教科書改善に当たっての基本的な方向性に関する論点整理(案)

 

今後の教科書の著作・編集及び教科書検定に求められるものとして、教科書の改善を推進するに当たっての基本的な方向性を以下のように整理。

○ 教育基本法で示す目標等を踏まえた教科書改善

  
  • 教育基本法や学校教育法改正で明確に示された教育の理念や目標を達成し、新学習指導要領の総則に示された教育課程編成の一般方針や各教科の目標・内容等を適切に反映した教科書の作成
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  • 教育基本法、学校教育法、新学習指導要領についての周知を十分に行い、教科書発行者における教科書の著作・編集の改善を推進するとともに、教科書検定基準等の改善を図る

○ 知識・技能の習得、活用、探究に対応するための教科書の質・量両面での格段の充実

  • 個々の子供たちの理解に応じ、きめ細かい指導ができるよう、補充的な学習や発展学習に関する内容の充実
  • 幅広い教養・豊かな情操と道徳心、伝統と文化を尊重する態度などの教育基本法、学校教育法に示された目的・目標等の達成に資するための内容や話題・題材の充実
  • 基礎的・基本的な知識・技能が着実に習得されるよう、既に学習した内容の系統的な反復学習や、練習問題などによる繰り返し学習に関する記述の充実
  • 知識・技能を活用する学習活動が取り入れられるよう、観察・実験やレポートの作成に関する記述の充実
  • 子供たちの学ぶ意欲を高め、探究する力を育むよう、他教科の関連する内容も取り入れ、学習内容が実生活・実社会に関連付けられるような記述や話題・題材の充実
  • 課題解決の喜びを得るような練習問題や、なぜ学ぶのかという目的意識を取り入れた話題・題材の充実

○ 多面的・多角的な考察に資する公正・中立でバランスの取れた教科書記述

  • 教育基本法において示された教育の目標等や学校教育法に示された義務教育の目標、目的を達成するため、教師が自信と確信を持って子供たちの思考力・判断力・表現力等を育成することに資する、公正・中立でバランスの取れた教科書記述
  • 一面的・断定的でない多面的・多角的な考察に資するよう、公正・中立でバランスの取れた話題・題材の選定や記述

○ 子供たちが意欲的に学習に取り組むための、教科書編集上の配慮・工夫の促進

  • 学習指導要領の改訂による授業時数増にも対応し、新学習指導要領に示す内容を不足なく、丁寧にかつわかりやすく記述した上で、個々の子供たちの理解の程度に応じて発展学習やつまずきやすい内容の繰り返し学習、補充的な学習を指導しやすいような教科書構成上の配慮・工夫。また、小学校と中学校の学習内容の円滑な接続への配慮・工夫
  • 記述全てを教えるのではなく、発展学習など個々の子供たちの理解の程度に応じて学習する内容について、編集上の区分の徹底
  • 子供たちが興味関心を持って読み進められるよう、話題や題材の創意工夫
  • 子供たちが家庭でも主体的に自学自習できるよう、丁寧な記述、練習問題、文章量の充実。また、子供たちが学びやすいよう、学習内容を踏まえた教科書の体様への適切な配慮
  • 本文記述の適切な関連付けがなされたイラスト・写真などの活用。一方でこれらの多用によって子供たちの想像力が阻害されないような配慮
  • 障害の有無にかかわらず、すべての子供にとって学習しやすいレイアウト等の適切な配慮の研究

○ 教科書記述の正確性の確保

  • 教科書の著作・編集、検定の過程において、教科の主たる教材としての正確性が一層確保される仕組みや、申請段階において、客観的に明白な誤記・誤植等をなくすための仕組みの整備
  • 発行後においても、客観的に明白な誤記・誤植等が速やかに修正され周知されるような取組の推進

○ 教科書検定の信頼性を一層高めるための検定手続きの改善

  
  • 申請図書に対し、審議会や教科書調査官がどのように関与し、結果としてどのような過程によって検定意見が付され、合否判定がなされたかなど審議結果に至る一連のプロセスを一層透明化する
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  • 検定手続きの透明性の向上に当たっては、静ひつな環境における専門的かつ自由闊達な審議の確保との十分な両立を図る
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  • 審議に当たって特に慎重な判断を要する事項を審議会が選定し、より専門性の高い重点的な審議を行う

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初等中等教育局教科書課