宗教法人審議会(第142回) 議事録

1.日時

平成13年10月18日(木曜日) 午後1時30分~

2.場所

東条インペリアルパレス

3.議題

  1. 宗教法人「浄泉寺」の規則変更不認証処分に係る審査請求について
  2. 最近の宗務行政について
    1 宗教法人の書類提出状況について
    2 情報公開法施行状況及び不開示決定に対する異議申立について
    3 商業登記法改正に伴う関係法令の整備について(宗教法人法関係)

4.出席者

委員

手島会長、阿部委員、大竹委員、岡野委員、黒住委員、氣多委員、滝口委員、田澤委員、田中委員、栃尾委員、内藤委員、野﨑委員、長谷川委員、長谷部委員、湊委員、芳村委員

オブザーバー

佐々木文化庁長官、銭谷文化庁次長、遠藤文化部長、鬼澤宗務課長、加藤宗教法人室長、その他関係官

5.議事録

午後1時32分開会

1.開会

○ ただいまから第142回宗教法人審議会を開会いたします。まず、今回3名の委員について異動がありましたので、事務局から報告願います。

○ 宗務課長
 それでは私から委員のご紹介をさせていただきます。
 磯貝洋一委員が、本年9月末でご退任ということでございまして、また、中村恭子委員は、本年6月にご逝去され、宮崎義敬委員は、本年9月末で任期満了ということでございまして、新たに後任として本年10月1日付けで、阿部美哉委員、田中恆清委員、栃尾泰治郎委員が就任されております。

○ ここで新しく就任されました3名の委員から、一言ごあいさつ願いたいと思います。

(各委員挨拶)

○ どうもありがとうございました。次に、事務局にも異動がございましたので報告願います。

○ 宗務課長
 事務局の異動でございますが、本年7月20日付けで、戸渡前宗務課長は文部科学省高等教育局学生課長に異動となりまして、申しおくれましたが、その後任として私、鬼澤が就任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

○ それでは、佐々木長官から一言ごあいさつを願いたいと思います。

○ 文化庁長官
 本日は第142回目の宗教法人審議会でございますが、お忙しいところ、また足元の危ない中ご出席を賜りまして、まことにありがとうございます。
 先生方には第25期の宗教法人審議会の委員をお願いをしておるわけでございますが、本日で2回目ということでございます。先ほどご紹介ございましたように、10月1日付けで3人の方に委員を新たにお願いをいたしましたところ、ご快諾を賜りましたこと、この場をかりまして御礼を申し上げます。ありがとうございます。
 宗教法人審議会は、宗教法人制度を運用するに当たりまして、宗教団体の宗教の特性であるとか、あるいは慣習などに十分な考慮を払いつつ、信教の自由を保障するために、どのような対応をするべきかといったようなことにつきまして、文部科学大臣の諮問機関として置かれているわけでございます。昨今宗教、あるいは宗教団体等に関する国民の関心が高いものがございます。委員の先生方におかれましては、大所高所から法人制度の運用について、さらには専門的見地から、そのありよう等についてご意見を賜ればと思っておるところでございまして、文化庁といたしましても、それらを今後の宗務行政の中に生かし、きちんとした適切な対応をしてまいりたいと思っておるところでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 本日は文部科学大臣あてに、宗教法人の規則変更に係る審査請求が1件参っておりますので、その裁決についてご審議をいただくとともに、若干の報告事項等もございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

○ どうもありがとうございました。それでは審議に入ります前に、本日の配付資料の確認を事務局からお願いします。

(事務局から資料の確認)

○ それでは、次いで、定足数の確認をいたします。宗教法人審議会規則の第6条により、総委員の5分の3以上の出席がなければ、議事を開き議決することができないとされております。本日、20名の総委員中16名のご出席で、定足数を充足していることを確認いたします。
 なお、本日の審議内容の公開について申し上げます。本日の主たる議題は、不服審査に係る案件なので、当審議会における申し合わせにより、不服審査に係る審議の内容については議事要旨が公開となります。また、その他の審議の内容については議事録にて公開となります。さらに、当審議会における申し合わせにおいて、個別の宗教法人名は議事録等では公開しないこととされていますが、答申の中に記載された法人名については、この限りでないとされており、公開されることになりますので、念のため申し上げます。

2.議事

議題(1)

● 宗教法人「浄泉寺」の規則変更認証処分に係る審査請求についての文部科学大臣からの諮問に対し、本件審査請求を棄却する旨の決定をすることを適当と認める旨の答申がなされた。

議題(2)

○ 次いで、議題の(2)に入ります。
 最近の宗務行政について事務局から報告がございます。まず、宗教法人の事務所備え付けの書類の提出状況について報告願います。

○ 宗務課長
 お手元の資料5と書いてある資料でございます。宗教法人の書類提出状況についてご報告させていただきます。
 上段、下段と分けていますが、上段の文部科学大臣所轄分の提出状況については、御覧のとおり前回ご報告させていただいたものと同様でございまして、12年度中については989法人中967法人提出いただきまして、97.8%の提出率ということで、これは既に確定している数字でございます。参考までに過料事件通知書の発送件数5件ということで、確定した数字でございます。
 下段のほうでございますが、これにつきましては集計中ということでございますが、前回は平成13年5月末時点での数字でございましたので、それよりは若干進捗した数字で取りまとめたものでございます。法人総数18万2,681のうち、提出済みの法人が17万4,331ということで、提出率で申し上げますと、95.4%ということでございます。
 前回5月末現在ですと、94.7%という数字であったかと思いますので、それよりは若干上がってきているという状況にはございますが、最終的な平成11年度中の数字、これを前年度ということで括弧で下に書いてございますが、96.2%にはまだちょっといっておりません。引き続き各都道府県において慎重、丁寧に督促等を行っている段階でございます。最終的には昨年並み程度まではいくのではないかと考えているところでございます。また、参考として過料事件通知書の発送件数でございますが、7月末現在で842件ということでございます。これも前回のときは、5月末現在の数字で464件という数字でございましたが、やはり過料事件の発送件数も増えてまいりまして、昨年程度まで上がっていく傾向にございます。
 以上でございます。

○ ただいまの事務局からの報告について、何かご意見、ご質問等ございましたら承ります。いかがでしょうか。
 毎年書類を提出せずに過料処分を甘んじて受けるという法人が、若干出ているわけでございますけれども、文部科学大臣所轄の分については昨年同様5件ということで、都道府県知事の所轄分については、前年分よりも若干減少しておるということです。
 それでは、特にご意見、ご質問等ございませんようでたら、事務局に報告の続きをお願いいたします。

○ 宗務課長
 それでは続きまして、情報公開法の施行状況及び不開示決定に対する異議申し立てについてご説明申し上げます。これは資料の6と7になります。
 これも前回経過ご説明申し上げたわけですが、情報公開法、正式には「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」が本年4月1日から施行されているわけでございます。これにつきましては、この資料の2枚目以降に概要、そして法律の抜粋を掲載させていただいておりますが、確認させていただきますれば、2ページの下段のほうにありますとおり、行政文書、すなわち行政機関の職員が職務上作成し、あるいは取得した文書、図画、電磁的記録につきまして、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして保有しているもの、こういうものについては不開示情報に当たらない限りは、開示請求者に対して開示しなければならないという制度ができたわけでございます。その件につきまして、宗教法人にかかわる書類の請求が、どのようになっているのかということを取りまとめた資料でございます。
 表をごらんいただきますとおり、一番左の欄に請求内容を4つの区分で整理させていただいております。まず1として宗教法人法第25条第4項に基づく提出書類に関するもの、これはご案内のとおり平成7年の宗教法人法の改正によりまして、宗教法人の活動状況を定期的に確認するために、必要最小限のものとして提出を求めているものでございます。それから2規則に関するもの、それから3認証書に関するもの、それから4として認証申請の際の添付資料、そういうふうに区分してございますが、それぞれ9月28日現在、1が3件、2 4件、3 2件、4 1件計10件の開示請求がございました。それに対しまして、それぞれ開示、不開示を決定しているわけでございます。
 1の宗教法人法第25条第4項に基づく提出書類に関するものについては、全て不開示という決定をしております。25条4項に基づく書類につきましては、宗教法人に関する内部情報等が含まれておるわけでございまして、それに対して外部に公開することによって宗教法人に対する第三者からのいろいろな誹謗・中傷等が行われたりして、信教の自由に対する信頼が損なわれないようにということで、原則不開示のほうで処理するというふうに前回もご説明させていただいたところでございます。この表の下のほうに注で、「不開示には、存否応答拒否も含む」と書いてございますように、この不開示につきましては、私ども存否応答拒否として処理をさせていただいています。
 これについては資料の4ページ目に情報公開法の第8条という規定がございまして、行政文書の存否に関する情報ということで、開示請求に際しまして、その開示請求にかかわる行政文書が存在しているか否かをこたえるだけで不開示情報を開示することになるときは、行政機関の長は当該行政文書存否そのものを明らかにしないで、開示請求を拒否できるという規定があるわけで、これに基づいた不開示でございます。この宗教法人法第25条第4項に基づく提出書類には、財産目録等も入っているわけで、それから収支計算書もございます。したがって不開示とすることは、行政庁がその書類を持っている上で不開示という判断をされることになりますから、したがって持っているということは、その法人の収入が今の基準でいいますと年間8,000万円以上あるということを、事実上請求者に対して示すような結果になる。そういうことを踏まえまして、これは存否自体を明らかにしないで不開示と決定とするという対応にしているものでございます。
 また、もちろん今回のケースではございませんけれども、例えば不活動法人、これに対しまして、こういった書類の提出が求められて、不活動法人ですので、書類の提出は所轄庁は受けていないわけですけれども、それを文書がないということで不開示とすれば、その法人は不活動宗教法人ではないかと、そういう推測を与えてしまうというケースも含めて、存否応答拒否という形に対応すると考えているところでございます。
 それから2、3につきましては、これは当然行政行為の結果として私どもが認証等をしているもの、あるいは規則についてはそもそも法令に基づきそしてその宗教法人がそれに基づき活動する根本規範ということで、原則開示する方向で対応しているわけでございますが、ただ、ここで部分開示ということがございますのは、当該規則や認証書の中には当該法人の印影、あるいは責任役員の個人の氏名という個人情報も含まれていることから、こういった非公知の事項である部分については不開示ということで、塗りつぶした形で開示するという、いわゆる部分開示で対応しているわけでございます。
 なお、ここで3の認証書に関するもので1件不開示というものがあるわけですが、こちらのケースは私どもが保有していないという、まさに文書が不存在であるということで不開示にしたケースでございます。
 4は添付書類のケースですが、これは不開示ということで1件決定したものでございます。
 なお、表の2のほうには文部科学省本省・文化庁全体の決定件数、その開示、不開示の状況をお示しさせていただいております。したがって、宗教法人関係の内訳はこういう形になってくるというものでございます。以上が情報公開法の施行関係の状況でございます。
 そして資料の7でございますが、ただいま表で1件、4のところの認証申請の際の添付書類について不開示があるということを申し上げましたが、これにつきましては、不開示決定に対して異議申し立てがなされたわけでございます。5件ある不開示のうちの1件でございますが、それを簡単に概要整理したものでございます。
 経緯は、仮に宗教法人Aとしておりますが、そのAの宗教法人の宗会議事録及び宗会規則の開示請求がありましたのに対し、不開示決定を行ったところ、8月に異議申し立てが行われたということでございます。この宗会につきましては、この宗教法人の規則で定められた、その宗教法人内部の議決機関のことでございます。その不開示の理由としては、私どもはそもそも宗会規則のほうは文化庁では保有していないと、それから議事録については、請求のあった議事録のうち、一部は保有しておるわけですが、その議事録を公にすることによって当該宗教法人の権利を害するおそれがあるということで、不開示としたわけでございます。これに対して不開示を不服として異議申し立てがあったわけですが、現在異議申し立てに対しましては、事前の手続として情報公開審査会に諮問しなければならないということになっておりまして、今、そのための準備を進めているところでございまして、最終的にはこれを踏まえて異議申し立てについて対応を今後決めていくということでございます。
 参考として、今申し上げました情報公開審査会への諮問について、この情報公開法の18条に規定されているので引用させていただいております。
 以上、情報公開法、あるいはそれにかかわる異議申し立てについての状況についてのご説明でございます。

○ ただいまの事務局からの報告について何かご意見なり、ご質問なりございましょうか。
 ただいまのご説明では、文化庁が扱った宗教法人に関する開示請求の中の不開示の5件中1件が、異議申し立ての対象になっているということですが、1件だけ。

○ 宗務課長
 はい。さようでございます。

○ あとの4件はもうそのまま終わっている。部分開示の場合も同様と思われますが、これもないんですね。

○ 宗務課長
 部分開示の場合ももちろん異議申し立てが可能ですが、今のところございません。

○ それでは、特にご意見、ご質問等ございませんようでしたら、事務局からの報告の続きをお願いします。

○ 宗務課長
 それでは資料の8になります。商業登記法改正に伴う関係法令の整備についてという表題で用意させていただいておりますが、宗教法人の登記手続につきましては、商業登記法が準用されているということで、商業登記法の改正に伴って、宗教法人法の準用規定が一部改正されるというものでございます。
 1枚目に大きな図を記載しております。これで簡単に全体の概要、関係をご説明申し上げますが、現在宗教法人法では、宗教法人と所轄庁との関係でいろいろな文書のやり取りがなされるわけでございます。認証申請書、それに伴う添付書類、あるいは年々の備え付け書類の提出、それに対して所轄庁側は認証書であるとか、あるいは認証後の規則を宗教法人に送付、提出するわけでございます。こういった宗教法人法の中で求められている書類については、全て紙に基づく、下に書いてございますが、紙媒体でやり取りが従来から行われておりますわけで、宗教法人側も紙を基本として書類を整えているというのが現状でございます。
 それに対しまして、宗教法人は法務局に対して、設立が認められた場合、あるいは規則の変更が認められた場合、あるいは解散とかそういうケースもありますが、いずれも登記事項になってくるわけでして、その登記に当たっては登記申請書とともに、さまざまな添付書類を法務局に提出することになるわけです。この登記の場面において、今回商業登記法の改正がございまして、電磁的な媒体による書類といいましょうか、そういうものの提出書類も受け付けるという形になっております。さらにさかのぼれば、商法の改正がございまして、商法で会社の定款あるいは貸借対照表といったものを電磁媒体で原本として会社等の組織が作成している場合は、そういうものを電磁媒体でそのまま登記申請に添付できる、そのために今回商業登記法の改正が行われたということでございます。
 実は個々にこれを確認していきますと、宗教法人が原本で書類を紙媒体以外で電磁的に作成し得る場合というのは、注に書いてございますが、基本財産の総額というものが考えられるのみでございます。したがって、こういった基本財産の変更、更正については、原本を電磁媒体で作成されている場合は、添付書類として今後は可能になるという改正をしようとするものでございます。
  もちろん登記申請に当たっては、各宗教法人の例えば責任役員会の議事録であるとか、あるいは規則であるとか、そういうものもあるわけですが、これは宗教法人法によって現状では紙によるものしか認められておりませんので、そういうものは電磁媒体で原本で作成されるということはあり得ません。したがって、あくまで今回の商業登記法の改正に伴って宗教法人の登記手続に影響するのは、添付書類の中でも、この基本財産の総額にかかわる変更のみというのが現状でございます。
 ちなみに改正の条文、非常に形式的でございますが、以下添付資料としてつけさせていただいております。2ページのところにありますように、現在、宗教法人法の第65条で、登記に関して商業登記法を準用しているわけですが、その中で、従来になかった19条の2というのを追加するという、それだけの改正でございます。表現としてはこの第20条というのを、19条の2というふうに変えるわけですが、実態は20条の前に19条の2が追加されるという改正でございます。
 ちなみにこの19条の2がどういう条文かというのは、以下商業登記法の改正新旧対照表を3ページからにつけてございまして、その5ページ目に書かれているとおりでございますが、登記申請書に添付すべき定款、議事録、あるいは最終の貸借対照表、これは商業登記法ですので商法の世界を前提に書かれておりますが、そういったいろいろな添付すべき書類が、電磁的記録で作成されているとき、または登記を申請書に添付すべき書面につきましては、その作成に代えて電磁的記録が作成されているときは、当該電磁記録に作成された情報の内容を記録した電磁的記録を、その申請書に添付しなければならないという規定になっております。ちょっとわかりにくいものでございますが、あくまでも電磁的記録によって原本が作成されているときは、その電磁的記録を申請書に添付しなくてはならないと。例えば紙でもつくっているけれども、そのバックアップといいましょうか、もしあとで修正したり、あるいはいろいろなときに記録の確認のためにフロッピーディスク等々パソコン等で確かに電磁的記録で規則なども用意はしている場合であっても、あくまで原本が電磁的記録で作成されていなければ、この適用にはならないということでございます。
 規則等については本来宗教法人法によって、原本自体が電磁的記録で作成されるということはありませんので、先ほど申し上げたとおりに可能性があるのは、基本財産の総額というケースが、考えられる唯一のケースではないかということであります。
 政府も電子政府化ということで、将来そういうふうに動いていくわけですが、まず経済、商法の世界でそういう動きがあって、一部宗教法人法の世界にそれが入ってきている、極めて一部と申し上げていいと思いますが、そういう改正でございます。実は民法法人もこれと同じ形に今回改正されるということで、いわば民法法人並みの状況に、宗教法人もなっていくということでございます。
 ちなみにこの法律改正につきましては、今月の12日に閣議決定がされて、今後国会での審議が予定されているという段階にあることをご報告させていただきます。
 以上でございます。

○ どうもありがとうございました。そうしますと、ただいまの説明は法案についての説明でしょうか。

○ 宗務課長
 法案でございます。まだ法律にはなっておりません。

○ ということでございます。何かご質問、ご意見ございましょうか。
 特にございませんようでしたならば、本日の議事につきましては以上で終わりますが、これ以外に何かご質問なり、ご意見なりがございましたならば承ります。

○ 宗務課長
 もう1点、その他ということで。

○ まず委員の方に何かあるならば、それを先に伺ったほうがと思います。何かございませんでしょうか。ございませんようでしたら、事務局のほうから。

○ 宗務課長
 失礼いたしました。本日、特に資料は用意しておらないわけでございますけれども、その他のことで1点ご報告をさせていただきたいと思います。
 実は、前回のこの審議会でもご報告させていただきましたが、明覚寺の解散にかかわる状況でございます。前回以降、先月の28日でございますけれども、明覚寺側から任意解散、みずから任意で解散するという認証申請が出されております。宗教法人法上は、この任意解散の認証申請につきましては、所轄庁がたとえその時期に解散命令を裁判所に請求中であっても、当該法人が法に定める手続に従って認証申請することは可能なわけでございます。また任意解散の認証は羈束行為ということで、行政庁は解散手続が宗教法人法の規定、具体的には第44条の規定に従ってなされているかどうかということを審査して、認証か不認証かを決めていく。そしてこの規定に従って、申請を受理した日から3カ月以内に決定をしなければいけないという、時間的な限定もされているわけでございます。その上で44条の規定に従っていると認められる場合には認証せざるを得ない、そういう意味で羈束行為という性格のことでございます。
 しかし、先ほど申しましたとおり、任意解散の認証申請が行われているからといって、司法の中で行われている解散命令の請求手続が中断するという関係にはないわけでございます。従来ご説明申し上げておりますとおり、文化庁といたしましては、宗教法人法第81条第1項第1号及び第2号前段の解散命令事由に該当すると考えて、一昨年、平成11年12月16日に和歌山地裁に解散命令請求を申し立てているわけでございまして、その後、昨年の6月に第1準備書面を提出し、12月には審理促進を求める上申書も提出しているわけでございます。その後、明覚寺側から準備書面、及び第2準備書面が提出されまして、今年の6月には最終的な主張立証として、第2準備書面を文化庁側から提出しているわけで、そういう意味では文化庁側、明覚寺側双方の主張立証は既に尽くされている状況にあるわけです。こういう状況にかんがみて、私どもとしては速やかに解散命令を出していただければと考えているところでございまして、任意解散の認証期限、すなわち申請の受理から3カ月ということでございますが、そのぎりぎりまで、今これを所轄しております和歌山地裁のほうに、法務省とも協議をしながら積極的に、司法の手による法的な解散がとられるよう働きかけていきたいと考えているところでございます。1点、直近の状況ということでご報告させていただきます。

○ どうもありがとうございました。明覚寺の件につきましては、前回取り上げたところでございますけれども、ただいま事務局から説明のあったような現状であることを、事務局からのご報告承りました。
 それでは、特にご発言がなければ、本日はこれにて閉会といたします。どうも長時間ありがとうございました。

午後2時54分閉会

お問合せ先

文化庁宗務課宗教法人室

-- 登録:平成21年以前 --