国立研究開発法人審議会 海洋研究開発機構部会(第8回) 議事録

1.日時

平成29年6月2日(金曜日) 15時00分~16時20分

2.場所

文部科学省18階 研究開発局1会議室

3.出席者

委員

江川委員,三枝委員,ウォリス委員,大久保委員,鈴村委員,知野委員,水本委員

文部科学省

林海洋地球課長,満田海洋地球課長補佐,下村専門官ほか

4.議事録

 今回の議事は、部会長の選任、部会長代理の指名等があったため、文部科学省国立研究開発法人審議会海洋研究開発機構部会運営規則(平成27年6月5日決定)第5条1項の規定に基づき、開会から議題1までは非公開。

(1)議題1 部会長の選任及び部会長代理の指名
 文部科学省国立研究開発法人審議会令(平成二十七年政令第百九十三号)第5条第3項の規定に基づき、委員の選挙により、江川委員が部会長に選任され、また同令第5条第5項の規定に基づき、三枝委員が部会長代理に指名された。
また、審議会の議事運営等について資料1-3から1-5を基に事務局より説明があり、委員から特段の意見等はなかった。

 以降、文部科学省国立研究開発法人審議会海洋研究開発機構部会の公開に関する規則第4条の規定に基づき議事録を公開。

(2)議題2 事務局報告事項
【江川部会長】  第2期の国立研究開発法人審議会海洋研究開発機構部会の部会長を務めることになりました、江川でございます。
 それでは、当期における最初の部会を進めるに当たりまして、一言御挨拶申し上げます。
 このたび、部会長になりました。私は、経営学が専門で、文系の研究をしておりますけれども、東京大学に2009年から2015年におりましたときに、大気海洋研などにも何度か足を運んだりして、この分野はとても重要だと思いましたので、こういうお役目を引き受けさせていただいて、しっかり務めていきたいと思います。
 是非委員の皆様にも御協力いただいて、実質的な議論、実効的な評価を心掛けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 続きまして、三枝部会長代理より、一言お願いいたします。
【三枝部会長代理】  国立環境研究所の三枝です。よろしくお願いいたします。
 私は、この国立研究開発法人審議会及び海洋研究開発機構部会は、前期からの引き続きではございますが、法人の評価に関わるような審議会に参加しましたのが前期からということで、まだまだ初心者であります。引き続き、皆様から勉強させていただきながら務めたいと思います。よろしくお願いいたします。
【江川部会長】  ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。本日の部会の趣旨についてですが、第2期の初回ということで、事務局から簡単に法人評価に関連する事項として、平成29年度予算、国の研究開発評価に関する指針の改定等について御説明をいただいた上で、国立研究開発法人海洋研究開発機構の平成28年度業務実績評価を文部科学大臣が行うに当たって、当部会ではどのような評価の視点で助言を行うのか、部会における評価の進め方について議論をしていただきたいと思っております。
 まずは、議題2「事務局からの報告事項」として、平成29年度の海洋研究開発機構関連予算、国の研究開発評価に関する大綱的指針の改定、国立研究開発法人の理事長によるマネジメントに関する調査報告について説明をお願いします。
【下村専門官】  それでは、資料について説明いたします。
 資料2-1をご覧ください。文部科学省の平成29年度の海洋関連予算をまとめた資料でございます。平成28年度ではなく、29年度の予算ですので、28年度評価とは直接関係はしませんけれども、一応状況を説明したいと思います。
 まず、平成29年度の海洋関連予算ですが、全体で376億円となってございまして、昨年度は384億円ということで、8億円ほど減っております。ただ、これは右下の「南極地域観測事業」のところをご覧いただくと、輸送機器ヘリコプターの製造完了に伴いまして、いわば当然減という形で24億円減ってございます。それを考慮して考えますと、実質的にはほかの部分については増えているということで、ある程度充実した予算になったのではないかと思っております。
 簡単に中身を御紹介いたします。大きく4つの柱で整理してございます。まず、1本目の柱ですが、資料左上の「国土強靱化に向けた海底広域変動観測」です。これは、南海トラフを中心に海底地殻変動を連続的かつリアルタイムで観測するシステムを開発・整備するとともに、新しく作った「かいめい」という船を活用して、海底震源断層の広域かつ高精度な調査を実施し、それを基に予測手法の開発や評価につなげていくといった予算でございます。121億円で、前年度に比べて7億円の増ということになってございます。
 右上でございますが、2本目の柱として「総合的海洋観測網の構築」ということで、こちらはG7等の国際的な議論の場において、現在、海洋環境がいろいろと変化している中で、海洋のガバナンスを確立することが非常に重要だと言われてきております。そういった中で、海洋生態系への影響も含めて、海洋環境の変化をきちんと観測して把握していかなければいけない。そういうことが言われておりますので、生態系への影響を測るセンサの開発等を含めたフロートやブイ、船舶という総合的な観測システムを構築して、これを基にデータを取得し、統合的なデータセットを構築・発信していくといった予算でございます。このようなもののために31億円。前年度と比べると、約2億円の増となってございます。
 3本目の柱でございますが、左下の「北極域研究の戦略的推進」ということで、最近、特に世界的に大きな注目を浴びている北極について、いろいろな先端的な研究船についての調査研究も含めて、先端的な技術開発をしていくことのために10億円。これも、28年度に比べて1億円の増ということになってございます。
 4本目の最後の柱でございます。右下の「南極地域観測事業」でございます。先ほど申し上げましたとおり、ヘリコプターの製造完了に伴います当然減24億円がございますので、こちらの予算としては、約64億円から45億円ということで若干減ってはおりますが、その24億円の減を考慮すると、必要な予算は確保できているのではないかと考えております。
 ただ、こちらの予算は我が省の海洋関連予算の全てでございますので、海洋機構が実施していない南極の研究等についても、このパワーポイントの資料には含まれております。そこで、海洋機構の予算について、最後のページにまとめたものがございます。平成29年度予算額は、運営費交付金317億円。平成28年度の予算額が306億円ということから比べますと、約11億円の増ということになってございます。
 簡単ではございますが、予算については以上でございます。
 引き続きまして、資料2-2をご覧ください。こちらは、第5期科学技術基本計画が策定されたことに伴いまして、CSTI、内閣府で国全体についての研究開発評価に関する大綱的指針を改定したところでございます。この大綱的指針の改定は、研究開発の評価全体について決めているものですから、法人評価にも関連するということでポイントを紹介させていただきたいと思います。
 今回の大綱的指針の改定のポイントは大きく3つございます。「主な改定点」というところにございますとおり、まず1点目は、「実効性のある『研究開発プログラムの評価』のさらなる推進」ということです。プログラム評価といいますのは、研究開発が関連する政策や施策を、目的(ビジョン)を実現するための活動のまとまりとして、全体で評価していくというものです。ページをめくっていただきまして、裏のページの参考のところでございます。「『研究開発プログラム』とは」と書いてあるところに記載しておりますとおり、個別、個別の研究課題の評価というよりも、施策あるいは政策の目的(ビジョン)に対して、大きな研究開発のまとまりをプログラムとして評価していくといった考え方でございます。
 こちらにつきましては、こういうプログラム自体を立案する段階で、このページの下に「『道筋』のイメージ」というものが書いてありますが、こういう「道筋」、私どもの部会では、昨年度、中期目標達成に向けたフローチャートを作ったのですが、ああいったイメージの「道筋」を策定して、この「道筋」に沿って、アウトカムなり、政策の目標に向けてどのように研究開発が進んでいっているのか、「研究開発プログラム」が全体として進んでいるのかを評価していくやり方が必要なのではないかということが、この大綱的指針の中にも盛り込まれております。こういうことを進めていくというのが、まず1点目の主な改定点でございます。
 2点目のポイントですが、「アイデアの斬新さと経済・社会インパクトを重視した研究開発の促進」ということです。こちらは、チャレンジングな研究開発、あるいは実施期間の長い研究開発、イノベーションを生むためのマネジメント評価についての留意事項を新たに追加しているところでございます。
 3点目のポイントとしまして、評価は重要であるものの、一方で研究開発評価に伴う様々な負担があるということで、そういった研究開発評価に係る負担を軽減して、同じ研究課題を重複していろいろなところで評価することによって徒労してしまうことがないように、下位で評価したものを上位の評価のところで効率よく使っていくことも考える必要があるといったものでございます。
 以上の3点が大きな改定のポイントということになってございます。
 国の研究開発に関する大綱的指針の改定が平成28年12月21日に行われました。これを受けて、文部科学省としての評価指針を平成29年4月1日付で改定してございます。その文部科学省の改定された指針につきましては、お手元の青色の机上ファイルの中に、参考として挿入させていただいております。
 以上が資料2-2の大綱的指針の改定についての説明でございます。
 最後の事務局報告としまして、資料2-3をご覧ください。「国立研究開発法人の理事長によるマネジメントに関する調査」というものでございます。こちらは、昨年度、国立研究開発法人審議会が主導しまして、監査法人に委託し実施したものです。その結果がまとまったということで、昨日の親審議会で報告されておりましたので、こちらでも参考に御紹介させていただきたいと思って、早速本日、資料を配らせていただきました。
 報告書自体は大部にわたっておりますので、概要版で簡単に説明させていただきます。まず、スライドの3ページ目、「本調査の背景・目的」。裏をめくっていただいて、「Page3」と書いているところでございます。本調査の目的ということでございますが、研究開発法人がすぐれたパフォーマンスを発揮するためには、法人の長によるマネジメントというものが非常に重要であろうということ。このために、法人の長、理事長によるマネジメント力の強化に役立てようということで、2つの項目。
 1つ目は、各法人における内部統制システムの整備状況を確認するということ。
 2つ目として、そういう理事長によるマネジメントのグッドプラクティスを、いろいろな法人についてヒアリング調査で事例を収集していき、そこでよいものがあったら、それを横展開していくということ。本調査は、これら2つを狙って実施されたものでございます。
 本調査の注意点ですが、この調査は、直接理事長のマネジメントを評価するという趣旨で行ったものではないということ。また、各法人の取組というのは、まだ実施し始めたばかりであるとか、緒に付いたばかりというものもありますので、マネジメントの事例が具体的にどんな成果につながったのかというところまでは、今回の調査では把握していないということでございます。
 簡単に具体的な調査結果の例を一、二点ほど御説明します。「Page7」と付いているところに、調査した2つの項目のうち、各法人における内部統制システムの整備状況についてという紹介がございます。この中では、アンケート調査等で文部科学省傘下の各国立研究開発法人に、規程類の整備がどうなっているかということを確認したところ、規程類の整備に遅れが見られた事項のうち、7ページの下に書いてございますような2つの項目は、特に研究開発について、研究開発成果の最大化という観点から重要な事項ではないかということで、既に整備・運用をやっている4つの法人について、取組状況をヒアリングしてみたといったものでございます。
 例えば、「評価結果の予算配分等への活用」について、活用していると答えている4つの法人の中にも、研究の種類や内容、例えば、主としてプロジェクト型の研究開発をやっている法人では、プロジェクトを確実に完了させるということを主眼に予算配分がなされるので、なかなか評価結果をそのままストレートに予算を配分して、プロジェクトの予算を一気に削減してしまうわけにもいきません。なので、反映するとは言っても、その反映の度合いに大小があることが分かったという説明が、昨日の親審議会でなされておりました。詳しいことは報告書に記載されていますので参照ください。
 もう一方のマネジメントの好事例というところでございます。こちらも、全体で45事例のグッドプラクティスが報告書では紹介されていますが、例えば、パワーポイント8ページの事例を見ていただくと、法人の長が自らの組織の理念や志を実現していくためには、それを組織の内部に定着させていかなければいけない。理事長のマインドを職員にも植えて、全構成員と共有していかなければいけないといった考え方の下、組織内パブコメを通じた意見収集を行い、ビジョンや戦略、理事長の志の共有を組織内で図っていくというプロセスを取ったという事例が紹介されております。
 また、14ページをご覧いただきますと、ここでは様々な発想による研究を法人内で実施することで、研究を活性化し、ひいては法人のミッションの達成につなげたいといった役員、理事長の強い思いの中で、理事長ファンディングというものを創設して、通常の運営費交付金の仕組みの中ではなかなかやりにくいようなテーマについても取り組んでいくといったイノベーションアワードの創設という事例が紹介されてございます。
 幾つかこういう事例がございますが、最後の18ページに考察がまとめられております。今回紹介されている事例は、いずれもまだ着手して日が浅いこともあり、今後の成果の継続的なモニタリングが必要だということ、あるいは、このような事例調査を積み重ねていくことにより、参考事例の充実を図り、横展開していくことが、今後必要となるアクションとされております。これを基に、今後何を検証していくのかというと、最初の目的のところでも申し上げましたとおり、今回の調査では、マネジメントの事例が一体どのように成果につながったのかというところまでは把握できていないこともありますので、今後はこういったマネジメントの取組がどう成果につながっているのかを可視化し、モニタリングするための指標を開発するといったことが、検証事項として記載されてございます。
 これについても、大部になりますが、報告書に詳細な記載がございますので御参照ください。
 以上でございます。
【江川部会長】  どうもありがとうございました。
 ただいま御説明いただいた内容について、御質問等はございますでしょうか。
 なお、議事録を作成する都合上、発言の際にはお名前をおっしゃってから御発言いただくように御協力ください。
【三枝部会長代理】  では、少しよろしいですか。国立環境研究所の三枝です。
 確認ですが、資料2-2の大綱的指針の改定のポイントの「主な改定点」で、「実効性のある『研究開発プログラムの評価』のさらなる推進」ということで、この研究開発プログラムというものは、法人によって、その規模や、1つの法人に幾つあるのか、どうそのプログラムを定義するかというのが違うと思いますが、これは、文部科学省の担当部署と法人で相談して作るものでしょうか。それとも、法人側で、例えば5つ、6つの研究開発プログラムを作っておりますとか、そういうふうに決めていくものでしょうか。
【下村専門官】  こちらの話は、まずこういったものを作るに当たって、法人の例で申し上げますと、中期目標なり、中期計画を5年ごと、今だと7年ごとが多いですが、そういうものを改定するに当たりまして、その中の議論で、それぞれの法人が一体どんなミッションなのかというものも、もちろん政策部局である文部科学省と法人との話し合いで検討しつつ、各法人それぞれのミッションを考えて、そのミッションの中で達成すべき政策目標は何で、それに向けてどういった研究開発の取組をやっていって、どういった成果を出していくのかという大きな目標を定めましょうと。その目標を定める際に、例えば、私どもが昨年作ったような「道筋」のようなものを示して、それを基に政策目標なり、一番上のアウトカムに向けて、どれだけ研究開発が進んでいっているのかを可視化していくというやり方があるのではないか。それをやるのは、個別の細かい研究課題というよりも、むしろ大きな政策の体系の中で、第5期基本計画があり、各省庁が策定している、それに基づく研究開発計画等々の大きな枠組の中で、研究開発プログラムをそれぞれの法人が自らのミッションを考えて策定していって、評価につなげていくといった発想でございます。
 なので、先生の御質問のお答えになっているかどうか分からないんですが、もちろん個別の法人によってミッションは違ってきますし、研究開発プログラムのまとまり、単位というものも、それぞれの政策目標によって大きなまとまりもあったり、もう少し個別のまとまりもあったり、いろいろあろうかと思います。
【三枝部会長代理】  分かりました。
 では、もう一点お伺いしますと、例えばお配りいただいた資料の中で、別紙1の中期目標達成に向けたフローチャートにあります、1ページごとのまとまりが、ほぼ研究開発プログラムに相当するということですか。
【下村専門官】  はい。JAMSTECに関しては、そうでございます。
【三枝部会長代理】  分かりました。これ自体を変えていくということもあり得るわけですね。
【林課長】  基本的には中目・中計を変えるときに、去年も議論がありましたけれども、そういうロジックの流れをきちんと考えた上でやっていく。それはセットになっているのですけれども、去年は中目期間の途中から作りました。ただ、特段事情の変更がなければ、今年はこれを使って機構の方でも自己評価していますので、そのままでやっていければと思っております。
【三枝部会長代理】  分かりました。
【林課長】  あと、少し追加的に言うと、このプログラムというのは、多分レイヤーがいろいろあって、機構に関するものと、その他にも、我々がやっている研究開発全体の政策をどうプログラム化していくかという話がございます。そこは、我々が政策を議論している海洋開発分科会というものがございますので、そこで研究開発計画を作っています。
 それは、どちらかというと第5期基本計画を踏まえて政策をプログラム化している。その一部として、機構のやっている研究開発課題も入っている。機構がやっていることについては、先ほどのフローチャートみたいにプログラム化されている。そのようなプログラムのまとまりで、最終的には1個の大きな政策目標のようなものになるかと思いますが、そういうイメージを持っていただければと思います。
【三枝部会長代理】  はい。ありがとうございました。
【江川部会長】  ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等は。
【鈴村委員】  鈴村です。幾つかあるんですけれども、まず今の関連から。
 研究開発プログラムについて、添付資料の大綱的指針では、7ページに、場合によっては府省にまたがるということも書いてあります。ということは、先ほど言われたように、新しい中期計画にならないとなかなか動かないものもある。
 一方で、現在のJAMSTEC内で既に実施されている研究課題・プログラムを、こういった枠組で見るということが書いてある。今年度の第2期の評価の中でも、このような見方をするということですか。それとも、これは将来的に、こういった方向で行くということですか。
【林課長】  基本的には、去年、フローチャートを導入してやり始めておりますので、これと齟齬はないと思っています。
 府省を超えるというのは、例えばJAXAみたいに3省庁で所管しているというと、それぞれJAXAのやっていることが、文部科学省の目的から言うとこういうこと、経済産業省の目的から言うとこういうこと、総務省の目的から言うとこういうことと、府省が分かれてつながっているのではないかと思います。そういうこともあるということだと思います。
【鈴村委員】  もう一点よろしいですか。
【江川部会長】  はい。
【鈴村委員】  少し前の資料になりますけれども、交付金の方で。
【林課長】  一番下の方ですね。
【鈴村委員】  ええ。11億円ですが、これは、他の法人と比較して、上がっている方なのか、下がっている方なのか、みんなこんなものなのか。そのあたりのことは。
【林課長】  さすがにみんながこんなに増えているということはなくて、運営費交付金について言うと、今年度はよかった方に数えられるのではないかと思います。
【鈴村委員】  はい。
【林課長】  ある種、昨年度が結構切られたものですから。
【江川部会長】  ほかにございますか。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。

(3)議題3 平成28年度実績評価の進め方
【江川部会長】  では、「平成28年度実績評価の進め方」を議題とします。これも、まず事務局より説明をお願いいたします。
【下村専門官】  お手元の資料3の一式と参考資料1~3を基に、今年度の海洋研究開発機構部会における評価の進め方について御説明させていただきます。
 まず、資料3の1ポツのところに、「評価に当たっての基本的な考え方」をまとめてございます。研究開発法人たる海洋機構につきましては、何と言っても「研究開発成果の最大化」というものが第1目的ですので、文部科学省が定めております評価に関する基準に基づいて、まずは成果最大化を第1目的として、長期性や不確実性等の研究開発の特性を踏まえて評価を行うといった基本的な考え方を記載しております。
 具体的には、第2段落目のところでございます。昨年度の大臣評価における指摘、あるいは国立研究開発法人審議会及び当部会での意見を踏まえまして、その意見が参考資料2と参考資料3に載っておりますが、海洋研究開発機構部会で頂いた御意見をまとめた報告書が参考資料2で、各部会から出てまいりました意見を基に、親審議会としての指摘事項をまとめたものが参考資料3でして、こういった意見を踏まえ、まず、研究開発課題については、私どもが昨年度から導入しました別紙1の「中期目標達成に向けたフローチャート」を活用し、実施した業務や得られた成果、アウトプット、アウトカムへの貢献等を、このフローチャート上にきちんと位置付けて、海洋機構が目標達成に向けてどのように取り組んできたかということを明確にして評価を行います。
 昨年度のおさらいになって、前期からの委員の先生方には大変恐縮なんですけれども、簡単に御説明させていただきます。
 昨年度、私どもでは、「中期目標達成に向けたフローチャート」を導入しました。これは、先ほどの大綱的指針の中で取り上げられています「道筋」にも該当するもので、参考資料1の中期目標を見える化したものでございます。
 資料が前後してすみません。参考資料1の中期目標を1ページめくっていただくと、「目次」がございます。「目次」の中のローマ数字2の1「国家的・社会的ニーズを踏まえた戦略的・重点的な研究開発の推進」ということで、5つの項目が書いてあります。海洋機構としては、これらがまさに研究開発プログラムに相当するということで、これについてのフローチャートをまとめたものが別紙1でございます。
 別紙1の中の「海底資源研究開発」のところをご覧いただきますと、中期目標の2ページ目の中ほどにございます(1)「海底資源研究開発」に記載してある文章を構造化したものがフローチャートになります。「海底資源研究開発」という項目、研究開発の領域の中で、最終的に期待されるアウトカムは何なのか。そのアウトカムに向けて、海洋機構としてどのような調査・観測・研究といった取組を行っていって、どういう成果を出して、それが一番上の最終的に期待される「海底資源の持続的な利活用への貢献」につながっていくのかという、中期目標の2ページに書かれております文章を体系化していったものでございます。
 この図を見ていただきますと、まず、海底資源を持続的に利活用するというのは、民間ベースでやることになるだろう。海はとても広うございますので、そこでしっかり利活用できるためには、どこにどれだけの資源が埋まっているのかという鉱床の候補地になるようなものが分からないといけない。それを発見するために、一体どんな手法で発見するのかということに関しまして、フローチャートの一番左側のところでございます。まずは、海洋調査といった実験を行うことによって、どう資源が形成されていくのかという形成過程についての科学的な形成モデルの構築と成因解明をやる。これをやることによって、こういう場所に資源が眠っている可能性があるといった資源の成り立ちをモデル化して、資源発見の基礎にしたいというのが、こちらの左側の箱でございます。
 実際に発見するためには、様々な機器を使って発見することになりますので、そういったハード的なセンサ技術。どこにどれだけの資源があるのかというのを、センサ等を用いて発見していかなければいけないということで、右側のところに書いてございます。そういうセンサ技術等を用いた効率的な調査手法を確立していって、両方の観点から科学的調査を加速し、広大な海の中で、どの辺りにどれくらいの鉱床候補地があるのかという、民間ベースでやる鉱床候補地の推定に貢献できる研究開発のアウトプットを出していくのが海洋機構の1つの目的。海底資源研究開発における1つの大きな柱でございます。
 図の真ん中に書いているところでございますが、海の資源を取っていくことになりますと、生態系への影響も含めて、海洋の環境に対していろいろな影響が出てくるだろうということもございます。そういう観点から、環境にどんな影響があるのかという評価をするための手法を確立しなければいけないということを記載しております。こういったものの手法を確立するための調査研究を海洋機構がやっていき、こういう手法があると提案して、それを確立していくところが真ん中に示したアウトカムのところでございます。
 実際に資源を利活用することや、海で調査して資源を取ってくるというものは、民間ベースでやることになります。一番右の箱ですが、これをやるに当たっては、民間への技術移転や民間による実海域調査に活用されていくことが重要になってくるので、そのようなことに取り組んでいき、それをやった上で、一番上のアウトカムである「海底資源の持続的な利活用への貢献」につなげていく。絵にするとこういったものが、中期目標の2ページに文章として書かれているということです。
 私どもは、文章で書かれているものを、このようなロジックチャートの形にして、海洋機構が平成27年度あるいは平成28年度に、このフローチャート上でどの取組をどれだけやって、どれぐらいアウトプットが出てきて、アウトカムに近付いていったのかという観点から整理することが重要ではなかろうかということで、中目上の5つの研究開発領域についてフローチャートを作って、それに基づいて評価をしていくという手法を導入いたしました。
 また資料3本文に戻りますが、資料3の1ポツの「評価に当たっての基本的な考え方」の2段落目、「具体的には」のところを敷衍して説明させていただきました。今年度も引き続きフローチャートを活用した評価を行っていくことを考えてございます。
 昨年度の評価におきましては、フローチャートの提示が4月ぐらいになってしまい、海洋機構の自己評価がかなり進んだ段階で導入したということもあって、十分には活用し切れなかったところもございます。今年度は、自己評価の段階からこれを活用して、評価に取り組んでいくことにしております。
 続きまして、「また」以降の研究開発課題以外の開発・運用部門や研究管理部門の業務についてです。昨年度の部会でも御意見をたくさん頂きましたが、この部分は、中期目標なり中期計画自身が非常に抽象的に書かれているということで、まずは自己評価において、中期目標、中期計画で求められているアウトカムを具体化、明確化した上で、できるだけ指標を設定して、他法人等との比較や、年次的、経年的な指標の変化も示しつつ、機構の取組を客観的に明示して評価するということが重要ではないかと考えております。
 以上の大きな考え方につきましては、別紙2の「平成27年度 海洋研究開発機構の法人評価の考え方について」というもの、これは昨年度の部会でもお示ししたものでございますが、こちらにまとめてございます。
 1ページ目の「1.について」と書いてあるところが、先ほどの5つの研究開発の領域についてのことでして、繰り返しになりますが、この部分の評価は、基本的には「中期目標のアウトカムやアウトプットへの貢献度合い、又は、中期計画の進捗の加速度合いにより判断する」こととしております。
 少し進んでいっていただきまして、3ページ目のところにございます「2.から5.について」と書いているところが、先程、私が申し上げました開発部門や経営管理部門の業務についての評価の考え方で、昨年度お示ししたものでございます。基本的には、ここに書かれていることを踏まえて、今年度も開発部門や経営管理部門というのは、研究部門が研究開発成果を最大化するに当たって、それを支えていく部門であるため、まさにこれらの部門が独自にどういった工夫をして、どういう活動をし、それがどのように研究開発成果に結び付いていったのかという観点から評価を実施することが重要だという御意見を部会等で頂きましたので、この部分につきましては、そういうアウトカムの明確化、具体化とともに、これらの部門が実際にどういった工夫をどのようにやっていって、それが成果の向上にどう結び付いたのかという観点で評価していくことを考えてございます。
 これが、1ポツの「評価に当たっての基本的な考え方」でございます。今年度も昨年度のやり方を踏襲しつつ、今年度は自己評価の段階からフローチャート等を活用してやっておりますので、さらにブラッシュアップしていきたいと考えてございます。
 2ポツでございます。この部会においての実際の「業務実績評価の進め方」です。前後して恐縮なんですが、後ろのページに行っていただきまして、まず本部会におけます法人評価の日程についてです。きょう6月2日が第1回目の部会で、まず評価の進め方の確認をここで行います。第9回、第10回とございまして、6月28日、7月14日と2回に分けおりますが、海洋機構が自己評価をやってきたものについてヒアリングをするという回でございます。9回目が全体と経営管理部門、開発運用部門についてのヒアリング、10回目が主として研究部門についてのヒアリングということを予定してございます。
 このヒアリング結果を受けまして、私どもで作成しました大臣評価書案について御意見を取りまとめる回が第11回、7月27日を予定してございます。ここでまとめたものを第10回の審議会、8月3日だと伺っておりますが、こちらの審議会にお出しするといった日程で考えております。
 では、具体的に部会の委員の先生方に一体何をやっていただくのかというのが、元に戻っていただきまして、1ページ目の(1)のところでございます。本部会は、主務大臣が法人評価をするに当たりまして、あらかじめ部会の意見を聞くということが、独立行政法人通則法に定められておりますので、本年度も主務大臣評価に当たりまして、先生方から専門的な見地からの意見、あるいは助言を頂くことを目的に開催したいと考えております。
 「特に」で下線のところですが、委員の先生方にお願いしたいと考えてございますのは、機構が自己評定なり、評価の内容を付けてきまして、プレゼンで説明させていただきます。そういったものにつきまして、自己評定や評価の内容を変更する必要があると判断された場合、あるいは評定についてはAならA、BならBで特に疑義がないとしても、この点は非常によかったという成果や進捗があった場合、あるいは今後に向けて、この点は改善した方がよいだろうといった改善点なり課題があった場合について、それらを明示する必要があると考えられた場合には、別途提示させていただきます意見シートに意見を記入していただくことを考えてございます。私ども、先生方から頂いた意見を基に大臣評価書を作成しまして、最後の7月27日の部会にもう一度諮らせていただきたいと考えておりす。
 2ページ目の上の部分でございます。法人評価といいますのは、御承知のとおり、それ自体が目的ではなくて、適切にPDCAサイクルを回していって、機構の研究開発成果の最大化につなげていくということでやっているものでございます。そういう観点から、いろいろ部会の先生方に頂いた指摘やコメントを、いかに次年度以降の業務に反映していって、よりよい成果につながっているのかということにつきまして、必要に応じて、この部会でもフォローアップしていくことが必要かと思っております。そういった観点で、指摘した事項について、必要に応じ、適宜確認することも考えてございます。
 以上、資料がたくさんありまして、行ったり来たりの説明になって恐縮でございますが、本年度の評価の進め方について御説明させていただきました。
【江川部会長】  どうもありがとうございました。
 これについて、御質問、御意見を伺いたいと思います。
【知野委員】  よろしいでしょうか。
【江川部会長】  はい、どうぞ。
【知野委員】  ありがとうございます。知野です。
 質問ですが、資料3の1ポツの下のところで、「他法人・大学等との比較や」と書かれていますけれども、これは具体的にどういうイメージなんでしょうか。ここでは海洋の評価をするに当たって、ほかの法人や大学も一緒に評価するわけではないですよね。そうすると、これは何をもって比較するのでしょうか。
【林課長】  これは、開発や運用、経営管理部門なので、去年もいろいろ議論がありましたけれども、広報活動などについて、自分たちはよくやったと。その指標は、例えば、新聞にこれぐらい載りましたという指標を定めたとき、これぐらい海洋機構は増えています、では、ほかはどうなっているんですかみたいなことも示しながら、どう自分たちがうまくやっているかというのも示してくださいと、そういう趣旨でございます。ほかの法人を評価するというよりも、自分たちがよかったとか悪かったというのを判断する上で、他法人との比較もあるという趣旨でございます。全部についてやらなければいけないということでもないと思います。
【知野委員】  分かりました。
【江川部会長】  ほかにありますか。
【水本委員】  はい。
【江川部会長】  はい、どうぞ。
【水本委員】  水本でございます。1点教えていただきたいんですけれども、このフローチャートに書かれていることは、中期目標のゴールということで、31年3月までに全てやるべきことと解釈してよろしいでしょうか。
【下村専門官】  フローチャートに「アウトカム」という濃い水色の枠がございます。ここは、海洋機構だけでできるものではなく、機構自らでやるものというよりも、むしろ、先ほどの海底資源の開発でありますと、民間ベースでやっていくもの、例えば、民間の調査会社が実海域での調査をやるものに、海洋機構の成果が活用されるなど、海洋機構の成果がどれだけ世の中に活用されましたかという部分が期待されるアウトカムでございます。なので、海洋機構ということを考えました場合には、下のところに書いてございます「取組」という色の付いていないところに書いてある個々の調査であったり、観測であったり、研究を行って、薄いブルーの枠で書いてある研究の成果を出していって、それが評価するに当たって、上に書いてございますアウトカムにどれだけつながっていったのかという評価の目線で見ていくということです。
 一番上に書いてあります「期待されるアウトカム」は、海洋機構がやった研究の成果によって、こういう資源の持続的な利活用に貢献できるようになるという目標でございます。
 5年間で実施するというのは、まさに下の部分について、海洋機構が5年間で実施して、その成果が上にどれだけ利用されたかというのを私どもが見ていくというイメージでございます。
【水本委員】  そういたしますと、濃いブルーの部分は、先ほど御説明いただきました社会や経済に対するインパクトを与える研究であると。そういう意味で捉えればよろしいということでしょうか。
【林課長】  海洋機構のやっている研究開発は、基本的に課題達成型ということで、この「中期目標」を見ていただいても、国家的、社会的ニーズを踏まえた研究開発の推進ということでございます。そういった国家的、社会的ニーズというものが、このフローチャートだと一番上に書いてあるようなアウトカムと捉えていて、それは理念的な部分もありますので、もう少しというところが2段目のアウトカムということでございます。アウトプットがその下にある。
 あとは、具体的には中期計画の方に数値目標というか、何年までにこれをやると書いてある部分、あるいは中計を踏まえて、JAMSTECで具体的に年次計画を作っていますので、そういうものがどこまで行くかというものを示しながら、両方で合わせながらやるということになろうかと思います。
【知野委員】  その関連でよろしいでしょうか。
【江川部会長】  はい、どうぞ。
【知野委員】  知野です。
 そうしますと、昨年までの自己評価の中には、例えば、こんなにすばらしい観測技術、こんなにすばらしいセンサを開発したなど、そういう評価を自己評価で出してきていたと思います。今度の評価に当たっては、それがどれだけ使われたかというところが入っていないと、やはりいい評価というのは難しいと判断するということでしょうか。
【林課長】  使われたかというか、このチャートに照らし合わせて、それがちゃんとアウトプットにつながったかとか、アウトカムにつながるようなものなのかとか、そういうものをきちんと説明してくださいということになろうかと思っています。
【知野委員】  分かりました。言いっ放しではなくということですね。はい、分かりました。
【江川部会長】  ほかにございますか。
【鈴村委員】  アウトカムが、先ほどの資料3の一番下の方でも、「特に評価すべきアウトカム」などと、かなり重く書かれています。現時点ではコメントですが、フローチャートを見ると、実はアウトカムと言いながらも、項目によって差が見られます。例えば、一番目の海底資源開発における、「持続的な利活用への貢献」、これはアウトカムでよいと思います。ただ、一方で、その次の海洋・地球環境変動開発のフローチャートでは、左側に、「政策等への貢献、議論のリード」が挙げられていますが、これはアウトカムというより、アウトプットに近いものです。評価の指標として重要であれば、よかったものはアウトカム、余りよくなかったものはアウトプットにするといったように、自己評価の際に恣意的に利用されると非常によくないので、今後の評価のプロセスの中では、そのあたり気を付けたいという点をコメントいたします。
【江川部会長】  ありがとうございました。ほかにございますか。
【三枝部会長代理】  はい。
【江川部会長】  では、どうぞ。
【三枝部会長代理】  質問ですが、お配りいただいた資料のうち、別紙3というものがあって、これには中期計画や評価軸が細かく書かれています。これと、このフローチャートの関係はどういうものでしたでしょうか。
 つまり、お聞きしたかったのは、これから自己評価として出されてくるものは、どちららかというとフローチャートに即して出てくるのか、それとも別紙3の方は、従来型の表形式で、これに自己評価が付いてきていたような気がしますが、別紙3のように出てくるのかという点です。カバーしていることは同じなんですけれども、まとめ方の趣旨が違うもので。
【林課長】  確かに、もう少しフローチャートと評価軸の関係を整理しないといけないというのはあるのですけれども、評価軸の一番上に書いてある大評価軸というのは、基本的にアウトカムにどれだけ貢献したかという評価軸になっています。その下にある中評価軸に書かれていることは、それぞれの取組、あるいはアウトプットを評価するときに、この軸全部ではないけれども、それぞれの取組やアウトプットの性格に応じて、中評価軸の中から幾つか抽出して、それをもって成果を評価していくということになります。それぞれの取組については中評価軸で良し悪しを判断しながら、全体としては大評価軸、要するにフローチャートの上段のアウトカムにどのようにつながっていくかという評価軸に照らして判断することになるので、これまでの評価軸と年次計画の展開を使って評価していきましょうと言っているのと、基本的に考え方の整合性は取れているのではないかと思っております。
【江川部会長】  よろしいですか。
【三枝部会長代理】  はい。お答えいただいていると思いますが、もう一回お伺いしたいのは、別紙3というのも、今回、かなり重要な資料として使われ、自己評価は別紙3にほぼ基づくように出てくるのでしょうか。
【下村専門官】  まず、プレゼンに際しましては、フローチャートに基づいて、あるいは、この下に機構が作ってございます中期計画を基にしたロードマップというものが昨年も出てきていました。そのフローチャートとロードマップを基に、自分たちの平成28年度の活動が、フローチャート上のどの部分に位置付けられていて、どういう成果が出たかというのを説明してもらいます。
 それぞれの成果を判断するに当たっては、特に中評価軸というところがございますけれども、これは個々の研究活動の取組や研究のアウトプットの評価に当たって、中評価軸に書いてあるように、科学的な意義に照らしてどんな成果だったのか。あるいは、国際的な水準に照らしてどういった意義があったのかというところももちろん見ます。こういった研究開発に求められている成果があったかどうかは、もちろん研究開発の成果として見つつ、ただ、海洋機構は目標達成型の法人という位置付けでもございますので、このフローチャートの中で求められているアウトカムに向かって、どれだけ研究開発の成果が進んできているかというところを見たいと思っています。
 海洋機構のプレゼンに当たりましては、自分たちの活動が、このフローチャート上、どこに位置付けられているかということ、ロードマップがどれだけ進んで、ロードマップ上どうなっていて、それがどれだけ加速していっているかということをしっかり説明する。前段階でそれを説明した上で、個々の成果を見たときに、その成果が一体科学的にどんなものだったかということも、もちろん評価軸に沿って見ていく。両方併せての自己評価をやっており、それを我々も関連させて見つつ評価するように考えております。
【三枝部会長代理】  はい、分かりました。
【林課長】  別紙3も重要な資料であるということは、そういうことですので。
【下村専門官】  すみません。そうです。説明がちょっと冗長になってしまって……。
【水本委員】  すみません。
【江川部会長】  はい。
【水本委員】  この5つの研究プログラムと、こちらの別紙3の評価軸を、どう比べて見ればいいのかよく分からないんですけれども。
【林課長】  それは、先ほども申し上げましたけれども、アウトカムについては、大評価軸がアウトカムのところに適用していくような事項なので、アウトカム創出にどう貢献したかということになります。中評価軸は、研究開発の場合であれば、科学的な意義があったのか、国際的な水準に照らしてどうなのか、あるいは、期待された時期に実施されたか、実施体制が妥当であるかと、上の4つぐらいの項目が、大体研究開発の成果に関しては、評価軸としては当てはまっていくのではないでしょうか。
 ただ、全部適用するということではなく、例えば、海底資源であれば、民間企業への移転みたいな話もありますので、そうした場合に、下から2番目の民間企業、産業界において活用されたか、若しくはそれにつながる可能性があるかといった成果についても、そういう観点から評価することになると考えます。
 あとは、研究開発なので、どの項目にも、予測していなかった波及効果みたいなものも適切に評価するといった観点が、中評価軸の最後に入っています。
【鈴村委員】  最初のページで、罫線が1本足りないんですよね。項目(1)の資源に対する評価軸がこれということではないんですか。
【水本委員】  すみません。1というのは、これなんですか。
【林課長】  これは資源です。すみません。ここに書いてあるのは資源です。
【下村専門官】  そうですね。ここはおっしゃるとおりで線が1本足りなくて。
【林課長】  ああ、そうですね。1本足りないです。そういう意味では1本足りない。
【下村専門官】  はい、そうです。
【江川部会長】  ほかに御意見、御質問はありますか。
 どうぞ。
【ウォリス委員】  名古屋大学のサイモン・ウォリスですが、先ほどロードマップが出てきたんですけれども、今の資料には入っていないですね。それは、JAMSTECが参加して、発表を計画するということですね。
【林課長】  はい。
【ウォリス委員】  そのロードマップと、ここにあるフローチャートは、我々は知らなくてもいいのかもしれないですが、参考までに何が違うんですか。
【林課長】  ロードマップの方は、年度展開になっています。
【ウォリス委員】  ごめんなさい。ちょっと分からない。
【林課長】  何年度に何をやっていくという。
【ウォリス委員】  これも年度が入っている。これも時間軸はあるんですよね。
【林課長】  これは、一応5年間のフローチャートになっていますので、必ずしもこれをいつまでにということまでは示されてなく、もともと年度展開については、多分でこぼこがあると思います。
【ウォリス委員】  なるほどね。はい。分かりました。
 では、しっかりとした時間軸がロードマップの方に入っているのですね。
【林課長】  入っていて、28年度はここをやりましたというのが分かるということです。
【ウォリス委員】  より有機的なもの。
【林課長】  はい。
【ウォリス委員】  はい、分かりました。
【林課長】  去年、こんなものを作りました。
【ウォリス委員】  はい。
【林課長】  これは、海洋機構が年次計画を基に作ってくるものです。
【ウォリス委員】  これは、JAMSTECが自分から提案するものですね。
【林課長】  そうですね。
【ウォリス委員】  分かりました。
【林課長】  フローチャートに対する年次展開を彼らが示して、ここまで進めましたというものを示してもらうということになります。
【ウォリス委員】  はい。
【江川部会長】  ほかに御質問、御意見ありますか。
【三枝部会長代理】  では、1点よろしいですか。
【江川部会長】  はい、どうぞ。
【三枝部会長代理】  三枝です。ありがとうございます。
 この新しい審議会が始まったときに、あるいは今回の資料でも書かれていますけれども、今までのように個々の研究課題ができましたか、どうですかという評価ではなくて、全体として研究成果の最大化というものを強く意識して、それに対してどのように取り組んだか、どういうことを個々の法人が最大化のために重要と考え、それに取り組み、その結果がどうであったかといったことを評価の重要な内容として位置付けましょうといった話が時々出ております。
 今年度の取組については、昨年度はいろいろ走りながら考えましょうと、試行錯誤のところはあったと思います。フローチャートが最初の段階でできているというのも、1つ前進なのかもしれませんが、今年度、こういうところで研究成果の最大化とは何なのかという議論を是非しましょうとか、こういうところで、この部分で反映しましょうといったところはありますでしょうか。
【林課長】  すみません。今のところ、特に事務局としてこうだというのはないのですけれども、去年、いろいろ新しい手法を取り入れ、宿題も結構出しているので、そういうものへの対応がどのようになされているのかを見ていくことが1つのポイントではないかと思います。
 去年、フローチャートとロードマップでやって、三枝委員も御存じだと思いますけれども、全体の親審議会の中でも、どちらかというとそういうものを取り入れることによって、研究成果の最大化という議論がやりやすくなるのではないかということで、参考資料3にもありますけれども、審議会の指摘事項になっております。今回、海洋機構はそういったやり方を当初からやっておりますので、それを踏まえて、より議論が実質的なものになっていけばなと思っております。
【三枝部会長代理】  では、ヒアリングの際も、JAMSTECの側から自己評価として、そういったお話も聞けると期待できると。
【林課長】  我々も、期待はしておりますけれども。
【三枝部会長代理】  はい、分かりました。
【林課長】  我々も実際は一緒にヒアリングをしているものですから、彼らが今どんな評価資料を作っているかは、まだちょっと……。
【三枝部会長代理】  はい。
【江川部会長】  そういう意味では、フローチャートもロードマップもまだまだこれから少しずつやりながら、さらにブラッシュアップしていくという感じですね。
【林課長】  それをどう評価に使っていくのがいいかということも含めて、まだまだブラッシュアップするところはあるだろうと思います。
【江川部会長】  はい。ほかに何か御意見、御質問はございますか。
【三枝部会長代理】  では、すみません。
【江川部会長】  はい、では、どうぞ。
【三枝部会長代理】  少し前の項目になってしまうのかも知れませんが、報告書にまとめていただいた国立研究開発法人の理事長によるマネジメントに関する調査については、たしか去年はこれに関わる調査として、JAMSTEC部会でも、理事長さんとの対話の時間を作ったと思いますが、今年はそれに関わるような時間は取られるのでしょうか。
【林課長】  それは、ここでの議論だとは思います。前々回は、特に当時の部会長がそういうこともしたいということで、特に時間を取ってやったという経緯がございます。やった結果、これはよかったので横展開しようということで、昨年度のこれになっていったということもございます。ただ、時間が結構きちきちなので、そういう時間を取るかどうかというのは、これから先生方の御意見も踏まえて、2回目、3回目のヒアリングのスケジュールを実際どうするかということになろうかと思いますので、御相談させてもらいたいと思います。もし希望が強ければ、理事長だけ呼んで、委員全員からヒアリングする時間を取るというのもあるかと思います。
【三枝部会長代理】  はい、分かりました。
【林課長】  そうすると、ほかの研究内容を聞く時間が短くなってしまうので、どちらの方がよろしいかという話になってくるかと思います。
【三枝部会長代理】  はい。
【江川部会長】  ほかによろしいですか。
 それでは、今、いろいろな御意見、御質問を頂きました。頂いた御意見を踏まえて、事務局の方で必要に応じて評価の進め方について見直しを行って、平成28年度実績評価は、これを活用して、大臣評価に当たっての部会としての助言をしていきたいと思います。よろしくお願いします。
 少し時間が早いですけれども、予定した全ての議題が終了しました。
 本日の議事録につきましては、部会長の選任等の人事に係る案件の部分を一部非公開にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

(4)その他
【江川部会長】  ありがとうございました。
 それでは、最後に事務局から御連絡等があれば、お願いします。
【下村専門官】  最後、事務的な連絡がございます。
 きょうの資料は結構大部でございますので、附箋にお名前を書いて置いておいていただきましたら、指定された御住所に送付させていただきます。
 次回は6月28日の朝早くて恐縮なんですが、午前9時からの開催でございます。是非御出席ください。よろしくお願いいたします。
【水本委員】  次回、これを持参した方がよろしいんですか。
【下村専門官】  大丈夫です。こちらで必要な資料は準備いたします。
【林課長】  どうもありがとうございました。
【江川部会長】  では、本日の会議を終了します。お忙しい中、どうもありがとうございました。


お問合せ先

研究開発局海洋地球課