平成19年度教科用図書検定調査審議会(第2回) 議事録

1.日時

平成20年3月25日(火曜日) 15時~16時

2.場所

虎ノ門パストラルホテル 新館1階「鳳凰東」

3.出席者

4.議事

  • 事務局から開会が告げられ、議事に先立ち、伯井教科書課長から挨拶があった。
  • 事務局から配付資料の確認があった。
  • 平成19年度の各部会における審議経過等について、各部会長等から次のとおり報告があった。

第1部会

 第1部会の審議状況についてご報告いたします。
 平成19年度は、当初予定されていた小学校用教科用図書の検定申請がなされなかったため、高等学校用の図書についてのみ審議会を2回開催し、調査・審議をいたしました。
 その内訳は「現代文」が4点、「古典」が2点、「古典講読」が1点です。
 審議会において、これら7点につき慎重に審議いたしましたところ、現行学習指導要領下で2巡目の検定であることから作品の入れ替えが少なく、従って正確性や選択・扱い等の検定基準に抵触する箇所も多くなく、欠陥はわずかで且つ修正も易しい、との判断に達しました。
 指摘箇所が、「現代文」では4点あわせて34箇所、「古典」では2点で7箇所、「古典講読」では20箇所しかなく、しかも重大な問題はありませんでした。「古典講読」のみ他に比し欠陥数が多いように見えますがいずれも単純な誤りばかりでした。
 このため、すべての種目について合否の判定を留保し、出版社に欠陥箇所の再考を求めたものの、修正は容易であり、修正表の審査も順調に終了し、全点を合格と判定いたしました。
 以上でございます。

第2部会

 第2部会よりご報告いたします。
 平成19年度の第2部会は、検定申請された図書の審議はございませんでしたが、平成18年度に検定合格した、「日本史」の沖縄戦に関する記述に訂正申請がなされ、11月2日に文部科学大臣より審議会に対し、これについての調査審議の依頼があったことから、日本史小委員会を7回、第2部会を1回開催しました。
 申請のあった8点の内容については、慎重に審議したところ、12月25日に開催した第2部会において、いずれも訂正を承認することが適当と判断しました。
 今回の調査審議においては、沖縄戦と集団自決に関し、各発行者から訂正の申請のあった内容について、外部の専門家の意見を聞いたり、調査審議の経過や内容の概要を「日本史小委員会報告」の形でまとめるなど、慎重且つ丁寧な審議を行いました。
 なお、今回の沖縄戦に関する第2部会での審議過程は、あまり静ひつとは言えない環境におかれました。このことをふまえて、静ひつな環境における公平・中立な審議の確保という点については、このたび審議が始められた総括部会において、検定手続きの透明性の一層の向上とのバランスを考慮した上で、十分に検討していただきたいと思います。
 以上です。

第3部会

 第3部会の審議状況についてご報告いたします。
 今年度は、高等学校の「数学3」にかかる11点の申請図書について、部会を3回開催し、審議の結果、全ての申請図書について検定意見が付され、修正の上合格となりました。
 今回は前年度と同じく学習指導要領改訂後2巡目ということもあり、学習指導要領の解釈についての誤解に基づく記述もなく、意見の数は前回に比して大きく減少いたしました。
 また、各申請図書に付された意見にも修正のために記述内容の大幅な変更を要するものはありませんでした。ただ、数学3の学習においてその内容の一部が必要となる数学Bについて、学習指導要領の規定では、示された4単位分の内容の中から、2単位分を選んで履修するのが標準とされております。この関係から、凡例等で内容を利用することについての断り書きを行う際には、指示の仕方に関して多少の注意を要します。今回、2巡目であるにもかかわらず、その点への配慮が欠けていたために、意見を付さざるを得ない事例がいまだにいくつかございましたのは残念でありました。
 各申請図書の内容に関しましては、高等学校の数学科の教科書に関しては、従来の同一の発行者が内容の密度に差のある複数の図書を発行するという多様化の傾向が、定着しているように見受けられます。しかし、高等学校数学の最終段階にあたります「数学3」の教科書につきましては、比較的内容の精選されているものと詳しく記述されたものとの間に、内容に関して大きな差は見られませんでした。また、各図書の具体的な書きぶりについては、一部の会社に少しの注意で防げるような誤りが多いという傾向は残念ながら続いております。それも、本文における誤記・誤植のみならず、図やグラフにつきましても不正確なものが目につくようになりました。また、文章表現の面でも、例えば「曲線のグラフ」のようなおかしなものが増えてきたようです。さらに、やや長めの文では、文の前後がきちんと対応していないもの、例えば、「等式では」で始まって「等式が成り立つ」で終わるようなものが目につくようになりました。
 なお、いわゆる「発展的な学習内容」につきましては、「数学3」において「発展的な学習内容」を取り上げるのは今回が2回目でございますので、大きな混乱も見られず、一部に、学習指導要領の範囲内のものを「発展的な学習内容」として取り上げてきたというような例が見られた程度でございました。
 また、「発展的な学習内容」として取り上げられてきた具体的な事項といたしましては、「発展的な学習内容」を取り扱っている図書10点のうち8点が「曲線の長さ」と「微分方程式」の二つを取り上げており、うち4点が「発展的な学習内容」はこの二つのみという状況でございまして、どちらも発行者間における差異はあまり見られませんでした。これは、内容の体系がはっきりしているという、教科の特性の現れと思われます。このうち、「曲線の長さ」は前回の改訂で、「微分方程式」は前々回の改訂でそれぞれ学習指導要領から割愛された内容でございまして、どちらも「発展的な学習内容」として学習指導要領が示す内容からごく自然に一歩先へ進んだものを取り上げる際の第一候補といえるようなものでございます。
 なお、一部の図書には、数学史や数学の応用などに関するいわゆる「お話」がいくつか取り上げられております。これらは、学習内容の背景などを示すことによって、生徒の学習意欲を高めるための工夫として結構なのですが、書かれております内容が不正確な場合が間々ございました。
 以上でございます。

第4部会

 平成19年度の第4部会の審議結果についてご報告いたします。
 本年度の理科におきましては、高等学校生物2の申請図書2点の検定を行いました。これは、前年度不合格となりました生物22点の再申請を受けての検定であり、そのために調査意見書を審議する部会を昨年10月に、修正表を審議する部会を、本年3月に開催いたしました。
 申請図書2点の審議につきましては、はじめに生物小委員会におきまして、高等学校教科用図書検定基準に基づいて行い、その結果をふまえて最終的な合否の判定を部会で行いました。
 まず調査意見書を審議する部会におきましては、1点を判定留保とし、調査意見に対する修正を求めることにいたしました。もう1点につきましては、検定基準の「正確性及び表記・表現」に該当するような欠陥箇所が昨年度同様に多数認められ、不合格と判定いたしました。具体的には、編集段階において、記述内容についての事実関係をきちんと確認していない場合や、文章の表現に問題があるケースが多く見られ、追加の記述があまりないにも関わらず、意見数は前年度の3分の2までしか減らないという結果になりました。
 不合格と判定した図書につきましては、反論書の提出はありませんでした。一方、意見箇所の修正を求めた図書につきましては、その修正結果をまず生物小委員会におきまして審査いたしました。その結果を部会に上程し、審議いたしました結果、「修正十分である」として合格と判定いたしました。
 以上で第4部会の報告を終わります。

第5部会

 第5部会の審議状況についてご報告いたします。
 昨年10月に審議会を開催し、高等学校音楽32点の申請図書について審議いたしました。
 1点は教材の部分的な差し替えなど小規模な改訂に留まっておりましたが、他方の1点はほぼ全面的な改訂が行われました。
 いずれの申請図書も学習指導要領の趣旨を反映して、著作・編集者の創意工夫が見られる内容となっており、いくつかの新たな教材が掲載されています。中には創作に関する部分で、詩をもとにして曲を創り上げていく過程を作曲者自身が解説するといった内容のものが見られました。
 全般的に、検定基準の「範囲及び程度」「選択・扱い及び組織・分量」については、欠陥はほとんど見られませんでしたが、「正確性及び表記・表現」につきましては例年同様、楽譜や図版、説明文などに軽微なものから中程度のものまで、様々な欠陥が見られました。
 いずれの申請図書にも修正を要する箇所がありましたので、合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。修正された内容について再度審議した結果、全点を合格と判定いたしました。
 以上でございます。

第6部会

 平成19年度、第6部会の審議状況についてご報告いたします。
 本年度は、各小委員会を合計4回開催し、部会を1回開催いたしました。
 美術・工芸につきましては、高校「美術3」において2社2点の教科用図書が検定申請されて参りました。
 平成19年11月に審議会を開催し、学習指導要領をふまえ、慎重に審議いたしました。その結果、本文の内容及び図版の扱い・選択等に不適切な箇所、正確性を欠く記述が見受けられました。よって全2点について合否の判定を留保し、欠陥箇所を検定意見として申請者に伝え、修正を求めました。
 平成20年3月に修正された内容を再度審議しました結果、全点を合格と判定いたしました。
 書道につきましては、高校「書道3」2点が申請されました。慎重に審議を行いました結果、図書の内容に正確性を欠く記述などが見られました。このため、全2点について合否の判定を留保し、必要な修正を求め、修正された内容を再度審議しました結果、全点を合格と判定いたしました。
 以上でございます。

第7部会

 第7部会の審議状況についてご報告いたします。
 平成19年度は、高等学校用図書のうち「リーディング」及び「ライティング」の図書合計19冊について、合計4回の部会を開催し、審議を行いました。
 平成19年4月に検定申請された図書19冊について、8月から9月にかけて計3回の部会を開催し、審議を行いました。その結果、「リーディング」及び「ライティング」のすべての図書について欠陥箇所が指摘され、修正が必要であるとの審議結果となりました。従って、本部会では合否の判断を留保し、検定意見の通知を行い適切な修正を求めることとしました。
 検定意見に従った修正内容についての検討は、「リーディング」及び「ライティング」のいずれも1月に行いました。その結果、すべての図書について、その修正内容が適切であると認めましたので、合格と判定いたしました。
 平成19年度は現行の学習指導要領による2巡目の検定サイクルの最終年度に当たり、申請図書の多くが現在使用中の図書を部分改訂したものでしたが、それにも関わらず、編集上の誤りであると思われる箇所が依然として多く、結果的に正確性及び表記・表現に係わる指摘箇所が大部分を占めることとなりました。
 以上ご報告いたします。

第9部会

 第9部会における審議状況についてご報告します。
 当部会では家庭、情報、農業、工業、商業の各小委員会がそれぞれ相当する種目の図書の審査に当たり、合否の判定につきましても、各小委員会における判定を第9部会の判定とすることとしています。
 第9部会におきましては、本年度は審議会を合計7回(小委員会6回、部会1回)開催し、検定申請のあった3種目3点の申請図書について各小委員会で審議を行い、本日開催された部会において各小委員会での審議結果についての報告がありました。
 以下、各小委員会における審議状況を順次簡単に報告します。

情報小委員会

 小委員会を2回開催し、商業科の「文書デザイン」1種目1点の申請図書について審査を行いました。
 この申請図書には「正確性及び表記・表現」に関する欠陥がやや多く見られましたが、修正の結果すべての欠陥図書が適切に修正されたと判断できましたので、この図書を最終的に合格と判定いたしました。

工業小委員会

 小委員会を2回開催し、工業科の「通信技術」1種目1点の申請図書の審査を行いました。
 この申請図書には「範囲及び程度」に関する欠陥箇所は見受けられませんでしたが、「選択・扱い及び組織・分量」に関しまして、扱いの不適切な箇所や内容相互の関連が不適切な箇所が多く認められたのが特徴的でした。また、「正確性及び表記・表現」に関しましては、誤った記述や内容の理解し難い記述、誤解のおそれのある表現が大変多く、また、用語が不統一であったり表記の基準に従っていないものも多く認められました。
 修正の結果すべての欠陥箇所が適切に修正されたと判断できましたので、この図書を最終的に合格と判定いたしました。

商業小委員会

 小委員会を2回開催し、商業科の「経済活動と法」1種目1点の申請図書について審査を行いました。
 この図書には「範囲及び程度」や「選択・扱い及び組織・分量」に関する検定意見はなかったものの、「正確性及び表記・表現」について、会社法等の改正に十分対応していない箇所、誤りや不正確な記述、理解しがたい表現や誤解するおそれのある表現、表記が不統一な箇所等の記述が多く見受けられました。
 この図書につきましても、修正の結果すべての修正箇所が適切に修正されたと判断できましたので、最終的に合格と判定いたしました。
 なお本年度は、家庭小委員会及び農業小委員会で審査すべき図書の検定申請はありませんでした。
 第9部会における審議状況は、以上のとおりでございます。

  • 第8部会及び第10部会は、平成19年度の申請がないため報告はなかった。
  • 事務局から、平成19年度教科用図書検定結果の公表について説明があった。
  • 会長から、退任される委員の紹介の後、退任される各委員を代表して、会長代理のたか橋文博委員より次のような挨拶があった。
     退任する委員の代表としてご指名いただきましたので、僭越ながら、ご挨拶させていただきます。退任される委員の皆様それぞれに感懐をお持ちだろうと存じますので、私なりの感懐を申し上げます。私は、平成10年度以後、10年間にわたり、本審議会に関係し、特に平成16年度以後は第2部会長代理、第2部会長、平成19年度は会長代理という、非常に重要な職務に従事させていただきました。本委員会の任務であります教科書の質の確保という、教育上きわめて重要な事柄にいささかなりとも貢献できたことと密かに思い、大変光栄なことと存じております。このたび、任期満了によって退任するにあたり、この間の本審議会の委員の皆様、とりわけ第2部会の委員の皆様のご協力に、厚く感謝を申し上げます。それから、審議にあたり、厳正な態度で、調査意見の提示をされた教科書調査官諸氏に深い敬意を抱くものであります。
     最後になりましたが、本審議会が必要な改善を施しながら、これまで行ってきた厳正な検定調査審議を引き続き堅持して、わが国における教育の質を確保する上で、一層大きな役割を果たすように祈念する次第であります。長いことありがとうございました。
  • 次期会長代理の選任について、杉山会長より浦野委員を指名する旨発言があり、浦野委員から次のような挨拶があった。
     会長ご指名ということですので、引き受けさせていただきます。
  • 会長から、部会に属すべき委員、臨時委員について、配付資料2の教科用図書検定調査審議会令のとおり分属し、本年4月に新たに発令する委員については、発令された後に部会の分属指名をさせていただく旨の発言があった。
  • 事務局から、平成20年度審議予定について説明があった。あわせて、2月28日の教科用図書検定調査審議会総会において渡海文部科学大臣から審議要請のあった教科書検定の改善について、配付資料4に沿って説明があった。
  • 会長から、本日の議題の終了と閉会が告げられた。

お問合せ先

初等中等教育局教科書課

-- 登録:平成21年以前 --