平成11年3月26日(金曜日)11時~
霞が関東京會舘シルバースタールーム
新堂会長、新井委員、磯貝委員、河合委員、志村委員、手島委員、内藤委員、中村委員、新田委員、庭野委員、能邨委員、野崎委員、細川委員、宮崎委員
文化庁 林田文化庁長官、近藤文化庁次長、水野文化部長、清木宗務課長、小見宗教法人室長、その他関係者
午前11時開会
○ ただいまから第136回宗教法人審議会を開会いたします。
初めに、委員の異動につきまして、御紹介申し上げます。
細川景一氏は、平成10年の4月1日付けで委員になられております。また、磯貝洋一氏は、同年の8月20日付けで委員となられています。今回、初めてこの審議会に御出席になられましたので、御紹介申し上げます。
次に、事務局の方に人事異動がございましたので、御紹介申し上げます。平成10年7月1日付けで、前文化庁次長の遠藤昭雄氏が文部省の体育局長に異動となり、後任として、前文部省大臣官房審議官でございました近藤信司氏が就任されました。
また、前文化部長の霜鳥秋則氏は、長岡技術科学大学副学長に異動となりまして、後任に、前文化庁総務課長兼会計課長の水野豊氏がなられております。
それから、前宗務課長の前川喜平氏は、中央省庁改革推進本部事務局参事官に異動となりました。後任としましては、清木孝悦氏、前文部省初等中等教育局企画官が就任されました。以上、御報告、御紹介申し上げます。
では、林田長官の方から、一言ごあいさつをいただきます。お願いいたします。
○ 文化庁長官
失礼いたします。
年度末の大変お忙しい中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
宗教法人審議会、大変重要なお仕事をお願いしておりまして、特に近年、宗教に対します社会的な関心も大変大きくなってきているというような状況の中で、いろいろ重要な事項について御審議をいただき、時によりましては、本当に相当な回数を年間に開会しなければならないような時期もあったりいたしましたけれども、今回は、たまたまほぼ1年ぶりの開催となり、第23期の宗教法人審議会の最後の会議というように予定をしておるわけでございます。委員の皆様の中には、今回の会議が最後という方もいらっしゃると伺っておりますけれども、これまで委員として御協力をいただきましたことに対しましても、改めてお礼を申し上げたいと思います。
本日の審議会の議題は、お手元にございますように、「最近の宗務行政について」ということになっております。平成7年の法改正によります事務所備付けの書類の提出が昨年から始まっておりまして、その提出状況等につきまして、いろいろ新聞の報道などもなされておりますけれども、一番の最新の状況につきまして御報告をさせていただこうと思っております。
また、あわせて、情報公開法の動きにつきましても、これまでの審議会でも御報告もいたしたこともございますけれども、この関係の審議状況などにつきましても、事務局からの御報告をさせていただきたいと思っているわけでございます。
皆様方の御意見を伺いながら、円滑な宗務行政を進めていくように努力したいと思っております。何とぞ忌憚のない御意見をいただければありがたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○ どうもありがとうございました。
それでは、本日の配布資料の確認をさせていただきたいと思います。事務局からお願いいたします。
○ 宗務課長
それでは、配布資料の2枚目の紙をごらんいただきたいと存じます。
まず、資料1としまして、「文部大臣所轄宗教法人の書類提出状況」についてでございます。
それから、資料2でございますが、「文部大臣所轄の不活動宗教法人の解散命令決定について」でございます。
続きまして、資料の3といたしまして、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律案(抄)」でございます。
それから、資料の4でございますが、「中央省庁等改革に係る大綱(抄)」でございます。
資料の5でございますが、「地方分権の推進を図るための関係法律の改正について」でございます。
それから、資料の6については、「民法の改正(禁治産制度見直し)に伴う関係法律の改正について」でございます。
最後に、この審議会の委員名簿をお配り申し上げております。
以上が資料でございますが、もし不足がございましたならば、お申しつけいただければと存じます。
以上でございます。
○ それでは次に、定足数の確認をいたします。
宗教法人審議会規則第6条によりますと、総委員の5分の3以上の出席がなければ、この審議会は、議事を開き議決することができないと決定されております。
本日、20名の総委員の中で14名の方の御出席をいただいておりますので、定足数を充足していることを確認します。
なお、当審議会における申し合わせがございまして、本日の審議会の御発言等は議事録にて公開となりますので、念のため申し添えさせていただきます。
○ では、議事に入らせていただきます。
最近の宗務行政につきまして、事務局から報告をいただくことになっておりますが、まず、事務所備付け書類の提出状況について御報告願います。
○ 宗務課長
それでは、私から御説明申し上げます。座ったままで失礼をいたします。
資料の1をごらんいただきたいと存じます。
平成7年の法律改正によりまして、1枚目の一番下に(参考)というところがございますが、「宗教法人は、毎会計年度終了後4カ月以内に、役員名簿、財産目録等の事務所備付け書類の写しを所轄庁に提出」しなければならないということ。また、それを怠ったときには1万円以下の過料という罰則があるというような改正が行われておりまして、昨年から、この備付け書類の提出が始まっているわけでございます。
なお、1枚おめくりいただきまして、なぜ昨年から始まっているかというところを、若干御説明申し上げておきたいと存じます。
この法律改正は、平成7年12月になされまして、平成8年の9月15日から施行がなされております。
そして、書類の提出に関しましては、この法律の施行後、初めて訪れる会計年度から適用するというようになっております。
文部省所轄の宗教法人は現在962ございますが、会計年度は各月にばらついております。ごらんいただきますと、最も多いのはやはり4月から翌年3月というところが721法人、それに続きまして、1月からその年の12月までというところが178法人と、ここらが多くなっておりますが、ほかの会計年度をとっている法人も若干ずつあるという状況にございます。
そして、平成8年の9月15日から法律が実施をされましたので、この年の10月から会計年度をとっている法人について、まず最初に適用されるということになりまして、この法人につきましては、10月から翌年9月、平成9年の9月までが会計年度となりますので、会計年度終了後4カ月というのが、昨年の1月末ということになるわけでございます。したがいまして、昨年1月末に提出期限が到来するというのが最も早い書類提出ということになりまして、昨年から書類の提出が始まっているというわけでございます。
それから、書類の提出が期限どおりなされない場合に、どのような対応をするかということにつきましては、約1年前の前回の会議の際に御説明申し上げたところでございますが、1枚おめくりいただきまして次のページをごらんいただきますと、これを概略化したものでございます。例えば、1月から12月、これを会計年度としております法人につきましては、4月末が提出期限になるわけでございますが、期限を過ぎて2カ月以上たっても提出がなされない場合には、文書による督促を行うということにしております。さらに、それから2カ月以上たっても提出がなされないという場合には、過料事件通知書を管轄の裁判所に送付するというような手順になっているわけでございます。
もっとも、この間、黙って提出がなされるのを待っているというわけではございません。電話等により個別に督促を行ったり、あるいは、どういう書類を提出したらいいのかわからない、あるいは提出期限がわからないというケースもございますので、そういう場合には懇切に御説明するなどいたしまして、そういう努力を重ねても、どうしても提出をいただけないという場合には、やむを得ない措置といたしまして、過料事件の通知書を送付するという手続をとるということといたしたわけでございます。
そういう前提で、1枚目の資料にお戻りをいただきたいと存じます。
文部省所轄法人、962の法人のうち、941の法人から書類を提出いただいておりますので、提出率は97.8%となっております。私どもといたしましては、文部省所轄法人につきましては、ほとんどの法人から書類提出制度に沿って対応をいただき、提出をいただいたというように受けとめているわけでございます。
したがいまして、この差の21法人から提出がなかったわけでございますが、この21法人のうち、いわゆる不活動法人と考えられる法人が18法人ございます。したがいまして、それを除きますと、3法人残りますが、この3法人につきまして、これまで過料事件通知書を関係の裁判所に送付をしたというわけでございます。
この3法人のうち、1法人は、提出期限が去年の4月末でございましたので、昨年の9月の下旬に、それから、2法人につきましては、提出期限が昨年の7月末でございましたので、12月の中旬に過料事件通知書を送付したというわけでございます。
なお、過料事件通知書を送付した法人の固有名詞につきましては、私どもといたしましては公表はいたしておりませんが、新聞などで報道されておりますが、これはマスコミの取材による報道であるというように受けとめているわけでございます。
また、9月の下旬に過料事件通知書を送付いたしました1法人につきまして、私どもから過料事件通知書を裁判所に送付いたしました後は、これは裁判、つまり司法の世界で判断される事柄でございますので、どのようになったか、私どもには直接の連絡はございません。しかしながら、2月に新聞報道がなされておりまして、それによりますと、9月の下旬に過料事件通知書を送付いたしました法人について、地方裁判所におきまして1万円の過料の決定がなされたということのようでございます。
なお、この過料の決定につきましては、裁判上争う道もあるわけでございますが、その当該法人は、そのような手続をとっておりませんので、この1万円の過料の決定というのが確定をしているというように承知しているところでございます。
この提出状況につきまして、提出期限別に整理してみたものが、下の1、2、3という数字でございます。
まず、提出期限が1月末から6月末の法人について見ました場合に、193法人のうち190から提出をいただいております。未提出の3法人のうち2法人がいわゆる不活動法人、1法人については過料事件通知書を送付したというわけでございます。
それから、2の提出期限が7月末の法人でございますが、721のうち703法人から提出をいただいております。18法人から未提出でございますが、うち16法人が不活動と思われる法人。2法人について過料事件通知書を昨年12月中旬に送付をしたというわけでございます。
3の8月末から12月末までの法人でございますが、これは48法人すべてから提出をいただいております。
以上が文部省所轄の法人についての書類の提出状況でございます。
なお、下の方に「(参考)都道府県所轄の提出状況」、これは今年の1月末の状況を都道府県を通じて調べたところでございますが、18万3,000余りの法人のうち、16万弱の法人から提出がなされておりまして、この時点での提出率は87%となっております。
都道府県は、多いところでは9,000もの宗教法人を所轄し、一方で、担当職員が二、三名程度というような中で書類の提出の事務を扱っておりますので、私ども文部省所轄法人に比べますと若干遅れぎみではございますが、同様の努力を重ねて書類を提出いただいている、提出率も高まってきているという状況にあるわけでございます。
なお、未提出法人、これは文部省所轄法人でございますが、21のうち18法人が、いわゆる不活動法人と思われるというふうに先ほど申し上げましたが、この中には、これまで不活動ではないかと思われていたものに加えまして、今回の書類提出が始まったことによりまして、新たに不活動ではないかというふうに判明した法人も数法人含まれているところでございます。
不活動法人につきましては、これまでも申し上げてまいりましたとおり、任意の解散をしていただく、あるいは合併をしていただく、あるいは役員もいなくなっていて、そういう措置もとれないという場合には、場合によっては解散命令請求も行うというようなことも含めまして、不活動法人の整理をこれまで同様に進めてまいりたいと考えております。
なお、そのことに関連いたしまして、資料の2をごらんいただきたいと存じます。
これは、文部省所轄の宗教法人について解散命令請求を行うということにつきまして、前回の会議におきまして御報告を申し上げていたところでございますけれども、1つは、神道石鎚派という宗教法人、それからもう一つは直霊教といいます宗教法人についてでございますが、この2法人につきまして、解散命令請求を行いました。神道石鎚派につきましては昨年の5月6日に、また、直霊教につきましては、昨年の10月12日に、それぞれ地方裁判所におきまして解散命令の決定がなされておりますので、この点、御報告を申し上げておきたいと存じます。
提出書類の関係は以上でございます。
○ どうもありがとうございました。
ただいまの事務局からの報告につきまして、何か御質問、あるいは御意見ございましたら、承りたいと存じます。
○ 資料1の最後の「参考」のところでございますが、都道府県の提出状況、これは全体としてわかりますが、各都道府県の提出状況、詳細などは発表いただけないのでしょうか。
○ 宗務課長
まだ、現在、それぞれの県で努力中といいますか、進行中の状況でございますので、現段階ではまだ個別の県の状況はちょっと差し控えさせていただきたいと存じておりますが、いずれ最終的にまとまりました段階では、また御報告を申し上げたいと存じます。
○ よろしゅうございますか。ほかにございますでしょうか。特にございませんようでしたら、事務局から、さらに情報公開法案の審議状況等について御説明を承りたいと思います。お願いいたします。
○ 宗務課長
それでは、続きまして、情報公開法の関係を御説明申し上げたいと存じます。資料の3をごらんいただきたいと存じます。
前回の会議の際に、情報公開法案が、昨年の通常国会に提出がなされるということで、その詳細につきまして御報告を申し上げたところでございます。
その後、昨年の通常国会にこの情報公開法案が提出をされました後、ずっと継続審議になっていたわけでございますが、今年の通常国会におきまして、去る2月に衆議院におきまして、一部修正の上、可決がなされまして、現在、参議院で審議が行われているという状況になっているわけでございます。
そして、この情報公開法の関係につきましては、宗教法人法に基づき提出されました書類、これは行政文書に該当するわけでございますが、これについて開示請求があった場合にどうなるのかという点がポイントになるわけでございますが、これに関連いたします条文が、ここで抜粋してお配り申し上げております第5条というところになるわけでございます。
第5条は何を決めているかと申しますと、開示請求があったときに、行政文書に次の各号に掲げる情報、これは「不開示情報」ということになっておりますが、のいずれかが記録されている場合を除いて、開示しなければならない。したがいまして、ここに掲げます不開示情報に該当する場合には開示しなくてもよいということになるわけでございます。
その第2号に、「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。」これが不開示情報になるわけでございます。
そして、そのイというところに線を引っ張ってございますが、「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」これが不開示情報として挙げられているわけでございます。
前回の会議の際に、この点につきましては、当該法人等の権利、この「権利」の中には、憲法上の権利でございます信教の自由は当然含まれるということ、そしてまた、宗教法人からの提出書類の内容、これが開示されますと、それが第三者にみだりに使用されることによりまして、信教の自由が害されるおそれがあること、したがいまして、登記事項など公知の事実を除いて、提出書類の内容については原則不開示の扱いになる。この条文に関しては、そういう考え方になるということを、前回の会議でも申し上げたところでございます。
この点につきまして、前回の会議以降、この法案の国会審議がなされる中で、国会答弁におきましても、その点が明確にされておりますので、その点を御報告申し上げておきたいと存じます。
1枚おめくりをいただきまして、これは、衆議院の内閣委員会の議事録でございますが、真中の段の一番最後の行からごらんいただきたいと存じますが、ここで述べられている「権利」、この法人等の権利でございます、「権利」とはいかなる権利を保護しているのか、という質問に対しまして、総務庁長官が答弁をしております。
「法人等」には宗教法人が含まれるということ、それから、「その「権利」には「当該法人等」の有する日本国憲法や法律上の権利はすべて含まれる」ということ。そして、憲法が保障する権利、信教の自由などが掲げられておりますが、信教の自由が、その憲法が保障する権利には含まれるということなど、総務庁長官が答弁をされているわけでございます。
それから、1枚おめくりをいただきまして、それでは、宗教法人からの提出書類の開示請求があった場合に、どういう扱いになるのかという点につきまして、前宗務課長が、衆議院の内閣委員会で答弁をいたしております。
真中の段、傍線の部分をごらんいただきたいと存じます。
宗教法人から提出される書類のうち非公知の事実に係るものに関しては、これが一般に知られるところになると、第三者によって、例えば誹謗中傷など、自由な宗教活動を妨害するための材料などに使われて、そのため宗教法人及び関係者の信教の自由、特に宗教上の結社の自由が害されるおそれがあるということ。
それから、公にすることにより当該法人等の権利を害するおそれがある情報を不開示情報と法案上しておりますが、ここに言う権利には憲法上の権利である信教の自由が当然含まれるということ。したがいまして、宗教法人の提出書類のうち非公知の事実に係るものについては、原則として不開示情報として取り扱うということ。これらの点につきまして、前宗務課長が答弁をいたしております。
以上、御報告を申し上げておきたいと存じます。
○ どうもありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、特に御質問や御意見ございましたら、どうぞお述べいただきたいと思います。よろしゅうございますか。それでは、さらに、今度は「中央省庁等改革に係る大綱」につきまして、さらに御説明をお願いいたします。
○ 宗務課長
それでは、続きまして、関連いたします事柄3点につきまして御報告を申し上げておきたいと存じます。
まず、資料の4をごらんいただきたいと存じます。
これは、現在進めております「中央省庁等改革に係る大綱」、今年の1月26日に決定がなされたものでございます。
この中では、各省庁の統合なども行われるわけでございますが、この中に一つ、審議会の整理合理化という事柄も含まれているわけでございます。その部分の抜粋が、次のページからでございます。2枚目をごらんいただきたいと存じます。
政府全体の審議会の整理合理化の方針といたしまして、(1)からずっと書いてございますが、例えば、活動が不活発なものは基本的に廃止するということでございますとか、(2)の時限が付されているものについては、時限の到来あるいは任務の終了をもって廃止をするということなども掲げられておりますが、ポイントは(3)、(4)でございますが、まず、(3)にございますように、政策審議あるいは基準作成の機能を持っている審議会については、原則として廃止をするという方針が示されております。
1)は飛ばしまして、2)にございますように、基本的な政策について審議するものだけを、数を限定して存置をする。そういうものを除いては、政策審議を行う審議会については、原則として廃止をするという方針が一つございます。
それから、(4)にございますように、行政処分関与・不服審査等の機能を持つ審議会。これにつきましては、その必要性を見直した上で必要最小限の機能に限定して存置をするという方針になっているわけでございます。
その方針にのっとって、どういうふうに整理するかというのをまとめたものが次のページでございます。
現在、政府で211の審議会がございますが、うち118の審議会を廃止してしまうというような内容になっているわけでございます。
この中で、当宗教法人審議会がどのような位置づけになっているかというわけでございますが、1の「存置する審議会」の「(2)不服審査・行政処分及び基準作成等、法律の施行に関する事項のみを審議するもの」ここに含まれているわけでございます。ここの一番最後に「宗教法人審議会」が入っておりますが、当宗教法人審議会は、不服審査・行政処分等の機能を行う審議会というように整理をいたしまして、何とか存続させる審議会に入るように努めたというわけでございます。
ちなみに、文部省の審議会は、現在、全部で17ございます。この17のうち12の審議会が廃止をされてしまうというようになっているわけでございます。残る審議会は5つだけであるわけでございますが、御参考までに御紹介いたしますと、1の(1)の基本的な政策の企画立案に関する事項を審議するものとして存続するものといたしましては、その最後尾にございます中央教育審議会と文化財保護審議会、この2つだけでございます。
それから、宗教法人審議会と同様に、不服審査等の機能を持つ審議会として存続するものといたしましては、(2)の後ろの3つ、教科用図書検定調査審議会と大学設置・学校法人審議会、それとこの宗教法人審議会、この3つということになっておりまして、この合計5つの審議会だけが存続をするということになっているわけでございます。
なお、これに関連いたしまして、中央省庁等の改革に係ります、いわゆる一括法案の中で宗教法人法につきましても、若干の必要な改正が今後なされることになるわけでございますので、御承知おきをいただければと存じます。
以上が資料の4の関係でございます。
続きまして、資料の5をごらんいただきたいと存じます。
これも法律改正に関連して、宗教法人法についても若干の改正が行われるという事柄について、御報告を申し上げたいという内容でございます。
地方分権の関係でございますが、地方分権のための関係法律の改正法案、これが実は本日、閣議決定されたというように先ほど聞きましたけれども、政府全体で500本にも及ぶ法律改正がなされる中で、宗教法人法についても若干の改正がなされるという事柄でございます。
どの点が関係あるかと申しますと、昨年の5月に「地方分権推進計画」という計画が取りまとめられておりまして、この中で、地方分権の一つの課題といたしまして、これまでございました機関委任事務というのがございます。この機関委任事務を廃止いたしまして、この事務を再構成しようという事柄がございます。
宗教法人に関係いたしますのは、都道府県の知事が行います宗教法人に関する事務、これを機関委任事務から法定受託事務というものに整理をする。そのために、宗教法人法についても若干の改正が必要になるという事柄でございます。
ちょっと1枚おめくりをいただきまして、若干御説明申し上げておきたいと存じますが、現在、地方公共団体が行います事務の中に、機関委任事務というのがございます。
簡単に、どういうものか申し上げますと、一番左に縦書きになっておりますように、地方公共団体の長が国の機関として処理する行政事務、例えば都道府県知事にあっては、主務大臣の指揮監督を受ける、そういう事務が機関委任事務であるわけでございます。そして、現在、宗教法人に係ります都道府県知事が行う事務も、この機関委任事務に整理がなされているわけでございます。
これを今回、地方分権を進める中で、法定受託事務と、それ以外の自治事務、これに区分をしようというわけでございます。
それでは、法定受託事務というのはどういう事務かということでございますが、簡単に申し上げれば、現在の機関委任事務の基本的性格を、ほぼそのまま引き継ぐものというふうに御理解いただければと存じますが、ちょっと読ませていただきますと、「法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの。」というふうになっているわけでございます。簡単に申し上げれば、全国的な観点から、統一的な処理が必要なものというふうに言えるわけでございます。
これらの法定受託事務として整理されているものといたしましては、宗教法人に関する事務のほか、例えば、学校法人の寄附行為の認可等の事務があるわけでございます。
一方で、自治事務でございますが、「地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のもの。」これをその地方公共団体の自治事務とするというわけでございます。
こちらの方で整理されるものとしましては、例えば、教員免許状の授与ですとか、あるいは一番下にございます、私立学校の設置廃止等の認可等が、こちらに整理がなされているわけでございます。
それで、恐縮ですが1枚お戻りをいただきまして最初のページをごらんいただきたいと存じますが、2の「改正概要」のところに書いてございますように、先ほど申し上げましたように、法定受託事務として位置づけるためには、その当該法律において、こういった事務が法定受託事務であるということを規定しないといけないということになっているわけでございまして、したがいまして、宗教法人法におきましても、都道府県の知事が行います宗教法人に関する事務、例えば、宗教法人の規則の認証ですとか、提出書類の受理など、都道府県知事が行う宗教法人に係ります事務は、すべてここに含まれるわけでございますが、このような事務につきまして、宗教法人法上、法定受託事務であるということを定める必要がございますので、そのような新たな条項を宗教法人法上設けるというような改正が今回なされるわけでございます。
資料の5につきましては、以上でございます。
続きまして、恐縮でございますが、資料の6をごらんいただきたいと存じます。
これは、民法等の改正に関連して、宗教法人法上、若干の技術的な改正が行われるというものでございます。
新聞記事を資料にいたしておりまして大変恐縮でございますが、今回、民法の改正が行われまして、禁治産制度という制度がございますが、この制度が見直されることになっております。現在、民法上、「禁治産者」、「準禁治産者」という2つの類型が定められております。この類型に該当する場合には、一定の法律行為について後見人の同意が要るとか、あるいは取り消しができるというような扱いになっているわけでございますが、今回の改正によりまして、「禁治産者」という制度を「成年被後見人」という制度、それから、「準禁治産者」の制度を引き継ぐものといたしまして、「被保佐人」という制度に改称しました上で、さらに、比較的軽度の人も対象にした「被補助人」という新たな類型を加えて3類型にしようというような改正がなされるわけでございます。禁治産者については、基本的には成年被後見人制度、それから準禁治産者については、被保佐人制度に基本的には引き継がれるわけでございます。
それでは、宗教法人法について、どこが関係あるかでございますが、1枚おめくりをいただきまして、上段が改正案、下段が現行になっているわけでございますが、現行の方をごらんいただきますと、これは、宗教法人の役員の欠格事由の規定でございます。役員の欠格事由の規定の中に、第22条第2号といたしまして、禁治産者及び準禁治産者、これが欠格事由に挙げられているわけでございますが、今回の民法の改正に伴いまして、この名称を成年被後見人又は被保佐人というふうに改める必要があるという技術的な改正がなされる予定でございますので、御承知おきをいただきたいと存じます。
なお、御参考までに申し上げますと、例えば公務員の欠格事由といたしましても、国家公務員法、あるいは地方公務員法上、禁治産者、準禁治産者というのが挙げられておりますし、また、校長や教員の欠格事由といたしまして、学校教育法上、禁治産者、準禁治産者というのが規定されておりますが、これらにつきましても同様に改正がなされる予定でございます。
以上、まとめて申し上げて恐縮でございましたが、以上でございます。
○ どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問あるいは御意見を承りたいと思います。
○ 資料4の最後の方の、宗教法人審議会が、今度、(2)の「不服審査・行政処分及び基準作成等、法律の施行に関する事項のみを審議するもの」ということになりましたけれども、例えば、法の改正ということは今後ないわけでしょうか。そういう場合には、審議会には諮問されないというわけでしょうか。
○ 宗務課長
現在の宗教法人審議会の審議事項としましては、先生もご承知のとおり、例えば、文部省所轄の法人の規則について不認証にする場合でございますとか、あるいは不認証にしたものについて審査請求が上がってきました場合ですとか、幾つかの事柄につきましては、必ず宗教法人審議会に諮らなければならない、いわゆる必要的付議事項というのが定められております。
一方で、宗教法人制度と申しますか、そういう制度全般につきましてもご審議をいただけるということになっておりまして、それによりまして、例えば平成7年の法律改正につきましても、この審議会からの報告をいただいて、政府におきまして、改正法案を作成したということになったわけでございます。
ところが、今回のこの政府全体の審議会の整理の方針といたしましては、この不服審査・行政処分に関することを行い、かつ政策審議を行うという形の審議会というのは、一切認められないということになっておりまして、この宗教法人審議会を存続するためには、この行政処分・不服審査事項のみを審議する審議会というふうにいわば整理するしか存続の道はなかったわけでございますが、ただ、例えば、不認証処分についてご審議いただきます際に、それに関連する意見交換をしていただくということは当然あろうかと思いますし、また、仮に将来、宗教法人法、宗教法人制度に係ります点について何らかの法律改正を行うような必要性が生じました場合に、その際にどういう形になるか、宗教法人審議会の審議事項そのものとして審議いただくことは仮に難しいといたしましても、何らかの形で同様に、宗教関係者あるいは学識経験者の先生方からご意見を聞きながら進めていくことになろうということは、当然の事柄ではなかろうかというように考えております。
○ 何か窓口が全然閉ざされてしまうという不安を感じまして。
ありがとうございました。
○ ちょっと関連いたしますけれども、ただいまのご説明ですと、宗教法人法の71条の2項、これが若干改正になる可能性はあるということですね。
○ 宗務課長
ご指摘のとおりでございます。71条の審議事項につきまして若干の改正がございますほか、ほかの条項で申し上げますと、例えば72条で、委員は「文部大臣が任命する。」となっておりますが、この「文部省」というのも新たな名称になる可能性もございますので、そういったところも関連して改正がなされるということになる予定でございます。
○ ほかにございますか。
特に今の点につきましてご質問ないようでございましたら、一応予定いたしました議事につきましては、以上でございます。
○ せっかくの機会でございますので、予定しました議事以外に、何か御質問なり御意見がございましたら、お承りしたいと存じます。
○ 1号議案に関連するんですけれども、今、京都仏教会がこの提出書類について大変反対をしておりまして、いろいろと物議を醸しておるんですけれども、実際にこの提出書類を、いろいろと指導なり実行していくうちで、やはり矛盾点があるのではないかと思うのです。
まず一つは、もちろんその内容についてはともかくも、提出書類を出して、それを受け取ったか、受け取らないかという返事も来ないということ、第1点ですね。実際に郵送して、着いたとも何の返事もないということ。
それから、第2点でありますけれども、大体、代表役員とか責任役員というのは、ほとんどかわらないんですね。普通、最低10年や20年は同じ方がずっと続くわけでございまして、それを毎年毎年出さなきゃならないのか。例えば、交代したときに出せばいいとか、もう少し便宜を図る方法があるのではないかと、こう思います。
そういう意味において、それほど変化がない、ほとんどがほとんど変化がないと思うんですね、いろいろな財産内容につきましても。そういう中で、毎年毎年こういうことを積み重ねていくというのは、やはりちょっと事務雑多になるのではないか、こういう危惧がございますので、その点、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○ 事務処理の仕方などについては、各都道府県において若干の差はあるんですか。
○ 宗務課長
県の場合、多いところでは、例えば愛知県でございますけれども、9,000もの法人を所轄して、一方で担当者は数名しかいない。通常、県の、例えば総務部の文書課という課の中で、宗教法人関係だけではございませんで、私立学校あるいは学校法人関係、その他の事務の一つとして宗教法人も扱っていて、担当者が大変少ないという中で、提出のお願い、督促に忙殺されているということもございまして、できれば、受け取ったというご連絡を申し上げた方が、提出いただいた法人にとってはよろしかろうとは思うのでございますが、特に初年度でもございますので、督促に忙殺されているという面もございますので、なかなかそこまで手が回らないという点があるのではという気がいたします。
それから、もう1点御指摘の点でございますが、役員の変更がどの程度の期間ごとに行われるのかという点でございますが、宗派あるいは法人によって、これもまちまちであろうかと考えておりまして、法人によっては、比較的頻繁に役員の交代が行われているところもあるのではなかろうかと考えております。例えば、今回の書類の提出がきっかけになって、役員が変更されていたにもかかわらず登記がなされていなかったということが判明いたしまして、結局、登記をしていただくようにお願いをしたということも、私ども所轄の法人についてはございました。
いずれにいたしましても、役員名簿、これは事務所の備付け書類になっているわけでございまして、改正以前から事務所には、本当は備付けていただいていたはずなんでございまして、その写しを毎年出していただければいいというわけでございますので、それほど、毎年いただくからといって煩雑になることはないのではなかろうかと。もとより初年度でございましたので、今まで、例えば事務所に備付けていなかったというところについては、新たにお作りいただいて提出していただくという点で大変であったという法人もあったかもしれませんが、年々、この制度を定着させていきますならば、それほど御負担にならないのではないかというふうに考えております。
以上でございます。
○ これは仄聞するところでございますけれども、未提出寺院に対して、きちんとした指導をするのではなく、ただ代表役員の名前さえ書いて出してくださればいい、こういう指導をしていらっしゃるところもあるそうですけれども、では、この書類を提出することは一体どういうことか疑問に思う場合がありますから、もう少しきちんと、出すべきものは出すとして指導してもらいたいし、そして、出さないというところには、きちんとした対応をとってもらわないと、京都では混乱が起きている状態でございますので、ひとつよろしくどうぞお願いいたします。
○ 宗務課長
これも、すべて初年度だからというせいにするのは申しわけないんでございますけれども、たくさんの法人を対象にして、できればきっちりした書類を出していただくのが一番よろしいかとは存ずるわけでございますが、何分初年度ということもあって、中には、必ずしも十分でない書類というのもあるかもわかりませんが、そういうところにつきましても、年々、積み重ねていくことによりまして、きっちりしたものにしていただきたいというふうに考えておりますし、また、都道府県に対しましてもそういうことを申しております。
なお、御参考までに、どういう効果があるのかという点につきまして、若干御紹介を申し上げますと、まず、先ほど申し上げましたように、事務所に備付けることにはなっていたわけですが、これまで実は備付けていなかったというところについて、この提出をきっかけに備付けていただくようになったという例もあろうと思いますし、あるいは法律上、役員は3人以上ということになっておりますし、また規則でも、例えば5人というふうに定めている場合もあろうかと存じますが、実は、法律や規則に定められた役員が発令されていなかったというケースもあるようでございますが、そういったところには、規則にのっとった役員の発令をお願いするというようなケースもございますし、また、規則上、会計年度が1月から12月となっているのに、実際には4月から翌年3月という運用をしていたというケースもございますが、その場合には、規則にのっとるのか、あるいは規則を実態の方に合わせるよう改正するのかというような対応をしていただくようにお願いするというケースもございますし、そういった例を始めとしまして、書類の提出によりまして、法人の管理・運営につきまして、改めて見直すきっかけにしていただいているというような効果もあるのではないかと存じておりますので、御紹介を申し上げておきたいと存じます。
以上でございます。
○ ほかに、どうぞ。
○ ちょっと関連の薄いご質問かと思いますが、私の勉強のためにちょっとお伺いしたいことがございます。この報告書の提出状況が、私が予測しましたよりかなりいいので、実はちょっとびっくりしたのでございますが、この過程において、信教の自由、その他憲法上の権利は十分に尊重するというご説明をいただいたのでございますけれども、この法律の制定の過程において、また宗教法人側から、このような報告を毎年義務づけられること自体が信教の自由を損なうというようなご意見はどの程度あったのか。
また、これは簡単に触れていただければよろしいんですけれども、諸外国では、これに類似した報告制度はどの程度あるのでございましょうか。
○ 宗務課長
まず最初の点でございますが、例えば提出期限7月末という法人につきまして、提出期限どおり出していただいた法人は、実は44%しかございませんでした。それで、その後、未提出の法人につきましては、個別に電話で連絡をとるなどいたしました。そうしますと、中には、法律改正自体御存じなかったというところもありますし、法律改正はわかっていたけれども、いつまでに何を出せばいいのかわかっていなかったというようなところもございましたので、そういうところには、わかりやすいパンフレットなどをお送りしまして、提出いただけるようにお願いに努めました。
そういう中で、先生おっしゃいました信教の自由の点で問題があるというようなご指摘を受けたケースはほとんどございませんと申しますか、最終的には提出いただけなかったところが、中にはそういうお考えなのかなというように受けとめているわけでございます。
私どもとしましては、法律改正のときからの議論の繰り返しになるわけでございますが、役員名簿にいたしましても、財産目録などにいたしましても、法人の管理・運営に係ります客観的な資料でございますので、また、それをいただきました私どもにおきましては、絶対にそれを外に漏らすことのないような取り扱いにするわけでございますので、信教の自由の侵害というような問題は生じないというように考えているところでございます。
次の御質問の諸外国の扱いなんでございますが、諸外国、欧米の主要国だけを見ましても、宗教団体に係ります制度はまちまちでございまして、例えば宗教団体だけに係ります制度を持っている国というのは、おそらくほとんどないような状況ではないかと思います。一般の公益法人の一つとしての扱いをしている国もございますので、そういう国におきましては、例えば日本におきましても、一般の民法法人、公益法人につきましては、所管庁の監督権が及びまして、詳細な書類の提出あるいは調査というような権限が及ぶ場合もあるわけでございまして、そういう国におきましては、同様の取り扱いになっているのではないかと思いますが、ちょっと手元に詳細な資料がございませんので、恐縮でございます。
○ ありがとうございました。
○ ほかにございますか。
○ ちょっと関連して。
私どもの団体では、二、三、主体的に提出しないという宗教法人がありまして、我々の団体でも一度協議をしようというふうに思っています。私たちの事務局では従来から提出しているし、それはその方向で議論しようと思っているのですが、今回、特に伺いまして、非公知の文書については、いわゆる不開示文書である、そういう御報告もいただきましたので、そうした面を徹底して知らせていくということも私たちの仕事かと思っております。先ほどの御質問に対するお答えの中にもございましたけれども、いわゆる提出そのものが信教の自由に触れるのではないかと考える団体は未提出ということで意思表示をしているのではないかというお答えでした。そうしたところは、今後、地方裁判所の方で過料に付されるかどうか、それについては司法の領域なので、文部省としては報告はないということですが、そうしますと、いわゆる過料を払い続けることで、一つの意思表示をしていくという方法もあるんですけれども、そうしたことについて、文化庁としてはどのように対応しようとしていらっしゃるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○ 宗務課長
これはお答えになるかわかりませんが、時々、1万円さえ払えば提出をしなくてもいいのかという御質問を受けることもあるわけですが、この宗教法人法上の罰則に限らず、刑法なども含めまして、罰則というのは、いわば法律を実施するための担保という位置づけでございまして、どちらかとればいいという二者択一のものではないのではないかと思っております。
それで、たとえ昨年提出いただかなかった法人につきましても、引き続き私どもとしましては、毎年毎年、提出をお願いをしていくというつもりでいるわけでございます。
なお、先ほど過料事件通知書を送りました一法人につきまして、過料の決定が2月に地方裁判所でなされたようだというようにご紹介いたしましたが、地方裁判所での過料の決定につきましては、不服があります場合には、高等裁判所に上げて争うことができます。さらに高等裁判所でそれが棄却されました場合に、憲法上の問題があるというような場合には、最高裁に上げて争うこともまたできるというふうになっているわけでございます。
信教の自由といいますのは、憲法上の権利でございますので、もし仮に、信教の自由、憲法上問題ありというようなお考えであれば、司法上は最高裁まで争う道もあるというわけでございますが、この法人については、そういう選択はとられなかった、したがって、1万円の過料の決定が確定したというように承知しているところでございます。
○ よろしゅございますか。ほかに。
○ もう既に十分お触れになったことでございますけれども、提出を求められること自体が信教の自由を侵すことになるのではないかという、そういうご見解から、かたくなにそれを拒んでおられる教団があることは、もう新聞報道などで事実なのでありますが、このことは、翻って考えてみますと、宗教法人というものを隠れみのにした悪徳なことが行われているのではないかという社会的な疑念というようなものがやはりあるわけでありまして、それを払拭するためにも、そして宗教界の、これは良識といいましょうか、秩序というものが社会的に問われているんだというように受けとめますならば、このことには各宗教団体ともに、それなりに前向きに対応しなければならない、そういう性質のものであろうと思います。しかし、よく世間で使います透明性というふうなことを、極端に申しますと、すぐ情報公開というふうな言い方にもなるわけでございますので、先ほどもご指摘がありましたように、不開示文書であるというような点については、今後、どういう社会的な声が上がってまいりましても、これはやはりきちんと守っていかなきゃならない重要な点であろうというように思いますし、その辺の安心というものがあれば、もっと、この書類提出についても成果が上がっていくのではないかというようにも思うわけでございます。
以上でございます。
○ ありがとうございました。
○ 私も、委員の御意見に賛成なんですが、皆さん、もう見られたと思いますが、NHKのテレビで、宗教法人の売買をやっている人が堂々と出てきておりまして、そして、いかに売買できるかなんていうことを話をしているわけですね。そういうのは、やはりNHKのテレビでちゃんと出ているんですから、国民全部は、やはり宗教法人に対して、非常に立派な、それこそ、ここにおられるような立派な仕事をしておられる方と全く違う方の法人があると考えていますので、これはやっぱり、こちらが襟を正して、そんなばかなことはないのだということを示す必要があるのではないかというように私は感じております。
○ 大変いろいろ貴重なご意見を承りまして、大変ありがとうございました。
もし、このほかにご発言がないようでございましたら、本日の会議はこれで閉会させていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
どうもありがとうございました。
午後零時4分閉会
文化庁宗務課
-- 登録:平成21年以前 --