産学官連携推進委員会(第21回) 議事録

1.日時

平成15年4月16日(水曜日) 14時~16時

2.場所

虎ノ門パストラル ミント

3.出席者

委員

 末松(主査)、伊藤、小野田、川合、北村、小林、清水、田中、田村、平井

文部科学省

 丸山審議官、坂田大臣官房審議官、田中研究環境・産業連携課長、小山技術移転推進室長、中川地域科学技術推進室長、佐々木技術移転推進室長補佐  ほか

4.議事録

○ 「産学官連携推進委員会報告書案」について

  • 資料1に基づき事務局から説明した後、その内容に関する質疑が行われた。
    その内容は以下のとおり。
    (◎・・・主査 ○・・・委員 △・・・事務局)

主査 「産学官連携推進委員会報告書案」については、本日の議論が最終になると伺っております。よって、さらに詰めさせていただきまして、時間がないところは文章でお願いするということになるかと思います。では最初の章から順を追って、ある程度時間を区切って議論を進めていきたいと思います。「はじめに」は何かございますでしょうか。特にアンダーラインのところは一番最後についておりますので、よく締まっているのではないかと思われますが、いかがでしょうか。

委員 「はじめに」の最後に5行ばかり書き加えていただきましたね。まだ今ごろまで「対話」の話をしているのかと言われるかなという心配もなきにしもあらずなんです。今までも随分「対話」というのはいろいろ心がけてきたとは思うんですけれども、非常に大事なことで、これが実態だと思うのです。それだけに、5年前言われたことをもう一回ここに書いているような感じが正直言ってしないでもないので、その辺、何か一工夫必要はないかと感じたことは感じました。でも、事実としてはこのとおりだと思います。

主査 何かいい文章はございますか。

委員 やはり相当今までもやってきたわけですけれども、産学官連携が進めば進むほどそれを深くするため、深化させるために、ますますこういうことを積み重ねていかなければいけないというフィーリングを入れていただいたほうが、理解がしやすいかなとちょっと思います。

主査 そうですね。進展に応じて、さらに密度の高いというのか、あるいは進歩した「対話」が必要だと、こういうことですね。ちょっとその辺、お願いできますでしょうか。では、次に移らせていただいてよろしいでしょうか。1章についてはいかがでしょうか。

委員 この1章に、個人的にものすごく気になっている部分がつけ加わりました。これは、皆様、ほんとうにお気持ちをお聞きしたいのですけれども、4ページの下から6行目から4行、これがつけ加わったと思うのです。「大学における学術研究は新しい法則や原理の発見、未知の方法論の模索や知識の体系化など…(中略)。心理の探求を目指すものであり、その成果は」と。この学の定義は一時代前のものではないでしょうか。このトーンを基調に書かれますと、この後というのが非常にギャップが大きくなってきて、学たるものが何か強烈な利益の衝突を大前提としながらすべてこの活動をやっているようなフィーリングになるのかなと。私自身は、正直申し上げて引っかかった4行なんですけれども。既に総合科学学術会議の委員の方も、たびたびこの辺のことはまとめられていて、例の1999年のイクスの科学会議などでも、サイエンス・フォー・サイエンスというコンセプトから、サイエンス・フォー・ソサエティーと、明快にサイエンティストが変えてきている。その中にはフォー・ピース、フォー・ディベロップメント、フォー・ソサエティー等々、そういうものが大前提、上位の正義として置いて、かつ、その動機づけとしては、そういう巨大な正義というものの上において、こういう4行みたいな気持ちが入ってくるのかなと。そういうふうに変わってきているのではないかと思います。それら無くして、これだけ社会に貢献等について積極的に書き込まれてくるのは、少し大きなギャップを感じましたので。

主査 私も同じ意見でありまして。ここは、ちょっと書き直していただきたいんです。その場合に、趣旨としてはおっしゃるようなことだと思いますけれども、もっとさり気なく。

委員 あるいは、この4行をなくしてしまうかなんです。

主査 それが良いかもしれません。要するに教育と研究と社会貢献をするところだということで。ただし、その中で多分大学における自由な発想というのは非常に大事なことで、それをベースにしなければいけないということで切ると。その結果が基礎研究でもあるし、萌芽的な研究もあるし、社会がやっていただきたい目的的な研究もあるし、それから産学連携等の共同研究があるんだと。非常に多様な研究が行われていることが社会の活力に非常にプラスになっているということで、よろしいのではないでしょうか。確かに言い過ぎるというか……。

委員 この4行はすごく引っかかる方は社会的には多いのではないかと思いまして。

主査 自由な発想ということが、自由にやりたいということだけにとられると非常にぐあいが悪い。やっぱり自由な発想が世の中にない知識を生み出すんだと、そこは非常に大事だと思うのです。それをぜひフォローをお願いしたいと思います。それは私も大賛成です。

委員 あともう一点、これは小さな誤植なのですけれども、忘れてしまうと思いまして、6ページの上から8行目。真ん中あたりで、「どの活動に力点を置いて取り組むか」が「通り組むか」になっています。気になりましたので。以上です。

主査 同じページで2で、「従来の学術研究で考えられなかったような」と、そういうところは取ってもいいのではないでしょうか。もう従来のことはあまり言う必要はないと。3行目も同じですけれども、「研究開発の効率化」というところは取っても別にいいのではないかと。ここを読んでいて、今の同じページで(3)の1行目から2行目のところで、「大学等がその教育・研究を活性化させ」と、ここはいいのでしょうか。活性化させる前に、社会に還元しなければならないのではないかと、そういうのが必要ではないかという気がしたんですけれども。この辺は後でもう一回考えさせていただきたいと思います。

委員 同じところですが、私も送っていただいた文書を読み、今日いただいたのを読んで、教育、研究、社会貢献の3つの間の位置づけというか、関連というか、それらがまだ十分にこなし切れていないなと思いました。これは事務局がどうだというのではなしに、大学も含めて全体として十分書かれていないということです。これは各大学によっても違うでしょうけれども、私などは、これからの大学の教育、研究、社会貢献の3つは独立にあるのではなく、一番大事なのは教育だということに議論が集約されてくると思っています。それが将来の日本の大学を活性化する非常に大きな要点だと思います。最近大分変わってきていますけれども、今のような講義中心ではもうだめだということはかなり明快になってきております。そうすると、学部学生、修士学生、ドクターの学生、このような学生が持っているニーズというか、要求は何なのかということです。そして、それらに応じた教育をやるためには、研究と社会貢献の二つはどうしてもついていかないといけないわけです。これは1つの考え方ですが、そういう点を明確にする必要があります。今のままではどうもその辺が並列的だなという感じです。もっとも文書の後のほうになりますと、教育に対する社会貢献の位置づけがちらっと出てきますけれども。私はこの報告書の段階ではそこまで明確にはならないと思いますが、将来のテーマとして、この点を明確にしておいた方が良いと思います。

主査 私もそこは大変同感です。やっぱり大学というのは教育を中心にして動いていて、研究知識を生み出し、それがいい教育に反映するということであると思うんです。その辺をいつもこういうことが起こるたびに繰り返していかないと、世の中から理解が得られないということがあると思いますので、ちょっとご注意をお願いしたいと思います。

事務局 お出ししておいてご指摘いただいた流れになって恐縮なんですけれども、第3の使命、あるいは第3のということを随所に、今までの知財ワーキングでもそうでしたし、流れで入れてございますけれども。それを入れ続けるかどうか、それはよろしいのでしょうか。つまり、第3といえば、第1、第2に対して従たるイメージがつきまとってしまって、3番目にすぎないという議論もどうもあるような気がしないでもない。ただ一方で、教育、研究だけではないとアピールするという意味では、第3の使命があるんだと言ったほうがインパクトが強いかもしれない。そのインパクトと、一方で固定化するおそれと、両方を勘案して、この時期の当委員会の記述として「第3」と入れるか入れないかということについて、もう一度ご意見をお願いします。

主査 何となく、もうそろそろ第3と言わなくても、教育、研究、社会貢献というのは定着しているのではないかという印象を受けるんですが、いや、まだちょっと生ぬるくて、やっぱり第3と言ったほうがいいのではないかという、2つの考えがあると思うのですが。

委員 私は入れたほうがいいと思います。

主査 やっぱり入れたほうが……。まだわからない人がいますか。

委員 いると思います。だから、はっきりメッセージを伝えるという意味だと、あって悪くはないと。

主査 わかりました。これはやっぱり入れておいたほうがいいかもしれないという気はしますね。7ページで大学院生を参加させると3つのいい点があるということで、1、2、3とあります。これは順番などはどうなんでしょう。私は2番を1番にしたほうがいいような感じを持ったんですが。大学院生に広い視野を持たせるということが1つの利点で、次に現実の問題がわかると。そんな感じでよろしいでしょうか。では、これは2を1にしていただきたいと思います。

委員 最近、つくづく感じるのは、この産学連携というのは産と学両方に問題があるとしたら、問題の所在として、一貫して大学がある種の変革をするという立場で書いてあります。しかし、現実は日本の企業がよっぽど変わらないと、いわゆるイコール・パートナーシップ(対等な立場)でのイノベーションという、このタイトルにふさわしい形にはなかなか持っていけないというのが現実です。大企業はほとんど即時即決の体制ができていませんし、中小企業は日々に追われていて将来の視点がないと。書けば書き連ねるほど問題点がだんだんはっきり出てくるんです。それを書き連ねても仕方がないのですが、この報告書が出る時期は、産学官連携というのはかなり認められた時期ですので、今こそ変わるべき、という節目に当たる可能性があると感じるんです。ですから、どこかこの仕掛けの中には、企業のある意味での変革も、自分たちが危険を引き受けるということをちゃんと強調しておくと。そういう意味で、先ほどの委員がおっしゃられたとおりなんです。対話はしているんですけれども、その裏腹の話の深みがないというか、どちらかがいつも意識が4分の1ずつずれていると。この辺をおっしゃられたんだと思います。大学側から私は見ていて、このトーンでいいんだと思うんですけれども、産業側のある種のアクセプター(受入側)としての役割もきちっと書いたほうがいいような気がするんです。どこにどうというのは事務局にお願いするのですが、変わるのは大学一方だけであるという印象を感じましたので。

主査 この意見は全く私も同感であります。大学が確かに1つのそういう点ではありますけれども、やっぱり企業も変わらなければいけない。それから、社会も変わってくれなければいけないんです。大学のあり方を縛っているのは社会の常識ですから、それが変わらなければ大学は変えられない。実際にやっている人はそう思っていると思います。その辺のところもどこかにメッセージを伝えないといけないのかと。

事務局 それが、本日この場で加えました14ページの、進展に連れて新たに意識されるようになった課題というところです。ただ、少々まだ足りないのかもしれませんので、もっと加えていただければ。それから、今後に向けては、後ろのほうの29ページ、30ページで産業界に期待される事項。やっぱり、「したがいまして期待される」という表現がまだ弱いのかもしれません。この2カ所あたりで今のようなご議論をいただければ、できるだけ入れたいと思います。

委員 先ほどの委員からお話があったんですけれども、それで非常に違和感を感じますのは、それでは日本の企業は海外の大学とばかりやっているという話が、一方でありますね。それは何でできているんだろうかということなんです。なぜなんでしょう。

主査 それについては、私は何か、非常におかしなことが起こってしまっているんだと思うんです。おかしなことというのは、戦後のうまくいったことを正しく総括しなかったのではないかと思うんです。急に変なことになってしまったから、研究費が海外に行き始めているのは1994、5年からです。それまではずっと日本の国内の大学と海外の大学に来ている研究費の割合はほとんど同じなんです。600億ぐらい。その割合が逆転していっているのが、ちょうど日本の企業が自信を失い始めたころと一致しているんです。そこにおかしなことが起こってしまっている。大学が対応していないということだけで済ませられる話ではないんです。

委員 確かに日本の企業は、今国内でいろいろその種の産学連携の問題になってくると、ディシジョン・メーキング(意思決定)が非常に遅いですね。それから、リスク・テーク(危険負担)も小さいです。ただ、一方では、先ほどの委員がおっしゃったように、80年代の前半でグローバリゼーションが一気に進んできて、大手の企業が海外体制を整えて、80年代の後半から研究の主力を海外に置くぐらいのつもりでいろいろみんな活動をやってきて、どんどんそういう契約なども進めてきているわけです。やはり、それで1つの企業サイドの経験としたなら、ドキュメンテーション(契約書等の書類)の大部分は大学サイドから手をかえ品をかえ提供されると。契約書の1つをとっても、これがぐあいが悪かったら、これ、これがぐあいが悪かったら、これという形で、海外の大学は提供してくる。その辺のレスポンス(反応)の鋭さというのが、ちょっと違うなと。あるいは、カスタマー・マインド(顧客対応の意識)かもしれません。その辺のレスポンスもやっぱり違って、企業サイドはむしろ企業サイドの意思決定の遅さというものが、大学の積極性ー、あるいは交渉能力に引っ張られるような形で、リードされるような形で海外の委託研究というのは進んでいったのかなと、そういう感じが痛烈にいたします。

主査 そうですね。そういう面もあると思いますと同時に、国の産業としての政策というのが非常にあいまいになってしまっているわけです。グローバルなら、何も産学連携に問題など起こるはずがないですね、外国の大学とやって成果がほんとうに得られるならば。正直なところを言えば、得られていないわけでしょう。結局日本の大学と一緒にやらなければならんというのが、今非常に迫られていることではないかと思うんです。 もし、世界の大学とやって何の問題もなければ、日本の企業はそんなことを言わないはずです。そうではないと思うんです。人材育成にも絡むし、やはり実際に身近から取り入れていくというところも絡んでくるので、おっしゃる面もあると思います。もう一つ、私が社会と申し上げているのは、やっぱり大学が闊達に企業と共同研究を縛ってきたのは社会の言論界が縛ってきて、一大学が特定の企業と連携することへの批判が非常にあって。ですから、それぞれがこういう現状をつくっているんですよということを言ったほうがいいのかなという気がするんです。先ほど委員がおっしゃったように、大学がちゃんと対応していないというのは前半でおっしゃったことで、それを今やろうとしているわけです。それだけでは多分だめで、産業界もちゃんとした政策を持っていただかないといけないではないかと。国の大学の発展に協力していただかないといけないとか、社会の人たちもそれが重要なことなんだと認識して、いたずらに批判をされるというだけではまずいのではないかと。大学自身は自制してやってきたんです。特に1980年代というのは、非常に産学連携に対して自制をして、やってはいけないという雰囲気のもとにやってきたわけで。これは私だけの印象かもしれませんけれども、そうでなければ、皆さん、どうぞご訂正をいただきたいと思っています。

委員 まだちょっと私、先生のフィーリングとずれがあるのかなという感じがいたしますけれども。企業のほうは、簡単に言いますと、正直申し上げてはるかにエゴイスティックですから、人材1つとっても、一時は日本の人材を頼らないよと、海外から採ればいいんだというぐらいなことまで公言する方が多かったと思うんです。それから、研究のこともそうです。ただ、一方では、せっかく日本の大学というものがあり、決してそのレベルが低いわけでも何でもない。単に仕組みが悪いだけであると。だったら、これをやはり生かさない手はないという反省なり希望が非常に高かったことも事実なんです。それから、人材も、感じたことは、海外の人材をいろいろ採用したりしてみたら、日本の人材とのギャップにある意味ではびっくりしてしまったわけです。そうすると、日本の大学の教育はほんとうにこれでいいんだろうかということに初めて気がついたという部分もあったのかなと。そんな感じはいたします。

主査 そうだと思います。ですから、私もおっしゃるとおり、そういうのは1つ部分として存在すると思います。しかし、企業に欠けていた部分も存在している。社会に欠けていた部分。それを公平に言わないと、この報告書が単に1つの章で終わるのではなくて、全体のトーンとしてそれが入っていないとまずいのかなという気はいたします。

委員 おっしゃるとおりです。欠けている部分は非常に多いと思います。

主査 ただ、最近はそこはかなり変わってきたんです、現実に。随分変わってきていますけれども、しかし、依然として特定の大学と特定の企業が連携をしたときに対する冷やかな目というのは完全に消えていないのではないでしょうか。どうでしょうか、皆さん、最近そういうことは感じられませんか。

委員 変わってきましたけれどもね。

主査 大分変わってきましたけれども。

委員 それでも、まだそういうことはありますね。

主査 やっぱりそれで大学の先生が特許料、収入が入ったなんていうと、決して皆さん、穏やかではない。その辺は穏やかにならないと、これはだめなわけです。そこだと思うんです。だから、みんなやりにくい。何となくやりたいけれども、ちょっと一歩引いてしまうというのがそこにあるんです。

委員 私の趣旨は、先ほどの委員がおっしゃる大学のマネジメント、この目的のマネジメント体制というのはゼロだったわけですから、それに対しては十分にこれから努力するという前提の上で。ただ、日本の私たちが産学連携を進めていこうといったときの、今の企業の意識段階にも問題があるんだと思うんです。利益導入主義にどんどん傾いてきて、言ってみれば、私の知っている周りの企業だけかもしれませんけれども、リスクの高いものに対するチャレンジというのには大分消極的になっています。20年前、私が知っている企業と全く異質だと感じるんです。そういうところでイノベーションを起こそうとしたら、ある種の合理性とこういうプッシュ型でやらないとできないので、それを実際にビジネスに生かそうという側にも、やはりマネジメントのある種の変革がないと、そのまま自動的にいくものでもない。これは、1980年代のアメリカの大企業等を見ればすぐわります。その時代、どんなことをやってもアメリカでうまくいかなかったのと非常に酷似しているという意味で言っただけで、特に過去にさかのぼってというのではなくて、今時点から出発して、今後どうしたらいいかといったときに、企業側も初心に返ってこちら側を見ていただかないと、なかなか釣り合いを取るのが難しい。それは事実として、中小企業と大学が連携するときには非常に簡単にいくんですが、大企業とやると非常に時間がかかる。結局交渉で最後は途絶えるか、あるいは丸投げとか、なかなかいいところに落ち着かない。これを見ると、大体我々の世代が今、マネジメントの世代に入っているんです。20年前は研究者だった世代が。そのマインドが交渉しているときに大分変わってきていると。そういう意味で申しました。

主査 これは、きょうは報告書取りまとめ前の最後の委員会ですから大いに議論して、本当のことを言っておかないとだめなんです。その文章、それが的確にどこかにうまく入っていればいいと思いますので、是非こういう議論をお願いしたいんです。7ページの4の大学の使命と社会貢献の中には、こういう言い方をすると、大学はそもそも教育、研究、社会貢献、その中でこれがどうこう……。社会貢献の意義はどうだと、その辺からちょっと2行ぐらい書いていっていただければ大変ありがたいという気がしております。 1は大体こんなところでよろしいでしょうか。きょうの議論は後に尾を引く議論ではなくて、大いにやっていただいて、いいところを文章に残していただくために、今までにない積極的なご議論をお願いしたいと思います。

委員 最後だということで。学と産の間の関係がどうあるべきかということなんですけれども。この報告書自体、別にどうこう言う問題ではないんですがけれども。つい最近、いわゆる知的財産戦略会議の関係で、いろいろ特許の絡みで訴訟がどうしたこうしたとか、いろいろな特許に関するシステムについて議論を重ねたときに思ったんですけれども。今までの日本の仕組みというのは、どちらかというともうければいいとか、この辺、すごく言い方が難しいんですが……。どこから話したらいいかわからないですけれども端的な例を言うと、例えばアメリカの発想でいけば、なかなかいい技術を持っていると。特許を持っているというところ、日本の企業の目から見たらなかなかいい金額、例えば数千万円、四、五千万円ぐらいでぽんと買うんです。それを買って、アメリカとか、いろいろなところでうまく使って、弁護士料を含めて七、八億、五、六億ぐらい投資するんです。その投資をしたお金で訴訟を起こして、結局10億か15億ぐらい一気にもうける。差し引き数億もうけるということは結構あるんです。例外的ですけれども。アメリカとか欧米というのはそういうマインド(考え方)があるんです、それがいいかどうかは別として。つまり、すべてをツール(手段、手法)にしてもうけてしまう。それはそれでいいではないか、ゲームだしという感覚があるんです。私はそういうのを見聞きして、中にも入って、日本の弁護士としてやっていて、正直ついていけないところがあるんです。というのは、やっぱり日米の文化的なバックグラウンド(背景事情)の違いがありますし、職人としてずっと今まで教育を受けて、職人としてやってきたという中で、ものすごく差があるんです。特許の中でもそういう新しいシステムとか、新しいマインドにどこかで変わっていかなければいけないのではないかというところがあって、ものすごく直面しているところがあるんです。特に、それを大学と産業界の間の関係に置きかえて考えてみて、今後、もし仮にスーパースターが出て、もうかって、それはいいんだと。お金のことは気にしないようにしよう、みんなでやろうと、そういうスローガンというか考え方はすごくいいと思うんですけれども、そこに行くまでにはものすごく質的な転換があると思うんです。最近思うのは、ほんとうに将来的に日本がアメリカ型の技術移転を目指すのか、それともアメリカ型の技術移転の手前に日本型技術移転というものもあるのではないかということです。それは何かというと、技術移転の中の一番大事な部分というのはコミュニケーションだと思うんです。要するに技術が移転するということは、どうやって移転するかというと、それは異なる2投資者が世の中に存在して、その中で相互干渉が起きる、インタラクティブ(双方向的)なことが起きる。そのときに一方の知見が一方の知見に伝播していくというのが技術移転。つまり、そこでの本質というのはコミュニケーションなんです。だから、大事なことは、コミュニケーションのルートをきちんと確保することと、それが双方にとってきちんとウィン-ウィン(win-win…双方が利益を得る関係)になっているということを認識するシステムをつくることだと思うんです。だから、そういうどちらかというと日本的な、禅的な発想で、日本型の本当の20年後、30年後ぐらいを目指す技術移転を考えたら、実はそれはAUTMとかアメリカがやっているのとは違うかもしれない。そういうところもほんとうは考えなければいけないのではないかという気がしております。これは、だから報告書の話とはあまり関係ないんですが、先ほどの委員の方々のご議論を拝見していて、何となく自分が悩んでいることがありましたので、コメントしました。

主査 それは非常に重要なことで、結局コミュニケーションがうまくいっていなければ技術移転はできません。おっしゃるとおりだと思うんです。おそらく大学と企業の間に産学連携がうまくいっていないようにみんなが考えているのだとすれば、それはコミュニケーションがないことだと思うんです。かつてはものすごくあったわけです。組織の長との間にあったかどうかは別として、技術者同士ではものすごいコミュニケーションがあって、一体感があったわけです。一体感が崩れているということだと私も思っていますけれども。事務局の方、今の件はどこかに是非入れて下さい。大事だと思います。コミュニケーションをとらなければ何をしたってだめだと。非常に大事なご指摘で、ありがとうございました。そうしますと、2のほうに移らせていただきます。第2章では何かございませんでしょうか。これは、よく皆様方の意見が反映されているのではないかと思うんですが。14ページで大変よく書いてくださっているんですけれども、こういうことは常識上必要なことはというだけでやっていくという考えを主体に置けないかということなんですけれども。ここの施策はどんどん変わっていくわけですが、それは常識上やりたいということが実行できるようにしようということがあれば、小さな問題点なり、法的な制限は乗り越えていけるのではないかと思うんです。そこがないと、この法律があるから、これはできない、これはあって、これができないというと、法律同士でまた矛盾を来したりして何もできないということになりますので。産学連携を進めるにおいて常識上必要なことは、できるだけ実行できる体制が望ましいというか、そういう取り組みが望ましいというのか。そうでないと、事務局も言っておられましたように、どこからどこまでがよくなっているのかわからんということになりかねないものですから。その辺をひとつご指摘いただければと思います。それでは、ご意見がないようですので、3章に移らせていただきます。今後の産学連携のあり方ということについてお願いをいたします。

委員 言葉の使い方ですが、15ページの一番最初に○(丸)が5つぐらい下のほうにございます。その中で、民間的手法の導入による大学等の経営云々といった書きぶりところ。これは、前いただいたときに民間的手法の導入によるというのがつけ加わった表現ぶりだと思うんですが。この民間的手法というのは何なのかというのがいま一つはっきりしない。多分意味するところは、企業経営とか、ああいった手法のことかと思うんですが、民間手法というのは別に企業経営とか、そういうものとは違うと。何となく民間はよくて、公的なものは非効率という印象がある。いつも私も思っていることなんですけれども、公的機関に勤めていて非効率と批判されることが多いので。従いまして、ここは言いぶりなんですが、例えば企業経営手法の導入による、あるいは効率性に配慮したとか、そういった形にしていただいたほうがいいのかなと。また、この報告書とは別で、先ほどの委員のお話につながることなんですが、私は前職で企業買収のアドバイザリーというものもやっていました。例えば、日本の技術系の会社が技術部門を売ると。それを買う外国の会社との仲介をするといったところもやっていました。基本的には、もうやめようという人の事業を活かそうという人を世話するということで、両方ともウィン-ウィン(win-win)になるという形の仕事ではあるんですけれども。当然技術も移るわけです。やっぱりM&A(Mergers and Acquisitions…合併・買収)自体というのは、主としてアングロサクソンのカルチャーから来たもので、非常に最後のところ、まとまろうとしたときに、まさに先ほどの委員がおっしゃられたように、アメリカ型のものは少しでも安く買いたたけるところがあったらそこを追求していくという形で、ものすごい契約書の内容とか、非常に非効率というか。言い方を変えれば、非常な労力をかけて、コストをかけて少しでも買いたたこうといった形のところがあります。技術移転の場合、そういったものを本当に目指していっていいのかと。私どもも、日本の企業同士の中の仲介もしたんですけれども、そういったところは、そんな最後のところまで行かずに、わかったと、信頼したと。ある程度相手が信頼できて、コミュニケーションができたら、そこのところで契約書の書き方も、ここに記載されていないことは、事後両者の協議によって決めるといった形の記載ぶりになるということもありました。そこは、外国の企業との間だと、すべてのケースを想定するような形で、契約書もこれ以上のものになるということはあります。そういった技術移転とか、こういった産学連携に関しても、いわゆる民間がいいであるとか、あるいは利益追求が効率的でいいとか、そういう形でなくて、先ほど主査のほうからありましたけれども、社会的な重要性というか、社会的な違いも踏まえた形で考えたほうが良いと思います。単にアメリカでいえばこうで、移転がこうだからということではないような気がしました。

主査 そういう形になると非常にありがたいわけで。書いていなくても、これはことが変わっていけば、両方で話し合っていい方向に解決しましょうねという形。これは非常にありがたいと思います。そういう形は企業間でも許されるんですか。

委員 企業間でも、もちろんやっていますね。

主査 そうですか。では、そういうカルチャーが、本当はそこが活かせれば、細かいことはあまり厳しく詰めなくて済むわけですから。何もしなかったのが、戦後から20年前までの日本の産学連携だったわけです。

委員 まさにおっしゃるとおりで、我々が海外に行くと大きな研究の契約をするときに10センチは恐れません。10センチというのは契約書の厚さです。そのくらい何も恐れません。とことんやります。やらないと決着がつかないんです。ありとあらゆるケースをやる。ところが、日本の場合はそれを両者ともやれないんです。それを書くことすらほとんど不可能。そうすると、先ほどの委員がおっしゃったように、相手が信頼できるかどうかなんです。信頼できたら、数ミリでいいんです。日本人はそれを望むんだけれども、なかなか信頼できないという点が困っているというのが実態ではないでしょうか、両者で。それが現実の姿なのかなと感じております。先ほどの委員のおっしゃったケースはざらにあるケースで、国内ですと数枚、海外ですと30センチ、場合によっては1メートルの契約書でやってきました。

主査 それは、契約書のどこでどういうふうに文章にするのでしょう。

委員 それは要りません。それこそ会話が本当に深化していくことの重要性なんです。それから、それぞれのお互いの特徴というもの、状態というものをどれだけ相互理解できるか。先ほどの委員のお立場からいったら、何で企業が今リスク・テーク(危険受容)できないのかということを考えていただきたいと思うんです。リスク・テークしなければしないほど、利益が回復しているんです、全部企業は。黒字になりましたというところは、それを全部切ったからこそ黒字になったんです。これはやはり社会風潮かもしれません。あるいは株式市場の評価かもしれませんけれども、そういう非常に今日本の企業がつらいところに追い込まれてしまっているので、このある期間はお互いにほんとうに我慢しながら粘るしかないのではないかというのが、私の偽らざる心境です。

主査 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

委員 ちょっと一言。最初に先ほどの委員がおっしゃった点で、2ページに戻りますが、対話ということが何度も昔から出てきているではないかという点について。そのとおりなんで、私もそのように感じました。今のお話を聞いていますと、2ページのアンダーラインの下から4行目あたりの「対話」の代わりに、対話が深まることが必要だという文章にしていただいたらいいのではないかと思います。

主査 どうも貴重な意見をありがとうございます。

事務局 的が外れていたら指摘してほしいのですけれども。この間、あるところで、日本の企業が年間何千億も売り上げている製品を中国に輸出しているんですけれども、中国がWTOに入っているのに特許をほとんど取っていないということがあって。それで感じたのは、産学連携をやって、知恵を大学が生み出してそれを産業界に移転していっても、産業界のほうでの知的財産保護というのをトップマネジメント(経営方針)としてきちっとやらないと、結局日本の国益全体を考えたときに、大学がいくら知的財産でお金を取ったところで微々たるもので、最終的には企業がちゃんと知的財産を保護してもらうということだと思うんです。これは私の誤解かもしれないんですが、日本の企業の中で知的財産戦略というのがトップマネジメントの中にきちっと組み込まれていないために、産学連携をやってもざるのように漏れていってしまうということが起こる可能性があると。場合によっては、産業界に期待される事項の中に、大学のほうも知的財産本部をつくってトップマネジメントで知財をやりますから、日本の企業も知的財産の管理保護というものをトップがもっと意識を持ってくださいとか。そういうことを言うのは僣越かもしれないんですが、そういうことをやや書いて、少し産業界の方にも問題意識を持っていただいたらいいのかと思っているんですけれども、いかがでございましょうか。

主査 それは私も非常に思います。例えば、鋳型の技術がそのままそっくり行ってしまうとか、ああいうことが現に起こっているわけです。そういうことはやはりきちっと企業のほうでも対話をしなければいけないのではないかと。

委員 事務局のおっしゃることはまさしくそうで、私も常日ごろからそう感じているんですけれども。この報告書にはこういう言葉を入れる必要はないと思いますけれども、一連の議論を聞いていていると、やはり「国益というものがある」ということを恥ずかしがらずにやるということが必要なのかなと。基礎研究とか自由な発想ということもよくわかるし、それはその分野でまた激烈な世界競争をやっているわけで、ふわっとした夢のような話ではないわけです。それが経済活動に結びつくところにおいては特許であったりと。いずれにしてもシビアな部分で競争しているということなので。冒頭の話にもありましたが、表現は難しいんですけれども、そういう厳しいところに立ち向かうということは恥ずかしいことでもないし、大学の本来持っていた教育だとか自由な発想だとかいうことを踏み倒して、ないがしろにしているのではないよということは、あまり気にし過ぎずにさらっとした形でやるのが時代の流れかという気はしているんです。

主査 私も先ほどの委員のおっしゃることに全く同意でございます。やっぱり国益が重要なんだということを、どこかに書かなくてはいけない。今、そこが抜けた議論をしていますから、企業は外国がどうのこうのとか。結局は最後は国益になるわけです。国益だから税金で研究費が出せると。税金で人材が育成できる。その育成された人材が企業へ行くと。こういう循環を繰り返しているわけですから、そこははっきりぽんと言う。先ほどの研究には2通りありまして、自由な発想というのと、ある種の目的があってやる研究は、ある程度バランスをしていないと、大きな流れをつくっていくもとがなくなってしまう、枯渇するんです。そういう意味で、本当に自由にやるという部分と、ある目的・要請で行われている部分がバランスよく保たれて行われていくのが、今唯一大学だけだという状況ですので。その辺をはっきり書けば明確になると思いますけれども。

委員 今の大学における知的財産管理に対する事務局のご意見にさからうようで恐縮なんですけれども、実際私ども、分野によるんだとは思いますけれども、例えば一般的なある種の新しいシステムの開発とか、そういうものにかかわった知的財産というのは、ある意味で強烈に企業戦略とかそういうものにリンクしないと、ほとんど用なしのものになってしまう。実際に大学でそんなことができるかというと、逆にやるべきでもない。かなり方法論的なものに特化する。しかも費用は1社で100億、200億かけているものを99大学で二十何億でやれというような話ですので、余りにもギャップが広くて、いわゆる実用的に有効な特許戦略、これを大学がカバーするというのは、実際やっている身から見ると、非常に不可能に近いです。私の提案、ここの中にも書かれているんですけれども、そういうものに関しては企業と協力をして、それでそれぞれのミッションに分けて、そういう柔軟性のある……。

主査 今のことは、多分そういう趣旨で言っておられるのではないと思います。

事務局 当方の言いたかったことは、逆かと思います。要するに大学の知的財産というのはそれほど大きな経済価値はもともと生まないので、国益を考えると、最終的には企業に行った中で知的財産を保護しないと経済的な利益が失われると。そこの特許の取り方が、中国とか何かを見ていると非常に認識が不足しているのではないかと。ですから、産学連携をやっていい知恵の源泉を大学から企業に渡しても、企業が特許戦略をちゃんとやらないと日本の国の富が失われるので、大学以上に企業のトップマネジメントで知的財産戦略をやってくださいというのを、産業界に期待される事項に書いたほうがいいのではないかという趣旨です。

主査 それは伝わっていると思いますので。

委員 それに関連するんですけれども、よくベンチャーをやっていると一番大切なのはスピードだというのが必ず出てくるんです。大学での基本的に必要な研究開発というのは、スピードばかりを追えないというところがあって、それをどうしていこうかという問題が今ずっと出ているんだと思うんです。そういう意味で、先ほどおっしゃられた、スピードに関するものはある程度は見切り発車で企業に渡してしまって。ここで欠けているところで、日本で今まで、14ページの丸のところの一番最後に出ているんですけれども、「あうんの呼吸型」で、別に大学だけではなく、いろいろなコミュニティー(社会集団)が行われてきたんだと思うんです。それがいろいろな意味で契約の社会になっているということのトーンを、大学だけではなくてみんながそうなんだと。契約することによって、従来面倒くさかった規則などもある程度カバーできるというところも利点であることが、もうちょっと前に出てきた形がどこかのトーンに出てくると。特にベンチャーをやっていますとスピードばかりなので、大学と一緒にやって一番困るのは、契約云々以前の規則とその書類づくりでやっていられないというのが本音であるというのがあって、その辺が問題であると。

主査 先ほどの委員の意見、全く同じです。つまり、大学は多様ですから、基礎的なことをやっている人もいれば、自分で会社をつくりたいなんて考えている人もいるし、もう運営している人もいるわけです。非常に多様な中で、あるところでは時間がないかのごとく研究している人もいると。おそらく研究室の中にこもっていて、イラクの戦争に関心のない人もいるのではないかと思うんです。一方では、あした、あさってということをやっている人もいる。そこをどうぞ書き分けて頂きたい。みんながわーわーと動くというわけではなくて、非常にゆったりした人から、あしたのことを考えている人もいて良いと言う形で。ただ、あしたのことを考えて、産業界と一緒になって連携をしたい人は、産業界のベースで研究をしてほしいというのがどこかに入っていると思いますけれども、そういうことでよろしいですね。その点、全く同じで、それは先ほどの委員も言っておられることと同じだと思うんですが。そういうことで、産学連携をやる人については、その産業界との同じベース、あるいはベンチャーと同じペースで研究をしていただかないと困るということでしょう。それはよろしいですね。ぜひどこかに書き込んでいただきたい。それで、実はあと20分しかないんですけれども、これであと3章残っております。大体3章のところはこんな調子でよろしゅうございますでしょうか。ただ、先ほどの委員がおっしゃったように、契約ということをどこかに書くと同時に、大学の研究者も大学と契約をしなければならんという事態に陥りますよと。これは外国ではやっていることですから、その辺のこともどこかに記述をお願いしたい。場所的には、知的所有権の問題のところにはお願いしたいと思います。もう4章に移らせていただいてよろしいでしょうか。もとへ戻っていただいても結構ですから。4章については、そこで大幅な書き直しが32ページに行われておりますけれども、これはいかがでしょうか。この書き直された部分は非常に明快になっていまして、表題が「ブレークスルーを目指した産学官連携による研究開発課題の発見と設定等」という前向きなものになっています。ですから、私は実は前の文章だと、1と2が入れかわったほうがいいのではないかと思っていたぐらいなんですけれども、この表題なら非常にぴったりすると思います。

委員 将来の話ということですので、知的財産権という見地からちょっと将来の話をしたいんですけれども。基本的にこの報告書の中で重視しているのは、多分大体は特許だと思うんです。実は、私は知的財産研究所というところの委員会で、ライフサイエンス委員会というのがあって、そこの委員をやったのですけれども。そこでの検討結果を通じて得たことというのは、少なくともライフサイエンス分野においては、多分今後別の分野でもそうなると思うんですけれども、特許を出願できる発明がたくさん出てくるというよりも、むしろ非常に価値の高い情報、データの集積を切るという現象が多分近々起きるというか、今のところは起きているんです。その場合には、実は特許や発明が重要ではなくて、むしろそういうデータの集積のほうが大事なんです。現行法下ではこれを守ろうとすると非常に難しくて、著作権法が使えないと。いわゆるデータベース保護法はないと、準特許法みたいなものもないと。不正競争防止法だけでは十分にカバーできないということで、今非常に最先端の分野では知的財産権法ではカバーできない部分はすごくあるのです。大学ではまさしくカッティング・エッジ(最先端)ですから、そこがたくさん出てくる。そうすると、そういった従来の知的財産権法で保護できない、しかも価値のある情報とか知見をどうやって保護するか。どうやってそれを産業界に移転して、どうやってリターンを得ていくかというのは、実はスキーム(手続きの流れ)としてはこれからつくらなければいけないんです。これは、ある意味で法律家の役割でもあると思うんですけれども。だから、今のレベルではこれでいいと思うんですが、多分将来的にはそういう新しい仕組みもいつかは必要になると思います。

主査 おっしゃっていることは非常に大事だと思います。単なる新しいイノベーションだけ、新しいものを発見し、ないものをつくって特許を取るということだけではなくて、今あるデータの蓄積をいかに活用するかということは非常に重要になるわけでございます。特にバイオなどの分野ではそういうことは非常に顕著になってくると思われますので、その辺はどういう書きぶりがいいでしょうか。特許にあらわれない、非常に重要な知的財産の蓄積というようなことが必要なんだということでしょうか。

委員 そうですね。

主査 あるいは、その蓄積と活用、迅速な活用の仕方というのが。4は随分皆様に興味を持ってごらんいただいておりますので、特にご意見有りましたら是非頂きたいのですが。皆さん、4のところはよろしいですか。

委員 私は逆に非常に結構だと思いながら、これをどういうふうに自分で位置づけて読んだかということだけご紹介しておきます。この(1)というのは、ある意味では非常にロングレンジの(長期的な)考え方であり、かつ基本的なブレークスルーなんです。これを欠くことができないわけです。その場合、やはり大事なことは、特に日本の社会、あるいは世界でもいいんですけれども、社会がそもそもどう変わっていくのかということをかなり洞察した上で、その社会にマッチングするブレークスルーが研究に必要なので。これはロングレンジとして、国策としても大事な問題だと。さはさりながら、もうちょっと手前のところでも、どんどんいい知恵があれば社会に還元してよというのが(2)にあるわけです。そのルールはつくっていきましょうと。そして、この(3)というのは非常にデリケートな問題なんですけれども。今、日本の企業、特に大手の企業は先ほど申し上げましたように、リスクテーク(危険負担)しなくなっています。それだけに、そういうところがリスクテークする気が起こるところまで何かで育ててあげなければいけないというのもベンチャーでしょうし。それから、まだまだ規模として小さくても、ベンチャーならばやっていけるようなものも、どんどんそういう形では企業化したほうがいいでしょうし。まだ、社会の中にマーケットができていないようなものもという、そういうことを大学発でもこういうアクティビティー(積極性)をどんどん出してくださいというのが、この(3)なのではないかなと。そんなふうに感じて、私がふだんから感じている産学連携の3つの典型パターンがきっちり書き込まれていただけたのではないかと。

主査 先ほどの委員に、非常にいいことを言っていただきました。この前置きのところに、ちょっと書けないでしょうか、事務局の方。今おっしゃったことは、1は長期的にこういうことは非常に大事だと。2は、今でもできるよと。3番は、今度は大企業の変貌等によって先端的な技術を産業化できなくなっている、それをかわって実行していくのがベンチャーだと。そういう流れをはっきり認識して、こういう施策としていくことが必要なんだということを最初に書いていただきますと、位置づけが非常によくわかって。最後に、それを支えるのは人材なんだと、こう言えば非常に立派なというか。

委員 そういうことです。それがいいと思います。

主査 これだけで、この1、2、3ページで皆さんのご意見がかなり要約されているのではないかと思いますが。

委員 意見が、ちょっと私は感じが違いますのは、この(1)のブレークスルー、あるいは新しいニーズを産学が共通で生み出すというのは、私は一番緊急ではないかと思うんです。これが一番最初にやるというか、ロングレンジというよりは。ロングレンジのニーズなんだけれども、それを早く議論をして、明確にしていくことが今一番要求されているということなんでしょう。

委員 もちろん、一番重要な。

委員 そういう点では、もっと先のことですよという印象では困るというふうに、私はちょっと感じました。

主査 それはみんな感じていますが、それはすぐ出てこないでしょうと、こういうわけです。今山ほどあるのは(2)だと。それを移せというわけです。しかし、ほんとうはみんなで知恵を出して、あるコンセプトをつくり出していくというのが大事なんだと、こういうことだと思います。おっしゃるとおりで、そうなれば非常にいいんですけれども。そうすると、大体この4はよろしいでしょうか、こういうことで。
では、5に入らせていただきます。5についてはいかがでしょうか。

事務局 済みません、その4のところ、個別の記述も私どもの中でもまだ今現在、施策の検討が動いておりますので、後出しになるかもしれません。恐縮ですが、事務局からも新しい要素が入り得るというのはお含みおきいただければと思います。よろしくお願いします。

委員 何か先ほどの議論を蒸し返すようで恐縮なんですが、39ページの真ん中ごろになると思うんですけれども、「政府においては、知的財産権の取得・管理のために必要な経費云々」とございます。実は、私ども現実にやっていると、先ほどの議論ではないんですけれども、知的財産が職務発明になって、それを大学全体として管理をすると。これは、実は実際にやって、全大学に普及していったときに、現場の企業の方々が一番心配していることなのです。要するに完全管理。これは費用対効果、その他も含めて非常に難しいのと、知財のもともとの管理、活用というのは企業戦略と結んでいかないと意味を持たない。先ほど事務局のおっしゃることなんです。したがって、ここの選択というのは今の現実を考えると、言葉の上ではしっかりやれというのはできるんですけれども、これは相当国益を考えて、大学と企業がほんとうにインタラクティブ(双方向的)に、先ほどの知恵を交換する一番大事なところなんです。そういう意味で、先ほど、例えばカリフォルニアのバークレー校みたいに知的財産の管理もギブアップする(やめる)と。むしろ、それは企業に任せるという選択もあるぐらい、かなり実地は経済的な面、あるいはテクニカルな面、本質的にどこの国の特許をどう取るかというのは、その企業の生産戦略とかそういうものと結びついていると。こういう現実に直面すると、単純にここではそう終わらせられない部分があると。ただ、それはそれぞれの大学が知恵を出してやればいい話なので、そこで費用も含めてそういうことも考えて、柔軟な特許戦略ポリシーをしっかりと考えることが肝要であると。こういうようなことを書いておかないと、企業の方々はこれをものすごく心配しているんです。全大学、日本の大学が職務発明に踏み切って、ほんとうにちゃんと管理できるかということ、それをさっき申し上げたかっただけなんです。

主査 ただいまの指摘は非常に大事です。今までは国の特許にしかできなかったのが、今度は大学のもっと小回りのきく組織へ移りますという話で。その意味は、大学に移せば、利口な大学はその活用を研究室に移すはずだと、こういうことだと思うんです。つまり、研究室単位で特許の価値をうまく使えるようにしていくはずだと。そうではないでしょうか。だから、先ほどの委員がおっしゃっておられるのは、私は逆ではないかと思うんです。ただ、そのことを書いておくことは非常に大事だと思うんですが。つまり、特許がいい悪いという、こっちの企業が必要としているので渡すとかという具体的なことについては、やっている人が中心になって動いていかざるを得ない。それを国が持っていたらとてもできないので、大学の組織的対応に任せると、こういうことではないかと思うんです。

委員 済みません、私、途中まではフォローできたんですけれども、研究室に任せるというところでフォローできなくなってしまったんですが。それは……。

主査 ちょっとそれをもう一回言います。それは大学が特許を持っていて、そこできちっとした大学が持っているよと、うまく使えとみんなに言うわけです、その売買を含めて。売買をやるのは、一番先端でそれを発明した研究所群が一番よく知っているわけなんです。しかし、全体の特許ポリシーについては大学が組織的に対応するので、そこと相談をしながらやるけれども、実際はそこがやるという、原則はそうだと思っております。

委員 私がずっと読んでみると、その特許管理に関しては大学が主体になって一元的にやる方向で努力すると、これが基本だと思うんです。それは欧米の大学はすべてそうなっている。そのポテンシャルを持つためにいろいろな意味で今準備をしているわけです。研究者にそのまま任せてしまうなら前と全く同じで、そこへは返られない。ただし、実際的にやるときには今の大学の財政的なポテンシャル、あるいは人材的なポテンシャル、こういうのも含めると、企業との産学連携、特許の管理というのはまさにそこのお互いの信頼関係をうまく使ってやる柔軟なポリシーが必要だと。管理主体は大学ということはもう決まっているので、ここは動かさない。ただし、それの運用に関しては、その企業との協力を得て運用していく。もちろん、管理能力がどんどんついてきて、もう自主的に全部管理できれば、財政的にも管理できれば、うまくサイクルが回っていけば、それはどんどん独立していけばいいだろうと思います。

主査 言っておられることは非常によくわかります。大学が特許を持つということと、その特許を活用するということはまた別の話であって、活用するほうは研究室単位でやらないと、それを一番よく知っているわけですから、なかなかうまく使えないと。ただ、もし本部で全部一元的にそこまでやってしまったら、これは大変なことになると、私は今と同じことが起こると思う。そこはそうではなくて、大学が一元管理をしたらいいと思う大学はそこでやればいい。先端の研究室に任せたほうがいいと思うところは、それをやればいい。それは、今のような心配が起こらないように、大学が自由に決められますよということを言っているわけです。ですから、それは心配ない。もし、それを先生がおっしゃるように心配になってしまったら、それは大学の管理が失敗したというだけのことであって。それすべてをもって今回は大学に任せられるということです。そこが一番ポイントではないでしょうか。

委員 私のほうは、この知財のワーキンググループというのと、それから今、知財本部、私どもの大学での案をつくっていたという両方の立場から、今の問題について。確かに職務発明ですべてが機関帰属ということになりますけれども、最初から何百という特許を全く今まで未経験な知財本部がいきなり全部はできないと思うんです。それが何とか動くかなと思っているのが多分、先ほどの委員のところのようなTLOが既に実績を踏んでいるところは、どれだけ動くかというのがすぐ見えるわけですから。そうすると、これぐらいは何とか動くかな、そんな形が少し見えるかなということで。そうでないと、すごくこれは見えにくい話になるかなと思っています。それで、今のすべてを大学が管理はしますけれども、それを全部大学のものにするかどうかというのは、ここにも書かれていますけれども、それは各大学が決められるということで。最初何割になって、それを将来、最終的にはルールどおり、ほんとうは100%まで持っていけば透明性はすごくよくなるわけです。それから、管理するところは、私はちょっと考えが違いまして、研究者がこれまでいろいろ自分の特許のマネジまでやっているというのを、ぜひその時間は研究開発に使ってもらいたいと。それで、知財本部がそのかわりそれを研究者の意向に沿って、意向を最大限尊重しながら動くということでやりたいというように思っているんです。

主査 私もそう思っています。これは、ちょっと言葉が行き違いをしているだけのことであって。大学に特許管理ができるということは、そういう自由性を全部持っているわけですから、適切に大学がやらなければ、その大学はあまりいい大学にはなれないというだけのことだと思うんです。それから、先ほどの委員が言われた柔軟に扱うという、そこも非常に大事だと思いますし。また一方の委員が言っておられるように経過処置、移ったときに直後どうなるかという、これも非常に重要ですから、よほどそこは柔軟にやらなくてはいけないということです。しかし、ここは一応ある程度先にこうしてほしいということを言っているわけですから、これでいいのかなという気がしております。実は時間が残り少なくなって参りましたが、最後に、この利益相反、職務相反については、大体こんなところでよろしいですか、まとめとしては。そうすると、最後のまとめがこう書いてありますが。こういう報告書は、気の短い人は「まとめ」を最初に見るんです。ここに何かもうちょっと数行、今議論になってきたような、大学が社会貢献ということに大いに積極的にしなければいけないということと、これは大学だけではだめですよと。企業も国益のために協力しなければいけないのではないですか、社会もそれを是認することが必要ですねというようなことがあって。技術移転といいますか、連携のための大学等と産業界とのコミュニケーションの重要性とか。それから、知的財産の管理に関する重要性、それから柔軟な管理です、生かす管理というのか。というようなことをちょっと書いてくださることはできますでしょうか。

事務局 少々、あっさりと終わり過ぎているような気がしますし、最後ですので是非ご意見を。

主査 特に4章でお書きいただいた1、2、3、4というのは、1つの骨格でもありますので、こんなことが4章には提言されていて、それは4章に書いてあるとか。何かその辺をお書きいただくと少し締まるのかなという気もいたしましたので。

委員 今のことに関連して、別に直すとか何とかではないんですが、この報告書自体の位置づけとも関連して、今後どういう議論に発展していくのかという点です。私の先ほどからの議論のところで申し上げればよかったんですが、産業界の方はどうなっているんだという議論があります。私も先ほどの委員と同じような意見を持っていまして、産業界に対する現時点での要望はたくさんあると考えています。今まで産学連携がうまくいかなかった点で、一方の大学について非常にメスが入れにくかったのが、この数年間でかなりメスが入りました。法人化も含めて。こうして大学については、要望とか、こうすべきだとかいうのが明確になってきたわけです。次は産業界に対して同じようにメスを入れるんですか、ということです。現時点で、今出てきたようなことをいくつか並べておいて、その入り口にするのもいいですけれども。私は関西でも議論していますが、産業界に対してかなりの厳しい話が大学側から出てくるということは事実です。そういう議論を今後やるんですかということです。いや、もうそれはちょっと大変だからやめておこうということであればなんですけれども、そういう点で、今後の議論の発展に対する方向があれば、それは「まとめ」のところに書いておいていただきたいと思います。ただ、それは少し無理があるので、数年先に送りましょうというのであれば、この段階でうまくまとめてしまわざるを得ないというふうに思っております。以上です。

主査 その辺はいかがでございましょう、事務局の方。

事務局 官が民にメスを入れるというのは、ちょっと事実上できないと思いますけれども。先ほど申し上げた趣旨は、産業界のほうでもこういう問題があるということをどの程度認識されているかということで、その辺で産業界の認識がどうなのかということを少しここに書いておいていただいて、何か1つでも2つでも変えられるようなヒントがあれば、書き込んで、今後フォローしていったらいいのかなと。どっちみち大学と産業界の対話というのは、これからさらに深めていかなければいけませんので、お互いに自由にものが言える関係にして、直していかないといけないかなというふうに思いますけれども。

主査 ただ、少なくとも産学、大いに協力していただかないといけないということはどこかに書いていいのではないでしょうか、先生がおっしゃるような意味で。それは産業界だけではなくて社会にも、一番私自身の非常に長い経験で言いますと、それは今でも社会に根強く残っていると思うんです。ですから、社会のほうもちゃんと協力してくださいということを書いておかないと、またおかしくなると思います。

委員 ここに最後に関係府省との連携と書いてあるので、結構、財務省の問題が大事になるのではないかと、ふと思うんです。特に、例えば今後大学が特許を自分で取得して、それを保有しますね。だから、かなり特許関係費で費用は出ていくと思うんです。例えば、5年後に中間目標をチェックされますね。特許というのは、大体ペイしない(採算がとれない)というのは間違いないので、その時点でのリターンは多分ゼロに近い。もしかしたら、七、八年、十年後ぐらいになったら、少しリターンが出てくるかもしれないというものです。だから、投資が大きな赤字になって、黒字になっていくのは随分先ですね。その辺、結構、財務省的な理解というのがきちんとないと、どんどん使えないのではないかというのが評価で、1つ、ふと思ったんです。あとエクイティー(報酬)の問題は大分変わりつつあるみたいですけれども、その部分はどうなるかも気になるところですし。あと、それから独占的に民間におろしていくことのバイドール絡みの関係のこととか、かなり財務省的な部分は大きいような気がするんです。その辺は、書く書かないは別として。

主査 今の委員のご質問は前から出ていることで、特許料というものは、それがペイできるようなものではないと。むしろ、それにまつわる周りのことが非常に大事なんだという、その理解はあるんでしょうね。それは、ちゃんと財務省も理解していただいていますかと。社会の人もそれは理解しておいていただかないといけないんです。投入したけれども、特許料は調べてみたらこれしかないではないかと。そういうような挙げつらいをやり始めたらどうしようもないので。やっぱりきちっと、ですね。

委員 今、何でそういう心配をしているかというと、例えば皆さん多分、図を描いていると思うんです。図というか、一生懸命中期目標の内容を。例えば、特許費用はこのぐらい使ってとか、知財本部ではこうなってこうなってと、特許収入がどれくらい上がってと。多分かなり甘い絵を描いている大学もあるのではないかと思うんです。というのは、私の経験でも、普通に描くとかなり甘い絵を描いてしまうんです。よく知っている方はわりと堅目に描くんですけれども、よく知らない人は結構甘く描いてしまうので。その辺で、必ず現実ともくろみとの差で、5年後に苦しむ大学が結構出てくるのではないかという気もしないではないです。

主査 つまり、おっしゃりたいところはどの部分になりますでしょうか?

委員 済みません。関係府省というところを、ぜひ財務省に……。

主査 その辺の理解ですね。私は、関係府省の政策目的達成のための研究があるけれども、それと比較して基礎的な研究の意義に関して正しい認識がないと、大学の研究が理解されないのです。

委員 でも、社会が理解するのもなかなか難しい。登録料をたくさん払うんですね。そこが……。

主査 ですから、政府と社会、産業界から、そこが理解される努力が必要である。

事務局 ただ、大学が法人化しますから、今の委員がおっしゃったように特許料が従来だったらこのぐらい要るだろうという積算をするわけですね。今度は、逆にいえば研究費を多少犠牲にしてでも、特許戦略で特許を取ったほうがいいという判断も、大きなどんぶりの中でできるようになりますから。話は2つあって、我々がちゃんとそういう知的財産を管理できるようなお金を取るという、これは必要であると同時に、大学で増えた自由度をフルに活用していただいて、そこも合わせ技でやると。これが基本だと思います。だから、当然、関係府省の中には財務省も入っています。ただ、名指しするのはちょっと難しいですので。

委員 それはそうだけれども。何となく、ここに別に財務省と入れてほしいということではないんですけれども、それを非常に強く思ったもので。

主査 そうしますと、これはまだご議論が非常に多いと思いますけれども、一応予定の時間が今参りましたので。これは、先ほど事務局からもご発言がございましたように、4月18日といいますと、今週いっぱいということですね。今週いっぱいで、ご意見を事務局まで文書でお伝えいただくということでよろしいですか。ちょっと私、今欠席されている委員のメモを見ておりまして、非常に重要なことを言っておられるので、紹介します。表題をブレークスルーにつながる何とかにしたらどうかということを提案しておられます。私もこの言葉を使えば、「ブレークスルーにつながる産学連携の構築に向けて」というようなことに、「新時代の」というかわりに「ブレークスルーの」という言葉は使えないでしょうか。これはちょっとお考えください。

事務局 何か片方だけの側面は多分そういうところがあると思いますけれども、ブレークスルーだけだと、ちょっと片面だけ過ぎるかなという気はしなくはないかな、と。

主査 そうですか。わかりました。その辺は事務局で検討してみてください。

事務局 少し考えてみますので。

主査 そういうことで大変僭越ですけれども、きょう最後ということですので、ご一任をいただいてよろしいでしょうか。もちろん、これ、できたものは一度また委員の方々にお送りして、最終的なご意見をいただきたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

委員 「産学官連携推進委員会報告書」については、今後の調整は各委員の意見を収集した上で、主査一任となった。

委員 事務局より、今後「産学官連携推進委員会報告書」については、4月末目途に取りまとめ、公表の後、技術・研究基盤部会に提出される旨の説明があった。

お問合せ先

研究振興局研究環境・産業連携課技術移転推進室

(研究振興局研究環境・産業連携課技術移転推進室)