新学習指導要領における、いわゆる「はどめ規定」について

○ 新学習指導要領においては、いわゆる「はどめ規定」を原則削除。

〔いわゆる「はどめ規定」の見直しの例〕

◆小学校算数第6学年

新学習指導要領 現行学習指導要領
削除 3.内容の取扱い
(8)内容の「D数量関係」の(1)については,具体的な場面を通して数量の関係を調べ,等しい比があることを理解する程度とするとともに,比の値は取り扱わないものとする。

◆中学校数学第3学年

新学習指導要領 現行学習指導要領
3.内容の取扱い
(3)内容の「A数と式」の(3)のイについては,ax2=b(a,bは有理数)の二次方程式及びx2+px+q=0(p,qは整数)の二次方程式を取り扱うものとする。因数分解して解くことの指導においては,内容の「A数と式」の(2)のイに示した公式を用いることができるものを中心に取り扱うものとする。また,平方の形に変形して解くことの指導においては,xの係数が偶数であるものを中心に取り扱うものとする。
3.内容の取扱い
(4)内容の「A数と式」の(3)のイについては,ax2=b(a,bは有理数で,実数解をもつもの)の二次方程式及びx2+px+q=0(p,qは整数で,実数解をもつもの)の二次方程式のうち内容の「A数と式」の(2)のイに示した公式を利用し因数分解を用いて解くことのできるものを取り上げることを原則とする。因数分解を用いて解くことができない二次方程式については,xの係数が偶数である簡単な例を取り上げ,平方の形に変形して解く方法があることを知ることにとどめるものとする。解の公式は取り扱わないものとする。

◆小学校理科第3学年

新学習指導要領 現行学習指導要領
3.内容の取扱い
(2)内容の「B生命・地球」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
イ イの「植物の育ち方」については、夏生一年生の双子葉植物を扱うこと。
3.内容の取扱い
(1)内容の「A生物とその環境」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ウ イの「植物の育ち方」については、夏生一年生の双子葉植物のみを扱うこと。

◆小学校理科第5学年

新学習指導要領 現行学習指導要領
3.内容の取扱い
(2)内容の「B生命・地球」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
イ エについては,おしべ,めしべ,がく及び花びらを扱うこと。また,受粉については,風や昆虫などが関係していることにも触れること。
3.内容の取扱い
(1)内容の「A生物とその環境」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ウ エについては,おしべ,めしべ,がく及び花びらを扱うことにとどめること。また,受粉については,虫や風が関係していることに触れるにとどめること。

(参考)
「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について(答申)」(平成20年1月17日)【抜粋】

6.教育課程の基本的な枠組み

(5)教育課程編成・実施に関する各学校の責任と現場主義の重視

(「はどめ規定」の見直し)

○ 今回の学習指導要領改訂に当たっては、このように各学校がそれぞれの創意工夫を生かした特色ある授業を実施できることが更に明確になるように、学習指導要領の記述を見直すことが求められる。
 具体的には、現行学習指導要領において、「(…の)事項は扱わないものとする」等と定める、いわゆる「はどめ規定」は、これらの発展的な内容を教えてはならないという趣旨ではなく、すべての子どもに共通に指導するべき事項ではないという趣旨であるが、この点の周知が不十分であり、趣旨が分かりにくいため、記述の仕方を改める必要がある。

お問合せ先

初等中等教育局教科書課