るような設定をしていて、目標だけ達成すればいいんじゃなくて、より広げ、頑張れば、よりボーナスが出るやり方をしています。そういうのも一つの事例として今後この部会で検討していくことが大事と思っています。コメントというより今後の方向性ということで発言させていただきました。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 そうしましたら、小松原委員、お願いします。
【小松原委員】  ありがとうございます。我々もSIBや、PFSにはかなり興味があり、医療保険者も導入したいと思っています。その上で、予算総額をどう考えていくのか。要は成果がどんどん上がって、予算が底をついた場合にどうされるのかということですが、今、久野委員の御説明で理解ができました。ありがとうございました。
 それともう1点、成果が達成したか否かは、第三者評価機関が入って評価すると記憶しているのですが、この2つの事例の場合、どういう第三者評価機関が介入されたかをお聞きしたいと思いました。よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 委員の皆様、もしくは事務局の皆様、どうでしょう。
【岩田委員】  最終的に成果を達成したかどうかをどう評価するかについては、市議会が評価するのか、教育委員会が評価するのか、それこそ参画している大学が評価するのかというところまでは、踏み込んで聞いておりません。
 先ほど来から出ているご質問については、もう少しスポーツ庁から詳細を美馬市にご確認いただければと思います。
【松永委員】  そうですね。報告のところにも介入されている大学名は記載されているのですけれども、実施主体側のメンバーなのか、第三者側のメンバーなのかなどについては分からないので、その辺りも含めて、事務局から再度、確認をさせていただいたほうが良いと思いました。近藤委員、久野委員、小松原委員の御質問等にもあったように、重要なポイントになると思いますので、正確な情報のほうが良いと思います。ありがとうございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 小松原委員、今のお話でよろしいでしょうか。
【小松原委員】  はい。ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 もしないようでしたら、次に移りたいと思いますが、皆さん、よろしいでしょうか。
 続いて、ガイドブックについて、まずは事務局より御説明をいただきたいと思います。
【和田健康スポーツ課長】  ガイドブックについて御説明させていただきます。
 資料につきましては、同じ資料1の8ページ目から御覧ください。現場視察・ヒアリングの結果の御報告並びに貴重な御意見、ありがとうございました。
 視察につきましては、1年以上にわたり、委員の皆様の御協力をいただき進めてまいりましたが、別途、事務局より御案内済みの2件の視察・ヒアリングをもって終了となります。次回の部会では、ガイドブックのまとめの議論を予定しておりますので、本日御報告できなかった現場視察・ヒアリングにつきましては、メール・書面等にて委員の皆様への御報告・共有をさせていただきたいと存じます。
 それでは、ガイドブックについて御説明させていただきます。
 今、御覧になっている資料の9ページ目でございますけれども、これが本日御議論いただきたい事項になっております。前回は、主にガイドブックの名称や、骨子案、また具体的な目次案やフォーマット案を事務局よりお示しさせていただきまして、御意見をいただきました。
 本日は、委員からいただいた御意見を踏まえました、フォーマット修正案、骨子案、具体的なアクションガイドのコラム案を、事務局からお示しさせていただきますので、御意見いただければと思います。
 本日の部会後は、引き続き、次回部会に向けまして、具体的な執筆作業やブラッシュアップ、また、普及方法・広報ツールの検討等を進めてまいりたいと考えております。
 次のページでございますけれども、これが前回部会で委員の皆様からいただいた御意見を踏まえました変更点等をまとめたものになります。フォーマット、タイトル、目次、コラム、項目の追加、参考資料、それぞれ項目ごとにまとめたものです。具体的な変更点につきましては、これ以降、御説明させていただきたいと思います。
 次のページでございますけれども、これが参考として、委員の皆様からいただいた御意見と変更点の対応関係をお示ししたものでございます。黒丸が委員の皆様からいただいた御意見、矢印で赤字がそれに対する対応となっております。
 次のページも引き続き、御意見とそれに対する対応となっております。
 13ページ目でございますけれども、これが委員の皆様からいただいた御意見を踏まえまして修正したフォーマットになります。赤字と黄色のマーカーを付した部分が変更点になっております。目標及び課題は重複するため、各ターゲットの序文で記載し、フォーマットからは削除させていただいております。
 特に参照いただきたい対象を、2から3を目安に右上に記載していますが、目次の中でも、特に見ていただきたい活用主体が一目で分かるように工夫をさせていただいております。
 具体的な取組内容について、委員に御執筆をいただきますが、執筆要領の中で、エビデンスや見てほしい観点の明示などを留意点としてお示しすることを考えております。委員の御意見を踏まえまして、取組を開始・継続できたポイント欄を追加して、委員の皆様に御執筆をいただく予定になっております。
 次のページをお願いいたします。こちらが修正したフォーマットで記述した具体例になります。御意見をいただく際に、御参考にしていただければと存じます。
 次のページをお願いいたします。こちらが前回部会でお示しした修正前のフォーマット案になります。併せて御参照いただければと思います。
 次のページをお願いいたします。ここでは、取組概要につきまして、可能な範囲で事業の位置づけも記載ということを執筆要領に留意点として記載させていただきたいと考えています。
 また、追加をいたしました成果の要因・工夫のポイントでございますけれども、なるべく見てほしいポイントを記載ということを執筆要領の中に入れさせていただきたいと思います。
 次のページをお願いいたします。こちらはガイドブックの名称及び骨子案となっております。ガイドブックの名称につきましては、前回の部会で出た御意見を踏まえまして、「Sport in Lifeガイドブック」とさせていただければと考えております。サブタイトルにつきましては、委員の皆様の御意見を踏まえまして、追って検討させていただければと考えております。
 ガイドブック骨子の現時点版を下に示しております。赤字が委員の皆様の御意見を踏まえて追記等した部分になります。
 次のページをお願いいたします。こちらが導入パート案になります。ターゲット毎の導入パートについて、具体的に女性の部分を御執筆いただいたものでございます。
 次のページをお願いいたします。こちらが具体的なアクションガイドでのコラム(案)でございます。前回部会での委員の皆様からの御意見を踏まえまして、多様な主体のコラムに「パフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツ」について、を入れております。
 次のページをお願いいたします。こちらがアクションガイドの現時点での目次案でございます。
 次のページをお願いいたします。こちらがスケジュール予定になっております。1月中旬以降、順次に「具体的なアクションガイド」及び「取組事例」の執筆作業を開始しております。ターゲット別に順次、事務局から委員の皆様に執筆依頼をしており、ターゲットで女性につきましては依頼済みです。他のターゲットにつきましても、今後、依頼をさせていただく予定になっております。
 2月の中旬頃、残り2件の現場視察・ヒアリングを実施して、現場視察・ヒアリングを終了する予定になっております。3月の部会に向けまして、ここに記載の作業を今後行っていきたいと考えております。
 3月27日開催予定の第26回健康スポーツ部会でガイドブックの案について御議論いただき、3月中にガイドブックを公表することを目指しております。
 なお、そのほか机上資料といたしまして、これまでどおり健康スポーツ部会の視察先をまとめた資料、現時点での目次案を、また、執筆上の留意点等を記述した執筆要領をお配りしています。それに加え、女性をターゲットとした具体的なアクションガイドと取組事例について、事務局で執筆し、具体的な取組を開始・継続できたポイントについて委員に御執筆いただいたものを後ろにお付けしております。委員の皆様に御執筆いただいた部分については赤字になっております。これらにつきましても、御意見をいただく際に御参照していただければと思います。
 事務局からの説明は以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 今の話をまとめますと、名称については、「Sport in Lifeガイドブック」ということ。そして、その骨子としては、18ページにございますけれども、1番のはじめにから始まりまして、5番の参考資料までというところです。3番の具体的なアクションガイドについては、簡潔に分かりやすくここで示すんだけれども、前回の部会で各委員の皆様から御指摘のあったところにつきましては、4番の終わりに、あるいは5番の参考資料といったところで、できるだけ見る人のいろいろな参考になるようにということで、今、事務局のほうで工夫をしていただいておるところでございます。
 さて、そういったお話を受けまして、皆様のほうからの御意見、御質問を賜りたいと思います。どうぞ挙手の上、御発言のほどよろしくお願いします。
 委員の皆さん、いかがでしょうか。ちょっと手元でいろいろ勉強する時間も短かったかもしれませんけれども、そういったことも含めまして御質問等あれば、よろしくお願いします。
 津下委員、お願いします。
【津下委員】  口火を切らせていただきます。
 前回の意見を踏まえて、概要が分かるページと、より詳細な情報が分かるところがあって、そして事業を始めたポイント、継続ポイントとか、体制とか、できるだけ具体的に情報が得られるように工夫していただいたというのは、これから取り組もうとする自治体や関係者の参考になると思いまして、このように修正されることについては賛同したいと思っています。
 私の視察させていただいたところも含めて、やはり首長さんのイニシアチブとか、周りのバックアップが強いところは進んでいくんですけれども、あまり関心がない自治体の、そこの住民が置いてきぼりになっちゃうといけないなと思います。市長さんがリーダーシップを取っていただけるだけでなく、担当課だけでもこんなふうに工夫してできるんだという、どの自治体が見ても参考になる情報が載っているような見え方をするといいのかなと思いました。
 こういう体制じゃないとできないとか、うちの市長は関心がないから、これできないねということで終わらないような見え方も大切かとおもいます。前回マップという話もしたのですが、どこの自治体でもちょっと工夫すればできそうなものもあるんですというような、既存の事業の活用型というのも決して悪いことではないと私は思いますので、そういうところにも着目して、従前のところから課題を感じて工夫したというところも記載の中で取り上げていただければと思います。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 山口委員、お願いします。
【山口委員】  ありがとうございました。もしかしたら私が聞き逃したのかもしれないんですが、すごくいろいろな情報が入っていて、大変見た方には役に立つものになっていくのかなと思っているんですが、これを見た方が、もう少し話を聞きたいとか、もうちょっと情報が欲しいといったときのアクセス先とか、問合せ先を知りたいですというんですかね。自分で調べろと言えば、それはそうなるかなと思うんですが、何かその辺りは考えていらっしゃることがあるのでしょうか。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。お願いします。
【和田健康スポーツ課長】  事務局でございます。前回の部会でも山口委員と同様な意見をいただいておりまして、そういったことを踏まえまして、ガイドブックの参考資料のところで、参考となるページのQRコードやURLを掲載したり、キーワードや用語で検索できるように工夫したり、関心を持っていただくようにスポーツ関連のデータを掲載したりするなど、可能な範囲で、できる限り盛り込みたいと考えております。
【山口委員】  ありがとうございました。
【渡邉部会長】  そのほかいかがでしょうか。
 それでは、佐々木委員の代理の樋口さん、お願いします。
【佐々木委員代理(樋口)】  佐々木の代理で参加しております、スポ団連の樋口と申します。
 本当に総合的にすばらしい事例集が出来上がっているということで、今度、この事例集が出来上がったときの周知、公表の仕方の中では、総合的であるが、反面、見たいものと見たくないページというのは両方存在してくるのかなと思っております。15ページの記載の中で、右上のアイコンの中に「特に参照いただきたい対象を記載」というところで、誰にとってこのテーマが非常に望ましいのかということの整理ができていることもすばらしいなと思います。と同時に、これらの対象者に対してどう届けていくのか。ホームページ上の見立てだと、一律の一覧サイトになるよりは、もしかしたら対象者別に検索ができることだったり、私どもスポ団連としてはフィットネス産業とか、関わる業界に対しての周知は協力したいと思ったときに、見せ方をうまく工夫していきたいなと思っています。なので、ぜひ公表のタイミングの中では、それぞれの見ていただきたい団体に対して、どのような見せ方ができるのかということの整理も同時に必要なのかなと思いましたので、その点について、公表のタイミングのところでも見せ方について御検討いただければありがたいなと思いました。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。そのほかの皆様、いかがでしょう。
 宮脇委員、お願いします。
【宮脇委員】  久しぶりに参加させていただきまして、いろいろ聞かせていただいてありがたく思いました。地方自治体、基礎自治体の対応は隔たりがあるといいますか、場所によって多少異なっているということは、私どもも非常に感じております。このたびの具体的なアクションガイドができますと、年齢別などにきちんと体系化されて、自分がどこを見ればよいかが明確です。また派生して自分の取組に適したスポーツがあるかとか、そういうことが探索できるという意味でも非常に分かりやすいガイドブックになるんじゃないかなと思って拝見したところでございます。本当にありがとうございました。お礼だけですけれども、以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 皆さんから御意見をいただきましたけれども、こういった御意見を基に再度ガイドブックのまとめ方につきまして事務局にて御検討いただきたいと、そのように思っております。
 なお、ガイドブックにつきましては、一部のパートについて、1月から本格的な執筆段階に入っております。御執筆、御確認をいただいているところでございますけれども、引き続き御協力のほどよろしくお願いしたいと思います。
 時間の関係もございますので、次の議題に移りたいと思います。議題(2)ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進について、事務局より説明をお願いいたします。
【和田健康スポーツ課長】  事務局でございます。説明させていただきます。
 ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進の進捗状況について御報告いたします。前回は、参考資料1にあるライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進のための周知啓発について、案を用いて周知啓発を進めるに当たっての基本的な考え方や具体的な取組について、これまでのスポーツ庁における主な取組実績を含めまして事務局から御説明させていただき、委員の皆様より御意見をいただきました。ありがとうございました。
 今回は資料2を用いまして、昨年12月以降のスポーツ庁における周知啓発の主な取組実績や予定を中心に御報告させていただきます。
 資料2を御覧ください。先ず、関係学会の大会・学術集会での周知啓発では、最初の丸でございますけれども、本年1月6日の第10回日本スポーツ理学療法学会の学術大会で、室伏長官が「スポーツを通じたライフパフォーマンスの向上のための取組」という演題で特別講演を行いました。
 また、1月31日の名古屋大学予防早期医療創成センター第12回ワークショップでは、当課の職員が「スポーツ庁におけるスポーツを通じた健康増進の取組」という演題で講演をしておりますが、その中で、長官の身体診断「セルフチェック」など、ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進に係るスポーツ庁の取組についても説明をさせていただいております。
 次の関係団体・機関、関係省庁と連携した周知啓発とメディア・ホームページ等を活用した周知啓発につきましては、2ページ目以降の参考資料を用いて説明をさせていただければと思います。
 3ページ目でございますけれども、こちらが厚生労働省主催の令和5年度厚生労働関係部局長会議になります。この会議は、資料と事前に撮影した動画を厚労省のホームページに掲載し、都道府県の保健福祉部局、商工労働観光部局等の部長、主幹等が閲覧するという形式になっており、今回は厚労省においてスポーツ庁の説明時間も確保していただき、室伏長官から、スポーツ基本計画や、スポーツによる健康増進、障害者スポーツの振興、スポーツによるライフパフォーマンスの向上など、スポーツ庁の施策について御説明をしていただきました。また、厚労省や地方自治体等とのさらなる連携や、スポーツ庁の施策への理解と協力についても長官からお願いをさせていただいております。
 なお、この動画につきましては、厚労省ホームページで国民一般の方々も閲覧が可能であり、今日の午後1時から公開になっております。
 4ページ目を御覧ください。左側が、コンディショニングに関する研究の一つである運動器機能の低下に対する地域における効果的な運動療法の在り方に関する研究の成果報告会が2月16日に北海道東川町で開催される予定であり、そのリーフレットになっております。
 この成果報告会では、東川町での実証研究で得られた成果を踏まえた、国民のライフパフォーマンスの向上に向けたスポーツ庁の取組について、長官が御講演する予定になっております。また、この報告会の当日の様子は、東川町のYouTubeページでライブ配信する予定になっております。
 右側につきましては、東川町で実証研究を行う前の昨年4月に開催されましたキックオフミーティングの様子になります。
 5ページを御覧ください。メディア・ホームページを活用した周知啓発になります。左上になりますけれども、本年1月23日に岩手日報、茨城新聞、四国新聞に北海道東川町での実証研究の概要、本年度から開始しておりますライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進に係る調査研究についての記事が掲載されました。
 左下を御覧ください。今月24日のスポーツ庁長官による記者懇の様子でございます。長官から、令和4年度から実施しておりますコンディショニングに関する研究の概要と、研究成果を周知するために本年3月に記者に向けた報告会を予定していることを説明させていただいております。
 右側でございますけれども、2月1日に、スポーツ庁Web広報マガジンDEPORTAREに、ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進について、記事が掲載されました。
 6ページを御覧ください。令和4年度から、スランプの要因と解決策に関する調査研究、運動器機能低下に対する地域における効果的な運動療法のあり方に関する研究、スポーツの価値を高めるための運動・スポーツが身体に与える影響に関する新たな研究促進と医学的知見の集積に向けた研究、これら3テーマでコンディショニングに関する研究を実施しておりますけれども、成果が出つつありますので、それらを公表する場といたしまして、メディア向けの記者報告会を3月に開催する予定になっております。3月の上旬と下旬の2回を予定しており、報告者は室伏長官と研究を受託していただいております大学等の研究機関になります。
 説明は以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明に関しまして御意見等あれば、挙手の上、御発言いただきたいと思いますが、皆様いかがでしょうか。
 御意見、御質問の前に、それでは、長官が遅れてお入りになりましたので、長官のすばらしい活動が今報告されましたけれども、一言いただければと思います。
【室伏スポーツ庁長官】  遅れて入りました、スポーツ庁、室伏です。雪でお足元悪い中、御苦労様でございます。
 私もいろいろなプランがあって、委員の先生方から広報をどうするのか、どういうふうに周知していくのかということが課題だとご意見がありましたが、継続して学会発表や厚労省での発表等、様々な媒体を通して、しっかりと引き続き周知啓発に取り組んでまいりたいと思います。
 これまで記者懇談会は定期的にスポーツ庁長官がやることになっておりますけれども、それだけではなくて、今説明のあった研究の成果など前向きなものはどんどん発表していくことがいいんじゃないかということで、庁内でも相談させていただいて、新たな視点での研究成果がございますので、こちらに関してもしっかり広報していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 長官の発言も踏まえまして、皆さんのほうから、もし御質問なり、具体的な御提案なりございましたら、よろしくお願いします。いかがでしょうか。
 1つ2つ頂戴できればと思いますので、松永委員、もしコメントいただけるようでしたらお願いできますか。
【松永委員】  大変お忙しい中、精力的に全国各地で御講演いただきありがとうございます。室伏長官ばかりに頼っていてはいけない部分もあると思いつつ、室伏長官の発信力はかなりの影響力を及ぼすところでもあり、引き続き、御無理のない範囲内でお願いしたいところであります。
前回、少し頭出しをさせていただいた件になります。学習指導要領改訂のタイミングもあると思いますが、保健体育の教科書へのライフパフォーマンス関連の掲載について、もし何か進展があればお伺いしたいと思います。あと、厚生労働省などの関係省庁、スポーツ庁関係の関連団体および学術団体などでもライフパフォーマンスをキーワードやテーマにしていただく企画を増やしていくということも重要かと思います。各団体には担当の委員会等があると思いますので、そことうまく連携をして、今後、多く取り扱っていただくことで、長官のご負担軽減も含め新たな仕掛けなどを考えていくことができればと思いました。長官、本当にありがとうございます。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 課長、何か今の御発言に対する回答ありますか。
 では、長官、お願いします。
【室伏スポーツ庁長官】  ありがとうございます。これも公務ですので、しっかり取り組んでいきたいと思います。学校や保健体育、また山口委員には部活動のところで随分いろいろ御意見いただいているとは思いますけれども、生涯を通してスポーツに親しむという意味でも、この取組は大切かと思いますので、引き続き取り組んでいきたいと思います。
 先日、熊本でも授業をさせていただきましたが、実際に授業を展開して、事例をつくっていくことで、いきなり上からこういうのをやりなさいといっても、なかなか進むものではないかと思いますので、現場レベルで少しでもこういう授業の展開をしていくと、子供たちも生涯通して、ライフパフォーマンスの向上にも取り組むことが大事なんだなということで、これは教育長の方々、教育関係者とも引き続き取り組んでいきたいと思います。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 周知啓発という観点で言いますと、全国の都道府県、あるいは市区町村と大きなネットワークを持っておりますJSPOの岩田委員、周知啓発というところでJSPOとして協力できる部分であるとか、あるいはJSPOの立場から御提案いただけるような部分がありましたら、御発言をお願いできますでしょうか。
【岩田委員】  日本スポーツ協会は、47の都道府県体育・スポーツ協会と60数団体の中央競技団体、さらに関係機関・団体合わせて126の加盟団体に仲間となっていただいておりますので、委員長おっしゃったように、今後周知徹底していくうえで、我々がハブとなって頑張っていきたいと思っています。
 また、長官は、先ほど松永委員がおっしゃったように、公務がお忙しい中、PRを積極的にされております。私も昨年秋の鹿児島国体でご一緒させていただいた際に、知名度抜群の室伏長官の周りに人が集まっており、遠藤JSPO会長が「やっぱりすごい人気だな」と言われたのを聞いて、「金メダリストはすごいですね」という会話を行った覚えがあります。
 長官、お忙しいと思いますが、積極的な周知を今後もよろしくお願いします。もちろんJSPOも協力させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 久野委員、お願いします。
【久野部会長代理】  今年になってマスコミから取材を受けたものが、複数あるんですけど、その中でライフパフォーマンスという考え方、これスポーツ庁が進めているんですよという話をすると、どの社もすごく興味を持って、幾つか原稿の段階で取り上げてくれているのを見ています。新しい取組なので、いろいろ説明するんですが、A4、1枚でマスコミにぱっとそれを渡して、こういうことなんだと言えるようなのがあると、すごく啓蒙に役立つかなと感じたので検討いただけるといいんじゃないかと思います。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。建設的な御意見だと思います。
 北出委員、お願いします。
【北出委員】  ありがとうございます。長官にはお忙しい中、様々な御活動をいただきまして、ありがとうございます。
 私がお聞きしたいのは、スポーツ理学療法学会ですとか早期医療創成センターという、医療系とかスポーツ系の学会が多いかと思うんですけれども、あまりスポーツに関心ないような学会とかでの御登壇は御検討なのかということと、こういうのというのは、多分、学会からのオファーがあるかと思うんですけれども、それはホームページ等で募集されているのでしょうか、教えていただければと思います。
【和田健康スポーツ課長】  基本的には学会からオファーがあったものについて対応をさせていただいております。また、今後の予定といたしまして、長官が日本産科婦人科学会でも、ライフパフォーマンスの向上に向けた取組について御講演される予定になっております。
 以上でございます。
【北出委員】  ありがとうございました。本当に様々なところ、かなり興味あるところだと思いますので、私のほうでもいろいろ宣伝していきたいと思います。ありがとうございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 津下委員、お願いします。
【津下委員】  2点ありまして、1つは学会関係で、日本臨床スポーツ医学会で継続的に長官には御講演いただきまして、会員の関心は高まってきているということで、2025年の大会を私担当させていただくんですけれど、ライフパフォーマンスという言葉を前面に出した形を提案できないかなというようなことを考えています。この数年間でライフパフォーマンスの理解が進んできたり、いろいろな方々と話す機会が増えてきましたので、このライフパフォーマンスということが進捗する成長段階というのが見えてくるのではないかなと期待しているところでございます。
 もう1点は、今、産業看護職というか、保健師さんたちと健診とか職場の健康づくりでライフパフォーマンスをどう使っていくかというような検討をさせていただいているんですけれども、病気にならないだけじゃなくて、もっとパフォーマンスを上げるというポジティブな印象があると、産業看護職の皆様にもポジティブに受け止められていて、それから企業の方々も期待されている様子が分かります。
 一方では、1つだけ注文なのですが、セルフチェックをやってみて、保健師さんたち、ちょっと自分たちではまだ難しいという声も出ています。もう少し低体力者の方も始められるような、段階を踏んだ形、次第にパフォーマンスが上がることを実感できるような形で、進めていけるとよいのかなと思います。今まであまり運動に関心がなかった人もやってみたらよかったというような形にして広げていくといいのかなということを感じていますので、また引き続きどうぞ御指導よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 樋口さん、お願いします。
【佐々木委員代理(樋口)】  非常に啓発が大事だと思う反面、室伏長官が全ての場所に出ていくのも難しいだろうなと思う部分があって、私たちはフィットネス産業という会の中では93社ぐらいの会社が入っていて、そこでこの考え方を周知したいなと思う反面、その場に全て来ていただいたら、やっぱり難しいなというところで、先ほど久野委員の発言にもあったように、分身ではないですけど、オンデマンド配信で二次をいただけるようなコンテンツがあれば、このライフパフォーマンスの考え方を各いろいろな皆様に届けるようなツールもできてもいいのではないか。それが例えば、「Sport in Life」に加盟している団体であれば使える、だったり、ある目的を持ったテーマであれば使えるというような許諾をいただければ、私たち積極的にこの考え方を普及するツールとして使いたい。多分、私たちが説明するよりも長官の声で御説明いただいている内容のほうが多くの方に届くのではないかと思うと、長官をコンテンツ化させていただいて、私たちに啓発をお手伝いさせていただけるような仕組みができれば、大変ありがたいなと思った次第でございます。
【渡邉部会長】  長官、何かありますか、今のお話に対して。
【室伏スポーツ庁長官】  ありがとうございます。その前に、津下委員の低体力者のところということで、この辺りも多くの方に御理解いただけるように内容をかみ砕いて説明するなど、やり方はあるかと思います。さらに、今度公表を予定している記者報告会では、内臓の動きと運動器の関係がどうなっているのかという研究の成果を発表をさせていただくことになっております。この研究において、運動器の機能は内臓の動きと非常に関係があることが分かりましたので、体の外ばっかり動かせば健康になるというだけではないといった新たな知見も交ぜながら丁寧に周知を進めていきたいと思います。ありがとうございます。
 今いただきましたけれども、できる限り広報はやっていきたいと思いますけど、おっしゃるとおり、そういった御要望についてスポーツ庁内で健康スポーツ課も含めて検討させていただいて進められればと思います。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。もう1点ですか。どうぞ。
【和田健康スポーツ課長】  樋口様から、只今、オンデマンド配信という話がありましたけれども、スポーツ庁では、昨年6月に長官による「3か月チャレンジ身体向上プログラム」を開催させていただきました。これは長官による実技と、講義もあり、御覧になっていただきますと、目的を持った運動・スポーツや、長官が推奨しておりますセルフチェックがどういったものかが、大まかに分かるような内容になっております。アーカイブ動画もありますので、こういったものももう少し分かりやすく周知を目立つようにさせていただければと思います。
 今からZoomのチャット機能でその動画のURLをお送りさせていただきますので、後で御参照いただければと思います。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。その辺の情報も多くの方にリーチできるようなことも考える必要があろうかと思いますが、既にいろいろな展開をされているというのは、従来以上にスポーツ庁は本気になったということで評価できるところだろうと私自身も思っております。ありがとうございます。
 次の議題に移らせていただきたいと思います。議題(3)令和6年能登半島地震の被災者の健康保持に係る運動・スポーツの観点からの支援につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【和田健康スポーツ課長】  事務局でございます。スポーツ庁では、令和6年能登半島地震で被災された方における健康保持に係る運動・スポーツの観点からの支援を検討しており、御意見をいただきたく、検討状況について、資料3を用いて御説明させていただきます。
 資料3でございますけれども、1ポツの趣旨といたしましては、避難生活に伴い、運動不足等による被災者の健康被害や、ストレス増加等による被災者の精神面への影響等が懸念される。厚労省等の関係省庁や関係機関とも連携の上、被災者の心身の健康保持に運動・スポーツの観点からどのような支援を行うことができるか、検討させていただくというものでございます。
 2ポツでございますけれども、支援策としては、被災者や、その支援を行う地方公共団体、スポーツ関係団体、民間企業等が活用できるよう、子供向けの運動遊びや、運動不足解消・健康被害予防等のための情報を、スポーツ庁ホームページを用いて周知し、SNSでも発信する、そういったことが考えられると思います。
 3ポツでございますけれども、具体的なホームページやSNSで掲載、発信する内容といたしましては、スポーツ庁のホームページで新型コロナウイルス感染対策として以前に掲載した「スポーツ・運動の留意点と、運動事例について」も参考になるのではないかと考えていますので、掲載内容を検討する際に参考としていきたいと考えております。
 参考として、その下に当時掲載したコンテンツの例を挙げておりますが、具体的には、ターゲット別運動・スポーツの実施啓発リーフレット、スポーツを通じた高齢者向け健康二次被害予防ガイドライン、長官が考案・実演する身体診断「セルフチェック」動画、長官の動画「簡単エクササイズのすゝめ」、おうちの中で、手軽にできる!ながらでできる!?スポーツメニュー、楽しく体を動かそう!スポーツ庁オリジナルダンス Like a Paradeです。なお、このLike a Paradeは女性スポーツ促進のコンテンツとして載せているものでございます。あとは、関係省庁や関係機関で掲載している動画・リーフレットを当時、掲載したり、リンクを張ったりしておりました。
 ※印のところでは、今回の検討に当たりまして、留意が必要になる点を記載させていただいております。1つ目は、コロナ禍の対応について御説明しましたが、震災とコロナ禍では、状況が異なるということ、そういったことを留意する必要があるのではないかと。
 2点目といたしまして、被災地の状況が日々変化する中、被災地に寄り添った支援ができるよう、段階・状況を踏まえた対応になっているかどうかについても十分留意していく必要があるのではないかということで、留意事項として挙げさせていただいております。
 説明は以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 すごく大事なテーマということになります。いろいろコロナ禍の中でも対応策を打ち出された久野委員、あるいは近藤委員もいらっしゃいますし、ドクターという立場で、お医者さんの立場からいろいろなことを常日頃考えて対応されております津下委員、あるいは北出委員もいらっしゃると思います。この件に関しまして、それぞれの知見からアイデアでも構いませんし、御提案をいただければと思います。どなたからでも構いません。よろしくお願いします。
 それでは、久野委員のほうから、まず、口火を切っていただけますでしょうか。
【久野部会長代理】  渡邉部会長、ありがとうございます。
 少し前になりますが、東日本大震災のときから我々健康二次被害という観点、特にコロナ禍も運動活動による弊害をどのようにうまくお伝えして、その環境をつくるかという視点がすごく大事と思っています。
 それから、今回、コロナ禍で我々が得たデータの中で、身体活動ももちろん大事なんですが、やっぱり人と人の交流、会話が減ると、特に高齢者は認知機能の低下につながるという結果になっています。コミュニティー単位で仮設住宅に入るといったことはされるんですが、人と人の関係を壊してはいけない、コミュニティーを支えるという点が改めて大事だと思っています。
 災害直後は医療、医師や保健師さんたちのケアが大事ですが、長期化していくとスポーツの力が貢献していくと思います。その中で、能登半島に入っていくのもいまだ大変だという地域と、それから結構移住されて、石川県内でも比較的被害が少ない地域に移住されている子供から高齢者まで含め、少しその辺りを、きめ細かく状況を押さえた上でのサポートが、多分、求められるんだろうなと。
 特に、今までの経験で高齢者ほど、そこのサポートが遅くなると、健康二次被害、時には災害死という形にもつながる例があるので、そこへなるだけ早くサポートできるといいなと。例えば今回の視察先にもなっていた白山市に結構移住されているということで、白山市が認知症予防の取組をされていますので、そこにうまく取り組んでいくとか、やれることがいろいろあると思っています。あるいはこういうコミュニティーができたところ、ウェブでいろいろなスポーツクラブとか、コロナ禍にサポートしていただいたことを、ボランティアで提供いただくとか、なかなか政府のほうでこうやってくださいというふうには言いづらいところが多々あると思うので、少しそういうムーブメントを我々委員が、ある面、個人の立場で動いて、とにかく早く何らか具体化していくことをやっていけるといいのかなと思いました。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 津下委員、いかがでしょうか。
【津下委員】  ありがとうございます。私も久野委員、またスポーツ庁の情報提供、非常に重要と思っています。支援物資とか様々なものがフェーズによって変わってきますが、必要なものは届くようになってきている現在、教育とか健康とか、また趣味とか、様々違うものも必要になってきている。そういうような情報の提供も大事ですけれど、具体的に一緒に取り組めるような道具とかも必要になってきているかもしれないと思います。もしなくなってしまってできないようなことがあったら、地域コミュニティーでそれこそ簡単にできるような、高齢者向けとか、子供向けとか、何か道具とか、紙媒体とか、そういうものも提供していくといい時期なのかなと思います。また、コロナ禍でスポーツができなかったことにより、本当に体力は落ちるし、肥満は増えるし、それから高齢者はフレイル進行という、いろいろな健康被害が出てきたということがデータでもどんどん分かってきている以上、そして子供にとっては、本当に成長の非常に重要な時期に十分な運動の刺激が得られないという、そういう事態については丁寧な対応が必要なのかなと思います。現地の学校とか保育園とか地域コミュニティー、そういうところと連携して、どうしても生活と比べると後回しになってしまいがちかもしれませんけど、実は長い目で見たら、重要な時期を逃してしまうことのないように対応していただくのがいいのかなと思っています。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 そのほかの委員の皆様、いかがでしょうか。
【津下委員】  あと健診とか健康相談というのをやっていると思うんですけど、そのときに即座に渡せるような紙媒体そして毎日、日にちで紙に書いて、やったとか、そういうことが確認できるような、簡単なものでも手元に残るものがあったらいいのかなというような気もしておりますので、御検討いただければと思います。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 北出委員、お願いします。
【北出委員】  ありがとうございます。スポーツ庁がこれに取り組まれるのは、本当にすばらしいと思いますし、こここそというところだと思うんですけれども、私たちも被災地で何が問題かって考えてみますと、高齢者とか、子供の成長もさっきおっしゃいましたけど、運動器が萎縮してしまわないような、そういう意味での、激しくなくても体を動かすということや、血栓のリスク等もあると思うので、高齢者にはそういう配慮も必要だと思うんですが、私が最も気になるのは、さっきの久野委員のおっしゃった認知症と、あとはメンタルの問題が結構気になっております。
 ここにも心身の健康保持と書かれていますけれども、コロナ禍で特に女性で自殺者が増えたということもありまして、高齢者もそうですけれども、できるだけ心身のストレスを和らげるような、それがもしかすると体を動かすということもあるのかもしれないんですけど、考えたり楽しんだり、ちょっとしたコミュニケーションが取れたりとか、そういうツールも含めてお考えいただけると非常にありがたいかと思いました。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 小松原委員、健康保険組合といった立場で、何かコメントございますでしょうか。
【小松原委員】  ありがとうございます。まだ我々も現地の実態をちゃんと把握できていないというところが正直ございまして、医療保険者としてどこまで支援できるかを議論しているところです。
 北出委員もおっしゃったように、コロナ禍における女性の自殺率が非常に高かったことは、我々もデータとして把握をしており、メンタル対策を、保険者として一丁目一番地で支援をしていかなければいけないと思っています。メンタルヘルス対策については、医療保険者のみならず、関係機関と手を結んで実施をしていかなければならず、ぜひいろいろな御意見をいただき、連携していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 樋口さん、お願いします。
【佐々木委員代理(樋口)】  ありがとうございます。本当にすばらしい取組だと思いますし、同時に、ぜひ多くの民間も巻き込んでいただければありがたいなと思い発言します。
 コロナ禍でフィットネス産業は緊急事態宣言の発令の場所になったので、多くのフィットネス産業はオンラインで様々な情報提供を始めるようになりました。特にコロナ禍においては、緊急事態宣言が発令されて自粛期間中、無償で運動の動画を配信することだったりとか、あとホテル療養期間中のところでは、ホテルの中で運動ができるように無料で情報提供させていただくような機会も設けておりました。
 被災地に情報を届けようと思ったときにも、一民間企業はどこに届ければいいのかというのはなかなか難しい点があって、今回のような被災されている皆様にコンテンツを届ける際のコンテンツのプロバイダーのそれぞれ一社として、無償提供であったり、情報提供できるような企業があれば、こういった活動については支援をしたいと多分思っているのではないかなと思います。その場として、ぜひスポーツ庁がこういったコンテンツを束ねていただくことだったり、配信を支援する団体等についてもお声がけをいただければ、大変ありがたいなと思っております。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。
 ちょっと私のほうから1点、私は日本財団のグループの一員でありまして、今現在、笹川スポーツ財団の職員も2人、珠洲市のほうに行ってボランティア支援活動を行っております。日本財団の担当部署、それから日本財団ボランティアセンターという組織もありますけれども、1月3日あるいは4日の日から現地に入りまして、いろいろな活動を行っております。
 当然日本財団そのものは小さな組織が、実は阪神・淡路大震災の頃から災害支援活動をずっと展開しておりまして、その災害支援を行うNPOさん、いろいろな団体があります。そういったところに事前に助成金をお渡しさせていただいて、有事のときに対応できるように体制を整えておりました。今、全国のそういった災害支援のNPOさんが、10を超えるところが能登半島全域に入り込んでいます。
 日本財団そのものは珠洲市、半島の一番突端にあります。被災の状況が激しいというか、厳しいところでありました。当然ライフラインとかインフラとか、そこら辺も止まっておりましたし、道路そのものに緊急用の車両が入れないような状況でもありましたので、重機を使って道路の啓開をやったり、あるいは倒壊家屋から貴重品を捜索して被災者の下に届けたり、先ほど久野委員のほうから人との交流、コミュニケーションというお話がありましたけれども、実は大学生を既に、今、第二陣を派遣しているんですけれども、珠洲市の避難場所に高齢者の人が圧倒的に多いんです、高齢化率が高いから。そこで炊き出しをやったり、足湯を提供したり、足湯を提供しながら手足のマッサージもやっているんですけれども、そこでの会話が非常に高齢者の方にとってはうれしいというか、メンタルの部分でプラスになっているというような報告を受けています。
 そして、大学生が炊き出しを行うんですが、食材を切るところから始まって、あまり慣れていないので不格好なんですね。そうすると、被災されているおばあちゃんたちが主体的にひょこひょこそこへ来て、「あんた、こうやって切ったらいいんだよ」と。それから、大鍋でいろいろなものを作るんですけれども、「味つけはこうしたらいいよ」と。そこで恐らく被災している人の心の解放がちょっとだけあって、主体的に動くというところにつながってきている。これは久野委員がおっしゃったような認知症予防というところにも多少つながるのではないかなと、そんなふうに思っています。
 それから、フェーズが変わるに従って、スポーツの持つ力の提供というのもいろいろ変わってくると思うんですが、今はまだ第1フェーズからそんなに大きく進展しているわけではありません。さっき言ったように、当初は物資を運ぶこともできなかったと。日本財団が何をやったかというと、RORO船という船があるんです。いわゆるトラックをそのまま船に乗り込ませて、そのまま能登半島に着岸して、トラックがいろいろな支援物資を積んでいますから、被災場所に発電機だとか、燃料とか、支援物資とか、あとは感染症の問題がありますので、某メーカーさんと組んで水が循環して浄化されるシャワー、それから手洗器、これは感染症予防に繋がります。そういったものも既に何か所かでやっているんですけど、恐らくこれからフェーズが変わってくると、スポーツの持つ力というのが大きな意味合いを持ってくると思います。
 室伏長官ももしかして行かれたかもしれませんが、2011年の3.11のときは、JOCさんは日本財団と組んでオリンピックデー・フェスタというのを被災地各地でやりました。ある程度生活が落ち着いてきたところで、子供が中心だったんですけれども、被災者の方の体と心を解放するといったようなことでアスリートの方もたくさん行かれています。JリーグとかBリーグとか、プロリーグもありますし、地元のいろいろなスポーツチームもありますから、そういったところを束ねるようなハブ機能を恐らくスポーツ庁としては発揮できるのではないかなと思います。
 それと、樋口さんが民間と協力してという話がありましたけど、私はたまたま日本財団なんですけれども、それ以外にも支援活動を行っている民間団体はたくさんありますから、そういった情報も集約して、スポーツ庁でどう連携協力体制が取れるか、そういったことも考えて行動に移されたらいいのではないかなと聞いておりました。すみません、話が長くなりました。
 宮脇町長、首長という立場で何かコメントございますでしょうか。
【宮脇委員】  各自治体がいろいろな形で職員を派遣したりとか、支援活動をやっております。うちからも既に3人の人間が1週間単位ですけれども、訪れて罹災証明書の発行事務ですとか、そういったものも手伝ったりしております。
私の町はグラウンド・ゴルフの発祥地なものですから、グラウンド・ゴルフの国際化ということに力を入れております。このスポーツはルールが簡単で誰でも楽しめるというのが特徴で、仲間づくりにいいということがありますし、医学的にも股関節が強化されて転びにくくなるとか、そういったメリットもあるスポーツです。
 それで、そのスポーツを世界へ広めようかというようなちょっと大きな取組をやっておりまして、地方創生のお金を使って実施しております。コロナ前は、私の町で開催した国際大会には13の国から148人、日本におられる外国人の方と、日本人の方若干名で380名程度の小さな大会だったんですが、そこまでできるようになりました。その大会の参加国であるポーランドもグラウンド・ゴルフに取り組んできた国の一つなんですけれども、ちょうどウクライナ戦争が始まってしばらくたった頃に、避難してこられている方たちをグラウンド・ゴルフで慰めたいといいますか、そういう気持ちを持っているので、用具を送ってくれないかということがございました。
 向こうはルールブックとか、そういうものはインターネットで幾らでも見ていただけますけれども、用具がないということが非常に難しく、お店もないということで、グラウンド・ゴルフの全国の愛好者が持っておられる用具を寄附していただくという取組を2年間にわたってやりまして、3,000本以上のクラブやボールを集めて送ったこともあります。また、私の町は農産物の二十世紀梨の日本一の産地ですから、東日本大震災のときには二十世紀梨を、被災地の市役所にお届けしました。元気出してとか、ちゃんと皮にその文字が読めるように生産農家の方がしておられて、とても喜んでいただいたこともありました。
 そのようなことから、先ほど委員の方からの意見にもございましたけれども、我々自治体としての支援方法も段階ごとに応じて、例えば、私の町はシジミの特産地でもありますし、シジミ汁の炊き出しをするとか、あるいは足湯を7つつくっていますので、足湯で何らかの支援をするなどもできないかと思って、先ほどお話を聞かせていただいたところでございます。
 大した話でありませんで、すいませんが、以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。もしないようでしたら締めたいと思いますが、最後、アカデミアの立場ということで松永委員と山口委員のほうから一言ずつ、何か対応できることの御提案があれば、お願いできればと思います。
 松永委員からお願いします。
【松永委員】  ありがとうございました。皆さん、おっしゃったとおり、状況が刻々と変わっていますので、その状況に応じて配慮をしつつ迅速に対応をさせて頂くということが大前提かと思います。また、先ほどお話がありましたが、まずは被災地はもちろんですが、周辺の市町村、あるいは各都道府県に一時的に避難をされている方々へのケアというところも踏まえると、対応させて頂く内容も異なってくると思います。その辺りも含めて進めていただければと思っております。よろしくお願いします。
【渡邉部会長】  山口委員、お願いします。
【山口委員】  ありがとうございました。今回は今までの災害とはまた違う側面があるようにも見聞きしておりますので、なかなか支援も一筋縄ではいかないなという印象を受けておりますが、皆様の御意見等を伺っていて、もっともなところも多々あります。
 私が思うには、日本は地震、そして豪雨、災害が大変多い国だと思うんですね。そういった状況の中で、部会長がおっしゃったように、刻々と変化していく中でスポーツができるフェーズというんですかね、何が必要なのかというのは多分変わっていくと思うんですけれども、スポーツ庁に私はお願いしたいなと思うんですが、スポーツ庁、そしてJSPO、JOC、あるいはJCなどでしょうか。ここがいかにグリッピングをして持っている、そういったところを束ねてどういうふうに動かしていくかといったことが必要になってくるかなと思います。
 今回、ボランティアで行きたいという方、これはスポーツじゃないですけれども、たくさんおられるけれども、まずは来ないでくれと、来ないでくれというか、たくさん来られても難しいということが伝わってきております。恐らくスポーツも同じで、各競技団体、あるいは関係者も何かお手伝いしたい。そういった準備はあるんだけれども、誰に、どういうふうに、こういったことが起きたときに動けばいいのかといったところがなかなかシステムがきちんとしていないような気がするんです。ですから、そういったことをスポーツ庁がリーダーシップを取って少しおまとめいただいておくと、持っている資源が非常に有効に今後は活用していけると思っていますので、その辺りのところもぜひお願いしたいなという希望がございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 そうしましたら一旦、ここで締めたいと思いますけれども、被災地へのスポーツの観点からの支援ということになれば、スポーツ庁のハブとしてのこれから機能が問われてくるのはもちろんのことなんですけれども、その機能をやっぱり機能的に果たす意味でも、先ほど来出ておりましたが、関係団体や民間企業、こういったところとの連携協力は不可欠だと思います。
 健康スポーツ部会の委員の皆様は、スポーツ団体、あるいは産業界、医療・保険関係の団体など幅広いネットワークをお持ちでございます。ぜひそれぞれのネットワークを活用しながら協力を呼びかけていただいて、スポーツ庁と協力できそうなことがあれば、事務局のほうにまず声をかけていただいて一緒に行動していただければと思います。
 今、いろいろな形で義援金の募集であるとか、日本財団は支援金と言いまして、あまねく平等に後々配るのではなくて、必要なときに、必要なタイミングで必要なものを届けると、これはサービスも含めて、そんなことをやらせていただいております。2月1日現在、ちょっと宣伝っぽくなりますが、12万件以上の寄附を頂いておりまして、額的にも7億円弱といったようなお金が集まって、一切それは間接経費を使うことなく現地に届くように今活動しておりますが、同様のことが日本赤十字さんをはじめ行われております。ぜひそういった活動、寄附というのも一つの貢献、支援ということでございますので、そういった寄附も含めて、いろいろなこれからの行動を皆さん一緒に考えていただいて、事務局のほうにアイデアをお寄せいただければと思います。
 ちょっと説明が長くなりましたが、本日予定していた議題は、以上で終了いたします。
 最後に、室伏長官から一言いただければと思います。
【室伏スポーツ庁長官】  ありがとうございます。本日は運動・スポーツを通じて、被災地の皆様の心身の健康保持増進につながるような支援策について、委員の皆様から貴重な御意見をいただきました。スポーツ庁としましても引き続き検討してまいりたいと思います。
 山口委員が先ほどおっしゃいましたように、各スポーツ団体を含めて取り組んでいくということで、2011年のケースが全部当てはまるわけではないかもしれませんが、日本は地震も含めて、いろいろな災害がありますので、こういうときにどうするかというところで貢献できることもあるかと思います。私の経験上で恐縮ですけど、2011年のときは、地元の石巻の体協の会長がすごく熱心で、それまでも十分リレーションをつくっていたこともあり、先方から、ぜひこういう形で来てほしいという要望があって実現したこともあります。今、受入れは少しずつ復帰しているところもあるかと思いますし、地元から離れて体育館や、そういったところで避難生活をしているケースがありますけど、いずれにせよ地元と連携を取りながら、地元のニーズを聞きながら進めていくことも大切かなと思いました。
 また、ガイドブックの策定に向けて、多大なる御協力をいただきました。本当にありがとうございます。視察・ヒアリングは間もなく終了をするとともに、ガイドブックの執筆作業に本格的に着手しているところです。今年度中の策定に向けて、引き続き御協力願えればと思います。
 ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進について、引き続き周知啓発、進捗状況を中心に御報告させていただきました。ニーズに合わせてという点や、周知の仕方など、引き続き、いただいた御意見を踏まえて情報発信を進めてまいりたいと思います。
 スポーツを通じた被災地への支援、そして国民の健康増進やライフパフォーマンスの向上を目指し、今後とも委員の皆様に貴重な御意見を賜れればと思っております。本日はありがとうございました。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 最後に、事務局より補足があればお願いします。
【和田健康スポーツ課長】  事務局でございます。
 本日は委員の皆様におかれましては、貴重な御意見をありがとうございました。追加の御意見、御質問等がございましたら、事務局までメールにてお寄せいただければと存じます。また、部会長からもお伝えいただきましたとおり、能登半島地震の被災地への支援について、御知見や御協力をいたいただけることがありましたら、いつでも事務局まで御連絡をいただけますと幸甚に存じます。
 次回の部会につきましては、3月27日を予定しております。詳細につきましては、事務局より改めて御連絡をさせていただきます。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、本日の部会を終了させていただきます。御出席いただきました委員の皆様、ありがとうございました。

―― 了 ――

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