平成三十一年 年頭の所感

平成31年1月

新しい年を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。

昨年は、平昌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会やFIFAワールドカップロシア大会、インドネシアで開かれたアジア競技大会・アジアパラ競技大会、さらにアルゼンチンで開かれたユースオリンピック大会など数多くの国際舞台で、日々研鑽を積んだ日本代表選手の活躍が光る一年でありました。

今年は、ラグビーワールドカップ日本大会の開幕を9月に控えています。会場となる12都市をはじめ全国各地で、国内外から多くのお客様を迎える準備が着実に進んでいます。自国開催の大会に臨む日本代表チームは直近の国際試合でも善戦を続けており、さらにパワーアップして万全の状態で大舞台に臨まれることを期待しています。

また、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで600日を切りました。自国開催となる東京大会において日本代表選手が活躍することは、特に国民に夢と感動をもたらすものです。スポーツ庁では、競技力向上のための今後の支援方針(鈴木プラン)等に基づき、関係機関と連携しつつ、我が国の国際競技力向上に向けた環境整備に取り組んでまいりました。2019年度からは、「ラストスパート期」として、それまでの各競技団体の成果を踏まえ、「メダル獲得の最大化」の考えのもと支援を柔軟かつ大胆に重点化していくこととしております。加えて、本年6月には、ナショナルトレーニングセンター拡充棟(仮称)が完成予定であり、オリンピックとパラリンピックの一体的な推進をさらに進めてまいります。このような国際競技力の向上の取組はもちろん、昨年10月に施行された法律に基づくアンチ・ドーピング活動や、スポーツを通じた国際貢献事業「Sport For Tomorrow」の一層の推進、さらには本年11月の竣工に向けて新国立競技場の整備についても責任を持って着実に進めてまいります。

また、スポーツ庁の発足以来、数年間にわたって多くの関係機関とともに検討を重ねてきた大学スポーツの活性化については、大学横断的かつ競技横断的な統括組織である一般社団法人大学スポーツ協会(通称:UNIVAS)の設立が目前となりました。新組織においてはまず、学生アスリートが学業をしっかり修めながらスポーツをできる環境や、安心・安全にスポーツに取り組める環境を早急に整える事業を展開してまいります。また、地区大会も含めた約600試合の映像配信や、競技横断的大学対抗戦の開催などを通じて、大学スポーツの持つ本来の価値が魅力的でわかりやすくなり、幅広い皆様に応援していただけるよう引き続き検討を進めてまいります。

その一方で、スポーツ・インテグリティ(誠実性・健全性・高潔性)の確保が世界の潮流であるにもかかわらず、我が国では学校部活動での体罰、様々な競技での暴力行為やハラスメント、さらには団体ガバナンスの欠如などの不祥事が続発し、これまで顕著化してこなかったスポーツ界の多くの問題点が浮き彫りとなりました。こうした事態はスポーツの価値そのものが脅かされている危機的な状況です。私は、時代に合ったスポーツ団体の在り方、指導者像やアスリート像などを、今こそスポーツに携わる者全員が自分自身のこととして考えてほしいと願い、昨夏、メッセージを発しました。
さらに、昨年末にアクションプランをまとめるとともに、関係団体の長にお集まりいただいた円卓会議を開催して今後の改革方針を確認したところです。
本年は、スポーツ団体が遵守すべき原則・規範を定めたカバナンスコードの制定など、目に見える改革をさらに進め、スポーツ界が今後も持続的に発展できるよう先頭に立って取り組んでまいります。

私は、大きな投資をして開催する国際競技大会を一過性のイベントに終わらせてはいけない、と発信し続けてきました。大会を契機にスポーツへの関心が高まることで、「する・みる・ささえる」といったスポーツ参画人口が拡大し、健康で生きがいのある社会を実現することこそが、目指すべきゴールであり、後世に残すべき大会の重要なレガシーです。そのためにあらゆる手立てを実行していくことがスポーツ政策の本丸であるという考えに変わりはありません。その結果として国民医療費を抑制し、国家財政にも寄与するものと確信しています。スポーツをするまとまった時間が確保できない方も、例えば通勤中や仕事の休み時間に「歩く」ことが立派なスポーツであるといった認識を普及させてまいります。スポーツ庁が目指すのは、生活の中に自然な形でスポーツが取り込まれている、「スポーツ・イン・ライフ」という姿です。

スポーツへの関心がこれまでにないほど高まるこの数年間は、さまざまなレガシーを創出する絶好の機会と考えています。
スポーツを通じた国際交流・協力やスポーツの成長産業化、障害者スポーツの振興、学校体育の充実などについても、この好機にしっかりと推進してまいります。
以上申し上げた内容は、国民の皆様はもちろん、スポーツ団体、民間事業者、地方公共団体、国等が一体となってこそ、力強く前進させることができると考えています。
本年も、皆様の一層のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

スポーツ庁長官 鈴木大地

お問合せ先

スポーツ庁政策課

(スポーツ庁政策課)

-- 登録:平成31年01月 --