平成24年5月23日
科学技術・学術審議会技術士分科会
制度検討特別委員会
技術士試験の見直しについて
(1)技術士試験の見直しについては、第20回技術士分科会において、「制度検討特別委員会」を技術士分科会の下に設置することを決定し、現行技術士制度の諸課題についての検討を行うことになった。
(2)第1回制度検討特別委員会において、委員の互選により主査に池田駿介委員、主査代理に鳥養映子委員がそれぞれ選出された。また、技術士試験制度の見直し事項について機動的に検討を行うため、問題検討作業部会、免除検討作業部会及び技術部門・選択科目検討作業部会を設置し、諸課題について検討を行ってきた。
その結果、多くの優秀な技術者の技術士資格の取得を促し、技術士制度の更なる普及・拡大を図ることを目的に以下による見直しを行うことが適当との結論に至った。
【第一次試験】
(1)基礎科目及び共通科目
共通科目は廃止する。
基礎科目は、科学技術全般にわたる基礎的学識を確認する試験とし、大学卒業程度の基本的な知識から出題する。出題分野は、現行の5分野を基本とし、共通科目の出題内容にも配慮して出題する。現行の基礎科目より受験者の負担が増えることのないよう留意して出題するとともに、試験の難易度の安定化を図る。
(2)専門科目
現行の出題範囲は変えないこととし、各技術部門の基礎的な分野に出題を重点化する。また、試験の難易度の安定化を図る。
(3)免除
見直し後の基礎科目の姿を踏まえて、それに対応する免除の在り方及びその範囲を引き続き検討する。
JABEE認定修士課程について、第一次試験との同等性を確認した上で、第一次試験の免除の対象とする。
【第二次試験】
<総合技術監理部門を除く技術部門>
(1)筆記試験(必須科目)
筆記試験の必須科目を択一式とし、技術部門に係る専門知識を確認する。試験問題の作成に際しては、極端に難易度が高い出題とならないよう留意する。合否決定基準に満たない者については、記述式試験の採点を行わない。
(2)筆記試験(選択科目)
従来の選択科目については、解答数の2倍程度を出題数の目安とする。
選択科目に課題解決能力を問う記述式試験を新設する。出題する課題は2問程度とし、普遍的な課題からも出題する。
(3)技術的体験論文
技術的体験論文は廃止する。受験申込み時に提出する業務経歴票について、技術的体験をより詳細に記載できる形式とする。
(4)口頭試験
経歴の確認、応用能力及び課題解決能力、技術者倫理、技術士制度の認識について問うこととする。技術者倫理については、実務を踏まえた試問を重視する。
試験時間は20分程度を基本とし、必要がある場合は10分程度延長することを可能とするなど、弾力的に運用する。
<総合技術監理部門>
総合技術監理部門の必須科目に係る口頭試験は、当該部門に求められる専門知識等を問うこととする。
試験時間は20分程度を基本とし、必要がある場合は10分程度延長することを可能とするなど、弾力的に運用する。
なお、総合技術監理部門を除く技術部門と同様に、技術的体験論文は廃止することとし、受験申込み時に提出する業務経歴票について、技術的体験をより詳細に記載できる形式とする。
技術士を取り巻く環境の変化に合わせ、選択科目を時代のニーズに合ったものに見直すとともに、極端に受験者数が少ない選択科目については、その在り方を検討する必要がある。これにより更なる資格活用につながることが期待される。
今後の見直しは、時代のニーズを踏まえ、産業界における技術士の活用状況並びに技術部門及び選択科目の将来性や技術の変遷に留意して実施するものとし、各技術部門の専門委員等から意見を聴取するなど技術士分科会において継続的に議論を行う。なお、見直しは、以下の考え方に基づくものとする。
○今後2年(平成25年度及び26年度)程度の受験者の動向を見て、受験申込者数が20部門全体の申込者数の0.05%を下回る選択科目については、当該選択科目の廃止を含めその在り方を検討することとする。また、同様に0.1%を下回る選択科目については、他の選択科目との統廃合や内容の変更を検討することとする。
○現在96ある選択科目の総数を上回らないこととする。
試験方法の見直しについては、受験者への周知や準備の期間等を考慮し、平成25年度の試験から実施する。
(別添)
技術士分科会制度検討特別委員会委員名簿
〔臨時委員〕 |
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◎池田 駿介 |
東京工業大学名誉教授 |
○鳥養 映子 |
山梨大学大学院医学工学総合研究部教授 |
〔専門委員〕 |
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帯川 利之 |
東京大学生産技術研究所教授 |
橋谷 元由 |
公益社団法人日本工学会理事 |
奥野 晴彦 |
社団法人関東建設弘済会理事長 |
高木 譲一 |
公益社団法人日本技術士会専務理事 |
岩熊 眞起 |
株式会社東京建設コンサルタント環境モニタリング研究所専任技師長 |
繁桝 算男 |
帝京大学文学部教授 |
◎は主査、○は主査代理
技術士分科会制度検討特別委員会
問題検討作業部会委員名簿
〔臨時委員〕 |
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◎小林 英一郎 |
NTCコンサルタンツ株式会社顧問 |
廣瀬 由紀 |
株式会社山下設計構造設計部門主管 |
〔専門委員〕 |
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○帯川 利之 |
東京大学生産技術研究所教授 |
登坂 博行 |
東京大学大学院工学系研究科教授 |
田﨑 忠行 |
株式会社長大会長 |
安藤 寿男 |
茨城大学理学部教授 |
武田 邦彦 |
中部大学総合工学研究所教授 |
花木 啓祐 |
東京大学大学院工学系研究科教授 |
笹尾 圭哉子 |
中日本建設コンサルタント株式会社技術部 |
◎は主査、○は主査代理
技術士分科会制度検討特別委員会
免除検討作業部会委員名簿
〔臨時委員〕 |
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◎大中 逸雄 |
大阪大学名誉教授 |
斉藤 忍 |
株式会社IHI技術開発本部顧問 |
戸嶋 英樹 |
りんかい日産建設株式会社元相談役 |
〔専門委員〕 |
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○橋谷 元由 |
公益社団法人日本工学会理事 |
天野 玲子 |
鹿島建設株式会社知的財産部長 |
高橋 幸雄 |
東京工業大学名誉教授 |
田中 次郎 |
東京海洋大学海洋科学部教授 |
萩原 一郎 |
東京工業大学大学院理工学研究科教授 |
青木 ゆかり |
預金保険機構上席調査役 |
◎は主査、○は主査代理
技術士分科会制度検討特別委員会
技術部門・選択科目検討作業部会委員名簿
〔臨時委員〕 |
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吉永 光郎 |
株式会社MAY設計事務所代表取締役 |
和里田 義雄 |
財団法人経済調査会前顧問 |
〔専門委員〕 |
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〔担当する技術部門等〕 |
○牧野 俊昭 |
徳山工業高等専門学校機械電気工学科教授 |
機械 |
鈴木 英之 |
東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 |
船舶・海洋 |
坂田 公夫 |
SKYエアロスペース研究所所長 |
航空・宇宙 |
大崎 博之 |
東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 |
電気電子 |
八木 宏 |
トタル・トレーディングインターナショナルS.A.技術顧問 |
化学 |
松村 正明 |
神奈川県産業技術センター統括技術コーディネーター |
繊維 |
月橋 文孝 |
東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 |
金属 |
大和田 秀二 |
早稲田大学理工学術院教授 |
資源工学 |
◎奥野 晴彦 |
社団法人関東建設弘済会理事長 |
建設 |
鈴木 藤一郎 |
財団法人河川環境管理財団理事長 |
建設 |
曽小川 久貴 |
日本下水道事業団前理事長 |
上下水道 |
由田 秀人 |
日本環境安全事業株式会社取締役 |
衛生工学 |
永江 啓一 |
全国農業機械商業協同組合連合会専務理事 |
農業 |
村上 剛平 |
日本特用林産振興会専務理事 |
森林 |
關根 幹男 |
株式会社フィスコ代表取締役 |
水産 |
平川 保博 |
東京理科大学理工学部教授 |
経営工学 |
児玉 公信 |
株式会社情報システム総研取締役副社長 |
情報工学 |
国眼 孝雄 |
東京農工大学名誉教授 |
応用理学 |
福田 雅夫 |
長岡技術科学大学工学部(生物系)教授 |
生物工学 |
飯島 孝 |
財団法人産業廃棄物処理事業振興財団専務理事 |
環境 |
工藤 和彦 |
九州大学東アジア環境研究機構特任教授 |
原子力・放射線 |
◎印は主査、○印は主査代理
科学技術・学術政策局基盤政策課
-- 登録:平成24年07月 --