第5期先端計測分析技術・機器開発小委員会(第11回) 議事録

1.日時

平成23年1月25日(火曜日)15時~17時30分

2.場所

文部科学省 3F2特別会議室

3.議題

  1. 総合科学技術会議アクション・プランへの貢献等について
  2. 知的創造プラットフォームの構築について
  3. その他

4.出席者

委員

石田委員、上野委員、小原委員、近藤委員、志水委員、杉浦委員、
杉山委員、竹内委員、田中委員、玉田委員、中村委員、二瓶委員、
原委員、松尾委員、森川委員、山科委員

文部科学省

池田研究環境・産業連携課長、能見新技術革新室長、寺崎研究環境・産業連携課課長補佐

オブザーバー

澤田独立行政法人科学技術振興機構開発総括
佐藤独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター フェロー
丸山独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター フェロー

5.議事録

【主査】
 定刻になりましたので、本日の委員会を始めさせていただきたいと思います。それでは、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

  <事務局より配布資料の確認>

【主査】
 ありがとうございました。それでは本日の議題に進めさせて頂きます。まずは、事務局からご説明をお願いいたします。

(1)総合科学技術会議アクション・プランへの貢献等について

  <事務局から資料1について説明>

【主査】
 ありがとうございました。ご質問、ご意見お願い致します。

【委員等】
 例えばリチウムイオン電池において、リチウムイオンが皮膜にとらわれて、それの動きが遅くなっていて、うまく解決する方法が見つかったら画期的だという話が出ております。観測という点で、分析計測が役立つということになると思うんですが、そういった点に関して、何か解決するということを目指す研究があるのであれば、一番核心に触れるようなところになると思いますので、そういったことが入っているのかどうか。

【主査】
 非常に具体的に、こういう課題で応募があるのかということだと思いますが、まず、考え方としての整理は、資料1でかなり枠組みは明らかにさせていただけたと思っております。それから、公募対象領域といたしましては、昨年秋、3回にわたり専門家の方からの問題意識を詳細にお尋ねし議論をさせていただいたわけですが、その中から結論として出てきた表現というのが、「異相界面におけるパワーフロー現象解明」という表現なのです。領域設定の枠組みとしては非常に抽象的な表現ではあるが、問題の核心に触れている問題提起であるという意味で、話を伺う限り、最も適切な表現ではないかという議論になったと思っております。
 ただ、今ご指摘のように、具体的にはどんな装置、あるいは方法により、どんな系を設定して測定し、このような課題にアプローチしていくのか、いろいろな方にご意見を伺いますと、リチウムイオン電池での未解明現象というのはご指摘のようなものがございます。結局、パワーフローというのは電位差と電流ということであって、電流に関して言えば、時間的なファクターを含んだ現象でございますから、移動速度ですとか、あるいは電位勾配の問題ですとか、そういう問題の根源的な現象がちゃんとわかれば、よりいい材料を見出すための方向がわかるだろうということで、当事者からは大変熱い期待、問題提起があったというように理解しております。
 そのあたりで、例えば電子顕微鏡を使ってこの課題にアプローチするとすれば、どんな考え方があるのか、ご説明頂けますか。

【委員等】
 先端計測の立場で、今リチウム電池を中心に抱えている問題点にどういう新しい計測機器が必要かというのと、もう一つは、一番焦点が当たっている電子顕微鏡がどこまで現状にこたえているか、端的にご説明しますと、電位勾配をきちんと測るというのは、これは電子線ホログラフィーが一番適していることは間違いない。
 それから、今度は電池の中のリチウムイオンの濃度分布の変化を書けるということになれば、現時点では大体活物質が40ナノですから、少なくとも分解能はそれよりも1けた下がる。だから数ナノ以下のプローブでもって濃度変化を追うということにすると、今のところは電子ビームしかない。事実それでロススペクトルという方法でロスイメージをとってというのは、これは大阪の産総研の燃料電池センターが見事な仕事を2年前に発表している。これは幾つかの雑誌にも全部引用されていますけれども、端的に言いますと、それらは生きた試料に対してのものではありません。現場は生きた試料で、実際に発電しているわけです。中で電気を起こして流れているわけで、そういう中で何が起こっているかというのを見たいんだけれども、実は顕微鏡の制約上、今やられているのは、例えば平山さんのやったホログラフィーでは60ナノ、それから産総研でやったのが50ナノぐらい。それですと電池としては働かないんです。
 では、どうしたらいいかというと、もっと電圧を上げなきゃいけない。それで今一番期待しているのは、日本は世界に誇るワンミリオンのホログラフィーの電子顕微鏡、これは日立が持っている。使うには、もちろん改造しなければいけません。生きた電池で、電圧をかけてフローを追っかけて、その状態で電位勾配をきちんとるところをとるわけですから。それから分析電験になれば、京都大学の科研が持っている。これもワンミリオンの分析電子顕微鏡、これも世界最高の分解能。そういうものをうまく試料室に環境セルを導入して、それでやるということになれば、その環境セルの中で生きたままで、つまり、現場の言うとおり生かして、200ナノぐらいの大きさであれば完全に電池として機能するということですから、そういうもので多分、新しいブレークスルーは可能になってくるのではないか。
 もう一つは、電池の専門家からすると、100ナノあれば動く。もし100ナノであれば、もちろん電池を作製する技術があるので、100ナノであれば、これは300キロあれば、300キロでのホログラフィーの計測、それから300キロのEnergy-Loss Spectroscopy、イメージングを使うということでかなりのところまで追いかけることができる。
 いずれにしても、既成の顕微鏡を使うということでなく、新しい工夫をその中に入れて、リチウム電池解析用の専用の顕微鏡のようなものを開発できれば、多分、現場とのマッチングがとれた新しいブレークスルーは可能でないかというのが1点です。
 そして、エックス線があります。エックス線は、今既に先行している炭素研究プロジェクト、去年からスタートしました。表面でリチウムを含んだ分子がどういう形でイオン化されて、どんな形でエネルギーフロー、パワーフローにつながるかというところまでカバーできるかどうか。組成変化という意味ではきれいなデータがとれるかもしれない。ですから、今調べた範囲内では、私は日本の電子顕微鏡の技術をもってして、リチウム電池にターゲットを据え、エネルギーアナライザも決められた範囲の特定の領域でやるということであれば、ブレークスルーは可能ではないかと。ただ、問題はそれに打って出て、ブレークスルーを目指すという、そういう研究チームがどれだけうまく構築できるかという点にあるかなと思っています。

【主査】
 ありがとうございます。ポイントの1つは、電池が動作している状態で、その内部の状態を調べなければならないということ。50ナノの厚さの電池、ちょうど電池の電極と電極の間で断面をつくり薄いフィルム状に切り出して、垂直方向で電子顕微鏡で見ようと。そういう設定での状況を考えますと、50ナノでは電池として動作するボリュームがないという、電池の専門家のご指摘。できれば100ナノ欲しいと。
 しかし、100ナノだったら、今度は電子顕微鏡で見るのに困難が伴う。したがって、高い加速エネルギーの高速電子で見ないと十分につかまえられない。そういう隘路がある。それを解決するような電子顕微鏡の改造。それと試料サイドの電池が生きた状態で電子顕微鏡の測定対象にできるかどうかという技術のジャンプが必要だというようなこと、それをトータルで実現可能となれば、これは非常に大きなブレークスルーが期待できるだろうというような、そういうご説明であったと思います。
 したがいまして、非常に明確にターゲットが決まっているミッション、それに対して先端計測をどこまで実現できるかという課題でございますので、対象についても大変な経験と蓄積がある研究者が必要ですし、手法についても同様に的確な方向性を計画できるような研究者である必要があると。もちろん、これはチームでやることであれば可能であろうというようなことで、こういう課題を提示して、ほんとうに有効な提案が出てくるだろうか。仮にいい提案があったにしても、それがきちんと実施できるだろうかというのが2つ目の課題であります。そういうことに関して、電子顕微鏡という見方からすれば、ある程度は可能ではないかという見解ですね。

【委員等】
 今、逆にこういうプロジェクト、プランを立てなければならない、立てるべきだという状況があると思います。例えば、太陽電池でも蓄電池でもいわば日本のお家芸であって、かなり世界の最先端を走っていたにもかかわらず、ほかのアジアの国々が、すぐ後ろに来ている。
 したがって、何かしなければならない。ある意味、国民のコンセンサスが得られやすいというような状況だと思います。しかも、そういうときに、例えば日本のものづくりとか、今まであった先端計測がある程度あると。そこに対して、人とモノとお金を投資する意義があるんだと。それをやらなければ将来はないというような、ある意味せっぱ詰まっている状況のときにこういうプランを出すということは、国民の理解を得やすい。どこかに選択と集中しなければならないときに、これは非常に良いことです。
 日本というのは、このようにせっぱ詰まったときに何か突破口を見出すことが今まで大体できていますので、そういうときに私たちが何か提案をすれば、何か人が集まってくる、そういう仕組みができるのかなと思います。

【主査】
 いまのご指摘がこのもくろみの最も重要な核心部分でございまして、もう少し周辺からご説明しますと、先端計測という事業そのものが6年、7年の実績を持っておりますが、こういう課題にチャレンジして答えが出せますかというようなときに、きちんと先端計測分析技術ないしは装置が開発できるということを示す。これが最も重要なことですし、それに成功すれば、こんなビッグチャンスはないわけでございますので、我々の事業としても大きなチャレンジであるということかと思います。もちろん、いろいろほかにも太陽光発電の電池、太陽電池の問題もありますし、燃料電池の問題もあります。それにはそれぞれまた異なったアプローチが必要であろうし、その設定を一生懸命考えている研究者がいらっしゃると思いますので、全体として適切な応募があるだろうと、期待できるだろうというように考えたいと、こう思っておるところでございます。

【委員等】
 以前ご報告しました計測ニーズのワークショップなんかでも、そこの中から出てきたのがキャラクタライゼーションとメジャメントは別なんだという話があって、それは両方が大事なんですね。それで、今の太陽電池に限らず、いろいろなものはまだキャラクタライゼーションがちゃんとできていないと思うんです。そうすると、特定の何かの測定ということだけではなく、それを総合してメジャメントからキャラクタライゼーションに持っていくという、そういうプロセスというものがすごく大事だと思うんですね。そういう意味では、今までの計測のあれが、どちらかといえば特定のメジャメントということになっていたものを、もう少し広げた概念が必要なんじゃないかと私は思いました。

【主査】
 全くおっしゃるとおりでございまして、今回の課題というのは、ご指摘のとおり、キャラクタライゼーションが全く不十分であった系なのです。電池、計測、キャラクタライゼーションの各々のスペシャリストが総力を挙げてチャレンジすることによって、今まで十分にわかっていない状態を少しずつほぐして新しい知見が得られれば、いろいろな面で将来の新しい電池を開発する上で有益な情報が得られるだろう。そのあたりがねらいでございます。
 これはおそらく活性状態というか、動作状態で見れればベストですけれども、必ずしも動作状態でなくとも、性能向上のポイントは何かというような情報が見つかれば、それは材料開発の上に非常に有益だと。ただ、それを十分に複合的な測定分析と解析が今までなされていなかった点がポイントなんだろうと思います。ですから、電子顕微鏡だけが方法論ではないというのは、もちろんのことだと思います。

【委員等】
 今回の課題もそうですけれども、領域設定全般にわたって、今回の文章を見ますと、専門家を評価委員に追加するというような提案もなされていて、それは非常にいいことだと思います。しかし、こういう重要な課題に対して、特にコンテンツ、どういうようなコンセプト、あるいは重要な点を公募するかというときに、もちろんここの場で議論していますし、専門家の方に個々にコンタクトされていると思うんですけれども、もう少し幅広いコミュニティーに対して、こういう課題設定で何か抜け落ちている点はないのか、もう少しよくすることはできないのかというようなサイドオピニオンをとったほうが、より多くの人の意見を反映できて、提案がいいものになるようなことはないのかという感じがあります。ただ、守秘義務とか、いろいろあるかもしれませんけれども、実際には既にいろいろな人にコンタクトをとられているわけですから、そんなに閉鎖的になる必要もないのではないかという気もするんですけれども、その辺はどうでしょうか。

【主査】
 1つには非常に土俵が限定されておりますから、逆に言えば、その土俵できわめて高度な議論、評価が必要だということになりますので、従来の評価体制をそのまま適用するのでは、多分難しい面が出てくる。これは実は公募の後の話でございますけれども、本日ご議論いただきたい第1点は、どういう形で公募すれば適切な課題が集まるかということ。次は、その中からどうやって最適な課題を選ぶかということになります。今、ご提案がありましたのは、そこに従来の枠組みを超えた工夫が必要ではないかと、そういうご意見ですよね。

【委員等】
 そうです。評価のときに専門家を加えるということであれば、既にプロポーザルの段階から加えたほうがコンシステントかなという気もするということです。

【主査】
 このあたりは実際の事業を組み立てる当事者であるJSTの皆さんとの議論が必要かと思います。ご指摘のとおり、少し工夫を加えなければいけないだろうというようには認識しております。

【委員等】
 低炭素社会を実現するに当たって太陽光発電も蓄電池も燃料電池もほんとうに飛躍的な性能向上とコストダウンがないと、そういう社会は実現しないと。改めてこの3つの分野を見ると、コストダウンの目標達成はかなり悲観的で、このままでは太陽光発電も補助金がなくてはとても普及しないだろうというレベルのコストだと思うんですね。ですから、そういう意味ではこれは非常に重要なことだと思って賛成なんですが、今ご議論があったように、これを公募したときに該当するものがあるかないか。専門的な意見も必要ですけれども、最終的に領域を一生懸命議論して特定しているものと非特定の部分とのバランスの中で、仮にオンリーワン・ナンバーワンのものが他分野であったときに、どういう優先順位で行うのか。この分野のところでオンリーワンよりはちょっと落ちるけれども、でもこの分野でテーマを採択しなければいけないとか、そこら辺の採択の優先順位というのも何らかの指針をこの委員会で出せないのか。全体の社会に対するインパクトを考えたときに、この先端計測の中で、これはどうしてもやるべきだとか、そこら辺の基準を出せるとよろしいのではないかと思います。

【主査】
 今回の状況で特別なものは何かと言えば、まさにこのアクション・プラン対応の部分なんですね。ここまで本委員会でも十分に点検、議論をした上で打って出るわけですが、いいものがあれば、それを採択するというのが原則ですから、その結果、ものすごく偏った採択になるということは可能性がゼロとは言いがたいです。しかし、それは適切なバランスで最終的には決まるんだろうと思います。
 本事業は23年度の採択だけで終わるものではございませんので、24年度、そのあたりの枠組みというのは、私、必ずしも厳格に存じ上げているわけではありませんが、23年度が初年度ですから、24年度の採択も可能であるというふうに思っております。といいますのは、このアクション・プランというのは、全体として10年間の枠組みでございますので、初年度にすべて採択して、その後は採択しないという構造ではないというように理解しております。そうしますと、例えば、大変すぐれているが、なお1年間検討を重ねてほしいというようなものがあれば、これは本採択ではなく、フィージビリティスタディと言っておりますけれども、調査研究の枠組みで採択しておいて、次年度に本採択するという考え方もございますし、実際、今までもそういうケースは幾つかありました。したがって、ご指摘のように、いいものは実現していくという基本的な考え方のもとに選択ができるんだろうというふうに考えております。

【委員等】
 提案の中に2つ性質があって、先ほどの話を聞いていて思ったんですけれども、いろいろな計測技術を持った人と、実際に電池や何かを開発して性能向上を目指す人というのは全く別に存在するグループなんですよね。これがこの提案でもって1つのグループを形成して何かをするとか、そういうものが出てこない限り、この前の話を聞いたら、こういうことをはかりたい、ああいうことをはかりたい、これがわかったらできるという話は聞きましたけれども、今、これを開発するために何かをしているという話はなかったような印象で、何々するためのというところの、この一言でもって完全に2つの分野がくっつけられているので、この委員会として、それを考慮したものとして公募するのか。片側でもいいと、それが上がっていけばどこかでくっつくという格好の立場に立つかという非常に難しい判断という印象を持って、はかる側とつくる側とはやっぱりちょっと違っている。このところのギャップをどうやって埋めるのかという問題の議論の設定をちょっとどこかで、採択のところでしていただくのか、この委員会の中で若干するのかを考えていただいたほうがいいのではないか。

【委員等】
 全くおっしゃるとおりで、生きた電池を見てほしいというのは現場の切実な要望なんですね。だから、この公募に当たっては、実際にそういう電池に携わっている人がちゃんと入っていないといけませんよと、チームとしては。
 アプライに当たっては、電子顕微鏡の人がこんなものをつくったらおもしろいよというものじゃなくて、ほんとうにその電池に携わっている人が、こういうものを見たいから、こういう装置を開発してくれるんですね。それなら一緒にやりましょうという、そういう体制をぜひ評価のときに、ですから公募のときにも、もちろんそれを言っておかないと、出てきてからというわけにいかない。

【委員等】
 アクション・プランで公募対象は、例えば異相界面におけるパワーフロー現象というふうになっている。これは専門家にとっては厳密な説明であって、こういうふうに説明しないといけないというふうに思われるのは当然だと思うんですが、専門外の人への説明をどうするか。例えば、これからブレークスルーを起こそうというときに、こういった問題点を、例えば、コンピューターグラフィックでよくわかりやすく見せると、意外に全く関係ないと思われるようなところからぽっとアイデアが出てくる可能性がある。今、これから日本ならではの新たなチームをつくろうとしたときに、こういう異相界面云々という言葉で、専門家に厳密な説明をするだけでなく、それ以外の人にもわかりやすいようなことを説明できればよいと思う。チャンスを逃さないようにしたらいいんじゃないかなと思うんです。
 例えばNHKの番組だったと思います。リチウムイオンが動きがおくれてしまう。それはもうコンピューターグラフィックでつくられているわけですね。そういった既にある素材を活用する。それがたとえ専門的に間違っていたとしても、何かそういうモデル化することによって、みんなにわかりやすいように図としてあらわすことのほうがよっぽど、ある意味突拍子もない、もしかしたらブレークスルーを生み出すようなアイデアを取り入れる多分いいチャンスになると思います。あまり人とお金をかけずに、うまく活用しながら、できるところからやると。

【委員等】
 ちょうど今FIRSTとか大きなお金をもらった方が研究を説明するのにいわゆるアウトリーチをやりなさいという、あの流れを今度は募集に当たってもやりなさいという、すごい画期的な提案だと思うんですね。
 今一番の問題は、太陽電池においても、無機の太陽電池でもパッシベーションの問題、それから有機の太陽電池では界面でどういう反応が起きているか。それからリチウム電池にしろ、蓄電池における、界面における問題ですよね。その辺はほんとうに共通の問題なんだけど、こういう書き方をしているのは、何かいろいろと事情があってこういう形になっているんだと思うので、やっぱりそこのところを、今言ったような、すべていろいろな問題が界面にあるんだと。そこの界面でのプロセスをきちっと明らかにするようなことが電池全般に非常に大きなブレークスルーをもたらすんだという、そういうアウトリーチ、わかりやすい説明というのは絶対必要なんじゃないかと思います。

【委員等】
 ものづくりと計測は少し距離があると思うんです。この間、発表してくださった太陽電池とか、電池の先生たちはものづくりの方で、そうすると、こういうものが欲しいと言ったときに、メカニズムをわかりたいと言いながらも、欲しいものを見たら、オールインワンで簡単にはかれて、すぐにはかれて、僕たちがどんどん競争、毎週毎週何%というので世界で競争しているところを支援するようなものをつくってほしいというようなことをおっしゃっていたような気がするんですね。ですけど、それは最先端かというと最先端なわけではなくて、でもそれは既存のものの競争ですよね。先ほどおっしゃっていたように、それの延長でいいのかと。ものづくりのほうも全く違うコンセプトでつくらなきゃ、新しいものを探さなきゃいけなくて、それを誘発するような新しい概念を出すようなメカニズムを知るための計測という、また1つさかのぼればですけど、国際競争で日本が負けてきているというのは技術がないわけじゃなくて、さっきのコスト競争の話がありましたが、そういう話も全部まざっていると思うんですね。ですから、頭のところがグリーンがあって重要で、日本の競争力を高めると言っていって、最後のところで、そういう意味のいろいろなところのどのあたりを強化することになるのか。

【主査】
 本事業は先端的な計測分析手法を開発するという、その1点にいわば存在意義をかけている事業でございます。したがって、生産効率を上げるためにこういう計測が欲しい、やはりそれはここの部隊ではないでしょうと。そういう問題が出れば、専門家、業界、学会で十分に対応できる問題。我々はすべてに対応しようとしているのではなくて、次世代型の格段に性能の高いものをつくるのに役に立つ先端計測技術なんだというところに、これはもともとそうだったと思いますし、現状では、幾つかしか採択できないと思います。そのときには、残念ながら、いいアイデアがあって、応募があったにしても、それはちょっとよそのプロジェクトでおやりくださいという判断は起こり得ると存じます。

【委員等】
 審査のときに、現場の人も入ってもらうけど、先端計測として十分に意義があり、かつ、的外れではないというお墨つきももらう、そういうイメージで考えればいいと思います。

【主査】
 1つ補足させていただきますと、公募要領に掲げる表現は、資料1に書いてあることだけではございません。例えば公募対象領域に関する説明は、別添1にございます、専門家がいろいろな、非常に具体的な形でこういうことがやりたい、こういうことが必要なんだという事例が幾つもございます。それを適切に公募要領にも載せて、何が必要なのかということに関する理解は十分に持っていただくと、そういうもくろみでございます。さらに言えば、それを今度は、その文言だけで果たして相手に十分に伝わるかということに関しては、これは説明会における新しい何か工夫が必要なのかなという感じも持つのでございますけれども、そのあたり、どこまでできるかはこれからの検討課題だと思います。
 ありがとうございました。それでは、次の議題について、事務局からご説明をお願いいたします。

(2)知的創造プラットフォームの構築について

  <事務局から資料2、資料3について説明>

【主査】
 それでは、ご意見、ご質問等お願い致します。

【委員等】
 プラットフォームに関しては、前回かなり議論があったと思うんですけど、そこはかなり大きなものを目指していたと思います。その中で、プロトタイプ普及事業にある意味で限定された形になっているんだけれども、もう少し大きな枠組みの中の1つのものとして、ワンステップとしてこれをやるんだということが、例えば資料2の一番上にきちっと明記されているという必要があるんじゃないかと思うんですね。いかがしょうか。

【主査】
 ご指摘のとおりでございまして、昨年来議論がございましたように、目標は大きいんですが、かといってステップ・バイ・ステップ、着実に実現するということを進めるためには、より身近な具体的なものから始めるのが適切だというご指摘がございましたので、こういう方向で整理をさせていただきました。しかし、ご指摘のとおり、目指すものはこれだけではなくて、さらに、基本的には報告書の考え方を踏襲して、今後活動を続けるということでございます。 

【委員等】
 プロトタイプ活用に関して、例えばオンリーワン・ナンバーワンの機器をいかにみんなに使っていただくか。着実な活動として、より幅広い人々にお伝えしていくという、このコンセプトは非常にいいと思います。
 それをさらに発展させる可能性として、1年に1回以上アウトリーチ活動をするという、これを義務化すると。アウチリーチ活動を行うことによって、その中にいる人たちも非常にやりがいを持ち、かつ、国民に対しても、これはすごいことだな、おもしろいことだなというふうに思っていだたける、そういうチャンスは多分たくさんあると思います。
 最近の一番すぐれた例というのは、「はやぶさ」が微粒子を持ち帰ってきた。それが小惑星のものであるということをちゃんと確認するためには分析計測が必要であった。すごいなというふうにみんな思っていただけた。それが1つの窓口になって、SIMSという装置があるんだなと。電子顕微鏡って単に形を見るだけでなく、組成までわかるんだなと。そういうことを見ていただく。その計測を行うのは、例えばSPring-8でしたら、世界一のナンバーワンのものであると。それをちゃんと活用できるんだなと。
 これは別に「はやぶさ」だけにとどまらないと思いますし、ある意味、これから分析計測等々で仕掛けていく。それによって皆さんにわかっていただき、かつ、やりがいを持てるというようなことを考えていただいたほうがいいのかなと思います。少なくともこういうアウトリーチが云々というよりも、もっとみんなに活気が出るような方法を、そういう窓口といいますか、手法を取り入れても構わない、そういう仕組みがあってもいいのかなと思います。

【主査】
 全くおっしゃるとおりだと思います。「はやぶさ」の話が出ましたので、国際化学年のもくろみの一つとして企画している件についてご説明頂けますでしょうか。

【委員等】
 今年、世界化学年という、日本も化学最先端の国の1つとして大きく、今計画しております。先端計測を日本からこういうことをやっているんだということを取り上げようということで学術会議とJSTが協力いたしまして提案して、今認められております。今年5月に、先端研究、あるいは開発プロジェクトと走っていらっしゃる田中先生、電子顕微鏡の外村さん、それから河合先生AFM、それから今話題の「はやぶさ」を先端計測でも北大の圦本先生がSIMSを使って、1月ぐらいから測定を始めて、5月に発表していただくので、その4人の方をお呼びして、最先端計測で何が得られるか、何を期待したらいいのかというようなテーマで予定しております。先端計測での成果も十分取り入れることになっておりますので、ご期待いただきたいと思います。

【主査】
 プラットフォームが、ネットワークができていれば、まさにそういうトピックス、その時点で我々が想像している以上のものすごく幅広い、要するに小学生から市民の皆様、あるいは専門家、幅広い、これまたものすごく大勢の人たちがプラットフォームのネットをのぞきに来るなんていうことがあり得たのだろうと思います。それにしましてもプラットフォーム、ネットワークというのが構築できますと、そういう話題があるたびに、計測分析技術というものがいかに幅広く世の中にかかわっているかということを示すいい方法になるだろうというような議論をちょうどしておりましたところでございます。 ただいまの話は、学術会議の中の組織がもくろんだものですが、たまたま世界化学年という本年のイベントに採択されて、その枠組みでも広く周知されるというものでございます。
 ほかにいかがでしょうか。

【委員等】
 ここで公募するのは、プラットフォーム上のプロジェクトを公募するというような理解でよろしいのでしょうか。例えば、特に公募するものは、あるこういう先端機器ができたのを有効に活用したいというのを、うちの先端機器こそはそれにふさわしいですよというふうに手を挙げていただくというのが基本的なことなのかなと思うんですけれど。
 そこに、ちょっと気になっておりますのが、人材育成の問題とかも絡んでおりますので、例えばうちの先端機器を使って、こういう人材をこんなふうに育成しますよということまでも含めたアイデアの公募みたいなやり方もあるのかなと。あるいはそのような議論は、こちらの委員会のほうで、こういうことをやりますから、こういう機器をお持ちの方は手を挙げてくださいという方向性なのでしょうか。

【主査】
 プラットフォームの構築の話と、そこにどういうものを乗せていくのか。これは本委員会が所掌している先端計測分析技術・機器開発という事業の一環で共用活動というのをやろうということでございますけれども、プラットフォームのネットワーク機能は、周知する、ご意見を頂くという意味で使うわけです。共用の事業はこの委員会が主導して枠組みをつくり、実際にはJSTの皆様にお願いして運営の実態をつくる、そういうやり方です。
 ですから、今までずっとやってきた研究開発も、もちろんこの委員会とJSTでやってきたことですが、その成果、あるいはそれにかかわる関係者に広く情報を知っていただいて、その結果、起こるもろもろのインターラクション、それがこのプラットフォームの世界が実現する世界なんだということでございます。もちろん事業そのものとプラットフォームとは別なんですが、結果として非常に強く結びついたものと将来なるかと思います。
ただ、これからの話なんですが、このプラットフォームに乗る種々のプロジェクト、それはこの委員会の事業だけじゃないんですね。ほかにもいろいろな事業がございます。そういうものが順次このプラットフォームに乗ってくるはずです。それが全体として非常に大きなコミュニティーの形成につながっていくというイメージでご理解いただければ、先ほど来のご指摘もそうなんですけれども、そうすると本物のプラットフォームになるのだろうというふうに思っております。

【委員等】
 そうしますと、種々の事業ごとに、うちはこういうやり方でこういう世界を構築していくというアイデアそのものも広く取り込めるようなことが可能なのかどうか。検討できたらいいのではないかなと思います。

【委員等】
 先ほど事務局からのご説明にあったように、このプラットフォームの第一歩として、とりあえずプロトタイプの共用ということでやっていくということは、私は大変結構だと思います。とりあえず何か1つ進めないことには、ただ考えていてもなかなか結論も出ませんし、共用事業というのを進めるに当たって、いつから公募し、いつ締め切って、いつ選考やって、それから1年間使うとか、そういうやり方、それも1つあろうかと思いますけれども、例えば新しい装置をそこへ置いておいて、3年間とか大体期限は適当につくっておけばいいと思います。選考とか何かというよりも、まだ世の中にない装置が多いわけですから、そういうものを、例えば金属の何かを測定する装置だと思っていたら、意外にそれを見てたどこかに、まるっきり別なものの測定につかえないかとか思いついて、そういうものをサンプルにするにはどういうふうにしたらいいんだろうかとか、そんなことをいろいろ考えていたら、何か金属を計測するための装置が生き物を計測する装置になっていくとか、そんなふうに進んでいけば、とても素晴らしいことだと思います。
 ですから、常にこういう装置があります、何かの用途にお使いになりたい方はちょっと提案してみてくださいと。そうすると、装置が意外な方向に展開する可能性もエンカレッジできるんじゃないでしょうか。そういう中でサンプルづくりの専門家が生まれてきて人材が育ってくるとか、そんなことも期待できるんじゃないかなと思うので、改めて人材育成という柱を立てる、それも1つかもしれませんけれども、何か一生懸命やっていく中で人材が育っていくという、そんなような考え方もあってもいいんじゃないかなと思います。できるだけ早く始めたほうが、一番これはイメージがわきやすいので、やっていくのがよろしいんじゃないかなと思います。

【主査】
 ありがとうございます。非常に幅広く考えでいらっしゃる、もちろん、将来的にはそういう姿だろうと思っておりますが、23年度中にやろうとしておりますのは、あるプロトタイプ機を社会一般の皆さんに使っていただくシステムを動かそうという意思を持った方々に、一定の予算を差し上げて、その予算のもとに運用していただく。そういう枠組みですから、これはやはり年次予算で、ある時期に公募して、ある時期に決めて、ある時期からいつまでこういう内容でお金を使っても結構ですよという補助金の交付をするという、そういう仕組みの話でございます。ですから、ご指摘のように、自由なフレキシブルなところが欠けているんですが、そのあたりはご容赦いただきたいと考えております。

【委員等】
 資料2の2「役割分担の基本的な考え方」について、ここのマネジメント支援というのは、何を対象にして調査をかけるのか。どこのためにマネジメントをする、要するにプロジェクトをマネジメントする人材について、あるべき姿を取りまとめるのか。あるいはプラットフォームにかかわる人たちのマネジメント機能を高めるのか。あるいは先端計測分析をおやりになる企業のプロジェクトマネジメントする人たちをしっかりと、あるべき姿はこうなのだということを取りまとめるのか。その辺のところはどのようなことでこういうふうに書いておられるのかというところを、もうちょっとイメージをしていただいたらいいと思っておるのですが、いかがでしょうか。

【事務局】
 少し補足させていただきます。マネジメント機能ということで、例えば小委員会のところでは、開発領域、推進体制の検討と入れています。JSTのところでは、マネジメント機能ということで資金配分方針の検討、開発課題の選定評価及び事務サポートを入れております。これはJSTの先端計測事業をイメージして記載したものです。マネジメントといいましても、例えば先端計測分析技術・機器開発小委員会で議論する、今後の先端計測技術開発の方向性のような話から、個々の事業の具体的な資金配分の話など、ステージ、状況によっていろいろあるかと思っております。

【委員等】
 とにかくできるところからやっていこうということで、この共用装置のディファクトスタンダードを目指していろいろな人に使ってもらうというのはいいんですけれども、当然、1つのプロジェクトになっていくわけですね。
 例えばこれまでできた装置をAとしますと、オンリーワンの装置Aがあって、その装置をどこかで維持して、そしていろいろな方が使いに来て、使ってきているうちにソフトを開発したり、あるいはここを直したいとか少し出てきて、それがまた新たな開発につながると。そうすると、それが1つのプロジェクトになって、このプラットフォームの上に走り出すと。そうすると、何年かしたところで新しくかなり改良しなければいけないというフェーズに移るのか。この装置はこのまま幾らやってもディファクトスタンダードで普及しないので、ここで終わりだというケースか。いろいろゴー・アンド・ストップを決める時期が来ると。つまり、そういった意味で一つ一つのプロジェクトが乗ってくるというふうに理解し始めたんですけれども、いかがでしょうか。

【主査】
 確かにおっしゃるようなことは起こり得るし、それを積極的に事業の中に取り込んでいくということは将来あり得ると思います。要するにネットワーク機能を使って情報発信だけではなくて、受け手がいろいろな意見、あるいは情報を受けるという機能を重視して、その情報に基づいて、もともとプラットフォームをつくろうという動機づけになった。この委員会がやっている事業、その事業の中の内容が新たに改善され、あるいは成長していくということがあっていいわけですね。
 例えば標準化なんていうテーマはまさにそういうのが一番大事な部分で、一方的にこういうのができました、こうやりましたというだけじゃ全然話が進まないわけで、そういう双方向のやりとりが本質的な役割を果たすという部分がございます。ですから、おそらくそういう議論までなっていくと、このプラットフォームというのはきわめて多様、複雑な役割を果たすことに将来なるんだろうというように思います。そのあたりをなるべく早く具体化するということは考えなければいけないというふうには思います。

【委員等】
 標準化に持っていくのは日本だけじゃだめなんじゃないかと思うんですね。それで、アジアのほかの国なんかも参加できるような、そういう国際的なプログラムに今後していくことができれば。国際化という点についてはいかがでしょうか。

【主査】
 ご指摘の通りだと思います。

【委員等】
 プラットフォームの構築でデータベースとして欲しいのは要素技術の成果だと思うんですけれども、今のプランでとりあえず始めるのは機器開発だけなのでしょうか。

【主査】
 はい。今現時点で具体的に考えております共用というのは、いわゆるプロトタイプ機、機器開発の成果と必ずしも限定されていないかもしれませんが、とにかく1つのまとまった計測ユニット、それが広く社会に共用に供するというもくろみです。

【委員等】
 将来的には要素技術も入れるべきだと私は思っています。引き出しの中にいろいろな最先端でオンリーワン、あるいはナンバーワンのものをたくさんつくっていて、その引き出しから自分たちが欲しいものを取ってきて、新しいいいものを世界に打って出るというのが非常に大切なことだと思うので、要素技術をぜひ入れていただき、難しい問題点がたくさんあると思うんですけれども、最初から、一からスタートするのではなくて、機器開発を、要素技術の既存のところを持ってきて、そこからスタートしてよりいいものをつくると、世界一のものをつくるということが目指せればなと思います。
 その場合に広報というか、いろいろな方々がいろいろな視点で使うので、分析化学、あるいは応用物理だけではなくて、生物の人もいれば、地学の人もいると。いろいろな人にこういう技術があるんだよ。それができるんだということでいろいろな学会で発表していただくとか、そういうことをしていただくと、より広く新しいものが、新しい違った視点からそういうものが開発されていいものができるんじゃないかと。そういう可能性というか、今の場合、どうしても応用物理だとか、電子だとか、限られたところにこの先端計測というのが広報されていると思うんですけれども、そうではなくて、せめて学会発表ですね、そういうのを異分野の、ここにいないような分野で、それでもって新しい視点で、今までそういうのが欲しいと思っていたんだけれども、ここをこういうふうに変えたらいいものができて、ユニークで世界に広く使われるようなものをつくったりということも可能ではないかと。

【委員等】
 ご指摘の点は非常に重要だと思います。ただ、プラットフォーム、特に共用については、今までの社会還元というものを初めてやろうとしているわけです。非常に大きな課題ですよね。そういうところをプロトタイプでやるということで、ネットワークのほうでそういう要素技術なんかは入れたら非常にいいのではないでしょうか。

【委員等】
 議論しているときに、それぞれの方が共用とかプラットフォームに対して違ったイメージを持っている可能性があるんですね。だから、多分議論をもうちょっと深めるときには、具体的にどういう分野のどういう種類の測定器、具体的にこういう測定器って今まで開発されたものを考えればいいと思うんですけれども、それに即したいろいろな方法を議論しないと、何か一般論で全部くくってこれがいいと言っても、多分違った側面がすごくあるので、もう少し、きょうは時間がないと思うんですけれども、具体的にあるこういう測定器はこういうふうにやるとか、そういうふうにしないと、多分先へ進めないかなという気がします。一くくりにするのはすごく危険だという気がします。

【主査】
 とりあえずの共用事業というのは、本体の事業の成果、社会還元を目指した1つの分野をやるということで、その内容については、委員の皆様、ご理解いただいていると思います。成果の社会還元と言うのならば、要素技術の社会還元も考えなければならないというのがまず1点だと思うんですね。これはプロトタイプ機の共同利用とは自ずと違った枠組みで物を考えないと有効に働かないだろうと。ただ、やるからにはきちんと一つ一つ定義して行うというご意見だと思います。23年度もくろんでいるのは、ラボ装置がどこかにあって、それが公開される。そこに試料を持って利用者が集まってくるというイメージの共同利用でございます。それをきちんと動くように仕組みをつくり上げれば、次の段階にまた進めるんだろうと思います。

【委員等】
 今、いろいろなものを買うにしてもネットワークで、若い研究者たちはその世界に入っています。ある意味ではそういうのは当たり前で、例えばホームページみたいな格好で、先端機器に入ってみると、こういう分析機器がプロトタイプであって、要素技術のこういうのも、これがどのぐらいそれを果たしているか。まだ見ていないからわからないですけれども、そういうものが出されると、新しい研究を始めるようとするときには見ると。そこで計測機器を探してみるとか、やっぱりそれをスタンダードにして出発するというようなところにまで持っていくという、ある一定の目標を持ったほうがいいかと思います。

【主査】
 今後の議論の重要なポイントの1つだと思います。 本日の貴重なご意見をもとに23年度の事業を構築するということで今後検討したいと思います。

それではどうもありがとうございました。本日はこれで終了させて頂きます。

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