資料15 公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会 資料

平成28年7月25日
ラグビーワールドカップ2019組織委員会
国際競技大会の招致・開催の推進について
~第2期スポーツ基本計画策定に向けた提案~

ラグビーワールドカップ(以下「RWC」という。)は、オリンピック・パラリンピック競技大会やサッカーワールドカップと並ぶ3大国際スポーツ大会の一つとして知られており、9回目となる日本大会は、2019年9月20日から11月2日までの約7週間、全国12都市で開催されます。この日本大会は、いわゆるラグビー伝統国以外で行なわれるアジア初の大会であり、折しも、2015年のイングランド大会における日本代表のめざましい活躍も相まって、ラグビー関係者からは「Ground Breaking」な大会になるだろうと大きな注目を集めています。
日本ラグビーフットボール協会から日本大会の準備・運営の実務を委託されたラグビーワールドカップ2019組織委員会(以下「組織委員会」という。)では、これまで、開催都市の決定、イングランド大会の視察、RWCの機運醸成などの活動を行ってきたところですが、これからは、チームキャンプ地の募集・決定、試合日程の発表、チケット販売など大会を開催する上で欠かせない業務に取組んでいくことになります。そして、日本大会の開催を契機として、ラグビーの競技力強化や国内外へのラグビーの普及につなげていくほか、12開催都市をはじめとする地域経済の活性化、釜石や熊本・大分における震災復興、観光や国際交流の推進、スポーツビジネスの活性化、人材育成等、我が国の経済的・社会的発展にもつながるよう、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会とも連携して組織委員会として全力で取り組んでまいります。
このように、国際競技大会を招致し、開催する意義は、我が国のスポーツの発展に寄与することのみならず、我が国の経済社会の活性化に大きなインパクトを与えることにあります。こうしたことから、政府からは、RWC招致にあたっての閣議了解や政府保証、日本大会の円滑な準備及び運営に資する特別措置法や基本方針の制定、関係府省庁連絡会議の開催、政府からの職員派遣など、多大なる支援をいただいているところであります。また、日本スポーツ振興センター(以下「JSC」という。)からも、組織委員会の活動に関する運営費の助成、開催自治体への施設整備費の助成などの支援をいただいているところです。
RWCに限らず、大規模かつ国家的に重要な国際競技大会を招致し、開催するにあたっては、何よりも政府の取組み・支援は欠かせません。第2期スポーツ基本計画の策定にあたっては、国際競技大会の招致・開催の推進について、以下に掲げる施策を盛り込んでいただくようお願いいたします。

1.国際競技大会の招致・開催に関する国の支援の充実
大規模な国際競技大会を開催するためには、大会開催の数年前から、様々な開催準備のための業務を行う必要がありますが、収入の大半を占めるチケット収入は、大会開催の直前にしか入ってこないことから、この間に必要となる資金の確保が不可欠となります。また、国際競技大会を主催する国際競技連盟からは、開催にあたって政府保証が求められることもあります。
このような状況への対応として、JSCからの助成金等による支援が不可欠であり、今後ともその拡充が重要であります。また、日本大会の競技会場やチームキャンプ地の施設整備についても、JSCにおいて一般のスポーツ施設整備の助成とは別枠で助成の枠組みを設けていただいているところですが、スタジアムといった大会後に残るレガシーの継承の重要性などにかんがみ、その拡充をお願いいたします。

2.国際競技大会の開催に向けた産業界との連携の支援
国際競技大会を我が国において開催することは、世界最高峰の競技を行い、人々のスポーツの関心を高めることのみならず、安全・安心、高品質・高性能、テクノロジー・イノベーション、伝統文化・おもてなし、といった我が国が世界に誇れる強みや価値を世界に示すことができる絶好の機会にもなります。また、こうした強みや価値が存分に活かされた大会にすることができれば、かつてない魅力的な大会として人々の記憶にも残るものになります。
こうした強みや価値の多くは、我が国産業界が有しています。日本大会を「Ground Breaking」な大会として成功させるためには、産業界の参画や支援は欠かせません。産業界が参画・支援することは、我が国のスポーツビジネスの活性化にも寄与するものと考えられますので、国は、国際競技大会に向けて産業界の機運を醸成し、連携させて、組織委員会につなげるなど、産業界との連携の枠組みの整備をお願いいたします。

3.国際競技大会の開催に不可欠な人材の育成・活用
大規模な国際競技大会の開催を準備し、運営していくためには、過去に国際競技大会の運営に携わったことのある人材や税財務、法務、マーケティング、ICTなどに通じた専門人材、外国語を駆使できる人材など、多くの人材が必要になります。また、大規模な国際競技大会を経験し、大会運営のスキルやノウハウを獲得した人材は、今後の他の国際競技大会においても活用されることが望まれます。このため、国は、国際競技大会の運営に従事できる人材の育成や発掘を行うとともに、こうした能力や経験を有する人材の他の国際競技大会への雇用の斡旋や国際スポーツ組織への推薦等の業務を含む国際競技大会全般を担当する部署の設置など、人材の育成・活用が円滑に行える仕組みの整備の取組みをお願いいたします。

4.国際競技大会の開催を契機としたレガシーの継承
多くの国際競技大会が、大会の開催を契機として、競技力の向上や競技人口の増加を目標としているように、RWCについても、日本大会を契機として、ラグビーを「する」「観る」「支える」人(「ラグビーファミリー」)が増加し、「ノーサイド」や「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン」といった我が国ラグビー界が長年にわたって培ってきたラグビー文化を、青少年をはじめ多くの人に享受してもらい、ラグビーの楽しみや喜びを味わえるようにすることが重要と考えています。現在、国において、小学校のタグラグビーの普及事業が行われていますが、タグラグビーは、障害の有無に関わらず老若男女誰もが安全かつ簡単に楽しめるスポーツです。このため、国は、中学校以降でのタグラグビーの実施を奨励するとともに、タグラグビー・ラグビーを通じてラグビー文化に親しむ機会を拡充することをお願いいたします。


以上

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