第9期 技術士分科会 制度検討特別委員会(第5回) 議事録

1.日時

平成30年6月13日(水曜日)9時50分~11時50分

2.場所

文部科学省(合同庁舎第7号館東館)15階 科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 前回の議論及び第38回技術士分科会(平成30年2月21日実施)の議論について
  2. 国際的通用性検討作業部会の検討状況について
  3. 今後の方針について
  4. 技術士制度に関するヒアリング調査について
  5. その他

4.出席者

委員

岸本主査、奥野主査代理、岩熊委員、塩原委員、高木委員

文部科学省

坂本人材政策課長、渡邉専門官 ほか

5.議事録

【岸本主査】  それでは、皆様おそろいになりましたので、技術士分科会、制度検討特別委員会の第5回になりますけれども開催させていただきたいと思います。
 今回は、都合によりまして天野委員、佐藤委員、中谷委員、吉村委員が欠席されております。委員の皆様には御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 事務局に異動があるということですので、御紹介いただくとともに、併せて資料の確認をお願いいたします。
【渡邉専門官】  4月1日付けで、前任の塩崎課長に代わりまして、坂本修一課長が新たに人材政策課長として就任いたしましたので、御挨拶させていただきます。お願いします。
【坂本人材政策課長】  4月から人材政策課長を拝命いたしました坂本です。今後とも是非御指導よろしくお願いいたします。
 現在、文部科学省で、この技術士制度については先生方の御指導いただきながら制度の改善を進めておりますが、そもそも、技術者の育成、能力向上というのは、我が国の技術力の維持向上のために不可欠なものであろうというのは、政府内あるいは国会の方でも今、議論が進められつつあるところでございます。この技術者の育成というところは様々な分野がございますので、文部科学省だけではなく、国会での御議論やそれに関係する各省の政策の動きなどを把握することもこれから行われるところでございます。
 ですが、文部科学省は人材育成を担う中核的な省庁でございますので、この技術士制度もしっかりと改善をし、幅広く、様々な分野の技術者の方々の能力を育成していく、あるいは国内外で活躍するような舞台というものをできるだけ作っていければと思っておりまして、先生方に是非御指導をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  大変恐縮でございますが、坂本課長が別の用務のため会議の途中で退席させていただきますので、あらかじめおわび申し上げます。
【坂本人材政策課長】  申し訳ございません。
【渡邉専門官】  (事務局より資料の確認)
【岸本主査】  よろしいでしょうか。
 それでは議題1、前回の議論及び第38回技術士分科会の議論についてに入ります。まずは事務局から説明をお願いいたします。
【渡邉専門官】  まず資料1、第4回制度検討特別委員会における主な発言でございます。前回1月24日の当委員会では、国際的通用性検討作業部会での議論について、資格の利活用について、更新制について等が議論されました。
 主な発言としては、ここに記載しておりますような御意見を頂いております。
 続きまして、資料2でございますが、こちらは、2月21日に開催された第38回技術士分科会における主な発言をまとめたものでございます。こちらにつきましても、普及拡大や活用促進、一次試験、技術士補、CPD、更新制、総監、国際的通用性等々について、御議論を頂いておりまして、意見の詳細は記載のとおりです。
 次に、資料番号が前後いたしますが、参考資料の2と3は、2月に開催した第38回技術士分科会の際に制度検討特別委員会等での検討状況を説明するために使用した資料ですので、参考に添付しております。 以上です。
【岸本主査】  どうもありがとうございました。資料1のところに前回のこの制度検討特別委員会のまとめがありまして、少しこれまでの流れを振り返っていただいて、その後、今日の議論の方に持っていきたいと思います。まず、私の方から補足させていただきますと、参考の2は、これまでのスケジュールになっていまして、例えば制度検討特別委員会は第1回が平成29年6月6日で、第4回が1月24日ということで、いろいろな形で議論を頂きました。そのまとめが資料1で、これまでの御意見も踏まえて、幾つかのポイントについてまとめていただいています。
 それで、この資料1について、技術士分科会の方に報告をいたしまして、そこで技術士分科会の方から頂いた意見が資料2になります。ほぼ同じような観点での御意見が多かったように思っております。
 それで、1つはこの制度検討特別委員会に関しても、資格の利活用とか更新制度について問うてありますので、ヒアリングをしようということで、ヒアリングをこの委員会として進めてきたところであります。
第4回のときにいろいろ御発言いただいたのがまとめてありますけれども、これについて、何か記載が足りないとかということも含めて、何かございましたらお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。では後でまた、ここの辺のところについては、戻ってきて議論を進めてまいりたいので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次に進ませていただきたいと思いますが、2番目が、国際的通用性検討作業部会の検討状況についてということで、この特別委員会の下に設けましたこの作業部会の検討状況について御報告したいと思います。それでは事務局より説明をお願いいたします。
【渡邉専門官】  まず、資料3でございます。国際的通用性検討作業部会、第2回、第3回での議論内容をまとめたものでございます。
 こちらは、技術士分科会等からの指摘に基づく議論というのが第2回に、各国の資格表に基づく意見というのが第2回、第3回に、そして、ヒアリング調査に基づく意見というのが第3回にございました。基本的に意見の詳細については資料を御覧いただければと思いますが、少し補足をさせていただきます。
第2回、第3回で議論を行いました、各国の資格表に基づく議論ですが、こちらについては6月にロンドンで開催されますIEA会合の際に、各国の担当者に調査を行うという意見がございます。こちらの委員会からは岸本先生が、文部科学省からは野島を派遣する予定でございまして、IEAの参加各国の担当者に直接調査を行うことを予定しております。
資料3の説明途中ですが、ここで次がヒアリング調査についての意見ですので、参考資料1について先に説明いたします。こちらは国際的通用性検討作業部会の下、国際的通用性に関するヒアリングをAPECエンジニアの方や企業の方、PEやCEng関係の方等計22名に対し、4月からつい先日まで行っておりました。
  このヒアリング調査につきましては、ヒアリング対象者の個人名や企業が特定されない形で公表するということを前提としておりまして、参考1-2のA3の縦長の表にヒアリングで出された主な意見をまとめてございます。一番右の発言者の欄に記載の丸1から丸5というのは、参考1-別添の、A3の横長の表の最上段に記載の番号と対応しております。参考1-2の表には意見の概要が記載されておりますので、詳細な内容については発言者欄の番号と質問項目から、対応する参考1-別添の表で御確認いただければと思います。
 ここで資料3に戻りまして、ヒアリング調査に基づく意見でございますが、今後のまとめ方としまして、先ほどの参考1-2の縦長の表に加え、主な意見概要欄からヒアリング項目の内容ごとに意見から分かること、また、それに対して制度を良くするためにどのようなアクションが必要かということを加えてまとめていくということになっております。また、他国の資格との比較から考えることなど、参考1-2の表中に入らないものについては、これとは別にまとめると。作業部会のまとめ方についてはこのような意見が出ておりました。
 各ヒアリング項目の内容に対する意見を幾つか御紹介しますと、海外業務で資格を活用できた場面への回答に対して、事例は少ないが実際に資格を活用している技術士がいるので、その活用できた場面を情報共有することで、資格の活用を促し、更にその幅を拡大していくことができれば良いというような御意見。
 資格を活用できなかった状況と理由への回答に対しては、技術士がそのまま国際的に通用するとするか、取得後更にAPECエンジニア等の資格を取った方を国際的に通用するとするか、方針を定めていく必要があるのではないか。2国間協定の下で、実際にどのような手続が必要かが明確ではなく、活用できていないので、その道筋を明確にしていくべきではないか等の意見。
 あと、更新、CPDについては、他国を見ても、更新制の導入は必要と言える。ただ、その方法については他国の例等を踏まえて検討が必要ではないか等の御意見。
 総監については国際的な観点から見てどう扱っていくかというのは、技術士制度そのものの問題であるとする等々の意見を頂いております。
【岸本主査】  ありがとうございます。国際的通用性検討作業部会での検討の状況ということで、資料に関して御説明いただいたところですけれども、この委員会から国際的通用性検討作業部会に、どういうことをやってほしいかということで、調査とそれに基づいた提言ということでお願いしているところですけれども、ヒアリング調査は完了いたしまして、まとめ作業に入っているところです。
 それで、この委員会としてヒアリング調査をしましたものが資料5になっていまして、本日は特にこの資料5をご覧になっていただいて、これからのことについて御相談したいというふうに考えています。
 ということで、いろいろな委員会だとかヒアリングを並行して進めてまいりましたので、スケジュール的にはそんな形で進んできたということと、どんな形で資料を整えられているかというのを簡単に説明させていただきました。
 改めてヒアリングの状況ですけれども、関係の方々の御協力いただきまして、参考資料1-1にありますように、22名の技術士の方々、APECエンジニアの方が5名で、そのほか企業の方、それとプロフェッショナルエンジニア、米国の資格保有者の方、それとチャータードエンジニア、英国の資格保有者の方ということで、かなり広範囲に、世代も超えてヒアリングが行うことができたのではないかなというふうに思っています。
 それともう一つ、今日の資料にはないのですけれども、技術士会の方で中心にまとめてくださっている、各国の相互比較の表というのがございまして、各国でどういう状況になっているのかという表がだんだん固まりつつあります。
 それらを踏まえまして、先日第3回目の検討作業部会ということで意見交換を行ったところです。そちらの方の方針といたしましては、戻りますけれども、参考資料1-2の、この主な意見という表がありますけれども、こちらの方にヒアリング項目ということで内容、ねらいということなのですけれども、これが正にこちらの委員会からお願いした項目になっていまして、今回それに対していろいろな意見が得られたということで、こういった意見を基に、この部会では意見の総括的なものをそれぞれのところにまとめていくこととともに、あと今後どういうアクションが必要かということについて、委員の方々からも含めて御提言いただいて、この表を拡充するような形での意見集約というか作業部会のアウトプットということを今、考えているところです。
 作業部会でのまとめをこちらの委員会で再度検討するというようなことを今、考えているところでありますけれども、こちらの委員会の方から、国際的通用性検討作業部会をまとめるに当たってこういう観点が必要だとか、こういうことをやった方がいいとか、というようなことで御意見いただければ、反映させて、作業を進めるようにしたいなというふうに思っておりますので、この資料を細かく見る時間がなかなか取れないかもしれませんけれども、どんなことでも結構ですので、気が付いたことだとか、あるいは少しここから離れても結構ですので、今までの検討状況を踏まえまして、御意見いただければと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
【塩原委員】  幅広い調査をしていただいて、どうもありがとうございます。技術士の方及びAPECエンジニアやPEの方とか、非常に広範囲に調査していただいたと。大体いろいろな御意見が出たと思いますので、この成果をいかに有効なものにしていくかという時間軸の設定というのは、結構大事ではないのかなというふうに感じております。
 このまとめ作業というのは大体まとまってきましたので、これ以上そんなにこれに時間を掛けるよりは、どちらかというと、この技術士やAPECエンジニア、IPEAエンジニアの資格をいかに国際的に使えるようなものにしていくかというところを、どういうふうに進めていくかと。余りこれを時間を掛けて調査ばかり何年間もやりましたといっていたのでは、結局、調査結果が意味がないものになってしまいますので、もうほとんどいろいろな御意見は出たので、この結果から考えて、じゃあ次にこうしましょうと、そのスケジュールをできるだけ短期間に成果が出るような方向に持っていくのがいいのではないかというふうに感じております。
【岸本主査】  ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。はい。
【高木委員】  私も同様な意見です。ここの参考資料3の1ページ目のところに、国際的通用性の作業部会では、というセンテンスがあって、丸1から丸4、各国のエンジニア資格の状況等の整理、これができたのかどうか。それから、他国のエンジニアが日本に入ってきた際に、とかこの4つの項目が今、どういう状況にあるのでしょうか。作業部会にお願いする項目がここで確認されていますが、この4つの項目が今どういう状況にあるのかということが、これを見てもよく分からないというのが1つです。
 また、この議事録には、各国の資格表に基づく意見とありますが、その基の資料がないので、よく理解できないということもありますので、できれば提示していただければというのがお願いです。もう一つは、冒頭にお話がありましたが、国際的通用性の作業部会そのものが、1つ横軸を通そうということで始まったものだと思います。その横軸を通すといったときに、技術士が国際的に活躍するために今本当に何か障害になっていることがあるのかどうか。それぞれの国の事情がありますので、全部は無理だと思うのですが、この技術士という制度の中に最低限整えておかなければいけないことがどういうものがあるんだとか、そういうことが見えてくるようなもののまとめをしていただけると良いと思います。いろいろな情報があって、どう理解したらいいかがちょっと分からないなと思うので、その辺補足で説明いただければと思います。
【坂本人材政策課長】  済みません、それは机上配布で回収するということで、非公開に扱うということで御提示することはできます。申し訳ありません、今日本当はそうすればよかったですね。
【渡邉専門官】  そちらの資料については今の段階で未定稿ということで、先ほども少し御説明しましたが、6月下旬にロンドンで各国の代表者が集まるIEAの会議がありますので、そこで不足部分を埋めたり、内容を確認したりなどして、既に技術士会の制度検討委員会や国際委員会にも御協力いただいておりますが、ある程度精度を高めてから机上配布も含めて検討したいと思いますが、まだこの分析まで時間的な余裕がなかったということで、その点は謹んでおわび申し上げます。
【高木委員】  分かりました。先ほど申し上げたように、この4つの項目が今、どういう状況になっているのか、あと、最終的な目標として、技術士の制度として最低どういうものを整えるようなことにしようかというところの議論ができるようなまとめをしていただけると良いと思います。
【岸本主査】  こちらからお願いしたのが、1つは制度的な面で日本の技術制度が国際的通用性を担保しているのかどうか。その中で足りているところ、足りないところがあればどこなのかを明確にしましょうということと、もう一つは、技術士の方が国際的に本当に通用するような仕事をできるような能力をちゃんと担保した形で資格を付与しているのか、あるいはそれ以上なのかということで、2つの観点から見ていきましょうということで、そのことについては国際的通用性検討部会の方でも、提言も含めて御議論してまとめていきたいなというふうに思います。
 あともう一つ、2番目のところですね、他国のエンジニアが日本に入ってきた際に、日本の技術士と同等な扱いをできるかどうかということについては、双方向ということになるので、この辺りはいろいろな意見が出てくるかと思いますので、1つの意見に絞らないような形になるかもしれませんけれども、こういう状況が考えられるとか、こういうふうにしたらいいというのをまとめていければなというふうに思っているところです。
【坂本人材政策課長】  よろしいでしょうか。
【岸本主査】  はい。
【坂本人材政策課長】  済みません、ちょっと私、まだ着任して2か月半ぐらいでまだまだ勉強中のところではあるのですけれども、国際的通用性というのは多分2つの意味があると思いまして、先ほど岸本先生からお話ありましたように、日本の技術士制度あるいは技術士の方々が国際的に通用する、その典型的なものは多分CPDとかですね、そういった形で能力をちゃんと評価される体制にちゃんとなっているかどうかということと、実際にそれが資格が認められるかどうかという、多分この大きな2つの要素があると思います。
 その資格が海外で認められるかどうかというところは、極めて国の制度あるいはそれぞれの国の、エンジニアをめぐる業界というか、そういったものの事情によるので、これはなかなか難しいところがございますが、今我々も検討を進めている中で、こういった課題を通して、全体の道筋として最終的に目指す目標というのは、なかなか全体像を描くというのは難しいかもしれませんけれども、とりあえず今の状況をどのように改善なり、あるいはより良くすることができるのかというところのアプローチを示していくよう、是非御指導を頂きながら進めていきたいというふうに思っております。
 1つは、私もこのヒアリングの意見を勉強しているのですけれども、APECエンジニアを登録するのに当たってもやっぱりCPDが非常に苦労されると。ですが、CPDというのは多分国際的な流れとしても常に出てくる問題だと思いますので、これは国内の制度にどう取り入れるのかということ、あと、APECエンジニアに登録すること自体が、更に資格の相互承認のさらにその次、国同士の枠組みが出てきますので、ハードルが上がるわけですけれども、そこを何段階か行くに当たって、今課題になっていることはとりあえずこういう形で、解決するところは示していく、というようなアプローチを採らせていただければなと思っております。
【岸本主査】  ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。こちらの作業部会の方は途中でいろいろメールでやりとりもしつつ、次回にまとめて、それでこちらの方の委員会にまとめたものを提出していただくみたいなスケジュール感でやっておりますので、是非いろいろな御意見いただければと思いますけれども。高木委員の方からまた追加して、よろしいですか。
【高木委員】  多分繰り返しになってしまうので大丈夫です。坂本課長の言われたことも私と多分同じことだと思います。国際的に技術士が活躍するために何が今、障害になっているのかを整理することから始まるのだと思います。解決できるかできないかは別としても、こういうことがあるが、これはもうあきらめようとか、これはその国の事情があるので別のやり方をしていかなければいけないとか、だけどここは制度的に対応することが可能なのでこれだけはやりましょうとか、そういうようなことがアウトプットとして出せるようにしていけたらと思います。
【岸本主査】  ある種見えてきたのは、海外でもう既に、プロフェッショナルエンジニアだとかチャータードエンジニアの制度が確立している国とは、向こうに制度があるのでそれと同等な形で日本もきちんとやれるというのが必要だろうということ。
 もう一つは、多くの方々が仕事をされている東南アジアだとか、これから発展していく国については、制度そのものがまだ整っていないので、そういう制度を持って入っていったときに、なかなか理解してくださらない方々も多いという中で、そういったところに対しても日本がもっとコミットして、こういう制度がある重要さを分かってもらえるような働き掛けをすることによって、技術者の人たちが働きやすい環境になるのではないかというのがありました。
 そういったことで、技術士のコミュニティーとしてできることと、回りにお願いすることを分けていくというか、そういったことを明確にしながらまとめていくのが必要かなというふうに思っていまして、その辺のところで政府にやっていただきたいことも含めて書いていくのかなというふうに思っているところです。
 で、またそのアウトプットが出たところでこちらで議論して、いろいろなことで足りないところ、あるいは必要なところを加えて、こちらの委員会のまとめというふうにしていきたいというふうには今、考えております。
 ではまた、こちらの議論をしている間に関係することが出てくるかとも思いますので、この2についてはこの辺りにいたしまして、次に3の今後の方針に移りたいと思います。それでは事務局の方から資料の説明をお願いいたします。
【渡邉専門官】  資料4、制度検討特別委員会での議論のまとめ方針でございます。こちらの委員会は、今まで何度も話が出ておりますけれども、前期から残された6つの技術士制度についての課題について、国際的通用性を横軸とした議論でまとめていくという形で議論を進められていたところだと思います。
 国際的作業部会のまとめにつきましては、先ほど御説明した通りでございます。
 制度検討特別委員会は国際的作業部会の親委員会に当たるわけですが、それについては先ほど申しましたように、3の議論のまとめにありますような、国際的通用性、普及拡大・活用促進、CPDの在り方、更新制の導入、技術士補及びIPDの在り方、一次試験の適正化、総監の在り方、この6つの課題について、国際的通用性を横串として議論していただいてきたものをまとめて意見として出すということでございます。
 さらに、こちらの委員会の更に親委員会が科学技術学術審議会の技術士分科会になりますので、こちらでまとめたものを更に技術士分科会に上げて、最終的にはそこで承認を得るというような形になります。
 今後の日程等なのですけれども、先ほど岸本先生の方から話もありましたが、先日ヒアリングも終わったばかりでございますので、特に国際的通用性につきまして今後1か月ぐらい掛けてまとめていって国際的通用性の作業部会を開催しまして、そこでまとめて、先ほど高木委員の方からもお話があったような方向性等が出せていければと考えております。
 その作業部会の報告を受けて、こちらの制度検討特別委員会の方では、恐らく9月、10月ぐらいになってしまうと思いますが、作業部会でまとめたものをこちらの委員会の方で更に審議していただくというようなスケジュールになっております。 資料4については以上でございます。
【岸本主査】  ありがとうございました。この制度検討特別委員会でこれから議論していただき、それをどういうふうにまとめておくかということで、たたき台が資料4のとおりにできていますけれども、そのまとめ方について御意見いただければと思います。
【岩熊委員】  済みませんが、調査内容というのは、この「3.議論のまとめ方について」というところに丸がついて6つ書いてあり、一番上はどちらかといえば横串的な形で考えるとして、その下の5個は、それぞれの課題について調査内容から導かれると書いてあります。 調査というのは何を示しているのでしょうか。私が把握しているのはこの国際的通用性に関するヒアリング調査と、若手技術者に関するヒアリングで、その二つの調査の中から、例えば、普及拡大・活用促進の何かが導かれるような調査が十分行われているかどうかはよく分からないのと、余りその前から進んでいないようなテーマもあるかなという感じです。
【岸本主査】  あと、企業の方々へのヒアリングと、各国の資格表の資料でしょうか。
【渡邉専門官】  そうですね。恐らく国際的作業部会は1か月ぐらい後にあると思うのですけれど、それまでにメールや事前の打合せ等もあれば、ある程度ここの6つのもので、ヒアリング調査からどれを例えば重点的にやっていった方がいいとか、恐らくそういうことも国際的作業部会の方である程度方向性を出していただいて、それをこちらの委員会に上げてくるというようなイメージなのです。
【岸本主査】  それも踏まえて、今回こちらの部会としてヒアリングした内容で、作業を進める側としてはまずこれだけの調査をしたので、そこから見えてくるところを整理し、更に足りないところ、あるいはもっと検討しなければいけないことについては、委員の方々から加えて意見を頂いて、それで全体をまとめるということで、まずは調査の内容から見えてくるところを先にやって、課題の洗い出しをしたらどうでしょうかという御提案になっています。
【岩熊委員】  企業の方というのは何人ぐらいヒアリングされたのでしょう。
【奥野主査代理】  資料5にあります。
【岩熊委員】  これは、私が出させていただいたヒアリングとは別に、この3つの土木、交通インフラ、電気の各7名、1名、2名と、この企業の方のことをおっしゃっているのですね。
【岸本主査】  そうですね。
【岩熊委員】  はい。この辺はまだ全然アウトプットにはなっていないというのがあるのですけれど。
【岸本主査】  それで、あと見ていただくのが資料5-2で、これからの残りの時間でこれ見ていただこうかと思っているところです。
【岩熊委員】  分かりました。いや、まとめ方という話が先に出てきたので確認しました。
【岸本主査】  議論していただく前に、大体の概要でどうまとめるかというのを見ていただいて、それで議論に入っていきたいなと思いました。
【岩熊委員】  はい、分かりました。
【岸本主査】  そういう段取りで、後でこの資料5については見ていただきますけれども、ここからの課題を今回のこの6つの課題について、どんなことが見えているかというのを皆さんと御議論したいなと思っています。ちょっと段取りの説明が長くなって失礼しました。
【奥野主査代理】  検討テーマはこの6つということで、最初にセットされたのですけれど、やっぱり今後この調査結果とかをまとめるに際しては、この6つの項目とどういう関係があるのかというのも、少し焦点当てた調査結果のまとめ方をしていただくといいのかなと思って。例えば、国際的通用性というのはこのヒアリングの中身等を見ますと、やっぱりCPDだとかそういったのと非常に大きな関係が出てくるのではないかとかですね、では第一次試験の適正化とか、技術士補というのは、国際的通用性とどこかでつながるところがあるのかとか、あるいは技術士の資格普及拡大、企業でもっともっと技術士資格を拡大したいというのと、この辺のCPDだとか、第一次試験の適正化とか、関連ありそうなのかどうなのかというのは、そういうまとめの中で少し触れていただくと議論がしやすいかなと思いました。
【岸本主査】  そうですね、国際的通用性部会の方は部会の方でいろいろな形でヒアリングを行っていくと、おっしゃるようにCPDのことだとか、いろいろなところがそこからも見えてくるので、そこからのフィードバックもありますし、それとは別に企業の方にこちらの部会としてお伺いしたところからも見えてくるので、その辺、両方合わせてということになるんじゃないかというふうに思います。どうぞ。
【塩原委員】  今ほどの6つの項目ですが、強弱を付けてもよろしいのではないかというふうにちょっと感じます。一番上の3つに関しては、非常にこの技術士資格を有効にしていくためにかなり議論が必要だという気がいたします。それに対して、下の方の3つというのは、なかなかこれはいろいろな御意見があって、余り方向性が定まらない可能性もあるのではないかなというふうに感じまして、最初の3つの方でいかに成果を出すかというふうに強弱を付けていただいた方がいいんじゃないのかなというふうに感じました。
【岸本主査】  ありがとうございます。また、議論の中でどこがハイライトされるかということと、先ほどの御提案の中で、今期は具体的なアクションを起こすというよりも、どんなアクションが考えられるかということを、今持っている皆さんのお考えのことも含めて、両論併記になってもいいかなと思いますので、そこら辺のところも踏まえてまとめておいた方が次につながるかなと。だから、様々な意見があれば様々な意見をそのまま入れておいて、その中からもう少し先で議論しなければいけないことは議論するということで、できるだけこれら6つについて触れた形でまとめられたらいいのかなとは思っていますので、その中でもこの上の3つという御指摘は非常に重要かなというふうに思います。
【高木委員】  前回の議事録においても、更新制を今期の1つの大きな課題として検討を進めたいとなっています。私はこの件については、一定の方向性は出すべきではないかなと思います。
 あと、総合技術監理のようなテーマについては、議事録の中でもいろいろな御意見が出ていて、1つの方向性になかなか集約できるようにはなっていません。いろいろな御意見があるということでの整理の方向と、ある方向性を持って次の段階に進むことが妥当だとかいったまとめだとか、塩原委員がおっしゃったように、強弱付けて、整理をすべきではないかと思います。
【岸本主査】  後で議論になると思いますけれども、国際的な比較をしていく中で、CPDと更新制のない日本と同じような国がないということがだんだん見えてきているので、それは相当急ぐというふうに思いますので、何らかのものを出していく必要があるのかなということです。
 それと、IPDだとか一次試験の適正化、総合監理、みんな関係してくるので、その辺とやはりひも付けしてきちんと方針出す必要がそろそろあるかなと。意見がたくさんあるから、止まっていても、もうそろそろ遅いかなということなので、今期何とか頑張ってこの委員会でも議論をお願いしたいなと思っております。どこまで意見集約できるか分かりませんけれども、そろそろしておかないと、国際的な通用性とかいろいろ考えたときに難しくなってきているかなと思っています。是非、よろしくお願いしたいと思います。
【岩熊委員】  技術士の意見で一番多いのは丸2番のところで、ずっと言われている普及拡大・活用促進、何か強いアクションをするべきだということを出していくと、もっと技術士に興味を持ってくれる人や企業が出てくると思うのですけれど。ずっと言われながら、なかなかきちっと出てこない。以前の資料に、活用の考え方というマップがございましたよね。いろいろ拾い上げてしまっているような気がするので、どこをどう進めていくべきかの整理もあると思います。
【岸本主査】  そうですね、ヒアリングの中でもいろいろな観点が示されたようなのがありましたので、その辺りまとめられるといいかなと思っています。
 議論をすることがたくさんあって、これからが大変な作業になると思いますけれども、もちろん課題全てについて網羅的にということもいかないかもしれませんけれども、できる限り、今期はどういうことができるかということを中心にまとめていきたいということでよろしいでしょうか。それでは、おおむねこういった形での方針で今後進めてまいりたいと思います。
 それでは、先ほどから何回かお話が出てきています、4番目ですけれども、技術士制度に関するヒアリング調査についてということで、そちらの方に進めたいと思います。資料5について説明をお願いいたします。
【渡邉専門官】  資料5、技術士制度に関するヒアリング調査についてでございます。こちらの委員会ではもう何度も話が出ていますように、先ほど問題になりました6つの課題について継続的に審議を行うということで、その関連で、例えば企業の人事担当者から、あるいは若手の技術士から意見を伺うということで、特に若手につきましては、岸本先生のほかにも何名か先生にも御出席いただきましたし、非常に有用な意見を頂いているかと思います。基本的な意見は国際的通用性の参考資料1-2に載っているものと似た意見が出ているのではないかというような感じを受けている次第でございます。以上でございます。
【岸本主査】  それで、この資料5の関連になりますけれども、現状どんなことが意見としてまとめられたとかというのをごらんになっていただきながら、次に生かすような議論をしていきたいと思いますので、残りの時間は、資料5-2を中心に御意見、御感想になるかもしれませんけれども、頂いて、次の議論に生かしてまいりたいと思います。
 資料5-2ですけれども、先ほどから御説明ありましたけれども、資料5-2の別添というのが、元の資料では資料2の別添となっていますけれども、それになっていまして、全部で9つのカテゴリーでヒアリングを行っています。それぞれインタビューをいたしまして、それぞれの項目のお聞きした内容のままの資料がこちらの資料になります。これはなかなか、整理するのがすごく大変だったのですけれども、事務局の方でしていただきまして、資料になっています。ヒアリングの意見についてここで細かく見ていただくのもそうなのですけれど、それをまた大事なところを切り出したのが、資料5-2になっています。こんな意見があったということを御覧になっていただいて、御意見いただければと思います。順番に進めてまいりたいと思いますが、この資料ですけれども、ヒアリング項目というのが左にありまして、それに関して出た主な意見というのが真ん中にあり、一番右の欄は発言者ということになっています。それで、できればこの表に関してこういった意見に対してどんなアクションが考えられるのか、どんなふうに制度等を改善していったらいいかということで、これに対して何をするのかというのも、この部会で作っていけたらなと思います。それをまた基に議論して、全体のまとめに持っていくというのがあるのかなということで、今日は時間の範囲でそれぞれの項目について意見を見ていただいて御意見いただくというふうに進めたいと思います。
 1番目が、技術士を目指した目的ということで、特に上の方は、若手技術者の方々で、かなり意欲のある方々に皆さん来ていただいたので、現場の生の声が反映されているのかなというように私は受け取っているのですけれども、技術士を目指した理由というのが、自己研さんだとか、大学時代での恩師の方々の指導だとか、それと社内にそういった風土があるとか、それと社内の業務に関して必要だからとかいうこともありましたし、自分の能力を証明し、周囲に認めてもらいたいと考えた、という意味で、この、自分がどれだけ実力があるかを示すということで、技術士を目指している方がかなり多かったという印象で、活用を考えていくときに、こういった視点は大事かなというふうに思った次第です。この辺りはどういうアクションが、というのと、利活用のところにも参考になるかなということです。
 2番目が、資格が活用された場面ということで、今まで特に利活用の中でいろいろな業務をする上で必要だということもありましたけれども、それを超えたいろいろな意見も出ているので、やはり若い人からすると、専門的な能力を持っている技術者として認識もしてもらえるというのが大きなポイントかなというふうに認識されるところです。
 次が恐らくアクションが必要なところだと思いますけれど、資格を活用できなかった場面というのですけれども、技術士は上位にランクされる資格であるということですけれども、一般の人に対してのプレゼンスが非常に低いと。企業内でということですけれども、ほかのいろいろな資格に対して技術士というのがなかなか認知度が低いので、これについては、やはりアクションを起こす必要があるのかなということです。それと、若い学生さんたちや新入社員の方見ていても、JABEEとの関連も余り理解していないし、大学における認知度が低いといった問題があるということです。あと、二次試験についても、ある種大きな成功体験がないと受けられないというふうに思われているということで、こういった中で技術士がどういう形で資格が取れるのかというような流れについてもよく分かっていないというようなところ。あともう一つ、業務独占だということで、こういった中から、どういったことをしていけばいいのかなということが言われるのかなと思います。
 この辺りまでで何か、御意見あればと思いますけれども。
【岩熊委員】  私はヒアリングに参加させていただきました。自分も建設系の会社にいて、業務に必要な資格の声をたくさん聞くのですが、ヒアリングを聞く限り、建設系も含めてキャリアパスの一環として考えて技術士を位置付けているという方も多いらしいということと、以前の資料で資格の活用のマップの中に、そういった人材育成への活用も描かれていた部分がありますが、私たちが考えている以上にそこで活用している人がいるなという印象は受けました。大学のときに紹介されたと言われていて、建設系の方は業務で資格が必要だからという言い方をされますが、それだけではないような部分を若い方はお持ちの方が多いなと、それを伸ばしていくようなことが必要と思います。
 あと、最近の一次試験では在学生の受験者が増加傾向にあり、また、合格率もほかの一般の方よりも高い傾向にあるというデータを整理したことがあり、そういう傾向を考えると、技術士を目指すということを、比較的若いうちに認知度を上げていく活動をする必要があると改めて思います。生の声を聞かせていただいたので、この文章で受ける感じよりも、よりそのように思いました。
【岸本主査】  はい。
【塩原委員】  今のお話で、建設系の方は本当に設計確認者の要件になっているということで、非常に大きな目的があると。それに対して、それ以外のところ、例えばうちの会社ですと電気とか機械とか原子力とかですね。そういう部門においては、逆にその資格が生かせる場が少ないと。そのために、技術士を目指す目的というのはキャリアパス、自分の技術力を磨くというような形でこういう回答になっている次第なのですが、逆にこれは恥ずべき話であって、建設系の資格要件のようなものが、やっぱりほかのところにももっとあって、そういうことをやることによってメリットもあるというのがここの中に記載されるようになってほしいなというふうに感じます。そうしないと、その人間のキャリアパス、技術力向上という目的だけで受験をしてもらうような形になってしまいますので、非常にちょっと弱いと。
【岸本主査】  そうですね、社内的な、要するに公的なものなのか、社内できちんとそういう形でそういう人たちを職場で生かしているのかによって大分違うかなと考えていまして、むしろ公的なというのもありますけれども、社内的な枠組みの中でそういう資格を取った人は同等にいろいろなレビューに活用してくれるとか、要するに年齢に関係なく仕事ができるようにこれからなっていってほしいというのが、若い人たちの要望からすると、その使い方はやっぱり社内でしていただかないと難しいかなというような印象を、私かなり持っていて、それには国に働き掛けるのもありますけれども、やはり自分たちが自分たちの会社を動かさなきゃいけないんじゃないかというような印象を、大分若い人からは受けましたね。
【岩熊委員】  なかなかそれは大変かもしれませんね。でも制度的に何か保証というか、そういうものをあげれば大分彼らもやりやすいかもしれませんが。
【岸本主査】  保証をあげるか、やっぱり層が広くならないとできないということで、やるにしても少ない人数の人だけが特別になっちゃいけないので、どっちが先か分かりませんけれども、まずはそういう資格がちゃんといろいろな人たちに認知されるということから始めていかないと、始まらないかなという。
【塩原委員】  そういう観点で少し紹介させていただきますと、全ての会社でそういう仕組みが多分まだあるわけではないと。例えば我が社の例ですと、技術士を取ることに対して報奨金を出すとか、あと技術士の資格を取ることによって、社内の検討会であるポジションとして評価ができる、そんなような立場になれるというようなことは社内ではやってはいると。だから、そういうような取組がいろいろな会社に展開されていくと、おっしゃるとおり広がってはいくと思います。
【岩熊委員】  そうですね。
【奥野主査代理】  今のお話は、このヒアリング結果の技術士資格を所有する技術者として意見が採用されることがあったという、これは丸4で電気関係の資格をお持ちの方なので、ひょっとしたら会社の方かもしれませんけれど、そういうような、あるいはその上に名刺に技術士と書けば何となく違った目で見られたとか、そんなような経験がおありの方もいらっしゃるようなので、そういうのをどんどん広めていくということも大事なことだと思いますね。
【岸本主査】  そういった方々のもう少し個人的でも技術士会でハイライトして、こういうことが技術士の仕事ですみたいなものをもっと宣伝していくということが必要じゃないかなと。
【奥野主査代理】  こういうのがもうちょっと進んでくれば、例えば会社でどこかの別の会社と契約をして、あるものを発注するときに、そこの担当者が技術士を持っているか持っていないかというのを気にするようになると、これは業務にまた結び付く話ですから、そういう動きを広めていくのは非常に大事なことかなと思いますけれど。
【岸本主査】  あと、私から申し上げてはいけないかもしれませんけれど、認知度が低い点については、やっぱり技術士とは何ですかといったときに、なかなか、Webで探してもきちんとした説明が見えなくて、どういう人が一体技術士なんだというのが一般の人から見て分からないと。いろいろな士が付く資格の中で、技術士が一番分からないんじゃないかとおっしゃっているので、そういったものを、何ができる人で、どのようなところで活躍しているかというのをもっと広めていく、技術士会の仕事になるかもしれませんけれども、一緒にやっていく。あと、政府の方でも力を入れていただくみたいなアクションが要るんじゃないかなと。
【高木委員】  そこについては技術士会でも問題意識持っていまして、今、そうした活動をやっているところです。それとともに、産業界での活躍がある程度担保されてこないと、幾ら人材育成面での制度活用といってもそこが遊離していたら駄目だと思います。産業界での活用という面と、人材育成という面がリンクした形で物事が進んでいかなければ、うまくいかないんじゃないかと考えています。
【岸本主査】  1つは、そのヒアリング、後で企業のものが出てきますけれども、ちゃんとやっている会社はちゃんとやっているのですよね。その電機メーカーもそうですしね、だからそこをもっとハイライトしていった方がよくて、それで全体がやってくださいというのはなかなかまだ、そこを枠組みとして作るのはまだ難しいのかなという気はしますけれどね。
【高木委員】  企業に対して、どのようなインセンティブが与えられるかですよね。
【岸本主査】  そうです。あと、企業としてきちんとやられているところは技術的にもしっかりしているし、こういう形で技術者がちゃんと来ていますというのを見せていく必要があるのではないかなと思いますね。自分たちが動いていかないと駄目ではないかなという印象を持っています。
【奥野主査代理】  もう1点。岸本先生にお伺いしたいのですけれど、きっかけとして大学の先生に勧められたとかいった発言もあったのですけれど、大学では技術士という資格制度があって、現在のところこういうふうに活用されている、あるいはちょっと活用がまだ不十分だけど大事な資格だとか、そんなようなことを学生さんにお話しする機会というのはあるのでしょうか。
【岸本主査】  現状は先生方の個人的な対応になっているように思いますね。今回のヒアリングをして答えてくださった方も、たまたまそういう先生に遇したということで、まだ組織的にはできてないと思いますし、大学の教員がそういう制度があるということを理解しているというのもなかなか一般的ではないと思います。それは、そういう資料もないし、どこを見ても、というのがないので、やっぱりそこら辺ちゃんとしていかないと、つながっていかないのかなと思います。是非そういったところをうまくつなげた方がいいと思います。
【奥野主査代理】  そうですね。
【岸本主査】  ちゃんと指導された方は学部時代にもう既に一次試験、JABEEの認定とは違いますけれども、取られて、会社に入ってきたらもうすぐに技術士を目指すように自分自身を高めていたという方もいらっしゃるので、やっぱり指導もあるかなと。
【奥野主査代理】  と思いますね。
【岸本主査】  はい。
 それではその先に行きたいと思いますけれども、更新制とCPDについてですけれども、CPDについては、そこにあるような意見が出ているところですけれども、CPD制度そのものを考えてくださいみたいな形の意見が多かったんじゃないかなと思います。
 ここに書かれているのとちょっと違っていて、特に国際的通用性の方からの話では、更新制は入れるべしという意見が結構強くあったように思います。やはり、特に若い人たちの意見によくあったように思ったのですけれども。
【岩熊委員】  若手の方皆さん、イエスとおっしゃっていました。
【岸本主査】  そうですね。というのは、やっぱり同じように自分が資格を持っている人たちがきちんとしていないと自分たちも困る。
【岩熊委員】  ええ、そうおっしゃっていました。
【岸本主査】  で、そのためには更新制で、更新している人をちゃんと名簿出した方がいいという意見が強かったので、そういった人たちを考えると、更新制を入れていく必要があるということに対して余りネガティブではないのですが、制度そのものについては、CPDの扱いとかについては検討してほしいという意見だったように思います。
【岩熊委員】  そうでしたね。
【奥野主査代理】  CPDを要件とするならば、その機会をしっかり与えた方が仕事が良くできると、両方併せてということだと思いますけれど。
【岸本主査】  更新制度については、入れる方向でということなのですけれども、具体にどうするかについては、是非議論いただきたいと思います。
【塩原委員】  今ほどの話で、その更新制度とCPDについての最後の行ですが、更新制度、CPD等を定めるならば、学ぶ機会の創出やCPDを取りやすい環境の構築が必要であるということで、今ですと1年当たり50時間必要で、あとはAPECエンジニアとかいったらそれを5年間で250時間とかいう形になってしまうと。そういうことが各団体の中で本当に可能な仕組みなのかというのをよく調査した上で、進めていかなくちゃならないんじゃないのかなというふうに感じます。
【岸本主査】  国際的通用性の方からは、例えばプロフェッショナルエンジニアも50時間していますし、チャータードもしているわけで、物すごい数の人たちがされているので、そういった意味から同等にしていくことは必要だし、彼らはどういう仕組みでやっているかもきちんと整理し、で日本に導入していくということで、やっていくのかなということですね。50時間というのは、週に1時間なんですね。海外だともっとたくさんやっている人が多いので、余りCPDが50時間だから負担だというよりは、50時間の中身を考えていく方がいいのかなということで、そういった意見は結構多かったように思いますね。
【岩熊委員】  範囲を広げてほしいとかいう感じですか。
【岸本主査】  範囲を広げる。
【塩原委員】  例えば今のその日本技術士会のCPDのところに登録しようとすると、多分50時間を若手の人が登録するというのはかなり難しいんじゃないのかなというふうに感じます。ですからもう少しそれを範囲を広げていろいろなものが登録できるような形にしていかないと、かなりハードルになってしまう可能性があるかと思います。
【岸本主査】  プロフェッショナルエンジニアの方では自分が自己申告でいろいろなことをやったというのを出して、それなりにやったことについては準備はしていくのですけれど、それで特に細かいところの指摘はなくて、ランダムに調査が入るらしくて、そういった意味から、チェックするのも全件チェックじゃないやり方をしているので、ずっと続いているというようなお話もしていたので、そういった内容とかチェックの仕方をどうするかも含めて考えていかないといけないかなと。
【奥野主査代理】  あと、CPDはいろいろな学会がありますよね。そういったところとも密接に関連して、そして学会によって時間数だとか中身とか違っているところもあると思いますけれど、技術士となるとそれを全部包含する話ですから、その辺の実態も踏まえていかなければいけないだろうと思いますね。
【岸本主査】  あとやっぱり社内でのいろいろなメンタリングをしているとかというような、普通の業務の中で仕事をしていることをカウントしてほしいというのが結構ありましたので、そういったところで、厳格さと実質的なところをどう見極めていくかというのが要るのかなということです。
 ということで、更新制については、余り強い反対はなかったと。仕組みが整えばと。
【奥野主査代理】  そう思いますけれど、ただ更新制は、技術士制度という点からいうと、非常に大きな課題だと思います。法律マターに多分なるんじゃないかと思いますから、そうしますと、そちらの方面からの検討も必要になってくるんじゃないかと思います。いや、ただ単に条文に書けばいいということでは多分ないと思いますので、それを併せてやる必要があるかなと。
【岸本主査】  本格的にやるか、あとは名簿の公開。要するに更新しているかしていないか名簿上で示すというのがありましたね。
【奥野主査代理】  義務付けるのではなくて、公表するという……。
【岸本主査】  はい、公表。アメリカのプロフェッショナルエンジニアは名前のリストが公開されていて、この人はちゃんと毎回更新していますと。していない人はそのまま残っているんだけど、更新を続けている人では、更新をちゃんとやっている人ではないという形で公表しちゃっているので。
【奥野主査代理】  なるほど、そうすると法律までいかなくてもいいかもしれないですね。
【岸本主査】  いかなくてもできちゃう。だから名簿の公開については法律とは違いますよね。
【渡邉専門官】  そうですね。
【岸本主査】  公開名簿の中でアクティブかノンアクティブかと出すらしくて、自分がちゃんとそれを出すとコンピューターのベースのところでアクティブと出てきて、現実にCPDをやっている人だというのが分かるにしていると言っていましたね。仕組みのこともあると思いますけれども、やはり更新制度を入れるとなったら、どういう形だったら入れられるかというのを考えていくということでしょうかね。技術士会の方でも検討されているということですので。
【高木委員】  はい、検討しています。
【岸本主査】  この制度検討委員会ではその辺を是非議論していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
【高木委員】  よろしくお願いします。
【岸本主査】  次がIPDと技術士補です。一番下のところにもあるのですけれども、技術士になるまでの学習のサポート、あるいは社内教育といったところで、きちんと技術制度が根付くには、IPDをきちんと整えるのが非常に重要かなと。それの希望が強いかなというふうに感じられるところです。そこの環境がある若いエンジニアの人たちとそうでないところで大分差が出ているので、技術士会の方からも関係者からもIPDのことが出ているので、この辺は制度としてきちんと整えていく準備をしていくというのも必要かなというふうに思います。各国の状況も見ながらしていくのがいいかと思いますけれども。
【奥野主査代理】  その意見の中で、2つ目の意見があるのですけれど、技術士の資格取得の学習はOJTだけれども、会社が求める人材と資質能力は必ずしも一致していないという点があるのですけれど、この辺はどうなのでしょう。これは土木の施工企業の方の御意見なのですけれど、確かに多少違うところはあるでしょうね。
【岸本主査】  これは、1つは、この受けられた段階の方が技術士として求められるというのはコンピテンシーを公表する前だったのですね。なので、そこら辺がよく分からなくて試験を目指しているということで、その辺のかい離があったということのようですね。
【岩熊委員】  もう少し前に受験されている方ですね。
【岸本主査】  はい。公表前に受験されている方で、ここに出てきていないですけれど、コンピテンシーについてはかなり賛同が得られていて。
【岩熊委員】  そうでしたね。
【岸本主査】  そういう形できちんとそういうコンピテンシーを身に付けるということが目標になるんだったらば、それに沿っての学習、あるいは仕事の仕方というのをきちんとやると。そういうものをいろいろなところで学べるようにしてほしいとなるといいんじゃないかと。あと、社内でちゃんとできているところもあれば、そうでないところもあるので、やはり組織としてIPDが要るんじゃないかというふうに私は受け取ったところです。それと技術士補のところをどうするかという。
【岩熊委員】  皆さん技術士補登録されなかった方ばかりで、余り実感としては感じられないかもしれないですね。この補という意味では。
【奥野主査代理】  プロセスの一つなんですね、一次試験合格という。
【岸本主査】  それとこの技術士補というのをそういうようなIPDをやっているとか、IPDを受けるときに登録をしてもらうとか、そういう形で自分はそういう状況にあるということを明確にするように持っていくのであれば、技術士補の制度が生きるんじゃないかなと。あと、メンタリングをどうするかという問題がありますね。やっぱり、このIPDみたいなものをやる中できちんとメンタリングのやり方もある程度標準化してやれるようにしていくというのも要るんじゃないかなと思いますので、このIPDをどうするかということについても、議論していけるといいかなと思います。
 次に行きながらと思いますが、技術士試験についてということなのですけれども、特に、なかなか合格するまでに苦労された場合に、これからコンピテンシーベースでということであれば、例えば筆記試験が合格したら、そこでそれらが確認されているのであれば、次は口頭試験のみでの受験になれるようなチャンスで、また振出しに戻っての試験じゃない方向を考えてほしいというのは、これはもっともかなと思いますし、あとIPDに関係しますけれども、公の学習ツールの作成を是非お願いしたいということと、面接で測るものについてはもっと面接をやれるようにしたらどうかということで、二次試験の改定を進めているさなかではありますけれども、この辺についてはまだ試験制度としては改善の余地があるかなというふうに取れました。
【塩原委員】  今、技術士の合格率が二次試験で15から20%ぐらいの形になっているということで、もうちょっと向上できないかというような話があったかと思うのですが、その一つとして技術士試験の出題にも影響があるのではないかとちょっと感じたことを1件、紹介させていただきますと、例えば電気電子部門の中で、発送配変電というのがありまして、そこの問題は発電、送電、変電、配電、全てあると。そうすると発電の中には原子力も火力も水力も全てありまして、電気電子の問題でありながら水車のキャピテーション対策に関して論ぜよというような問題までありまして、これはちょっと余りにも範囲が広過ぎて、これではちょっと、合格できる人は少ないんじゃないのかなと感じた次第です。そういうことで、その部門が例えば電気電子でしたら、出題の中身はできるだけその電気電子に関連したものを出題していただくような、少し出題の際の中身なのですが、そういうところを少し考慮していただけると有り難いなと感じた次第です。ちょっと、この場で言う話ではないかもしれません。
【岸本主査】  やはり、そのコンピテンシーの確認だということがもっと前面に出てくる必要があるかなということなのですね。その測るためにどういう出題をすればいいかというのに係ってくると思うのですよね。余りディテールに踏み込んだ問題だと、本当に知識を持っているか持っていないか、ということになるとコンピテンシーの確認じゃなくなっちゃうので、そういったところの配慮というのが要るんじゃないかということと、本当に筆記試験でコンピテンシーが測れるかという議論も出ていて、二次試験の在り方そのものも、諸外国との比較の中で、こういう筆記試験やっている国って、韓国だとかそういう国で、やっていない国の方が結構多いんですよね。そういったところでの二次試験の在り方というのをもう一段階考えていく必要があるかもしれないですね。
 次が総合監理についてですけれども、これ2つの意見になっていますけれども、どちらかというと総監は1つの技術士の部門で取得したあとに、一般的な業務だってマネジャーが、プロジェクトのマネージができるようなところをやる人が、その次に取得する資格だというふうにお考えになっているのもありますし、一方では、そういった能力というのが実際にやった後でないと取れない資格だというふうに思われている人がいて、私は逆だと思っていて、そういった能力をある種身に付けてからやるべきなので、ちょっとこれ、主客が逆転しているのかなと。できた人に与える資格じゃないんじゃないかなということで、総監についての位置付けについては、そういうことができた人にではなくて、これからやる人にきちんとCPDならCPDで学習した人でやれそうな人に資格として与えるんじゃないかなというふうに持っていった方がいいかなと思っていますけれどね。
【塩原委員】  これから国際的通用性というところでこの総合技術監理が宙に浮く可能性もあると思いましてちょっと感じるのですが、非常に総合技術監理自身は日本で非常にすばらしい制度ではないのかなというふうに感じます。それで、ある技術部門だけではなくて、実際、総合的に監理する技術を磨くという観点での1つの資格になっていて、こういうものは日本として誇れるべき制度ではないのかなというふうに感じております。
 ですからちょっと、国際的通用性に関してはこの資格自身宙に浮く可能性があるのですが、日本としてやはりこういうのは残していった方がいいのではないかと感じている次第です。
【岸本主査】  この能力も、本当に試験で測るのか、学習プロセスの中でCPDをやっていた方々でそういうことをちゃんと学習した人に総合監理部門の資格を与えるのかにもよるんじゃないかなと思うんですね。試験でやっているとまた、その国際的通用性とかなってくるとすると、その技術士を持たれた方に更にこういう仕事もできますというような、付加的にやっていく方がいいのかなと思いますけれどね。その辺りの議論を是非お願いしたいと思います。
【高木委員】  私が考える技術士は、社会の課題解決ができる能力を持った人のことです。だからそれを確認するためにはそういう課題解決をしたという経験を測るしかないんであって、どういうことを学んできたかということと、それを実際にそれが発現できるかどうかということとは別の問題だと思っています。
【岸本主査】  その学ぶという意味が、実際の、何というか本を読んで学ぶではなくて、やっぱり実際のプロジェクトを通じてその中で自分がこういうことをやってみたらどうなるかという実体験も含めて学ぶとやっているので。
【高木委員】  ですよね。ですから、それは経験をしない限りはそこにたどり着かないと思っています。
【岸本主査】  で、そのときにリーダーとして、何というのかな、お医者さんはお医者さんになって初めて業務できますよね、本当の業務は。その前にインターンやりますよね。インターンの中で学んでいるわけですよね、実務を。それと同じようなことをインターン的にやってもいいんじゃないかと、総合監理でもね。で、できて、それだったらじゃああなたはできるようにしてあげましょうということで、その学ぶプロセスをどうするかというふうな観点でもいいんじゃないかと。
【塩原委員】  総合技術監理では、労務監理とか情報監理とか環境とか、非常に広い範囲があって、それをCPDで勉強するという機会を与えるかというと、結構難しいんじゃないのかなとちょっと感じる次第です。
【岸本主査】  あと、全部の業務をこなしているわけではないですよね、見てるとね。自分の業務の中でそういうのがあったらどうしますかと試験で聞いていて、経験として全部やっていますということではないんじゃないかなと。だからどこまでをその実体験としてやっていて、どこまではそういうことの分析がいざとなったらできるかというので、両方兼ね合わせて見てませんですかね。
【塩原委員】  試験では両方兼ね合わせて見るのはいいなと思うのですが、CPDでの受講記録だけでそれを全部網羅するというのはかなり難しいんじゃないのかなといった感じがしています。
【岸本主査】  そのCPDの中に、いわゆるインターン的なことが入っていないと駄目だと思いますけれどね。リアルなことに対してやっているという、ある種の業務経験を踏まえてですから、全部経験して初めて総監になるんだったらちょっと本末転倒かなというか、資格が逆転しちゃうので、その辺りをどういうふうにするかというのは総監の一番大事なポイントだと思うんですよね。全部やった人だけしか資格が取れないのだったら、経験に対して与えることになっちゃうんですよね。ということで、議論いただきたいと思います。
【奥野主査代理】  これは随分前からここでも議論がありまして、結果的には21部門の1つであるということに、制度上はなっているわけなのですけれど、実際の使われ方はどうもそうではない面が強いと思うんですよね。だからそこをやっぱり制度にどう反映するかというところは大事だと思うのです。技術士の方とかあるいはそれを活用するサイドで総合監理部門というのが単なる一部門ではないような使い方をしているということであれば、実態に合わせた制度設計が本当は必要なんじゃないかなという気はいたしますけれど、なかなかこれもかなり法律とかその辺に関わる部分になってきますから、今の仕組みを変えるのは簡単ではないようには思いますけれどね。
【岸本主査】  どういうふうにしたらいいかぐらいは提案しないといつまでたってもこの問題は解決に向かわないし、ある種のアクションを起こす必要があるように思います。是非お考えいただきたいということで、課題ばっかりなので今期に全部解決するというのは難しいとは思いますが。
【高木委員】  総合技術監理部門については、21部門のうちの1つの部門となっています。そのときに、他の部門の上だとか横だとかいう議論ではなく、総合技術監理部門というのはどういった人材、技術者だということをはっきりさせておけば、あとはその資格保有者をどう活用するかという活用側の問題だけではないでしょうか。私はそういった整理でないと答えはないような気がします。
【岸本主査】  だからまさにそうで、ちょっと制度的な話を先に言っちゃったんですけれど、技術士に求められる資格とか資質って作りましたよね。そうすると、総合監理部門の技術士に求められる資質能力というのは何かというのを明確化するところが先だという御意見だと思うのですよね。
【高木委員】  それがそのステージでいうここの上だとかそういう話ではないという整理でないと、またややこしくなると私は思います。
【岸本主査】  直接でもいいんですかね。要するに、建設部門なら建設部門の技術士を通過した後でなくてもいいというのか、通過した方がいいのか、そこはちょっと議論しておいた方がいいかなと。
【高木委員】  現実、ごく少数ではありますが単独で取られている方もおられるので。
【岸本主査】  だからそれはそれとして、一般的なところでどうするかということからしたときに、総監部門に求められる資質能力というのをちゃんとやっぱり明確化してやれば、どういう位置付けになるかというのが逆にはっきりしますかね。
【高木委員】  今後、議論が必要だと思います。
【岸本主査】  決めちゃうか、そういう段取りをして決めましょうでもいいので、何か段取りは考えておかないといけないかなと思います。
 それではだんだん時間が迫っていますので、国際的通用性については御覧になっていただいて、その他についてもちょっと後で、これから戻っていきますけれども、企業の方のヒアリングの方を見ていただいて、御意見いただきたいと思いますけれども。技術者・エンジニアに期待する資質能力といったところで、そこに書いてある能力が重要視されるということなのですけれど、ほぼ技術士に求められる能力が合致しているというふうに取れるんじゃないかと思います。
【岩熊委員】  何か足りないところとかの御意見ありました? それはなかったですか。
【岸本主査】  特になかったですね。技術の変化に対応する好奇心というのがありますけれど、これはきちんとCPDをやるとかという意味だというふうに取れると思います。
 あとは、社内で技術士の評価や位置付け、活用される場面についてということで、人事職制上の評価があるとか、業務をするのに必要だと位置付けられているということもありますけれども、資格が必要な業務は特に存在しないけれども、という御意見もありました。
 その次の方が重要でしょうかね。活用しにくい要因及びその解決策ということなのですけれども、技術士の地位を社内、社会の中で上げなければならない。個人的にはメリットはなかなか見えにくいことにはなっているということですけれども、先のことも同じなのですが、他の資格との違いを明確化してほしいという意見がありました。世の中にたくさん、いろいろな資格があるのだけれども、その中で、ここでおっしゃっていた方は、技術士というのが最高のレベルにあるということを、もっとほかの資格の関連の中で見せてほしいということですね。こういったところを見せられるようにするというのも大事かなと思います。
 次も御覧になってからなのですけれども、技術士に対する優遇制度だとか、補助・援助、人材育成制度の中での技術士についてということなのですけれども、会社が受験料等を負担してくださっているところもあるし、報奨金を出しているところもあるし、社内での研修などもやっているということなのですけれども、社内の中でもある種、上長の人の判断でいろいろ変わるということで、上長が変わるとそこの部署のやり方が変わってしまうと、これは少し問題じゃないかというようなこと、こういうような指摘もありました。
 次が、取得を推奨する他の資格についてということですけれども、建築関係については、技術士以外の資格を使い分けているところもあるし、研究部門はドクターだとか、情報部門についてはいろいろな資格があるというようなことでありました。
 要望・その他ということをごらんになっていただくと、業務独占にしていってほしいということですかね。あとは、これは何人かの人が言っていたのですけれども、外国人の技術士受験を容易とする目的で、英語による答案作成を実施してほしいということです。それと、更新制度を実施した方がいいというのはここに書かれていますね。それとあとは、エンジニアの成長に寄与するような形の制度にするのがいいんじゃないか。総合監理部門の話はさっきありましたけれども、総監はそれぞれの技術をまとめ上げる総合技術とした場合は、技術士の最高位の技術部門と考えることが可能で、もっとそのレベルを上げてほしいということで、総監へのこういう期待も大きいということがございました。
 ということで、企業の中でどう活用していくのか、あるいはこういう制度だったらもっとこういうふうに活用ができるんじゃないかとか、というような意見だと思いますけれども、ごらんになっていただいて、いかがでしょうか。
【塩原委員】  先ほどの国際的通用性とちょっと一言紹介させていただきたいと思うのですが、原子力において、例えばアメリカの原子力の設計においては、ASMEに従った設計をプロフェッショナルエンジニアが認証しないと駄目だというような規定があるのですが、日本の技術者から申出をして、IPEA国際エンジニアでも認めさせてくれという交渉をして、それでアメリカのASMEのセクション3の認証をIPEA国際エンジニアでさせていただけるというような事例もありますので、一応、非常に国際的通用性で適用されているような例というのは非常に数が少ないかと思いますので、そんなようなエンジニアもあるということで御承知置きください。
【岸本主査】  ありがとうございます。IPEA国際エンジニアならばいいということになっているのですか、日本のじゃなくて。
【塩原委員】  ちょっとそこの細かいところは明確じゃないんですが。
【岸本主査】  もしありましたら教えていただけますでしょうか。日本との2国間でやられているのか、一般的に開かれたのかが重要なポイントかなと思いますので、ありがとうございます。
 そろそろ時間が迫ってきているのですけれども、今日はフリーディスカッションの形で御意見いただいたところですけれども、事務局の方でまとめられる範囲で資料5-2の表の右にそれぞれの意見が出たことをまとめて記載していただいて、できればまたそれを深めていきたいと思いますけれども、可能でしたら1回その表を皆さんに送って、今日御欠席の方々もいらっしゃるので、それぞれの委員から少しフィードバックがあれば入れていただくような作業を、お忙しいのでなかなか皆さん難しいかもしれませんけれども、コメントを返していただいて次の議論に進むというようにしたいと思いますが、そんな進め方はいかがでしょうか。
【奥野主査代理】  先ほど話題に出ていました、各国の制度のまとめとか、その中でそういう有資格者が何人ぐらいいるのかという数字も分かれば教えていただきたいなと思います。
【岸本主査】  各委員にはその表のまとめと、各国の資格表の現状の資料を送っていただいて、それをごらんになっていただいて、コメントをフィードバックをできる範囲でしていただくという。この表と一緒に送るような形で、次の議論を深めるために事前に御意見があれば頂く、みたいな。
【岩熊委員】  済みません、資料3の2ページ目の2の各国の資格表に基づく意見で、表の英語版を使用して、と書いてあるのは、これは何の表のことなのですか。
【岸本主査】  技術士会の方々中心に、それぞれの国で登録者が何人だとかその表です。その英語版をもう作成してくださっているようなので、それで可能な範囲でそれぞれの国の方からフィードバックしてもらえたらなということを伺っております。まだまだ御意見いただきたいところでもありますけれども、時間も迫っておりますので、事務局の方にお返しします。
【渡邉専門官】  事務的な話でございますが、本日の会議の議事録につきましては、また後日皆様にお送りさせていただきますので、御修正の上、御了解いただいた上で文科省ホームページに掲載させていただきます。
 次回のこちらの委員会なのですが、国際的通用性検討作業部会の方の進捗状況等にもよりますし、各国の資格についての表も岸本先生がIEAのロンドンの会議から戻られた後で修正等加えて、委員の皆様にお配りするようにいたしますので、恐らく次回は8月下旬から9月ぐらいの中で調整をさせていただくことになるかと思いますので、またよろしくお願い申し上げます。
【岸本主査】  それでは本日はどうもありがとうございました。これで終了したいと思います。

―― 了 ――

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