資料1 健康スポーツ部会(第1回)での主な御意見


【スポーツの概念について】


○スポーツ実施率調査において、何がスポーツなのかということも、これを機会に考えていく必要がある。


○「運動遊び」をどのように捉えるかを考える必要がある。回答する側のイメージが膨らむ工夫が必要である。


【指導者について】


○障害者は、それぞれ身体の状況が異なるので、一人一人に対しての教え方が異なり、指導方法をいろいろと考える。このような指導者の育成の考え方は、障害者のみならず、高齢者や子供など、他の属性に対しても意味がある。


【スポーツを実施する場所等について】


○現在、廃校が6,800か所、余裕教室が7万教室くらいあるといわれており、こういった場所の活用も考えられる。


○中学校の空き教室にエアロバイクを置いてあげたところ、それまでほとんど運動をしなかった子ども達がエアロバイクをこぎだして、汗をかく楽しさを知って運動する楽しさを実感したという報告もある。


○学校開放など施設面の課題として、多人数でないと許可されないというところを変えていく必要がある。少人数の場合に許可されなければ学校の場も活用できない。運動嫌いは○○クラブには入らないため、自由に来てねという形づくりが大事。


○地方都市では、スポーツをする環境をどのようにサポートしていくのかという問題がある。


○自治体の地形を活用してスポーツの実施を促進している。例えば、蔵王では、1,730メートルの標高差を活用して、蔵王エコーラインという山岳道路があるが、そこを利用しながら、雪の回廊を駆けめぐるヒルクライムレース大会を実施している。


【ビジネスパーソンについて】


○経営者を巻き込みながら考えていく必要がある。例えば、SEを多く抱えている業界などは、SEの方達がほとんど体を動かしていないということもあり、生産性が下がってしまっているという影響も出てきている。


○スポーツを実施する場の工夫、スポーツ用品の工夫が必要である。例えば、ゴルフやサッカーは、バーチャルリアリティで楽しんでいる人も多い。


○健康経営がうまくいっているのは、企業の経営者にとって、社員の健康に要する費用がコストから投資という意識に変わったからである。スポーツを行うことも健康に対する投資だと考えられるかが鍵である。


○会社へのアプローチとしては経営者のみならず、現場に対しても説得する必要がある。


【女性について】


○女性の問題については、10代以前の女子・女児から考えないといけない状況である。幼児の頃から、女子のスポーツ活動をサポートしていかなければならない。


【子供について】


○まず、スポーツ嫌いを作らないように、幼児期からしっかりとスポーツの楽しさを教えていくため、子供が遊びながらスポーツを楽しめるような仕組みが必要。


○子供の習い事としてスポーツを選択するか否かといったこともあり、保護者へのアプローチも必要。


○父親のメタボの解消は子供のメタボの解消にもつながる。父親が運動し始めて、奥さんも食事を変えていくと、子供も一緒に体重管理ができてくる。


【高齢者について】


○高齢者について、健康保険を利用しなかった者に対して、何らかのベネフィットを与えることなども考えられるのではないか。


【障害者について】


○ソチオリンピック・パラリンピックが終わって障害者に対する意識の調査をした。リオデジャネイロではテレビ放映がかなりあったので、障害者に対する意識が大分変わっただろうと思って期待して調査をしたら、何も変わっておらず、時間が必要であると思っている。


【運動嫌い・無関心層について】


○スポーツを行うのは、あまり得意でないという人たちへのアプローチとして、スポーツボランティアが、スポーツと接点を持つきっかけにもなる。しかし、スポーツボランティアの認知度が低いことが問題。


○国民の7割が健康無関心層であると言われている。この7割の方々にどうアプローチしていくかが大事である。

○「無関心のままでもスポーツをしてもらえばいいのではないか」という考え方もできる。私達は「スポーツは素晴らしい」という信念があるが、その再設定も考えられるのではないか。


○運動嫌いの人へのアプローチとして、運動不足が自分に影響を及ぼすことを認識することが必要。もともと運動習慣のない方々でも、健診・保健指導での機会での働きかけにより自分事化することで、25%は新たに運動を始めている。


○無関心層をどこまで引き込んでスポーツをさせるかという点においては、例えば、女性にとっては、朝、お化粧をしてきたのに、走ったら、汗流して、もう1回お化粧しなければいけない、化粧品代が2倍かかるというようなビジネスライクな部分も考えていくことが必要である。


【アプローチの方法について】


○ヘルスプロモーション、ヘルスエデュケーションといった視点からアプローチするには、市民主導型の健康生成というキーワードで取り組んでいった。自分でやりたいと思えたり、楽しいな、また、したいなと思えるようなアプローチが必要。


○ハードアプローチだけではなく、どう進めていくのかという「ソフトアプローチ」も必要となる。例えば、「ソーシャルインフルエンス」等の人を動かすノウハウも重要。


○理念だけに訴えると時間がかかり成果が出にくいことも、時には、「利害」や「力学関係」に訴えると、その成果は数倍になる。


○健康に生きていくために、週1回1時間の運動が最低限必要という知識をもっとアピールした方がよい。


○スポーツを楽しくやったら、結果的に健康になったというアプローチも必要。


○病気になった人が、治療だけではなくて、運動のある暮らしを進めることも大切。例えば、乳がんのサバイバーの方も運動習慣がある人の方が、再発率が低いというエビデンスもある。すべての人にとって運動のベネフィットを享受する必要があるということを認識させていく必要がある。


○現在、スポーツを実施している者が一人連れてくれば単純計算で目標値を達成することができる。


○スポーツと文化を切り分けることが多いが、スポーツと音楽・文化は非常に身近なところにある。スポーツの新たな価値を提案するためには、スポーツ+αの視点が重要であるということを念頭に置くことが必要。


【関係機関等との連携について】


○学校であれば校長先生とか、会社であれば社長、地域であれば市町村長などを巻き込んで、理解をしていただいて取り組んでいく必要がある。


○霞が関での連携は進んできたが、地方自治体ももっと連携してほしいと感じている。基礎自治体である地方都市で、役所内や地域の産業界がうまく連携すれば、スポーツの実施率を向上させる新たな取組ももっと推進できるはず。


○実際、どんなにいい事業を挙げても、地域で動かないとそれは使えないというか、動かない。そこを実質的に取り組んでいく体制づくりが重要。


○自分は介護福祉士の資格を持っているが、保健体育の教員免許取得時に学んだスポーツ・レクリエーション関連の内容は今でも参考になっており、相乗効果があると思っている。人材育成というところで、文部科学省と他の省庁の連携は急務であると思っている。


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