平成17年度教科用図書検定調査審議会(第2回) 議事録

1.日時

平成18年3月29日(火曜日)15時~16時

2.場所

パレスホテルゴールデンルーム

3.出席者

委員

第一部会(国語) 
出雲朝子、谷脇理史、梶木剛、長谷川秀一、濱口富士雄
第二部会(社会)
揚村洋一郎、太田公、紀平英作、小室正紀、杉本良男、栖原弥生、高橋文博、谷聖美、羽入佐和子、広瀬順皓、廣部和也、二木謙一、宮地忠明、村木逸子、山本孝宏、山田卓生、渡辺真知子
第三部会(数学) 
杉崎洋一郎、高木亮一、武山洋二郎、西沢清子
第四部会(理科) 
大井みさほ、榊原博子、関沢和子、都築功、富岡康夫、友国雅章、中川義次、中村洋、橋本剛、浜口幸久、横井洋太
第五部会(音楽) 
卜田隆嗣、蛭多令子、近藤譲、茂手木潔子
第六部会(図工・美術・音楽) 
浦野俊則、山本公之
第七部会(外国語) 
秋山庵然、乾隆、岡部幸枝、玉木真理子、太郎良博
第八部会(保健体育) 
蟻塚昌克、岡本民夫、甲田充彦
第九部会(家庭・職業) 
安藤英義、大橋博行、大平勇次、小澤紀美子、片岡昭雄、片山倫子、久保豊子、近藤弘樹、佐藤勝彦、杉山武彦、武市正人、常秋美作、苗村憲司、中谷延二、長津美代子、糠谷明、根本正之、橋本正明、前田研一、山根隆一郎、米山高生、渡辺徳子

文部科学省

布村大臣官房審議官、山下教科書課長、村上教科書企画官、その他関係官

4.議事録

○事務局から開会が告げられ、議事に先立ち、布村大臣官房審議官から挨拶があった。
○事務局から配付資料の確認があった。
○平成17年度の各部会における審議経過等について、各部会長等から次のとおり報告があった。

(第1部会)

 第1部会国語科の審議状況についてご報告致します。
 平成17年度は、国語の審議会を8回開催し、申請された高等学校用の図書について調査・審議致しました。
 その内訳は「国語表現(1)」が4点、「古典講読」が5点、「国語総合」が22点、であります。
 審議会において、これらにつき慎重に審議しましたところ、多くの欠陥が目に付きました。
 「国語表現(1)」では、十分な配慮なく専門的な用語を用いた評論や文章表現として未熟な評論、また説明に信頼性がないコラム、質問の意図が十分には汲み取れない設問などの欠陥が、相変わらずありました。
 「古典講読」では、人名や地名などの固有名詞の誤り、解釈の不適切な注、漢文教材での返り点の打ち忘れや単純な誤植などが数多く見られました。
 また、2巡目であるにも拘わらず、指導要領に定められた「言語活動」教材の掲載を忘れる出版社も複数ありました。
 「国語総合」でも同じように、不正確な表現や解説、誤った注釈や表記、解答できない設問や誤植、また特定の営利企業名が頻出するなどの欠陥が、「国語表現(1)」や「古典講読」にもまして見られました。
 このため、「国語表現(1)」4点、「古典講読」5点、「国語総合」22点、について合否の判定を留保し、必要な修正を求め、その後、修正された内容について再度審議し、その結果31点全てを合格と判定致しました。
 以上でございます。

(第2部会)

 第2部会よりご報告いたします。
 平成17年度の第2部会は、検定申請のあった「地理歴史科」32点、「公民科」23点、合計55点の申請図書について審議しました。
 慎重に審議したところ、いずれの申請図書についても欠陥があると認められたので、合否の判定を留保し、欠陥箇所の申請者による修正を、再度審議しました。その結果、検定意見に沿った適切な修正がなされたと判断し、全55点を合格と判定しました。
 次に各科目について、今年度の検定の概略を報告します。
 まず、「世界史」では、諸地域世界の歴史的展開について、適正な視点、時系列の整合性と論理展開の正確さなどに留意し、不適切な記述には修正を求めました。
 「日本史」では、近現代史を中心として、現在の学説状況や事実関係に即した適切なものに修正を求めました。
 「地理」及び「地図」については、地形や環境にかかわる表記に誤解のおそれのあるものや、図表等に、学習上必要な年次、縮尺、出典などが明示されていないものがありましたが、検定意見により適切に修正されました。
 「現代社会」では、政治制度や国内外の政治状況について、また経済の基礎概念やわが国の経済制度について、さらに今日論議されているさまざまな倫理的な課題について、扱いの適切性、記述の正確性などに欠陥のあると認められるものについては修正されました。
 「倫理」については、倫理思想の記述の正確性、生命倫理や家族の問題など現代の倫理的課題に関する扱いの不適切なものに修正を求めました。
 「政治・経済」では、わが国のODA政策、エネルギー政策などについて、誤解の恐れのある表現や不正確な記述が見られましたが、検定により修正されました。
 以上です。

(第3部会)

 第3部会の審議状況について御報告いたします。
 今年度は、高等学校の「数学(1)」17点、「数学A」17点の都合34点の申請図書について、部会を8回開催し、審議の結果、全ての申請図書について検定意見が付され、修正の上合格となりました。
 今回は学習指導要領改訂後2巡目ということもあり、付された意見には修正のために重大な変更を要するものはなく、意見の数も前回に比し減少しております。これは、前回の検定の際に、学習指導要領の範囲の内と外との区別について一部誤解の見られた申請図書に対し、検定意見の付された結果、どこまでが学習指導要領の範囲内であるかに関し、著者側の十分な理解が得られたためと思われます。
 なお、いわゆる「発展的な学習内容」について、これを教科書で取り上げても差し支えないこととなっておりますが、今回「数学(1)」、「数学A」においても、そのような内容を取り上げたものが出てまいりました。これにつきましては、すでに「数学(2)」、「数学(3)」、「数学B」、「数学C」で先行しておりますので、一部に学習指導要領の範囲内のものを「発展的な学習内容」として取り上げてきたり、或いは範囲外のものを本文の内容として取り上げてきたりといった例が見られた程度で、大きな混乱もなく収まりました。また、取り上げられてきた事項の多くは、学習指導要領に示された内容から、数学の体系から見て、自然に一歩先へ進んだ内容となっており、そのため三角形の面積を求めるための「ヘロンの公式」のように多くの教科書に共通して同じ内容の見られる例がいくつかございました。さらに、三元一次連立方程式のように学習指導要領にはどこで取り扱うかについての明文による規定のないものを取り上げてきた例もございます。また、「数学A」では、平面幾何の九点円の定理とフォイエルバッハの定理を「発展的な学習内容」として取り上げた例もございます。このように、「発展的な学習内容」を取り上げてよいということがなければ、どの科目の教科書にも載らなかった可能性のある内容が、いくつか教科書に取り上げられております。
 以上でございます。

(第4部会)

 平成17年度の第4部会(理科)の審議結果についてご報告いたします。
 本年度は高等学校の理科三種と物理(1)等の「(1)を付した科目」の検定を行い、そのための部会を4回開催いたしました。審議につきましては科目ごとに小委員会を設置して申請図書ごとに行い、最終的な合否の判定は部会で行いました。
 審議内容につきましては、まず理科三種についてご報告申し上げます。申請図書の点数は、理科総合Aが6社から11点、理科総合Bが7社から10点でした。理科基礎につきましては、今回検定申請はありませんでした。したがいまして、理科総合AとBを合わせた申請図書は21点になります。
 審議はそれぞれの小委員会におきまして、高等学校教科用図書検定基準に基づいて図書ごとに行いました。
 次に審議内容の一例を申し上げます。
 今回の検定は現学習指導要領の2巡目でありますが、前回検定時にはなかった、学習指導要領に示されていない(いわゆる)「発展的な学習内容」が導入されました。この「発展」につきましては、それが「発展」であることを明示するとともに、本来の学習内容と区別できるようにする必要があります。今回の高等学校理科の検定におきましては、1社2点の申請図書に「発展の明示と区分」に不適切な箇所が多く見受けられました。
 小委員会でのこのような審議を経た後、部会におきまして全点を判定留保とし、意見に対する修正を求めました。その結果を小委員会で再度審議し、最終的には部会で全点を合格といたしました。
 次に物理(1)、化学(1)、生物(1)、地学(1)についてご報告申し上げます。
 申請図書の点数ですが、物理(1)では6社7点、化学(1)では6社13点、生物(1)では7社12点、地学(1)では3社3点の申請があり、合計35点になります。
 これら4科目につきましても、それぞれの科目を審議する小委員会を設置し、高等学校教科用図書検定基準に基づいて図書ごとに審議を行いました。
 次に審議内容の一例を申し上げます。
 「(1)を付した科目」に共通する学習内容の一つに「探究活動」があります。この「探究活動」につきましては、本文の学習内容との関連付けを求めることになっており、この点が不備な場合には「(探究活動における)扱いが不適切である」の意見を付すことになっております。今回の検定では図書の点数でみますと、物理(1)で1点、化学(1)で4点、生物(1)で8点、地学(1)で1点に不備がみられました。
 また本文中にある「実験や観察」等につきましては、学習内容との一体化をはかる必要があり、この条件を満たしていない場合には理科固有の条件「(実験観察が)学習内容と一体のものとして扱われていない」の意見を付すことになっております。今回の検定では、物理(1)で4点、化学(1)で8点、生物(1)で6点、地学(1)で2点に不備が見られました。
 このような小委員会での審議を経た後、部会におきまして全点を判定留保とし、意見に対する修正を求めました。その結果を小委員会で再度審議し、最終的には部会で全点を合格といたしました。
 以上、本年度の「理科」の検定におきまして、申請のあった56点の全てにつきまして、合格といたしました。
 以上で第4部会の報告を終わります。

(第5部会)

 第5部会芸術(音楽)の審議状況についてご報告いたします。
 審議会を3回開催し、「音楽(1)」6点の申請図書について審議いたしました。
 全体として学習指導要領の趣旨を反映し、編集者の創意工夫が見られて充実した内容となっております。傾向としましては、これまでの流れを引き継ぎ、教材の選択に際して幅広い地域やジャンルを対象とする傾向が見られました。また、多様な学習活動に柔軟な対応ができるよう、教材の配列や個々の教材の編曲等に工夫が見られました。
 検定基準の1範囲・程度、2選択・扱い及び組織・分量については、重大な欠陥は見られませんでしたが、3正確性及び表記・表現につきましては、多くの問題がみられました。一部の図書で全面的な改訂が行われたこともあり、楽譜や図版、説明文などにさまざまな欠陥が見られ、例年に比べて多くの検定意見を付す結果となりました。
 いずれの申請図書にも修正を要する箇所がありましたので、合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。修正された内容について再度審議した結果、全点を合格と判定いたしました。
 以上ご報告でございます。

(第6部会)

 平成17年度、第6部会(美術・工芸及び書道)の審議状況についてご報告いたします。
 本年度は、各小委員会を合計4回開催し、部会を1回開催致しました。
 美術・工芸につきましては、高校「美術(1)」において2社3点の教科用図書が検定申請されて参りました。
 平成17年9月に審議会を開催し、学習指導要領をふまえ、慎重に審議いたしました。その結果、本文の内容及び図版の扱い・選択等に不適切な箇所、正確性を欠く記述が多く見受けられました。よって全3点について合否の判定を留保し、欠陥箇所を検定意見として申請者に伝え修正を求めました。
 平成18年2月に修正された内容を再度審議しました結果、全点を合格と判定いたしました。
 書道につきましては、高校「書道(1)」5点が申請されました。慎重に審議を行いました結果、図書の内容に不適切な図版、正確性を欠く記述などが見られ、また発展的な学習内容に関して、その明示や区別をきちんとしていない教材が見られました。このため、全5点について合否の判定を留保し、必要な修正を求め、修正された内容を再度審議しました結果、全点を合格と判定いたしました。
 以上でございます。

(第7部会)

 第7部会(外国語科)の審議状況についてご報告いたします。
 平成17年度は、高等学校用図書のうち「オーラル・コミュニケーション(1)」及び「英語(1)」の図書合計53冊について、合計10回の部会を開催し、審議を行いました。
 まず、平成17年1月に前倒し申請された「オーラル・コミュニケーション(1)」19冊について、同年5月~6月にかけて計3回の部会を開催し審議を行いました。また、4月に検定申請された「英語(1)」の図書34冊については、8月から10月にかけて計5回の部会を開催し、審議を行いました。その結果、「オーラル・コミュニケーション(1)」および「英語(1)」のすべての図書について欠陥箇所が指摘され、修正が必要であるとの審議結果となりました。従って、本部会では合否の判断を留保し、検定意見の通知を行い適切な修正を求めることとしました。
 検定意見に従った修正内容についての検討は、12月に「オーラル・コミュニケーション(1)」について、また、3月に「英語(1)」についてそれぞれ行いました。その結果、すべての図書について、その修正内容が適切であると認めましたので、合格と判定いたしました。
 平成17年度は高等学校学習指導要領改訂後2巡目の検定に当たり、学習指導要領の趣旨がおおむね適切に理解され、学習指導要領に係わる指摘箇所が減少したことなど、一定の改善が見られました。その一方で、相変わらず多いのが、正確性及び表記・表現に係わる指摘箇所で、これらが指摘箇所の大部分を占めているのが実情です。
 以上ご報告いたします。

(第8部会)

 平成17年度、第8部会、保健体育・福祉の審議状況についてご報告いたします。今年度は、保健体育小委員会と、福祉小委員会をそれぞれ2回開催いたしました。
 初めに保健体育小委員会の審議状況について、ご報告いたします。
 4点の申請があり、この内、新規の内容のものは1点であり、他は現行教科書の改訂版ともいえる内容のものでした。これらについて慎重に審議した結果、4点とも合否の判定を留保し、必要な修正を求めた後、すべて合格といたしました。
 今回の申請図書の特徴は、専門的用語が高校生に分かるような十分な説明なく使われていたり、また、表現の正確性に問題がある記述が多く見られました。新しい医学情報への対応が不十分で、古い情報に基づいた記述内容がそのまま記載されていたものもありました。
 次に福祉小委員会の審議状況について、ご報告いたします。
 本年度は、高等学校、低学年用「社会福祉基礎」について2点の申請があり、慎重に審議した結果、2点とも合否の判定を留保とし、必要な修正を求めた後、再度審査した結果、全て合格といたしました。
 「社会福祉基礎」は、教科新設後2巡目の検定であり、いずれも概ね学習指導要領に沿って執筆されておりました。しかし、前回の検定から年数が経過しているため、法改正などの客観的事実の更新や図表における統計データの更新など、必要な対応がなされていない箇所が認められましたので、検定意見を付しました。
 また、社会福祉を理解し、実践するに当たって必要な基礎的知識が正確に学習できるように、統計指標など専門用語の定義をわかりやすくし、記述を整えるよう、意見を付しました。
 以上でございます。

(第9部会)

 第9部会の審議状況についてご報告します。
 当部会では家庭、情報、農業、工業、商業の各小委員会がそれぞれ相当する種目の審査に当たり、合否の判定も各小委員会で行うこととしております。
 本年度は審議会を合計31回(小委員会30回、部会1回)開催し、検定申請のあった15種目57点の申請図書について各小委員会で審議を行いました。
 申請図書を各小委員会において慎重に審議した結果、いずれの図書も、申請図書の審査におきましては合否の決定を留保して必要な修正を求め、修正された内容について再度審議した結果、最終的に全てを合格と判定しました。
 以下、各小委員会における審議状況を順次報告します。
(家庭小委員会)
 小委員会を10回開催し、高等学校普通教科家庭科の申請図書3種目19点の審査を行いました。学習指導要領改訂後2巡目の検定ではありますが、学習指導要領に照らして「範囲及び程度」と「選択・扱い及び組織・分量」に問題のある申請図書が複数ありました。また、全ての申請図書で「正確性及び表記・表現」に多くの問題がみられました。
(情報小委員会)
 小委員会を14回開催し、普通教科情報科の申請図書3種目22点及び、専門教科情報関連科目の申請図書4種目9点の、合計4教科7種目31点の申請図書の審査を行いました。
 いずれの申請図書も「範囲・程度」には欠陥は見られませんでしたが、「選択・扱い及び組織・分量」について若干の欠陥が見られたほか「正確性及び表記・表現」に関する欠陥がやや多く見られました。
(農業小委員会・工業小委員会・商業小委員会)
 いずれの小委員会においても各々2回の審議会を開催し、専門教科農業・工業・商業の申請図書1~2種目、1点ないし3点の図書の審査を行いました。
 農業科・工業科・商業科のいずれの申請図書とも、学習指導要領に準拠した内容で構成されており、「範囲・程度」には欠陥が認められませんでしたが、「選択・扱い及び組織・分量」に関しては図書の内容の相互の関連が不適切な箇所、図と本文相互の関連が不適切な箇所などが見られました。また「正確性及び表記・表現」については誤りや不正確な記述、理解しがたい図や表現、表記が不統一な箇所等、相変わらず多くの欠陥が認められました。
 第9部会における審議状況は、以上のとおりでございます。

(会長)
 なお、第10部会(生活)については、平成17年度に申請がないため、報告はありません。

○事務局から、平成17年度教科用図書検定結果の公表について説明があった。
○事務局から、平成18年度審議予定について説明があった。
○次期会長の選出について諮られ、以下のように議事が進められた。

  1. 事務局から教科用図書検定調査審議会の会長の選任方法について、教科用図書検定調査審議会令の説明がされた。
  2. 次期会長に杉山委員を推挙する旨発言があった。
  3. 次期会長に杉山委員が選出された。杉山委員から次のような挨拶があった。

 杉山でございます。力不足ではございますけれども、ご推挙いただきましたので、謹んでお受けをいたしまして、精一杯努力をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

○退任される委員の紹介があり、退任される各委員を代表して、会長代理の出雲委員より次のような挨拶があった。
 この委員を仰せつかって初めて小学校から高等学校までの国語教科書を読む機会を与えられまして大変勉強になりました。また、審議会の際には専門の違う色々な先生方とお話し合いが出来てお教えいただくことが多く、私としては大変楽しい時間を過ごさせていただきました。いろいろとありがとうございました。
○次期会長代理の選任について、杉山委員より第八部会の岡本民夫委員を指名する旨発言があり、岡本委員から次のような挨拶があった。
 ただいまご指名をいただきました第八部会の岡本でございます。十分な識見等ございませんけれども、委員の皆さんの御指導、御鞭撻をいただきながら、会長の職務を支えつつ、がんばりたいと思いますので、よろしく御指導のほどお願いしたいと思います。
○会長から部会に属すべき委員、臨時委員について、配付資料5の教科用図書検定調査審議会委員部会別名簿のとおり指名する旨の発言があった。
○事務局から教科書訴訟に関する最高裁判決について報告があった。
○会長から次のような退任の挨拶があった後、閉会が告げられた。
 教科書制度というのは3つの柱で支えられていると思います。一つは教科書の発行会社、つまり編集発行作業するところ、それから当審議会での検定調査、それから教育現場の学校で採択して使用する。つまり、会社、当審議会、学校と三本柱でございます。そして、私、まあ10年、最後の任期は務めることになりますが、この間に急速に少子化、で私の所属しているのは第九部会の商業でございまして、商業は特に皆さんご案内のとおりですね、特に都立商業高校はものすごい勢いで減っていると、統廃合でですね、ということから商業は少子化に加えて、その生徒の比率を減らしているということで、一番教科書の検定調査の問題点が出てくるところだと認識しています。どういうことかというと、学校でその使用する生徒の数が減るということになりますと、これは発行会社から言いますと、発行部数が減るということで、採算が合わないということで撤退が相次ぐということで、商業のですね、例えば私の場合は専門が簿記会計ですけれども、急速に発行点数を減らしております。それだけならまだいいのですけれども、採算が合わないということで出版会社はですね、その有能な社員を他の部署に回すということになる。そうしますと編集段階、それから執筆でもですね採算が合わないですから、いい先生を執筆者に頼めないということで、会社自体のその社員の質、それから執筆者の質の低下で結果的にこの当審議会に申請する図書の質が下がってくるということになります。そうしますとそれを補完しているのが、教科書調査官、それからそれぞれの部会、特に第9部会で商業でしたら商業小委員会の私も含めた委員の先生方なんですね。最近はですね、何でこんなことまで我々がやらなければいけないのかと、正確性、特に高校の教科書の検定基準というのは、いただいた資料によりますと、学習指導要領準拠性、それから正確性、不偏性、生徒の発達段階適応性、まあ4つなんですけれども、最近よく問題になっているのは、この正確性だと思います。1月にも何か入試センターに絡んで出ましたけれども、これは、今言ったようなことが構造的な背景にあって起きているのではないかと思います。このまま行きますと、ここから先は私の独断なんですが、予想なんですけれども、場合によっては教科書が出なくなるかもしれない、科目によっては。そうなったら国定教科書という訳にいかないとなるとですね、これは国のほうから援助してでも出版社に出してくれと、つまり財政補填をしてまで続けざるを得なくなる状況も私は科目によっては出てくるのではないかということになります。ですけど、この我々の審議会の仕事が質が変わるわけでないと思いますけれども、大きくですね、教科書制度、少子化の前提でこのまま行きますと、おそらく遠い将来ではない近いうちにですねそういことが起きてくるのではないかと。例は悪いですけど例えば東京都ですと銭湯がどんどん減ってですね、地域の保健衛生のためにですね、一定の銭湯は維持するために東京都が助成してます。と同じようなことでですね、教科書制度の維持にも場合によったら教科書の買い上げとは別の財政支援をしてですね制度を守らなければならない時代が来るかもしれない。いずれにせよ少子化という我々今まで経験したことのない状況に入って、この教育制度の根幹である教科書制度を維持するためには、大きくはそういう問題もあるということですけど、質の維持のためにこの当審議会それぞれの先生方それから教科書調査官の方々のご尽力でですね、立派な仕事を続けていただきたいと思います。私もOBになりますけれども拝見し続けていくつもりでございます。
 この短い期間でございましたけれども、大任の会長の役を無事務めさせていただいたことを皆さんに御礼申し上げて退任の挨拶とします。どうもありがとうございました。

お問合せ先

初等中等教育局教科書課

-- 登録:平成21年以前 --