国立大学法人分科会 業務及び財務等審議専門部会(第34回) 議事録

1.日時

平成26年2月21日(金曜日)14時00分から15時30分

2.場所

文部科学省東館16F1会議室(16階)

3.議題

  1. 部会長選任及び部会長代理指名
  2. 国立大学法人の中期目標・中期計画の変更について
  3. 国立大学法人の長期借入金の認可及び長期借入金償還計画の認可等について
  4. 国立大学法人の役員報酬規程及び役員退職手当規程の改正について
  5. その他

4.出席者

委員

宮内部会長、市川委員、田籠委員、巻之内委員

5.議事録

1.事務局から、会議資料の確認が行われた。
2.委員の互選により部会長の選任、部会長による部会長代理指名が行われ、宮内委員が部会長に選任され、また、市川委員が部会長代理に指名された。

【宮内部会長】  それでは、国立大学法人の中期目標・中期計画の変更について御意見を伺いたいと思います。
 内容について、事務局から説明をお願いいたします。
【事務局】  それでは、資料3に沿いまして御説明申し上げます。
 中期目標・計画の変更でございますが、先日18日に総会で御審議いただいたものがありましたが、一部の案件につきましてはこの部会に審議が付託されているという説明を先ほど申し上げたところです。本日はその部分について意見を伺うものでございます。
 具体的なイメージをしていただきたいと思いますので、机上資料の国立大学法人評価関係資料の「参考-3」というページを御覧ください。ここに中期目標・中期計画の様式例が入ってございます。左側が中期目標、右側が中期計画となっておりまして、上から前文、中期目標の期間及び教育研究組織という項がありまして、その下に「大学の教育研究等の質の向上に関する目標」というものがあり、右側にそれを達成するために取るべき措置ということで中期計画がございます。
 めくっていただいて、教育研究関係がずっと来まして、「参考-5」とあるページでは、「業務運営の改善及び効率化に関する目標」、「財務内容の改善に関する目標」、「自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標」、もう1枚めくっていただいて、「その他業務運営に関する重要目標」、ここまでを通常、中期目標・中期計画本文と呼んでおり、ここは総会で御審議いただくことになっています。
 それから、この表の右下、「その他業務運営に関する重要目標」の中期計画の下にあります枠に「(その他の記載事項、別紙に整理)」という記述がございまして、予算、収支計画、資金計画、重要な予算の処分の計画、施設設備に関する計画などが別紙で用意されております。
 それから、「参考-7」とあるページに別表1と書いてありまして、各法人が置いている教育研究組織の一覧が別表という形で中期目標に掲げられております。それから、中期計画には、学部研究科ごとの収容定員というものが掲げられています。こういう別紙・別表の類いがこの部会で御審議いただく内容でございます。
 資料3に戻っていただいて、今回、事柄として、1番から3番までございます。1番目が、重要な財産を譲渡し、又は担保に供する計画を変更するもの20法人、それから2番目で、中期目標期間を超える債務負担、具体的に言いますと、民間からの長期借入金を活用した事業に伴い債務を負担することになる計画を追加するもの、3番目が先ほど申しました教育研究組織の一覧表について変更を生じるものが今回ございます。
 まず、1番目の重要な財産を譲渡し、又は担保に供する計画の変更ですけれども、仕組みとしては、国立大学が国に設置されていた時代には、大学の財産、土地や建物は国有であったわけですが、法人化された際、国立大学法人が教育研究を行っていく上で必要な財産ということで、国から出資をしたということになっております。その後、各法人が財産の一部を譲渡する、あるいは担保に供するという場合については、その法人が教育研究上必要だということで出資しているわけですから、業務運営に支障がないかということを確認する必要があり、文部科学大臣の認可を受けるということになっております。国立大学法人評価委員会の意見を聴き、大臣は認可するという制度になっているわけですが、大学はそういった事案が出てくるたびに、都度認可を受けるという方法もあるわけですけれども、先ほど申しました中期計画の別紙のところに、今期中はこういう譲渡計画がありますということを掲げておき、認可を受けておけば、その計画どおりに譲渡をする際には都度の認可は要らないことから、各法人におきましては、あらかじめ決まっている計画については、中期計画の中に盛り込むということになっております。追加があれば、このような手続を取ってくるということがございまして、今回、20法人から変更の申請が出てきております。
 資料3の1ページ目にありますように、土地を譲渡する事案が27、建物を譲渡する事案が5、船舶を譲渡する事案が1ということでございます。
 めくっていただきまして、3ページのところに、その内容の一覧がございます。代表的なものを御説明しますと、上から1番目の岩手大学、2番目の茨城大学につきましては、変更理由にありますように、市町村あるいは国などから、道路整備に伴って土地の一部の譲渡の要請があったというものです。岩手大学であれば、農場の外周の一部を道路整備のために譲渡し、茨城大学の場合は、附属学校の土地の一部や農学部の一部の土地を譲渡するというような、自治体からの要請に基づいて、差し支えないと考えられる範囲で譲渡する事案が14ございます。農場など、外周部分を道路拡張等で提供する場合などが多くございまして、これは逆に、周辺の環境整備ということもあり、国立大学法人にとっても利便性が高まる場合もあり、支障のない範囲でこのような譲渡をしたいというものでございます。
 また、筑波大学は研究調査船を持っていたのですが、老朽化したために新しい船を建造しておりまして、それができたので、古い船を譲渡するという計画でございます。
 3番目としましては、各法人の保有する資産、土地や建物について見直しを図って、譲渡するというものがございます。これは国でも独立行政法人でも共通ですが、例えば余り利用されていない土地、建物については、できるだけ利用率を高める、その見通しがない場合は処分するなどということが推進されていることがございます。各法人で、このページの下の静岡大学、京都工芸繊維大学のような例では、現在未使用の土地、加えて少し場所的にも使い勝手が悪いところを譲渡する、あるいは野外実習場としていたものについて利用計画を見直した上で譲渡するというもの、これが土地で11、建物で5あります。
 その中でも、例えば真ん中に東京大学の例がありますけれども、右側にあります渋谷と白金、それから三鷹の第二武蔵野の3か所にある宿泊所や学生寮の土地や建物を売って、新しい国際宿舎を整備しようというような計画もございます。
 4番目としましては、めくっていただいて4ページの真ん中辺りに九州大学の例がございますけれども、これは上に丸10、丸11と二つありますが、今、九州大学はキャンパス移転を行っておりまして、その関係で、不要となった土地を譲渡するということで、右側にありますような筥松地区の土地、それから農学部の一部の土地を譲渡するというものがございます。
 このような計画についてですが、先ほど申し上げたように、自治体からの要請で行うものにつきましては、必要最小限な外周部などを支障のない範囲で譲渡し、逆にそれが自治体運営への協力や国立大学法人の利便性の向上につながるもの、それから、保有資産の見直しなどにより譲渡するものがございます。
 それから、先ほどの東京大学あるいは九州大学のような大きなプロジェクトについては、文部科学省内の関係部局による審査を経た上で、差し支えないだろうという計画に基づいて譲渡するものとなっておりまして、文部科学省といたしましては、これらの譲渡を認めて良いのではないかということで、本日御意見を聴くものでございます。
 それから、1枚目の2に、中期目標期間を超える債務負担に伴う計画の変更が3法人ございますけれども、これは民間から借入れをし、債務を負担することによる計画の変更ということで、具体的には5ページにその計画が書いてあります。これは民間機関から長期借入れをする、あるいはそれによって償還計画を立てる、これについても文部科学大臣の認可事項となっておりまして、次の議題で御審議いただくこととなっていますが、御審議の結果、差し支えないということであれば、中期計画上にも、このアンダーラインなどで入っている新しい借入事業を追加するというものでございます。
 それから、3番目の別表、教育研究組織の関係でございますが、これは6ページ以降にございます。最初のところ、共同利用・共同研究拠点の認定に伴う目標の変更、それから下の方に、教育関係共同利用拠点の認定に伴う目標の変更とございます。別表の中には、学部、研究科のほかに共同利用・共同研究拠点がございます。これは各大学が置いている研究所などで非常に特徴のある研究を行っているところについては、例えば特殊な設備・装置がある、又は研究資料が非常に貴重なものがあるということで、その大学だけで利用するのではなくて、全国の研究者が共同利用するような拠点とすることが適切であるというものについては、文部科学大臣が認定を行うという制度がございます。認定を受けた機関については、別表2にそれを掲げることとなっておりまして、今回、静岡大学、愛媛大学、九州大学がアンダーラインにあるような拠点を新たに追加するというものでございます。
 一方、教育関係共同利用拠点も同じようなものでございまして、例えば農学部が持っている農場や演習林、理学部が持っている臨海実験場、水産学部が持っている船舶練習船、このような施設について、例えば学生の実習やフィールドワークに使うときに、これも一つの大学で活用するだけではなくて、それぞれの地域の環境や研究領域をいろいろな大学で活用できるように、認定する制度がございまして、新たに設置されたものについて、茨城大学以下、別表に追加されているというものでございます。
 それから、9ページは同じ共同利用拠点ですけれども、北海道大学のスラブ研究センターはスラブ・ユーラシア研究センターに名称が変わり、東北大学の高等教育開発推進センターは高度教養教育・学生支援機構に名称が変わりました。共同利用拠点としての性格は変わっていないということでございます。
 それから、10ページは学部研究科の変更に伴うものでございまして、秋田大学が新たに国際資源学部と理工学部を設置することに伴う変更、千葉大学の法政経学部などで、ここの5大学について新たな組織が加わったことにより、別表に追加されます。これは中期目標ということで、組織名が書かれるものでございます。
 12ページですけれども、こちらは中期計画の側なのですが、目標には組織の名前を、計画には学生定員を記述することになっておりまして、学生定員の変更や新しい組織が増えているものについて、このような変更があるというものです。上の5大学につきましては、新しい組織ができたので、その定員について記述し、他方で廃止される学部については、定員が減ったりなくなったりすることについて記述してあります。それから、下の方は、既存の学部、研究科等について入学定員を増やすあるいは減らす場合の一覧です。
 この表だけを見ると、大学がどこを増やしてどこを減らしたというだけで、全体でどういうことをやっているのかというのは分かりにくい面もありますので、13ページ以降に参考ということで、大学全体でどういう組織の変更をしたのかということも一覧できるような資料も添付しております。
 例えば、13ページの一番上の北海道教育大学は、教員を養成する課程と、教員免許を必須としない新課程という2つの課程を持っているわけですが、教員養成課程については、教員採用需要を考慮して20名増員する、一方で、3つあった課程については、もう少し教育研究目的をはっきりさせるために、学科として改組をしているというものがございます。
 それから、このページの下から3番目の秋田大学の例で言いますと、一番下のところですけれども、工学資源学部という学部を改組して、国際資源学部を新設するとともに、そのほかの組織については理工学部という形で改組すると。このようなことに伴って、上にあります教育文化学部については入学定員を減らす一方、医学部は最近の医師需要を考慮して2名の増を行うなど、大学全体として組織の見直しを行っているというもので、これに伴い、別表を変更しているということでございます。
これらについては、既に文部科学省としても、必要な手続でこのような組織変更を認めているものを表に反映させるという性格のものでございます。
 以上、3点の変更について御意見を頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします。

【宮内部会長】  ただ今の説明に関して、御質問や御意見がありましたら、どなたからでも御自由に御発言ください。
【巻之内委員】  新しく入ったものですから、全然分からないために少し無知な質問と言われてしまうかもしれません。
 2点ありまして、一つは、重要な財産の譲渡についての重要性の基準はどういうふうに設定されているのでしょうか。
 もう一つは、長期借入金等の中には、例えばファイナンスリース(借手の希望する物件等を貸手が購入し、借手は実質的にコストを負担し、途中解約不能な貸与の仕組み)ですとかオペレーティングリース(物件等の元本部分から貸与期間終了時の残存価値を貸手が負担することにより、その分のリース料を差し引いて借手に貸与する仕組み)による設備の導入については、この「等」の中に含んでいるのかどうされているのか、この2点を教えてください。
【事務局】  まず、前段の重要な財産については、土地、建物は、重要な財産ということになってございます。それから、後段については。
【事務局】  含まれていないですね。
【巻之内委員】  ないですか。
【事務局】  はい。
【巻之内委員】  会社法上の基準などからすると、土地であっても、遠隔地の土地で50平米なんていうと、全資産に比べると重要性があるのかなという感じがするのですけれども、今までのルールとしては、土地、建物は全部入れる、船舶も入れる、いかに老朽化したものであっても入れるという感じですか。
【事務局】  法人化をするときに国から出資をするという手続を取ったわけですけれども、そのときに土地、建物は全て重要な資産であり、国から出資したのだから、勝手に処分したりしたら駄目だと。もし何か必要があれば、必ず認可を取らないと駄目ですよという仕切りになったものですから、値段がつかないような土地でも手続上は評価委員会の意見を聴くということになっています。
【宮内部会長】  少額でも重要な財産となっているのです。
【巻之内委員】  そうなのですか。
【宮内部会長】  今の御説明のとおり、最初の出資財産の資本金の対象になっているような財産が対象になっていますという程度の話しかないのですね。
【巻之内委員】  そのルールはどこかに書いてあるのですか。
【事務局】  はい。処分するときは認可を得なければいけないと国立大学法人法に書いてございます。
【事務局】  国立大学法人法第31条第2項第5号です。
【事務局】  これは、中期計画に書かなければいけないということですね。
【巻之内委員】  重要な財産の譲渡の規定は分かるのですけれど、この重要性について、どういう基準が更にあるのかなと思って、その根拠というのはどこにあるのかなと。
また、それは周知されていることなのですか。例えば申告漏れとか、そういうことはないですか。先ほどの50平米などというのは、はっきり言って、財産的な価値からすると重要性がないという判断の下に申告しないということはないですか。
【事務局】  法人化のときに国側が出資をしており、向こうから申告がないというものではありませんから、そこでの漏れはないです。土地、建物全て、国の時代は、完全に国として管理していましたから。
【巻之内委員】  でも、今は譲渡するのは法人として譲渡するわけですよね。
【事務局】  今はそうです。
【巻之内委員】  そうですよね。それについて、評価委員会の見解を求められているわけですよね。
【事務局】  はい。
【巻之内委員】  だから、向こうの申告がない限り、分からないですよね。
【事務局】  はい、そうです。
【巻之内委員】  だから、その申告をするかどうかの判断基準として、国から頂いたものは全てというようなことは、周知されているのですか。
【事務局】  はい。
【巻之内委員】  紙に書かれているのですか。
【事務局】  机上資料の国立大学法人法資料集ですと、35ページの国立大学法人法施行規則第18条です。
【宮内部会長】  その前の第17条に重要な財産の範囲がありますね。
【巻之内委員】  ありますね。重要な財産、土地、建物、船舶、航空機、文部科学大臣が指定するその他の財産。この指定するその他の財産についての規定というのはどこにあるのですか。
【事務局】  これは重要文化財で、別途、指定しています。
【田籠委員】  通知ですか。
【事務局】  はい。
【巻之内委員】  高額な医療機械などはこの中に入らないのですか。
【宮内部会長】  最初の出資の対象になっているものに入ればそうなるし、入っていなければ、後から購入するなど何かするのは、補助金、適化法の関係でしないといけないケースが出てくる。ただ、それはここにはかからないでしょう。
【事務局】  そうですね。大臣の認可を得なければいけないというところには入ってこないですね。
【宮内部会長】  だから、高額なものでも二通りあると思います。
【巻之内委員】  なるほど。すみません。了解しました。

【宮内部会長】  どうぞ。
【田籠委員】  非常に素朴な疑問で恐縮なのですけど、3ページの22番の東京大学の件などは、譲渡というのですかね。先ほどの説明だと、既にある学生寮を売って、新しいものを建てると。
【事務局】  ここの土地は譲渡し、別なところに集約するというものです。
【田籠委員】  売る場合は譲渡という表現が正しいのですか。
【事務局】  そういう表現にしてあります。
【田籠委員】  細かいことだけど、統一してあるわけですか。
【事務局】  はい。
【田籠委員】  そうすると、ほかの案件でも、行政に売るケースもあるわけですか。
【事務局】  基本は全部売っています。
【田籠委員】  ただで渡すわけではない。
【事務局】  無償譲渡ではないです。
【田籠委員】  例えばその譲渡金についての審議というのはあるのですか。
【事務局】  ルールが決まっていまして、半分が国立大学財務・経営センターというところに入りまして、残りの半分は当該大学で使用していいことになっています。
【田籠委員】  そうすると、例えば譲渡金の水準だとかバランス、いわゆる金額ですよね、えらく高くなったり安くなったりとかっていうのは、そちらがチェックするわけですか。
【事務局】  適正な価格で売れたかどうかまで審査する部会ではないです。
【田籠委員】  リスク管理という観点で言えば、要は、必ずお金が動くところには不正が起こるリスクが伴うので、それはどこかでチェックされているのだろうねということです。研究資金の不正利用というのは氷山の一角で、相当なものが大学行政の中で動いていると思うのです。人件費も含めて。非常勤講師の人件費などというのは非常によく分からない領域ですので、チェックは働いているのかなという、疑問というよりは心配なのですけれども。
【事務局】  譲渡するとき、適切に売っているかというのは、この評価委員会の審議事項ではないのですけれども、チェックはしています。
【田籠委員】  政治答弁ではないのですけど、きちんとした専門機関があって、そこに掛けられているとか、それこそ宮内先生のようなプロフェッショナルが細かくチェックされているとか、そういうことではないですよね。
【宮内部会長】  大学の中でも審議会みたいなものを作ってやっているケースもあるのではないですか。独法などはそういう格好で、外部の専門家を集めてやっているケースはあるのだけど、国立大学法人の場合にはないのですか。
【事務局】  価格の適正性についての会議ということですか。売るかどうかということですか。
【宮内部会長】  入札から何からのプロセスを管理するために、そういうような建て付けを独自に作るというケースが多いと思うのだけれども、どうなのですか。
【事務局】  譲渡する際には、もう1度、鑑定士に不動産鑑定をしてもらった上で譲渡を行っています。
【事務局】  道路拡張などで行政に売る場合は、公示価格などそういう価格じゃないと、向こう側もそれ以上の金は出せませんので、そこは割と機械的にいきます。大規模な移転を伴うようなときというのは、それなりのしっかりとした建て付けでやります。
【宮内部会長】  義務付けという格好でのルールは確かにないですね。ただ、行政に報告は上がっていて、その中に不動産鑑定士の評価書や何か関連するものが付いて挙げられてきていることはきているのですね。
【事務局】  はい。
【田籠委員】  買う側は必ずやるでしょうね。分かりました。
【事務局】  売る側も当然、事前に鑑定しています。
【宮内部会長】  ほかのところは単純に処分してしまっているケースというのもあるのだけれども、九州大学とか東京大学の案件は、本当は大きなプロジェクトの一環だから、これだけぽこっと持ってこられると、一体ここで何を審議するのですかとなりますが。
【事務局】  確かにこの中では、東京大学と九州大学の案件だけが特殊でございまして、これは省内の会議で審議を経て承認されています。
【宮内部会長】  ということは、安心していいということですか。
【事務局】  ええ。その場合は、事業をするために、東京大学で言えば、新しい学生寮を造るために現在所有している土地を譲渡するというのですから、そのバランスを見て、これだったら計画として良いということで、文部科学省全体として了解ということを公文書で出しています。
【田籠委員】  そうですよね。九州大学はPFIもあるし。
【宮内部会長】  本当にそういう意味では、二つの大学はちょっと違う項目だと思います。一般的には、先ほど巻之内委員が言われたような小さな案件で、ここに挙がってくるのは何だろうと。
【田籠委員】  値段がつかないような土地だと思うのですけれどね。
【宮内部会長】  金額の少額な重要な財産の譲渡という事態が結構多いというふうに御理解いただいてよろしいかとは思いますけど。
【田籠委員】  はい。承知しました。

【宮内部会長】  ほかに何かございますでしょうか。
【巻之内委員】  今のことに関連して、この委員会が承認を与えるための根拠条文を教えていただけますか。というのは、先ほどの国立大学法人法施行規則第18条を見ると、大学法人の方では、認可を受けようとする場合には、処分等に係る財産の内容及び評価額、処分等の条件、こういったものを申請書に書いて出すということになっていて、本当にそれを承認するのか全体を承認するのか、譲渡だけというところで我々は見ていますけれども、譲渡の適正性というのは、やはり値段にかかってくるわけなので、本当にそれでいいのかなと。その条文があれば教えていただきたいと思います。
【事務局】  大臣が認可をするに当たって、本委員会に意見を聴くということでございますので、この委員会で承認をするという位置付けではありません。
【巻之内委員】  意見を言うにしても、処分の適正性について見なくていいのでしょうかということです。
【宮内部会長】  机上資料1の東京大学を見ると、これだけ膨大な資料がございまして、本来ならば、これを読んで納得して、了解するかしないかという話になります。
【事務局】  大学から出ている書類が、このファイルの資料でございます。
【宮内部会長】  それをダイジェスト化したのが資料3で、このダイジェストで全部分かるかどうかは何とも申せませんが。
【田籠委員】  写真がすごいですね。現況写真。
【宮内部会長】  細かく状況として挙がってきていることは挙がってきています。
【田籠委員】  使われていないのですものね。
【宮内部会長】  東京大学の学生寮は使われているのですか、使われていないのですか。使われているけれども、もっと有効に、効率性良く何とかしようというような発想なのですか。
【事務局】  これ自体は現在、宿舎として使われておりません。
【宮内部会長】  今は使っていないのですね。
【田籠委員】  使われている雰囲気がないですものね。
【宮内部会長】  平成18年度まで使用されていた。
【田籠委員】  この写真で見る限りは使用されていないですね。いつから放ってあるのだという感じですね。平成18年度末からですか。民間なら早く売ってしまうところですけれどね。
【巻之内委員】  売買契約書などは付いてないのですね。
【宮内部会長】  ええ、本部会の了解が得られないと譲渡できないので、まだ売買契約までは行ってないです。
【巻之内委員】  要するに、売買金額も見積もっていないということですか。
【宮内部会長】  決まっていない。
【事務局】  はい。これからということになります。
【宮内部会長】  だから、金額についての適正性はここで議論はできないのです。という状況で、私も長くやっているというだけで、何から何まで全部、納得いく内容なのかというと、限定された内容について意見がなければ、それで行きますというレベルの話でございますので。
【事務局】  事務局の説明が不手際で申し訳ございません。
【巻之内委員】  私ども、取締役会で譲渡承認をするかしないかとか、破産管財人として裁判所に財産の譲渡を許可申請する場合などが頭にあるものですから、そうすると当然、売買というと売買金額が決まっていて、なおかつその金額が合理的であると、一生懸命説明しなければいけないのですね。それがないものですから、少しあれっと思っているだけなのですけれどね。
 では、あくまでも譲渡する方向性について、こちらが意見を述べればいいと。あとは、金額等については、そちらと国立大学法人の方ということですね。
【事務局】  そうですね。
【巻之内委員】  分かりました。
【宮内部会長】  九州大学のときは、全体のスキームを一度御説明いただいて検討したケースがあったのですけれども、今回、そういう意味では、東京大学のケースが近かったのかも分からないですけどね。
【事務局】  はい。スケールは九州大学と東京大学で少し違いますが。
【宮内部会長】  スケールが小さいけれども。
【田籠委員】  九州大学は丸ごとですからね。
【宮内部会長】  ということで、御意見、御質問等いろいろ出ましたが、よろしいでしょうか。
 文部科学省としては、原案のとおり中期目標を変更し、中期計画の変更を認可したいということでございますが、これに対しては、本部会として、意見無しとしてよろしいでしょうか。
 それでは、そのようにいたします。なお、中期目標・中期計画の変更については、財務省と協議することとなっており、今後変更があった場合などの扱いについては、私に御一任いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、国立大学法人の長期借入金の認可及び長期借入金償還計画の認可等について御意見を伺いたいと思います。内容について、事務局から説明をお願いいたします。
【事務局】  では、私の方から説明を申し上げたいと思います。
 説明をさせていただくときに、お手元の机上資料も併せて御覧いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 御説明の前に、資料4の6ページを御覧いただけますでしょうか。左上に参考と書いておりまして、長期借入金の借入れ及び償還計画の認可に係る関連規定の抜粋ということで、国立大学法人法とその施行令の抜粋文を載せてございます。
 国立大学法人法33条のところを御覧いただければと思いますが、国立大学法人は、政令で定める施設の設置や整備又は設備の設置に必要な費用を文部科学大臣の認可を受けて長期借入れ等を行うことができるということになってございます。文部科学大臣がこの認可を行おうとするときには、あらかじめ評価委員会の意見を聴かなければならないと定められておりまして、また、34条のところでは、償還計画につきましても、同じように定めがございます。
 本日は、平成26年度におけます長期借入金の認可と平成26年度の長期借入金の償還計画の認可について御意見を賜れればと思ってございます。
 この専門部会につきましては、公開という形で行われておりますけれども、本説明資料の中に予算額等が記載されてございます。今後の入札や契約を行う際、これが公表されてしまいますと、影響を及ぼすということが考えられますので、金額や利率につきましては、本日は委員限りとさせていただきまして、非公表という扱いをさせていただければと思っております。そのために、この会議の中で数字を読み上げるということはいたしませんので、申し訳ございませんけれども、御理解を賜れればと思っております。
 それでは、国立大学法人の長期借入れの認可につきまして、まず、国立大学財務・経営センターからの借入れにつきまして、資料4の1ページ目を御覧いただければと思います。
 また、机上資料2を開いていただきますと、中表紙がございますので1枚おめくりいただきますと、詳細の横表がございますので、併せて御覧いただければと思っています。
 机上資料2の方ですけれども、1枚目と2枚目につきましては、国立大学財務・経営センターからの借入れの総括表になっておりまして、大学ごとに平成26年度の新規借入れの部分と、右側の方に平成25年度からの繰越見込額を掲載してございます。
 3枚目から5枚目までは、この総括表の新規分と繰越分を別に記載しているものでございまして、大学からの申請につきましては、7枚目以降にページ番号を振って、各大学の申請書が添付されてございます。
 資料4にお戻りいただきまして、平成26年度の借入れの申請につきましては、基本的には病院の施設整備、それから設備の整備に関してのみ、35大学から申請が出てきております。その内訳でございますけれども、病院の施設の整備につきましては、32大学から63事業でございます。一方、設備の設置に関しましては、20大学から21事業の申請となってございます。
 この中には、工事の過程で近隣から、工事に伴います振動や騒音への対策を求められて、その対応に不測の日数を要して工事が遅延をしており、そのために、平成25年度からの借入れの繰越しを見込んでいる12大学15事業も含まれてございます。
 借入先は独立行政法人の国立大学財務・経営センターからとなってございまして、借入れの予定利率は、施設の整備に関しましては2.5%、設備については1.8%ということになってございます。
 ただし、この利率につきましては、予算積算上の予定利率でございまして、実際の借入れを締結されるときには、改めて利息を決定するということになります。
 直近の平成26年2月13日時点の借入利率でございますけれども、施設に関しましては0.6%、設備も同じく0.6%ということになってございます。
 償還期限でございますけれども、施設は25年以内の5年据置きになっております。また、設備につきましては、10年以内の1年据置きという形になってございます。
 元利金の償還方法でございますけれども、半年賦元金均等償還でございます。長期借入れの対象につきましては、先ほど申し上げましたとおり、附属病院施設整備と設備の設置ということでございます。
 続きまして、民間金融機関の借入れでございます。資料4の2ページ目と机上資料2の6枚目を御覧いただければと思います。
 民間金融機関の借入れにつきましては、5大学から申請がございます。資料4の表の中には、借入額と利率がございまして、さらに、机上資料の6枚目の方にも記載がございます。先ほど申し上げましたとおり、この金額、利率につきましては、非公表という形にさせていただければと思います。
 事業の内訳でございますけれども、東京農工大学、三重大学、山口大学、九州大学、佐賀大学とございますが、これは、九州大学を除きまして、学生の寄宿舎でございますとか職員宿舎の整備ということで4大学から、それから九州大学につきましては、伊都キャンパスへの移転整備事業ということで、理学系施設の整備のための借入れとしまして申請が出てきております。償還期限と償還方法に関しましては、2ページの表にございますように、各大学でそれぞれ設定がございます。
 続きまして、二つ目でございますけれども、国立大学法人の長期借入金償還計画の認可についてでございます。まず、その中で一つが、国立大学財務・経営センターへの債務償還についてということで、資料4の3ページを御覧いただければと思います。
 今度は、机上資料3と書いたものを見ていただきまして、1枚同じようにおめくりいただきますと、「平成26事業年度国立大学法人の長期借入金償還計画の認可申請について(案)」ということで横表が添付されてございます。この資料に関しましても、借入額等が記載されておりますので、今後の工事の入札契約に影響があるということで非公表にさせていただければと思っております。
 中身の説明をさせていただきますと、国立大学財務・経営センターの債務を有する43の大学がございまして、平成25年度末の長期借入金の総額、それからB欄に平成26年度における借入見込額、D欄に平成26年度における償還計画額、それを差し引いたものをE欄に平成26年度末における借入れの見込総額という形で記載をしているところでございます。
 平成26年度に償還されるものの借入実施年度についてでございますけれども、施設は25年償還となっておりますので、平成元年から平成26年度のものが借入れの対象となってございます。また、設備につきましては10年償還ということになりますので、平成16年から平成26年度に借入れを行ったものが対象となってございます。
 続きまして、償還計画の民間金融機関への債務償還についてでございます。資料4の4ページを御覧いただければと思います。机上資料3の3枚目から5枚目までを併せて御覧いただければと思います。
 平成26年度の債務の対象となりますのは、先ほど御説明申し上げました、平成26年度に新たに借入れを行う、朱書きの5大学を含めまして22の大学が対象となってございます。各法人の民間借入れによる事業の内容につきましては、資料4の5ページを御覧いただければと思います。
 借入理由の欄がございますけれども、学生寄宿舎の改修や留学生寄宿舎の新設、それから九州大学については、理学系施設の移転整備で償還が発生するということでございます。
 右に借入れの実施年度、償還期間が書いてございますけれども、それぞれ鋭意、その償還を今現在進めている状況でございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【宮内部会長】  ただいまの説明に関して、御質問、御意見がございましたら、どなたからでも御自由に御発言をお願いいたします。
【田籠委員】  九州大学の民間借入の方は、償還期限が短いですよね。理由は何なのでしょうか。
【事務局】  九州大学は現在、土地の売却、譲渡の計画をしており、売却が終われば、その収入が入って償還するという計画になっております。

【宮内部会長】  ほかにございますでしょうか。
 私も前からずっと言っていて、例えば、学生寄宿舎とか寮の建設に関して返還財源というのは、基本的には入居金、家賃収入で充当するということで、それが本当に可能なのかどうかということについて、この部会で意見を言うか言わないかという話なのですが、基本的にどういうチェックをされているのかだけ御説明いただければ、皆さんも御納得されるかと思うのですが。
【事務局】  幾つか確認している事項がございます。例として挙げますと、法人の業務として適正な整備なのかどうかということがまず一つ、大前提としてございます。
 また、資金の収支に係る計画、償還計画も含めてでございますけれども、これが適正かどうかというところ、利用料金の設定がしっかりできているのかどうかというところ、利用者の見込みがきちんと立っているのかということで、大学によりましてはこの資料に添付されておりますが、今後、その宿舎が新しくなって、料金がこういう形で改定されても利用されるかどうか、宿舎に入っている学生のアンケートでニーズも踏まえて設定して、過去数年の利用率も算定していると、そういうところを確認してございます。
 借入先が民間の金融機関でございますけれども、借入先として適正であるかなど、そういったところを確認しているところでございます。
【田籠委員】  日本人学生に向けた大学が独自に持つ寄宿舎、当然、大学が運営しているところは安いのだろうけれども、その他にもたくさんの民間事業者がいるわけで、それでもある程度、90%から100%比率でずっと入っていて、それが財源となって償還できるのだと。
 一方で、キャンパスアジアとかの関係で留学生を増やすと。そうすると、留学生に対する奨学金の財源又は特別プログラムで認めたものは、国際寄宿舎をただで貸すというプログラムが多いのです。留学生寄宿舎を建てたはいいけれども、実際、留学生に向けては、定員の半分も入らないというようなところもあるのだろうと思います。だから、単純にその物件だけでの償還は難しいのでしょうねと、個人的には見解として思っているのです。大学の財源の中の学費を含めたトータルの財源若しくはCOCを活発に利用して、学校の施設をもっと民間に有料で貸し出すとか、そんなことで大学がプロフィットを生み出して償還していくと。そのようなイメージで捉えているのですけれども、実際はどうなのでしょうか。
【事務局】  実際は、学生の宿舎、留学生の宿舎につきましては、基本的には入居者からの宿舎料で返還するということが大前提になっておりますけれども、我々の確認する中にも一応その償還計画がうまくいかなかった場合どうするのかというリスクに対する考え方がございまして、その中で大学の別の資金でその部門を補塡して、償還が滞らないようにやっていくということは大学の方から話をお伺いしているところでございます。
【田籠委員】  東京海洋大学の国際宿舎を細かく見たことがあるのですけど、あそこには奨学金をもらっていて宿舎も免除という留学生が3分の1ぐらい入っており、あとは教職員が入っており、実際お金を払っているのは半分ぐらいだという話を聴いたことがあったので。それは多分、借入れを作っていたとするならば、無理だろうなと。
 だからといって、ああいう宿舎を造ることが借入金の償還が難しいことを理由に進まないというのは、本末転倒なので、この観点と大学の国際化の観点とのバランスで判断ということになると思うのですけど。意見です。

【宮内部会長】  ほかにございますでしょうか。
【巻之内委員】  これは無担保融資になるのですかね。
【事務局】  これは無担保でございます。

【市川委員】  学生寄宿舎というのは日本人のためということですか。佐賀大学などは留学生寄宿舎というものがあります。

【事務局】  学生寄宿舎については、基本的にはそういう扱いになります。中には混住型という形で取扱いをしているところもございます。
【事務局】  各大学、圧倒的に寄宿舎が少ないというのがまずあります。あってもかなり古い、4人部屋で古くからあったものを何とかして新しくしたいなどという中で、国の予算が潤沢であれば国の事業、施設整備費としてできますが、現実的には難しい。そこで、自前でやる形というものは何かないだろうかという中で、こういう整備手法が今どんどん進んできています。
 したがいまして、昔の寄宿舎で家賃1,000円とか1,500円だったようなところを、民間と同じぐらいか少し安いぐらいの値段まで取っています。
【田籠委員】  上がってきているでしょうね。
【事務局】  こういう新しいところは、高いのです。さっき田籠委員がおっしゃった、また別途、補助金のようなものを獲得しているところは、それは事業費などもいろいろな使い方がありますので、それはそれでうまくいきますが、今度はその補助事業が終わったときにどうするかということで、やはりハードをきちんと持っておかないと回っていかないということがあると思います。
【田籠委員】  確かに。
【事務局】  補助金が付いているときは借上げという形でできても、補助金が終わったら借上げは終わってしまいますから、今、各大学が非常に工夫というか苦労しながらやっているというところです。
【田籠委員】  そうですね。補助金がなくなった後の継続性の担保はないというのが大学の見解ですからね。補助金がなくなったら留学生を帰すという。
 PFIは不勉強なのですけど、PFI方式で民間資金も流入させた形での新しい寄宿舎運営のようなことが、九州大学の例などがそうだと思うのですけども、今後増えていくのですかね。
【宮内部会長】  学生寄宿舎の規模でPFIの効果があるかといったら、ちょっと無理だと思うのですけどね。

【宮内部会長】  ほかによろしいでしょうか。
 御意見、御質問等もございましたが、文部科学省としては、原案のとおり、平成26事業年度における国立大学法人の長期借入金及び長期借入金償還計画の認可をしたいということでございます。これに対しては、本部会としても意見無しとしてよろしいでしょうか。
(「異議無し」の声あり)

【宮内部会長】  それでは、そのようにいたします。
 次に、国立大学法人の役員報酬規程及び役員退職手当規程の改正について御意見を伺いたいと思います。内容について、事務局から説明をお願いいたします。
【事務局】  それでは、議事4の国立大学法人の役員報酬規程及び役員退職手当規程の改正について、こちらから御説明させていただきます。
 御案内のとおり、国立大学法人法におきましては、各法人の役員報酬等の支給基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかという点につきまして、評価委員会において、文部科学大臣に対して意見を申し出ることができるというように規定されているところでございます。
 お手元の資料5の3枚目、右肩に(参考)と書いてあります資料でございますが、こちらに国立大学法人法の条文の抜粋を記載させていただいております。下段の方に、第53条、評価委員会の意見の申出ということで、第2項に今申し上げたような内容が規定されているところでございます。
 今回お諮りいたします役員報酬規程の改正につきましては、今の資料5、それから机上資料4を、また、続きまして、役員退職手当規程の改正につきましては、次の資料6及び机上資料4をそれぞれ御参照いただければと思っています。
 それではまず、資料5の役員報酬規程の改正でございます。7月に行われました専門部会以降、1の人事院勧告等に基づく国家公務員給与の改正を踏まえた規程改正の届出は特にございませんでしたので、今回は2その他の改正について報告をさせていただきます。
 それでは、1枚めくって、別紙1を御覧いただければと思います。御覧のとおり、10件の報告がありました。まずは、非常勤役員の給与に関する改正でございますが、非常勤監事につきまして、その当該法人の職員給与のうち、地域手当の支給率の引上げに伴いまして、非常勤役員手当額を改正した法人が1法人ございました。
 続きまして、地域手当の改正でございますけれども、各法人の地域手当の支給率を国よりも低く設定しておりました法人が、今回、国家公務員の地域手当の支給率に近付けるという改正、あるいは法人の財政計画の見直し等を考慮いたしまして、一定期間、地域手当の支給率を引き下げる改正を行った法人など2法人がございました。
 三つ目は、その他の手当に係る改正でございますが、財源確保等のために通常よりも低く設定してきた期末特別手当の支給率の引下げを終了するという改正を行う、あるいは給与水準引下げに伴う現給保障などの経過措置につきまして、国家公務員においては、この3月に終了いたしますので、その終了時期に合わせて法人の措置の終了をするという改正を行った法人など6法人から報告が出ております。
 四つ目でございますが、字句の整備等ということでございますけれども、こちらにつきましては、法人の規程におきまして、大学の名称を現在は新字体で表記しているところを旧字体で表記するということに伴いまして、改正を行った法人が1法人ございました。
 続きまして、退職手当でございますが、資料6でございます。こちらも、7月の専門部会以降、1の国家公務員退職手当の改正を考慮した変更につきまして法人より届出がありませんでしたので、こちらも、2その他の改正について報告をさせていただきます。
 1枚おめくりいただければと思います。まず一つ目でございますが、役職員の在職期間の通算に係る改正でございます。法人の中には、自分の法人の職員が役員になるケースもあるわけでございますけれども、他の法人の職員から引き続いてこの大学の役員になった場合で、異動前の法人が平成16年の国立大学の法人化後に定年年齢を引き上げている場合には、異動前の法人の職員の在職期間を異動後の役員の在職期間に通算しないということについて改正を行った法人が1法人ございます。
 具体的には、国立大学の法人化後に定年年齢を引き上げた法人の職員からこの大学の役員に就任する場合には、在職期間を通算しないということにいたしますので、前任の法人の退職手当は前任法人で支給をして、この大学では、この大学の役員として在職した期間に応じた退職手当のみを支給するという整理をしたところでございます。
 2点目につきましては、退職手当の支払時期に関する改正でございます。役員の退職手当につきましては、退職後の経営協議会の議を経て学長が決定するということになってございますけれども、支払時期につきましては一定の期間を要することから、実態に合わせまして、大学において退職手当を決定後に速やかに支払うということで規程を明確化した法人が1法人ございました。
 それから3点目でございますが、こちらも字句等の整備でございますが、役員報酬規程と同様に、法人の規程において大学の名称を旧字体で表記をするという整理をしたことに伴って、規則改正したという法人が1件ございました。
 以上が報酬規程、それから退職手当規程の改正に関する御報告でございます。よろしくお願いいたします。

【宮内部会長】  ただ今の説明に関して、御意見、御質問ございましたら、どなたからでも御自由に発言をお願いいたします。
【田籠委員】  今回は規程の改正を届け出たところの数件の確認ということですよね。基本的な考え方の役員報酬であるとか退職手当又は人事給与の面で横同士、大学によって学長の年俸も違いますよね。あれを見ていて、地域の生計費が考慮されているとも思えません。私、人事屋なものですから、そういう見立てをするのですけれども、大学の規模であるとか、世界大学ランキングであるとか、いろいろな観点で。あれは、国立大学法人評価委員会ないしは文部科学省として一定の水準があって独法化したわけだから、ある程度、大学単位の収支でもって民間企業のようにフレキシブルに対応できる範囲というのもあるのでしょうけれども、給与、退職金、役員の分も含めて、何をもって判断しているのですか。シンプルにレンジ表みたいなものはあるのですか。
【事務局】  基本的には、国立大学法人が法人化する前の国家公務員であったときのものがベースにございまして、法人化した後にはそれぞれの人事戦略等に基づいて御判断いただいているというところでございまして、文部科学省の方で何かしらの基準をお示しするということは今のところございません。
【田籠委員】  上がってきたものに対して、良い悪いと言うことはあるのですか。報酬の金額設定って、民間企業の場合は自分で決められるわけですね。重要な案件のみ株主総会で承認されればいいわけなので。そういう手続というのはどこかにあるわけですか。株主総会に近いようなことが。
【事務局】  経営協議会ですね。
【田籠委員】  経営協議会には第三者が一定割合入るということですね。
【事務局】  そうです。半分です。
【田籠委員】  それがいわゆるボードの役目、株主総会の役目を果たしていると。
【事務局】  そこは、通らないと改正してはいけないことになっています。
【田籠委員】  そんなに目を見張るような違いがないということの御判断だと思いますが、ここに上がってきている1件1件を何と比較したらいいのか少し分からないのです。退職金を速やかに払うと。普通の会社は翌月の何日に払うなど、全部決まりがあるわけですけれども、それが各校ばらばらなのですか。3か月後に払うとかいう学校もあるわけですかね。
【事務局】  基本的には、これも国家公務員退職手当法に準ずる形で、1か月後というのがベースなのですけれども、特に役員の退職手当につきましては、退職後に、その業績に応じた退職手当額の評価をいたしますので、どうしても一定時間を要してしまうということで、このケースで申し上げれば、従前は1か月以内に払うという規程に例外を設けまして、そういった時間のかかる案件については、1か月を超えても支払うことができるという規程もございましたが、この法人におきましてはむしろ実態に合わせる形で、経営協議会の議を経て大学として決定したら速やかに支払うということで示し直したという整理をしているようです。

【田籠委員】  非常勤役員の給与に係る改正は滋賀医科大学ですか、これは日額と書いてありましたけれども、通常、民間企業の場合は非常勤役員については月額で決めるケースが多いのですが、日額となると常勤のように毎日来たらたくさん払わなきゃいけないと、シンプルに考えるとそういうことなのですけど、どう考えたらいいのでしょうか。3万7,000円というのは日額としては決して安くはないので、十日来れば、非常勤も結構いい金額をもらうと。その非常勤というのは、基本的にラインが外れたから非常勤になる、若しくはラインではなく非常勤なので、極端なことを言えば、特命事項のミッションがない非常勤の方っていうのは、言葉は悪いけど、飾りもあると。それに関しては、どうチェックが働いているのですか。
【事務局】  非常勤といっても、様々あるとは思いますが、例えば週1回の役員会には必ず出席するとか、特に監事でしたら、監事としての仕事をするわけです。ということでは、8時間いるかどうかは別としても、非常勤であっても頻繁に大学にいらっしゃる例というのは多いと思います。そういった実態を踏まえて月給がいいのか日給がいいのかというのを各法人で決めているということだと思いますけども。
【田籠委員】  その非常勤の月額の上限が幾らとか、そういう規程があるのかなと。
【事務局】  それはないですね。
【田籠委員】  非常勤がフルタイムで来たら、相当な額になるということじゃないですか。
【宮内部会長】  今の上限の話はともかくとして、これは文科省の独法の方で、全体だったとたしか記憶しているのですけれども、要するに、日額で監事の責任を決定する話ではないと。監事の責務そのものは決まっているわけだから、そういう意味では、例えば月に1日で足りるという法人もあれば、十日も来なければ足りないという法人もあるだろうと。そういうものを考慮した上で、基本的には月額で決定するのが当然ではないかという意見が出されて、幾つかのところは横串を入れて、月額で規定するようにという整理をしているケースがあるのですね。それは今年、そういう結果になったのですけれども、逆に言うと、国立大学の場合、非常勤の方が多いのか……、独法の方は監事の権能を強めようというような話も片方で出ていて、そうすると多分、横並びの話が幾らか出てくる。そうすると、監事も常勤化しなくてはいけないのではないかという話とともに、非常勤の監事であっても、どういうことをやらなくてはいけないのかという話が出てくると、日額で、来たら払います、来なかったら払いませんという話は、どうも制度としてなじまないのではないかという気がするので、その辺は全体的に御審議いただいた方がよろしいのかなと。意見というか、少し付言させていただきたいと思うのですけれども。
【事務局】  是非持ち帰りまして検討したいと思っておりますし、正に今、宮内部会長がおっしゃったように、独法通則法の観点での監事の権限の強化という流れが大きく一つあることと、大学のガバナンスの観点でも、先日の総会でも河田委員が国立大学法人は70%も非常勤じゃないかという発言をされていましたが、監事の機能の強化をどうやって行うのかということの両方がございますので、そういうことを考えていくと、今、部会長がおっしゃっていたような形での議論というのは、当然進んでいくと思っています。

【宮内部会長】  一応今のお話は、コメントとして聴かせていただいた上で、それ以外の今回の案件については、文部科学省の言われることについて、コメント無しということでよろしいでしょうか。
 それでは、特段の意見がないものということで報告させていただきたいと思います。
 本日の議題は以上となります。今後の日程等について、事務局から説明をお願いいたします。

【事務局】  まず、本日の審議結果につきましては、総会の方に報告申し上げます。それから次回は、例年であれば、7月、8月頃の決算期にまたお集まりいただく予定でございます。ただ、先ほど申し上げたように、緊急の案件がございましたら、別途開催させていただきたいと思いますので、そのときは、また改めて日程を御相談させていただきたいと思います。
 以上でございます。
【宮内部会長】  それでは、本日の議事は終了いたしました。ありがとうございました。

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