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文部科学省国立研究開発法人審議会における評価の在り方についての議論のまとめ

平成29年8月22日
国立研究開発法人審議会

  文部科学省国立研究開発法人審議会において行われた国立研究開発法人の評価の在り方に関する議論は、次のとおり。

【平成29年度】

1.評価手法について

○ 極めて挑戦的な達成目標(アウトカム)の場合には、アウトカムに至るプロセスの評価も組み入れた評価手法を採ることで、法人による挑戦的な目標設定とその実現に向けた適切な努力、失敗を次なる改善に生かすモチベーションの維持といったPDCAサイクルの効果的な実施につながる。

○ 期間が長期にわたる研究等については、その時間スケールに応じた評価軸の設定など、評価の考え方を工夫する余地がある。

○ アウトカムを想定して、各年度のマイルストーンを置いた評価をするべきだが、特定の事象の影響が続いていることで研究等に進展が見出しにくい場合には、例えば研究インフラの充実のための活動という面も考慮して、変化率を追加の指標として用いることも一つの方策である。

○ 緊急対応などの当初予定していなかった新しい視点が生じた場合は、その成果をフェアに評価するべき(既に行っている事例は複数の法人であり)。

○ 評価対象年度ではない年度に発生した事象の原因等と評価対象年度の関係については、今後どのように扱うべきか検討が必要(例えば当該年度では考慮しないが、特記事項として記すなど)。

○ 管理系の評価項目については、個別には非常に良い取組も見られるので、評価が上がるようなKPIの設定の在り方についても検討されると良い。

○ 自己評価においては、評価対象となっている成果に加えて、当初の計画から変更した点、工夫した点、こうすれば良かった点などについても記載し、部会において議論を深められるよう工夫すべき。

2.国立研究開発法人審議会の活動の在り方について

○ 国家戦略、産業界のニーズ、国立研究開発法人や他の機関が持つリソースといった全体像を踏まえた活動が重要。

○ 組織ミッション型研究として、大学などでは推進が不可能な、国家に資する研究テーマの取組を重視すべきである。

3.その他横断的事項

○ 日本の国際競争力強化の観点から、各国立研究開発法人間の連携の活性化について、クロスアポイントメントなど具体的なテーマを設定して議論できる場があると良い。

○ 研究者は自分の研究領域に閉じこもりがちなので、周辺領域(研究外項目も含む)に接する機会を作ることも必要では無いか。

○ 国際的な情報発信(国内外の専門家との意見交換等)や、一般国民への情報発信も行われている。情報発信の継続が理解促進には欠かせないことから、情報発信のさらなる充実に期待したい。

【平成28年度】

1.フローチャート等を活用したPDCAの実施について

○ 「研究成果の最大化」という観点からの評価の実効性の向上に向けて、アウトカムとの関連での達成度や達成スピード等の評価が重要であり、中長期目標をフローチャート化(取組→アウトプット→アウトカム→インパクトの関係の見える化)して活用するべきである。

○ 国立研究開発法人においては、中長期目標・計画を達成するためのロードマップを明示し、自らの取組がどのように進捗しているかを明確にするべきである。

○ フローチャートやロードマップの作成に当たっては、評価の妥当性を裏付けるため、できる限り具体的な内容とするべきである。また、これらに記載の無い想定外の成果についても正当に評価すべきである。

○ 評価に当たっては、成果のみならず課題も提示し、当該課題の解決に資するような評価を行うべきである。

2.評価手法の充実・改善について

○ 国立研究開発法人審議会各部会における評価に当たっては、項目ごとに評価の判断基準等の基本的スタンスを明確化するとともに、評価を行う委員間で共有して評価を行うべきである。

○ 法人全体の評価に対する各評価項目(例えば、研究開発成果の最大化や適正、効果的かつ業務運営の効率化に関する項目)の重み付けのバランス等、部会による評価に当たっては、それぞれの部会の判断に過度な差異が生じないよう注意していく必要がある。

○ 研究開発のマネジメントや、他機関との連携も含め、法人のマネジメントを評価できるような考え方が必要であり、共通したマネジメントの評価項目案を作るなど一定程度方向性があると良い。

○ また、国立研究開発法人の自己評価も含め、被評価者による説明に当たっては、取組実績のみならず、取組の効果を測る指標の設定など、可能な限り客観的かつ具体的な根拠を積み上げて行うべきである。

○ 複数の評価項目に該当する成果の評価に当たっては、同一成果を重複して評価することがないよう、項目ごとに異なる視点で評価することを基本とすべきである。同時に、成果を項目ごとに分散・細分化して過小評価することがないように注意が必要である。

○ 世界水準に照らして優れた成果かどうかを判断する相対的な評価のほかに、ポテンシャルとして想定されるレベルを基準とした絶対的な評価があるが、中長期目標が求めるアウトカム・アウトプットとの関係や業務の性質に照らして、どちらの基準を重視して評価すべきか明確にしていくことが必要であり、今後、工夫を行いながら、考え方を整理していくべきである。

3.研究開発成果の最大化について

○ 研究開発のタイプの違いによって「研究開発成果の最大化」の在り方を検討し、中長期目標・計画の作成や評価に反映するべきである。

○ 国立研究開発法人として「研究開発成果の最大化」に向けて、国際的な観点を目標設定や評価に適切に取り入れる必要がある。

【平成27年度】

1.国立研究開発法人の評価について

○ 「研究開発成果の最大化」については、法人自らが業務の特性を踏まえて更なる具体化・明確化を図り、それを踏まえて審議会としては、国立研究開発法人の評価や目標設定の在り方について、検討を深めていくべき。

○ 必ずしも短期間で一定の成果を見込むことが困難であるハイリスクな研究開発であっても、その特性に応じて適切な評価を行うべきであり、挑戦的・長期的な研究開発を阻害するものとならないように留意するべき。

○ 当初の目標にはなくとも、思いがけない研究成果を得ることがあるのではないか。このような成果は現在の目標達成型の評価手法では評価しづらいが、積極的に取り上げるべきではないか。

○ 複数の主体が連携して進めている研究開発については、法人が自身の役割の範囲内で顕著な成果を上げていても、共同事業全体としての課題が発生した際に、どのような評価が適切であるのか、さらに検討するべき。

○ 自己評価においては、結果のみならず、法人の研究開発に係る課題やその対応についても言及するとともに、その評定に至った理由を分かりやすく明示するなど、議論を深められるよう工夫するべき。

○ 研究開発の円滑な推進のため、研究者の目標・研究志向が法人の目標にマッチするようモチベートすることが望まれる。

○ 法人の長を中心とした、理事等による“マネジメントチーム”がお互いのスキルを磨き会いながら有効に機能しているかどうかが重要であり、理事長は、一人で抱え込まずに“マネジメントチーム”を活用して、機構全体をマネージすることが求められる。

○ 国立研究開発法人の管理職に対し,理事長のリーダーシップ・マネジメント能力について匿名の記述式インタビュー(アップワードフィードバック)を実施し、法人の長に対してフィードバックを行ったところ、法人の長からも有意義であったという反応を得ている。

2.研究開発の推進に向けた国立研究開発法人制度の運用等について

○ 国立研究開発法人は、社会のニーズや大学のシーズを活かして開発を行うことで、基礎から応用へスムーズに移行することができると考えられるため、国立研究開発法人と大学や企業との幅広い連携方策を積極的に推進するべき。

○ 一般的に、国立研究開発法人は施設設備の維持管理に係る固定費の比率が高く、運営費交付金が一律に削減されると研究開発業務の実施に支障が生じ得ることに配慮するべき。

○ 国立研究開発法人の会計基準が原則として業務達成基準とされたことについては、法人が行う研究開発の特性を踏まえた弾力的な運用に配慮するべき。

○ 国の政策実現や科学技術水準の向上において、法人の研究開発がどのような役割を果たすべきかという点を十分に留意するべき。

お問合せ先

科学技術・学術政策局企画評価課

(科学技術・学術政策局企画評価課)

-- 登録:平成29年10月 --