評価項目1 プロジェクトの目的(プロジェクトの意義の確認)に関連する質問

【質問番号 1−1】

【質問内容】

 DPRというミッション機器の開発を担当することが、今後の我が国にとってどのような意義を有するのか。また、DPRは大局的な立場から見て地球観測センサとしてはどういう位置付けなのか。

【該当箇所】

推進6−2−2

【回答者】

JAXA(ジャクサ)

【回答内容】

 GPM計画の観測対象である「降水」は、気候変動・水循環分野における非常に重要な観測量の1つである。また、GPM計画は、実利用を通じた社会便益への貢献、アジア地域における風水害防災への貢献、GEOSS10年実施計画への貢献も期待されている。
 DPRは降水の3次元分布を高精度で観測し、また副衛星群のマイクロ波センサからの降水推定における校正源として利用することによりその精度向上を可能とする、GPM計画のコアとなるミッション機器である。
 DPRの開発は、国内的には第3期科学技術基本計画における、「衛星観測によるモニタリングデータと数値モデルによる推定値とを統合・解析して地球規模の水循環の変動を把握する」に貢献するとともに、国際的にはGEOSS10年実施計画における、気候変動・水循環変動の分野への貢献し、GEOSS10年実施計画参照文書における、水資源管理の向上の6年目標の1つである、
  Facilitate, with space agencies and research communities, the development of effective sensors and missions for Global Precipitation Measurement (GPM), surface and subsurface water stores - including snow water equivalence, water stored in natural and man-made reservoirs, and groundwater.
への直接的な貢献となる。
 熱帯降雨観測衛星(TRMM)搭載降雨レーダで培った降水レーダ技術は我が国が世界最高水準をいくものであり、DPRの開発によりGPM計画を日米協力で進めることにより世界に貢献する。コアとなるミッション機器の技術及びセンサデータ利用技術を押さえることは、GPM計画における我が国のリーダーシップの発揮に非常に重要である。
 また、DPRは地球観測センサとしては、電波を利用した能動型センサ(レーダ)である。DPRの技術は、TRMM降雨レーダの技術を発展させたものであり、気候変動予測精度向上を目的とする雲レーダ技術につながるものである。電波を利用した能動型センサは、日本の優位分野であり、それを維持・発展させたDPRは、我が国の得意とする技術を活かし、GEOSS10年実施計画に貢献するものである。