第10期 技術士分科会 制度検討特別委員会(第1回) 議事録

1.日時

令和元年5月10日(金曜日)15時30分~16時40分

2.場所

文部科学省(合同庁舎第7号館東館)15階 15F特別会議室

3.議題

  1. 主査代理の指名について
  2. 今後の検討方針と作業部会の設置について

4.出席者

委員

岸本主査、岩熊主査代理、天野委員、小野委員、酒森委員、塩原委員、下保委員、高木(茂)委員、高木(真)委員

文部科学省

坂本人材政策課長、佐藤専門官 ほか

5.議事録

 (人事案件を含むため、技術士分科会運営規則に基づき議題1は非公開)
事務局より委員紹介があった後、岸本主査によって、岩熊委員が主査代理に指名された。

【岸本主査】  それでは、改めまして主査を仰せつかりました岸本です。どうぞよろしくお願いいたします。改めての御挨拶になりますけれども、本日の技術士分科会から御出席の皆様には、前期の活動のまとめ、あるいは今期について何をやるかということについてのお話があったと思いますけれども、前期は論点まとめということで、いろんな課題を洗い出したわけですけれども、今期は、いかにそれを実現していくのか。それもきちんとタイムスケジュールを決めてやるということで、まさにこの委員会はそれを進めていくというところで、非常に仕事の多い委員会になりますけれども、是非皆様の御協力を得て円滑に進められたらなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、同じく主査代理に指名させていただきました岩熊委員からも一言御挨拶をお願いできればと思います。
【岩熊主査代理】  岩熊でございます。長く技術士をしておりまして、また、この委員会でも長く関わらせていただきました。技術士制度の中身について、よい方向に大きく変わってきていると思っています。先ほど主査がおっしゃいましたように、やることがたくさんあります。先ほど御意見も出ておりました。今後、技術士が大きな力となり、社会に認知されるように、私も微力ながら務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【岸本主査】  ありがとうございました。
 それでは、次の議題に進みたいと思います。議題2、今後の検討方針と作業部会の配置についてに入ります。先ほども申し上げましたけれども、技術士分科会において、「技術士制度改革に関する論点整理」において取りまとめられました技術士制度改革に係る主要論点についての検討をこの委員会で行うこととされました。
 それではまず、本委員会での今後の検討の進め方と作業部会の設置について、まず事務局から説明をお願いいたします。
【坂本課長】  私の方から説明をさせていただきます。資料は、資料3から7までですね。資料3、4、5、6、7と、それから、この制度検討特別委員会、そして、その下部に置かれるものとして御提案をさせていただいておりますが、作業部会についての検討内容に係る資料として、参考資料3の技術士制度改革に関する論点整理の概要と、参考資料4のその報告書の本体ですね。今申し上げた資料が、今御審議いただくものに関連する資料でございます。
 それで、まず資料3をごらんください。資料3について、これは内容については後ほど御説明いたしますけれども、今御審議いただきたいものを先に申し上げます。この資料3の1ポツに具体的に制度検討特別委員会の検討対象の項目ということですね。特に、この表は後ほど論点整理のところで御説明いたします。ここが全般的に制度検討特別委員会の検討対象になる項目ということになりますが、その次のページをごらんいただきますと、更にこの委員会本体の方で御検討いただくものと、そして、作業部会を設けて、集中的に御議論いただくものということで、項目を分けさせていただいております。
 今から御審議いただくのは、2つの作業部会の設置でございまして、1つ目が、2ポツの丸の2つ目ですけれども、継続研さん・更新検討作業部会ということでございまして、これはもう更新制の要件や実施方法、あるいは継続研さん、CPD制度の見直しという、こちらこの作業部会の主な検討項目として挙げられているところでございます。
 もう1つが試験検討作業部会ということで、現在第二次試験については制度改正に対応した試験の実施に向けた準備が進められておりますが、更に第一次試験の適正化、あるいは外国人の方々が受験しやすい試験方法の検討、総合技術監理部門の在り方についての検討を行えればと考えております。
 また、それ以外の項目については、基本的に制度検討特別委員会で御検討いただくということを(案)として書かせていただいているところでございます。
 それでは、この検討の内容について少し御説明させていただきたいと思います。参考資料3をごらんください。ここに、今、この御出席いただいています先生方で先ほど分科会の方でざっと御説明いたしました。また、小野委員にも前期国際通用性の作業部会の方で、御議論いただいたところではありますので、簡単に概要のみ御説明いたします。
 参考資料3でございますが、「はじめに」のところは、現状認識、基本的な検討の視点というものを書かせていただいております。これは既に先生方もよく御存じのところでございまして、技術業務の取り巻く環境というものが相当変わっていて、また、高度技術人材、プロフェッショナルエンジニアの役割というのも相当高度なものになりつつあるということでありますとか、その中で、技術士制度の活用をしっかりと促進していくことであるとか、資格取得を通じて、資質能力を向上させるとか、あるいは資格の国際的通用性を確保するというと、ああいうところは重要な視点であるということが挙げられているところでございます。
 具体的に、じゃあ、どのように制度改革を行っていくかというところで、前期から継続検討すべきとされた、国際的通用性の確保、普及拡大・活用促進策、継続研さん・更新制の導入、技術士補の見直し・IPD制度の整備・充実、技術士試験の適正化、総合技術監理部門の位置付けの明確化という6つの項目で議論を行っていただきました。それらの結果がこの次の2ポツの審議の内容のところに整理されておりまして、右側に今後の取組の進め方として主要項目が書いています。まず国際的通用性の確保という意味では、APECエンジニア等の活用促進。さらに、そういったものを通じて、海外での我が国のエンジニアの活躍の場を増やすというところもございますので、他国のエンジニア資格制度の構築への協力あるいはエンジニア資格の相互承認を更に進めていくというようなことが書かれているところでございます。
 活用促進・普及拡大については、公的事業・業務における活用の促進、他の国家資格との関係性を明確化した上での相互活用。さらには、その技術士の資質能力、それを生かす方法というのをしっかりと明確化して、企業と産業界等にしっかりと示していくということ。あと、能力開発のプロセスとしてのコアスキームの周知とGA、PCの取得の支援というところが挙げられているところでございます。
 次、継続研さん・更新制の導入というところ。これは今、先ほども御説明しました作業部会において、しっかりとこの更新の要件、実施方法の検討、あるいはCPD制度、このCPDを行う実施体制も非常に重要なものでございますので、こういった体制もきちっと見直し、あるいは構築を進めていくということが挙げられているところでございます。
 次、裏面を見ていただきますと、技術士補制度の見直し・IPD制度の整備・充実です。こちらは他国でもIPDの制度の整備が進められておりますので、日本でも制度の確立に向けて検討を進めるとともに、その中で技術士補制度の在り方も見直していくということが掲げられてございます。
 技術士試験の適正化ということについては、二次試験についてはこれから改正後の試験が行われますので、その実施状況も見ながら改善を引き続き進めていきます。また、更に一次試験の適正化であるとか、外国人エンジニアが受験しやすい試験方法の検討というところも主要項目として挙げられております。
 最後に、総合技術監理部門の位置付けの明確化というところにつきましては、他の20部門との間の関係もしっかり整理しながら、この総合技術監理部門の位置付け、あるいは求められる資質能力について、再整理を行っていくということが挙げられておるところでございます。
 この当面重点的に取り組むべき項目というところは、関連する、多岐にわたる項目の中でも特に今後取り組むべきというふうにされている項目を3つの分類に分けたものがこの下の表です。その分類の1つ目、Aは対応の方針、方策が明らかになっていて、実際にすぐに行動を起こしていくもの。2つ目のBは、方針は明らかになっているけれども、今後、具体的な対応方策というものを検討する必要があるとするもの。3つ目のCは、方針そのものを明らかにする必要があるということでございます。
まず、Aの実際に活動を起こしていくものとしては、公的事業・業務における活用の促進あるいは他の国家資格との相互活用の実施、技術士の資質能力とそれを生かせる活用方法の紹介をあげています。そして、今期はこれらを具体的に文科省、技術士会等が中心となって対応していくとされています。
 制度検討特別委員会の検討対象となる項目というのは、このBとCでございまして、Bについては、まず更新制、CPDの関係でございますが、こちらは作業部会を設けて具体的な方策について検討を行い、提言をまとめていただくということとされております。
 2つ目は、IPDの関係でございますけれども、コアスキームの周知、GA、PC取得の支援、それからIPD制度の整備・充実、技術士補制度の見直し、活用促進というところ。これについては、制度検討特別委員会において具体的な対応方策について検討を行って、提言をまとめるというふうに書かれております。
 もう一つは、第一次試験の適正化。外国人の方々が受験しやすい試験方法の検討。これについては、試験の検討を行う作業部会というものを設置していただいて、対応策について検討を行い提言をまとめていくということが書かれております。
 Cとして、対応方針そのものを明らかにしていただくということについては、資格の相互承認の問題、他国のエンジニア資格制度の構築への協力の問題。そして、総合技術監理部門に求められる資質能力等の整理でございますが、エンジニア資格の相互承認の国際的な調整については、今後国際的な動向を把握しながら、制度検討特別委員会の方で対応方針について検討を行って、提言をまとめていただくとされております。
 総合技術監理部門の在り方については、試験の検討を行う作業部会において今後の対応方針について検討を行い、提言をまとめていただくということが書かれているところでございます。
 こういった検討項目で、先ほど御説明いたしましたように、委員会本体、それから、2つの作業部会で御検討を進めていただければどうかというのが事務局の御提案でございます。以上です。
【岸本主査】  ありがとうございました。作業部会を立てて、今期課題を集中的に検討していこうという提案になっておりますけれども、検討の方針等についての御意見は後ほどお伺いするといたしまして、まずこの作業部会を作ることに関しての説明に関して、何か御質問等はございますでしょうか。
 先ほどありましたように、BとCの課題について、特にBについては至急答えを出すということが求められているということで、課題を幾つか分類して、それぞれの課題ごとに集中的に作業して、具体策を考えようということで、今回、作業部会を2つ立てて議論を進めたいということでございますけれども、そのような方針でよろしいでしょうか。
                              (「はい」の声あり)
【岸本主査】  ありがとうございます。それでは、2つの作業部会を立てて、検討を進めたいと思いますけれども、それぞれの作業部会に入っていただく委員の皆様については、最終的には、私にお任せいただきたいと思いますけれども、せっかく本日お集まりいただきましたので、少し御提案させていただいて、皆さんの御意見を伺って、メンバーを決めさせていただきたいと思います。
 それで、一つは、継続研さん・更新検討作業部会の方ですけれども、こちらの方は具体的なこと、あるいは法律的なことも含めて議論するということで、2か月から3か月に一度ぐらいの頻度で開催するということを事務局としては考えております。
 もう一つの試験検討作業部会の方が3か月から4か月で、期間としては多少緩やかなんですけれども、こちらの方も一次試験の話と総監の話ですので、これを両方やるというのはなかなかきついかもしれませんけれども、そういう形で進めさせていただければと考えております。
 それと、制度検討特別委員会としても議論するということで、皆さんにおかれてはちょっと忙しくなるということなんですけれども、私と主査代理の岩熊委員には、両方に入って作業を進めるということで御了解いただきたいのと、もう一つは、技術士会の会長、現在は高木委員ですけれども、6月に新しい会長がということなんですけれども、会長の方には両方に入っていただければということで、御了解いただければ有り難いなと思います。高木委員さんに、いいですねと聞くのも変ですけれども、仕事の性質上、そうしていただけるとスムーズかなというふうに思います。
【高木(茂)委員】  はい。分かりました。
【岸本主査】  それで、継続研さん・更新検討作業部会については、私の案としては、建設部門が非常に大きな部門ですので、下保委員に入っていただきたいということと、CPDの関係で高木委員に入っていただきたいということ。更に法律的なことがあるということがございますので、林委員に入っていただきたいということです。それと、大学との教べんと、あと、技術士の資格の御助言として、小野先生にもこちらに入っていただければと思います。継続研さんということは、大学からの関係というのが非常に大切かなと思います。
 それとあと、中谷委員にお願いしたいと考えておりまして、放送大学で今いろんな技術士の研さんということで考えておられるということなので、こちらの方にお願いするということで、こちらの方が7名ぐらいの委員ということになっています。
 それで、今度は試験の検討部会の方については、これは一次試験のこともございますし、総合技術監理部門の位置付けということからしますと、そういった関係の委員ということで、二次試験のときもいろんな形で御協力いただいたということで、天野委員にこちらに入っていただければと考えております。
 あと、酒森委員、塩原委員、それと、きょうは御欠席ですけれども、JABEEとの関係も深いということで、佐藤委員に入っていただくということを私からの御提案とさせていただきたいと思いますけれども、皆さんのお考えはいかがでしょうか。
 とはいうものの、作業を進めながら、それぞれの検討内容を、制度検討特別委員会で集約しますので、そこでもいろんなお立場から御意見いただきたいと思いますので、まずは作業としてはそういう形の分担で進められればと思っております。
【下保委員】  特別委員会、これは年何回ということですか。
【岸本主査】  恐らく今年度よりは来年度になってからの方がいろんなまとめが出てくるのが多いんですけど、これまでだと3回ぐらいですかね。
【坂本課長】  そうですね。はい。
【岸本主査】  状況によっては、事務局とも相談しているんですけれども、同じ日に作業部会を開いて、制度検討特別委員会を最後に開くとか、何か効率的にできれば合同でやりたいこともできればやっていきたいなということで、別の日に来ていただくというよりは、同じ日にうまくやれることもあればいいかなと思っております。
【下保委員】  でも、お二方はどうなっていくんでしょうか。
【岸本主査】  ですので、どちらかの作業部会があるときに制度検討特別委員会を開くことも考えたいと思います。会議のスケジュールについては事務局と相談しながら進めてまいりたいと思います。
【下保委員】  あと、その会議を仕切る人は、部会の方は誰なんですか。
【岸本主査】  それぞれの部会でと思っておりますけれども、作業部会の方をどうするかなんですけれども、私と岩熊さんでさせていただくのがやりやすいかなとは思っておりますけれども、私がやるという方がいらっしゃれば、その方がいいかもしれませんけども。
 その件について、何か御意見ございますか。
【下保委員】  お二人、両方、どちらかが片一方の会長になって、たすきになっている状態なのかなという、イメージ的にはそういう気がします。
【岸本主査】  はい。いずれにしても、私か岩熊さんが、両方の委員会がありますので、リンクした形でやらせていただければと思います。
 それでは、今、組織的なお話をいたしましたけれども、もう少し、本日時間がありますので、この後、残された時間で、せっかくの機会ですので、この委員会ですとか作業部会の検討方針について御意見を頂きたいと思います。今期から委員になられた委員の方におかれては、確認のことだとかございますので、意見を頂戴できればと思います。
【坂本課長】  済みません。補足の説明よろしいでしょうか。
【岸本主査】  はい。お願いします。
【坂本課長】  申し訳ありません。今これから今後の検討について御議論いただくときに、少し御説明をさせていただいた方がいいと思うんですが、資料4ですね。これは本委員会の検討項目の中に入れさせていただいておりますけれども、二次試験科目の改正によって、日豪協定の対象となる技術部門・選択科目の見直しの検討についてでございます。これは分科会で既にもう御議論いただいておりますけれども、改めてポイントだけ申し上げますが、3ページをごらんいただきますと、我が国では今年度より第二次試験の選択科目の改正がございましたので、新しい選択科目とAPECエンジニアの分野との対応を再整理する必要があるということで、今、我が国のモニタリング委員会で、その再整理の議論が行われているところです。
 これは2020年、来年の6月に開催されるAPECエンジニア協定の総会で承認を得る必要があるということで、作業を進めているわけでございますけれども、このモニタリング委員会が行った見直しの結果に基づいて、日豪協定でもこの各APECエンジニアの登録部門の中で、3部門、Mechanical、Electrical、Chemical、が日豪協定で相互承認の対象になっておりますので、こちらの選択科目も併せて再整理する必要があるということで、この委員会では、この日豪協定の科目の対応表の改正(案)を御検討いただきたく存じます。
 あわせて、APECエンジニアは今では全部で11部門ですが、この日豪協定が結ばれた当時は、まだ我が国からは一部の分野のみにしか登録ができなかったため、日豪協定の対象が3分野のみとなっておりますので、他の分野へ広げる、また、この3分野の中に含まれる他の科目も含めて見直すということは、検討項目にはなり得るだろうと考えております。
 ただ、これはやはり。我が国の技術者がオーストラリアに行くということもありますが、オーストラリアの技術者がこちらに来るということも併せて考える必要がございますので、関係省庁、あるいは関係業界の方々を把握し、さらにはオーストラリア側の意向を踏まえて、この対応表の改正を御検討いただくことも、論点としては考えられますので、資料にもそのように記載しているところでございます。
 もう一つ、これは参考資料でございますけれども、前期からの申し送りということで、資料5に先ほど御説明いたしました技術士制度改革に関する論点整理に含まれていないけれども、前期に分科会で出された意見の主なものが整理されております。
 この中にも、この制度検討委員会のスコープに入っているものがございますので、こちらもごらんいただきながら検討、御議論いただければ有り難いと思います。
 以上です。
【岸本主査】  ありがとうございます。そうしましたら、この参考資料2でしょうかね。今回立ち上げました作業部会での検討項目、それと、この委員会全体でやっていく検討項目というところがまとめられていますけれども。参考資料2ですね。その中に、今、補足がありましたAPECの件について、この委員会としてのある種の方向性を出していく必要があるかということでございます。
 実はこのAPECの件については、前の分科会、先ほどの分科会から急いでという話だったんですが、この制度検討特別委員会は次回まで少し間が空くかもしれないので、このAPECのことについて、委員の皆様から御意見があれば伺っておいた方がいいかなと思いますけれども、御意見はございますでしょうか。はい、どうぞ。
【塩原委員】  塩原ですが、日豪の協定ということで、2003年に当初決めたものは、やっと今度は2020年、17年間も掛かって少しだけ改定するということをやっておりますと、APECエンジニアのピークで2,500人いたのが今、1,000人まで減っているということを考えますと、このペースでやっていったらもうほとんど対象になるAPECエンジニアはいなくなるのではないかという気がいたしまして、この日豪協定の改定は、これはこれで進めるとして、例えば15か国で一遍に、全部門で協定を結ぶというような、そういうような大きな枠組みの動きというのも、例えばこの2020年6月の総会に提案するというようなことを考えていけないものでしょうかと。今からこの日豪だけを2020年にやっていたら、15か国間の検討というのは多分100年たっても終わらないのではないのかなという気がいたしまして、本当に早く成果を出すという観点で、参加国全部で、全て協定を結びましょうというような大きな提案をされることができないかと感じる次第です。
【岸本主査】  ありがとうございます。一つは、現在、日豪だと3部門しかないということも、いろんな状況からその当時決定されていたというふうに思いますけれども、今の塩原委員のお話は、どちらかというと日本はもっと開いた方がいい。できれば全ての部門の人たちがお互いに交流するというか、技術士として相手方にも登録できるし、日本としても登録できる道を作っていく方がいいのではないかという御発言ですけど、そういう形でとってよろしいですか。
【塩原委員】  はい。
【岸本主査】  これはかなり大きな方向転換になると思いますけれども、そのためには各省庁との協議が要りますけれども、ここを見ていただくと、ストラクチャーが入っていないというのは、その当時、日本にそういう技術者が入ってくると困るかもしれないということで抜けているんでしょうが、今、インフラ輸出と言っている、逆の方が流れが大きくなってくると、日本を守るよりは、出ていける道をたくさん作った方がいいんじゃないかというのが前回の国際通用性のときもあったので、そちらの方向にある種かじを切ってもいいのかなと、私自身も思いますけれども、この委員会で、そういう形でまとめていって、どうでしょうかね。
【下保委員】  質問ですけど、さっきの豪と韓の相互承認はあるという話でしたよね。
【坂本課長】  そうですね。はい。
【下保委員】  そっちはどういう感じなんですか。日本と同じなのか。
【岸本主査】  日豪協定をやっているときに、オーストラリアの人たちといろんなお話をする機会が私自身あったので、少し個人的な話になりますけれども、オーストラリアは今、プロフェッショナルエンジニアが国として発展するのに不足しているので、是非海外からいろんな技術者の人たちが来てくださいと。そのためにいろんなバイで、いろんな国々とやるのを割と受入れ型でやっているので、そういう意味だとすると、詳しく調べてみなきゃいけないんですけど、韓国とはもっと広い形でやっているように思います。
 ということで、韓国もアメリカと相互承認を結んでいたり、いろんなことをやり始めている中で、日本が一番保守的に動いているところがありますので、ほかの国がどう動いているかについては、例えば今回またIEAがありますので、6月に行ったときに、少し各国の事情も聞いてくるなどしてきちんと確認することが必要かなと思います。
 それと、今、APECエンジニアの枠組みについてもいろんなドキュメントの改定作業に入っていまして、その中での動きというのもよく見ておかなきゃいけないかなと思います。
【坂本課長】  ありがとうございます。こういった相互承認の問題は、今、塩原委員がおっしゃったように大きな立て付けを考えていく必要があると我々は思っています。一方で、今ちょっと御議論ありましたけれども、日本の中でも、大事なのはやはり国益ですので、その国益という意味は幾つかあるわけですけれども、技術士の方々が海外に出ていって、いかに活躍していただくかというところも国益ですが、相互承認ですから、逆に入ってくるときの影響というのも当然考える必要があるわけですね。そうすると、まずこれはバイの交渉にするのか、マルチの交渉にするのかで相当戦略が変わってくるということでございまして、多分、今、岸本先生のお話にもありましたけれども、オーストラリアの場合は、この分野というものを考えるということは、ある程度、先方の事情、先ほどお話にあった受入れ型という事情もあると話が進めやすいと。これはバイの交渉をやりやすくする重要なファクターなのかなと思っています。
 これが15エコノミーとマルチの協定ということになると、極めて状況は複雑になると思います。分野によっても相当違いますので。だから、マルチの交渉については、やはり相当強いニーズがある分野から出てこないと、これは非常に難しい可能性がございます。そこはよく見極めながら、進められるところは進めていくというのは当然我々も進めたいと思いますので、例えばオーストラリアとの間で開放するということがもし、国内の業界との関係でも、あるいは関係省庁との関係でもメリットが大きいというようなところがあれば、そこはもう積極的に進めていくのが現実的ではないかと考えています。
【岸本主査】  いずれにしても、こういう制度があっても、実際に日本の方に登録するときにまた要件というのも課すので、そのときに実態としてはなかなか、日本語とかいろんな問題があって、日本の中に入ってくるというのは非常に厳しい状況かなと思います。逆に、日本の人たちは英語が使えるので、ほかの国の言葉でということになると、こういうのを結んだときに実態としては日本の人たちの方が外での資格を取りやすくなるのかなと思いますので、余りこう、日本を守らなきゃいけないというのはまた別の面でいろんな形で要件を入れられることからすると、ある種、塩原委員がおっしゃったように、方針としては広げていくということを制度検討委員会として提言し、その中で具体的には政府で考えていただくということにしないと動けないんじゃないかと思うんですよね。ここから出ていくのがどっちでもよく分からないような結論でいくと、多分動けなくなるので、ある種方向性としては、どっちかというのを明確にしておいた方がいいかなとは思いますけれども。
【塩原委員】  追加でちょっと発言させていただくと、今、外国人材受入れをかなりやっていて、大量の外国人の方がいらっしゃるわけですね。そういう中で、優秀な技術士相当の資格を取られた方が日本に入ってきていただければ、日本の産業界にとってもかなり、これからの仕事というのは国内だけでやっているわけではなくて、海外展開もかなりしなくちゃならないと。そういうときにそういう人材の方がいっぱいいらっしゃれば、ますます日本にとっても国益上はいいのではないかなと。やはり少し方針的なのを出して、各省庁でいろいろと葛藤はあるでしょうけれども、そういう葛藤を踏まえた上でどうしたらいいかという次の展開に行くためには、まずはある程度の大方針を出さないと進んでいかないのではないかなというふうに感じている次第です。
【岸本主査】  ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。技術士会のところで何かそういう議論はありますか。
【高木(茂)委員】  技術士会の方で、第9期の論点整理を受けて、どういう活動をしようとしているかについて話をさせていただいた上で、国際の話をちょっとします。
 論点整理を受けて、今、2つの方向で技術士会としては動こうとしています。1つは、制度検討委員会ということで、それは継続してやっていきます。そこでは具体的な制度設計、更新制導入、それから、CPDをどうしていくかと、そこに着目した活動をしていきます。それについては、ここや分科会の方でお話をさせていただきながら進めていきたいと思っています。
 もう1つが、技術士資格の活用委員会というものを立ち上げました。4月から動き出しているんですが、そこの中に3つのチームを設けます。1つが先ほどお話のあった国際活用推進チーム、それから、公的活用推進チーム、もう1つが産業界の活用推進チーム、その3つのチームを設けて、技術士会の総力を挙げて活動していこうとしているところです。
 国際活躍推進チームのところでは、実態として今どうなっているかだとか、どういうふうにすれば日本の技術士がもっと諸外国で活用していただける、活躍できるのかといったことについて、実態調査も含めて、場合によってはどういう仕組みを導入していただければいいかということも検討していきたいと思っています。
 もう1つ、産業界というのが非常に今重要だと思っています。産業界で求めている技術者像と、それから、技術士というのがマッチングしていないのではないかと。そこにマッチングできるような仕組みを入れていかないと、あるいはPRをしていかないと駄目だろうと思っていまして、そこについては、かなり力を入れてやっていきたいと思っています。その成果をここの委員会で是非お話をさせていただきたいと思っています。
 ここの検討対象の項目として、Aのところが抜けちゃっているんですが、ここに示されているのはあくまでも入り口のところの話であって、その結果、どういうことが現象として、課題として生じているのかだとか、そこについては共有させていただきます。それを基に是非ここの委員会の中で、どんな課題を対象として議論していかなきゃいけないかということは取り上げていただきたいなと思っております。国際の話と併せてお話ししてしまいましたけれども、よろしくお願いしたいと思います。
【岸本主査】  ありがとうございます。今お話をお聞きして、作業部会として個別の課題に入って議論していく前に、現在、技術士会の中でいろいろな委員会を立ち上げられて、議論された内容をまずこの制度検討特別委員会として共有していくのがいいかなと思いますけれども、かなり作業が進んでいて、例えば次回に御報告していただけるとかという状況はございますでしょうか。次回、いつになるかというのと。
【高木(茂)委員】  いや、そんな早くはできないと思います。かいつまんでどういう状況かというのはお話しできると思いますが、どんな課題があって、何を解決していかなきゃいけないというような核心のところについてまではちょっと時間が掛かると思っています。ただ、今こういう状況で、例えばいろんな産業界にお話ししたときにどんな反応だとか、どういうことが今ネックになっているだとか、その辺についてはお話しできるかなと思います。
 あと、資格の活用ということになりますと、今、各技術分野でいろんな産業界と話をしていますけれども、産業界全般、例えばSDGsもそうですけれども、いろんな産業界が求める課題というのがあると思うんですね。それに対して、技術士がどうそこに入り込んでいけるのかといったところもやはり一つの道として考えたいなと思っていますので、その辺も併せてお話ができればと思います。
【岸本主査】  一つは、継続研さんなどは総監とも関係してくるのかなと思っていまして、そういった中でも議論できるといいかもしれないなと私は思いましたけど、どうでしょう。
【高木(茂)委員】  あえて先ほど言いませんでしたけれども、総合技術監理部門の活かし方として、少し別の考え方を取り入れてもよいかという気もしています。ただ、それはそんなに、今すぐできる話ではないですが、それらも含めて考えたいと思います。
【岸本主査】  ありがとうございます。坂本課長。
【坂本課長】  今、高木(茂)委員からお話しいただいた技術士会での検討は、我々も非常に有り難いと思っていまして、これは前期の分科会あるいは制度検討特別委員会でも御説明いたしましたけれども、我々も既に産業界、これは経団連の事務局ですけれども、技術士の活用促進について是非御協力を頂きたいとお願いをしています。そのためにまず技術士制度を知っていただくということが非常に重要であるということで、以前からこの技術士分科会には、経団連さんの方からも委員を派遣していただいていて、今期は真崎委員がそれに当たりますけれども、高木(真)委員も経団連の産学官連携推進部会のメンバーでいらっしゃいますので、そういったところで御協力いただきながら進めたいと思います。先ほど岸本主査の方から日豪協定でオーストラリア側は受入れ型というお話がありましたけれども、やっぱりこれは技術士の方も、各業界でこういう高度な専門知識を持っている技術者が不足していて、強いニーズがあるというところに我々はまず、これだけの能力を持った方がこれだけいらっしゃるということをしっかりと売り込んでいって、この資格を活用していきたいと思います。
 これは国際協力でも同じで、ニーズがないところでの交渉というのはなかなか成立しないので、それをやっぱり経団連さん等にご協力いただいて、どこにニーズがあるのかを明確にする必要があります。技術士を有望な供給源としてみなせるのかどうかは対話をしないとなかなか進まないというところですが、是非我々はそれをやりたいということで、我々は既にもう経団連さんとかにアプローチ始めているわけですけれども、これは是非、この技術士会の公的活用チーム、あるいは産業界活用チームの方々とも一緒にやらせていただきたいと思いますし、国際的な活用推進チームも一緒になって、先ほど塩原委員からお話ありましたけど、国内で受入れ型になるニーズを持っている業界があるのかどうか。あるのであれば、そことまずしっかりと対話を進めていくということをやらせていただきたいと思っています。
【岸本主査】  全体として、日本の人口が減るし、若い人たちが減るので、何年か後にはどこの分野も人が少なくなるのは確実なので、そういったことから予想すると、もともと工学部に来ている学生さんたちも減っているんですね。そうすると、今の状態は維持できなくなるので、少ない人数でどうするかという問題と、専門的にできる人たちを、日本に受け入れるときにどういう形だったら受け入れた方がいいかという、そういう仕組みをよく考えていくことだろうと思いますので。
 だから、あと、日本の人たちがどんどん外に出ていける仕組みということなので、10年後にといったときには、もう今やっておかないと間に合わないことだと思いますので、その辺、ある程度の方向性を定めて議論をそちらの方向で進めていくというのが必要だと思いますし、技術士会の方でそういう検討をされていらっしゃれば、それを是非、制度検討特別委員会の方にお話しいただいて、皆さんと議論を深めていきたいなと思います。
 時間としてはあと少しありますけれども、これからの方向性ということで。どうぞ。
【下保委員】  建設産業は多分、高度成長期に一気に物を作らなきゃならない時代がありましたから、そのときに品質を担保しようと思うと、あるレベルの技術者を作っておかなきゃいけなかったので、その前提で建設業法上、施工管理技士みたいな技師というのが、これはもう業法で既に必須なわけです。それはそれで作っていたんだけど、実際はコンサルタントが設計するわけですが、そこには建設業法の資格が掛かっていないものですから、じゃあ、何があるんだと。自前で作るのか、ほかに何かいいのがないのかというときに、技術士制度があったので、それを利用させていただいたというのが多分、建設産業的には本音の部分だと思うんですね。
 そういう意味で、ボリュームがあって、ある程度のレベルをきちっと担保するという意味での資格を作って、その代わり、あんまり一々細かいことを言わなくてもやってくれるだろうと、こういう信頼関係の上でこういうものを作ってきたわけですよね。それをほかの産業で同じようにやれと言っても、多分そういうマーケットといいますか、そういうものがあんまり現実、日本社会にないと、そういう動機は生まれないんだと思うんですね。
 使ってくれと言っても、なかなかそう、今までどおりでいいじゃないかというだけのことになっちゃうんですが、一方で、もともと日本社会が持っている終身雇用型があるが故に、この制度は学生のときの資格でなく社会人になってからのものなので、学生を採用するときには、こういう資格、能力はほとんど見ないで採って、会社の中で育てて、でも、資格は取れと。社会で仕事をする上で絶対必要だと。そういうやり方でやってきて、それはたまたま建設産業はそれでも必要だったのでやったんだと思います。今、問題になっているのは、結局、人口が全体少なくなってきて、いわゆる終身雇用自身が難しくなり、かつ、若い人も含めて、終身雇用に固執しない人も出てくると。社会のシステムが流動化してくれば、こういう技術士という資格を持っているということが、技術者にとってある意味、客観的専門能力の証明に必要になってくるという意味では、ここは新たなニーズみたいな部分として使う時代が来るんじゃないかなと。感覚的ですけども思います。
【岸本主査】  ありがとうございました。昨年度、大分若い技術者の人たちに建設部門以外の方にもインタビューしたところ、まさにおっしゃるような形での技術士資格を求めている若い人たちがたくさんいるということが分かりましたので、そういう意味では本当にうまく会社の方でも利用していただけるようになるといいかなというふうに思います。もっともっと宣伝するのが必要かなということですよね。
【坂本課長】  ありがとうございます。今、下保委員からも非常に重要な御指摘いただいたと思います。これは我々も技術士会さんと一緒に議論させていただいておりまして、例えば先ほど高木会長からお話あったチームの中の産業界活用推進チームにおいて、工学系の学生にいかに技術士の魅力をしっかりと理解していただくかということで、大学への働き掛けをやろうという議論をこれからしていただき、我々文部科学省はこの働きかけを全面的にサポートしたいと思っています。先ほどお話にあった、ある程度のクオリティを持った人材を、この技術士を使って能力保証をし、その方々が需要のあるところにどんどん出て行くことを容易にする仕組みは、この日本の技術力の水準を維持向上させるのに非常に重要なメカニズムだと思います。なので、しっかりとある程度の品質保証がされた技術エンジニアの方々のコミュニティーを作っていくために、大学にも働き掛けるということを是非やらせていただきたいと思っています。
【岸本主査】  もうあまり時間がないんですけれども、大学との関係については、先ほどの分科会の冒頭でお話しした、高等教育の方で、工学教育を変えようという話ですが、変える一つは、ディシプリンを習っただけではなくて、もっといろんな力を持った学生さんたちを育てていくといったときに、先ほど高木会長がおっしゃったような技術士としてのコンピテンシーが、本当に会社のニーズだとか、いろんな産業界のニーズに合う形になっているのかどうかという、その見直しから始めながら両方でやっていく必要があるのかなと思います。資格を取ることには、ある種の力を持っているという証明になるのを、違うものになってはいけないので、若い人たちにとっていい目標になるように継続研さんのことだとか、いろんなことを考えていかなきゃいけないというふうに思いますね。
 どうぞ。もうちょっといいですよね。せっかくの機会なので。
【天野委員】  ごめんなさい。もう時間がないので簡単に。産業界に行くときに、ただ単に技術士制度を使いませんかと聞くのは駄目だと思います。やはり産業界というのは、利益を上げないと株主に怒られる世界なので、この技術士の制度を利用することで、その産業でどういうふうな利益を生み出すかというところまである程度、こちらで考えた上で持っていかないと、向こうは上っ面の対応しかしていただけないと思うんですが、今、産業界で非常に大きな問題になっているのというのは品質保証問題だと思います。
 地盤工学会で液状化問題が起こったときに、その辺をきちんと判定する人がいないというので、地盤品質判定士という制度を作ったんです。初めは結構けんもほろろで、不動産業界からも嫌われていたんですけど、ここに来て、急に評価されているんです。これも一つの品質保証だと思います。
 やっぱり産業界でいろんな会社の方たちが品質不良問題を起こしてしまうのは、検査技士を、資格を持っていない人がやってしまうから、ルール違反だというふうに、非常に簡単に言うとそういうようなところもあるようなので、そんなところにある意味、技術士のような、内容が合っているかどうかは別ですが、適用できるということがもしあるとすれば、それなりに考えていただける可能性はあるんじゃないかなと思います。やはり向こうは利益を出してなんぼの世界の人たちなんだということをまず認識して掛からないといけないんじゃないかなという気はします。
【岸本主査】  人材活用という観点でニーズに合っていないと、ただ資格を持っているだけでは受け入れていただけないですよね。
【天野委員】  それは教えてくださいと言っても駄目ですから。こっちで勉強していかないといけないと思います。
【岸本主査】  そうですね。まだ議論はいっぱいあると思いますけど、今日はキックオフにもなりますので、御発言がまだない方で、意見があればお願いします。では、小野委員どうぞ。
【小野委員】  小野でございます。前回も少し出させていただきましたけれども、時間がないのでちょっと雑ぱくでぼんやりした話をさせていただきます。大学で私は工学部の学生たちを相手にしています。彼らは今まさに就活も終盤に入ってきています。私は機械系に所属していますが、技術士制度のとらえ方はやはり分野によってかなりばらつきがありますよね。建築、土木の学生さんは技術士というものをよく知っていまして、就活でもJABEEコースといった話になりますと有利になりますけれども、分野によって例えば機械系ですと相手の企業側の人事担当者もあまり知らないというところがありました。私は日本機械学会でもいろいろJABEEのお手伝いをさせてもらっていますけれども、やはりもう少し技術士の活用の話と含めて、技術士制度が世の中に知られている制度になって、学生たちも将来目指したい・技術士になりたいという強い欲求がわくような輝ける資格になりますと、学生たちはそれを目指してもっと勉強するということになると思います。あと問題は、やはり今の制度ですと、かなり年をとらないと取れない資格だと学生たちは思い込んでしまっている点があることです。そうではなくて、前の委員会でも発言しましたけれども、ある程度ポテンシャルで技術士資格を取らせてあげて、育てていくみたいな視点がないと、建設土木は別だと思うんですけれども、若い人たちはあんまり目指さない資格のままになってしまうような気がしています。そこを何とか、私も微力ながら改善したいと思いまして、手伝わせてもらっているところです。以上です。
【岸本主査】  ありがとうございます。ほかの委員の方々、いかがでしょうか。どうぞ。
【酒森委員】  皆さんのいろんな意見を聞いて、私も本当はこの意見にボンボン入って、いろんな意見を持っているんですけれども。ただ、今回ちょっと分からないのは、今回この制度検討特別委員会で私は何をやったらいいんでしょうかというのが、まだきょうの会議では読めなかった。例えば今のAPECエンジニアの話にしても、APECエンジニアの委員会があるわけですね。そこでやる話と、この制度検討特別委員会で何かいろんな意見を出してやるという話が、両方で別なことをやっていたら、何か話がまた合わせるのは大変ですよね。そういうことで、例えば試験検討作業部会にしても、これで何をやるのか。試験検討というのは各分野で恐らくほとんどやるんじゃないかなという。そこで分野で考えている試験検討と、その委員会で、あるいは作業部会で考える内容がどこまで我々は意見を言って、話としていいのかというのがちょっとまだよく見えなかったのがきょうの本音です。今後いろいろ分かっていくと思いますけども。
【岸本主査】  はい。よろしくお願いします。一つ、APECの方については、技術士分科会のAPEC委員会というのは、相手国からAPECのエンジニアの人が日本の技術士に登録したいときの審査委員会であって、APECそのものを検討する場所はそこではないということで、この制度検討特別委員会以外はその件については検討しません。だから、ここでやるということになります。
 あともう一つ、試験のことについては、試験の中身でなくて、その試験の制度そのものをどういうふうに変えていくかという。制度の議論になっていまして、第一次試験については、大くくり化の検討が中断しているのと、国際的な通用性のある一次試験にしたいということで、そのためにはどうしたらいいかということで、個別の分野での課題というよりは、組織全体の課題として議論する場になっていますので、是非その観点から御意見を頂ければと思います。
【酒森委員】  ありがとうございます。恐らくこれからそういう動きはずっと考えてこられたんだと思うので、それをまず勉強させていただいて、それからじっくり入りたいと思います。よろしくお願いします。
【岸本主査】  ありがとうございます。高木委員。
【高木(真)委員】  先ほど産業界のニーズというお話がありましたが、やはり聞き方に工夫が要ると思います。技術士というのは資格です。この資格という話と、技術者が持つべきコンピテンシーの話は、別な話になる場合もあると思います。企業、産業界からすると、技術者にどのようなコンピテンシーを持っていただきたいかということは、かなり明確にあるはずです。
 問題はそのときに、資格を取得するかどうかということです。例えになりますが情報セキュリティマネジメントシステムのISO27001という国際標準があり、審査を受けるとその認証が取得できます。以前調査したことがありますが、当時は上場企業の10%くらいしか27001の認証を取得していなかった。少ないじゃないかと思うんですが、実際にはほとんどの上場企業は、自社に情報セキュリティマネジメントシステムを構築していました。これは企業のリスク管理上、必要なんです。ただ、認証を取得するというのは、費用も手間もかかるので、ある限られた企業しか認証を取得していませんでした。主にITサービス産業に携わる企業がお客様へのアピールとして取得するというケースが多かったです。それでは、技術士に当てはめてみると、当然コンピテンシーは要求されるけれども、資格を取得するためのコストとか手間に見合うだけの魅力が資格にないといけないということになると思います。土木、建設の場合には、これは業務に直結していますから明確ですが、そうじゃない分野もあるわけです。
 きょうはいろいろ資料を拝見して、分野別にかなり差があるというのは、今、CPD協議会をやっている立場からも非常によく分かります。CPD協議会の会員の中には3種類のパターンがありまして、一つは土木、建設で、これはCPDそのものが非常に大事なので、非常に真面目に、業務として実施している。もう一つは、特段ビジネスに結び付かないが、やはり技術者研さんは大事だという認識を持っている分野。3つ目は、あまり役に立たないから止めてしまえというところもあります。
 2番目に申し上げたいことは、分野によっては大分違うので、それを本当に一律に議論できるかどうか。共通部分と違う部分は分けた方がいいんじゃないかと感じました。
 以上です。
【岸本主査】  ありがとうございます。では、これで最後かもしれませんので、よろしくお願いします。
【岩熊主査代理】  最後だと思いますので、この委員会の運営についてです。きょうだけでもたくさんの御意見が出ましたし、今まで随分議論しながら答えが出なかったこともありました。先ほど主査がおっしゃいましたけど、やることがたくさんあるということで、コンフューズしないように、工程といいますか、何かカテゴリーと工程と目指すゴールみたいなものを整理していただいて、進めていただけるといいと思います。御意見を伺っていて、感じましたので、制度検討委員会と作業部会の役割分担も含めまして、よろしくお願いします。
【岸本主査】  ありがとうございます。きょうは、大分時間超過してしまったんですけれども、様々な御意見伺うことができまして、ありがとうございます。
 事務局の方から報告事項はございますでしょうか。
【佐藤専門官】  事務局の連絡をさせていただきます。本日の会議におけます人事案件を除く議事録につきましては、後日、事務局より皆様にお送りさせていただきまして、御了解を頂いた上で、文部科学省のホームページに公開することとさせていただきます。また、次回の作業部会を含めましての日程についてですが、またそれぞれの委員の皆様方、あるいは主査、主査代理と調整をいたしまして、御連絡を差し上げさせていただきます。
 以上でございます。
【岸本主査】  ありがとうございました。きょうは技術士分科会から出席された方は長時間になりましたけれども、御協力ありがとうございました。
 以上で本日の会議、終了したいと思います。ありがとうございました。
―― 了 ――

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

(科学技術・学術政策局人材政策課)