第10期 技術士分科会 制度検討特別委員会 継続研さん・更新検討作業部会(第2回) 議事録

1.日時

令和2年10月21日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省(合同庁舎第7号館東館)15階 15F1会議室

3.議題

  1. CPD ガイドラインについて
  2. 今後の技術士制度改革の方向性について
  3. その他

4.出席者

委員

岸本主査、岩熊主査代理、小林委員、下保委員、高木委員、寺井委員、林委員、小野委員、佐々木委員、比屋根委員(名簿順)

文部科学省

奥野人材政策課長、鶴見専門官 ほか

オブザーバー

日本技術士会
新屋技術士制度検討委員会委員長

5.議事録

【岸本主査】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会第10期技術士分科会制度検討特別委員会の第2回継続研さん・更新検討作業部会を開催させていただきます。
今回は、都合により中谷委員が御欠席されております。
本日は御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、初めに事務局より配付資料の確認をお願いいたします。よろしくお願いします。
【鶴見専門官】 文部科学省技術士係の鶴見でございます。よろしくどうぞお願いします。では、本日、配付させていただいておる資料ですけれども、資料1としまして、「会議毎の検討事項の割り振り」、資料2としまして、「今後のCPDガイドラインの検討の方向について」、資料3としまして、「技術士のCPD活動の在り方について」、これは(案)になります。資料4として、「新しい技術士CPD登録制度について」ということで、これは技術士会で作成いただいた資料となります。また、参考資料といたしまして、「技術士分科会運営規則」、参考2として、「継続研さん・更新検討作業部会設置要領」、参考3としまして、「第10期技術士分科会継続研さん・更新検討作業部会委員名簿」、参考4としまして、「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」、参考5としまして、「第5回制度検討特別委員会におけるCPD関連の主な発言」となってございます。
あと、あらかじめ机上に配付させていただきました資料としまして、「技術士関係法令集」、白い冊子。それと、「技術士CPD(継続研鑚)ガイドライン(第3版)(平成29年4月)」、技術士会様から提供いただいてございます。そして、最後となりますが、机上資料3としまして、「卒業生としての知識・能力と専門職としての知識・能力」についての資料を配布させていただいてございます。
何か足りないもの、及び乱丁、落丁などありましたらば、事務局にお伝えいただければ対応しますので、よろしくお願いいたします。
【岸本主査】 資料の方はよろしいでしょうか。
それでは、本日の議題ですけれども、議題表にございますように、1番がCPDガイドラインについてということで、資料も用意されていますので、それについて御説明いただいた後に、委員の皆様から御意見いただきたいと思います。
それでは、議題1のCPDガイドラインについて、資料1から3について、事務局から説明をお願いいたします。
【鶴見専門官】 では、説明させていただきます。まず資料1番としまして、「会議毎の検討事項の割り振り」になります。これは技術士分科会と制度検討特別委員会がまずございまして、主要課題として、国内外での普及拡大、活用促進などをする必要がある。活用促進ですとか相互承認の在り方、あとは他国のエンジニア資格制度の構築及び普及への協力、その他関連事項などが主な役割となってございます。
今後の検討方針としましては、文科省と日本技術士会から活動状況について随時報告を出させていただく。あと、C課題、相互承認の在り方及び他国のエンジニア資格の普及など、こちらは国際的な動向を踏まえつつ、今後の対応方針について具体的な検討を行わせていただきたいということになってございます。
この制度検討特別委員会のつながりとしまして、初期専門能力開発・試験検討作業部会、こちらの方では技術士試験の適正化、あるいはIPD制度の整備・充実。こちらの適正化、制度関係を作業していただくという形になります。こちらの主要課題としましては、全てB課題として行ってございます。
今後の検討方針案といたしましては、技術士IPDガイドラインの策定、あとは、そのガイドラインに基づきまして、一次試験の見直し及び技術士補制度の適正化、それらの法令改正が必要であれば、その必要性を検討ということになってございます。
それに並びまして、継続研さん・更新検討作業部会。こちらの方では継続研さんの制度及び総合技術監理部門の位置づけについての検討となります。更新の要件や実施方法の検討、CPD制度の見直しなどですね。こちらも検討方針としましては、やはり技術士CPDガイドラインを策定と、この策定のガイドラインを踏まえた総合技術監理部門の位置づけ、及び、その位置づけに関して、必要とあれば法令改正の必要性などを検討させていただくという形になっているところでございます。
この後のざっくりとしたスケジュール感としましては、今年の秋口ぐらいまでに、IPDガイドラインCPDガイドラインを策定していただきまして、その後、制度検討特別委員会において、骨子案を審議いただいて、できれば了承までいただければ有り難いと思ってございます。
その後、来年、年明けになりまして、第10期分科会としまして、IPD及びCPDのガイドラインの骨子を発表できればいいのではないかというふうに、ざっとしたスケジュール感としては持ってございます。
資料1は以上となります。資料2番目、今後のCPDガイドラインの検討の方向性についてになります。これは時間もあるので、全部読み上げませんけれども、CPDガイドラインの策定目的につきましては、とにかく技術士の資質向上の責務が定められている。これは技術士法にも定められているところでございます。これにつきまして、特に日本技術士会さんとしましては、CPDガイドライン、これは29年4月版を制定し、取組を進めているけれども、この改正では限られた範囲にとどまっていると。そこで、CPD活動の充実・強化を担保することを目的としまして、その検討を進めていただきたいということを聞いてございます。
続きまして、この活動の明確化につきまして、「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」などがありますので、これらの項目に係る資質能力の維持・向上が根幹であることを改めて確認しまして、このCPD活動の目標に達する必要な項目があれば、その追加も検討していただきたいということになってございます。
CPD活動の証明、表示について、裏面の4番になりますけれども、技術士のCPD活動の実績を公に証明、表示するため、CPD活動の内容の確認方法や適切な証明方法について検討。これがやはり重要ではないかと思ってございます。
活動の履行者と未達者・不履行者の区別が明確になるようなシステムが必要になるのではないかということになってございます。
資料2としましてはこちらになります。
次、資料3番としましては、CPD活動の在り方ということで、技術士法の同じく47条の2の規定に基づきまして、「その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、その他その資質の向上を図る」ため、継続研さんに努める責務を有していると。こちらはガイドラインと同じでございます。
これの2番のところですけれども、技術士のCPD活動の目的としまして、検討の方向、そして、技術士の能力を維持するために行うものと、技術士としての活動の範囲の拡大や資質を高めるために、あるいは資質能力を更に向上させるために行うもの、この2つの視点が存在すると。これらの具体的な方法、内容などは様々にあると思われますので、こちらをいろいろと検討した上で進めていくべきであろうと。
次の3番になりますけれども、対象とするCPD活動の内容について。ここにつきまして、具体的にどういったものが必要になるのかというのを挙げさせていただいてございます。
あと、4番、対象とするCPD活動の方法についてということですけれども、これにつきましては、技術士会が作成しましたCPDガイドラインの記載の内容が参考になると思われますので、こちらで具体的にどういったものが必要になるのか。例えば専門組織ですとかマニュアル等の閲覧、学協会誌の講読、委員会や行事参加等の会員活動、また、能力開発プログラムの受講など、いろいろな形態を考えているというところでございます。
さらに、技術士の活動する地域によって、その活動に要する労力、コストなどに顕著な格差を生じさせないように、不公平のないように、全般の項目にわたって活動方法への配慮が必要であろうということになってございます。
最後に、CPD活動の確認・表示方法、これにつきましては、技術士制度の関係各所との調整を踏まえまして、できれば技術士会の方で主体的にやっていただければ有り難いと思ってございます。
以上で、簡単ではございますけれども、資料3までの説明となります。以上でございます。
【岸本主査】 御説明ありがとうございました。資料1から3までを御用意していただいたのですけれども、もう一度、皆さんと確認したいと思いますのは、資料1が制度検討特別委員会に関係する課題を整理したもので、本日は、右下の継続研さん・更新検討作業部会というところで皆さんに御議論いただいているところですけども、3つ、主要課題がありまして、更新要件や実施方法の検討、CPD制度の見直し、それと、総合技術監理ということ等々ございますが、その中で、本日は2つのところ、更新要件や実施方法の検討、CPD制度の見直しにつながるところについて、議論して固めたいというところであります。
それで、前半はそこにテーマを絞らせていただいて、2番目では、今後の技術士制度改革の方向性についてということで、総監のこと、今後の検討の方針案だとかいろいろございますので、その辺りのところを皆さんとフリーディスカッションをさせていただきたいと思います。
資料2ですけども、こちらは前回の22日に開催された特別委員会で検討したところでありまして、こういう方向性が出ている中で、では、具体にガイドラインというのをどういう形で作っていくかということになりまして、御検討もいただいたわけですけども、それで、本日はこの資料3、技術士のCPD活動の在り方についてという案を事務局の方で作成いただきましたので、この案について御議論をいただいて、この案について皆さんの御了解を、修正すべきところは修正して固めたいというところでございます。
主なポイントというのが、CPD活動、今までは自主的な活動とされてきたわけですけども、この公的な仕組みを作るということが一つ方向性としてございまして、公的な仕組みを作るための方向性についてというような形で資料3が用意されていますので、そのCPD活動そのものの中身については、またそういうのができたところで考えていただくということで、そういった公的な仕組み、その中で、資料3ですと、一番下のところに書いてありますけれども、事務の実施主体というのを決めて、そこが運営していくという枠組みを考えているところですので、そういったところの方向性について、皆様と、こういった資料3で具体に進められるかどうかということについて御議論いただければと思います。
ということで、これを皆さんに御覧になっていただいて、無理のない案になっているかどうかということを御指摘いただければと思います。
【奥野人材政策課長】 何点か補足させていただいてもよろしいでしょうか。
【岸本主査】 お願いいたします。
【奥野人材政策課長】 資料3について、若干事務的に補足いたします。まず資料3の活動の在り方についてですが、先ほど主査から御説明いただきましたとおり、まず今回、検討の方向性として、この枠組みに一定の公的な形で、このCPD活動を位置づけていく上での大きなフレームについて示している資料です。特に、まず2ポツ、CPD活動の目的については、これまでの御意見等を踏まえまして、一番下の欄が重要な観点かと思います。
CPDのうちで、資質能力の維持に係るものと、資質能力を拡大向上していくものがございます。拡大向上の部分につきましては、やはり個々の技術士の皆様の自主的取組、方向性等が多様でございます。従いまして、公的な枠組みの中で何らかの形で落とし込むといたしますと、一番下の行に書かれてございますとおり、能力を維持するために行うというところをまずマストな領域として、CPD活動が公的な中に盛り込まれていくのではないかということが1ページ目に記載されておるところです。
2ページ目の3ポツでございます。3ポツの第1段落、第2段落、ここは重要な箇所でございまして、このCPD活動の目指すところのコンピテンシーにつきましては、これまで技術士分科会で確定しております、求められている従前の方向性との整合性が担保されなければ公的なものに組み込まれることがありません。また、先ほどの課題にもありましたとおり、技術士制度の今後の国際通用性、そういった観点を図るという観点におきまして、技術士制度を所管しております文部科学省と行政庁といたしましては、この資質能力の水準が国際的な水準に適合していることを担保するというのが大きな制度の目的の中における国際通用性の前提になります。
従いまして、CPD活動も国際通用性の前提とする観点で、こちらに記載されておりますとおり、国際通用性の観点から、これまで技術士分科会等で積み上げてきた資質能力の水準との整合性というのが担保されないと、制度的に成立しがたくなっているというのが1段落目、さらに、2段落目は具体的な今後の考え方でございますが、CPD活動等は多様でございますので、具体の内容に関しては、この科学技術・学術審議会の立ち位置としては、その大きな方針を示した上で、その審議を経た上で、CPD活動の実績の確認、表示に係る事務の実施主体にその設定を委ね、CPDの活動の内容等が本科学技術・学術審議会の方向に合致していくかどうかを見る。これはCPD活動は特にIPD活動とは違いまして、個々の技術士の方々の自主性に委ねられているという制度趣旨に鑑みますれば、そういった形が必要なのではないかというのが2段落目に特に記載されてございます。
4、対象とするCPD活動の方法についての欄で御覧いただく点は、これは個々、自主的に行っているCPD活動に関して、何らかの公的な枠組みに組み込むに当たって、様々留意されなければならない観点というのがそれぞれの段落に記載されているものでございます。特に公的なコミットメントに関しては、地域間の格差ですとかアクセス、そういったものの偏在等がなかなか困難になるという点、さらに、これまで取り組まれていたCPD活動というのをより体系的、一般的な形で実質化していく取組が求められている点が4に書かれているポイントでございます。
5ポツ、活動の確認・表示につきましては、当該事務の実施主体というのを設定いたしまして、当該事務の実施主体が中心になって設定していくという方向が書かれてございます。また、これまでの議論において、これを今後どのような形で法令に落とし込んでいくのかという検討が必要になろうかと思います。ただ、この点につきましては、先般も御指摘いただきましたとおり、当該CPD活動の公的なフレーム等については、技術士法等によって委任事項がないという御指摘等がございました。したがって法律に基づく委任で行う公的なフレームではない。いわゆる技術士会等における事務の執行等の観点で行われているものを、国として、それをどのような形で、それをある種、認め、許容することができるか、そういった観点で、今後、省内において検討を進めていくことになろうかと思います。この点につきましては、今後、具体のCPD活動のやはり登録の実施主体の在り方等を見据えた上で、国の側がこれをどのような形で公的なものとして認め、制度の中に位置づけていくのか、検討してまいることになりますので、その具体の内容に関しては、こちらでは記載しておりません。
ただ、今後、活動が具体的になってくれば、このワーキンググループ若しくは審議会の側では、これがどのような形で公的に位置づけるのか。特に当省の法令制度担当審査部局等との調整を進めておりますので、そちらの内容を御報告することになろうかと思います。
以上です。
【岸本主査】 どうもありがとうございました。それでは、資料3につきまして、皆さん方から御意見いただきたいと思いますけども、まず、全体の枠組みとして、今のような御説明ですけども、その点について、御質問等ございますでしょうか。
寺井委員、どうぞ。
【寺井委員】 資料の説明と課長の補足説明ありがとうございました。まず2点ございまして、1つは資料3の1ページ目にあります、ここに公的な仕組みにおいてというフレーズが2か所出てきております。そもそもCPD活動の在り方についてというペーパーは、この後、審議の経過を経て、ガイドライン骨子なるものに変わっていくと思うんですけども、ガイドラインでございますから、法令の基準ではない、自主的に遵守することが推奨されるルールだという観点に立ちますと、ここで言う公的な仕組みに関する具体的な記述は大変困難なんだろうなと、それは認識しております。ただ、ずっと議論してまいりました公的な仕組みをどうするのかというイメージを、それができるような工夫というか、それはガイドライン以外でペーパーを作るのかもしれませんけども、そういう工夫を求めたいと思います。
資料3の2ページ目の3.対象とするCPD活動の内容についての2段落目、「具体の内容に関しては~」というくだりがございます。ここが技術士分科会で審議を経た上で~という記載や、実施主体の報告義務が記載されているといったところが辛うじて公的な仕組みに関することに触れている部分かなと思うんですけども、申し訳ありませんが、実施主体任せの感は拭えないのではないかなと思います。今後これがパブコメを経て、技術士分科会のアウトプットとして出されるというスケジュールと考えておりますので、その辺のところは考えていただきたいというのが1点。
それからもう1点は、資料3の2.対象とする技術士のCPD活動の目的についての部分です。課長も強調されましたが、活動の目的には2つあって、今回のガイドラインは、能力を維持するために行うものだというふうに限定しますというお話がございました。ただ、法47条の2項の責務規定ですね。技術士の資質向上の責務、ここの条文を読みますと、「その業務に関して有する知識及び技術の水準を向上させ」という言葉。「その他その資質の向上を図るよう努めなければならない」とされています。ここを根拠規定とするならば、(2)の「技術士としての活動の範囲の拡大や質を高めるために、資質・能力を更に向上させるために行うもの」をここで除外していいのかどうかというよう質問でございます。
以上です。
【岸本主査】 ありがとうございました。どうしましょうか。課長からお願いできますか。
【奥野人材政策課長】 いただいた点のまず最初からでございますと、(2)の考え方でございます。この点は、先ほど申しましたように、資質能力の向上に係る活動を対象から除くという趣旨ではなくて、この文言に書かれていますとおり、資質能力の維持というのが一定のコンピテンシー等で、ある程度ひとつ明確な基準等が見えていますので、そこを中心にCPD活動について書くというのが、CPD活動の水準の妥当性ですとかそういったものを図る際のポイントになるという趣旨でございます。
したがって、自主的に登録団体等がCPD活動の登録等を行うときに、能力の向上というのが組み込まれることを積極的に排除しているものではございません。ただ、その能力の向上というのを組み込むときのCPD活動として登録を求めるときの考え方、基準等が、このCPD活動の実質を担う団体において設定できるものであるならば、それは必ずしも排除されるものではないかと思います。
あと、対象とするCPD活動の内容についてでございます。こちらは正に委員御指摘のとおり、CPD活動につきましては、この責務が書かれ、かつ、これまでも基本的には各技術士の皆様の主体的取組というのをベースに法律は考えているという点があります。したがって、ある意味、トップダウンで、国の側から、この在り方よりも更に詳細な形で技術士分科会の中から、CPDは、かくあるべしというのを個別具体に、上からトップダウンで下ろすよりも、この実施団体の中において、恐らくCPD活動、技術士は活動領域も多様でございますし、また、分野ごとにも様々な状況等ございます。そういったものをボトムアップで上げていただいたのを確認するという形にいたしませんと、あまりに分科会の側から、CPDは、かくあるべしというのを詳細に書いた場合に、果たして機能するのかという観点がありますので、ここの考え方は、どちらかというとボトムアップ的な形で上げていただいたものの整合性というのを確認するという方向性で、今後このガイドラインを具体化していく方が円滑に検討が進むのではないかという趣旨で、御指摘いただきました3ポツのような形の記述を御提起させていただいたところです。
主査からもし補足があればお願いします。
【岸本主査】 私も同様に思っていますけども、あまり国の方が、細かいところまで決めるということになると、実際のCPD活動をやる方が制約になってしまうので、本当に必要最小限のところだけは決めて、それに対して公的な枠組みをきちんと設けていくと。いろいろなフレキシビリティのあるところについては、実施主体がやっていく方が望ましいのではないかと思いますので、あんまり書き込んでしまうと、先への進みが難しくなるのかなと思いますので、いかがでしょうか。
【寺井委員】 資料3の2ポツの(1)、(2)の話でございますけども、この最後に、「公的な仕組みにおいて」云々と、「この中の上記(1)に係るものを中心とする」ということなので、(2)をネグレクトしているわけではないと認識します。
ですから、47条の2項を根拠規定とするならば、今後、公的な仕組みを作る上での根拠規定とすることについて何ら不整合、違和感はないと考えてよろしいですか。はい。
それから、もう1点目は、細かいところまで規定してほしいと申し上げているわけではなくて、公的な仕組みなるもののイメージというか、それから、スケジュール感。この公的な仕組みがないことをもって、ずっと私ども非常に危惧してきた部分がありまして、これがこのガイドラインとして、骨子としてオープンになって、その後、どういうスケジュール感で公的な仕組みが構築されるのか。その仕組みはどんなイメージなのか。そういったものをある程度、制特委にはお出ししていただきたいなと思います。
【岸本主査】 今の御発言からすると、この案の中に盛り込むというよりは、例えばそういうものができたとすると、こういうふうなものになるのではないかというイメージ図なのか。できるだけ具体性が入ったような図があった方がコンセンサスも得られやすいだろうし、実際にこれを進めるときにも円滑に進むのではないかということで、そういった図を用意する必要ではないかと。ただ抽象的なことよりもということで。それは、私もそうかなと思いました。それをどういうふうな形で資料に入れ込むかは検討していければなと思いますけども。
例えば、資料4を用意していただいているんですけども、こちらのようなものを何らかの形に添付しておくということを寺井委員はおっしゃっているのかなと思うんですけど、いかがでしょうか。
【寺井委員】 資料4は後でまた、オブザーバーの新屋委員から御説明申し上げますけども、これはもし当会がここで言うところの実施主体になるのであれば、こんな感じで考えられますねという、当会内部のマターというか、タスクを落とし込んでいるものでございまして、このタスクそのものがどういう枠組みで公的に行われるのかというところを、もし明確にできるイメージ、スキーム図とか、そういうものがあれば有り難いということでございます。
【岸本主査】 分かりました。資料の詳しい内容については、後ほどということですけども、何らかの形で、この資料になるかどうかは別にして、こういった具体のイメージが分かるような形で案が出ていく方が望ましいのではないかという御発言かなと。例えば、案としてはこれで固めておいて、それについて、次に、その具体もくっつけた形で、この委員会として考えるという段取りでもよろしいでしょうか。
【寺井委員】 はい。
【岸本主査】 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。まず初めのところ、少しこの文章として残るので、最初の「はじめに」に書かれていることについてはいかがでしょうか。これは資料2を踏まえた形で書かれていますけれども。
【小林委員】 私も今、寺井委員から御意見が出たことに、同じように賛同するのですけど、やはり(1)と(2)というのは、一連のものの……。
【岸本主査】 すみません。今、「はじめに」のところを。
【小林委員】 「はじめに」の。失礼しました。申し訳ありません。
【岸本主査】 すぐに回しますので。最初の「はじめに」の段落のところについては、特に御議論がないと思いますけれども、公的な仕組みを何らかの形で作っていくべきだということで書かれていますので、それについては御異存がないということでよろしいでしょうか。
佐々木委員、お願いします。
【佐々木委員】 方向、CPDを促すという目的に対して公的機関でどうのというのは、方向は全く逆向きなんだと私は思います。そういう意味では、この資料2で言っているCPDを公に担保するための仕組みという考え方は、世界の常識とは逸脱していますよね。どうして今、技術士分科会で活用を議論しなければならないのか。それは2000年の法改正の時点で、議会は全会一致で可決しましたけれども、併せて附帯決議がされていますよね。その中で、技術士の活用については、行政がしっかりやってくださいよということも附帯決議されています。それから、今、20年ですよね。
抜本的に、いかに技術士を活用するかのところの議論なくして、どうもCPDは低調だから、それを公的に担保するための組織。どんどん狭いところで、お金を無駄に使うような感じのところに議論が行ってしまっている。根本的に間違っていると思います。ついては、どうしたらいいか。このまま話をさせてもらえるのであればしますけども、アイデア、今日持ってきて、先ほど皆さんに資料もお配りしましたので。
【岸本主査】 これまでの議論の流れから、ずっと制度検討の中で積み上げてきた議論で、ここのCPDについては、公的な枠組みでやろうということで、この委員会は、その前提で議論していこうということですので、そこのところは今日の観点と違いますので。
【佐々木委員】 そういうことを言っていると、改めるべきものも改められない。一度決めたらそれが全てトップダウンで行ってしまうという議論ですよね。それは根本的にやり方が違う。
【岸本主査】 いや、トップダウンではありませんので、ずっといろいろな方々と御相談しながら。
【佐々木委員】 民主的な議論の在り方とは違うと思いますけども。是非議事録にこのことはとどめておいてください。
【岸本主査】 はい。残しておいていただくように。はい。了解いたしました。この委員会はそういう立場で動いている委員会でないので、よろしくお願いします。
【佐々木委員】 だから、そう仕切ってしまうこと自身が駄目ですと言っているんですよ。
【岸本主査】 それは上位の委員会の問題です。
【佐々木委員】 だから、上位の委員会に是非、こういう意見があるということで話を上げる。諮る。
【岸本主査】 それは議事録として、そういう御意見があったというふうに承ります。
【佐々木委員】 これ以上、せっかく違う論点があるのに封印して、公的仕組み作りの話を進めるというのはおかしいですよ。
【岸本主査】 おかしいと言われても、ここの委員会はそういう形で立ち上がっているので、その作業をきちんとするということで行きたいと思います。
【佐々木委員】 では、少し、どうしておかしいと言えるか。逆に、どうしてそれがいいと言えるかも私はよく分からないんですけど、いかにおかしいかということを先ほど……。
【岸本主査】 ここではその議論でないので、ここで、そのお話は、ここではやめて、その他のところでもしあれば、また戻りたいと思いますので、この資料としては作るということについて、皆さん、ほとんどの方が同意されていると思いますけど、御意見いかがでしょうか。はい、どうぞ。
【比屋根委員】 今の質問に関連してなんですけど、CPD登録名簿を作成、公開することによって技術士が活用されるという、ある意味、仮説の下にここは動いているということですね。要するに、私も実はCPD登録そのものを公開するとか制度化することにはあんまり意味はないなと思っていまして、それよりもそれを更新制度と結びつけて、CPDを受けた人を認定すれば、それで済むのではないかという考えを持ったんですよね。
それは別として、CPD登録名簿を公表した方が活用されるだろうという仮説を持たれているという理解でよろしいでしょうか。
【岸本主査】 技術士の人たちが、きちんと形で自己研さんをされている方々を公的に公表することによって、技術士の方々の活動をしっかり担保しようと、そういう動きであります。それによって使われるかどうかについては、やはり技術士を持たれている方々がきちんと活動していくというのは前提になると考えていますが、その公的な仕組みとしては、そういうところをきちんと担保した形をするのが望ましいという形で、ずっと議論してきて、今に至っているというところであります。
それで、更新制については、いろいろな法律的なことがありますので、もう少し時間がかかるということではあるとなっていますので、その前にできるところから進めましょうということで、まず1段階としてこういう形を取ってはどうかということを考えているところであります。
【比屋根委員】 では、これが、更新制度が出来上がった後はまた、出来上がるときにはまた関連付けというか、もう一度やり直すというか、そういうところも考えながら。
【岸本主査】 もっと発展させていくということで、そういうところまでしていると、実際の活動がしにくくなるということで、そういう意味で、これは第1段階としてこういうところを考えてきたというふうに、皆さん御了解いただいているのではないかなと思います。
【比屋根委員】 分かりました。ありがとうございます。
【奥野人材政策課長】 ただいまいただいた御指摘は、前回も議論の際に委員から御指摘がありましたし、今後、制度化していくところの大きなポイントかと思います。つまり、法律の規定によらずに、こういった団体の中において行われているプロセスが、委員御指摘のとおり、公的にそれが位置づけられることによって、技術士の方々のこのCPD活動が活発になる。これは技術士会さん等からいただいておりますフレーム等で、当該作業仮説が提起されているという前提で記載されているものでございます。
したがって、これは今後、省令等に書く中でも、省内でも議論になりまして、御指摘のとおり、このフレームができたことがCPDの実施団体における登録が改善されて、CPD活動が活性化する。その仮説に見合うような枠組みですとか、実施団体がその見通しというのを持っているかどうかというのが、最後、恐らく省令等に記載されるところでございますので、それは今後、恐らく実施団体等がそういった案を出してきて、それを省令等に省令告示若しくは分科会等で落とし込む段になると思います。
委員御指摘のように、もしそういったものが効果がないとすると、今、更新制という御提案がありましたが、技術士に積極的にCPDを受けるという義務を法律で課さなければ効果が出ないとなるならば、それはむしろ、この次に本格的な抜本改正を行う検討をしております技術士法の改正の中において措置するという課題になり得ると思いますが、技術士会等においては、やはりこの問題に早急に取り組めるものからは取り組んでいきたいという観点での、これまでの御議論と考えておりますので、現行の、正に法令において義務づけたり、委任命令を落とさない範囲で、できる中で公的な枠組みを作って、そこで実効的な成果を出していただくというアプローチであります。
そうではないとするならば、先ほど主査御指摘のとおり、技術士に、もう受けなさいということを義務づける、その一つの形が更新制のような形かと思います。ただ、新たに技術士の方にそういった義務としてCPD活動に参加させるというのは、いわゆる法律の規制強度としては、相当強度の強い規制を行うことになりますので、今般の議論より、より詳細にこのしっかりとした成果が出る必要性、また、技術士のコミュニティーの中で、こういったCPD活動を義務化することに関する大きなコンセンサスというのがやはり必要になってまいるかと思います。
したがって、このプロセスがうまくいかなくて、もし強制によらなきゃならない、若しくはこの公的な枠組みが技術士の現場において義務づけ、強制と誤認させてしまうような事態が起こり得るとするならば、正面から、本当に技術士に対するCPDの義務づけを法律で規定することが必要なのかどうかという、次のフェーズの議論をする必要があろうかとは思いますが、現時点においては、まずは早急に現行で取り組めるところで、技術士会の御提案いただいた内容で尽くしてみて、そういった強度でもってCPD活動が活発になるならば、本来、規制というのは最小限に抑制して作るものでございますので、それで行政目的が達成できるならば達成する、そういった形で、今、これまでの議論が整理されてきたものと承知しております。
【岸本主査】 ありがとうございます。
【佐々木委員】 今、世界中でコロナがはやっていますよね。それがために旅客会社だとか飲食店だとか、ホテルは非常に困っている。そういったところで、それぞれに3密を避けるような対策を講じている。それが技術士が一生懸命CPDをやって、能力を高めていることと対応するんだと思うんですよ。
でも、これだけではうまくいかないから、国は、Go Toキャンペーンをやって、需要を喚起するわけですね。それと同じように、技術士の活用ということで、その枠組みを作れば、あっ、その仕事をやりたいと、今、既に技術士の人も思うでしょうし、これから、その仕事をやりたいが故に技術士になりたい。仕事を得る上での競争、そのためにはCPDをやらなきゃならない。そういういい循環が回るのであって、だから、いかに需要を高めるか、技術士というものに対する需要を高めるかというところが制度改正上の根本だと。ルール、ルールで細かく縛っていっても、仕事がないのであれば、誰もそこに投資する人はおのずといませんよ。どうしてそういうことを皆さん、考えませんか。
是非需要を喚起する手を考えることこそ大事なんだと思います。ですので、CPD制度については、その観点から言うと、本人の選択に任せればよくて、ゆるゆるで構わないんですよ。何で逆に縛って、縛ってとやるのか。根本的に間違っていると思います。
【岸本主査】 では、寺井委員からお願いします。
【寺井委員】 課長さんから、技術士のコミュニティーという発言がございましたけども、正に技術士会は、技術士のコミュニティーとして、当時、更新制度と呼んでいましたけども、その導入を決意したということは確認しておきたいと思います。
もう一つは、法的には、資質向上の責務が、努力規定ではありますけども、検証できていないという事実を継続させていいのかという視点もこの検討の当初からあったということでございます。
さらには、末節ですけども、技術資格登録者の実態把握ができていない。死亡、廃業の届出、これは義務になっているんですけど、その不履行者が少なからずいらっしゃるというようなことで、しっかりとCPDを確認することにより、実際に技術士を業としてやられている方々の実数を把握するという意味もあるということです。
それから、技術士会の5割、6割を占める公共調達において関わる技術士の方々。これは品確法の関連で、更新制度のある民間資格の活用が進んできたということに対して、その方々が大変強い危機感を持っておられます。国際通用性も大きな課題でございますが、国内民間資格等の同等性もこのままでは危ぶまれるという外形的な問題もある。公共調達というマーケットがいつまでも技術士資格の優位性を維持していただける保証はないと考えております。
こういった背景を基に、この技術士のCPD登録。これは登録内容についても議論が必要だと思うんですね。単に時間だけ登録すればいいのかという問題もありますけども、これを公的に証明、確認して、公開するという枠組みを早期に実現していただきたいというのが、この議論の出発点だったと確認しております。
【岸本主査】 ありがとうございます。
それでは、1のところは、今のような議論になりましたけども、活用促進、普及拡大については、制度検討特別委員会、上の上位の委員会でもいたしますので、そういうところでも継続したいと思います。
それでは、「はじめに」のところについてはこの辺にいたしまして、次に、対象とする技術士のCPD活動の内容についてということで、先ほど小林委員の方からございましたので。
【小林委員】 申し訳ございませんでした。私も1と2の区分。まずは1から取り組むということには賛成でございます。そういう中において、ガイドラインの中で、特に課長の御説明のとおり、1を優先的にということは理解できますが、1と2というのは、根本的にはCPDを取得するという意味で、一貫性のある中での段階的なステップという位置づけではないかなという気がしております。従いまして、ここの「上記(1)に係るものを中心」という、ここの表現を1も2も含めた中で、1について位置づけるような形にしていただければいいのではないかなという気がいたします。
それと、先ほどの法制度のお話、検討中というお話ございましたけれども、できれば今後のスケジュール感を示していただけると、先ほどのお話ではないですけれども、具体的なイメージ、それに従って、今後どういうガイドラインの検討も進んでいくかということが分かりやすいのではないかなという気がいたしましたものですから、改めてお願いしたいと思います。
以上です。
【岸本主査】 ありがとうございます。
【下保委員】 今の部分の1と2のところですが、1があって、2というのはすごい幅があって、上を目指せば、もっと上があるでしょうし、それを公的な制約で担保し始めると、何なんだと。A級、B級、C級の技術士がいるのかみたいな議論になると思うんですよね。1はアップデートする。当然、法律も変わったり、いろいろ世の中の状況が変わっていて、それが10年前の技術試験を通ったからといって、同じ、勉強しないでそのままだったら、10年前のレベルだとなったら、その時点で、10年後の人は、その技術士を活用しようとしたときに不安になるわけですから、そこの部分が少なくとも技術士を取ったレベルをきちっとアップデートして、今でも、今の技術士資格でも大体同等でやられていますよというのを担保するという意味では、1をきちっと定義づけて、それは多分法律だったり、いろいろな制度が変わっていったものをきちっとアップデートしているかというCPDの内容、そういったものを国なのかどうか、実施主体なのか分かりませんが、担保しておいて、それをやっている講義だったり、いろいろなものを認知する。それを公にしておくということが、国あるいは実施期間というところが決められた場合の最低限のやるべきことだと思います。
2の方は、ある意味、バリエーションが非常に多くなり過ぎているから、それを全部国がこういうレベルだと言って担保していても意味がないのではないか。それは持っていますよというのは正しいんだけど、CPDの内訳としてはちょっと変わるのではないかなと思いました。
【岸本主査】 ありがとうございます。今のお2人の御発言をお聞きして、また、この文章を読み直してみると、例えばCPD活動で、2のことをやったにもかかわらず、逆に認められなくなってしまうというふうになるのがまずいのではないかということなので、その辺の工夫が必要かなと。
当然、2も認められるんだけども、1だけでも十分ですよというニュアンスをどうやって出すかということかなと。排除の方向に行かないように、2をやったから認められないとなってしまうとまずいなと。そこのことを皆さん言われているのかなということかなと思いますので、1だけでも十分なんだけど、2をやれば、それはそれなりに認めますというふうにする文章に変えるということでよろしいでしょうか。文案については御相談させていただきますけれども。
ほかはいかがでしょうか。
【比屋根委員】 今のに関連というのか、同じだとは思うんですけど、1のみを目的として、CPDをやる技術士は実際にはいないように思います。維持するためだけにと、そんなことをやっていられるかという感じだと思います。どちらかと言うと、時代の要請だとか技術の変化だとかについていくということとか、要は、実際の業務で必要だからそれを学んでいくということですよね。それは自然に2をやっていることでもあるので、あまり区別ができないなというのが当事者としての感覚です。そういうのをうまく盛り込んでいただきたいなと。
【岸本主査】 あとは、いわゆる名簿を更新するときに、最低限必要なところはどこなのかを決めておかないと、先ほどのお話のように、どんどん広がってしまうと、また実態として難しくなってしまいます。ここでは最低限はどこまでなのかというのを押さえておきたいということで、1のところは強調しておこうということになっています。
当然、2のところができれば、それはそれで望ましいことですけども、そのためのCPD活動を本当にみんながちゃんと用意できるのかどうかということもあるかと思いますので、その辺を含めて、スタート時点ではこういうところから始めるのが妥当かなということで、事務局案になっていると御理解いただければと思います。
【小野委員】 今の御意見に少し似ているんですけども、ふだん、私は若い学生たちと接していますもので、時代の変化もあると感じています。今は機械や電気、建築を学んでいますけども、どんどん将来仕事の中で求められる技術分野は変わっていく可能性がありますよね。融合分野も出てきますし、また日本は圧倒的に情報技術者が足りないとも言われています。現在、機械、電気、建築を学んでいても、将来は情報技術者になっているかもしれない。
ですから、ライフシフトやワークシフトの話もありますけれども、この1でメインとすることは私も賛同するのですけども、機械の技術士、電気の技術士のためだけではなくて、もう少し開かれた形で、別の分野の人もどんどん新しいことが学べる、学びにくるということもあり得ると思います。そんな最先端の発展的な内容でなくても、他分野から移ってきても、十分そこでアップデートできる、現在の知識が得られるというようなものもどこかにあるとよいかと思いました。古いイメージの内容ではなくて、もう少しその時代の技術の変遷に応じた最低限の基礎的な内容のような、つまり、これを学んでおけば取りあえず次の新しい仕事になっても役に立つんだよというような内容もあれば、若い人にもアピールするのではないかなと思いました。
書き方は難しいと思いますけど、意見です。
【岸本主査】 ありがとうございます。
林委員。
【林委員】 ありがとうございます。私もこの最後の行の「(1)に係るものを中心とする」という表現からして、このままでいいのかなと思っていたんですけれども、今の話を伺っていると、対象をミニマムの、今後の規制的な基準となるものをあまり高いものを求めるのでなく、最低限を枠組みしましょうという趣旨で決めたいだけで書いているとしたら、この2行はなくてもよいのではないか。目的については、この次のページの、これはこういうことを維持することを目的に行うものであるということが書いてあれば、(1)、(2)に分けて、わざわざ(1)を中心とすると言わなくても、趣旨はほかのところで反映できるのではないかなと思います。逆に、(1)と(2)に分けて、(1)を中心とするというと、(2)を排除しないということを書いたとしても、わざわざ言う必要があるのかなというところにもなるかなと思います。
【岸本主査】 そうですね。3のところにそういうことが触れられているので、ここに入れることによって議論が出てくると。文案を考えるよりは、削除する方がすっきりするのであれば、その方が。御指摘ありがとうございました。
佐々木委員、手が挙がりましたけれども。
【佐々木委員】 2ポツと3ポツの関係といいますか、2ポツよりも3ポツのコンピテンシー。技術士には今、7つのコンピテンシー、7項目と言っていますけど。
【岸本主査】 今、3の御指摘でしたら、2のところを先に片付けたいので、2のところでの御発言でお願いしたいと思いますが。どうぞ。
【岩熊主査代理】 1と2と分けて、定義づけするようなことは、必要がないのではないかと思いました。私もCPDをずっとやっている中で、これは維持するのだとか、これは向上させるのだという定義づけはなくて、CPDをやっている中に、自然と資質能力の向上と維持というのが入ってくるので、1、2と分ける必要はないのではないかというのは実感として感じています。是非検討いただければと思います。
【岸本主査】 比屋根委員、どうぞ。
【比屋根委員】 思うに、これはイメージなんですけども、1というのは、制度的な何か定期的な教育として整備すべきものというイメージがあって、そこは最低限、その教育を受ければ何とか担保できますよというものを整備する、そういうイメージなのかなと。
2の方は、各自がそれぞれやりなさいよという、そういう実施主体が違うイメージが描かれているのであれば、これそのものは意味があるんですね。それをどういうふうにこちらが定義して、ある意味、枠組みを作るかという話なので、消していい話なのかというのは審議した方がいいのではないかと思います。
【岸本主査】 恐らく理想的なCPDをどうするかということと、いわゆる名簿を確認していく意味で、どこまでやればいいかというものの、このラインを作っていかなきゃいけないということだろうと思います。そうはいっても、あまりここを書き過ぎてしまうと、そういったところが制約されるので、こういう分類があって考えていかなきゃいけないということにして、具体にするところで、そういったところを振り返るということがいいのかなというのが今の皆さんがおっしゃったところかなと思います。
【佐々木委員】 よろしいでしょうか。
【岸本主査】 はい。
【佐々木委員】 2ポツそのものが3ポツとの関係で言うと、何でこの2ポツがあるかなという感じがして、3ポツで、技術士の7つのコンピテンシーと言っているわけですから、それを維持・向上する。そのことに尽きるのではないですか。いかがでしょうか。
【岸本主査】 いかがでしょうか。奥野課長。
【奥野人材政策課長】 どうぞ。
【岸本主査】 多分同じことを言おうかと思っていたので。今、考えているのは、名簿を更新していくということの中で、どこまでをするかということで考えていますので、そこについては、ある種の枠組みを定めておいた方がいいということで、対象とするという意味は、そういったところを考えているところです。
【奥野人材政策課長】 2と3の違いにつきましては、先ほど御指摘があった中で、行政的な観点からといたしますと、正に各委員が言っている2つの要素の整理で、2が立っているものとして書いてございます。つまり、技術士会が当初提起したような、いわゆる技術士の能力の品質保証的観点、つまり、他の民間資格等と比べて、やはり一定の品質保証というのを行っていくという観点が必要であるならば、(1)のような形で、最低限の制度ですとか、その時点で要求される技術水準というのを何らかの形で担保する。そこがもし技術士会さんから御提案いただいたペースであるならば、その品質保証的要素というのがやはりここに盛り込まれないと、当初提案された趣旨というのが入らないのではないかという、大きなCPD活動の枠組みの方向性として品質保証がベースになりますと。その書き方が(1)を中心にするというところに来ています。それは法令の更新であったり、技術の進歩に際して、その当該技術士というのが技術士として必要な能力が維持されているというのを保証するという観点です。
ただ、ここで書かれているのは、そこは今回作っていく際には基本としてあるのだろうと。ただ、そこにプラスアルファで、もし更なる能力の向上という要素も団体の側が組み込んでいきたいというならば、それは排除するものではありませんが、正に主査がおっしゃるように、そうだとすると、恐らくCPDのイメージというのは少し変わってくると思います。
マストがあって、マストの数値を満たしていることをもし技術士会さんなどが何らかの形で示したいんだというならば、(1)的な要素が基盤となっていますし、そうではなくて、その人が努力した記録が残るのだとなると、我々は、それをどういった形で表にされるのかというのはなかなか想像はつきませんが、ただ、御提案いただいて、そういった形も含めた主体的なCPD活動の登録表示というのが御提案いただけるのであるならば、それも否定いたしません。行政的にはまず品質保証的な観点が必要だという御提案をいただいていましたので、2で書いてあるのは、そういう意味で、最後の1行、基本的に備えるべき資質能力を維持する、これを担保するために何らかの形で公的なことを考えましょうというのがやはり土台であったのではないかという趣旨で書かれております。
3ポツは、では、その基本的な資質能力を維持するために、整合、準拠しなければならない具体の方策として、準拠すべき考え方、又は作っていくときの趣旨というのが3ポツで書かれているという整理でございます。
【岸本主査】 ありがとうございます。
石田さん、どうぞ。
【石田事務官】 石田です。失礼いたします。今回、公的な仕組みを作るということが話として上がっていて、このことが技術士の資格を活用するという話になったときに、例えば技術士さんに仕事を頼みたいと考えている人がいたとして、その技術士という資格を持っている人の中でも、特に今でも常に、社会環境に即した技術を学んでいる人なのか、それとも、そうではない人なのかということを明確に分かるようにした方が、技術士さんに仕事を頼もうとしている人たちにとってよいのではないかということをまず考えて、公的な仕組みを作ろうという話になっています。
今回、この技術士さんが行うCPD活動というもので1、2と分けていますが、これというのは、1と2を明確に分けるというよりも、CPD活動としてどういったものがあるのかという、その性質の説明としてあって、1、2、両方の意味合いを含んだCPD活動はもちろんあると思っています。したがって、CPD活動が資質能力の維持のために行っているような性質のものと、更に資質能力を向上させるための性質を持っているものがまずあるということを今回まず話しておりまして、その中でも、技術士さんには、資質能力の維持・向上ということを法律として求めていて、まずもって、技術士さんが現状の社会環境、今、求められている技術能力を持っていることがまずもって必要ということで、この資料の(1)で中心と書いているところです。
もちろんこれはお話であったとおり、2を排除するということではなくて、まず技術士さんとして、今の社会状況に合った能力を持っていることが求められるということはまず前提としてあって、その中で、更に技術をより向上させようとしている人がいれば、その人を名簿などで公表することによって、この人は、技術士として、まずベースとして持っておかなきゃいけない能力を維持していて、更にその能力を高めている人なんだということが公に分かれば、仕事を頼もうとしている人としても、優秀な技術士の人に頼むことができますし、技術士さんとしても、自分が日々自己研さんをしているということを分かってもらった上で、事業者さんに仕事を依頼されるということになると考えています。例えば継続研さんを行っていない技術士さんも仮にいたとして、継続研さんをやっているか、やっていないかを技術士の中でも明確に区別することによって、日々、継続研さんを行っている技術士さんにとってもインセンティブになるのではないかということを考えておるところです。
【岸本主査】 ありがとうございます。CPD活動を公的に示す意義についてということでお話いただきましたけど。まだ議論はあると思いますけど、2についての最後のところ、取るという話と、もう一つは、例えば、最後のところ、この中の上記1を基本とし、2を加味した形を考えるという、そういうような文章でもよろしいでしょうか。
どちらが基本になっているかというのを書いて、そのうちプラスアルファは2で、どちらも認めていくみたいなニュアンスを出しておいた方が公的に考えたときにはいいのではないかということで修文させていただきたいと思います。
それでは、3ですけども、今度は対象とするCPD活動の内容についてということで、具体にどういうふうなものを考えていったらいいかということで、実際には、先ほどお話ありましたけれども、実施主体のところでも考えていくということがありますので、あまり大きな制約にならず、なおかつ、方向性については示しておいた方がいいということで、技術士に求められる資質、コンピテンシーの維持・向上が基本となるということで、ここの文章はできていますけども、いかがでしょうか。
【佐々木委員】 技術士に求めるコンピテンシー、7項目になっていますけども、これはIEAのPCP、Professional Competencies Profilesをベースに、7項目プラスアルファ、前文ですか。前文がCPDを取り入れていますけども、それと、別の7項目と13項目をまとめているということですよね。
前回提案しましたように、2011年の東日本大震災に伴う福島原発事故、あの教訓は何であったか。要するに、科学技術の不確実性に対する認識、対処が欠けていた。違う言葉で言えば、問題発見力がなかったが故に、事故にならざるを得なかったと。女川原発はあの津波の中でも原発事故は起こらなかったわけですね。十分高いところに万全を配して建設したということがあって。つまりは、科学技術の不確実性ということをどれだけ意識できるか。それを意識して、具体のアクションで物を決める、動かす、そういう能力が日本として大事な教訓として得たわけですよ。
ですので、前回提案しましたように、IEAに13項目を再整理するか、14項目めとして、今言った問題発見力を加えるか。それは大いに議論していただきたいんですが、少なくとも日本は、我々は当事者だったんだから、日本の技術士に求めるコンピテンシーとしては、是非7項目にとどまらず、問題発見力という、新しく項目を入れていただきたいと思います。
【岸本主査】 それは御指摘としてですけれども、それについてはもう少し幅広い議論が必要だということで、今日はコメントとして受け取りますが、ここではそういうところも踏まえて、現状ではこういう形になっていると理解したいと思います。
【高木委員】 ありがとうございます。高木です。ここに書かれております国際的通用性の観点から、評価に耐え得る内容とする必要があるというところですが、第10期の審議会では、国際通用性が一つの大きな論点であると思います。今、大分議論が深まってきましたので、この評価に耐え得る水準がどのくらいのものなのかについて、ある程度具体的にしておいた方がよい時期に来ているのではないかと思います。
例えば、先ほども議論があったと思いますが、現行法の中の奨励的な活動、努力規定を実施した場合、国際的な通用性から見たときに、これがどのくらいか。1かゼロというのではなく、どのぐらいのレベルになるのか。それから、将来の検討になりますが、法律改正も含めて義務化したときは、国際的な通用性、国際的なレベルから見てどうなるのか。この辺は明確にしておいた方が今後の議論が進みやすいと思います。
以上です。
【岸本主査】 ありがとうございます。
【佐々木委員】 今のことに関連して。国際的な同等性の観点から、能力のレベルはどの程度かを示すという話ですが、それで、PEに仕事を独占させていますよね。日本以外の国においては。エンジニアリングに関しては、その決裁権限はPEにあるというのが法的な位置づけですね。それ以外のものがPEであると名乗っても法律違反ですし、ましてや、業務をやることも禁じられているわけです。
日本においても、技術士の仕事は、そういう責任のある立場を担うのが仕事だということにすれば、おのずと能力のレベルは見えてくる。あえてCPDの実績を細々と公が認める、認めない。そんなことは全然必要なくて、仕事において、エンジニアリングの業務において、責任を持って処理する。その立場が技術士ですよということにすることによって、能力のレベルはおのずと世界同等になる。世界に対しても十分な説明を果たせるということだと思います。
【岸本主査】 ありがとうございます。それぞれの国の仕組みの中での、必ずしもPEだけではなくて、チャータード・エンジニアだとかそれぞれと、国がそれぞれのやり方で同じレベルにあるというのは、お互いに相互的にレコグナイズするという言い方をしていますけども、そういうことになっていて、高木委員のコメントからしますと、今、技術士になるところでどういうふうな水準なのかということを考えていかなきゃいけないことと、もう一つは、IEA国際エンジニアだとかAPECエンジニアになるときに、お互いにお互いのレベルを見合っていますので、そこでの同等性というところで今、考えていると。
そのときに、このプロフェッショナルコンピテンシーが非常に大事になっていくということと、一旦そこで認められたエンジニアの人たちがやはりずっと活動していくところでは、そこのところを基本に考えようというのがここでの枠組みになっているという理解で、国際通用性ということを担保しようとしています。
【佐々木委員】 よろしいでしょうか。技術士になる入り口の能力と今言われていましたけども。
【岸本主査】 なったときのですね。
【佐々木委員】 IEAの認識は決してそうではなくて、指導してもらえる技術士について最初はスタートするんだけども、その後は技術士に代わって、同等の役割を担える、そのことが試験という形を取るわけですけども、証明されて技術士、PEになるというわけですから、入り口というよりも、既に技術士としての能力を十分持っているという。
【岸本主査】 そのつもりで申し上げました。
【佐々木委員】 ああ、そうですか。
【岸本主査】 はい。要するに技術資格を取る段階で、お互いの国がそのプロフェッショナルエンジニアになるというのはどういう水準だということをお互いに理解した上で、日本の技術士の試験も行われるようになってきているという、そういう御説明をしたところです。
【佐々木委員】 ですから、その裏づけとしては、同等の仕事をやっているということが能力の証明になるわけですね。それが日本ではできない、やらせていない。
【岸本主査】 いや、同等の仕事をやっているというよりは、同等の仕事ができることを保証しているだけであって……。
【佐々木委員】 いえいえ、違います。
【岸本主査】 やらせることではないというふうに。
【佐々木委員】 実際に同等の仕事をやったことを、やっていることを評価して、PEになるというのが。
【岸本主査】 ちょっと違うと。
【佐々木委員】 IEAの3段階の位置づけがあるじゃないですか。あの真ん中はそういうことを書いていますよ。2番目の段階。
【岸本主査】 同等の仕事ができると書いてあります。だから、やっているんじゃなくて、できると。
【佐々木委員】 いや、できるのは、実際やって、実証したという裏づけで合格するんですよ。そこを。
【岸本主査】 そこの議論はここでは別だと思いますけども、私はそうではなくて、皆さん、技術士を取られるところの経験というのはありますけれども、取った段階でできるということです。1人でできるようになると。それまではちゃんと指導者の下で仕事をしているわけですよね。
【佐々木委員】 実質は同じレベルにあるから、PEになれるということですね。同じことを言っているんですかね。
【岸本主査】 はい。このCPD活動の内容について、また御発言あればお願いします。
【高木委員】 高木です。今、この場はCPDの議論なので、その議論の中での国際通用性はどういうことなのかということを確認したかったという趣旨です。この文章については異存がありませんが、内容については今後もう少し議論が必要だと思いました。ありがとうございました。
【岸本主査】 ありがとうございます。実際にCPD活動をこれから具体化し、今度は評価していくことになったときに、その議論に正に戻ってこないといけないと思いますので、そこのところについては枠組みを作っていく段階で、作っていくというか、立ち上げる段階で議論していく必要があると思います。ありがとうございます。
3のところ、ほかにはよろしいでしょうか。
【小林委員】 小林です。1点確認させていただきたい点。毎年、分科会へ実施報告書を提出とございますけども、これはどのようなことを報告するのか、イメージできなかったので教えていただきたいのですが。
【岸本主査】 ありがとうございます。私の方からで。
【奥野人材政策課長】 どうぞ。
【岸本主査】 実施報告というのは、実際にどのくらいの方々がCPDをきちんと報告されているとか、毎年どういうふうな仕組みで活動されるかということは報告していただきながら、必要あれば制度を改善していくということで、そういった意味で書いていますので。
【岩熊主査代理】 やっと分かりました。すみません。理解できなかったので。
【岸本主査】 はい。そういうようなイメージですよね。そこがイメージとしてきちんとできないようであれば、文章をもう少し細かく書くということを考えています。
【岩熊主査代理】 お願いします。
【小林委員】 もうちょっと具体的にイメージができると有り難いなと思っています。
【岸本主査】 これはあまり直接的ではない説明があるかもしれませんけれども、技術士の試験そのものについても技術士会が実施主体としてされているわけですけども、毎年、受験生がどのぐらいいられて、今回どういう問題がどういうレベルだとか、課題があればみんなで考えましょうとしてきていますので、それに類似のことを、やはりこの制度についても同様に進めるのかなということで書いています。
それでは、3のところは、もし書き足りないようであれば、そこのところはもう少し分かるようにしていきたいと思います。
【岩熊主査代理】 そうですね。お願いします。
【岸本主査】 それでは、4番目ですけれども、対象とするCPD活用の方法についてということで、技術士のガイドライン等々を参考にしながら、ある程度どんなものかということのイメージは書いておいた方がいいということで書かれていますけども、もう少しこういうところも書いておいた方がいいのではないかということがありますけども、望ましいと書いてありますので、全部書く必要もないかなとは思っていますけども、いかがでしょうか。寺井委員。
【寺井委員】 技術士CPDガイドラインを引用していただいております。そのガイドラインの実施形態を見ますと6項目に分かれていて、ここにあるように、講習会とか論文の発表とか、6項目あるわけなんですが、昨年、土木学会が、継続研修を継続学習に変えられまして、研修の方法もインプット型とアウトプット型がありますよと。インプット型は講義を聴くとか、そういうインプット。アウトプットは自分が研さんしたことを社会に出して、それに対して、いろいろな批評や物を受けた上で新たな気づきを生んで、好循環を回すというようなことが言われております。大変参考になるなと思いまして、やはり実施形態の仕分もそういうインプットとアウトプットというような観点での仕分もあっていいのかなと。これは当会の技術士CPDガイドラインそのものを今後改定していくに当たっては、そういったことも考慮していきたいなと思っております。
【岸本主査】 文章としては書き加えることはなくてよろしいでしょうか。
【寺井委員】 はい。
【岸本主査】 こういう形で入っているということでいいということで理解すればよろしいでしょうか。はい。ありがとうございます。
高木委員。
【高木委員】 高木です。3ページ目の中程に、「(コンピテンシー)の7項目の全般にわたって活動方法への配慮が必要である」という文章がります。技術士会が、このページの一番上、実施形態についていろいろ分類されておられます実施形態という視点ではこれでよいと思いますが、別の視点として、内容、コンテンツについて、このコンピテンシーの7項目の全般にわたって、配慮する必要があるのではないかと思います。
昨年12月の前回のこの委員会で申し上げましたが、去年、オーストラリア、メルボルンで世界工学会議が開催され、オーストラリアエンジニアリング協会と少コミュニケーションさせていただきました。オーストラリアエンジニアリング協会は、CPエンジニアの資格を運営しています。御存じのとおり、3年間で150時間というCPDの基準を設定していますが、問題はそのコンテンツです。オーストラリアエンジニアリング協会では、150時間の内、例えば、少なくとも50時間以上は専門領域、少なくとも10時間はリスクマネジメント、少なくとも15時間はビジネス的なマネジメントについてのCPDを受けてくださいというようにコンテンツについてのガイドも持っています。このようなコンテンツについての視点も考慮した方がいいのではないかと思います。
【岸本主査】 ありがとうございます。文章的にはこれでよろしいでしょうか。
【高木委員】 文章はこのとおりでいいですが、今後の議論のときに考慮いただきたいという趣旨です。
【岸本主査】 ありがとうございます。
比屋根委員、どうぞ。
【比屋根委員】 実施形態でもう一つ加えていただきたいことがございます。というのは、実際に業務に当たるときに、業務の中で発展させることと言うんですかね。必要なことを学ぶことというのが、実は一番多く学んでいるし、実践して、リスクマネジメントも新しい局面にとか、そういう実践をするわけですね。それで、その経験がやっぱり成長させてくれるんですけども、それが加えられていない。だから、ここに書かれているのは全部受講する側からなんですよね。実際の業務中に行った学びであるとか、研さんについての報告のようなこと。そういう手段もつけ加えていただかないと実態に合わない気がします。
【岸本主査】 はい。そういう意味ですと、「発表などにとどめず」の下に、「個人研さん」というところがそれに該当するかと思うんですけども、会員活動と、あとは所属内での活動ということで、この「個人研さん」の中に、今のこういう専門誌を読むとか、マニュアルを読むと書いてあるんですけども、そこの「個人研さん」の中で業務を通じて学んだことが入るということで理解すればよろしいでしょうか。3ページの上から2行目です。
個人として業務をされている中で学んだことという意味で、具体的にはこういうふうに書いてしまっているんですけども。
【比屋根委員】 これだと実践的に学んでいる雰囲気が全然ないんですよね。自分でやってみて、ああ、こうだったんだ、これでできるという感覚で学んでいる、自分の力を伸ばしているというものがイメージされない言葉が並んでいる。
【岸本主査】 閲覧や業務を通じて学ぶということでもいいですか。
【林委員】 4行目の「職務への従事」は関係ないんですか。
【岸本主査】 「職務への従事」もありますね。
【比屋根委員】 職務に従事して、職務の中で学んで得たものというのがすごく大事なはずなんですけど、それが抜け落ちているというのが。言葉が、どこにもイメージさせるものがないんですね。
【岸本主査】 それは「職務への従事」というのがそれの形だという、今、御指摘なんですけども。
【比屋根委員】 それに対する何か、「職務への従事」、最後のポツの「資質能力の向上に直結する職務への従事などの所属組織内活動」と書いてあります。「所属組織内活動」を逆に取っていただきたい。これは必要ないですよね。
【岸本主査】 もう一つは、これを分けているのは、個人的にやっていることと学協会に所属していることと、あと、組織の中でいろいろ仕事されているので、そういう仕事の分類の中でいろいろ学びがあるだろうということで、そういうカテゴリーの中でそれに関わるものを前に持ってきているということになっていまして、個人的な研さんの方に入れるのか、実際に職務を従事するということであれば、組織内での活動というのが主になるだろうから、そういうことで書かれています。あるいは、技術士の方で、組織に属していないからそういうことも考えられているとすれば、「所属組織等」というふうにしていってもいいかなと思いますけども。要するに、職務を通じてということをおっしゃりたいんですよね。
【比屋根委員】 そうですね。「実務」と書いた方が分かりよいかもしれないですね。「組織内」と限定するのではなく。
【岸本主査】 「所属組織内等」という形で広げておくということでよろしいでしょうか。
【比屋根委員】 職務への従事そのものが自動的に研さんになるわけではないので。
【岸本主査】 直結する職務を通じてというのでよろしいですか。もし御提案があれば、そこの文案をお願いしたいと思います。
【比屋根委員】 そうですね。
【岸本主査】 はい、どうぞ。
【奥野人材政策課長】 恐らくこちらから説明する内容ではないと思うんですが、実務で、実施団体が回すとすると、先ほど豪州の例など、若しくはインプット、アウトプットという言い方があるように、やはり技術士本人の活動を何らかの形で第三者がそれを確認しなければならないと解した場合に、ここで書いてあるように、何らかの専門書籍等の、例えば閲覧というような形の活動というのが登録されます。学協会等で活動したものが恐らく登録されます。所属組織内活動等というのは、恐らく当該所属組織の中の能力開発に係る研修活動等の記録が出ます。若しくは教務実績として、CPDとして加味される、通常の実務と違うものが恐らく登録されます。
したがって、技術士本人ではない第三者が何らかの形で、このCPDの活動の内容を確認しようとするときに、恐らくどのような形で確認できるかという観点に立たないと、技術士本人の内在的な能力が高まるというのは恐らく御指摘のとおりかと思うんですが、今度、システムとして回そうとすると、それを何らかの形で実施機関が確認して、記録しなければなりませんので、そういった観点で整理されているものかと存じます。
したがって、御指摘のようなものでは、どのような形で、恐らく実施機関が確認して、記録できるのかというような、そのシステムに落としたときに、今、御指摘のことをどのように書けるのかという点にあるのではないかと考えます。
【岸本主査】 どうぞ。
【比屋根委員】 ですから、本人が何らかの該当時間なり、活動内容なりを報告するというレポートが評価されるようなルートは必要なのではないかと思ったわけです。
【岸本主査】 そうです。はい。ありがとうございます。それも含めて、「等」の広範な形態ということなので、書き切れなかったことについては、また、実際に評価するところでどうするかというところで、また考えられる余地は残しておいた方がいいかなと思いますので、こういう表現にしてあります。
小野先生。
【小野委員】 大きなことではないんですが、文章もこれでいいと思うんですが、実際の活動の形態についてです。当然オンラインということも意識して、ここに書く必要はないかもしれませんけれども、コロナ禍でオンライン化が進んでいますのでそれを含めることはいかがですか?オンラインはCPD活性化の一つの方策になるかなと思いました。ここに書く必要があるかどうかはお任せします。
【岸本主査】 ありがとうございます。そうしますと、今、実施形態のところについて、可能な範囲で修文するということでよろしいでしょうか。はい。
それでは、5のところですけども、CPD活動の確認・表示方法についてということで、「事務の実施主体が具体の内容を設定する」という形にしてありますけども、こんな表現でよろしいでしょうか。はい。
御議論ありがとうございました。皆様の御意見、たくさんいただいたところでありますけども、ポイントとすると、2のところの最後の2行についての修文が必要だということと、あと、4のところで、今、実施形態について少し工夫が要るのではないかということがありましたので、その2か所だと理解しましたけれども、よろしいでしょうか。
あとはいろいろ文章を、内容の理解を深めるための御議論をしていただいたということで、その内容については、具体のシステムを作るところに反映させていくということにしたいと思いますが。
【佐々木委員】 確認ですけれども、3ポツの活動内容というところで、7項目のコンピテンシー、いや、それだけではないはずですという指摘を先ほどしまして、それを踏まえた上で、CPDというものを大きく見た場合、一番大事なことは何かという辺りのところ、キャッチーなメッセージを是非織り込んだらいいのではないかと思います。
【岸本主査】 それについては、ここの議論ではないので。
【佐々木委員】 どうしてですか。CPD活動の在り方についてと書いているのに、何で違うと。意見を求める場がこの場のはずですからね。
【岸本主査】 では、どうぞ。
【佐々木委員】 そこを主査が抑えても何の生産的な議論にはならないと思いますので、話をさせてください。私は2017年の技術士の全国大会で提案したことなんですけども、CPDの新たな枠組みということで、「研鑚はまさかの気付きがテーマの要 持続可能な社会のために」、これを是非検討いただければと思います。
研さんはCPDですね。「CPDはまさかの気付きがテーマの要」。いかに我々がハンドリングしている科学技術というものには不確実性があって、そのことにどう対応するのか、対処するのか。そのことの気づきを得るのがCPDの最大の最も大事なテーマですよ。どうしてそのことに集中しなければならないのか。それは1992年、世界で、地球サミットで採択された持続可能な社会を作るという、地球全体の目標ですよね。それを実現するには、あっ、こんなことが起こっちゃったではまずいですね。こんなことが起こっちゃう前に気づく。それを促すのがCPD、「研鑚はまさかの気付きがテーマの要 持続可能な社会のために」、こういうふうにキャッチーな分かりやすいメッセージを是非織り込むことを考えていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
【岸本主査】 それはここの案の中に織り込むということではないように思います。
【佐々木委員】 どうしてですか。
【岸本主査】 これは具体的に制度をつくることですので、そこの議論はまたそのCPDをどういうふうな活動の中身にしていくかというところの議論になると思います。ここに織り込むべきことではないと私は判断します。皆さん、どうでしょうか。
【佐々木委員】 どうしてですか。
【岩熊主査代理】 次の段階です。
【岸本主査】 次の段階の議論ではないかなと。
【佐々木委員】 どうしてそう先送りにするんですか。技術士CPD制度、もう20年もたっているんですよ。
【岸本主査】 これは制度をどうするかということで。
【佐々木委員】 ですよね。
【岸本主査】 はい。その中身については、その中で考えるのがふさわしいと思います。
【佐々木委員】 中で考えて、今、ディスカッションしているんですよ。まともに議論しましょうよ。
【岸本主査】 今、制度をつくるところですね。ちょっと趣旨が違うように。
林さん、どうぞ。
【林委員】 ありがとうございます。佐々木委員の想いというのは共有させていただいていると思います。今後、実施主体において具体的な内容を定めるときに、受講する皆さんにアピールするキャッチフレーズとして、これが採用されるということはあるのではないかなと思います。今回の議論については、先ほどの在り方(案)の2ポツで、2ページの冒頭に、「これは」ということで「目的」が書かれています。「名称独占資格としての信用を保持し、その地位を維持する上で、基本的に備えるべき資質能力を維持することを目的に行う」という「目的」をここで確認をしていますので、これを前提とすると、資料3に挙げられている整理になるものと思います。
今後、名称独占にとどまらない業務独占資格への制度改正に向けた議論になれば、その中で、今日お話しいただいたようなことを議論する場が持たれるべきかなと思いますが、今日のCPDについては、ここで規定した範囲で必要十分ではないかと思います。
【岸本主査】 高木委員、どうぞ。
【高木委員】 私もこの文章とは、これでいいと思います。先ほど質問させていただいたところとも関係しますが、3ポツのところで、国際エンジニアリング連合(IEA)のコンピテンシーに適合した方向で進めるということは、ここで確認されています。これは大きな流れとして問題ないと思います。
少し先の話になると思いますが、実はこのコンピテンシーについては、昨年11月にメルボルンで開かれた世界工学会議のときに、IEAが、ユネスコやWFEOと連携してこれを見直していこうという動きが既に始まっています。WFEOというのは世界工学団体連盟で、1968年、ユネスコが政策を実現するために世界80か国のその国を代表する工学系の団体や20の国際組織を集めて設立した組織です。世界工学会議のときに、このWFEOとIEAのMOUが更新されて、2013年に作られたこのPCを見直そうということになっています。ワーキンググループが活動しています。
その内容が、先ほど佐々木委員からもお話のありました国連のSDGsを取り入れて、技術的、環境的、社会的、文化的、経済的、財政的、グローバルな責任などを考慮するとしています。それから、ダイバーシティとインクルージョン、つまり多様性と包摂性も入れていく方向です。一番上流の方でも変化が起きています。それをどのタイミングで技術士の制度に取り入れていくかということはまた議論がありますが、少なくとも全体の流れとしては、佐々木委員がおっしゃっている方向に進んでいくのではないのかと思います。したがって、この文章そのものはこれで問題ないと思います。
以上です。
【岸本主査】 ありがとうございます。恐らく来年のIEAでの会議の一つの議論になると思いますので、それをどうフィードバックするか。また、ここでの文章を変えるのとは違う次元になるかと思いますので、これはこのままにさせていただきたいと思います。
よろしいでしょうか。それでは、大分時間を費やしましたけども、この文は、今のような形での修正が必要になりますけども、大方の御賛同はいただいたものとして、作業部会での案として、次に制度検討特別委員会の方に報告したいと考えます。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【岸本主査】 ありがとうございます。
それでは、あと、時間があまりないんですけども、議題2になります。議題2については、今後の技術制度改革の方向性についてということですけども、資料1のところで幾つか課題がありますが、時間的に難しいかもしれませんので、その他も含めて、先ほどありました資料4についての御説明をお願いしたいと思います。
【新屋委員長】 日本技術士会の技術士制度検討委員会の新屋でございます。オブザーバー参加させていただいております。
資料4について説明させていただきます。先ほど寺井委員からも御説明がありましたように、当会としましては、更新制度の導入に向けて理事会で決議をしているといったところを前提としております。その後もいろいろ勉強して、業務独占資格だとか資格団体の強制加入、資格そのものの更新制というのは非常に法的には難しいといったことを現実問題として理解した上で、CPDの法定化、IPDの法定化、これらが数年後に抜本的に改革されて、法定化されていくものと考えております。その前段として、我々も資質向上の責務が検証できていないという事実を継続させないためにも、法改正の先行措置として、政省令の改正なのか、告示なのか分かりませんが、一定の法的なシステムの中で検証できる方法を考えていけたらいいのではないかというのを前提に、こういった資料を作っているというところでございます。
この新しい技術士制度についてという一枚紙ですが、この紙の建て付けについて御説明いたします。上の段はCPDの登録時間、並びに技術士のCPD登録名簿の作成、公開の流れといった時系列に流れていく手続について説明したものでございます。下の方に4つの箱がございますが、左下の箱は、これらの流れを考える上での前提条件を整理したものです。右側にある3つの箱というのは、それぞれの個々の役割、並びに補足説明として書いているものでございます。
それでは、簡単に説明いたします。上の段でございますが、まず個々の技術士というものは、それぞれCPDをやりますと、それを登録していく。随時登録していくわけですが、2つ目の箱になります。認定CPD登録法人、技術士会であったり、土木学会であったり、建設コンサルタンツ協会であったり、いろいろなところにそれぞれの技術士が登録しておるのが現実でございます。
技術士のCPD登録の内容を検証して、CPD登録証明をそれぞれ発行しているのがこの認定CPD登録法人でございます。そこで発行した登録証を元に、CPD登録の申請を個々の技術士がやっていくというのが真ん中の箱でございます。大体5年分までの申請が可能というイメージをここでは示しておりまして、実際にやったものをCPD登録の実施主体といったところに審査をお願いし、名簿に載せてもらい、また、認定技術士としての呼称を付与していただくというような手続をやってもらう。最終的にCPD認定の技術士であるということを5年間の呼称を許していただくという流れを示しているというのがここでございます。
ですから、技術士、CPD登録の実施主体というのが4番目の箱なんですけども、ここのところでは3つ書いておりますように、技術士から上がってきたCPDの申請を受け付け、審査し、名簿を作成して、それを公開し、また、CPD認定技術士の審査を行って保証を付与していくというところを実施主体が文科省に代わって補って、実施していくという流れを示しております。
左下の箱で説明しておりますのは、前提条件としてお話ししておりますが、一番上が文科省さんにおける法令の対応ということで、技術士のCPD登録事務を実施主体に行わせるんだよと、具体の基準はその実施主体が定めるんだということが前提になっておりますので、今日の資料3の審議のとおりだと思います。また、2番目が新しい技術士CPDガイドラインというのが今日の資料3を基にお示しになるということでございますので、その中身につきましても、今日の資料3の中身と同じようなことが書かれていると我々も認識しております。
3番目が新しく文科省さんから出されたCPDガイドラインを日本技術士会が仮に実施主体になったら、こういうふうにブレークダウンしていくんだろうなということをお示ししております。
その中身としまして、CPD登録のためのCPD判定基準であったり、時間の判定基準ですね。技術士の登録名簿の公開の方法だとか、複数部門登録している人をどうしていくんだとか、いろいろなCPDの時間数をどうするんだという細かい建て付けについてのガイドラインをここで考えているということです。
真ん中の箱になりますが、認定CPD登録法人の認定基準でございます。どういったものが認定CPD登録法人として適切であるかというもの、どういったものを満たさなきゃいけないかということをお示ししたものがここでございます。
先ほどの資料3の3ポツにあるCPD活動の内容に合致するようなところを整理されております。右の方に、資質の維持として認めるCPD時間がございますが、先ほどの資料3の4ポツ、CPDの活動の方法といったところでも一部御議論いただきました、幅広い技術士の活動。いろいろな活動をしております。こういったものがいろいろな形でCPDとしてお認めいただければといった例をお示ししているものでございます。
日本技術士会のCPDの認定基準でいきますと、結構ハードルが高いような御指摘もございますので、幅広くCPD時間に認めていただけるようなことも考慮しているということです。
最後に、下の方には、今後いろいろ追加で検討していかなきゃいけない課題がいっぱいあるというところを我々も認識しておりますし、それが実施主体としてやるべき中身であるということでございますが、CPD登録の名簿の様式であったりとか申請の様式であるという事務的な中身であったり、登録は過去5年まで受け付けるのかとか、毎年でも大丈夫かという、公共調達に関わる技術士というのが、全体の約6割、7割に当たるのではないかという数字もございますので、こういったものは必要な措置であろうということも考えてございます。
また、4番目、5番目、6番目に書いておりますように、名称、呼称、こういったものをどれくらいの期間、許していくのか。実際にその名称がこれでよいかという議論。また、「実施機関」とここに書いてありますが、「主体」の間違いでございます。実施主体の行ういろいろな手続がございますが、これに係る経費だとか、やるための体制ということも非常に現実味を帯びた実務的な課題であるなということも認識してございます。
以上、説明を終わります。
【岸本主査】 どうもありがとうございました。こちらについては、今日御意見を伺うというよりも、こういった形で技術士会の方で、制度がもしできるとするということで検討いただいていることの情報共有とさせていただきたいと思います。
それでは、あと5分ぐらいですけども、この委員会、議題2ということなんですけども、残りの仕事が、資料1に戻っていただきますと、更新制度の要件、実施方法の検討、CPD制度の見直しということで、今日、いろいろ御意見いただき、宿題も残っているところでありますけども、ある種、実施主体をつくって進めていこうという方向では、方向性が出されたと思いますので、一つ前に進んだ形になっていますけども。
残りが総合技術監理部門についての求められる資質能力。これを具体にどうか考えていくかということと、技術士全体の中での位置づけ。こういうCPDもありますので、その辺りもこの仕組みの中で考えていく必要があるのかなと思っておりますが、あと5分ぐらいですけども、もし何かコメントがあればお願いしたいと思います。
では、佐々木委員、どうぞ。
【佐々木委員】 総監については、国際標準上、あってはならない部門なので、できるだけ早く試験をやめる。新しく総監の技術士を生み出さないとすべきだと思います。理由としては、IEAが示すコンピテンシーは、PEに求めているわけであって、それをベースに考えると、総監も技術士試験として何を問うか。委員の皆さんが頭を抱えて、これは無理だよねといった議事録を見ました。正にそうです。20年前の法改正のときに総監はできたんですけども、これは既に技術士を持っている方に対して、制度を変える中で不利益を被らないように少し配慮したということであって、決して世界の標準ではありませんので、できるだけ早くやめることが必要だと思います。
【岸本主査】 ほかはいかがでしょうか。では、比屋根委員、どうぞ。
【比屋根委員】 個人的な話にもなるんですけど、私は衛生工学と総合技術監理を持っておりまして、実際はもう技術者倫理だとか技術はどう、今、コンピテンシーそのものを研究しているというか、そういう業務ばかりやっております。更新制度はともかくとして、総合技術監理というものがないと、自分は技術士ではあり得ないなというのが実態でございます。
逆に言うと、技術士というものがもう少し、そういう工学分野に分けるものではなくて、業務とか研究とか開発、そういうところについているべきもの。基本的には、アメリカなどはそうだと私は認識するんですけど、そういう枠組みでないとおかしいところに総合技術監理があって、私は助かっているという実態があること。それも御承知おきいただきたいと思います。
【岸本主査】 ありがとうございます。
佐々木委員、どうぞ。
【佐々木委員】 IEAの13項目のコンピテンシーの中には、総監に求めていることも入っていますから、あえて日本において、ほかの部門と分けて総監を置く必然性は全くなくて、ほかのIEA加盟国で総監に相当するものがあるかというと、ありませんよね。こういった矛盾といいますか、混乱は早く解消して、今おっしゃった総監の業務は衛生工学でしたか。その分野の技術士として行っても何ら不思議ではない。必要とされる能力そのものだと思います。
以上です。
【岸本主査】 これは国際的にそれぞれの国がいろいろな制度でやられている中で、同じかどうかという問題はなかなか難しいと思いますし、例えばチャータード・エンジニアはもう部門がないんですよね。日本は部門をつけているという意味からすると、あれは同じではないし、そういう意味からすると、同等性といったときに、必ずしも同じものがなきゃいけないということではないので、実質的に中身が同じかとエンジニアとして考えていくということから、この総監をなくすかどうかという問題とか、今おっしゃるように、総監というのが大切なものだとすると、そういったことも受け入れながら、どういう形に持っていくかという議論がやっぱり必要に今なっているのかなと思いますけども。
【佐々木委員】 総監を21番目の横並びの部門として置くのであればあり得ると思うんですけども、設置するときにおいて、1本、上の資格だよねというコンセンサスで作ったんですよ。私はディスカッションの場にいまして、分かっていますから。
【岸本主査】 はい。そういう議論は過去なされていたと思います。
【佐々木委員】 ですから、それは世界の標準から逸脱しているので、解消すべきだということです。
【岸本主査】 世界的に言うと、例えばオーストラリアは、おっしゃる中でのチャータード・エンジニアは一つあって、その上に、もう一段階上が国際通用性のあるエンジニアということで、APECのエンジニアだとか、そちらに位置づけしているので、彼らも2段階になっているんですね。
【佐々木委員】 それは日本も同じですね。
【岸本主査】 だから、日本はどうするかということで考えていかなきゃいけないかなというので、総監の位置づけもいろいろな工夫もあるかもしれないということで議論していただければ。最初からなくすという議論から始めるのもそうですし、どういうふうにしていったらいいかということで、ここでは、では、総監があるとすると、その資質能力を整理しておかないと、ある、なしの議論ができないので、まずはそういう整理。本当にそれで活動されている方もいらっしゃるという実態もあるので、そこを踏まえてやっていく方が建設的かなと思いますので、次回は少しその総監というのが一体何かというのも議論していったらどうかなと思います。
【佐々木委員】 もっと大枠で議論した方がいいと思っていまして、それは何かというと、技術士法を20年前、改正されました。目標は、世界標準に並べましょうと。では、その技術士法が最初にできたときの出発点は、戦後復興を進めるに当たって、公共事業の発注側の技術者が圧倒的に足りなかった。それを補うべく、技術士という制度をPEをベースに作ったわけですね。だから、目標が安全、公衆の福利ではなくて、社会経済の発展となっていますよね。これを抜本的に組み直して、技術士法の目的を持続可能な世界を作るんだ。それを実現するには、国だけの取組ではうまくいかないということで、2010年、ISO26000ができましたよね。全ての組織が持続可能な世の中を実現すべく、それぞれの組織の活動の中において、そのことに必要な役割を果たしましょうということになりましたね。
ここからが大事な点ですけれども、新しく技術士法を変えて、技術士の役割は持続可能な社会を実現する上で、全ての組織が役割を負っている。その役割を各組織において、責任を持ってハンドリングするという位置づけを技術士に与える。そのことによって技術士に対する需要は高まる。ですから、当然、ああ、私もそういう技術士になりたいということで、皆さん、人数も増える。現状はアメリカが82万人、PEがいるわけですね。日本は僅か9万人。20年前もこのギャップは何とかしなくちゃと言ってきて、実現できていない。それは需要がないからですよ。
技術士を導入したのは、あくまでも公の発注機関の技術者不足を補うためという別の目的でPE制度を入れた。これを本来の形に戻した上に、なおかつ、新しい世界的な目標である持続可能な世界を実現する。そのために、あらゆる組織がその組織に見合った活動をしなければなりませんよ。これはISO26000、JISのZ26000ともなっていますね。
そのあらゆる組織で、その任に当たって、責任を負って推し進めるという役割を技術者の目的、技術士のやるべき仕事と位置づけるというのが一番根本的な改正の眼目だと思います。是非御検討ください。このことについては、先ほど勝手に置いた資料を皆さんに配付していますので、一度見ていただければと思います。
以上です。
【岸本主査】 ありがとうございました。
それでは、まだ皆さんと議論したいところがたくさん残っていますけども、それについては次回送りになりますので、またいろいろな資料が調ったところで議論させていただきたいと思います。
それでは、事務局から連絡事項をお願いいたします。
【鶴見専門官】 事務局の鶴見でございます。事務的な話になりますけれども、本日の会議における議事録につきましては、後日、こちらから皆様にお送りさせていただいて、そして、御了解いただいた上で、文部科学省のホームページ用に公開することとなりますので、御了承いただければと思います。
事務局からは以上です。
【岸本主査】 申し遅れましたけども、資料3のところで、今日お認めいただいたところですけど、修文が少しありますので、また制度検討部会の方でも御議論いただくということで、修文については委員長に任せていただいて、その後の議論のところで、また必要なところは改正していくというところで、上の委員会に上げるところについてはお任せいただくことでよろしいでしょうか。
それでは、本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。これで閉会にしたいと思います。ありがとうございました。

―― 了 ――

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