資料7 公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構 資料

第2期スポーツ基本計画の策定に向けた提案  公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構

ロシア陸上競技の組織的ドーピング事件、ケニアやその他の国ではアンチ・ドーピング体制不備が指摘され、スポーツ活動に制限が課される事態が発生している。国内のスポーツの推進体制を考えるのみならず、国際基準に基づく体制拡充が必須となっている。特に、オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップの開催国として、大会成功を考える際、アスリートが公正に競技をする環境を担保する体制として、検査による違反確定はもとより、インテリジェンスを基にした「分析によらない違反」の確定を可能とする盤石なアンチ・ドーピング体制を有することが必須となっている。これらの現状を踏まえ、以下の通りの提案を申し上げます。

1.法的体制の整備:オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップ等の大規模国際競技大会を想定
したクリーンなアスリートの保護の為の施策の拡充(インテリジェンス体制の構築他)
 (1) 行政機関からの情報提供体制の構築(必要となる法的措置の実施を含む)
 (2) スポーツ振興センター(JSC)とJADA の連携による情報管理執行体制整備

2.モニタリング体制整備、及び競技団体における主体的アンチ・ドーピング活動推進体制の拡充
 (1) アンチ・ドーピング活動に係る第三者(JADA、JSC 等)によるモニタリング体制の構築
 (2) 競技者、指導者、ドクター、トレーナー等への教育啓発活動の主体的推進
 (3) 公的助成金の受給条件として、競技団体によるアンチ・ドーピング活動実施を設定
 (4) 競技団体のアンチ・ドーピング活動への第三者によるモニタリングの受諾

3. ドーピング検査実施体制の拡充
 (1)競技大会、競技会外検査におけるドーピング検査実施の拡充。WADA が規定する検査配分基準に準拠した検査体制の整備。toto 助成金の助成比率の引き上げ
 (2)血液検査実施にかかる執行体制の整備(JSC とJADA との連携強化)

4. 啓発活動の拡充
 (1) 医学部、薬学部、体育・スポーツ系、教員養成系大学におけるアンチ・ドーピング教育の必修化
 (2) JADA と競技団体の役割分担による教育啓発活動の実効性向上
 (3) アスリート、及び競技団体を支援する企業等への啓発活動の展開
 (4) スポーツ基本法「基本理念」に定める「国民の幅広い理解」促進に係る施策の拡充

5. アスリートを守るための情報提供体制の拡充
 (1) 使用可能薬品、禁止対象薬品を検索できる web サイトの実効性向上
 (2) UNESCO 国際規約にて要請されているサプリメントに係る安全情報の提供体制の拡充

6. 調査研究、技術開発のための支援の拡充
 (1) ドーピングを予防、抑止する施策構築のための社会意識調査等の拡充
 (2) アスリートの身体的負担軽減、及び解析能力の向上等のための研究の拡充

7. 我が国の国際的なプレゼンスの向上
 (1) 世界アンチ・ドーピング機構(WADA)への支援の拡充
 (2) JADA 及びJSC の知見を活用した諸外国への体制整備支援介入の拡大
 (3) Sport for Tomorrow プログラムの実施

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