【資料10-1】文部科学省国立研究開発法人審議会 運営規則 の改正について

文部科学省国立研究開発法人審議会運営規則の改正について(案)

1.概要

  国立研究開発法人審議会は、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)に基づき、主務大臣が研究開発法人の目標策定・変更や、評価を実施するに当たって、研究開発の持つ長期性、不確実性、予見不可能性、専門性といった特性を踏まえ、科学的知見や国際的水準等に即した意見を述べる役割を担っている。
  昨今、独立行政法人における研究開発の最大限の成果を確保する等の観点から国立研究開発法人制度が整備されるとともに、世界最高水準の研究開発の成果の創出並びに普及及び活用を促進するための特定国立研究開発法人制度が整備された。各々の国立研究開発法人の有する特性を考慮しつつ、その機能を強化するためには、科学技術基本計画等に示されている国立研究開発法人に期待される機能強化の視点も踏まえ、法人全体に共通する横断的な視点から機動的な調査検討を行うことが重要となっている。
  このため、文部科学省国立研究開発法人審議会運営規則を改正し、法人全体に共通する横断的な視点から、機動的な調査検討を行うための「委員会」の設置を可能とすることとしたい。

2.参照条文

○ 独立行政法人通則法(抄)(平成十一年法律第百三号)

(中長期目標)
第三十五条の四 主務大臣は、五年以上七年以下の期間において国立研究開発法人が達成すべき業務運営に関する目標(以下「中長期目標」という。)を定め、これを当該国立研究開発法人に指示するとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 (略)
3 主務大臣は、中長期目標を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、委員会の意見を聴かなければならない。
4 主務大臣は、前項の規定により中長期目標に係る意見を聴こうとするときは、研究開発の事務及び事業(軽微なものとして政令で定めるものを除く。第三十五条の六第六項及び第三十五条の七第二項において同じ。)に関する事項について、あらかじめ、審議会等(内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第三十七条若しくは第五十四条又は国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関をいう。)で政令で定めるもの(以下「研究開発に関する審議会」という。)の意見を聴かなければならない

(各事業年度に係る業務の実績等に関する評価等)
第三十五条の六 国立研究開発法人は、毎事業年度の終了後、当該事業年度が次の各号に掲げる事業年度のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める事項について主務大臣の評価を受けなければならない
一 次号及び第三号に掲げる事業年度以外の事業年度 当該事業年度における業務の実績
二 中長期目標の期間の最後の事業年度の直前の事業年度 当該事業年度における業務の実績及び中長期目標の期間の終了時に見込まれる中長期目標の期間における業務の実績
三 中長期目標の期間の最後の事業年度 当該事業年度における業務の実績及び中長期目標の期間における業務の実績
2 国立研究開発法人は、前項の規定による評価のほか、中長期目標の期間の初日以後最初に任命される国立研究開発法人の長の任期が第二十一条の二第一項ただし書の規定により定められた場合又は第十四条第二項の規定によりその成立の時において任命されたものとされる国立研究開発法人の長の任期が第二十一条の二第二項の規定により定められた場合には、それらの国立研究開発法人の長(以下この項において「最初の国立研究開発法人の長」という。)の任期(補欠の国立研究開発法人の長の任期を含む。)の末日を含む事業年度の終了後、当該最初の国立研究開発法人の長の任命の日を含む事業年度から当該末日を含む事業年度の事業年度末までの期間における業務の実績について、主務大臣の評価を受けなければならない。
3 (略)
4 (略)
5 (略)
6 主務大臣は、第一項又は第二項の評価を行おうとするときは、研究開発の事務及び事業に関する事項について、あらかじめ、研究開発に関する審議会の意見を聴かなければならない

(中長期目標の期間の終了時の検討)
第三十五条の七 主務大臣は、前条第一項第二号に規定する中長期目標の期間の終了時に見込まれる中長期目標の期間における業務の実績に関する評価を行ったときは、中長期目標の期間の終了時までに、当該国立研究開発法人の業務の継続又は組織の存続の必要性その他その業務及び組織の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、業務の廃止若しくは移管又は組織の廃止その他の所要の措置を講ずるものとする。
2 主務大臣は、前項の規定による検討を行うに当たっては、研究開発の事務及び事業に関する事項について、研究開発に関する審議会の意見を聴かなければならない

○ 文部科学省組織令(抄)(平成十二年政令第二百五十一号)

(国立研究開発法人審議会)
第七十九条 国立研究開発法人審議会は、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)の規定に基づきその権限に属させられた事項を処理する
2 前項に定めるもののほか、国立研究開発法人審議会に関し必要な事項については、文部科学省国立研究開発法人審議会令(平成二十七年政令第百九十三号)の定めるところによる

○ 文部科学省国立研究開発法人審議会令(抄)(平成二十七年政令第百九十三号)

(審議会の運営)
第九条 この政令に定めるもののほかに、議事の手続その他審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める

○ 独立行政法人の評価に関する指針(抄)(平成二十六年九月二日総務大臣決定)

(研究開発に関する審議会)
  研究開発に関する審議会は、研究開発の専門性等に鑑み、3つの法人分類のうち国立研究開発法人の分類のみに制度的に明確に位置付けられている審議会であり、主務大臣が国立研究開発法人の中長期目標の策定及び評価の実施に際して重要な役割を果たすことが期待されている。そのため、研究開発に関する審議会の委員構成は、高度な知識及び経験を有する者からなる、専門性と多様性の双方を重視したものとする。
  研究開発に関する審議会は、主務大臣が国立研究開発法人から提出された自己評価書等を基に、年度評価、見込評価、中長期目標期間実績評価、中長期目標期間中間評価及び中長期目標の期間の終了時の検討を行うに際して、研究開発に係る事務及び事業に関する事項について、第三者の立場から、社会的見識、科学的知見、国際的水準等に即して適切な助言を行う。その際、中長期目標・中長期計画の策定時に主務大臣、国立研究開発法人の長とともに確認した評価軸(※)等を活用しながら、自己評価書の正当性・妥当性、長のマネジメントの在り方等についても確認し、国立研究開発法人の研究開発成果の最大化や、適正、効果的かつ効率的な業務運営の確保に向けた運営改善につながる提言を行う。
  また、国立研究開発法人の目標の策定、評価に関して密接不可分な事項(制度運用に関するものなど)についても検討するなど、国立研究開発法人の機能強化に向けて積極的に貢献する

○ 第5期科学技術基本計画(抄)(平成二十八年一月二十二日閣議決定)

(2)国立研究開発法人改革と機能強化
  国立研究開発法人は、国家的又は国際的な要請に基づき、長期的なビジョンの下、民間では困難な基礎・基盤的研究のほか、実証試験、技術基準の策定に資する要素技術の開発、他機関への研究開発費の資金配分等に取り組む組織であり、イノベーションシステムの駆動力として、組織改革とその機能強化を図ることが求められている。
  法人の長は、適切な内部統制の整備・運用などマネジメント力を最大限に発揮し、技術シーズの事業化、国際展開や人材交流等を推進することが求められる。また、我が国の持続的発展に不可欠な基盤となる技術については、国際的な競争優位性、社会への波及効果等を勘案し、国の長期的視野の下、産学官の技術・人材の糾合と技術の統合化を推進する役割が期待される。
  国は、国家戦略の観点から、法人がその役割・ミッションを確実に果たし、国との密接な連携の下での研究開発成果の最大化を達成するよう、研究開発の特性や多様性を踏まえた中長期目標の設定と評価、予算措置等を通じ、法人の適切、効果的かつ効率的な業務運営・マネジメントを促すとともに、法人の役割と中長期的な戦略が国内外に見える形で発信される場の構築等を進める。また、国は、法人の競争力向上に資するよう、研究開発に係る調達等、運用事項の改善に努めるとともに、法人は調達の合理化や、人事システム改革、産学官連携体制の強化といった取組を進める。新たに創設される予定の特定国立研究開発法人(仮称)は、世界最高水準の研究開発成果を創出し、イノベーションシステムを強力に駆動する中核機関としての役割を果たす。国は、その先駆的取組について、他の国立研究開発法人への展開を図る。

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科学技術・学術政策局企画評価課

(科学技術・学術政策局企画評価課)