評価項目3 開発方針に関連する質問

【質問番号 3−1】

【質問内容】

 開発方針(P24)の中に、「ステップを踏んだ開発方式・・」とあったが、DPRに特有のものについての概略説明がほしい。

【該当箇所】

推進6−2−2

【回答者】

JAXA(ジャクサ)

【回答内容】

 ステップを踏んだ開発方式で、DPRに特有のものの具体例を以下に記す。

  • KuPR、KaPRはそれぞれ、128系統の送受信系からなるフェーズドアレイ方式を採用しており、8系統の送受信系からなる送受信ユニット16台で構成されている。BBMでは、2系統の送受信系と6系統のダミーを含む送受信ユニット1台を製作し、その実現性を検証した。EMでは、32系統の部分モデルを製作し、設計の妥当性とシステムの成立性について確認するとともに、試験手順の確立を実施する。これらの結果を、128系統の送受信系を持つPFMの製作・試験に反映することとしている。
  • システム制御データ処理部をKuPRとKaPRで共有化しているので、EM段階からKuPRとKaPRの組み合わせ試験を実施し、設計の妥当性とシステムの成立性について確認するとともに、試験手順の確立を実施する。これらの結果を、PFMでの組み合わせ試験に反映することとしている。
  • DPRを搭載するGPM主衛星は、傾斜角65度、高度407キロメートルという軌道であり、外部にさらされる熱制御材については、放射線や原子状酸素への耐性と、帯・放電上の確認が必要となる。これらについては、部材試験を実施して確認することとしている。

【質問番号 3−2】

【質問内容】

 GPM計画主衛星の開発機関であるNASA(ナサ)との連携が組み込まれていることから、「開発方針」の中にもNASA(ナサ)との連携を明確に記載すべきではないか。P24の基本方針に示されている「JAXA(ジャクサ)とNASA(ナサ)の技術的要求の整合性に留意した開発」について、もう少し具体的な記述が必要である。

【該当箇所】

推進6−2−2

【回答者】

JAXA(ジャクサ)

【回答内容】

 NASA(ナサ)の主衛星のフェーズは現在、基本設計審査前であるが、JAXA(ジャクサ)がDPRの開発を進めるにあたり必要なインタフェース条件については、これまでの開発研究段階において、お互いの技術的整合性が取れるように調整を行なっている。
 整合を図る必要がある技術要求は、衛星とDPRのインタフェースに関する技術要求とDPRの設計・製造・試験に関する技術要求がある。インタフェースに関する技術要求は、インタフェース管理仕様書として制定し、NASA(ナサ)、JAXA(ジャクサ)のプロジェクトマネージャが署名している。
 DPRの設計・製造・試験に関する技術要求は、基本的にはJAXA(ジャクサ)の標準や基準を適用するが、インタフェースに関する部分等で、NASA(ナサ)の標準や基準の適用を要求される場合は、両者の整合性に留意して開発を進める。
 これらの技術的事項の調整の為に技術連絡書による連絡に加えて、月1回のテレビ会議、さらに、数ヶ月に1度は、フェース・トゥー・フェースのインタフェース会議を開催し、お互いの技術的要求やインタフェース仕様の認識に齟齬が無い様に調整している。